JP3662242B2 - ウッドプラスティックの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂を用いたウッドプラスティックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木粉と、熱可塑性樹脂とを、同熱可塑性樹脂を加熱溶融させながら混合して成形することにより、ウッドプラスティックを製造している。また、特許文献1に開示されたように、木質系廃棄物とポリオレフィンとマレイン酸等を混合し、加熱しながら機械的粉砕を行い、冷却しながら造粒して成形用木質系組成物を形成する技術も知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−225011号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ユリア樹脂(尿素)を用いて加工したパーティクルボードの廃材を粉砕し、粉砕した廃材と熱可塑性樹脂とからウッドプラスティックを製造しようとすると、熱可塑性樹脂を加熱溶融させて混合するときや、その後の押出成形をするときに、ユリア樹脂からアンモニアガスが生成することがある。すると、混合された原料に加えられる圧力が低下する押出成形時にウッドプラスティックが生成ガスにより膨れ、形状が不安定になり、製品としての価値が低くなってしまうという問題があった。
なお、加工木材の廃材からユリア樹脂を用いたパーティクルボード廃材を選別して取り除くことも考えられるが、選別作業に時間がかかりすぎるため、実用的ではない。また、ユリア樹脂を用いたパーティクルボード廃材が混入しないように管理することも考えられるが、管理が煩雑となり、これも実用的ではない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、煩雑な原料選別作業や原料管理を行う必要がなく、ウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止して、成形後の形状を安定させることが可能なウッドプラスティックの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体と、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂と、を用いたウッドプラスティックの製造方法であって、上記加工木材の粉状体と、上記溶融混合用樹脂と、アンモニアガスを吸着可能なアンモニアガス吸着材料とを、同溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合し、押出成形して上記ウッドプラスティックを製造する構成としてある。
すなわち、溶融混合用樹脂は加熱溶融され、加工木材の粉状体およびアンモニアガス吸着材料と混合される。混合された原料は、押出成形され、ウッドプラスティックとされる。その際、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体を使用するため、加工木材の選別作業を行う必要がないし、加工木材の原料管理を行う必要がない。
加工木材はアミノ樹脂が用いられているため、加熱溶融した溶融混合用樹脂との混合時にアンモニアガスが生成することがある。ここで、混合される原料に含まれるアンモニアガス吸着材料は、生成したアンモニアガスを吸着する。従って、混合された原料に加えられる圧力が低下する押出成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。これにより、ウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止して、成形後の形状を安定させることが可能となる。
【0007】
本発明を適用可能なアミノ樹脂は、熱可塑性樹脂の加熱溶融時にアンモニアガスを生成する樹脂であれば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、等、様々な樹脂が考えられる。
上記加工木材は、アミノ樹脂を用いて加工された木材であればよく、ユリア樹脂を用いて加工されたパーティクルボード廃材や合板等、様々なものが考えられる。また、加工木材は、粉状体とされていればよく、粒状、繊維状であっても本発明にいう粉状体に含まれる。なお、加工木材の粒度を調整することによって、ウッドプラスティックの強度を調整することができる。
上記上記溶融混合用樹脂は、加熱溶融可能であればよく、様々な樹脂が考えられる。例えば、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂とすると、容易に溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合(以下、加熱溶融混合とも記載)することができる。むろん、熱硬化性樹脂であっても、原料を加熱溶融混合することが可能である。また、溶融混合用樹脂は、単一の素材であってもよいし、複数の素材であってもよい。
上記加工木材を粉砕して粉状体にする工程が設けられていてもよい。すると、粉状体でない加工木材を使用してウッドプラスティックを製造することができ、利便性が向上する。
製造されるウッドプラスティックは、略板状、ペレット状、等、様々な形状が考えられる。
【0008】
上記アンモニアガス吸着材料は、多孔質無機材料である構成としてもよい。すなわち、生成するアンモニアガスは、多孔質無機材料の多数の孔から吸着される。多孔質無機材料は、表面積が大きいため、多孔質でない無機物質よりも比較的多量のアンモニアガスを吸着することができる。これにより、混合するアンモニアガス吸着材料を少量とすることができ、混合された原料から効率よくアンモニアガスを吸着してウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止することができる。
【0009】
上記多孔質無機材料は、ゼオライトである構成としてもよい。このゼオライトは、アンモニアガス等の気体を選択的に吸着して固定する作用を有する。従って、このゼオライトは、混合物中に発生したアンモニアガスを孔内部に取り込んで固定する。これにより、混合する多孔質無機材料をさらに少量とすることができ、さらに効率よくアンモニアガスを吸着してウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止することができる。
【0010】
ところで、請求項4にかかる発明のように、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体と、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂と、を用いたウッドプラスティックの製造方法であって、上記加工木材の粉状体と、上記溶融混合用樹脂と、アンモニアガスと反応してアンモニウム塩を生成可能なアンモニウム塩生成材料とを、同溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合し、押出成形して上記ウッドプラスティックを製造する構成としてもよい。
すなわち、溶融混合用樹脂は加熱溶融され、加工木材の粉状体およびアンモニア塩生成材料と混合される。混合された原料は、押出成形され、ウッドプラスティックとされる。その際、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体を使用するため、加工木材の選別作業を行う必要がないし、加工木材の原料管理を行う必要がない。
ここで、混合される原料に含まれるアンモニア塩生成材料は、生成するアンモニアガスと反応してアンモニウム塩を生成する。従って、混合された原料に加えられる圧力が低下する押出成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。これにより、ウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止して、成形後の形状を安定させることが可能となる。
【0011】
上記アンモニウム塩生成材料は、弱塩基の硫酸塩である構成としてもよい。硫酸は強酸であるため、弱塩基の硫酸塩は酸性であり、生成するアンモニアガスは同弱塩基の硫酸塩を反応してアンモニウム塩を生成する。従って、比較的多量のアンモニアガスと反応してアンモニウム塩を生成することができる。これにより、混合するアンモニア塩生成材料を少量とすることができ、混合された原料から効率よくアンモニアガスを減少させてウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止することができる。
【0012】
上記上記硫酸塩には、少なくとも明礬が含まれる構成としてもよい。また、上記硫酸塩には、少なくとも硫酸バンドが含まれる構成としてもよい。明礬や硫酸バンドは、アンモニアガスと反応してアンモニア塩を生成する作用を有する。従って、アンモニアガスは、アンモニア塩とされ、減少する。これにより、混合する硫酸塩を確実に少量とすることができ、確実に効率よくアンモニアガスをアンモニウム塩に変化させてウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止することができる。
【0013】
ところで、請求項8にかかる発明のように、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体と、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂とを、同溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合し、押し出し、成形してウッドプラスティックを製造するウッドプラスティックの製造方法であって、上記混合と押し出しの少なくとも一方を、脱気しつつ行う構成としてもよい。
すなわち、溶融混合用樹脂は加熱溶融され、加工木材の粉状体と混合される。混合された原料は、押し出され、成形されて、ウッドプラスティックとされる。その際、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体を使用するため、加工木材の選別作業を行う必要がないし、加工木材の原料管理を行う必要がない。
ここで、混合と押し出しの少なくとも一方脱気されるので、生成するアンモニアガスは吸引されて除去される。従って、混合された原料に加えられる圧力が低下する成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。これにより、ウッドプラスティックの成形時や成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止して、成形後の形状を安定させることが可能となる。
【0014】
上記脱気しつつ行う上記混合と押し出しの少なくとも一方を、所定の回数繰り返し行う構成としてもよい。混合や押し出しを所定の回数繰り返し行うことにより、アンモニアガスの発生量を増加させ、混合物中のアンモニアガスの発生原因物質を減少させる。これにより、より確実に混合された原料から効率よくアンモニアガスを減少させてウッドプラスティックの成形時や成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止することができる。
【0015】
上記構成のいずれについても、請求項10にかかる発明のように、上記溶融混合用樹脂に親水基を付与する所定の酸を添加して混合し、押出成形して上記ウッドプラスティックを製造する構成としてもよい。すなわち、添加された所定の酸は、溶融混合用樹脂に親水基を付与する。すると、溶融混合用樹脂と加工木材の粉状体とがなじみ易くなるので、さらにウッドプラスティックの強度を向上させることができる。
また、上記溶融混合用樹脂には、所定の酸により変性された樹脂が含まれる構成としてもよい。すなわち、所定の酸により変性された樹脂と加工木材の粉状体とがなじみ易くなるので、さらにウッドプラスティックの強度を向上させることができる。
ここで、所定の酸は樹脂に親水基を付与する酸であればよく、例えばマレイン酸等、種々の酸を使用可能である。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、請求項4、請求項8にかかる発明によれば、煩雑な原料選別作業や原料管理を行う必要がなく、ウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止して、成形後の形状を安定させることが可能なウッドプラスティックの製造方法を提供することができる。
請求項2、請求項5、請求項9にかかる発明によれば、生成するアンモニアガスを効率よく減少させて生成ガスによる膨れを防止することができ、成形後の形状を安定させることができる。
請求項3にかかる発明によれば、さらに効率よくアンモニアガスを減少させて生成ガスによる膨れを防止することができ、成形後の形状を安定させることができる。
請求項6、請求項7にかかる発明によれば、確実に効率よくアンモニアガスを減少させて生成ガスによる膨れを防止することができ、成形後の形状を安定させることができる。
請求項10にかかる発明によれば、押出成形されて製造されるウッドプラスティックの強度を向上させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)第一の実施形態:
(2)第二の実施形態:
(3)第三の実施形態:
【0018】
(1)第一の実施形態:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるウッドプラスティックG1の製造方法を工程別に示す概略的な流れ図である。
【0019】
ウッドプラスティックを製造する際、まず、加工木材の粉状体A、溶融混合用樹脂B、添加剤C、アンモニアガス吸着材料D1を、ウッドプラスティック製造装置40へ投入する(工程S10)。次に、原料A,B,C,D1を、溶融混合用樹脂Bを加熱溶融させながら混合して、溶融混合物E1に変化させる(工程S11)。そして、溶融混合物E1に圧力を加えながら押出成形し(工程S12)、装置40外に排出すると(工程S13)、ウッドプラスティックG1が製造される。
【0020】
加工木材の粉状体Aは、パーティクルボードの製造過程から排出される廃材を粉砕したものである。パーティクルボードとは、植物繊維質からなる微粒状の木粉にユリア樹脂やフェノール系樹脂や尿素メラミン共縮合樹脂等からなる合成樹脂系接着剤を含浸させて固めて板状に形成した加工木材をいう。本実施形態では、アミノ基を含む化合物とアルデヒドの縮合重合によりつくられるアミノ樹脂であるユリア樹脂、尿素メラミン共縮合樹脂、等の尿素系樹脂を用いたパーティクルボード廃材を粉砕して、加工木材の粉状体Aとしている。
【0021】
パーティクルボードは家庭や家具工場等あらゆる場面で常用されており、これらの場面で木材の切り屑が発生すればこのような切り屑を集めれば本発明における加工木材の粉状体として使用することができる。また、パーティクルボードを家具や建築用材等の原料にした後には多量の廃材が発生するので、このような廃材を粉砕すればよい。さらに、家具や建築用材が廃棄されたときには当該廃棄物を粉砕すればよい。このような構成によればウッドプラスティックのコストが非常に低くなり、また、ゴミを低減することに大きく寄与することができるし、廃棄物リサイクルを促進することもできる。
【0022】
粉状体Aの粒径は種々の径が採用可能であり、溶融混合用樹脂Bによって粉状体Aが結合できるような粒径であればよい。なお、粉状体Aがより微粉化されると、ウッドプラスティックG1の強度を向上させることができる。
なお、加工木材の粉状体Aとして、アミノ樹脂を用いた合板等を粉砕したものを使用してもよい。
【0023】
尿素系樹脂は、尿素等と、ホルムアルデヒドやホルムアルデヒド重合体等とを縮合重合させた合成樹脂系接着剤の一種で、強力な接着作用を有する。そして、常温で徐々に加水分解されてホルムアルデヒドを生成したり、加熱されてアンモニアガスを生成したりすることがある。
【0024】
溶融混合用樹脂Bとしては、加熱溶融可能な種々の樹脂を採用可能であり、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリメチルメタアクリレート,塩化ビニル,ナイロン,ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンテレフタレート、等の熱可塑性樹脂を使用可能である。むろん、フェノール樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等を用いることも可能である。また、これらの樹脂を複数組み合わせて使用してもよい。さらに、ウッドプラスティック製造装置40に投入する際には、固形の原反として投入してもよいし、溶融された状態にして投入してもよい。
本実施形態では、粒状の高分子体であるポリオレフィン樹脂20を用いている。むろん、ポリオレフィン樹脂には、加工木材の粉状体等に混合可能な形状であればどのような形状のものを用いてもよい。ポリオレフィン樹脂は、加熱されると溶融し、加工木材の粉状体に含まれる植物繊維どうしを結束する。従って、ポリオレフィン樹脂20は、加工木材の粉状体Aに混合させると、加工木材の粉状体Aどうしを結着させるバインダとしての役割を担っている。
【0025】
親水性の強い加工木材の粉状体Aと、疎水性の強い溶融混合用樹脂Bとは、相溶性が小さいため、混ざりにくい傾向がある。そこで、溶融混合用樹脂Bに親水性を付与するため、添加剤Cを所定の不飽和カルボン酸(所定の酸)としている。本実施形態では、不飽和カルボン酸Cとして、マレイン酸30を添加している。マレイン酸は、溶融混合用樹脂に添加されて加熱されると、同樹脂と付加重合する。すると、付加重合後の溶融混合用樹脂には、親水基の一つであるカルボキシル基が付加される。従って、溶融混合用樹脂は水酸基等と親和しやすくなり、加工木材の粉状体Aと溶融混合用樹脂Bとは混ざりやすくなる。むろん、溶融混合用樹脂を変性させる酸はマレイン酸に限られない。
なお、不飽和カルボン酸Cの代わりに、マレイン酸等の所定の酸を用いて溶融混合用樹脂を変性した酸変性樹脂を添加してもよい。むろん、溶融混合用樹脂を変性させる酸はマレイン酸に限られないし、溶融混合用樹脂Bとは異なる樹脂を変性した酸変性樹脂を使用してもよい。溶融混合用樹脂Bと酸変性樹脂の重量の合計に占める酸変性樹脂は、例えば1〜50重量%と様々な配合割合とすることができる。さらに、添加剤を別途添加せず、酸変性樹脂を溶融混合用樹脂Bとしてもよい。
【0026】
図2に示すように、溶融混合用樹脂Bを不飽和カルボン酸Cとともに加熱溶融させながら、加工木材の粉状体A、溶融混合用樹脂B、不飽和カルボン酸Cを混合し、押出成形してウッドプラスティックGを製造しようとすると、パーティクルボード廃材に含まれる尿素系樹脂からアンモニアガスが生成することがあった。すると、混合された原料に加えられる圧力が低下する押出成形時にウッドプラスティックGが生成ガスgにより膨れ、形状が不安定になり、製品としての価値が低くなってしまうという問題があった。図2では、発生したアンモニアガスによりウッドプラスティックGの表面に膨らみが生じた様子を模式的に示している。
なお、原料の混合や押出成形を長時間かけてゆっくり行うとアンモニアガスが発生しなくなるが、時間がかかりすぎるため、実用的ではない。また、加工木材の廃材から尿素系樹脂を用いたパーティクルボード廃材を選別して取り除いたり、尿素系樹脂を用いたパーティクルボード廃材が混入しないように管理することも考えられるが、選別作業に時間がかかりすぎたり、管理が煩雑となったりするため、実用的ではない。
そこで、原料として、アンモニアガスを吸着可能なアンモニアガス吸着材料D1を混合することにより、煩雑な原料選別作業や原料管理を行う必要なく、ウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止して、成形後の形状を安定させている。
【0027】
アンモニアガス吸着材料D1としては、生成するアンモニアガスを吸着可能な種々の材料を採用可能である。本実施形態では、微粒状のゼオライト(微粒状の多孔質無機材料)60を原料として混合している。
ゼオライト60は、二酸化珪素、酸化アルミニウム等から構成され、形状の安定した微細な孔を無数に有する多孔質構造を呈している。このゼオライト60は、孔内部に水蒸気やアンモニアガスなどの所定の気体を選択的に吸着して固定する作用を有している。すなわち、このゼオライト60を加熱溶融混合した溶融混合物E1から生成するアンモニアガスは、ゼオライト60に吸着固定される。
これにより、アンモニアガスは、ゼオライト60に吸着固定されるので、ゼオライト60内において溶融混合物E1の構成物質の一部となる。なお、このゼオライト60にカルシウム系のゼオライトを用いると、アンモニアガスの吸着能力がさらに高くなる。
【0028】
なお、微粒状のゼオライトは用途に応じて様々な粒径とすることができるが、より好適な条件を求めるためゼオライトの粒径を種々変えて試験を行ったところ、粒径を500μm以下にすると木質感の良好な非常に良質のウッドプラスティックを製造することができた。
むろん、アンモニアガス吸着材料として使用する微粒状の多孔質無機材料には、アンモニアガスを吸着固定することが可能な材料であれば、活性炭等を用いてもよい。
【0029】
図3は、ウッドプラスティック製造装置40とウッドプラスティックG1の製造方法を模式的に示している。
上記原料A,B,C,D1は、加熱混合機41に投入され、加熱されながら混合される。加熱混合機41は、下方に向かって径が徐々に狭まる略筒形状にされており、図示しないヒータや撹拌機やスクリュー等を備えている。そして、投入された原料をヒータにより加熱し、撹拌機により原料をかき混ぜながら混合し、スクリューにより混合された原料を下方に押し出す。この加熱混合機41では、原料A,B,C,D1の混合物を200℃前後に加熱して、互いに練り合わさせて溶融混合物E1を生成する。
ここで、ヒータは溶融混合用樹脂Bとを溶融させる温度に上昇させることができればよく、溶融混合用樹脂Bの種類に応じてヒータの加熱能力を決定すればよい。原料の温度が溶融混合用樹脂の融点よりも高く、加工木材の粉状体が炭化せず、アンモニアガス吸着材料の融点より低くなるようにヒータの加熱を設定すると、加工木材の粉状体については炭化されず、アンモニアガス吸着材料については溶融されずに原料を加熱溶融混合することができる。
また、撹拌機やスクリューの能力は、原料の粘度等の性質に応じて決定すればよい。
【0030】
原料の配合比については、加工木材の粉状体A、溶融混合用樹脂B、不飽和カルボン酸Cの合計を90〜70重量%とし、アンモニアガス吸着材料D1を10〜30重量%とするのが好ましい。不飽和カルボン酸等の添加剤を使用しないときには、加工木材の粉状体Aと溶融混合用樹脂Bの合計を90〜70重量%とし、アンモニアガス吸着材料D1を10〜30重量%とするのが好ましい。アンモニアガス吸着材料D1が10%以上であると、押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生せず、製造されるウッドプラスティックG1の形状を安定させることができる。また、アンモニアガス吸着材料D1が30重量%以下であると、製造されるウッドプラスティックG1の木質感を良好にさせることができる。
【0031】
加工木材の粉状体A、溶融混合用樹脂B、不飽和カルボン酸Cの配合割合は、ウッドプラスティックの用途に応じて適宜決定可能である。一般に、加工木材の粉状体Aが多いと温度変化による変形は少なく、より軽量化され、木質感が向上する。一方、溶融混合用樹脂Bが多いと、加熱軟化した素材の流動性は大きく、製造されたウッドプラスティックは強度を意味する機械的性能が大きくなり、耐水性が向上する。なお、木質系成形体に靱性を与え、ビス等の加工を可能にするための好ましい加工木材の粉状体Aの配合割合は全原料A,B,C,D1に対して50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
【0032】
全原料を加熱溶融混合させるための溶融混合用樹脂Bの好ましい配合割合は全原料A,B,C,D1に対して5重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。溶融混合用樹脂Bを加工木材の粉状体Aと十分に親和させるための好ましい不飽和カルボン酸Cの配合割合は全原料A,B,C,D1に対して0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。なお、溶融混合用樹脂Bを100質量部とするとき、不飽和カルボン酸Cの好ましい配合比は5〜50質量部、より好ましくは10〜25質量部である。不飽和カルボン酸Cの代わりに酸変性樹脂を使用する場合、溶融混合用樹脂Bを加工木材の粉状体Aと十分に親和させるための好ましい酸変性樹脂の配合割合は全原料に対して0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。溶融混合用樹脂Bを100質量部とするとき、酸変性樹脂の好ましい配合比は5〜50質量部、より好ましくは10〜25質量部である。
各原料A〜Cの重量割合は、ウッドプラスティックに要求される性質に応じて適宜好ましい比率を選択可能である。
【0033】
加熱混合機41に投入された溶融混合用樹脂Bは加熱されて溶融し、加工木材の粉状体A、不飽和カルボン酸C、アンモニアガス吸着材料D1と混合される。加工木材は親水性であるが、溶融混合用樹脂Bは不飽和カルボン酸Cにより親水性のカルボキシル基が付与されるので、容易に親水性の加工木材の粉状体Aに滲み込む。すなわち、不飽和カルボン酸は、溶融混合用樹脂と親水性の加工木材の粉状体との橋渡しをさせる役目を果たすことになる。従って、溶融混合用樹脂が例えばポリオレフィン樹脂のように疎水性樹脂であっても、所定の酸により親水基を付与された樹脂が併用されることにより、溶融混合用樹脂を親水性の加工木材の粉状体に強固に付着させることが可能となる。
【0034】
また、加工木材の粉状体は水酸基等が存在するため、酸変性樹脂に含まれるカルボキシル基等の親水基によって同樹脂となじみが良くなる。
加熱混合機41により混合された原料は、流動体とされているため、下方に押し出され、押出機42に流れ込む。本押出機42は、図示しないスクリューを備えており、混合された原料を板状に成形して押し出す。図では、混合された原料が右方向に連続して押し出されることになる。むろん、ペレット状に成形して押し出してもよい。そして、押出機42の材料出口に取り付けられた切断機43により、固化前の混合原料を切断する。このようにして、溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合された原料を、所定の形状に成形することができる。
そして、切断された混合原料を冷却させると、同混合原料は固化し、ウッドプラスティックG1となる。ここで、成形された混合原料を固化させるには、同混合原料をベルトコンベア上にて自然に冷却するようにしてもよいし、製造効率を向上させるため、空冷や水冷等、強制的に冷却するようにしてもよい。
【0035】
以上説明したように、ポリオレフィン樹脂20(溶融混合用樹脂)はマレイン酸30(不飽和カルボン酸)とともに加熱溶融され、加工木材の粉状体A、ゼオライト60(アンモニアガス吸着材料)と混合される。加工木材は尿素系樹脂が用いられているため、加熱溶融したポリオレフィン樹脂20との混合時にアンモニアガスが生成することがある。生成したアンモニアガスは、混合された原料に含まれるゼオライト60に吸着され、固定される。すると、混合された原料に加えられる圧力が低下する押出成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。従って、煩雑な原料選別作業や原料管理を行わなくても、成形されたウッドプラスティックの形状を安定させることが可能となる。
【0036】
また、添加されるゼオライトは、表面積が大きいため、多孔質でない無機物質よりも比較的多量のアンモニアガスを吸着することができる。これにより、混合するアンモニアガス吸着材料を少量とすることができ、混合された原料から効率よくアンモニアガスを吸着してウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れを防止することができる。
【0037】
表1は、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体としてパーティクルボード廃材を粉砕した粉状体を用い、溶融混合用樹脂として粒状のポリプロピレンを用い、添加剤として粉末状のマレイン酸を用い、アンモニアガス吸着材料として微粒状のゼオライトを用いてウッドプラスティックを製造し、評価した実施例1を示している。なお、ウッドプラスティック製造装置としてシンシナティーエクストリュージョン製コニカル二軸押出機を用い、スクリュー径45mm、回転速度5rpm、混合された原料の温度を約200℃とした。
【表1】
Figure 0003662242
すなわち、ポリプロピレンを18重量%に固定し、マレイン酸を2重量%に固定し、加工木材の粉状体の量を80,70,60,50,40重量%と段階的に減らすとともにゼオライトの量を0,10,20,30,40重量%と段階的に増やした5試験区で、製造されたウッドプラスティックに対して生成ガスによる膨れの有無と、ウッドプラスティックの木質感を相対的に比較している。木質感の欄に記した二重丸◎は木質感が非常に良好であったことを意味し、一重丸○は二重丸◎程ではないが木質感が良好であったことを意味し、三角△は木質感が不十分であったことを意味している。なお、生成ガスによる膨れの有無や木質感は、目視により評価した。
【0038】
この場合、ゼオライトが10%以上であると、押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生せず、ウッドプラスティックの形状を安定させることができた。また、ゼオライトが30重量%以下であると、ウッドプラスティックの木質感が良好であった。従って、加工木材の粉状体、ポリプロピレン、マレイン酸の合計を90〜70重量%とし、ゼオライトを10〜30重量%とした試験区2,3,4で、製品として良好なウッドプラスティックを製造することができた。
【0039】
(2)第二の実施形態:
図4は、本発明の第二の実施形態にかかるウッドプラスティックG2の製造方法を工程別に示す概略的な流れ図である。なお、第一の実施形態と構成が同じものについては、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態では、第一の実施形態で使用したアンモニアガス吸着材料D1の代わりに、アンモニウム塩生成材料D2を使用している。
【0040】
アンモニウム塩生成材料D2としては、生成するアンモニアガスと反応してアンモニウム塩を生成可能な種々の材料を採用可能である。本実施形態では、微粒状の明礬(弱塩基の硫酸塩)70を原料として混合している。
明礬(硫酸アルミニウムカリウム、AlK(SO4)2・12H2O)70は、アンモニアガスと接すると反応してアンモニウム塩(硫酸アンモニウム、(NH4)2SO4)を生成する。すなわち、明礬を原料として混合すると、生成するアンモニアガスと反応してアンモニアガスを減少させる。従って、アンモニアガスは、アンモニウム塩に変化させられ、溶融混合物E2の構成物質の一部となる。
【0041】
なお、本発明を適用可能なアンモニウム塩生成材料は、明礬以外にも様々なものがある。
例えば、アンモニウム塩生成材料D2として、微粒状の硫酸バンド(硫酸カリウム、K2(SO4))を用いてもよい。硫酸バンドも弱塩基の硫酸塩であるため、この場合であっても、図4で示した流れによりウッドプラスティックG2を製造することができる。
アンモニウム塩生成材料D2として明礬、硫酸カリウムを用いることにより、原料中で生成したアンモニアガスが減少し、混合される原料に加えられる圧力が低下する押出成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。従って、ウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れは生じず、成形後の形状を安定させることが可能となる。むろん、アンモニウム塩生成材料に少なくとも明礬が含まれていれば同様の効果が得られ、アンモニウム塩生成材料に少なくとも硫酸バンドが含まれていれば同様の効果が得られる。また、アンモニウム塩生成材料D2を明礬と硫酸バンドの組み合わせで構成しても、同様の効果が得られる。
【0042】
原料の配合比については、加工木材の粉状体A、溶融混合用樹脂B、不飽和カルボン酸Cの合計を90〜70重量%とし、アンモニウム塩生成材料D2を10〜30重量%とするのが好ましい。不飽和カルボン酸等の添加剤を使用しないときには、加工木材の粉状体Aと溶融混合用樹脂Bの合計を90〜70重量%とし、アンモニウム塩生成材料D2を10〜30重量%とするのが好ましい。アンモニウム塩生成材料D2が10%以上であると、押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生せず、製造されるウッドプラスティックG2の形状を安定させることができる。また、アンモニウム塩生成材料D2が30重量%以下であると、製造されるウッドプラスティックG2の木質感を良好にさせることができる。
【0043】
加工木材の粉状体A、溶融混合用樹脂B、不飽和カルボン酸Cの配合割合は、ウッドプラスティックの用途に応じて適宜決定可能である。木質系成形体に靱性を与え、ビス等の加工を可能にするための好ましい加工木材の粉状体Aの配合割合は全原料A,B,C,D2に対して50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
全原料を加熱溶融混合させるための溶融混合用樹脂Bの好ましい配合割合は全原料A,B,C,D2に対して5重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。溶融混合用樹脂Bを加工木材の粉状体Aと十分に親和させるための好ましい不飽和カルボン酸Cの配合割合は全原料A,B,C,D2に対して0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。なお、溶融混合用樹脂Bを100質量部とするとき、不飽和カルボン酸Cの好ましい配合比は5〜50質量部、より好ましくは10〜25質量部である。不飽和カルボン酸Cの代わりに酸変性樹脂を使用する場合、溶融混合用樹脂Bを加工木材の粉状体Aと十分に親和させるための好ましい酸変性樹脂の配合割合は全原料に対して0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。溶融混合用樹脂Bを100質量部とするとき、酸変性樹脂の好ましい配合比は5〜50質量部、より好ましくは10〜25質量部である。
各原料A〜Cの重量割合は、ウッドプラスティックに要求される性質に応じて適宜好ましい比率を選択可能である。
【0044】
以上説明したように、ポリオレフィン樹脂20(溶融混合用樹脂)はマレイン酸30(不飽和カルボン酸)とともに加熱溶融され、加工木材の粉状体A、明礬70(アンモニウム塩生成材料)と混合される。生成するアンモニアガスは、混合された原料に含まれる明礬70と反応してアンモニウム塩を生成する。すると、アンモニアガスが減少するので、混合された原料に加えられる圧力が低下する押出成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。従って、煩雑な原料選別作業や原料管理を行わなくても、成形されたウッドプラスティックの形状を安定させることが可能となる。
【0045】
また、明礬は弱塩基の硫酸塩であるため、酸性であり、生成するアンモニアガスと反応してアンモニウム塩を生成する。すなわち、比較的多量のアンモニアガスと反応してアンモニウム塩を生成する。これにより、混合するアンモニア塩生成材料を少量とすることができ、混合された原料から確実に効率よくアンモニアガスを減少させてウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止することができる。明礬の代わりに硫酸バンドも用いた場合も同様である。
【0046】
表2は、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体としてパーティクルボード廃材を粉砕した粉状体を用い、溶融混合用樹脂として粒状のポリプロピレンを用い、添加剤として粉末状のマレイン酸を用い、アンモニウム塩生成材料として微粒状の明礬を用いてウッドプラスティックを製造し、評価した実施例2を示している。なお、試験条件は第一の実施形態と同じにした。
【表2】
Figure 0003662242
すなわち、ポリプロピレンを18重量%に固定し、マレイン酸を2重量%に固定し、加工木材の粉状体の量を80,70,60,50,40重量%と段階的に減らすとともに明礬の量を0,10,20,30,40重量%と段階的に増やした5試験区で、製造されたウッドプラスティックに対して生成ガスによる膨れの有無と、ウッドプラスティックの木質感を相対的に比較している。
【0047】
この場合、明礬が10%以上であると、押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生せず、ウッドプラスティックの形状を安定させることができた。また、明礬が30重量%以下であると、ウッドプラスティックの木質感が良好であった。従って、加工木材の粉状体、ポリプロピレン、マレイン酸の合計を90〜70重量%とし、明礬を10〜30重量%とした試験区2,3,4で、製品として良好なウッドプラスティックを製造することができた。
【0048】
表3は、アンモニウム塩生成材料として明礬の代わりに微粒状の硫酸バンドを用いてウッドプラスティックを製造し、評価した実施例3を示している。なお、試験条件は第一の実施形態と同じにした。
【表3】
Figure 0003662242
すなわち、ポリプロピレンを18重量%に固定し、マレイン酸を2重量%に固定し、加工木材の粉状体の量を80,70,60,50,40重量%と段階的に減らすとともに硫酸バンドの量を0,10,20,30,40重量%と段階的に増やした5試験区で、製造されたウッドプラスティックに対して生成ガスによる膨れの有無と、ウッドプラスティックの木質感を相対的に比較している。
【0049】
この場合、硫酸バンドが10%以上であると、押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生せず、ウッドプラスティックの形状を安定させることができた。また、硫酸バンドが30重量%以下であると、ウッドプラスティックの木質感が良好であった。従って、加工木材の粉状体、ポリプロピレン、マレイン酸の合計を90〜70重量%とし、硫酸バンドを10〜30重量%とした試験区2,3,4で、製品として良好なウッドプラスティックを製造することができた。
【0050】
(3)第三の実施形態:
次に、ウッドプラスティック製造装置に関する第三の実施形態について説明する。本実施形態では、図2で示した手順で、アンモニアガス吸着材料やアンモニウム塩生成材料を使用せずにウッドプラスティックを製造する。
本実施形態のウッドプラスティック製造装置も、概略、図3で示した加熱混合機41、押出機42、切断機43を備えている。
【0051】
図5は、押出機42を一部垂直断面にて断面視して示す側面図である。加熱混合機41により200℃前後で加熱溶融混合された原料が、押出機42の内部空間42aに流れ込む。図の押出機42では、加熱溶融混合された原料が左側から押出機の内部空間42aに流入し、同内部空間42aの中に配設されたスクリュー45の回転により右方向へ押し出される。この押出機42では、流入する溶融混合物Eを改めて加熱しながら、スクリュー45を駆動させることにより板状に押し出す。
【0052】
ここで、加工木材の粉状体Aに尿素系樹脂が含まれていると、加工木材の粉状体Aを加熱した際に、尿素系樹脂が分解されてアンモニアガス14が発生することがある。このアンモニアガス14は、ウッドプラスティックが形成された時などにウッドプラスティックの表面に膨らみを発生させる原因となる。そこで、ウッドプラスティック製造装置40に真空脱気装置50を設けることにより、アンモニアガス14を効率よく除去して生成ガスによるウッドプラスティックの膨れを防止するようにしている。
【0053】
押出機42には、内部空間42aと繋がるように上側に開口された排気口44aと、下側に向けられた調圧口44bとが設けられている。排気口44aの上端には、真空脱気装置50の吸引口50aに連結された脱気用ホース52が取り付けられている。
【0054】
真空脱気装置50が駆動されると、吸引口50aから空気が吸い込まれ、排気口44aと脱気用ホース52を介して押出機の内部空間42aの空気が吸引されて排出される。従って、溶融混合物Eから発生されたアンモニアガス14は、排気口44aから排出される。
【0055】
押出機42の内圧は、空気を内部空間42aに吸入可能な調圧口44bにより、大気圧と略等圧となるように維持されている。排気口44aには逆流防止弁44cが配設されており、同逆流防止弁44cは内部空間42aへの空気の逆流を防止している。また、排気口44aにはフィルタ44dが設けられており、排気口44aからは気体だけが排出可能な構造となっている。
【0056】
このようにして、アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体Aと、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂Bと、不飽和カルボン酸Cとを、溶融混合用樹脂Bを不飽和カルボン酸Cとともに加熱溶融させながら混合し、脱気しつつ押し出し、成形してウッドプラスティックGを製造する。押し出しの際に溶融混合物Eから脱気されるので、生成するアンモニアガスは吸引されて除去される。従って、混合された原料に加えられる圧力が低下する成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。これにより、煩雑な原料選別作業や原料管理を行わなくても、ウッドプラスティックの成形時や成形後に生成ガスによる膨れを防止して、成形されたウッドプラスティックの形状を安定させることが可能となる。
【0057】
なお、図による説明を省略するが、加熱混合機41を密閉可能な構造とし、真空脱気装置を同加熱混合機に設けてもよい。真空脱気装置を加熱混合機41に配設すると、加工木材の粉状体Aと、溶融混合用樹脂Bと、不飽和カルボン酸Cとを、溶融混合用樹脂Bを不飽和カルボン酸Cとともに加熱溶融させながら脱気しつつ混合し、押出成形してウッドプラスティックGを製造することになる。すると、加熱溶融混合中の溶融混合物Eから発生されたアンモニアガスは同真空脱気装置に吸引されて外部へ排出され、溶融混合物Eから除去される。
【0058】
このように、混合または押し出しを脱気しつつ行うことにより、原料中で生成したアンモニアガスが除去され、混合される原料に加えられる圧力が低下する成形時にウッドプラスティックは生成ガスによって膨れない。従って、ウッドプラスティックの成形時や成形後に生成ガスによる膨れは生じず、ウッドプラスティックの形状を安定させることが可能となる。むろん、混合と押し出しの両工程で脱気を行うと、より確実にアンモニアガスを除去して生成ガスによる膨れを防止することが可能となり、さらにウッドプラスティックの形状を安定させることが可能となる。
【0059】
なお、混合や押し出しの処理回数を増やしたり処理速度を遅らせたりするほど、溶融混合物から発生するアンモニアガスの排出量が増える。そこで、押出機42から溶融混合物を成形せずに押し出し、押し出した溶融混合物を再び加熱混合機41に投入する作業を所定の回数繰り返してもよい。加熱混合機41にて原料を加熱溶融混合した後に押出機42にて溶融混合物を押し出す処理を繰り返す回数は、溶融混合物の物性等に応じて適宜設定すればよく、例えば4〜5回程度とすることができる。
混合や押し出しを所定の回数繰り返し行うことにより、アンモニアガスの発生量を増加させ、混合物中のアンモニアガスの発生原因物質を減少させる。これにより、より確実に混合された原料から効率よくアンモニアガスを減少させてウッドプラスティックの成形時や成形後に生成ガスによる膨れを防止して、さらにウッドプラスティックの形状を安定させることが可能となる。
【0060】
むろん、押出機42では、加熱しながらスクリュー45によって押し出す押し出し工程を通常の処理時間よりも長めに行ってもよい。
【0061】
なお、真空脱気装置は、加熱混合機41と押出機42のいずれか一方のみに配設されていてもよいし、両方に配設されていてもよい。さらに、加熱混合機41での加熱溶融混合の処理時間を長くしたり、あるいは処理回数を増やしたり、押出機42での押し出しの処理時間を長くしたり、これらを組み合わせることにより、真空脱気装置によるアンモニアガスの除去効果をさらに高めることができる。
【0062】
上記の方法によって作成されたウッドプラスティック中には、アンモニアガスがほとんど含まれていない。従って、ウッドプラスティックが押出機42から排出される際にウッドプラスティックの表面が膨れることはなく、実際にウッドプラスティックが使用される場合に加熱されるようなことが起きても、ウッドプラスティックの表面に膨れができるようなこともない。
【0063】
また、さらに、第三の実施形態に記載したウッドプラスティック製造装置に第一の実施形態に記載のゼオライトを投入したり、第二の実施形態に記載の明礬70を投入したりすれば、ガス状態のアンモニアの含有量がさらに低減され、形状変化の発生がさらに確実に防止された信頼性の高いウッドプラスティックを製造することが可能となる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、煩雑な原料選別作業や原料管理を行う必要がなく、ウッドプラスティックの押出成形時や押出成形後に生成ガスによる膨れが発生することを防止して、成形されたウッドプラスティックの形状を安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかるウッドプラスティックの製造方法を示す概略的な流れ図である。
【図2】従来の構成でウッドプラスティックを製造する様子を示す概略的な流れ図である。
【図3】ウッドプラスティック製造装置とウッドプラスティックの製造方法を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第二の実施形態にかかるウッドプラスティックの製造方法を示す概略的な流れ図である。
【図5】第三の実施形態において、押出機を一部垂直断面にて断面視して示す側面図である。
【符号の説明】
A…加工木材の粉状体
B…溶融混合用樹脂
C…不飽和カルボン酸
D1…アンモニアガス吸着材料
D2…アンモニウム塩生成材料
E,E1,E2…溶融混合物
G,G1,G2…ウッドプラスティック
g…生成ガス
14…アンモニアガス
20…ポリオレフィン樹脂
30…マレイン酸
40…ウッドプラスティック製造装置
41…加熱混合機
42…押出機
42a…内部空間
43…切断機
44a…排気口
44b…調圧口
44c…逆流防止弁
44d…フィルタ
45…スクリュー
50…真空脱気装置
50a…吸引口
52…脱気用ホース
60…ゼオライト(多孔質無機材料)
70…明礬(弱塩基の硫酸塩)

Claims (10)

  1. アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体と、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂と、を用いたウッドプラスティックの製造方法であって、
    上記加工木材の粉状体と、上記溶融混合用樹脂と、アンモニアガスを吸着可能なアンモニアガス吸着材料とを、同溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合し、押出成形して上記ウッドプラスティックを製造することを特徴とするウッドプラスティックの製造方法。
  2. 上記アンモニアガス吸着材料は、多孔質無機材料であることを特徴とする請求項1に記載のウッドプラスティックの製造方法。
  3. 上記多孔質無機材料は、ゼオライトであることを特徴とする請求項2に記載のウッドプラスティックの製造方法。
  4. アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体と、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂と、を用いたウッドプラスティックの製造方法であって、
    上記加工木材の粉状体と、上記溶融混合用樹脂と、アンモニアガスと反応してアンモニウム塩を生成可能なアンモニウム塩生成材料とを、同溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合し、押出成形して上記ウッドプラスティックを製造することを特徴とするウッドプラスティックの製造方法。
  5. 上記アンモニウム塩生成材料は、弱塩基の硫酸塩であることを特徴とする請求項4に記載のウッドプラスティックの製造方法。
  6. 上記硫酸塩には、少なくとも明礬が含まれることを特徴とする請求項5に記載のウッドプラスティックの製造方法。
  7. 上記硫酸塩には、少なくとも硫酸バンドが含まれることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載のウッドプラスティックの製造方法。
  8. アミノ樹脂を用いた加工木材の粉状体と、加熱溶融可能な溶融混合用樹脂とを、同溶融混合用樹脂を加熱溶融させながら混合し、押し出し、成形してウッドプラスティックを製造するウッドプラスティックの製造方法であって、
    上記混合と押し出しの少なくとも一方を、脱気しつつ行うことを特徴とするウッドプラスティックの製造方法。
  9. 上記脱気しつつ行う上記混合と押し出しの少なくとも一方を、所定の回数繰り返し行うことを特徴とする請求項8に記載のウッドプラスティックの製造方法。
  10. 上記溶融混合用樹脂に親水基を付与する所定の酸を添加して混合し、押出成形して上記ウッドプラスティックを製造することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のウッドプラスティックの製造方法。
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