JP3663979B2 - インクカートリッジ及びインクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体インクを収容したインクカートリッジ及びこれを用いるインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタは、インクリボンを用いる熱溶融型又は熱昇華型のプリンタや、トナーを用いる熱定着型のプリンタに比較して、騒音が少なく静粛性に優れ、インク等の消耗品に無駄が少なく省資源型であり、且つ使用電力が少なくて済むので近年の省エネルギー指向に適合したプリンタとして注目され、主として家庭用又は個人用として広く用いられている。
【0003】
このインクジェットプリンタは、インクカートリッジから供給されるインクを印字ヘッドから微細なインク滴として吐出、飛翔させ、用紙等の記録媒体に着弾させることで文字や画像を印字する(画像等の印刷も印字という、以下同じ)。印字によってインクが消費され、インクカートリッジ内のインクが空になると、プリンタ本体からインク切れであることがユーザに報知される。ユーザはインクカートリッジを新しいものと交換して印字を継続する。
【0004】
一般に、インクカートリッジは、黒インク用のカートリッジとカラーインク用のカートリッジがある。また、通常は印字ヘッドと別体に構成されているが、中には印字ヘッドと一体型のものもある。インクカートリッジ交換の際には、印字ヘッド一体型でない場合は、インクカートリッジのみが取り外され、新しいインクカートリッジに交換されて使用される。また、印字ヘッド一体型のインクカートリッジであれば、印字ヘッド共々プリンタから取り外され、新しい印字ヘッド一体型のインクカートリッジに交換されて使用される。いずれにしても、インクカートリッジヘのインクの再充填は考慮されていない構成となっている。
【0005】
ところが、このようなインクの再充填が考慮されていないインクカートリッジに、プリンタのユーザによってインクが再充填される場合がある。例えばインクカートリッジの適宜な箇所に孔を空け、この孔を通して外部から同じ色のインクを再充填した後、その孔をシール紙や粘着材のついたフィルム紙などで塞ぐ、あるいはゴム材のような弾性部材を孔に詰めて塞さぐというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、元来インクカートリッジはインクを再充填して使用するようには設計されていない。また、内部には使用中にインクが印字ヘッドから滴れ出さないようにインクを吸収・保持するスポンジ材がインクと一体になって収容されており、消費されてインクが空になったとはいっても実際にはスポンジ材に吸着されて最小限のインクが残っている。
【0007】
このように元のインクの残りがスポンジ材に吸収されたままとなっているインクカートリッジに、新しいインクが再充填されると、製法の異なるインクが用いられることによって特性の異なるインクが混入されることになり、ましてや、低品質のインクを用いて再充填された場合には、インクに変質を来す虞がある。特に微妙な色の重ね合いによって原画像の色を再現するフルカラーの印字では、印字形成された画像に不具合を生じることが少なくない。
【0008】
そればかりでなく、インクの変質が色合いだけではなく組成にも及ぶと、多くの場合インクの特性が劣化し、印字ヘッドの腐食、インク吐出ノズルの目詰り、印字品質の低下、インク漏出によるプリンタ内部の汚染等を引き起こしてプリンタ故障の原因ともなる。更には、低品質のインクが再充填に用いられた場合には残りインクとの混合による変質以前に、低品質のインク自体がインク吐出ノズルの目詰まりの原因になる。また、スポンジ材との相性が良くないと、インク漏れや、これとは逆の供給不良などが発生する。更に、インクカートリッジに再充填用の孔を開けるため、インクカートリッジに強度不足が生じたり、孔の封止不足によるインク漏れなどが発生する。
【0009】
プリンタは、インク、印字用紙、印字ヘッドなどの夫々の特性が一致することによって初めて良好な印字結果が得られるものであるから、再充填に用いられるインクのように、プリンタメーカーから供給される最適化されたインクとは特性が異なる不正規のインクでは、印字品質が低下して所望の印字結果が得られない。
【0010】
そして、このような不具合が発生した場合、印字ヘッド一体型であれ、カートリッジのみの交換式であれ、発生した不具合が再充填したインクによる不具合か、又はプリンタ本体(又は印字ヘッド)による不具合かの判断が極めてつけにくくなる。
【0011】
このように不具合の原因を明瞭に特定できないと、不具合発生の責任が曖昧となるばかりでなく、発生した不具合を装置の改良・改善のために役立てることが出来ない。装置の改良・改善ができないと、同様の不具合が将来も頻発する虞が多分にある。
【0012】
そして、このような場合、結果的には再生した消耗品による不具合ではなくプリンタ本体側に起因する不具合であるとユーザに誤認される場合が多く、これがプリンタメーカーのイメージダウンにも繋がるという問題を生じている。
【0013】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、印字品質の低下その他の不具合を防止するために、インクを再充填したインクカートリッジによる印字を禁止するインクジェットプリンタを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
先ず、請求項1記載の発明(第1の発明)のインクカートリッジは、インクを収容し、プリンタ装置本体に着脱自在に構成されるインクカートリッジであって、上記インクの消費に伴い前記インクの量が所定量以下になったとき上記プリンタ装置本体からの信号により溶断される少なくとも1個のヒューズと、インクカートリッジの種別を表し、上記インクが無くなったときに溶断される複数の種別判別用ヒューズとを備えて構成される。
【0015】
次に、請求項2記載の発明(第2の発明)のインクカートリッジは、インクを収容し、プリンタ装置本体に着脱自在に構成されるインクカートリッジであって、上記インクの消費に伴い上記プリンタ装置本体からの信号により順次溶断される複数のヒューズを備えて構成される。
【0016】
更に、請求項3記載の発明(第3の発明)のインクカートリッジは、インクを収容し、プリンタ装置本体に着脱自在に構成されるインクカートリッジであって、上記インクを収容した内部に少なくとも1個のヒューズと、インクカートリッジの種別を表し、上記インクが無くなったときに溶断される複数の種別判別用ヒューズとを備え、前記ヒューズは、所定量以上のインク残量であるときのみ該インクに接することが出来る位置に設けられ、該インクに接しているときには該インクを介して放熱することにより上記プリンタ装置本体からの信号によっても溶断せず、上記インクの残量低下により該インクとの接触を断たれたとき放熱不足となることにより上記プリンタ装置本体からの信号によって溶断するように構成される。
【0017】
そして、請求項4記載の発明(第4の発明)のインクジェットプリンタは、上記第1、第2又は第3の発明に係るインクカートリッジを着脱自在に装着し、該インクカートリッジのインクを用いて吐出により用紙上に印字を行うインクジェットプリンタであって、上記インクカートリッジのインク残量を検知するインク残量検知手段と、前記インクの残量が所定値以下であるとき上記インクカートリッジの上記所定値以下のインク残量に対応する上記ヒューズを溶断させる溶断手段と、該溶断手段により上記ヒューズが溶断された後に上記インクの残量が上記所定値以上であることが検知されたとき印字動作を禁止する印字禁止手段と、を有して構成される。また、請求項5記載の発明(第5の発明)のインクジェットプリンターは、インクの消費に伴い前記インクの量が所定量以下になったときに溶断される少なくとも1個のヒューズと、インクカートリッジの種別を表し、上記インクが無くなったときに溶断される複数の種別判別用ヒューズとを備えるインクカートリッジを用いて用紙上に印字を行うインクジェットプリンターであって、前記インクカートリッジのインク残量を検知するインク残量検知手段と、前記インクの残量が所定値以下であるとき前記インクカートリッジの前記所定値以下のインク残量に対応する前記ヒューズを溶断させる溶断手段と、該溶断手段により前記ヒューズが溶断された後に前記インクの残量が前記所定値以上であることが検知されたとき印字動作を禁止する印字禁止手段と、を有して構成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施の形態におけるインクカートリッジを下から見た状態を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、インクカートリッジ1は、底部中央にインク供給孔を備えている。インクカートリッジ1が不図示のプリンタ装置本体に装着されたとき、インク供給孔2は、これも不図示の印字ヘッドのインク受給孔に係合して、内部に収容しているインクを印字ヘッドに供給する。
【0019】
このインクカートリッジ1の底部外面の周囲近傍には、種別読出用電極3−1、3−2及び3−3が設けられ、更に種別用共通電極4が配設されている。これらの種別読出用電極3−1、3−2及び3−3並びに種別用共通電極4は、インクカートリッジ1がプリンタ装置本体に装着されたとき、プリンタ装置本体側の対応する電極端子と電気的に接続される。そして、プリンタ装置本体の制御部により、インクカートリッジ1の種別が読み出される。
【0020】
この種別コードの読み出しは、種別読出用電極3−1、3−2又は3−3と、種別用共通電極4との間の接続の有無を読み出すことによって行われる。そして、この各種別読出用電極3−1、3−2又は3−3と種別用共通電極4との間の接続には、所定量以上の電流を通電されると溶断する部材、つまりヒューズを用いる。一般に、ヒューズ溶断の基本的なメカニズムは、ヒューズに過電流が流れたときヒューズが発熱して、その熱によりヒューズ自身が溶断するものである。
【0021】
図2(a) は、上記種別読出用電極3−1、3−2又は3−3と、種別用共通電極4との間に配設される種別判別用ヒューズの配置例を模式的に示す図であり、同図(b) は、その種別判別用ヒューズが後述する理由により溶断した状態を模式的に示す図である。同図(a) は、上述の種別読出用電極3−1、3−2及び3−3のうち種別読出用電極3−1と種別用共通電極4との間及び種別読出用電極3−3と種別用共通電極4との間に、導体5を介して種別判別用ヒューズ6を夫々介装した例を示している。
【0022】
図3は、上記図2(a) の例のように種別判別用ヒューズ6が接続されているか、又は図2(b) のように種別判別用ヒューズ6が溶断されているか又は最初から接続されていないかを判断するプリンタ装置本体の制御部7の回路構成を示す図である。同図において、種別判別用ヒューズFは、図2(a),(b) の種別読出用電極3−1、3−2又は3−3と、種別用共通電極4との間に配設される種別判別用ヒューズ6である。図3では、説明の便宜上種別判別用ヒューズFを1個のみ示しているが、実際には、図3に破線で囲んで示す検知回路7−1が、インクカートリッジ1に配設される種別読出用電極3(3−1、3−2、3−3等)の数だけ設けられている。
【0023】
この図3を用いて種別判別用ヒューズFの動作を説明する。同図において、抵抗R1 と抵抗R2 は、R1 ≪R2 の関係を有しており、例えばR1 =10Ω、R2 =10kΩというように設定されている。ここで、まず、種別判別用ヒューズFが導通しているときに、CPU8の出力ポートON をオフ(ロー)にしてトランジスタQをオフにした状態では、CPU8の入力ポートIN には、基準電圧Vc を抵抗R1と抵抗R2で分圧した電圧が入力している。上述のように抵抗R1 と抵抗R2 は、R1 ≪R2 の関係を有しているので、CPU8の入力ポートIN には基準電圧Vc とほぼ同電圧、すなわち“H”電位が入力する。
【0024】
この種別判別用ヒューズFが導通しているときに、CPU8の出力ポートON をオン(ハイ)にしてトランジスタQをオンすると、種別判別用ヒューズFにはVc /R1 の電流が流れる。このとき、例えばVc =5Vに設定しておけば500mAの電流が流れる。そして、種別判別用ヒューズFとして100mA程度のものを用いれば、500mAの電流で種別判別用ヒューズFを容易に溶断することができる。溶断後は入力ポートIN への電位は、抵抗R2 を介して入力するグランド電位、すなわち“L”電位となる。種別判別用ヒューズFが初めから配設されていないときは、入力ポートIN への電位は常に“L”である。
【0025】
これにより、プリンタ装置本体の制御部7は、図2(a) に示すように種別読出用電極3−1と種別用共通電極4間に種別判別用ヒューズ6が接続されている状態を“H”すなわち「1」、種別読出用電極3−2と種別用共通電極4間のように種別判別用ヒューズ6が接続されていない状態を“L”すなわち「0」、そして、種別読出用電極3−3と種別用共通電極4間のように種別判別用ヒューズ6が接続されている状態をこの場合も“H”すなわち「1」と認識する。すなわち、図2(a) の場合は、3ビットコードで「1、0、1」の状態であると認識する。
【0026】
この例のように、種別判別用ヒューズを最大3本用いることができるように構成した場合は、種別判別用ヒューズ6の取り付け位置による配設の組み合わせは上記の「1、0、1」の他に「1、1、0」、「0、1、1」、「1、0、0」、「0、1、0」、「0、0、1」及び「1、1、1」の組合わせ、すなわち全部で7通りの配置の組合わせがある。但し「0、0、0」は除いてある。
【0027】
これら3ビットの組合わせによる種別コードは、インクカートリッジ1の種別、つまり、インクカートリッジ1が単色インクタイプの場合は収容されているインクの色を表わし、例えば、黒インクであれば「0、0、1」などとする。また、インクカートリッジ1が複数色タイプの場合は収容されている複数色のインクの色の組み合わせを表わし、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクであれば「1、0、1」などである。
【0028】
また、図2(b) に示すように、全てヒューズ6が溶断した状態は「0、0、0」であり、この場合は、本例では、インクカートリッジ1の種別を判別するのではなく、インクカートリッジ1が一度空になったもの、あるいはインクカートリッジ1が非装着であると判別するコードとして用いている。
【0029】
そして、印字を実行するに際しては、上記の種別コードを参照することにより、印字に必要なインクカートリッジ1がプリンタ装置本体に装着されているか否かの判定を行い且つ種別コードが「0、0、0」であるか否かによって、インクカートリッジ1が一度空になったものであるか否かあるいはインクカートリッジ1が非装着であるかを判別するようにしている。
【0030】
図4は、上記インクカートリッジ1の種別を判別し且つインクカートリッジ1がインク切れとなったものか否かを判別しながら行う印字処理の動作を示すフローチャートである。尚、この処理では、プリンタ装置本体に又は印字ヘッド等にインクカートリッジ1のインクの有無を検知するインク切れ検知センサが搭載されている。そして、このインク切れセンサによリ、インクカートリッジ1のインク切れを検知したときは、全ての種別判別用ヒューズF(6)を溶断して、種別読出用電極3−1、3−2及び3−3と種別用共通電極4間の接続をオフとするようにしている。
【0031】
先ず、プリンタ装置本体の操作パネル等からのキー入力又はホスト機器からの信号として印字開始の指示が入力されると(ステップ301)、印字データが有るか否かを判別する(ステップ302)。通常、最初は印字データが有るので(302がYes)、次にインクカートリッジ1の種別コードを読み出す(ステップ304)。この処理は、図2(a),(b) 及び図3で説明したように、種別ヒューズ6の介装、非介装、又は溶断によって示される3ビットのオン・オフを読み取る処理である。
【0032】
続いて、上記読み出した種別コードが3ビット全てオフとなっているか否かを判別する(ステップ305)。インクカートリッジ1が新品のインクカートリッジであれば、最初は少なくとも1ビット分の種別判別用ヒューズ6が必ずオンとなっている(305がNo)。したがって、この場合は、次に、いま読み出した種別コードがOKか、つまり、いま装着されているインクカートリッジ1の種別コードが示すインクの色と、これから印字しようとしている印字データで指定されているインクの色とが一致しているかを判別する(ステップ308)。
【0033】
そして、種別コードが、これから印字で使用するインクの色を示しているならば(308がYes)、所定量の印字処理を実行する(310)。その後、プリンタ装置本体又は印字ヘッドに設けられた不図示のセンサにより、インクカートリッジ1のインク残量を検出し、インクが切れたか否かを判別する(ステップ311)。そして、上記の検出結果がインク切れでない場合は(311がNo)、ステッ302の印字データの有無の判別処理に戻る。そして、もし印字データが無ければ(302がNo)、この場合は印字を終了するが(303)、印字データが未だ有れば、ステップ304以下の処理を繰り返す。
【0034】
上記所定量づつの印字処理が進行し、ステップ311の判別でインク切れとなったときは(311がYes)、種別読出用電極3−1、3−2及び3−3と種別用共通電極4間に配設されている種別判別用ヒューズ6に所定量以上の電流を通電して溶断して、図2(b) に示したように全ての種別判別用ヒューズ6を切断する(312)。
【0035】
そして、種別判別用ヒューズ6が全て切断されたかを確認し(ステップ313)、読み出した種別コードが、種別判別用ヒューズ6が全てオフであることを示す「0、0、0」ならば(313がYes)、種別判別用ヒューズ6が全て正常に切断されたのであり、この場合は、ブザーの放音、警告灯の点滅、或は表示装置による報知等によりインクカートリッジ1のインク切れをユーザに通知した後(ステップ306)、ユーザによるインクカートリッジ1の交換が完了するのを待機する(ステップ307、及びその判別がNoのループ)。そして、ユーザがインクカートリッジ1の交換を完了したときは(307がYes)、ステップ302の印字データ有無の判別処理に戻って、印字終了又は印字続行の処理を行う。
【0036】
また、種別判別用ヒューズ6が全て切断されたことが確認できなかったときは(313がNo)、プリンタ装置本体の故障か又はユーザによってインクカートリッジ1の種別判別用ヒューズ6が、正規のものではなく所定量の電流で溶断しないような部材に取り替えられているか又は正しい種別コードを発生するように種別読出用電極3−1、3−2又は3−3と種別用共通電極4間が丈夫な導線等により電気的に短絡されているのであり、この場合は、エラー処理を実行して(ステップ314)、印字を終了させる(ステップ315)。
【0037】
また、ステップ308の種別コードの判別で、種別コードの示すインクカートリッジ1のインクの色が、これから印字で使用するインクの色と異なる場合は(308がNo)、この場合もブザーの放音、警告灯の点滅、或は表示装置への警告報知等によりインクカートリッジ1の交換をユーザに通知する(ステップ309)。そして、上記のステップ307の処理に移行する。
【0038】
また、ステップ305の種別コードが3ビット全てオフとなっているか否かの判別で、種別コードが3ビット全てオフとなっているときは、インクカートリッジ1がインク切れ、もしくは、一度インク切れとなってステップ312の処理で種別判別用ヒューズ6を全て溶断されたインクカートリッジ1にインクが再充填されたものが使用された、あるいはインクカートリッジ1の非装着と判断し、この場合も、ステップ306の処理に進んでインクカートリッジ1がインク切れであることをユーザに通知し、インクカートリッジ1の交換を待機する。
【0039】
このように、種別判別用ヒューズ6により、インクカートリッジ1の種別を判断して、もし、印字に必要なインクカートリッジ1がプリンタ装置本体に装着されていない場合は印字処理を禁止して、インクカートリッジ1を印字に必要なインク色のインクカートリッジに交換させるようにしている。これにより、誤った色のインクをそのまま用いて用紙に印字した後その誤りに気がつくという用紙と時間の無駄が防止される。
【0040】
また、上記のように種別判別用ヒューズ6は、インクカートリッジ1にインク切れの状態を設定する部材の役目も兼用している。そして、全ての種別判別用ヒューズ6が溶断して種別コードが「0、0、0」となっているときは、インクカートリッジはインク切れと判断して、このときも印字処理を禁止する。
【0041】
これにより、インク切れとなった後にインクカートリッジ1にインクを再充填しても、印字処理が禁止となって印字することができず、従って、正規のインクとは製法や特性の異なる不正規のインクが用いられることによって発生する印字画像の不具合や印字ヘッド等に発生する目詰まり等の不具合を防止することができる。
【0042】
また、種別判別用ヒューズ6が溶断しないようにインクカートリッジが改造された場合には、インク切れの時点でエラー処理を行ってユーザに警告報知することで、以後のインクカートリッジの改造を抑止することができる。
【0043】
尚、種別用共通電極4を複数の種別読出用電極3(3−1、3−2、3−3)に対して共通に使用しているが、これに限ることなく、種別読出用電極3−1、3−2及び3−3ごとに、対応する電極を各々設けるようにしても良い。
【0044】
また、上記実施の形態では、種別読出用電極3の数を3個としているが、これに限ることなく、種別コードに必要な数だけ設けてよい。また、インクカートリッジ1は、印字ヘッドとは別体型のものを示しているが、本発明は印字ヘッドと一体型のインクカートリッジにも適用可能である。
【0045】
また、インクの有無を検知するインク切れ検知センサを用いているが、種別判別用ヒューズ6をインク切れ検知センサと兼用させることもできる。例えば、全ての種別判別用ヒューズ6をインクカートリッジ1の底部に配設する。種別判別用ヒューズ6は本来所定量以上の電流を通電すると電流による発熱により溶断するが、インクカートリッジ1の底部に配設されていると、インクが十分に有るときは、インクが冷却材となり、インク中の水分(インクの殆どは水分)は空気の約23倍の熱伝導率があるため、電流により発生した熱は水中に伝熱し種別判別用ヒューズ6が冷却されるので、種別判別用ヒューズ6の温度は溶融温度に達せず溶断されることはない。そして、インクカートリッジ1がインク切れになると、種別判別用ヒューズ6が冷却されず、したがって溶断される。つまり、インク残量によって種別判別用ヒューズ6の溶断が決定されるので、インク切れの検出が可能である。
【0046】
また、このとき、インクが所定量以下になったときに溶断するだけの電流を種別判別用ヒューズ6に定期的に流しておく。もし、インクが所定量以上の場合は種別判別用ヒューズ6が溶断しないので、種別コードを正常に読み出すことができる。一方、インクが所定量以下の場合は、種別別判別用ヒューズ6が全て溶断するので、これでインク切れが検出可能になると共に、種別コードが正常に読み出せないので印字処理を禁止するというようにする。
【0047】
この方法であると、図4のフローチャートにおいて、ステップ311〜ステップ315の処理は不要となり、単にステップ310の所定量印字後に、ステップ302の印字データ有無の判別処理に戻るようにすることができる。
【0048】
なお、上記実施の形態では、インク切れが発生した後でインクカートリッジ1にインクを再充填(補充)したものは、インク切れが発生した時点で種別判別用ヒューズ6が溶断されているので印字処理を禁止することが出来るが、インク切れが発生する前にインクカートリッジ1にインクを補充したものについては種別判別用ヒューズ6が溶断されていないため、印字処理を禁止することができない。そこで、途中で、つまりインク切れとなる前にインクを補充した場合にも印字処理を禁止することができるインクカートリッジを実現する。以下これについて説明する。
【0049】
図5は、第2の実施の形態におけるインクカートリッジを下から見た状態を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、インクカートリッジ10は、底部中央にインク供給孔11を備え、底部外面には、種別読出用電極12−1、12−2及び12−3が設けられ、更に種別用共通電極13が配設されている。これらの種別読出用電極12−1、12−2及び12−3並びに種別用共通電極13は、図1に示したインクカートリッジ1の種別読出用電極3−1、3−2及び3−3並びに種別用共通電極4と同一の機能を有するものである。
【0050】
そして、本例では、インクカートリッジ10には、内部のインクに接する位置に3個の液面記録用ヒューズ14−1、14−2及び14−3が設けられ、これらの液面記録用ヒューズ14(14−1、14−2、14−3)に対応する液面読出用電極15(15−1、15−2、15−3)及び液面用共通電極16が上記の種別読出用電極12や種別用共通電極13同様にインクカートリッジ10の底部外面に配設される。これらの液面読出用電極15及び液面用共通電極16も、種別読出用電極12及び種別用共通電極13と同様に、インクカートリッジ10がプリンタ装置本体に装着されたとき、プリンタ装置本体側の対応する電極端子と電気的に接続される。
【0051】
これらの液面記録用ヒューズ14(14−1、14−2、14−3)は、インクカートリッジ10のインクが、各々に対応する所定量以上のインク残量であるときのみ該インクに接することができるような位置に設けられる。そして、液面記録用ヒューズ14−1、14−2及び14−3は、インクに接しているときには該インクを介して放熱することによりプリンタ装置本体からの信号によっても溶断せず、インクの液面が低下してインクとの接触を解除されたとき放熱不足となることによりプリンタ装置本体からの信号によって溶断するように構成されている。
【0052】
前述したように、ヒューズ溶断の基本的なメカニズムは、ヒューズに過電流を流すことによりヒューズを発熱させ、その熱によりヒューズを溶断させるものであるが、換言すれば、過電流を流してもヒューズの放熱が充分行われる環境ではヒューズが発熱せず、したがってヒューズは溶断しないといえる。この第2の実施の形態におけるインクカートリッジは上記の原理を利用している。
【0053】
すなわち、液面記録用ヒューズ14は、夫々インクカートリッジ10の中でインクに浸漬しており、インクが充分有るときは過電流により発熱しても熱はインク中に放熱されるため液面記録用ヒューズ14は溶断することはない。しかし、インクが消費されてインク液面が低下すると、液面記録用ヒューズ14はインクとの接触を断たれ、インクカートリッジ10中の空気と触れるだけとなり、熱の放散は殆どなくなって(インクの熱放散量≫空気の熱放散量)、インク液面から上に出ている液面記録用ヒューズ14が溶断する。
【0054】
このインクカートリッジ10には、更に液面検知用突出部17が形成されており、この液面検知用突出部17を挟んで、発光部L1 と受光部D1 、発光部L2 と受光部D2 、及び発光部L3 と受光部D3 からなる3対のフォトセンサがプリンタ装置本体側のインクカートリッジ装着部に配設されている。インクは上記液面検知用突出部17にも存在し、フォトセンサの発光部L1 から受光部D1 へ、発光部L2 から受光部D2 へ、又は発光部L3 から受光部D3 への光の透過/不透過の状態で夫々の位置のインク液面すなわちインク残量を検知する。
【0055】
また、これらのフォトセンサの発光部L1 と受光部D1 の配設位置はインクの液面が最上位(以下、インクの上面という)となる位置であり、液面記録用ヒューズ14−1の配設位置に対応している。また、発光部L2 と受光部D2 の配設位置はインクの液面が中間の位置(以下、インクの中面という)となる位置であり、液面記録用ヒューズ14−2の配設位置に対応している。そして、発光部L3 と受光部D3 の配設位置はインクの液面が最下位(以下、インクの下面という)となる位置であり、液面記録用ヒューズ14−3の配設位置に対応している。このインク下面は、インク液面がこのインク下面よりも低下するとインクの自重による降下圧力が弱くなって印字不可の状態になる位置である。
【0056】
図6は、上記構成のインクカートリッジ10のインク液面の状態を検出する制御装置の回路構成を模式的に示す図である。同図に示す制御装置20には、3個の種別判別用ヒューズF、同じく3個の液面記録用ヒューズ14(14−1、14−2、14−3)、及び3対のフォトセンサの状態が入力する。これら3コの種別判別用ヒューズF及び3個の液面記録用ヒューズ14と制御装置20とは、図3に示したと同様の回路構成によって接続されている。そして、制御装置20から、種別判別用ヒューズF及び液面記録用ヒューズ14に対して所定の電流印加(図3に示したトランジスタQの導通)が行われ、これにより、3個の液面記録用ヒューズ14はインク液面が低下する毎に順次溶断する。
【0057】
この3個の液面記録用ヒューズ14の溶断は、液面記録用ヒューズ14に常に電流を流しておいてもよく、また、パルス的に電流を流すようにしてもよい。常に電流を流すと発熱によりインクの温度が上昇するが、液面記録用ヒューズ14の溶断電流がmA程度のヒューズであればインクの温度上昇は極わずかであって何等支障はない。勿論、パルス的に電流を流すようにすれば、インクの発熱量をより低く抑えることができる。上記のようにすれば、液面記録用ヒューズ14はインク液面の低下に応じて自動的に溶断される。
【0058】
また、3個の種別判別用ヒューズFは、インクカートリッジ10のインクが無くなると全て溶断される。このインクカートリッジ10と制御装置20の構成において、インク切れが発生する前にインクカートリッジ10にインクを再充填(補充)した場合についても、印字動作が禁止される。以下、これについて説明する。
【0059】
図7は、上記構成のインクカートリッジ10のインク切れ前に途中でインクを補充した場合に印字処理を禁止する処理動作を示す補充チェックのサブルーチンのフローチャートである。すなわち、本例では制御装置20は3個の種別判別用ヒューズFの状態を検出しながら図4に示した手順で動作し、更に適宜の処理周期で定期的に、3対のフォトセンサと3個の液面記録用ヒューズ14の状態を検出しながら図7に示す補充チェックのサブルーチンの処理を行っている。
【0060】
図7において、先ずインク液面が上面以下となっているか否かを判別する(ステップ601)。この処理は、インク液面が発光部L1 と受光部D1 からなる最上部のフォトセンサの位置よりも低くなっているか否かを判別する処理である。
【0061】
そして、未だインクがインクカートリッジ10に充分収容されており、インク液面が上面以下ではないならば(ステップ601がN)、最上部の液面記録用ヒューズ14−1が導通しているか否かを判別する(ステップ604)。そして導通していれば(604がY)、正常であると判断してステップ601に戻って、ステップ601、604、601を繰り返す。
【0062】
インクが消費されてインク液面が逐次低下し、やがて上面以下となったことをステップ601で判別すると(601がY)、このインク液面に対応する最上部の液面記録用ヒューズ14−1が導通していることを確認して(ステップ602、及び判別がY)、その液面記録用ヒューズ14−1が上述のようにインクと非接触になるため電流による発熱が放熱されず自己溶断され(ステップ603)、ステップ601に戻る。尚、液面記録用ヒューズ14−1が自己溶断するフローは便宜的に図7のステップ603の位置に記載してあるが、液面記録用ヒューズ14−1はインク液面の低下に伴い自己溶断するので、図7のフローチャートのどの位置でも起こることであり、図7のステップ603の位置に限定されるものではない。また、後述するステップ608の液面記録用ヒューズ14−2の自己溶断、ステップ613の液面記録用フューズ14−3の自己溶断も同様に図7のフローチャートのどの位置でも起こることであり、各々図7の位置に限定されるものではない。
【0063】
この後は、ステップ601の判別でインク液面は必ず上面以下となっているはずであるが、もし、インクが補充されていると、インク液面は上面を超えておりステップ601の判別が否(N)となってステップ604に移行する。ところが、この場合は液面記録用ヒューズ14−1は既に溶断されているから、ステップ604の判別は否(N)である。したがって、この場合はエラー処理を行って(ステップ605)、印字処理の続行を禁止する。これにより、インク残量が上面以下となったときにインクを上面よりも上に補充すると、印字が禁止される。
【0064】
また、この段階でインクが補充されていないときは、ステップ601の判別は可(Y)であり、且つステップ602の判別は否(N)であるから、この場合は、次に、インク液面が中面以下となっているか否かを判別する(ステップ606)。この処理は、インク液面が発光部L2 と受光部D2 からなる中間位置のフォトセンサの位置よりも低くなっているか否かを判別する処理である。
【0065】
そして、インク液面が中面以下ではないならば(ステップ606がN)、続いて中間部の液面記録用ヒューズ14−2が導通しているか否かを判別する(ステップ609)。そして導通していれば(609がY)、正常であると判断してステップ601に戻って、ステップ601、602、606、609、601を繰り返す。
【0066】
インクが消費されてインク液面が逐次低下し、やがて中面以下となったことをステップ606で判別すると(606がY)、このインク液面に対応する中間位置にある液面記録用ヒューズ14−2が導通していることを確認して(ステップ607、及び判別がY)、その液面記録用ヒューズ14−2が自己溶断され(ステップ608)、ステップ601に戻る。
【0067】
次に、ステップ601、602、606と進んだとき、インク液面は必ず中面以下となっていてステップ606の判別は可(Y)となるはずであるが、もし、インクが補充されていてインク液面が中面を超えていると、ステップ606の判別は否(N)であり、この場合はステップ609に移行する。そして、液面記録用ヒューズ14−2が既に溶断されているためステップ609の判別は否(N)であり、したがって、この場合もエラー処理を行って(ステップ610)、印字処理の続行を禁止する。これにより、インク残量が中面以下となったときにインクを中面よりも上に補充すると、印字が禁止される。
【0068】
また、この段階でインクが補充されていないときは、ステップ606の判別は可(Y)であり、且つステップ607の判別は否(N)であるから、この場合は、次に、インク液面が下面以下となっているか否かを判別する(ステップ611)。この処理は、インク液面が発光部L3 と受光部D3 からなる最下部のフォトセンサの位置よりも低くなっているか否かを判別する処理である。
【0069】
そして、インク液面が下面以下ではないならば(ステップ611がN)、続いて最下部の液面記録用ヒューズ14−3が導通しているか否かを判別し(ステップ614)。そして導通していれば(614がY)、正常であると判断してステップ601に戻り、ステップ601、602、606、607、611、614、601を繰り返す。
【0070】
やがてインクが消費され、インク液面が逐次低下して下面以下となったことをステップ611で判別すると(611がY)、このインク液面に対応する最下部にある液面記録用ヒューズ14−3が導通していることを確認して(ステップ612、及び判別がY)、その液面記録用ヒューズ14−3が自己溶断され(ステップ613)、ステップ601に戻る。
【0071】
次に、ステップ601、602、606、607、611と進んだとき、インク液面は必ず下面以下となっていてステップ611の判別は否(N)である。しかし、インクが補充されているとインク液面が下面を超えている。したがって、この場合はステップ611の判別は否(N)であり、ステップ614に移行する。ところが、この場合も液面記録用ヒューズ14−3が既に溶断されているためステップ614の判別は否(N)であり、したがって、この場合もエラー処理を行って(ステップ615)、印字処理の続行を禁止する。これにより、インク残量が下面以下となったときにインクを下面よりも上に補充すると、印字が禁止される。
【0072】
また、この段階でインクが補充されていないときは、ステップ601、602、606、607、611、612、601を繰り返して、インクが消費され、インクカートリッジ10が空になったとき、不図示のエンプティーセンサによりインク切れを検出して印字を禁止する。
【0073】
このように、インクカートリッジ10にインクが補充されていないときは、正常に印字を続行するが、インクカートリッジ10のインク液面が上面、中面、又は下面のいずれかの液面よりも下に減少したときに、上面、中面、又は下面を超えてインクを補充すると、印字が禁止される。つまり、溶断している液面記録用ヒューズ14の配設位置以上にインクを補充すれば、この検知が可能であり、例えばインク液面が下面以下の状態から上面以上に補充したときには、ステップ601、604の処理手順で検知して、エラー処理が行われ、印字が禁止される。
【0074】
次に図7の他の動作について説明する。図5において液面記録用ヒューズ14を取り付ける位置をインクに接触しない任意の位置(例えばインクカートリッジの底面でインクに非接触で且つユーザーが触れることのできない位置)とし、制御装置20がインク液面が所定の位置よりも低下したか否かを判別してから液面記録用ヒューズ14に通電して溶断するようにしても良い。この場合はステップ603、608、613は図7のフローチャートの位置に必要であり、ステップ603、607あるいは612で液面記録用ヒューズ14が導通していることが検知されたときは液面記録用ヒューズ14に強制通電して溶断するようにすれば良い。
【0075】
このように構成することにより、液面記録用ヒューズ14の取り付け位置は任意の位置が可能となり、インクカートリッジ10の設計自由度が向上する。このように構成しても上述の液面記録用ヒューズ14を自己溶断する実施例と同様に、溶断している液面記録用ヒューズ14の配設位置以上にインクを補充すれば、エラー検知ができ、印字動作を禁止することができる。
【0076】
尚、液面記録用ヒューズの数を本例では3個としているが、これに限定されるものではない。また、液面記録レベルを均等に割り当てた場合、各液面記録レベル間のインク容量は(インクカートリッジの最大インク容量)/{(液面記録用ヒューズの初期本数)+1}となり、これがインクの再充填可能な最大量である。しかし、これは、いずれか1つの液面記録用ヒューズの溶断後、次の液面記録用ヒューズの溶断直前に、直ぐ上の溶断されている液面記録ヒューズの下まで再充填した場合である。
【0077】
そして、このように丁度良く再充填を行うことは困難であるから、実際に再充填可能なインク量は上記の最大量よりも遥かに少なくなる。更に液面記録用ヒューズの初期本数を適度に多くすれば、インク再充填の手間に見合うだけのインク量を再充填できないので、インク切れ前のインクの再充填が事実上不可能になる。
【0078】
また、インク量を検出するセンサを透過光を検出するフォトセンサで説明したが、これに限るものではなく、インク量検出センサは、圧力センサによりインクカートリッジの重量を測定してインク量を検出する方式や、光源と光センサによりインク中での光の減衰量からインクの厚み(高さ)を測定してインク量を検出する方式など、適宜の方式を使用することが可能である。
【0079】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、インクの消費に伴って液面記録用ヒューズを溶断してインクが消費されたインクカートリッジであることを明確にしてインクを再充填しても使用不可とするので、結果としてインクカートリッジヘのインクの再充填を防止することができ、これにより、インク特性の劣化や変質による印字画像の発色不良、印字ヘッドの腐食、インク吐出ノズルの目詰り、インク漏出によるプリンタ内部の汚染等の不具合の発生を防止することができてプリンタ装置本体の信頼性を維持することができる。
【0080】
また、インク切れ後も種別判別用回路が切れないようにインクカートリッジを改造すると警告報知するので、結果としてインクカートリッジの改造を抑止することができ、これにより、インクカートリッジヘのインクの再充填を防止して正規のインクカートリッジ使用によるプリンタ装置本体の信頼性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるインクカートリッジを下から見た状態を模式的に示す斜視図である。
【図2】 (a) は第1の実施の形態におけるインクカートリッジの種別コード読み出し用電極と種別コード読み出し用共通電極間に配設される種別判別用ヒューズの配置例を模式的に示す図、(b) はその種別判別用ヒューズが溶断した状態を模式的に示す図である。
【図3】第1の実施の形態における種別判別用ヒューズの配設の組合わせ及び溶断の有無によりインクカートリッジの種別とインク切れを判別するプリンタ装置本体の制御部の回路構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるインクカートリッジの種別を判別し且つインク切れとなったか否かを判別する処理動作を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態におけるインクカートリッジを下から見た状態を模式的に示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態におけるインクカートリッジのインク残量の状態を検出する制御装置の回路構成を模式的に示す図である。
【図7】第2の実施の形態におけるインクカートリッジのインク切れを確実に判別する処理動作を示す補充チェックのサブルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
1 インクカートリッジ
2 インク供給孔
3−1、3−2、3−3 種別読出用電極
4 種別用共通電極
5 導体
6 種別判別用ヒューズ
F 種別判別用ヒューズ
7 制御部
7−1 検知回路
8 CPU
Q トランジスタ
IN 入力ポート
ON 出力ポート
Vc 基準電圧
10 インクカートリッジ
11 インク供給孔
12−1、12−2、12−3 種別読出用電極
13 種別用共通電極
14(14−1、14−2、14−3) 液面記録用ヒューズ
15(15−1、15−2、15−3) 液面読出用電極
16 液面用共通電極
17 液面検知用突出部
L1 、L2 、L3 フォトセンサ発光部
D1 、D2 、D3 フォトセンサ受光部
20 制御装置

Claims (5)

  1. インクを収容し、プリンタ装置本体に着脱自在に構成されるインクカートリッジであって、
    前記インクの消費に伴い前記インクの量が所定量以下になったとき前記プリンタ装置本体からの信号により溶断される少なくとも1個のヒューズと、
    インクカートリッジの種別を表し、前記インクが無くなったときに溶断される複数の種別判別用ヒューズと、
    を備えることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. インクを収容し、プリンタ装置本体に着脱自在に構成されるインクカートリッジであって、
    前記インクの消費に伴い前記プリンタ装置本体からの信号により順次溶断される複数のヒューズを備えることを特徴とする請求項1記載のインクカートリッジ。
  3. インクを収容し、プリンタ装置本体に着脱自在に構成されるインクカートリッジであって、
    前記インクを収容した内部に少なくとも1個のヒューズと、インクカートリッジの種別を表し、前記インクが無くなったときに溶断される複数の種別判別用ヒューズと、を備え、
    前記ヒューズは、所定量以上のインク残量であるときのみ該インクに接することが出来る位置に設けられ、該インクに接しているときには該インクを介して放熱することにより前記プリンタ装置本体からの信号によっても溶断せず、前記インクの残量低下により該インクとの接触を断たれたとき放熱不足となることにより前記プリンタ装置本体からの信号によって溶断することを特徴とするインクカートリッジ。
  4. 請求項1、2又は3記載のインクカートリッジを着脱自在に装着し、該インクカートリッジのインクを用いて吐出により用紙上に印字を行うインクジェットプリンタであって、
    前記インクカートリッジのインク残量を検知するインク残量検知手段と、
    前記インクの残量が所定値以下であるとき前記インクカートリッジの前記所定値以下のインク残量に対応する前記ヒューズを溶断させる溶断手段と、
    該溶断手段により前記ヒューズが溶断された後に前記インクの残量が前記所定値以上であることが検知されたとき印字動作を禁止する印字禁止手段と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. インクの消費に伴い前記インクの量が所定量以下になったときに溶断される少なくとも1個のヒューズと、インクカートリッジの種別を表し、前記インクが無くなったときに溶断される複数の種別判別用ヒューズとを備えるインクカートリッジを用いて用紙上に印字を行うインクジェットプリンターであって、
    前記インクカートリッジのインク残量を検知するインク残量検知手段と、
    前記インクの残量が所定値以下であるとき前記インクカートリッジの前記所定値以下のインク残量に対応する前記ヒューズを溶断させる溶断手段と、
    該溶断手段により前記ヒューズが溶断された後に前記インクの残量が前記所定値以上であることが検知されたとき印字動作を禁止する印字禁止手段と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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