JP3661993B2 - 射出成形機の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は射出成形機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2を参照して、電動射出成形機についてその射出装置を中心に説明する。射出装置は、ボールネジ、ナットによりサーボモータの回転運動を直動運動に変換して溶融樹脂の充填を行う。図2において、射出用のサーボモータ10の回転はボールネジ11に伝えられる。ボールネジ11の回転により前後進するナット12はプレッシャプレート13に固定され、プレッシャプレート13はフレーム(図示せず)に固定された複数のガイドバー14上を移動自在に取り付けられている。プレッシャプレート13の前後進運動は、ロードセル15、ベアリング16、ドライブシャフト17を介してスクリュ20に伝えられる。ドライブシャフト17はまた、スクリュ回転駆動用のサーボモータ19によりタイミングベルト18を介して回転駆動される。
【0003】
スクリュ回転駆動用のサーボモータ19の駆動によって加熱シリンダ21の中をスクリュ20が回転しながら後退することにより、加熱シリンダ21の先端に溶融樹脂が貯えられる。そして、射出用のサーボモータ10の駆動によってスクリュ20を前進させることにより貯えられた溶融樹脂を金型内に充填し、加圧することによって成形が行われる。この時樹脂を押す力がロードセル15により反力として検出され、ロードセルアンプ22より増幅されてコントローラ23に入力される。プレッシャプレート13には、スクリュ20の移動量を検出するための位置検出器24が取り付けられており、この検出信号は増幅器25により増幅されてコントローラ23に入力される。コントローラ23は、オペレータの設定に応じて各々の工程に応じた電流(トルク)指令をサーボアンプ26、27に出力し、サーボアンプ26、27ではサーボモータ10、19の駆動電流を制御してサーボモータ10、19の出力トルクを制御するようになっている。
【0004】
次に、図3を参照して、スクリュ20について詳細に説明する。図3(a)において、スクリュ20は、供給部20−1、圧縮部20−2、計量部20−3、ヘッド部20−4に分けられる。供給部20−1は、ホッパから供給される樹脂を固体のまま、あるいは一部のみを溶かして前方に送るための部分であり、樹脂はこの間に溶融点近くまで暖められる。このために、供給部20−1においては、通常、図3(b)に示される渦巻き体(通常、フライトと呼ばれている)を形成している棒状体の径がほぼ一定である。
【0005】
圧縮部20−2は、供給部20−1から供給されてきた樹脂の粒と粒との間には隙間があり、樹脂が溶融することによってその体積は約半分に減少する。この体積減少分を補うために、樹脂が通過できる空間を減少させる。これは、圧縮部20−2において渦巻き体を形成している棒状体にテーパを設けて渦巻き体の溝を浅くすることにより実現している。このことにより、溶融樹脂を圧縮し、摩擦による発熱効果を高め、樹脂圧力を上げて、空気/樹脂に含まれている水分、揮発分ガスなどをホッパ側に押し戻す働きをする。このことから明らかなように、加熱シリンダ内の樹脂圧力は圧縮部20−2内が最も高くなる。
【0006】
計量部20−3は、渦巻き体の溝の最も浅い部分であり、この間では樹脂は大きな剪断力を加えられ、自己発熱を伴って均質な温度まで上げられる。そして、一定量の樹脂をノズル側へ送り出す作用をする。
【0007】
なお、計量部20−3からノズル側への溶融樹脂の送り出しは、ヘッド部20−4における逆流防止リング20−5を通して行われる。逆流防止リング20−5は、計量工程においては図中の左寄りの位置にあり、この状態で計量部20−3からノズル側への溶融樹脂の送り出しが可能となる。計量工程が終了すると、逆流防止リング20−5は、圧力差により図中の右寄りの位置に移動する。その結果、ノズル側から計量部20−3側への樹脂の戻りが阻止される。通常、ヘッド部20−4は、その根元側にねじを切って、スクリュ本体の棒状体の先端にねじ込まれて構成されている。このため、ヘッド部20−4の根元側の径は、スクリュ本体の棒状体の径に比べて小さい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、計量開始時におけるスクリュフライト位置(スクリュ角度)のばらつきが、計量に与える不安定要素となっている。この原因は、主には樹脂を供給するホッパ口でのスクリュフライトの姿勢が各ショット毎に同一でないことにある。圧力制御を行なう現在の計量方式では、樹脂ペレットの噛み込み圧力に変動要因が内在するため、計量中の圧力制御にばらつきが発生するというメカニズムである。
【0009】
これを図4を参照して説明する。図4において、溶融する前の樹脂ペレットがホッパにある。これがスクリュ20の回転によって加熱シリンダ21の先端側に供給されてゆく機能を計量動作と呼ぶ。この計量動作は、スクリュ20を回転させ、樹脂を前に送り込むことで得られる反力を検出して、これを一定化させるようにスクリュ20の後退速度を制御する。よって、樹脂が前に送りこまれる以外の要因で発生する圧力変動は、その全てが外乱要因となる。
【0010】
ここで、その外乱要因として大きいものに、ホッパ口21−1での樹脂ぺレットとスクリュ20のフライトとの接触がある。樹脂を供給する上でこの接触をなくすことはできないが、ショット間で定常的に外乱が乗るようなれば、その外乱要因を軽減することができる。
【0011】
ホッパ口21−1を上部から見ると、スクリュ20のフライト状態は図4(b)のようになっている。このとき、スクリュ20の位置は変わらなくても、スクリュ20が回転すれば、フライトの位置は前方あるいは後方に1ピッチ分移動することになる。従来はこの1ピッチ分の移動が外乱要因として残ったままとなっている。
【0012】
そこで、本発明の課題は、計量開始時にスクリュのフライトの姿勢が同一となるような補正制御を実行できる射出成形機の制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、スクリュの回転角度位置に基準角度位置をあらかじめ設定し、計量工程の直前において検出されたスクリュの回転角度位置と前記基準角度位置との角度偏差を求め、前記角度偏差が負の場合は正回転を、前記角度偏差が正の場合は逆回転をさせて、前記スクリュの回転角度位置を前記基準角度位置に合うように補正する角度補正動作を任意のショット間隔で実行することを特徴とする射出成形機の制御方法が提供される。
【0014】
前記角度補正動作は、計量工程の直前に行われるスクリュ後退動作の直前あるいは直後に実行される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本形態においては、あらかじめスクリュの回転角度位置に基準角度位置が設定され、計量工程の直前あるいは直後においてスクリュの回転角度位置を基準角度位置に合うように補正する角度補正動作がショット毎に実行される。
【0017】
このような角度補正動作を実行するためには、基準角度位置と現在のスクリュの角度位置との偏差が必要となる。このために、スクリュ回転用のサーボモータ(図2の19)に設置されているロータリエンコーダの検出信号が用いられる。すなわち、ロータリエンコーダからはスクリュの回転角度に対応した検出信号が得られるので、コントローラ(図2の23)においてスクリュの基準角度位置と現在の角度位置との偏差を求めることができる。
【0018】
コントローラは、角度補正動作を実行するに際し、上記の偏差を0にすべくスクリュを正あるいは逆のいずれかの方向に回転させる。具体的には、スクリュの回転速度はあらかじめ設定されているので、その回転速度と基準角度位置までの回転角度の偏差から偏差を0にするために必要な回転すべき時間を算出し、その時間だけスクリュを回転させるようにすれば良い。勿論、角度補正動作は、スクリュの正回転、逆回転のどちらかで行われる。すなわち、角度偏差が負、つまりスクリュの後退方向の差であれば正回転(スクリュ前進)による補正が行われ、角度偏差が正、つまりスクリュの前進方向の差であれば逆回転(スクリュ後退)による補正が行われる。
【0019】
なお、射出成形は、射出・保圧一計量前後退一計量一計量後後退−射出・保圧という動作が繰り返されることで行われる。そして、上記の角度補正動作は、計量前後退の直前あるいは直後、計量後後退の直前あるいは直後のいずれかのタイミングで行われる。計量前後退というのは、保圧工程が終了して圧抜きを行うために実行される動作であり、計量後後退というのは、計量工程が終了してから圧抜きを行うために実行される動作である。ここで、例えば金型に充填される樹脂量が少ない場合(成形品の重量小)、スクリュの移動量は小さい。このような場合に、計量後後退の直前あるいは直後のタイミングで角度補正動作が実行されると、角度補正に伴うスクリュの移動が樹脂密度に影響を及ぼし、ひいては成形品質に悪影響を及ぼすことがあるので、角度補正動作は計量前後退の直前あるいは直後に行われるのが好ましい。
【0020】
上記のように、あらかじめ設定した基準角度位置を基準として、スクリュの回転角度位置を基準角度位置に合わすように1ショット毎に補正動作を行なうことで、計量開始時のスクリュのフライト位置が一定化する。
【0021】
電動射出成形機においては、計量中のスクリュ後退動作はロードセル(図2の15)で検出される圧力値を監視しながら、コントローラが能動的に後退速度を制御している。このため、圧力の立ちあがり特性にばらつきがあると、図1(a)のように、スクリュの後退開始位置にばらつきが生じてしまう。これに対し、上記の角度補正動作によりスクリュの回転角度位置を基準角度位置に一定化することで、図1(b)に示すように、上記のばらつきが改善される。
【0022】
そして、計量開始時のスクリュのフライト位置が一定化することにより、ホッパ口での樹脂の噛み込み状態がショット間で均一化される。これにより、加熱シリンダ先端側の樹脂密度分布が均一化の方向へ改善されるため、成形品の品質が安定する。
【0023】
なお、上記の形態では角度補正動作をショット毎に実行するようにしているが、任意のショット間隔で行うようにしても良い。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、スクリュのフライトの姿勢が同一となるような補正制御を実行するようにしたことにより、成形品の品質、特に重量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による角度補正動作を行う場合(b)と行わない場合(a)の違いを説明するための時間−スクリュ位置の特性図である。
【図2】電動射出成形機の構成を射出装置を中心に示した図である。
【図3】射出成形機のスクリュの一例を説明するための図である。
【図4】加熱シリンダのホッパ口におけるスクリュ位置と樹脂との関係を説明するための模式図である。
【符号の説明】
11 ボールネジ
12 ナット
13 プレッシャプレート
14 ガイドバー
15 ロードセル
16 ベアリング
17 ドライブシャフト
18 タイミングベルト
20 スクリュ
21 加熱シリンダ
24 位置検出器
Claims (2)
- スクリュの回転角度位置に基準角度位置をあらかじめ設定し、計量工程の直前において検出されたスクリュの回転角度位置と前記基準角度位置との角度偏差を求め、
前記角度偏差が負の場合は正回転を、前記角度偏差が正の場合は逆回転をさせて、前記スクリュの回転角度位置を前記基準角度位置に合うように補正する角度補正動作を任意のショット間隔で実行することを特徴とする射出成形機の制御方法。 - 請求項1記載の制御方法において、前記角度補正動作を、計量工程の直前に行われるスクリュ後退動作の直前あるいは直後に実行することを特徴とする射出成形機の制御方法。
Priority Applications (1)
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