JP3664971B2 - バタフライバルブの組付け用芯出し治具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水や空気などの流体を移送する管路にバタフライバルブを組付けるに際し、管路とバタフライバルブの中心線を合致させるために用いる芯出し治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体の輸送用管路を構成する前後2本の管の間にバタフライバルブを組付ける際に上記の管とバタフライバルブの中心線を合致させるため、バタフライバルブに芯出し治具を着脱自在に取付けてバタフライバルブの組付けを行い、その完了後に上記の芯出し治具を外すことが知られている。例えば、実公平5−5349号公報には、円筒状バルブ本体の外周に立設されている円柱状の弁軸軸受け部に対し管路の上流側または下流側から嵌合可能な半円筒状嵌合部とこの嵌合部の両側に張り出した張出部とで本体を形成し、両側の張出部の各下端に切欠き部を設けた芯出し治具が記載されている。この芯出し治具は、弁軸軸受け部の上端に弁軸アクチュエータ取付け用として固定されているトップフランジの下面に上記半円筒状嵌合部の上端を接触させ、その状態でバタフライバルブを前後2本の管の端部に固定されている配管フランジ間に上から挿入したとき、この配管フランジの上端部を連結するボルトに上記芯出し治具の張出部下端の切欠き部が係合してバタフライバルブの下降が制止されることによって芯出しが行われる。
【0003】
上記のボルトは、対向する2枚の配管フランジ間にバルブ本体を上から挿入する際は外しておき、バルブ本体が配管フランジ上部のボルト孔よりも下に沈んだときに該ボルト孔に挿入され、締結されて配管フランジ間にバルブ本体を挟持するが、上記芯出し治具は、張出部がボルト上に乗っているだけであるため、芯出し治具を傾け、その半円筒状嵌合部の上端を弁軸軸受け部の上端の駆動部フランジの外側に出して引き上げることにより、バタフライバルブから外すことができ、再使用が可能になる。また、バタフライバルブに対して着脱自在であるため、配管フランジの規格に対応して各種の芯出し治具を用意しておくことにより、配管フランジ規格の変更や訂正に迅速に対応することができ、バタフライバルブ自体を変更する必要がない。
【0004】
しかしながら、上記の芯出し治具は、バルブ本体を挟んで対向する2枚の配管フランジの上部を接続するボルトの高さを基準にするものであり、配管フランジに開けられたボルト孔の径はボルト径よりも大きく、しかも上記のボルトは締結前の不安定状態にあるため、芯出し作業が困難になり、複数人の作業員またはバタフライバルブの懸架装置が必要になる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、バタフライバルブ組付け時の芯出しを作業員が一人で容易に、かつ正確に行うことができ、しかもバタフライバルブの組付け後に容易に取り外すことができ、配管フランジの各種規格に対応することが可能なバタフライバルブの組付け用芯出し治具を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るバタフライバルブの組付け用芯出し治具は、従来の芯出し治具が配管フランジの接続用ボルトを基準にしていたのに対し、配管フランジの上面を基準にするものである。すなわち、円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの組付け用芯出し治具において、該芯出し治具が弁軸軸受け部の外面に嵌合する本体部と本体部の下部に結合されて管路の上流側および下流側の少なくとも一方に張り出す足部とからなり、芯出し治具をバタフライバルブと共に管路内で対向する上流側および下流側の配管フランジ間に挿入して管路およびバルブ本体の中心線を合致させたときに上記足部の下面が配管フランジの外周と接するようにしたことを特徴とする。
【0007】
管路中で対向する上流側および下流側の配管フランジ間にバタフライバルブを組付ける際、該バタフライバルブの弁軸軸受け部に上記の芯出し治具を取付けて上記の配管フランジ間にバルブ本体を上から挿入すると、芯出し治具の足が配管フランジの上面に達したとき、バルブ本体および管路の中心線が合致し、バタフライバルブの下降が制止される。したがって、このとき上流側および下流側の配管フランジの対応するボルト孔に接続用ボルトを挿通し、その先端にナットを嵌めて締結すると、上記の配管フランジ間にバルブ本体が挟持され、バタフライバルブが固定される。そして、上記の芯出し治具は、着脱自在であるため、上記バタフライバルブの固定後に外して再利用に供すことができる。なお、芯出し治具は樹脂成形品とすることができ、この場合は軽量化とコスト低下が可能になる。
【0008】
上記芯出し治具の弁軸軸受け部に対する取付け機構は、バルブ本体および管路の中心線が合致した状態にあるとき、弁軸軸受け部に対して芯出し治具を着脱できる機構であれば任意である。例えば、芯出し治具の本体部を、弁軸軸受け部を挟んで互いに着脱自在の上流側部分および下流側部分の2部分で構成し、上流側部分および下流側部分の一方に足部を設けることができ、この場合は、構造が簡単になる。
【0009】
そして、芯出し治具の弁軸軸受け部に対する固定は、本体部の上流側部分および下流側部分による挟着や押しねじによる固定でもよい。また、本体部を弁軸軸受け部に対し回転不能に、かつ上下摺動自在に嵌合し、弁軸軸受け部の上部に位置する弁軸アクチュエータの支持用トップフランジや該フランジ下面に突出する取付けボルトその他の任意の突部下面に本体部の上面を接触させて本体部の上昇を制止し、足部の配管フランジへの接触で下降を制止するものでもよい。
【0010】
なお、足部は、本体部に対して着脱自在に設けることができる。この場合は、配管フランジの規格が変更された場合、足部のみを交換することによって対応が可能となる。また、足部を上流側部分および下流側部分の一方のみに設けたものは、上流側および下流側の配管フランジの中心線にずれがある場合にバタフライバルブを組付けるのに好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施形態1
図1および図2において、10は配管フランジであり、流体輸送用の管路を構成して隣り合う上流側および下流側の2本の管の端部に固定され、この2枚の配管フランジ10の間にバタフライバルブ11の円筒状バルブ本体12を上から挿入した後、配管フランジ10に開けた規定のボルト孔10aにボルト(図示されていない)を挿通し、その先端にナットを嵌めて締結し、上記バルブ本体12を2枚の配管フランジ10間に挟持するようになっている。
【0012】
上記バルブ本体12の外周には、弁軸13を回転自在に支持する弁軸軸受け部14がバルブ本体12の半径方向上向きに突設され、この弁軸軸受け部14の上端に弁軸アクチュエータ(図示されていない)を取付けるためのトップフランジ15が四方に張り出すように設けられ、このトップフランジ15上に乗せた弁軸アクチュエータを下から挿通される複数本のボルト16で固定するようになっている。
【0013】
上記の弁軸軸受け部14は、図3に示すように断面がほぼ正方形に形成されており、この弁軸軸受け部14に金属または合成樹脂で成形されたほぼ角筒状の芯出し治具20が上下摺動自在に装着される。この芯出し治具20は、配管の上流側(図3の下側)に位置するU字形の上流側部分21と反対の下流側に位置する逆U字形の下流側部分22とからなり、この上流側部分21および下流側部分22がそれぞれの上半部21a、22aの側面(図2および図3参照)に設けたフック21cおよび22cの噛合いによって着脱自在に接合され、上流側部分21の上半部21aおよび下流側部分22の上半部22a(図1および図2参照)が芯出し治具20の本体部を構成している。
【0014】
そして、本体部すなわち上流側部分21の上半部21aおよび下流側部分22の上半部22aの上面には、左右両側縁(図1参照)に沿って段部が凹設され、芯出し治具20を弁軸軸受け部14に沿って上昇させたとき、本体部の上面の幅方向中央部すなわち上流側部分21および下流側部分22の各上面の幅方向中央部21d、22dがトップフランジ15の下面に接するようになっている。
【0015】
一方、上流側部分21の下半部21bおよび下流側部分22の下半部22bがそれぞれ上流側の配管フランジ10および下流側の配管フランジ10の上方に張り出して芯出し治具20の足部を構成し、その下面が配管フランジ10の外周と合致する円筒面に形成される。そして、この芯出し治具20の高さは、上流側および下流側の配管フランジ10の間にバタフライバルブ11のバルブ本体12を挿入し、その中心線を配管フランジ10の中心線に合致させた状態における配管フランジ10の上面からトップフランジ15の下面までの距離に設定される。
【0016】
したがって、バタフライバルブ11の弁軸軸受け部14(図3参照)に対し、芯出し治具20の上流側部分21および下流側部分22をそれぞれ配管の上流側および下流側から嵌め込み、フック21cおよび22cを噛み合わせて上流側部分21および下流側部分22を合体させ、しかるのち管路内で対向する上流側の配管フランジ10および下流側の配管フランジ10の間に上記のバタフライバルブ11を上から挿入すると(図4参照)、その下降に伴って芯出し治具20も下降する。そして、芯出し治具20の足部21b、22bが配管フランジ10の上面と接触したとき、芯出し治具20の下降が制止される。
【0017】
上記の芯出し治具20は、バタフライバルブ11の弁軸軸受け部14に対して上下摺動自在に嵌合しているので、芯出し治具20の下降が制止されても、バタフライバルブ11は引き続き下降を続け、芯出し治具20の上面中央部21d、22dがトップフランジ15の下面に接し、配管フランジ10およびバルブ本体12の中心線が合致したとき、バタフライバルブ11の下降が制止される。そして、上流側および下流側の配管フランジ10のボルト孔10aに接続用のボルトを挿通し、ナットを嵌め、締結してバタフライバルブ11が配管フランジ10に固定される。続いて、芯出し治具20のフック21c、22cの噛み合いを解き、芯出し治具20を上流側部分21および下流側部分22に分離し、弁軸軸受け部14から外すと、バタフライバルブ11の組付けが完了する。なお、この実施形態1は上流側部分21および下流側部分22の合体・分離に工具を必要としない。
【0018】
実施形態2
図5に示す実施形態2の芯出し治具25において、上流側部分21は、前記実施形態1と同様に、本体部(上半部)21a、足部(下半部)21b、フック21cおよび上面中央部21dで形成される。これに対して下流側部分22は、実施形態1と同様の本体部(上半部)22aおよびフック22cを有するが、実施形態1の足部(下半部)22bおよび上面中央部22dを除去した形に形成される。この実施形態2では、バルブ本体12の組付け高さは、上流側部分21のみで設定されるので、構造が簡単で、製作および使用が容易であり、特に上流側および下流側の配管または配管フランジ10の取付け高さに段差tが存在する場合に好適である。
【0019】
実施形態3
図6および図7に示す実施形態3の芯出し治具30は、上面が平坦に形成され、この平坦な上面がトップフランジ15の下面に突出するボルト16の頭に接する。また、この芯出し治具30は(図7参照)、前記同様に弁軸軸受け部14に摺動自在に嵌合される角筒状に形成される。ただし、その上流側部分31および下流側部分32は、弁軸軸受け部14の下流側端縁を通る幅方向線で二分する形に形成され、上流側部分31に弁軸軸受け部14の全体を嵌合できる案内溝が形成され、下流側部分32の上半部(本体部)32aは上記案内溝を塞ぐ棒状に形成されて上流側部分31の上半部(本体部)31aにボルト33で着脱自在に固定される。
【0020】
そして、上流側部分31の下半部31bおよび下流側部分32の下半部32bがそれぞれ足部を構成する。ただし、この足部31b、32bの下面は(図6参照)、配管フランジ10の外周と同様の円弧面ではなく、外周に対する接線方向の傾斜面に、かつ左右対称に形成される。そして、左右の足部31b間および32b間にそれぞれ段部31dおよび32dが凹設される。したがって、この実施形態3は、構造が一層簡単になり、製作も一層容易になる。
【0021】
実施形態4
図8に示す実施形態4の芯出し治具35において、上流側部分31は、前記実施形態3と同様に、本体部(上半部)31aおよび足部(下半部)31bで形成され、下流側部分32は、実施形態3の足部(下半部)32bが省略され、本体部(上半部)32aのみで形成される。この実施形態4では、バルブ本体12の組付け高さが上流側部分31のみで設定されるので、構造が一層簡単になり、製作および使用が一層容易になり、特に上流側および下流側の配管または配管フランジ10の取付け高さに図5と同様の段差tが存在する場合に好適である。
【0022】
上記図7の実施形態3および図8の実施形態4において、上流側部分31の足部(下半部)31bは、図9(a)に示すように、本体部(上半部)31aとは別体に製作し、ボルト36で着脱自在に取付けることができる。また、図9(b)に示すように、上記の足部31b、32bを本体部31a、32aに溶接で固定することもできる。なお、実施形態3(図7参照)における下流側部分32の足部(下半部)32bも上記同様に本体部32aとは別体に製作し、本体部32aにボルト36または溶接で固定することができる。これらの場合は、配管フランジ10に規格変更があっても、本体部31a、32aは共用が可能で、製作が容易になる。
【0023】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明に係るバタフライバルブの組付け用芯出し治具は、配管フランジの外周を基準にしてバタフライバルブの組付け高さを設定するものであるから、配管フランジの接続ボルトを基準にする従来の芯出し治具に比べて芯出し作業が容易になり、組付けを作業員が一人で正確に行うことができ、しかも芯出し治具の着脱および再使用が可能であり、配管フランジの規格変更にも対応することができる。特に請求項2に係る発明は、構造が簡単になって製作が容易になり、かつ弁軸軸受け部に対する着脱が一層容易になる。また、請求項3に係る発明は、配管フランジの規格変更に対する対応が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】組付け作業を説明する正面図である。
【図5】実施形態2の側面図である。
【図6】実施形態3の正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】実施形態4の側面図である。
【図9】実施形態3、4の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
10:配管フランジ
10a:ボルト孔
11:バタフライバルブ
12:バルブ本体
13:弁軸
14:弁軸軸受け部
15:トップフランジ
16、33、36:ボルト
20、25、30、35:芯出し治具
21、31:上流側部分
21a、31a:上半部(本体部)
21b、31b:下半部(足部)
21c:フック、21d:上面中央部
22、32:下流側部分
22a、32a:上半部(本体部)
22b、32b:下半部(足部)
22c:フック、22d:上面中央部
【発明の属する技術分野】
この発明は、水や空気などの流体を移送する管路にバタフライバルブを組付けるに際し、管路とバタフライバルブの中心線を合致させるために用いる芯出し治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体の輸送用管路を構成する前後2本の管の間にバタフライバルブを組付ける際に上記の管とバタフライバルブの中心線を合致させるため、バタフライバルブに芯出し治具を着脱自在に取付けてバタフライバルブの組付けを行い、その完了後に上記の芯出し治具を外すことが知られている。例えば、実公平5−5349号公報には、円筒状バルブ本体の外周に立設されている円柱状の弁軸軸受け部に対し管路の上流側または下流側から嵌合可能な半円筒状嵌合部とこの嵌合部の両側に張り出した張出部とで本体を形成し、両側の張出部の各下端に切欠き部を設けた芯出し治具が記載されている。この芯出し治具は、弁軸軸受け部の上端に弁軸アクチュエータ取付け用として固定されているトップフランジの下面に上記半円筒状嵌合部の上端を接触させ、その状態でバタフライバルブを前後2本の管の端部に固定されている配管フランジ間に上から挿入したとき、この配管フランジの上端部を連結するボルトに上記芯出し治具の張出部下端の切欠き部が係合してバタフライバルブの下降が制止されることによって芯出しが行われる。
【0003】
上記のボルトは、対向する2枚の配管フランジ間にバルブ本体を上から挿入する際は外しておき、バルブ本体が配管フランジ上部のボルト孔よりも下に沈んだときに該ボルト孔に挿入され、締結されて配管フランジ間にバルブ本体を挟持するが、上記芯出し治具は、張出部がボルト上に乗っているだけであるため、芯出し治具を傾け、その半円筒状嵌合部の上端を弁軸軸受け部の上端の駆動部フランジの外側に出して引き上げることにより、バタフライバルブから外すことができ、再使用が可能になる。また、バタフライバルブに対して着脱自在であるため、配管フランジの規格に対応して各種の芯出し治具を用意しておくことにより、配管フランジ規格の変更や訂正に迅速に対応することができ、バタフライバルブ自体を変更する必要がない。
【0004】
しかしながら、上記の芯出し治具は、バルブ本体を挟んで対向する2枚の配管フランジの上部を接続するボルトの高さを基準にするものであり、配管フランジに開けられたボルト孔の径はボルト径よりも大きく、しかも上記のボルトは締結前の不安定状態にあるため、芯出し作業が困難になり、複数人の作業員またはバタフライバルブの懸架装置が必要になる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、バタフライバルブ組付け時の芯出しを作業員が一人で容易に、かつ正確に行うことができ、しかもバタフライバルブの組付け後に容易に取り外すことができ、配管フランジの各種規格に対応することが可能なバタフライバルブの組付け用芯出し治具を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るバタフライバルブの組付け用芯出し治具は、従来の芯出し治具が配管フランジの接続用ボルトを基準にしていたのに対し、配管フランジの上面を基準にするものである。すなわち、円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの組付け用芯出し治具において、該芯出し治具が弁軸軸受け部の外面に嵌合する本体部と本体部の下部に結合されて管路の上流側および下流側の少なくとも一方に張り出す足部とからなり、芯出し治具をバタフライバルブと共に管路内で対向する上流側および下流側の配管フランジ間に挿入して管路およびバルブ本体の中心線を合致させたときに上記足部の下面が配管フランジの外周と接するようにしたことを特徴とする。
【0007】
管路中で対向する上流側および下流側の配管フランジ間にバタフライバルブを組付ける際、該バタフライバルブの弁軸軸受け部に上記の芯出し治具を取付けて上記の配管フランジ間にバルブ本体を上から挿入すると、芯出し治具の足が配管フランジの上面に達したとき、バルブ本体および管路の中心線が合致し、バタフライバルブの下降が制止される。したがって、このとき上流側および下流側の配管フランジの対応するボルト孔に接続用ボルトを挿通し、その先端にナットを嵌めて締結すると、上記の配管フランジ間にバルブ本体が挟持され、バタフライバルブが固定される。そして、上記の芯出し治具は、着脱自在であるため、上記バタフライバルブの固定後に外して再利用に供すことができる。なお、芯出し治具は樹脂成形品とすることができ、この場合は軽量化とコスト低下が可能になる。
【0008】
上記芯出し治具の弁軸軸受け部に対する取付け機構は、バルブ本体および管路の中心線が合致した状態にあるとき、弁軸軸受け部に対して芯出し治具を着脱できる機構であれば任意である。例えば、芯出し治具の本体部を、弁軸軸受け部を挟んで互いに着脱自在の上流側部分および下流側部分の2部分で構成し、上流側部分および下流側部分の一方に足部を設けることができ、この場合は、構造が簡単になる。
【0009】
そして、芯出し治具の弁軸軸受け部に対する固定は、本体部の上流側部分および下流側部分による挟着や押しねじによる固定でもよい。また、本体部を弁軸軸受け部に対し回転不能に、かつ上下摺動自在に嵌合し、弁軸軸受け部の上部に位置する弁軸アクチュエータの支持用トップフランジや該フランジ下面に突出する取付けボルトその他の任意の突部下面に本体部の上面を接触させて本体部の上昇を制止し、足部の配管フランジへの接触で下降を制止するものでもよい。
【0010】
なお、足部は、本体部に対して着脱自在に設けることができる。この場合は、配管フランジの規格が変更された場合、足部のみを交換することによって対応が可能となる。また、足部を上流側部分および下流側部分の一方のみに設けたものは、上流側および下流側の配管フランジの中心線にずれがある場合にバタフライバルブを組付けるのに好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施形態1
図1および図2において、10は配管フランジであり、流体輸送用の管路を構成して隣り合う上流側および下流側の2本の管の端部に固定され、この2枚の配管フランジ10の間にバタフライバルブ11の円筒状バルブ本体12を上から挿入した後、配管フランジ10に開けた規定のボルト孔10aにボルト(図示されていない)を挿通し、その先端にナットを嵌めて締結し、上記バルブ本体12を2枚の配管フランジ10間に挟持するようになっている。
【0012】
上記バルブ本体12の外周には、弁軸13を回転自在に支持する弁軸軸受け部14がバルブ本体12の半径方向上向きに突設され、この弁軸軸受け部14の上端に弁軸アクチュエータ(図示されていない)を取付けるためのトップフランジ15が四方に張り出すように設けられ、このトップフランジ15上に乗せた弁軸アクチュエータを下から挿通される複数本のボルト16で固定するようになっている。
【0013】
上記の弁軸軸受け部14は、図3に示すように断面がほぼ正方形に形成されており、この弁軸軸受け部14に金属または合成樹脂で成形されたほぼ角筒状の芯出し治具20が上下摺動自在に装着される。この芯出し治具20は、配管の上流側(図3の下側)に位置するU字形の上流側部分21と反対の下流側に位置する逆U字形の下流側部分22とからなり、この上流側部分21および下流側部分22がそれぞれの上半部21a、22aの側面(図2および図3参照)に設けたフック21cおよび22cの噛合いによって着脱自在に接合され、上流側部分21の上半部21aおよび下流側部分22の上半部22a(図1および図2参照)が芯出し治具20の本体部を構成している。
【0014】
そして、本体部すなわち上流側部分21の上半部21aおよび下流側部分22の上半部22aの上面には、左右両側縁(図1参照)に沿って段部が凹設され、芯出し治具20を弁軸軸受け部14に沿って上昇させたとき、本体部の上面の幅方向中央部すなわち上流側部分21および下流側部分22の各上面の幅方向中央部21d、22dがトップフランジ15の下面に接するようになっている。
【0015】
一方、上流側部分21の下半部21bおよび下流側部分22の下半部22bがそれぞれ上流側の配管フランジ10および下流側の配管フランジ10の上方に張り出して芯出し治具20の足部を構成し、その下面が配管フランジ10の外周と合致する円筒面に形成される。そして、この芯出し治具20の高さは、上流側および下流側の配管フランジ10の間にバタフライバルブ11のバルブ本体12を挿入し、その中心線を配管フランジ10の中心線に合致させた状態における配管フランジ10の上面からトップフランジ15の下面までの距離に設定される。
【0016】
したがって、バタフライバルブ11の弁軸軸受け部14(図3参照)に対し、芯出し治具20の上流側部分21および下流側部分22をそれぞれ配管の上流側および下流側から嵌め込み、フック21cおよび22cを噛み合わせて上流側部分21および下流側部分22を合体させ、しかるのち管路内で対向する上流側の配管フランジ10および下流側の配管フランジ10の間に上記のバタフライバルブ11を上から挿入すると(図4参照)、その下降に伴って芯出し治具20も下降する。そして、芯出し治具20の足部21b、22bが配管フランジ10の上面と接触したとき、芯出し治具20の下降が制止される。
【0017】
上記の芯出し治具20は、バタフライバルブ11の弁軸軸受け部14に対して上下摺動自在に嵌合しているので、芯出し治具20の下降が制止されても、バタフライバルブ11は引き続き下降を続け、芯出し治具20の上面中央部21d、22dがトップフランジ15の下面に接し、配管フランジ10およびバルブ本体12の中心線が合致したとき、バタフライバルブ11の下降が制止される。そして、上流側および下流側の配管フランジ10のボルト孔10aに接続用のボルトを挿通し、ナットを嵌め、締結してバタフライバルブ11が配管フランジ10に固定される。続いて、芯出し治具20のフック21c、22cの噛み合いを解き、芯出し治具20を上流側部分21および下流側部分22に分離し、弁軸軸受け部14から外すと、バタフライバルブ11の組付けが完了する。なお、この実施形態1は上流側部分21および下流側部分22の合体・分離に工具を必要としない。
【0018】
実施形態2
図5に示す実施形態2の芯出し治具25において、上流側部分21は、前記実施形態1と同様に、本体部(上半部)21a、足部(下半部)21b、フック21cおよび上面中央部21dで形成される。これに対して下流側部分22は、実施形態1と同様の本体部(上半部)22aおよびフック22cを有するが、実施形態1の足部(下半部)22bおよび上面中央部22dを除去した形に形成される。この実施形態2では、バルブ本体12の組付け高さは、上流側部分21のみで設定されるので、構造が簡単で、製作および使用が容易であり、特に上流側および下流側の配管または配管フランジ10の取付け高さに段差tが存在する場合に好適である。
【0019】
実施形態3
図6および図7に示す実施形態3の芯出し治具30は、上面が平坦に形成され、この平坦な上面がトップフランジ15の下面に突出するボルト16の頭に接する。また、この芯出し治具30は(図7参照)、前記同様に弁軸軸受け部14に摺動自在に嵌合される角筒状に形成される。ただし、その上流側部分31および下流側部分32は、弁軸軸受け部14の下流側端縁を通る幅方向線で二分する形に形成され、上流側部分31に弁軸軸受け部14の全体を嵌合できる案内溝が形成され、下流側部分32の上半部(本体部)32aは上記案内溝を塞ぐ棒状に形成されて上流側部分31の上半部(本体部)31aにボルト33で着脱自在に固定される。
【0020】
そして、上流側部分31の下半部31bおよび下流側部分32の下半部32bがそれぞれ足部を構成する。ただし、この足部31b、32bの下面は(図6参照)、配管フランジ10の外周と同様の円弧面ではなく、外周に対する接線方向の傾斜面に、かつ左右対称に形成される。そして、左右の足部31b間および32b間にそれぞれ段部31dおよび32dが凹設される。したがって、この実施形態3は、構造が一層簡単になり、製作も一層容易になる。
【0021】
実施形態4
図8に示す実施形態4の芯出し治具35において、上流側部分31は、前記実施形態3と同様に、本体部(上半部)31aおよび足部(下半部)31bで形成され、下流側部分32は、実施形態3の足部(下半部)32bが省略され、本体部(上半部)32aのみで形成される。この実施形態4では、バルブ本体12の組付け高さが上流側部分31のみで設定されるので、構造が一層簡単になり、製作および使用が一層容易になり、特に上流側および下流側の配管または配管フランジ10の取付け高さに図5と同様の段差tが存在する場合に好適である。
【0022】
上記図7の実施形態3および図8の実施形態4において、上流側部分31の足部(下半部)31bは、図9(a)に示すように、本体部(上半部)31aとは別体に製作し、ボルト36で着脱自在に取付けることができる。また、図9(b)に示すように、上記の足部31b、32bを本体部31a、32aに溶接で固定することもできる。なお、実施形態3(図7参照)における下流側部分32の足部(下半部)32bも上記同様に本体部32aとは別体に製作し、本体部32aにボルト36または溶接で固定することができる。これらの場合は、配管フランジ10に規格変更があっても、本体部31a、32aは共用が可能で、製作が容易になる。
【0023】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明に係るバタフライバルブの組付け用芯出し治具は、配管フランジの外周を基準にしてバタフライバルブの組付け高さを設定するものであるから、配管フランジの接続ボルトを基準にする従来の芯出し治具に比べて芯出し作業が容易になり、組付けを作業員が一人で正確に行うことができ、しかも芯出し治具の着脱および再使用が可能であり、配管フランジの規格変更にも対応することができる。特に請求項2に係る発明は、構造が簡単になって製作が容易になり、かつ弁軸軸受け部に対する着脱が一層容易になる。また、請求項3に係る発明は、配管フランジの規格変更に対する対応が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】組付け作業を説明する正面図である。
【図5】実施形態2の側面図である。
【図6】実施形態3の正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】実施形態4の側面図である。
【図9】実施形態3、4の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
10:配管フランジ
10a:ボルト孔
11:バタフライバルブ
12:バルブ本体
13:弁軸
14:弁軸軸受け部
15:トップフランジ
16、33、36:ボルト
20、25、30、35:芯出し治具
21、31:上流側部分
21a、31a:上半部(本体部)
21b、31b:下半部(足部)
21c:フック、21d:上面中央部
22、32:下流側部分
22a、32a:上半部(本体部)
22b、32b:下半部(足部)
22c:フック、22d:上面中央部
Claims (3)
- 円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの組付け用芯出し治具において、該芯出し治具が弁軸軸受け部の外面に嵌合する本体部と本体部に結合されて管路の上流側および下流側の少なくとも一方に張り出す足部とからなり、芯出し治具をバタフライバルブと共に管路内で対向する上流側および下流側の配管フランジ間に挿入して管路およびバルブ本体の中心線を合致させたときに上記足部の下面が配管フランジの外周と接するようにしたことを特徴とするバタフライバルブの組付け用芯出し治具。
- 芯出し治具の本体部が弁軸軸受け部を挟んで互いに着脱自在の上流側部分および下流側部分の2部分で構成され、上流側部分および下流側部分の一方に足部が設けられた請求項1記載のバタフライバルブの組付け用芯出し治具。
- 足部が本体部に対して着脱自在である請求項1または2に記載のバタフライバルブの組付け用芯出し治具。
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