JP3664726B2 - 電気投与式デバイス - Google Patents

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    • A61N1/20Applying electric currents by contact electrodes continuous direct currents
    • A61N1/30Apparatus for iontophoresis, i.e. transfer of media in ionic state by an electromotoric force into the body, or cataphoresis

Description

技術分野
本発明は電気投与(electrotransport)作用剤投与デバイスと、組成物及び方法に関する。さらに詳しくは、本発明は経皮電気投与式作用剤投与中の皮膚刺激と電気的皮膚抵抗とを軽減する方法に関する。
背景技術
本明細書で用いる“電気投与(electrotransport)”なる用語は一般に、例えば皮膚、粘膜又は爪のような膜を通しての、電位の印加によって誘導される、作用剤(例えば、薬物)の投与を意味する。例えば、有効な治療剤を電気投与によって人体の全身循環中に導入することができる。さらに広範に用いられる電気投与式プロセスであるイオン導入法は、荷電イオンの電気的に誘導される投与を含む。他の形式の電気投与、電気浸透は電界の影響下にある、投与すべき作用剤を含む液体を必要とする。さらに他の形式の電気投与プロセス、エレクトロポレーションは電界の印加によって生物学的膜に一時的に存在する孔の形成を必要とし、この孔を通して作用剤が受動的に(すなわち、電気的補助なしに)又は能動的に(すなわち、電位の影響下で)投与されることができる。しかし、任意の一定の電気投与プロセスでは、これらのプロセスの2つ以上がある程度まで同時に生ずる可能性がある。
したがって、本明細書で用いるかぎり、“電気投与”とは、荷電、無荷電又はこれらの混合物である少なくとも1種の作用剤の電気的に誘導される又は強化される投与を、作用剤が実際に投与される特定の1種以上の機構に拘わらず、含むように、その最も広範囲に可能な解釈を与えられるべきである。
電気投与式デバイスは一般に、皮膚、爪、粘膜又は身体の他の表面の一部と電気的に接触する少なくとも2個の電極を用いる。一般に“ドナー”又は“アクティブ”電極と呼ばれる、1つの電極は、それから作用剤が身体中に投与される電極である。典型的に、“カウンター”又は“リターン”電極と呼ばれる、他方の電極は、身体を通して電気回路を閉じるために役立つ。例えば、投与されるべき作用剤は正に荷電し、すなわち、カチオンであり、この場合に、アノードはアクティブ又はドナー電極であり、カソードは回路を完成するために役立つ。或いは、作用剤が負に荷電する,すなわち、アニオンである場合には、カソードがドナー電極になる。さらに、アニオン作用剤イオンとカチオン作用剤イオンの両方を投与すべき場合には、アノードとカソードの両方をドナー電極と見なすことができる。
さらに、電気投与式投与デバイスは一般に、身体に投与すべき作用剤の少なくとも1個の溜め若しくは供給源を必要とする。このようなドナー溜めの例には、ポウチ若しくはキャビティ、多孔質スポンジ若しくはパッド、又は親水性ポリマー若しくはゲルマトリックスがある。このようなドナー溜めはアノード若しくはカソードと体表とに電気的に結合し、これらの間に配置されて、1種以上の作用剤又は薬物の固定した若しくは再生可能な供給源を形成する。電気投与式デバイスは例えば1個以上の電池のような電源を有する。典型的に、電源の1つの極はドナー電極に接続し、他方の極はカウンター電極に接続する。さらに、一部の電気投与式デバイスは、電極を通して供給される電流を制御し、それによって薬物投与速度を調節する電気的制御器を有する。さらに、受動的流動(passive flux)制御膜、体表とのデバイス接触を維持するための接着剤、絶縁膜及び不透性バックング膜が電気投与式デバイスの他の可能な要素である。
電気投与式投与の利点は無数にあるが(例えば、受動的、すなわち電気的補助なしの流動に比べて強化された、有効剤の経膜(transmembrane)流動;パターン化投与を含めた、作用剤投与の正確な制御等)、ある種の用途条件下では、欠点が存在する。電気投与式経皮投与に付随する1つの可能な問題は皮膚刺激である。例えば、ある種の条件下での皮膚を通しての電流供給は皮膚刺激を生ずることが判明している。例えば、“電気的促進経路投与における皮膚生物学的問題”P.Ledger,Advanced Drug Delivery Reviews,9巻(1992),289〜307頁を参照のこと。
経皮電気投与式作用剤投与中に、供給電流のレベルの他に、他の要素が皮膚刺激を惹起する、又は皮膚刺激に寄与することができる。例えば、大抵の電気投与式薬物投与デバイスは、水が生体適合性溶剤であり、多くの薬物塩が水溶性であるので、投与すべき作用剤の水溶液又は水性懸濁液を用いる。ある種の条件下では、特に電気化学的に不活性な(すなわち、触媒的な)物質、例えば白金又はステンレス鋼から形成される電極を有する電気投与式デバイスでは、電極と薬物溶液(ドナー溜め)又は電解質塩溶液(カウンター溜め)との間の界面において加水分解が生ずる傾向がある。水加水分解の生成物(すなわち、アノードにおいては、ヒドロニウムイオンが水加水分解によって生じ、カソードにおいてはヒドロキシルイオンが水加水分解によって生ずる)が皮膚への投与に関して同じ電荷の薬物イオンと競合し、それによって皮膚pHを変える。(i)高い塩基性又は酸性溶液と皮膚表面との接触及び(ii)皮膚自体内部の高い塩基性又は酸性条件が組織を損傷することが知られているので、電気投与式デバイスのpH変化効果も、電流密度効果に関係なく、皮膚刺激を惹起する可能性がある。
水加水分解を防止するために、先行技術のデバイスは、水加水分解の代わりに酸化又は還元される電気化学的反応性物質から構成された電極(例えば、銀アノード及び塩化銀カソード)を用いた。例えば、Phipps等,米国特許第4,744,787号と第4,747,819号;Petelenz等,米国特許第4,752,285号及びUntereker等,米国特許第5,165,477号を参照のこと。
電気化学反応性の電極材料の他に、先行技術はドナー溜めとカウンター溜めとのpHを調節するために慣習的な緩衝剤をも用いていた。例えばJacobsen等の米国特許第4,416,274号(リン酸ナトリウム緩衝剤)及びHillman等の米国特許第5,088,978号(クエン酸/クエン酸塩緩衝剤)を参照のこと。慣習的な緩衝剤はドナー溜めpHを維持するために有効であるが、これらの緩衝剤は投与に関して薬物イオンと競合する傾向がある好ましくない外来イオンを導入する。例えば、カチオン薬物D+を投与するためのアノードのドナー溜めをクエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)で緩衝化する場合には、クエン酸塩緩衝剤がアノードにおける水加水分解によって生ずるヒドロニウムイオンを吸収するが、投与に関して薬物イオンD+と競合する外来ナトリウムイオンを残す。有意な量の競合イオンが存在する場合には常に、デバイスによって供給される電流量を単に測定する又は調節することによって、薬物投与速度を正確に予測することができない。
これらの問題に応じて、先行技術は実質的に不動である(immobile)緩衝剤を用いていた。Sanderson等,米国特許第4,722,726号及びJohnson等,米国特許第4,973,303号を参照のこと。
大抵の先行技術デバイスはドナー(薬物)溜め及びカウンター(電解質)溜めを皮膚pH又は皮膚pH近くのpHレベルに維持するために緩衝剤を用いていた。例えば、Hillman等の米国特許第5,088,978号は水加水分解からのプロトン発生に関連したpH変化を阻止するためにpH4〜5に緩衝化したアノード電極を開示する。この特許はさらに、pH4〜5における“不関(indifferent)”電極の緩衝化(buffering)をも開示する。
イオン浸透法(iontophoresis)における特定の(selected)緩衝剤に対するアノードpH及びカソードpHの効果は、Schwarz,V.等のArch.Dis.Childh.(1983)43.695〜701による“汗試験の若干の危険性(Some Hazards of the Sweat Test)”に開示されている。報告された実験には、炭素電極及び銅電極が用いられた。この参考文献は、カソード又はアノードのいずれかと接触した皮膚のふくれ(blistering)がアノード溜め及びカソード溜めのpHと緩衝剤組成の両方に依存することを実証する。
しかし、Yoshida等のAd.Drug.Del.Rev.(1992),9,239〜264による“経皮イオン浸透における構造−投与関係”によると、ドナー溜めに関する皮膚刺激を避けるために好ましいpH範囲は、用いる緩衝剤に関係なく、3〜8である。この参考文献によると、このpH範囲外では、角質層の刺激及び/又は損傷が生ずる可能性がある。
このように、文献及び特許の参考文献が皮膚刺激を最少にする、一部重複するpH範囲を述べている。ある種の参考文献は主として、アノード溜め及びカソード溜めの両方に中性溶液又はヒト皮膚のpHに近いpHを有する溶液を供給することに重点をおいている。他の参考文献は主として、それぞれアノード及びカソードにおける水加水分解に関連した酸性及び苛性(caustic)刺激問題を回避することに関している。さらに、これらの参考文献は、液体溶媒中の薬物の溶解度が多くの場合に溶液pHに高度に依存するので、ドナー(薬物)溜めのpH調節(pH control)に主として重点をおいている。したがって、カウンター溜めpHの調節によって皮膚刺激を最少にすることは先行技術においてはごく粗略に注目されていたにすぎない。さらに、電気投与デバイスからの皮膚刺激を最少にすることに関する先行技術の開示はアクティブ(active)溜め又はドナー溜めに集中している。しかし、電気投与式デバイスはドナー電極からと同様に多くの電流をカウンター電極から供給するので、電流の供給のみによる皮膚刺激がカウンター溜め又はカウンター電極の真下でも生ずる。典型的な電気投与式デバイスでは、カウンター溜め真下のデバイス/皮膚接触面積がドナー溜め真下の面積にほぼ等しい。それ故、カウンター溜め接触面積における皮膚紅斑、刺激及び/又は損傷は、大きさにおいて、ドナー溜め接触面積のおけるものと同じである。
発明の開示
それ故、体表(例えば、皮膚)を通しての作用剤の電気投与中及び後に組織刺激、紅斑及び/又は損傷を減ずる又は無くすことができる手段を提供することが、本発明の目的である。
経皮電気投与式薬物投与中及び後の皮膚刺激を減ずるために、電気投与式デバイスの溜めのpH、特にカウンター電極溜めpHを最適化することが、本発明の他の目的である。
体表を通して作用剤を投与するための電気投与式デバイスの電力必要条件を減ずることが、本発明のさらに他の目的である。
本発明の他の目的は、体表を通しての作用剤の電気投与中に電気投与式作用剤投与に対する電気抵抗を減ずることができる手段を提供することである。
本発明の他の目的は、電気投与式薬物投与スケジュールに対する患者のコンプライアンスを改良することである。
本発明のこれらの目的及び他の利益が満たされることは、本発明の電気投与式デバイス及び方法から明らかになるであろう。電気投与式デバイスはカソード電極とアノード電極及びカソード溜めとアノード溜めを含む。1実施態様では、カソード溜めpHを約4未満に、好ましくは約2〜4に維持する。他の実施態様では、アノード溜めpHを約4より大きく、好ましくは約4〜10に維持する。
他の好ましい実施態様では、溜めの一方又は両方のpHを適当な緩衝剤の使用によって維持する。最も好ましくは、カソード溜めをカチオン緩衝剤(cationicbuffer)を用いて緩衝化する、及び/又はアノード溜めをアニオン緩衝剤(anionic buffer)を用いて緩衝化する。最も好ましくは、水加水分解を減じ、それぞれカソード溜めとアノード溜めにおけるヒドロニウムイオン及びヒドロキシルイオンの付随する発生を減ずるために、カソード電極及び/又はアノード電極は電気化学的反応性物質から構成される、すなわち、電気化学的に酸化可能なアノード及び電気化学的に還元可能なカソードである。
本発明の他の実施態様では、作用剤の経皮電気投与式投与中の皮膚抵抗及び/又は紅斑を減ずる方法を提供する。1つの方法は、電気投与式投与デバイスのアノード溜め及びカソード溜めを体表とイオン伝導関係に配置し、溜めを横切って電位を印加し、カソード溜めに隣接する皮膚部位における皮膚抵抗及び/又は刺激、紅斑又は損傷を軽減ずるために電気投与式投与中にカソード溜めpHを約4未満に、好ましくは約pH2〜4に維持することを含む。他の方法は、アノード溜め及びカソード溜めを体表とイオン伝達関係に配置し、溜めを横切って電位を印加し、アノード溜めに隣接する皮膚部位における皮膚抵抗及び/又は刺激、紅斑又は損傷を軽減ずるために電気投与式投与中にアノード溜めpHを約4より大きく、好ましくは約pH4〜10に維持することを含む。
本発明の他の実施態様によると、皮膚を通しての電気投与式作用剤投与による皮膚刺激、紅斑及び/又は損傷を回避する又は少なくとも軽減する方法を提供する。この方法は、デバイスの操作中に電気投与式投与デバイスによって電流が供給される皮膚部位からのカリウム流出(potassium efflux)を監視することを含む。カリウム流出が所定の値に達したならば、投与デバイスの操作をさらに皮膚刺激、紅斑及び/又は損傷を回避する又は少なくとも軽減するように設計された形式で変える。好ましくは、患者の皮膚からのカリウム流出を監視するために、カソード電極アセンブリにカリウムセンサーを配置する。カリウムセンサーがある一定のレベルのカリウム流出を感知したならば、例えばデバイスによって供給される電流レベルを減ずることによって又は、例えば可聴及び/又は可視アラームによって、患者に警告を発することによってデバイスの操作を変える。次に、デバイスを最初の皮膚部位から取り出して、代わりの皮膚部位に配置し、その後に電気投与式作用剤投与を再開する。
【図面の簡単な説明】
添付図面に関連して、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明によって有用な電気投与式デバイスの1実施態様の断面図である。
図2と3はカソード溜めpHの関数としての、それぞれ、皮膚刺激(α)及び皮膚抵抗(R)のグラフである。
図4と5はアノード溜めpHの関数としての、それぞれ、皮膚刺激(α)及び皮膚抵抗(R)のグラフである。
図6と7はカソード溜めpHの関数としての、それぞれ、皮膚刺激(α)及び皮膚抵抗(R)のグラフである。
図8と9はアノード溜めpHの関数としての、それぞれ、皮膚刺激(α)及び皮膚抵抗(R)のグラフである。
図10はカソード溜めpHの関数としての皮膚刺激(α)のグラフである。
図11と12はカソード溜めpHの関数としての、それぞれ、皮膚刺激(α)及び皮膚抵抗(R)のグラフである。
図13と14は皮膚表面から電気投与式デバイスを除去した後の時間の関数としての、それぞれ、皮膚刺激(α)及び皮膚抵抗(R)のグラフである。
図15と16は皮膚表面に電気投与式デバイスを装着した後の時間の関数としての、それぞれ、皮膚刺激(α)及び皮膚抵抗(R)のグラフである。
図17と18は、それぞれ、アノード溜め及びカソード溜めと接触する皮膚部位に関する装着時間の関数としての皮膚刺激(α)のグラフである。
発明の実施態様
本発明は広範囲は電気投与式デバイスに使用可能である。一般に、電気投与式デバイスは電源(例えば、1個以上の電池)を有し、この電源は投与すべき作用剤の液体溶液又は懸濁液を保持することができる溜めを含むドナー電極と、電解質塩の液体溶液又は懸濁液を含むカウンター電極とに電気的に接続するか、又は接続することができる。電気投与式デバイスの1例を図1に説明する。デバイス10は導電性物質から成る2つの電極(本明細書では、ドナー電極12及びカウンター電極14と呼ぶ)を有する。ドナー電極とカウンター電極12と14は、それぞれ、ドナー溜め16とカウンター電極18に隣接して配置され、ドナー溜め16とカウンター電極18と電気的に接触する。ドナー溜め16は投与すべき作用剤を含み、カウンター溜め18は生体適合性の電解質塩又は投与すべき他の作用剤を含むことができる。(i)ドナー電極12及びドナー溜め16と、(ii)カウンター電極12及びカウンター溜め16との間には、電気的絶縁体20を配置する。空隙であることも、電子もイオンも伝導しない物質から構成することもできる絶縁体20は、デバイス10を装着する体表40を含まない経路(path)を通ってデバイス10が短絡することを防止する。デバイス20は任意に、液体不透性の非導電性物質から構成されるバッキング層22を含む。デバイス10は、DC電源(例えば、1個以上の電池)を含む層24として図1に概略的に示す電子回路を有する。典型的に、電子回路層24は比較的薄く、好ましくは、例えばフィルム又はポリマーシートのような薄い、フレキシブル基板上に印刷された又は塗布された又は他のやり方で付着した電子伝導性経路から成る、例えば、電子回路層24は印刷されたフレキシブルな回路である。電子回路層24は、電源の他に、デバイス10によって供給される電流のレベル、波形、極性、タイミング等を制御する1個以上の電子要素(electronic component)を含むこともできる。例えば、回路層24は1個以上の下記電子要素を含むことができる:例えば電流制御装置のような制御回路(例えば、レジスター又はトランジスターに基づく電流制御回路)、オン/オフスイッチ、及び/又は電源からの電流出力を経時時に制御するために適したマイクロプロセッサー。回路層24の出力は、各電極が回路層24内の電源の反対極に電気的に接続するように、電極12及び14と電気的に接続する。この実施態様では、周辺接着剤層28によって、デバイスは体表に接着する。任意に、デバイスはイン−ライン接着剤層、すなわち溜め16及び/又は18と皮膚との間に配置された接着剤層を含むことができる。イン−ライン接着剤はイオン伝導性物質から構成しなければならない、すなわち、ドナー作用剤イオンは接着剤層を透過して体表に達することができなければならない。体表40への作用剤の受動的(すなわち、電気的に補助されない)流動の量を制限又は制御するために、任意の流動制御膜30と32を、それぞれ、ドナー溜め16と体表40間及びカウンター溜め18と体表40間に配置する。
図1のデバイス10は本発明によって有用な電気投与式デバイスの単なる1例である。本発明は、ユニタリ(unitary)ではないデバイス、すなわち電源要素と、2個の電極要素とを有し、これらの要素が配線(wiring)によってのみ接続されるデバイスを含めた、広範囲な電気投与式デバイスに有用である。非ユニタリ又は“サテライト(satellite)”デバイスの例は、Petelenz等の米国特許第4,752,285号(図6参照)に開示され、この特許は本明細書に援用される。さらに、デバイス10は、例えば、接着剤層28及び/又はデバイスの体表接触面上の除去可能な剥離ライナー(図示せず)のような他の特徴を含むことができる。さらに、デバイス10のある種の要素は本発明の実施のために不必要であるか又は任意である。例えば、電池対物質(galvanic couple)が存在するように、電極12と14を選択する場合には、回路層24中の独立的電源は任意の要素でありうる。したがって、図1のデバイス10は本発明の1実施態様を説明するために提供する。
投与すべき作用剤がアニオンである、すなわち、負に帯電する場合には、カソード電極がドナー電極であり、カソード溜めが作用剤を含むドナー溜めであり、アノード溜めが生体適合性電解質塩を含むカウンター溜めである。或いは、投与すべき作用剤がカチオンである、すなわち、正に帯電する場合には、アノード電極が“ドナー”電極であり、アノード溜めが投与すべき作用剤を含むドナー溜めであり、カソード溜めがカウンター溜めである。
本発明の1実施態様によると、カソード溜めのpHは、カソード溜めがドナー(すなわち、作用剤含有)溜めであるかカソード溜め(すなわち、電解質含有)であるかに関係なく、電気投与式作用剤投与中に約4未満に維持される。カソード溜めpHを電気投与式作用剤投与中に約4未満に維持することによって、(i)カソード溜めに隣接する皮膚部位の電気抵抗は低下し、(ii)皮膚抵抗、紅斑及び/又は損傷も軽減する。この皮膚抵抗の低下が体表を通して特定レベルの電流を投与するために必要な電圧及び電力(power)必要条件を減ずることになる。したがって、カソード溜めpHを約4未満に維持することは電源のコスト及び/又はサイズを減ずる。さらに、皮膚刺激、紅斑及び/又は損傷の軽減、患者によるこの治療法のより良好な受容を生じる。したがって、電気投与式デバイスを用いる処方治療法(prescribed treatment)に対する患者コンプライアンスが改良される。
好ましくは、カソード溜めpHは約1.4〜約4、最も好ましくは約2〜4の範囲内に維持される。先行技術は皮膚と接触する溜めでは、この接触が酸焼灼を惹起すると考えられるため、低pHを避けることを教えているので、少なくとも約2日間までの装着時間にわたって、低pH(例えば、pH2〜4)のカソード溜め皮膚刺激を最小にすると今回発見されたことは意外であった。しかし、そうであっても、非常に低い溜めpHでは(例えば、約pH 1では)、特に装着時間が長くなると(例えば、1日間以上)、皮膚が酸焼灼を経験することがある。これらの高いヒドロニウムイオン濃度では、低pHにカソード溜めを維持することの有利な効果(すなわち、低い電気的皮膚抵抗)よりも、酸焼灼(acid burning)によって惹起される損傷が重大視される。刺激、紅斑及び/又は皮膚損傷は非常に低い溜めpHにおいては増大するので、カソード溜めpHを約1.4のpH未満に維持することは、特に長い装着期間では、あまり好ましくない。
カソード溜めのpHは任意の数の手段によって約pH4未満に維持することができる。電気投与式デバイスを低い電流密度(例えば、約200μA/cm2未満)において、例えば塩化銀のような、電気化学的に還元可能なカソード物質を用いて(これらの両方がカソードにおけるヒドロキシルイオンの形成を最小にする)及び/又は短期間(例えば、<1時間)操作する用途では、所望のpHに維持するためにカソード溜めに酸(例えば、クエン酸)を単に加えるだけで充分である。しかし、酸は低カソード溜めpHを得るためには有効であるが、カソード電極がドナー電極である場合には、酸は好ましくない競合イオンを導入することになる。したがって、サリチレート(salicylate)アニオンを含むカソードドナー溜めにクエン酸を加えることは、体内への投与に関してサリチレートイオンに競合するシトレート(citrate)イオンを好ましくなく加えることになる。総供給電流の何%が競合シトリートイオンによって運ばれるかを予測することが困難であるので、この競合シトレートイオンはサリチレート投与速度に不確実さを導入することにもなる。
電気投与式作用剤投与を(i)正確に制御しなければならない、(ii)長時間(例えば、>12時間)実施する、(iii)小容積を有するカソード溜めを用いて実施する(pHは濃度の尺度であるので、溜めの容積に非常に依存し、小容積溜めは電気投与式デバイスの操作中にpH変化を比較的受け易い)、(iv)高電流密度を用いて実施する、及び/又は(v)電気化学的触媒物質(例えば、白金又はステンレス鋼)から成るカソードを用いて実施する用途では、カソード溜めを約4未満のpHにおいて緩衝化することが好ましい。カソード溜めpHを約4未満に維持することに種々な緩衝剤が有用である。表1はカチオン挙動に関して好ましいアミノ酸と、概略pH範囲を記載する。これらのアミノ酸又はそれらの組合せをカソード溜めのカチオン緩衝剤として選択することが好ましい。
カソード溜めが少なくとも1種のカチオン緩衝剤を含むことが好ましい。カチオンではなくアニオンが主としてカソード溜めから電気投与によって投与されるので、カソード溜め内の緩衝剤カチオンは皮膚を通して電気投与されない傾向がある。溜めからの緩衝剤の枯渇並びに皮膚に投与される緩衝剤イオンに関連した刺激を回避するために、あまり駆動されない(poorly transported)緩衝剤が好ましい。アミノ酸は好ましいカチオン緩衝剤である。緩衝剤イオンに対する対イオン(すなわち、アニオン)はクロリド(chloride)である。多くの場合に、緩衝剤カチオンに対する対アニオン(counter anion)はカソード溜めから皮膚へ投与される。皮膚はその自然の状態で高濃度のクロリドイオンを有するので、クロリドは好ましい対アニオンである。それ故、カソード溜めにおける塩化物緩衝塩の使用は刺激の可能性を最小にする。
溜めに必要な緩衝剤の濃度は選択した特定の緩衝剤の性質に依存する。一般に、緩衝剤濃度は約0.01M〜約1.0Mの範囲である。好ましくは、緩衝剤濃度は約0.01M〜約0.50Mの範囲である。より好ましくは、緩衝剤濃度は約0.01M〜約0.20Mの範囲である。
Figure 0003664726
或いは、カソード溜めを皮膚を通って投与される、アニオン緩衝剤又は負に帯電した緩衝剤によって緩衝化することができる、又はこの代わりに、表1からのカチオン緩衝剤と表2からのアニオン緩衝剤との混合物も使用可能である。しかし、緩衝剤カチオンは皮膚を通って電気投与されないので、カソード電極がドナー電極である場合には特に、表1のカチオン緩衝剤が好ましい。したがって、皮膚における緩衝剤イオンの存在からの刺激は上述のように最小になる。好ましいアニオン緩衝剤は表2に挙げられた緩衝剤を含む。
Figure 0003664726
緩衝容量を殆ど又は全く有さない、例えば塩化ナトリウムのような、他のイオン化合物を任意にカソード溜めに導入することができる。このような添加剤は溜めからの可能な緩衝剤枯渇を減ずるために有利である。少なくとも、カソード溜めが作用剤を含む“ドナー”溜めである場合に、この溜めに塩化ナトリウムを添加することの欠点は、より大きく競合するイオン、すなわち、投与すべき作用剤と電気投与に関して競合するイオンが導入されることである。
カソード溜めに、pHを約4未満に、好ましくは約2〜4の範囲内に維持するために、酸又は緩衝剤を添加することの代替え手段として、Phipps等の米国特許第5,125,894号(この特許の開示は本明細書に援用される)に述べられている種類の適当な第2電極を同特許に記載の形式で操作することによって、カソード溜めのpHを適当に維持することもできる。溜め中のpHを調節するために、ヒドロニウムイオン(酸化の場合)又はヒドロキシルイオン(還元の場合)を生じるように可逆的に酸化及び還元されることができる物質(例えば、酸化インジウム)から第2電極を構成するPhipps等の米国特許第5,125,894号の特に第20欄、第53行〜第68行;第28欄、第20行〜第68行;第29欄、第1行〜第61行を参照のこと。第2電極の制御回路と連通して溜め中にpHセンサーを設けることによって、フィードバックを介してpH制御を達成することができる。
カソード溜めのpHを適当に維持する上記実施態様のいずれかでは、皮膚からカソード溜め中へのカリウムイオン流出を監視するために、カリウムセンサーを任意にカソード溜めに任意に組み入れることができる。経皮電気投与式作用剤投与に付随する皮膚刺激及び/又は紅斑と同時に、皮膚からの過剰なカリウムイオン流出が生ずることが判明している。カリウムはカチオンであるので、皮膚から電気投与式に投与される流出はカソード溜めにカリウムイオンを供給する傾向がある。それ故、カリウム流出はカソード溜め中のカリウム量を測定することによって直接、監視することができる。約5μg/cm2・時未満のカリウム流出が皮膚刺激又は発赤に殆ど関係しないが、約10μg/cm2・時を越えるカリウム流出が中程度のレベルの皮膚刺激又は発赤に相当することを、我々は観察している。カソード溜めのカリウム濃度が所定値(例えば、皮膚刺激、紅斑及び/又は損傷の前触れ(predecessor)であるカリウム流出レベルに相当する濃度)を越えると、電気投与式系の制御装置要素が応答して、電気投与式作用剤投与が変更又は停止されるように制御装置要素を形成することができる。制御装置による応答は(i)電気投与式デバイスを停止し、デバイスを取り出す及び/又は電気投与式デバイスの装着部位を移動するための患者への信号発生;(ii)デバイスによって供給される電流レベルの自動的停止、中断又は軽減;及び/又は(iii)カソード溜め及び/又はアノード溜めのpHを変えるための、Phipps等の米国特許第5,125,894号に記載の種類の第2電極の操作を含めた、幾つかの形式を取ることができる。
本発明の他の実施態様によると、電気投与式作用剤投与中にアノード溜めのpHを約4より大きく、好ましくは約4〜約10のpHに維持する。電気投与式作用剤投与中にアノード溜めのpHを約4より大きく維持することによって、(i)アノード溜めに隣接した皮膚部位の電気抵抗が低下し、(ii)アノード溜めに隣接した皮膚部位に対する皮膚刺激、紅斑及び/又は損傷も軽減する。この皮膚抵抗の低下は、体表を通して特定レベルの電流を投与するために必要な電圧及び電力必要条件を減ずることになる。したがって、アノード溜めpHを約4より大きく維持することは電源のコスト及び/又はサイズを減ずる。
アノード溜めのpHは任意の数の手段によってpH4を越えるように維持することができる。電気投与式デバイスを低い電流密度(例えば、約200μA/cm2未満)において、例えば銀のような、電気化学的に酸化可能なアノード物質を用いて(これらの両方がアノードにおけるヒドロニウムイオンの形成を最小にする)及び/又は短時間(例えば、1時間未満)操作する用途では、所望のpHに維持するためにアノード溜めに弱酸(例えば、カルボン酸)又は塩基を単に加えるだけで充分である。しかし、弱酸又は塩基は適当なアノード溜めpHを得るためには有効であるが、アノード電極がドナー電極である場合には、これらが好ましくない競合イオンを導入することになる。したがって、カルボン酸又は水酸化ナトリウムをリドカインカチオン含有アノードドナー溜めに加えることは、体内への投与に関してリドカイン/ナトリウムイオンに競合するヒドロニウムイオンを好ましくなく加えることになる。総供給電流の何%が競合ヒドロニウムイオンによって運ばれるかを予測することが困難であるので、この競合ヒドロニウムイオンはリドカイン投与速度に不確実さを導入することにもなる。
電気投与式作用剤投与を(i)正確に制御しなければならない、(ii)長時間(例えば、>12時間)実施する、(iii)小容量を有するカソード溜めを用いて実施する(pHは濃度の尺度であるので、溜めの容積に非常に依存し、小容積溜めは電気投与式デバイスの操作中にpH変化を比較的受け易い)、(iv)高電流密度を用いて実施する、及び/又は(v)電気化学的触媒物質(例えば、白金又はステンレス鋼)から成るアノードを用いて実施する用途では、アノード溜めを約4より大きいpHにおいて緩衝化することが好ましい。さらに好ましくは、緩衝剤は皮膚を通る比較的低いアノード電気投与速度を有する。好ましい緩衝剤は表3に記載するように、4より大きいpHにおいてアニオン挙動を示すアミノ酸を含む。アミノ酸の中では、システイン、ヒスチジン及びチロシンが最も好ましい。
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他のアノード緩衝剤はある種の両性イオン緩衝剤を含み、このような両性イオン緩衝剤の例を表4に記載する。好ましい両方イオン緩衝剤はN−2−ヒドロキシエチルピペラジンーN’−2−エタンスルホン酸(HEPES)及び2−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)である。
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さらに、2〜10のpKaを有する酸はアノード溜めに適したアニオン緩衝剤である。このような酸の例は表5に見いだすことができる。好ましいアニオン酸緩衝剤はクエン酸、コハク酸、リン酸、マレイン酸及びマロン酸を含む。
Figure 0003664726
或いは、アノード溜めを比較的高いアノード電気投与速度を有する緩衝剤、すなわち約4より大きいpH、好ましくは約4〜10のpHにおいてアノード溜めを緩衝化するカチオン緩衝剤又は正に帯電した緩衝剤を用いて緩衝化することができる。適当なカチオン緩衝剤は2〜10の少なくとも1つのpKaを有する塩基、ある一定の他の塩基、及び溜めpHにおいてカチオン挙動を示すアミノ酸を含む。アノード溜めに用いるための好ましい塩基はトロメタミン(tromethamine)、トリエタノールアミン及びイミダゾールを含む。
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カソード溜めにおけるようにアノード溜めにおいて必要とされる緩衝剤の濃度は、選択した特定の緩衝剤の性質に依存する。一般に、アノード溜め中の緩衝剤濃度は約0.01M〜約1.0Mの範囲である。好ましくは、緩衝剤濃度は約0.01M〜約0.50Mの範囲である。さらに好ましくは、緩衝剤濃度は約0.01M〜約0.20Mの範囲である。
アノード溜めに、約4を越えるpH、好ましくは約4〜10の範囲内のpHを維持するために、弱酸、塩基又は緩衝剤を添加することの代替え手段として、本明細書で上述した、Phipps等の米国特許第5,125,894号に述べられている種類の適当な第2電極を同特許に記載の形式で操作することによって、アノード溜めのpHを適当に維持することもできる。
アノード溜めのpHを適当に維持する上記実施態様のいずれかでは、皮膚からカソード溜め中へのカリウムイオン流出を監視するために、カリウムセンサーを任意にカソード溜めに任意に組み入れることができる。。溜めのカリウム濃度が所定カリウム流出に相当する値を越えると、電気投与式系の制御装置要素が本明細書で上述したように応答するように、制御装置要素を形成することができる。
緩衝剤イオン/対イオンからの競合を最小にすべきか又は除去すべき場合には、アノード溜め又はカソード溜めに加える緩衝剤はポリマーであることが好ましい。ポリマー緩衝剤の例は、限定する訳ではなく、表7に記載するポリマー緩衝剤である。表7は記載緩衝剤のアノード挙動及びカソード挙動のためのpH範囲をも記載する。カソード溜めに用いるポリマー緩衝剤は約4未満のpHにおいてポリマーカチオン挙動を示すものであることが好ましい。アノード溜めのために好ましいポリマー緩衝剤は約4を越えるpHにおいてアニオンであるポリマー緩衝剤である。
Figure 0003664726
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一定の溜めのpHはこのために直接隣接する(例えば、接触する)皮膚に主として影響を与える。したがって、カソード溜めpHはカソード溜めに隣接する皮膚部位の刺激と皮膚抵抗とに影響を与えるが、アノード溜めpHはアノード溜めに隣接する皮膚部位の刺激と電気抵抗とに影響を与える。したがって、本発明は(i)カソード溜めpHを4未満に維持する、(ii)アノード溜めpHを4より大きく維持する、かつ(iii)両方の溜めのpHを適当に維持するようなデバイスを考慮する。しかし、本発明の好ましい実施では、アノード溜めを約4を越えるpHに維持し、かつカソード溜めを約4未満のpHに維持する。さらに好ましくは、アノード溜めとカソード溜めの両方を適当なpHにおいて緩衝化する。
本明細書で上述したように、ドナー(薬物含有)溜めのpHは多くの場合に本明細書で指定する範囲による調節を受けない、この理由はこのようなpHでは液体溶媒中の薬物の溶解度が不充分であると思われるからである。したがって、本発明は、薬物がそこから投与されていないカウンター溜めのpHの調節に用いる場合に特に有用性を有する。したがって、カチオン性薬物をアノード溜めから投与する場合に、本発明はカウンターカソード溜めのpHを約4未満に、好ましくは約pH2〜4に維持することに特に有用である。逆に言えば、アニオン性薬物をカソード溜めから投与する場合に、本発明はカウンターアノード溜めのpHを約4より大きく、好ましくは約pH4〜10に調節することに特に有用である。ドナー溜めのpHを本明細書で開示する範囲によって調節することができないような場合にも、カウンター溜めに隣接する皮膚の電気抵抗と刺激をまだ実質的に軽減することができる。したがって、最低限でも、本発明は(i)電気投与式作用剤投与中に電流を供給する2箇所の皮膚部位の少なくとも一方の電気投与を減じ;(ii)電気投与式作用剤投与によって起こりうる皮膚刺激(すなわち、カウンター電極溜め真下の皮膚部位)の少なくとも約1/2を減ずるか又は除去する方法を提供する。もちろん、カウンター電極溜めに隣接する皮膚部位とドナー電極溜めに隣接する皮膚部位の両方の電気抵抗と刺激の可能性を減ずるために、ドナー電極とカウンター電極の両方のpHを適当に維持することが最も好ましい。
作用剤を主として電気移動(electromigration)によって投与する状況では、投与すべき作用剤の少なくとも約50%が帯電しているかぎり、ドナー電極溜めのpHを本明細書で述べるように適当に維持することができる。主として電気移動によって投与される作用剤に関して、投与される作用剤が1つ以上の適当なpK、すなわち、本明細書で教示するように(すなわち、4より大きいアノードドナー溜めpH及び/又は4未満のカソードドナー溜めpH)、かつ作用剤の少なくとも50%が適当な符号(+/−)の電荷を有するような状態で作用剤が存在することを可能にするように、ドナー溜めpHを設定することを可能にするpKを有する場合にのみ、ドナー溜めpHを、本明細書で教示するように、電気抵抗と刺激可能性とを最小にするように設定できることを、当業者は明らかに理解するであろう。例えば、モルヒネ、麻酔性鎮痛薬は25℃において8.3のpKを有する。このように、8.3のpHを有するモルヒネの溶液では、モルヒネの50%が正に帯電し、50%が帯電しない。したがって、主として電気移動によってモルヒネを投与するための電気投与式デバイスにおけるアノードのモルヒネ含有ドナー溜めの適当なpH4〜8.3である。
ドナー溜めとカウンター溜めとは、それらを通しての電気投与によるの作用剤の投与を可能にするために、溜め中に充分な液体を吸収して、保持するのに適した任意の材料から形成することができる。例えば、綿又は他の吸収性布帛(天然と合成の両方)から成る、ガーゼ、パッド又はスポンジを用いることができる。好ましくは、溜めのマトリックスを少なくとも部分的に親水性ポリマー材料から構成する。水は好ましいイオン投与媒質であるので、親水性ポリマーが典型的に好ましい、親水性ポリマーは比較的高い平衡水含量を有する。さらに好ましくは、溜めのマトリックスは少なくとも一部が不溶性親水性ポリマーから成る固体ポリマーマトリックスである。不溶性の親水性ポリマーマトリックスは、構造的理由から、溶解性親水性ポリマーよりも好ましい、すなわち、水溶性ポリマー又はゲルから構成されるマトリックスに比べて、水不溶性ポリマーから構成される親水性ポリマーマトリックスでは水和時に(upon hydration)溜め形状が保持されやすい。
例えばシラスティック(silastic)マトリックスのように、マトリックスを作用剤によって適所で架橋させることができる、又はセルロース、織物の繊維パッド及びスポンジの場合のように、ポリマーを予め製造して、溶液からの成分を吸着させることができる。或いは、溜めはポリマーマトリックス構造と同様に形成された、ゲルマトリックス構造であることができ、この場合にゲルは水中で膨潤又は溶解することができる親水性ポリマーから形成される。このようなポリマーは任意の比で成分とブレンドすることができるが、好ましくは溜めの数%から約50重量%までを占める。ポリマーは綿状であることも、架橋することもできる。適当な親水性ポリマーは、例えばHYTEL(DuPont De Nemours & Co.,デラウェア州,ウィルミントン)のようなコポリエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、例えばPOLYOX(Union Carbide Corp.)のようなポリエチレンオキシド、CARBOPOL(BF Goodrich,オハイオ州,アクロン)、例えばCARBOPOLをブレンドしたPOLYOXのような、ポリアクリル酸によるポリオキシエチレン又はポリエチレングリコールのブレンド、ポリアクリルアミド、KLUCEL、例えばSEPHADEX(Pharmacia Fine Chemicals,AB,スウェーデン,アップセラ)のような架橋デキストラン、澱粉−グラフト−ポリ(アクリル酸ナトリウム−コ−アクリルアミド)ポリマーであるWATER LOCK(Grain Processing Corp.,アイオワ州,ムスカチン)、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース及び例えばAc−Di−Sol(FMC Corp.ペンシルバニヤ州,フィラデルフィア)のような架橋したNa−カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体、例えばポリヒドロキシエチルメタクリレート(National Patent Development Corp.)のようなヒドロゲル、天然ガム、キトサン、ペクチン、澱粉、グアーガム、イナゴマメガム等を、それらのブレンドと共に含む。このリストは本発明への使用に適した物質の単なる例示である。他の適当な親水性ポリマーはJ.R.ScottとW.J.Rof,Handbook of Common Polymers(CRC Press,1971)に見いだすことができ、この文献は本明細書にに援用される。
任意に、溜めのマトリックスは構造剛性を強化するために又は結合特性を改良するために疎水性ポリマーを含むことができる。例えば絶縁体又は速度制御膜のような、要素を調節するように溜めの積層を改良するために、疎水性ポリマーは熱融合性であることが好ましい。溜めマトリックスに用いるために適した疎水性ポリマーには、限定する訳ではなく、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレンとポリアルケン、ゴム、例えばKRATON(登録商標)のようなコポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、例えばナイロンのようなポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、例えばn−ブタノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、イソオクタノール、n−デカノールのようなアルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とのエステルの単独のポリマー又は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルコキシメチルアクリルアミド、N−アルコキシメチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、イタコン酸、アルキル基が炭素数10〜24であるN−分枝アルキルーマレインアミド酸、グリコールジアクリレートのようなエチレン系不飽和モノマーと共重合したポリマーのようなアクリル酸樹脂又はメタクリル酸樹脂、並びにこれらのブレンドがある。上記疎水性ポリマーの大部分は熱融合性である。
溜めマトリックスは所望の作用剤、薬物、電解質又は他の成分に不活性ポリマーを例えばメルトブレンディング(melt blending)、溶液流延又は押出成形のような方法によってブレンドすることによって形成されるポリマーマトリックス構造体であることができる。ドナー溜めは投与すべき作用剤を含み、カウンター溜め電解質(例えば,塩化ナトリウムのような水溶性生体適合性塩)を含むことができる。投与作用剤と電解質との他に、溜めは例えば水、透過促進剤、染料、顔料、不活性フィラー等を含むこともできる。
本発明の電極は例えば金属のような導電性物質から構成される。例えば、金属ホイル、金属スクリーン、適当なバッキング(backing)上に付着若しくは塗布された金属から、カレンダーリング、フィルム蒸気(film evaporation)、又は結合剤マトリックス中の金属粉末の埋封によって形成することができる。適当な金属の例には、銀、亜鉛、塩化銀、アルミニウム、白金、ステンレス鋼、金及びチタンがある。例えば、アノード電極を銀から構成し、カソード電極を塩化銀から構成することができる。
さらに、電極を異なる物質から選択する場合には、電池対物質を形成することができる。電池対物質はデバイスの操作のために必要な電位の全て又は少なくとも一部を供給することができる。このような電池対物質の例は銀と塩化亜鉛とから形成される電極対である。
或いは、電極を例えば金属粉末、粉状黒鉛、炭素繊維又は他の導電性フィラー(filler)物質を含むポリマーマトリックスから形成することができる。ポリマーベース(polymer-based)電極は、溜め中に存在する水との相互作用を最小するために好ましくは疎水性である、ポリマーマトリックス中に導電性フィラーを混入することによって製造することができる。
好ましくは、本発明の電極を電気化学的に反応性の物質から構成する、すなわち、アノードを電気化学的に酸化可能な物質(例えば、銀)から構成し、及び/又はカソードを電気化学的に還元可能な物質(例えば、塩化銀)から構成する。電気化学的に反応性の電極物質の使用は、ヒドロキシルイオン(OH-)とヒドロニウムイオン(H+)との発生を生じ、溜めのpHを変化させ、ドナー溜め中に競合イオンを導入することにもなる水加水分解を最小にするので、電気化学的反応性の電極物質が好ましい。ヒドロキシルイオン又はヒドロニウムイオンは皮膚中に投与されて、それぞれ、皮膚中に高いpH又は低いpHを生じて、それによって紅斑、刺激及び/又は損傷を惹起する。好ましい電気化学的反応性電極は上記の銀電極と塩化銀電極である。
本発明は、皮膚、粘膜及び爪を含めた、体表を通して投与可能である、広範囲な種類内の作用剤の投与に関連して、有用性を有する。”薬物”及び“作用剤”なる表現は本明細書において相互交換可能に用いられ、生体に投与されて、所望の(通常は有益な)効果を生じる任意の物質として、それらの最も広い解釈を有するように意図される。一般に、これはあらゆる主要治療分野における治療剤を含む、このような治療剤を限定する訳ではなく下記に挙げる:
抗生物質と抗ウイルス剤のような抗感染薬、フェンタニル、スフェンタニル、ブプレノルフィンを含めた鎮痛薬と鎮痛複合薬、麻酔薬、食欲減退薬、抗関節炎薬、例えばテルブタリンのような抗喘息薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、下痢止め、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗偏頭痛薬、例えばスポコラミン及びオンダンセトロンのような乗り物酔い治療剤、抗おう吐薬、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、かゆみ止め、抗精神病薬、解熱薬、胃腸及び尿路を含む鎮痙薬、抗コリン作動薬、例えばラニチジンのような抗潰瘍薬、交感神経興奮剤(sympathomimetric)、キサンチン誘導体、例えばニフェジペンのようなカルシウムチャンネル遮断薬を含む心血管系製剤、ベータ遮断薬、例えばドブタミン及びリトドリンのようなベータ作用薬、抗不整脈薬、例えばアテノロールのような抗高血圧薬、例えばエナラプリルのようなACE阻害剤、例えばフルマゼニルのようなベンゾジアゼピン拮抗薬、利尿薬、全身、冠状、末梢及び脳血管を含む血管拡張薬、中枢神経系刺激薬、咳き薬及び風邪薬、うっ血除去薬、診断薬、例えば上皮小体ホルモンのようなホルモン、催眠薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、副交感神経遮断薬、副交感神経作用薬(parasympathomimetric)、プロスタグランジン、タンパク質、ペプチド、精神刺激薬、鎮静薬及びトランキライザー。
本発明はまた、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質及び他の高(macromolecule)の制御投与に有用である。これらの高分子物質は典型的に少なくとも約300ダルトン、さらに典型的には約300〜40,000ダルトンの範囲内の分子量を有する。ペプチドと、このサイズ範囲内のタンパク質と高分子の特別の例には、限定する訳ではなく、LHRH、例えばブセレリン、ゴナドレリン、ナファレリン及びロイプロリドのようなLHRH類似体、GHRH、GHRF、インシュリン、インスロトロピン、ヘパリン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRH、NT−36(化学名:N=[[(s)−4−オキソー2−アゼチジニル]カルボニル]−L−ヒスチジルーL−プロリナミド)、リプレシン、下垂体ホルモン(例えば、HGH,HMG,HCG,酢酸デスモプレッシン等)、卵胞ルテオイド、αANF、例えば成長因子放出因子(GFRF)のような成長因子、βMSH、ソマトスタチン、心房性ナトリウム利尿ペプチド、ブラディキニン、ソマトトロピン、血小板誘導成長因子、アスパラギナーゼ、硫酸ブレオマイシン、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛性性腺刺激ホルモン、コルチコトロピン(ACTH)、上皮成長因子、エリスロポイエチン、エポプロステノール(血小板凝固阻害因子)、卵胞刺激ホルモン、グルカゴン、ヒルログ(hirulog)、ヒアルロニダーゼ、インターフェロン、インシュリン様成長因子、インターロイキンー1、インターロイキンー2、メノトロピン類(ウロフォリトロピン(FSH)とLH)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性因子、ウロキナーゼ、バソプレシン、デスモプレッシン、ACTH類似体、ANP、ANPクリアランス阻害因子、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、抗利尿ホルモンアゴニスト、抗利尿ホルモンアンタゴニスト、ブラディキニンアンタゴニスト、CD4、セレダーゼ、CSF類、エンケファリン類、FABフラグメント、IgEペプチド抑制因子、IGF−1、ノイロペプチドY、神経栄養因子、オリゴデオキシヌクレオチドと例えばアンチセンスRNA、アンチセンスDNA及びアンチーゲン核酸(anti-gene nucleic acid)のような、それらの類似体、オピエートペプチド(opiate peptide)、コロニー刺激因子、上皮小体ホルモンとアゴニスト、上皮小体ホルモンアンタゴニスト、プロスタグランジンアンタゴニスト、ペンチゲチド(pentigetide)、プロテインC、プロテインS、ラモプラニン、レニン阻害因子、チモシンα−1、血栓溶解薬、TNF、ワクチン、バソプレッシンアンタゴニスト類似体、α−1抗トリプシン(組換え体)及びTGF−βがある。
本発明をこのように一般的に説明したが、次に、下記実施例は本発明をどのように利用して、皮膚抵抗を感じ、皮膚刺激、紅斑及び/又は損傷を軽減して、有効な経皮電気投与式作用剤投与を達成するかを説明する。
実施例1
この実験セットでは、リン酸ナトリウム緩衝剤(すなわち、負に帯電したリン酸塩緩衝剤)をカソード溜めに加え、塩化物対イオンを含む、正に帯電した種々な緩衝剤をアノード溜めに加えた。カソード溜めのpHは1.35から8.17に変化した。これらの実験の目的は、皮膚を通しての電流(すなわち、イオンの移動によって運ばれる電流)の供給中の皮膚刺激/紅斑及び皮膚抵抗に対する溜めpHの影響を調べることである。多くの薬物は皮膚との接触時に皮膚を刺激する可能性を少なくともある程度有するので、アノード溜め及びカソード溜めに加える唯一のイオン種は緩衝剤自体であった。それ故、これらの実施例では、溜めに薬物を入れなかった。任意の可動なイオン種を用いて、皮膚を通る電流の影響を研究することができるので、皮膚に対する溜めpHの影響を調べるために溜めからの薬物投与は不必要である。
電気投与式デバイスは銀ホイルアノードと、塩化銀カソードとを有した。溜めゲル(すなわち、アノードゲルとカソードゲルの両方)サイズは各々、約200μlであり、約1.25cm2の皮膚接触表面積を有した。pH1.35、1.78及び1.86に関して、溜めゲルは約0.15Mリン酸、3重量%ヒドロキシルエチルセルロース、望ましいpHにするために充分な量のNaOH、及び充分な量の水を含有した。試験した他のpH値のためには、0.15Mリン酸の代わりに0.15M一塩基性リン酸ナトリウムを用いた。
実験は無毛モルモットに対してインビボ(in vivo)で実施した。アノード溜めとカソード溜めの両方をモルモットの背中に接着性オーバーレイを用いて装着した。2個の溜めは一般に約5〜7.5cmの間隔をおいて配置した。0.125mA(すなわち、0.1mA/cm2の電流密度)の定常電流を供給するDC電源に電極を接触した。電流を30分間供給し、その後に、電極を電源から離し、ゲルをモルモットから取り出した。0.125mAの電流を5分間供給した後に、印加電圧を記録することによって、皮膚抵抗測定値を得た。皮膚抵抗(R)値(KOhm・cm2)は、電極を横切る測定電圧(V)に接触表面積(A)(すなわち、1.25cm2)を乗じ、その積を供給電流(I)(すなわち、0.1mA)によって除することによって、次式:R=VA/Iに従って算出した。皮膚から電極を除去してから約5分間後に、皮膚刺激測定値を得た。各データ点は、各サンプルが異なるモルモットからである4皮膚サンプルから行った測定の平均値を表す。
定量的皮膚刺激(α)測定値は、Minolta Chroma MeterモデルNo.CR200(Minolta Camera Corp.社,日本,大阪によって販売)によってこの実施例及び以下の全ての実施例のために実施した比色測定から得た。Minolta Chroma MeterはL*a*b*色表示系を用いて、ヒトの知覚しうる範囲内の全ての色を数値コード(numericalcode)に転換するポータブルの三刺激色分析計である。L*(輝度)は黒−白軸に輝度(brightness)を表し;a*は赤−緑軸上の色相(hue)を表し;b*は黄−青軸上の色度(chroma)を表すので、特定の数値コードが物体の正確な色表示を可能にする。αの数値はMinolta Chroma Meterによって得られ、特定の単位を有さない。Minolta Chroma Meterはa*色相に関してー60(緑)〜+60(赤)の数値範囲を用いる。典型的に、ヒトの皮膚はa*色相スケール上で0〜10の範囲である。1〜2のα値は軽度の発赤又は紅斑を表し、3.5〜4.5のα値は中等度の発赤又は紅斑を表し、7を越えるα値は重度は発赤又は紅斑を表す。これらの試験の皮膚刺激の測定はαとして表示され、これは本明細書では電気投与式処理サンプルの平均a*読取り値マイナス未処理サンプルの平均a*読取り値の差として定義される、すなわち、α=a*treated−a*untreated。隣接する未処理部位における3読取り値の平均a*値を算出し、処理部位における3読取り値の平均a*値からこの値を控除することによって、Minolta測定値を得た。発赤強度の変化はa*読取り値から分かるので、電極除去後の皮膚部位検査のためにはa*値のみを用いた。
試験した各pH値に関して、皮膚刺激値(α)と皮膚抵抗(R)を表に要約した。pHの関数としての皮膚刺激と皮膚抵抗を表8のカソード溜めと、表9のアノード溜めとに関して記載する。図2と4は、それぞれ、カソード溜めとアノード溜めとに関して皮膚刺激対pHのプロットを示す。図3と5は、それぞれ、カソード溜めとアノード溜めとに関して皮膚抵抗対pHのプロットを示す。
Figure 0003664726
Figure 0003664726
アノード溜めのpHを調節するために用いた化合物(すなわち、表9化合物)は、電気移動によって皮膚に投与される傾向があるカチオンであった。これらのカチオンの少なくとも1種(マグネシウム;表8の第3列を参照のこと)は皮膚刺激性であると知られている。したがって、塩化マグネシウム7水和物の皮膚刺激(α)値はマグネシウムイオンの刺激効果によるために大きい(すなわち、同じpHにおけるトリエタノールアミンHClよりも大きい)。
表8と図2〜3が説明するように、約4未満、特に約2のカソード溜めpHは、約5〜8の範囲のカソード溜めpHに比べて低い皮膚抵抗と軽度の皮膚刺激を生じた。同様に、表9と図4〜5は、アノード溜めにおける高いpH、すなわち、約pH4〜約5が低い皮膚抵抗と低い皮膚刺激とを生じることを示す。
実施例II
これらの実験は、カソード溜めにおける塩化物塩として全て正に帯電した緩衝剤である、ヒスチジン、リシン及びアルギニンの使用と、アノード溜めにおけるナトリウム塩としての全て負に帯電したクエン酸、一塩基性リン酸ナトリウム及びホウ酸の使用とを必要とした。全ての溜め組成物は約3重量%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)と充分な量の水を含有した。所望のpHを得るために充分な量で、HCl又はNaOHを加えた。他の条件は実施例1に述べる条件と同じであった。
pHの関数としての皮膚抵抗(R)と皮膚刺激(α)を(i)L−リシン若しくはL−ヒスチジンによって緩衝化したカソード溜めに関して、表10に;(ii)クエン酸、ホウ酸若しくは一塩基性リン酸ナトリウムによって緩衝化したアノード溜めに関して、表11に;(iii)L−ヒスチジン、L−リシン、若しくはL−アルギニンによって緩衝化したカソード溜めに関して、表12に;(iv)リン酸及び一塩基性リン酸ナトリウムによって緩衝化したカソード溜めに関して、表13に記載する。
表10からの刺激値及び抵抗値を、それぞれ、図6と7においてpHに対してプロットする。表11からの刺激値及び抵抗値を、それぞれ、図8と9においてpHに対してプロットする。表12からの刺激値(白抜き点)及び表13からの刺激値(中黒点)を図10においてpHに対してプロットする。
Figure 0003664726
Figure 0003664726
Figure 0003664726
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この実施例における緩衝剤イオンは電極上の電荷と反対である電荷を有する(すなわち、カソード溜めには正に帯電した緩衝剤、アノード溜めには負に帯電した緩衝剤)ので、無視できる量のイオンが電気移動によって皮膚に投与されるにすぎなかった。皮膚抵抗と皮膚刺激の結果は実施例Iで得られた結果と同じであった、すなわち、約4未満のカソード溜めpH及び/又は約4より大きいアノード溜めpHが、約4より大きいカソード溜めpH及び/又は約4未満のアノード溜めpHに比べて、低い皮膚抵抗と軽度の皮膚刺激とを生じる。さらに、溜めのみの緩衝化が皮膚刺激と皮膚抵抗とを低下させるために充分であり、緩衝剤イオンの電荷(この電荷は、緩衝剤イオンが有意な速度で皮膚中に投与されるか否かに影響を及ぼす)は、少なくとも短時間(すなわち、30分間まで)電気投与式投与中の結果に有意に影響するとは思われない。
実施例III
リン酸ナトリウム緩衝剤を含むカソード溜め組成物(負に帯電した緩衝剤イオン)をこのセットの実験において評価した。全ての組成物は0.05Mリン酸と、0.1M塩化ナトリウム、6%ポリビニルアルコールと、4%ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、充分な水とを含有した。水酸化ナトリウムを所望のpHに達するために充分な量で加えた。
このセットの実験では、ヒト被験者(volunteer)の腕内側(inner arm)において電気投与を実施した。電極溜めゲル(すなわち、アノードゲルとカソードゲルの両方)の皮膚接触面積はそれぞれ約5.1cm2であり、溜めゲル量は約800μlであった。アノード電極は銀ホイルであり、カソード電極は塩化銀(すなわち、AgClの表面層を形成するようにHClで処理した銀ホイル)であった。0.51mAの定常電流を供給し、約0.1mA/cm2の電流密度を生じるDC電源に、電極を接続した。電極ゲルを皮膚上に置き、該DC電源に接続した。この電源は電流をゲルに通して約4時間、供給し、この時間後に、電極を電源から離し、ゲルを除去した。患者の腕から除去した後に、カソードゲルのカリウム含量を測定し、測定されたカリウム含量をゲル皮膚接触面積(すなわち、5.1cm2)と接着時間(すなわち、4時間)との積によって除することによって、カリウム流出(μg/cm2・時)を計算した。
皮膚抵抗はゲル装着後、1時間目に(実施例1と同様に)測定し、皮膚刺激の測定はゲルを除去した後に約24時間に実施した。
表14は6対象の平均結果を示す。図11と12は、それぞれ、カソード溜めpHの関数として、皮膚刺激値プロットと皮膚抵抗値プロットを示す。表14はまた、各pHにおける平均カリウム流出値を記載する。約4未満のpH値においてカリウム流出は約2μg/cm2・時であり、この場合に、実質的な皮膚刺激も発赤も存在しなかった(すなわち、α、0.2乃至0.6)。逆に言えば、6.7及び8.9のpH値ではカリウム流出は10μg/cm2・時より大きく、この場合には目視可能な皮膚刺激と発赤が存在した(すなわち、α、2.6)。皮膚刺激を付随するカリウム流出強化の原因となる機構は不明であるが、大きな皮膚刺激/発赤と高いカリウム流出との間の相互関係は表14において明らかに実証される。1つの可能な説明は、供給電流が皮膚細胞を破壊される又は他のやり方で細胞質カリウム含量を放出させると言うことである。細胞質カリウム濃度(すなわち、皮膚細胞内のカリウム濃度)は皮膚細胞外の間隔流体(interstitial fluid)カリウム濃度よりも約40倍大きい。このことは少なくとも、4より大きいpH値において電流を供給した場合に生ずる皮膚刺激が細胞内部から間隔流体中へカリウム排出を惹起し、このカリウムが印加電界のために皮膚からカソードヒドロゲル中に流出することを示唆する。
Figure 0003664726
この実施例では、負に帯電したリン酸塩緩衝剤イオンがカソード溜め中に存在し、それ故、皮膚に駆動された。図11と図12が示すように、皮膚刺激と抵抗の結果は、実施例IとIIの場合と同じ傾向に従った。3.5〜4.2のカソード溜めpHでは、溜め真下の皮膚が約11KOhm・cm2未満の抵抗と約0.6未満の刺激値とを有した。しかし、6.7及び8.9の高いカソード溜めpHレベルでは、皮膚抵抗は25KOhm・cm2を越え、刺激値は2.5を越えた。したがって、約4未満のカソード溜めpHは、約4越えるpHの場合よりも、低い皮膚刺激と低い皮膚抵抗とを生じた。
実施例IV
pH3と4における、ヒスチジンクロリド緩衝剤(すなわち、正に帯電したヒスチジン緩衝剤イオン)とクエン酸ナトリウム緩衝剤(すなわち、負に帯電したシトレート緩衝剤イオン)とを含むカソード溜め組成物を研究した。全ての組成物は0.1M緩衝剤(ヒスチジン又はシトレート緩衝剤イオン)と、6%ポリビニルアルコール(PVA)と、4%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と、所望のpHにするための充分な量のHCl(ヒスチジンに対して)又はNaOH(クエン酸に対して)と、充分な量の水とを含有した。
実施例IIIにおけるように、ヒト被験者の腕内側において電気投与を実施した。電極材料、ゲル量と皮膚の接触面積、電流、電流密度及び装着時間は実施例IIIと同じであった。
皮膚抵抗(R)を装着0.5、1、2、3及び4時間目に(実施例1と同様に)測定した。皮膚刺激(α)は装着の終了後に1、4及び24時間目に(実施例1と同様に)測定した。R値とα値の両方を表15に緩衝剤、pH及び除去後の時間数の関数として記載する。pH4に関する各データ点は7人のヒト対象の読取り値の平均値であり、pH3に関しては、各データ点は8人のヒト対象の平均値を表す。
表15はpH3と4におけるクエン酸塩緩衝剤とヒスチジン緩衝剤の両方に関する、デバイス除去後の時間の関数としての皮膚刺激(α)を表す。同様に、表16はpH3と4におけるクエン酸塩緩衝剤とヒスチジン緩衝剤の両方に関する、デバイス除去後の時間の関数としての皮膚抵抗(R)を表す。
図13と14は、それぞれ、pH4におけるクエン酸塩緩衝剤とヒスチジン緩衝剤とに関する、デバイス除去後の時間数に対する皮膚刺激(α)と皮膚抵抗(R)とのプロットを示す。図15と16は、それぞれ、pH3におけるクエン酸塩緩衝剤とヒスチジン緩衝剤とに関する、デバイス除去後の時間数に対する皮膚刺激(α)と皮膚抵抗(R)とのプロットを示す。
Figure 0003664726
Figure 0003664726
試験の1セットでは、カソード溜めは正に帯電したヒスチジン緩衝剤を含有し、他のセットでは、カソード溜めは負に帯電したクエン酸塩緩衝剤を含有した。それ故、シトレート緩衝剤イオンが電気移動によって皮膚中に投与され、ヒスチジン緩衝剤イオンは投与されなかった。これら2種類の緩衝剤に関する皮膚抵抗値は有意に異ならなかったが(図14と16を参照のこと)、ヒスチジンによってカソード溜めを緩衝化すると、クエン酸塩による緩衝化に比べて軽度の皮膚刺激を生じた(図13と16を参照のこと)。それ故、皮膚刺激を最小にするために、皮膚への緩衝剤投与を防止する又は少なくとも最小にする(すなわち、カソード溜めにはカチオン緩衝剤を用い、及び/又はアノード溜めにはアニオン緩衝剤を用いる)ことが好ましい。
実施例V
皮膚刺激に対するカソード溜めpHの影響を調べるために、6種の電解質組成物を試験した。これらの組成物は3種類のイオン種(ラクテート、スルフェート及びタルトレート)から成り、各イオン種につき2種類のpHを評価した。全ての溜め電解質組成物は約0.1モル(M)であった。
電流を100μA/cm2で5時間にわたって供給した。5時間後の印加電圧と供給電流とを測定することによって、オームの法則から皮膚抵抗値を算出した。電流供給を停止した後に、カソード溜め真下の皮膚を発赤に関して目視評価した。
刺激測定値は、pH及び電解質組成物の関数として、表17に相対的スケールで表す。これらの等級(rating)は、各処理皮膚部位をこの試験における他の全ての皮膚部位と、紅斑(発赤)に関して、目視比較することによって定めた。各比較に対して、悪い(worse)には−1の等級、実質的に同じには0の等級、良好には+1の等級を割り当てた。これらの数の合計は紅斑に関する部位の相対的ランクキングを表す、これらの合計を表17に報告する。電流供給を開始してから1時間目と24時間目に目視検査を実施した。各電解質に関して3サンプルを評価し(すなわち、n=3)、平均値を表17に報告する。最高ランキングを有する溜め組成物が最低の刺激を生じ、この逆も言える。最小可能値は零であり、これは、電解質と接触する3部位が他の全ての部位より悪いと評価されたことを意味する。最大可能な値は34であり、これは、電解質と接触する3部位が他の全ての部位よりも良好と評価されたことを意味する。
Figure 0003664726
表17は、試験した各イオン種に関して、低いpHが低い相対的刺激ランキングを生じることを示す。さらに、各イオン種に関して、低いpHは低い皮膚抵抗を生じた。
実施例VI
ヒスチジンクロリド緩衝剤を含み、塩酸によって所望のpHに調節されたカソード溜め組成物をヒト対象の異なる5グループの胸部と腕部位とに配置した。全ての部位を約0.1mA/cm2のDC電流密度に4〜6時間暴露させた。各実験の終了後に、カソードヒドロゲルのカリウム含量を測定し、カリウム流出値を算出した。
表18は5群の対象に関して算出したカリウム流出値を要約する。このデータは実施例IIIにおいて考察したpHとカリウム流出値との間の強い相互関係を実証する。実施例IIIにおけるように、4より大きいカソードpH値はカリウム流出の4〜5倍の増強と相関した。
Figure 0003664726
実施例VII
図1に説明する形態を有する(但し膜30と32は有さない)、リドカインHClを投与するための電気投与式デバイスを構成する。アノード12は銀から構成し、カソード14は塩化銀から構成する。アノード溜め16とカソード溜め18の両方はポリビニルアルコール系ヒドロゲルから構成する。溜め16と18の各々は1cm3の容積と、10cm2の皮膚接触面積を有する。溜め16ゲルにリドカインHClの水溶液を吸収させ、溜め18ゲルに生理的食塩水溶液を吸収させる。Microelectrodes,Inc.(ニューハンプシャー州,ロンデネリー)から販売される小型カリウム感知プローブ,モデルNo.MI−402をカソード溜め18中に挿入し、回路層24内の電源に接続する。カリウム感知プローブと、そのための制御回路とを0.1時間毎にカソード溜め内のカリウム濃度を測定するように設定する。感知濃度を予め感知された濃度と、電子コンパレータ(comparator)によって比較する。カリウム濃度の変化が0.1時間間隔にわたって5μg/cm3(すなわち、50μg/cm3・時の濃度変化速度)(この濃度変化は約5μg/cm2・時のカリウム流出に相当する)を越える場合には、デバイスの外部から目視可能であるLEDが活性化され、それによって、患者にデバイスを別の皮膚部位に移動させるように患者にシグナルを発する。
実施例VIII
これらの実験は0.6M塩化ナトリウム水溶液を含むアノード溜めと、0.4M塩化ナトリウム水溶液(すなわち、モデル薬物塩としての塩化ナトリウム)を含むカソード溜めとを用いた。カソード溜めはヒスチジン(塩化物塩として正に帯電した緩衝剤)を用いて、pH3又は4に緩衝化し、アノード溜めはクエン酸(そのナトリウム塩として負に帯電した緩衝剤)を用いて、pH5.6及び7に緩衝化した。全ての溜め組成物は、約3重量%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)と、充分な量の水を含有した。所望のpHにするために充分な量でHCl又はNaOHとを加えた。
この実験セットでは、ヒト被験者の腕内側において電気投与を実施した。慣習的な電気投与式デバイスを、搭載(on-boad)電源、電流制御電気回路、及び患者の入浴を可能にする耐水性バッキング材料によって設計した。このデバイスは実験を通して患者の皮膚に接着したフォームハウジングを有した。このハウジングはアノード溜めゲルとカソード溜めゲルとを支えるカットアウト(cut-out)を有した。電極溜めゲル(すなわち、アノードゲルとカソードゲルの両方)の皮膚接触面積は各々約2cm2であり、溜めゲル容積は約250μlであった。アノード電極は銀ホイルであり、カソード電極は塩化銀(すなわち、AgClの表面層を形成するようにHClによって処理した銀ホイル)であった。0.1mAの定常電流を供給し、約50μA/cm2の電流密度を生じるDC電源に、電極を接続した。新しいセットのアノードゲルとカソードゲルを約24時間着用させ、この時間後に、電極を電源から離し、ゲルを接着(すなわち、皮膚に)フォームハウジングから除去した。皮膚刺激と皮膚抵抗を測定し、次に新しいセットのアノードゲルとカソードゲルとをハウジングに挿入した。装着/測定及びゲル交換のこのスケジュールを約72時間の総着用時間に3回繰り返した。
図17と18は、それぞれ、アノード溜めとカソード溜めとに接触する両皮膚部位に関して時間の関数として皮膚刺激のプロットを示す。
本発明を一般的に説明し、そのある一定の好ましい実施態様を詳細に説明したが、下記請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲から逸脱せずに、本発明の種々な変更が当業者によってなされうることは容易に理解されるであろう。

Claims (21)

  1. カソード溜めと、アノード溜めと、カリウムセンサーと、カリウムセンサーが(i)カソード電極アセンブリ中の所定カリウム含量と(ii)カソード電極アセンブリ中のカリウム含量の所定変化速度とから成る群から選択されるパラメータを感知するときにデバイスの操作を変化させる手段とを含み、前記溜めの各々が体表とイオン伝導関係に配置されるために適し、前記溜めの1つが投与すべき作用剤を含み、電源が前記溜めと前記体表とを通して所定レベルの電流を供給するためにアノード溜め及びカソード溜めを横切って電圧を印加することができる、体表を通して作用剤を投与するための電気投与式デバイスであって、電気投与式作用剤投与中に、
    (a)前記アノード溜めを約4より大きいpHに維持し;及び/又は、
    (b)前記カソード溜めを約4未満のpHに維持する、
    前記デバイス。
  2. アノード溜めpHを約4〜10の範囲内に維持する請求項1記載のデバイス。
  3. 前記アノード溜めを緩衝化する請求項1又は2に記載のデバイス。
  4. 前記緩衝剤がアニオン緩衝剤である請求項3記載のデバイス。
  5. 前記アニオン緩衝剤がヒスチジン、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、チロシン及びこれらの組合せから成る群がら選択される請求項4記載のデバイス。
  6. 前記アノード溜めを、
    (a)アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸、コハク酸、リン酸、酢酸、EDTA、乳酸、ホウ酸、炭酸、一塩基性リン酸ナトリウム、安息香酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、硫酸、ギ酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸及びアジピン酸から成る群がら選択される緩衝剤;
    (b)トロメタミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヒスチジン、リシン及びアルギニンから成る群がら選択される緩衝剤;
    (c)塩化カルシウム2水和物、トリエタノールアミン塩酸塩、塩化マグネシウム7水和物、ジエタノールアミン塩酸塩、塩化アンモニウム、エタノールアミン塩酸塩、塩化カリウム及び塩化ナトリウムから成る群がら選択される緩衝剤;
    (d)2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、1,4−ピペラジン−ビス−(エタンスルホン酸)、N−2−アセトアミド イミノ二酢酸、N−2(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、2−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルー2−アミノプロパンスルホン酸、2−シクロヘキシルアミノ−1−エタンスルホン酸、3−シクロヘキシルアミノー1−プロパンスルホン酸及びこれらの混合物から成る群がら選択される両性イオン緩衝剤;又は
    (e)ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、メタクリル酸/ジビニルベンゼンコポリマー、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート)、アクリル酸と長鎖アクリレートエステルとのコポリマー、及びポリ(メチルビニルエーテル−マレイン酸)から成る群がら選択されるポリマー緩衝剤によって緩衝化する請求項3記載のデバイス。
  7. カソード溜めpHを2から4未満までの範囲内に維持する請求項1記載のデバイス。
  8. カソード溜めを緩衝化する請求項1又は7に記載のデバイス。
  9. 前記カソード溜めをカチオン緩衝剤によって緩衝化する請求項7記載のデバイス。
  10. 前記カチオン緩衝剤がヒスチジン、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、チロシン及びこれらの組合せから成る群がら選択される請求項9記載のデバイス。
  11. 前記カソード溜めを、
    (a)アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸、コハク酸、リン酸、酢酸、EDTA、乳酸、安息香酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、硫酸、ギ酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸及ぴアジピン酸から成る群から選択される緩衝剤;又は
    (b)ビニルピロリドン第4級化ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ビニルカプロラクタムビニルピロリドンジメチルアミノエチルメタクリレートターポリマー、ポリビニルピロリドン、及びメタクリレートジビニルベンゼンコポリマーから成る群から選択されるポリマー緩衝剤によって緩衝化する請求項9記載のデバイス。
  12. (a)可逆的に酸化及び還元されることができる物質から構成される第2電極であって、アノード溜めと、アノード溜めpHを4より大きく維持するように第2電極を操作する手段とに連通する第2電極;又は
    (b)可逆的に酸化及び還元されることができる物質から構成される第2電極であって、カソード溜めと、カソード溜めpHを4未満に維持するように第2電極を操作する手段とに連通する第2電極を含む請求項1記載のデバイス。
  13. カソード溜め内のカリウム含量を感知するためのカリウムセンサーを含む請求項1記載のデバイス。
  14. カリウムセンサーが体表がカソード溜め中への所定レベルのカリウム流出を感知するときに、デバイスの操作を変えるための手段を含む請求項13記載のデバイス。
  15. (a)カソード溜めが投与すべき作用剤を含み、アノード溜めが4を越えるpHに維持される;又は
    (b)アノード溜めが投与すべき作用剤を含み、カソード溜めが約4未満のpHに維持される請求項1記載のデバイス。
  16. アノード電極アセンブリと、カソード電極アセンブリと、前記電極アセンブリと電気的に接続した電源と、前記電極アセンブリの少なくとも1つにおける作用剤溜めとを有する電気投与式投与デバイスにおいて、前記カソード溜め中のカリウムセンサーと、カリウムセンサーが(i)カソード電極アセンブリ中の所定カリウム含量と(ii)カソード電極アセンブリ中のカリウム含量の所定変化速度とから成る群がら選択されるパラメータを感知するときにデバイスの操作を変化させる手段とを含むことを特徴とするデバイス。
  17. 投与デバイスの操作を変える前記手段がデバイスによって供給される電流レベルを低下させる手段を含む請求項16記載のデバイス。
  18. 低下手段が供給電流を実質的に零にまで低下させる請求項17記載のデバイス。
  19. カソード電極アセンブリ中のカリウム含量が前記所定値に達するときにシグナルを発する手段を含む請求項16記載のデバイス。
  20. カリウム含量の変化速度が前記所定値に達したときにシグナルを発する手段を含む請求項16記載のデバイス。
  21. カリウムセンサーがカリウム感知電極を含む請求項16記載のデバイス。
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