JP3662214B2 - 全空気方式床冷暖房システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機で生成された冷・温風の空調エアを使用した床放射冷暖房と、床吹出し冷暖房とを組合せた全空気方式床冷暖房システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調による冷・温風を使用した床冷暖房装置と床吹出し冷暖房装置とを組合せた全空気方式床冷暖房システムは、実用に供されていなかった。そして、従来は、特許第2602194号公報に開示されているように、冷水および温水を生成する冷温水発生機よりの冷水または温水を床パネルの下面に、モルタル等の熱伝導率の高い被覆材に被覆されて配設された冷温水パイプに送水して、室内を冷暖房する床冷暖房装置と、冷風または温風を生成する空気調和機よりの冷風または温風を、前記床パネルの下面の送気通路に送気して、室内の端縁部の床パネルに開口された吹出し口より前記室内に送風して、冷風および温風により室内を冷暖房する床吹出し空調冷暖房装置との組み合わせによる冷暖房装置が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来公知の特許第2602194号公報に開示された冷暖房装置では、冷水および温水を生成する冷温水発生機を使用するので、該冷温水発生機を設置するスペースが必要であると共に、冷温水パイプを設置しなければならないので、設置費用が高価となり、また前記冷温水発生機を稼動するのにかなりの経費がかかり、従って高額な冷暖房費となるという課題があった。
【0004】
また、前記特許第2602194号公報に開示された冷暖房装置に使用する床パネルは、冷温水パイプと床パネル間に被覆材が充填されて両者が一体に固定され、該床パネルを開放することができないため、電話機、パソコン等の事務機器の電源用・配線用のコードを配設するという床パネル下面の空間部の有効利用が図れないという課題があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、従来のように冷温水発生機を使用することなく、空気調和機により生成された冷・温風の空調エアで冷暖房することにより、設備費用の軽減を図ると共に、床パネルの開閉を可能とすることにより、電話機、パソコン等の事務機器の電源用・配線用のコードを配設するという床パネル下面の空間部の有効利用を図ることができる全空気方式床冷暖房システムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スラブ上に所定間隔を有して複数本複数列に亘って立設された支持脚上に、空隙部を備えて方形箱状に形成されたパネルボードを多数枚接合すると共に、該パネルボードを支持脚の上面に締付けボルトで緊締固定して平板状の床パネルを形成して、前記スラブと該床パネル間に空気調和機で生成された冷・温風の空調エアの通気空間、および事務機器の電源用・配線用のコードの配設空間を兼ねた空間部を設け、且つ、部屋の壁際の床パネルにスリットを設けたグリルを延設する一方、前記空間部に送気された前記冷・温風の空調エアをポンプで吸引して、前記各パネルボードに着脱自在に装着された圧送手段を介して該各パネルボードの一端部側から前記空隙部に圧送すると共に、前記各パネルボードの空隙部に圧送された前記冷・温風の空調エアを、該各パネルボードの他端部側に穿設された排気孔から前記空間部に排気し、更に、前記空気調和機から空間部に送気された前記冷・温風の空調エアを前記グリルのスリットを介して部屋へ吹出すようするという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明すると、本発明全空気方式床冷暖房システムは、部屋Rの下面に設けられたスラブ1上に所定間隔を有して複数本複数列に亘って立設された支持脚2上に、方形箱状に形成された放冷・放熱作用を有するパネルボード3の隅角部を載置固定することにより、該パネルボード3を多数枚接合固定して、平板状の床パネルPを形成し、該床パネルPとスラブ1間に冷・温風の空調エアの通気空間と、後述する前記空調エアの送気ガイド管34の配設空間および電話機、パソコン等の事務機器の電源用・配線用のコード46の配設空間を兼ねた空間部4が設けられる。
【0008】
前記スラブ1上に立設されて、上方にパネルボード3を固定する支持脚2は、支柱5の下端に、前記スラブ1上に設置固定する巾広の底板6を備えると共に、該支柱5の上端に、4枚の各パネルボード3の隅角端縁部を載置すると共に、前記各パネルボード3の隅角部を一体に接合固定する固定板7が固定され、更に該固定板7の強度を補強するために、前記支柱5の上方部周面と前記固定板7の底面間に椀状の補強板8が連結固定されて形成されている。
【0009】
前記パネルボード3は、熱伝導率のよい金属板、好ましくはアルミニウム板より成る上面板9の周縁部に、断面凹状をした熱伝導率のよい金属板、好ましくはアルミニウム板より成る下面板10の周縁部を一体に接合固定して、周縁にフランジ11を突設すると共に、前記上面板9と下面板10間に空隙部12を設けて方形箱状に形成されている。
【0010】
更に、前記パネルボード3は、前記下面板10の底部周縁に小巾の下方へ突出した枠状部13を設け、且つ該枠状部13に囲繞された内側面14を、段部15を設けて上面板9側へ折曲して接近させると共に、前記内側面14に所定間隔を有して複数列に亘って多数の半球状の凸部16を上面板9方向へ凸設して、該下面板10の下面に半球状凹部17を設け、更に前記各凸部16の頂面と前記上面板9下面との接合面をリベット、スポット溶接等の接合手段18(図3・図4においては、スポット溶接として図示されている)により接合固定して形成されている。
【0011】
そして、前記各凸部16の頂面と、前記上面板9との接合面のみがリベット、スポット溶接等の接合手段18により接合固定されているだけであるので、空隙部12は前記接合手段18部分が遮断されているだけで、その他の部分は連通されており、空気の流通が可能である。
【0012】
前記構成より成るパネルボード3の支持脚2の固定板7への固定方法は、特に限定する必要はないが、好ましくは図5・図6に示すようにして固定することが推奨される。
【0013】
すなわち、図2・図5に示すように、パネルボード3の各隅角部における各フランジ11に、1/4円状の落込み段部19をそれぞれ設けると共に、該各段部19の各隅角部を1/4円状に切り欠いて切欠部20がそれぞれ設けられている。
【0014】
更に、前記構成より成るパネルボード3をその周縁部を互いに摺接すると共に、4枚のパネルボード3が互いに摺接する各隅角部の枠状部13を前記支持脚2の固定板7上に載置し、前記4枚のパネルボード3の各隅角部における突き合わせ部の落込み段部19の形状が、全体として円状凹部21を形成するようにすると共に、前記各切欠部20の形状が全体として円形孔22を形成するようにして、該円形孔22を締付けボルト23のガイド孔とするのである。
【0015】
そして、前記円状凹部21内に、中央に締付けボルト23の頭部が没入する没入凹部24を備え、且つ該没入凹部24の中央に前記締付けボルト23の挿入孔25を貫通した前記円状凹部21の深さと同一肉厚を有する円状の座板26を嵌合して、該座板26の挿入孔25に締付けボルト23を貫挿して、その先端を固定板7の中央に貫通した螺挿孔27に螺挿して、前記4枚のパネルボード3の隅角部が支持脚2の固定板7に一体に固定されるのである。
【0016】
以下、同様にして他の各4枚のパネルボード3の隅角部を支持脚2の固定板7に固定すると共に、壁W等に接する一番外側のパネルボード3は、2枚のパネルボード3の隅角部を支持脚2の固定板7に固定して、部屋Rのスラブ1上に平板状の床パネルPが形成される。そして、前記部屋Rにおいて窓Mが形成されていて、外部より冷気や暖気が侵入するペリメータ部等の壁Wに接近した床パネルPの端縁部に、スリット28を多数開口したグリル29が延設されている。
【0017】
前記床パネルPとスラブ1間に形成された空間部4内に、図1に示すように、室外に設置された空気調和機30からダクト31を介して冷・温風の空調エアを送気するよう形成されている。
【0018】
前記空気調和機30により空間部4に冷・温風の空調エアを送気して、該空間部4に送気された冷・温風により、床パネルPを下面より冷却または加温できるように形成されているが、更に前記空間部4内に送気された冷・温風を各パネルボード3の空隙部12内に圧送して、該各パネルボード3の冷却または加温効果を上げて、冷気または暖気を床放射するよう形成されると共に、前記グリル29のスリット28から部屋R内に冷・温風を吹出して、ペリメータ部の暖気または冷気を抑制し、部屋Rを冷暖房できるように形成されている。
【0019】
前記空間部4内には、該空間部4内に送気された冷・温風の空調エアを、上流側に備えられた吸引パイプ32を介して吸引するポンプ33が配設されると共に、該ポンプ33の下流側には前記吸引した冷・温風を各パネルボード3の空隙部12内へ圧送するための送気ガイド管34が縦横に配設されている。
【0020】
そして、前記ポンプ33から送気ガイド管34を介して、各パネルボード3の空隙部12内に冷・温風を高圧で圧送する圧送手段35が、前記各パネルボード3に着脱自在となるよう装着連結されると共に、前記空隙部12内に圧送された冷・温風を、前記空間部4内に排気する排気孔36が各パネルボード3に形成されている。
【0021】
すなわち、前記圧送手段35は、特に限定する必要はないが、好ましくは、各パネルボード3の一端部側に位置する半球状の凸部16間の下面板10に、間隔を有して2個穿設された連結孔37にそれぞれ着脱自在なるように装着固定され、更に、前記各パネルボード3の他端部側に位置する半球状の凸部16間の下面板10に、前記圧送手段35により各パネルボード3の空隙部12内に圧送されて、該各パネルボード3を冷却または加温した後の冷・温風を、前記空間部4内に排気する排気孔36が2個それぞれ間隔を有して穿設されている。
【0022】
前記圧送手段35としては、特に限定する必要はないが、好ましくは、前記空間部4内において、ポンプ33の下流側に縦横に配設された送気ガイド管34と前記各パネルボード3間に、該送気ガイド管34と各パネルボード3とを連通するゴム、合成樹脂製の可撓管38を連結すると共に、該可撓管38の中間部に、エアインジェクター39を配設することが推奨される。そして、前記エアインジェクター39により、高圧で冷・温風の空調エアを各パネルボード3の空隙部12内へ圧送する。
【0023】
前記エアインジェクター39は、特に限定する必要はないが、好ましくは図8に示すように形成することが推奨される。すなわち、下流側に通路を狭く絞ってベンチュリー40を形成した一次空気流入管41の外周面に、通気用の間隔を有して複数本の支持片42を下流側へ拡開して突設すると共に、該各支持片42の先端に、湾曲して拡開した二次空気流入口43を開口した、前記一次空気流入管41より径大の二次空気流入管44を、前記ベンチュリー40の先端外周面に前記二次空気流入口43を臨ませて連結固定して形成されている。
【0024】
そして、前記構成より成るエアインジェクター39の一次空気流入管41の上流側が、上流側の可撓管38aに連結されると共に、二次空気流入管44が、下流側の可撓管38bに連結され、更に、該下流側の可撓管38bの先端部が前記パネルボード3の下面板10の連結孔37に着脱自在なるよう連結固定されている。
【0025】
前記下流側の可撓管38bの先端部を、パネルボード3の下面板10の連結孔37に着脱自在なるよう装着固定する方法は、特に限定する必要はないが、好ましくは図4に示すように形成することが推奨される。すなわち、前記連結孔37に貫挿して固定された金属または合成樹脂製の連結管45に、前記下流側の可撓管38bを嵌合して固定することが推奨される。そして、前記可撓管38bを連結管45から取外すときは、該可撓管38bを押し広げて取外せばよい。
【0026】
また、図中46は、空間部4に配設された電話機、パソコン等の事務機器の電源用・配線用のコードである。電源用・配線用のコード46は、所定個所のパネルボード3に設けられたコード案内手段47により部屋R内へ引き出すことができるよう形成されている。
【0027】
前記コード案内手段47は、特に限定する必要はないが、好ましくは図9・図10に示すように形成することが推奨される。すなわち、パネルボード3の一端部中央のフランジ11と枠状部13に股ってコ字状の切欠部48を形成すると共に、該切欠部48を構成するコ字状の切断面に段部49を設け、更に、前記切欠部48の段部49上に、前記コード46を貫通させる貫通孔50を穿設したキャップ51を装着固定できるようにして形成されている。
【0028】
前記部屋R内に設けられた床パネルP上には、タイルカーペットや布カーペット等の床材52が敷設され、またスラブ1上には断熱材53が載置されて、空間部4の断熱効果を図るよう形成されている。前記床材52は、グリル29部分には敷設せず、該グリル29を介して空間部4からの冷・暖風の部屋Rへの吹出し通路を確保する。
【0029】
すなわち、本発明は、前記のように、空間部4内に送気された空気調和機30からの冷・温風の空調エアにより、床パネルPを構成する各パネルボード3を下面より冷却または加温すると共に、前記空間部4内に送気された冷・温風の空調エアを、ポンプ34により吸引してエアインジェクター39を介して各パネルボード3の空隙部12内に圧送して、該各パネルボード3を更に冷却または加温して、床パネルPから床材52を通して冷気または暖気を部屋R内へ放射して、前記部屋Rを冷却または加温する床放射冷暖房と、前記空間部4内に送気された空気調和機30からの冷・温風の空調エアを、グリル29に開口されたスリット28を通して部屋Rへ吹出して、前記部屋Rを冷却または加温する床吹出し冷暖房との組合せより成るものである。
【0030】
なお、前記部屋R内に設けられた床パネルP上に敷設された床材52上の適位置に、前記コード46に接続する電源用または電話用のコンセント54が設置されている。前記コンセント54は、特に限定する必要はないが、好ましくは図11に示すように、使用時のみ接続口55が起立し、不使用時には該接続口55が収納されてしまう起伏自在に形成されたアップコンセントを使用することが推奨される。
【0031】
前記実施の形態より成る本発明全空気方式床冷暖房システムの作用について説明する。部屋Rを冷房する場合は、先ず空気調和機30により生成された冷風をダクト31を介して空間部4内に送気すると、該空間部4内に送気された冷風が床パネルPを構成する各パネルボード3を下面より冷却すると共に、前記空間部4内に送気された冷風は、ポンプ33によって吸引されて送気ガイド管34および上流側の可撓管38aを介して、圧送手段35であるエアインジェクター39に送気される。
【0032】
前記エアインジェクター39の一次空気流入管41に送気された冷風は、ベンチュリー40によって風速が6倍程度に早められて、該一次空気流入管41から排気されると、前記ベンチュリー40の排気口外周付近が負圧になり、該ベンチュリー40の周囲の空間部4内の冷風を吸引して混合気流となって、高圧で二次空気流入口43から二次空気流入管44に流れ込み、更に下流側の可撓管38bを介して各パネルボード3の一端部側から空隙部12内に高圧で流入し、前記各パネルボード3を冷却する。そして更に、前記各パネルボード3の空隙部12内に高圧で流入した冷風は、該各パネルボード3を冷却した後、各パネルボード3の他端部側に穿設された排気孔36より前記空間部4内に排気される。
【0033】
前記各パネルボード3は、空隙部12内において多数の半球状の凸部16が形成され、該凸部16により該パネルボード3の空隙部12内の下面板10の表面積が大となるため、該空隙部12内に流入した冷風との接触面積が大となり、また該空隙部12内に流入した冷風が乱流して、平均して前記空隙部12を構成する内側面に接触して冷気の各パネルボード3への伝導効率が高められ、該各パネルボード3が迅速に冷却されると共に、冷却状態をそのまま維持できるのである。
【0034】
また、空間部4に面した各パネルボード3の下面には、前記凸部15の下面側に凹部17が形成され、該凹部17により前記パネルボード3の下面板10の表面積が大となるため、前記空間部4内に流入した冷風との接触面積が大となり、また該空間部4内に流入した冷風が乱流し、平均して前記各パネルボード3の下面部に接触して、冷気の各パネルボード3への伝導効率が高められ、該各パネルボード3が迅速に冷却されると共に、冷却状態をそのまま維持できるのである。そして、前記のように床パネルPを構成する各パネルボード3が冷却されることにより、該床パネルPからの冷気を部屋R内に放射して、該部屋R内を冷房する。
【0035】
更に、前記空間部4内に送気された冷風を、壁Wに近接して設けられたグリル29のスリット28より部屋R内に吹出して該部屋R内を冷房すると共に、前記部屋Rにおいて窓Mが形成されていて、外部より暖気が侵入するペリメータ部の暖気を抑制し、更に冷房効率を高める。
【0036】
次に、前記実施の形態より成る本発明全空気方式床冷暖房システムを用いて、部屋Rを暖房する場合について説明する。先ず、空気調和機30により生成された温風をダクト31を介して空間部4内に送気すると、該空間部4内に送気された温風が床パネルPを構成する各パネルボード3を下面より加温すると共に、前記空間部4内に送気された温風は、ポンプ33によって吸引されて送気ガイド管34および上流側の可撓管38aを介してエアインジェクター39に送気される。
【0037】
前記エアインジェクター39の一次空気流入管41に送気された温風は、ベンチュリー40によって風速が6倍程度に早められて、該一次空気流入管41から排気されると、前記ベンチュリー40の排気口外周付近が負圧になり、該ベンチュリー40の周囲の空間部4内の温風を吸引して混合気流となって、高圧で二次空気流入口43から二次空気流入管44に流れ込み、更に下流側の可撓管38bを介して各パネルボード3の一端部側から空隙部12内に高圧で流入し、前記各パネルボード3を加温する。そして更に、前記各パネルボード3の空隙部12内に高圧で流入した温風は、該各パネルボード3を加温した後、各パネルボード3の他端部側に穿設された排気孔36より前記空間部4内に排気される。
【0038】
前記各パネルボード3は、空隙部12内において多数の半球状の凸部16が形成され、該凸部16により該パネルボード3の空隙部12内の下面板10の表面積が大となるため、該空隙部12内に流入した温風との接触面積が大となり、また該空隙部12内に流入した温風が乱流して、平均して前記空隙部12を構成する内側面に接触して暖気の各パネルボード3への伝導効率が高められ、該各パネルボード3が迅速に加温されると共に、加温状態をそのまま維持できるのである。
【0039】
また、空間部4に面した各パネルボード3の下面には、前記凸部15の下面側に凹部17が形成され、該凹部17により前記パネルボード3の下面板10の表面積が大となるため、前記空間部4内に流入した温風との接触面積が大となり、また該空間部4内に流入した温風が乱流し、平均して前記各パネルボード3の下面部に接触して、暖気の各パネルボード3への伝導効率が高められ、該各パネルボード3が迅速に加温されると共に、加温状態をそのまま維持できるのである。そして、前記のように床パネルPを構成する各パネルボード3が加温されることにより、該床パネルPからの暖気を部屋R内に放射して、該部屋R内を暖房する。
【0040】
更に、前記空間部4内に送気された温風を、壁Wに近接して設けられたグリル29のスリット28より部屋R内に吹出して該部屋R内を暖房すると共に、前記部屋Rにおいて窓Mが形成されていて、外部より冷気が侵入するペリメータ部の冷気を抑制し、更に暖房効率を高める。
【0041】
前記床パネルP下面の空間部4は、前記したように冷・温風の空調エアの通気空間となると共に、事務機器の電源用または配線用のコード46の配設空間となり、必要に応じて、前記床材52をはがして、締付けボルト33を取外して、所定個所のパネルボード3を開放し、更に連結管45から圧送手段35の下流側の可撓管38bを取外して、前記パネルボード3を取外すことにより、コード46および空間部4内のその他の設備の点検や補修をすることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は上述のようであるから、空気調和機の冷・温風の空調エアを空間部内に送気して、床パネルを構成する各パネルボードの下面より冷却または加温すると共に、前記空間部内に送気された冷・温風をポンプにより吸引して、これを圧送手段を介して、前記各パネルボードの空隙部に圧送して、該各パネルボードを更に冷却・加温して、床パネルから冷気または暖気を放射して、部屋を冷却または加温する床放射冷暖房と、前記空間部内に送気された冷・温風の空調エアをグリルに設けられたスリットを介して吹出して部屋を冷却または加温する床吹出し冷暖房とを組合せたので、冷暖房効率がよい。また、本発明は、空気調和機のみを使用するだけで、従来のように冷温水発生機を併用しないので、冷・暖房のコストが安価で、且つ設置スペースも少なくてすむ。更に、本発明は、空間部に事務機器の電源用および配線用のコードを配設する等、空間部の有効利用を図ることができると共に、任意の場所のパネルボードを自由に取外すことができるので、前記コードやその他の設備の点検や補修が簡単にできるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明全空気方式床冷暖房システムの概略縦断面図である。
【図2】本発明全空気方式床冷暖房システムにおける床パネルを構成するパネルボードの斜視図である。
【図3】同パネルボードの底面図である。
【図4】同パネルボードの縦断面図である。
【図5】本発明全空気方式床冷暖房システムにおいて、パネルボードを支持脚に固定した状態を示す要部の縦断面図である。
【図6】本発明全空気方式床冷暖房システムにおいてパネルボードの支持脚への取付け状態を示す斜視図である。
【図7】本発明全空気方式床冷暖房システムにおける床パネルを一部を切り欠いて示す平面図である。
【図8】本発明全空気方式床冷暖房システムにおける圧送手段部分の縦断面図である。
【図9】本発明全空気方式床冷暖房システムにおいて、空間部よりコードを部屋内へ引出す場所に使用するパネルボードに、コード引出し用のキャップを取付けるコ字状の凹欠部を設けた状態を示す平面図である。
【図10】本発明全空気方式床冷暖房システムにおいて、空間部よりコードを部屋内へ引出す場所に使用するパネルボードに、コード引出し用のキャップを取付けた状態を示す要部の斜視図である。
【図11】本発明全空気方式床冷暖房システムにおいて、空間部よりコードを部屋内へ引出す場所に使用するパネルボードに、キャップを取付け、更にアップコンセントを取付けた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
P 床パネル、 R 部屋、 1 スラブ、 2 支持脚、 3 パネルボード、 4 空間部、 12 空隙部、 23 締付けボルト、 28 スリット、29 グリル、 30 空気調和機、 33 ポンプ、 35 圧送手段、 36 排気孔。
Claims (1)
- スラブ上に所定間隔を有して複数本複数列に亘って立設された支持脚上に、空隙部を備えて方形箱状に形成されたパネルボードを多数枚接合すると共に、該パネルボードを支持脚の上面に締付けボルトで緊締固定して平板状の床パネルを形成して、前記スラブと該床パネル間に空気調和機で生成された冷・温風の空調エアの通気空間、および事務機器の電源用・配線用のコードの配設空間を兼ねた空間部を設け、且つ、部屋の壁際の床パネルにスリットを設けたグリルを延設する一方、前記空間部に送気された前記冷・温風の空調エアをポンプで吸引して、前記各パネルボードに着脱自在に装着された圧送手段を介して該各パネルボードの一端部側から前記空隙部に圧送すると共に、前記各パネルボードの空隙部に圧送された前記冷・温風の空調エアを、該各パネルボードの他端部側に穿設された排気孔から前記空間部に排気し、更に、前記空気調和機から空間部に送気された前記冷・温風の空調エアを前記グリルのスリットを介して部屋へ吹出すようにしたことを特徴とする全空気方式床冷暖房システム。
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