JP3661920B2 - 二重筒部を備えた成形体の製造方法 - Google Patents

二重筒部を備えた成形体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、二重筒部を備えた成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、二重筒部を備えた成形体で内筒部の周壁に孔を備えた構造として、例えば、車両の駆動系統に組み込まれて用いられる、ブレーキハブ及びクラッチハブを備えた機能部品1T(図27参照)が知られている。
また、機能部品1Tの内筒部2T及外筒部3Tには、それぞれ周方向Sに沿い多数の内歯24t及外歯34tが等間隔に形成されている。
【0003】
前記各内歯24tの歯先面240及各外歯34tの歯先面340には、潤滑油を流通させるための孔25t及び孔35tが設けられている。
ここで、機能部品1Tの内歯24t及外歯34tは、それぞれ機能部品1Tの中心軸線Pに沿って移動する相手部材(図示せず)の歯が着脱可能に噛み合う内スプライン及び外スプラインとし機能し、前記相手部材とで回転駆動力を伝達及び遮断する重要な役目を果たす。
【0004】
このように、内筒部2T及び外筒部3Tは、内歯24t及外歯34tを備えるため、一枚の金属板に絞り加工を施し、同心円状位置で精度高く一体的に形成することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内筒部2Tと外筒部3Tとの間隙e1や、内筒部2Tの周壁22tと底部分20との間に形成(底部分20より連続し半径外方向R1に向かって傾斜する傾斜部分210及び周壁22tに連続する第2底部分211とにより形成)された断面略V形の狭い空間eが存在するため、内筒部2Tの周壁22tに孔25tを形成する打ち抜き加工用治具(打ち抜き型)あるいは穿孔加工用刃具(ドリル)を配置するスペースが得られない。
【0006】
このため、やむを得ず、予め、二つの部品として別々に形成された内筒部2Tと外筒部3Tを、それぞれ軸心線P1とP2とを同一直線上で一致させ溶接により一体化して機能部品1Tを製造した場合には、高い精度を必要とする内歯24t及外歯34tを備えるため、溶接時における熱影響で歪、寸法精度、強度などの低下やバラツキなど、不具合を発生させやすい。
【0007】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、内筒部の周壁に孔を形成する必要がある二重筒部を備えた成形体を、絞り加工を用いて一枚の金属板から精度高く製造可能とした製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の二重筒部を備えた成形体の製造方法は、周壁に孔をもつ内筒部と、この内筒部に連続する外筒部と、からなる二重筒部を備えた成形体を製造する方法であって、
一枚の金属板を所定幅の周縁部を残して中央領域に絞り加工を施し、該金属板の一面側からほぼ垂直に伸び、該周縁部の内周側に連続する有底の内筒部を形成する内筒部形成工程と、
該内筒部の周壁に孔明け加工を施し、孔を設ける内筒部孔形成工程と、
該内筒部の底に対向する該内筒部の開口部分から半径外方向の所定の位置で該周縁部に絞り加工を施し、該内筒部とほぼ平行に伸び、該内筒部に連続する外筒を形成する外筒部形成工程と、よりなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の二重筒部を備えた成形体の製造方法は、内筒部形成工程、内筒部孔形成工程、外筒部形成工程よりなる。
内筒部形成工程で用いる一枚の金属板は、有底の内筒部及び内筒部に連続する外筒部を形成することができる加工代を含む大きさのものであればよく、例えば、前記加工代を含む大きさに予め円形に加工されたものを用いることができる。
【0010】
内筒部形成工程は、一枚の金属板から、その所定幅の周縁部を残して中央領域に絞り加工を施し、金属板の一面側からからほぼ垂直に伸び、周縁部の内周側に連続する有底の内筒部を形成すること以外に、以下に示すような他の部分工程を用いることができる。
すなわち、内筒部形成工程における他の部分工程としては、例えば、形成途中の内筒部の底部分に位置決め用の孔を形成する位置決め孔形成工程や、形成後の内筒部の周壁に加工を施し、周方向に沿い歯形状の凹凸が交互にかつ等間隔に形成された複数の内歯を形成する内歯工程や、内歯工程の後で内筒部の底部分と周壁との境界に圧縮加工を施し、剛性を高めた強固な構造とする強化工程や、内筒部の底部分にバーリング用下孔を設ける下孔形成工程や、内筒部の底部分に形成されたバーリング用下孔の内周端を軸心線に平行に突出させるリング状突起形成工程や、リング状突起の先端形状を整える整形工程、などである。前記内歯は、内筒部の軸心線に平行な複数の内スプラインを構成する。
【0011】
内筒部孔形成工程では、内筒部の周壁に孔明け加工を施し、孔を設ける場合、例えば、ひとつの孔を周壁に形成することや、周方向に沿い等間隔に複数個の孔を周壁に形成することや、周方向に沿い目的とする位置にのみ、複数個の孔を周壁に形成することや、内筒部の軸心線に沿い互いに位相する複数個の孔を周壁に形成すること、などができる。
【0012】
また、これらの孔を形成する対象となる内筒部の周壁は、例えば、前記内歯構造を備えたものであってもよい。
外筒部形成工程は、内筒部の有底に対向する内筒部の開口部分から半径外方向の所定の位置で周縁部に絞り加工を施し、内筒部とほぼ平行に伸び、内筒部に連続する外筒部を形成すること以外に、以下に示すような他の部分工程を用いることができる。
【0013】
すなわち、外筒部形成工程における他の部分工程としては、例えば、外筒部を前記内筒部に連続する側から軸心線に沿い順に、小径外筒部と大径外筒部とする絞り部分工程や、形成後の外筒部の底部分及び内筒部の底部分に孔を形成する孔明け工程や、形成後の外筒部の周壁に加工を施し、周方向に沿い歯形状の凹凸が交互にかつ等間隔に形成された複数の外歯を形成する外歯工程などである。
【0014】
前記外歯は、外筒部の軸心線に平行な複数の外スプラインを構成する。
前記外歯工程としては、例えば、グローブ転造法や、寄せカム法や、しごき成形法などを用いることができる。
【0015】
【実施例】
本発明の二重筒部を備えた成形体の製造方法の実施例として、車両の駆動系統に組み込まれ使用される、クラッチハブ形状の内筒部2とブレーキハブ形状の外筒部3aを備えた機能部品1(図1、図2参照)に利用可能な二重筒部を備えた成形体1n(図16、図26参照)を製造する場合に適用し、以下に説明する。
【0016】
二重筒部を備えた成形体1nは、図5に断面して示す一枚の金属製の円形板1aに、成形型あるいは打ち抜き型を備えた図略の種々のプレス加工装置を用い、内筒部形成工程、内筒部孔形成工程、外筒部形成工程を順に施すことにより製造される。
(内筒部形成工程)
内筒部形成工程は、第1絞り成形部分工程、第2絞り成形部分工程、位置決め孔明け及びアール(R)成形部分工程、内歯成形部分工程よりなり、予め用意された厚さtが1.6mm、所定直径Dが220mmの円形板1a(図5参照)に、前記各部分工程を順に施すことにより図6〜図9に示す形状に加工する。すなわち、
第1絞り成形部分工程では、図略の第1絞り型を用い、円形板1aに所定幅の周縁部3aを残して中央領域2aに絞り加工を施すことにより、中央領域2aを他面11側より一面10側に窪ませ、図6に示されるように凹部2bと、周縁部3bを備えた形状の第1中間加工品1bが得られる。
【0017】
凹部2bは、底部分20b及び底部分20bとリング状の周縁部3bとの間で、前記底部分20bから半径外方向R1で下方に円弧状に延びる第1接続部分21bと、傾斜状の周壁22bと、周壁22bから円弧状に周縁部3bに延びる第2接続部分23bとで形成される。
第2絞り成形部分工程では、前記第1中間加工品1bの凹部2bに図略の第2絞り型を用いて第2絞り加工を施すことにより、図7に示されるように内筒部2cを備えた形状の第2中間加工品1cが得られる。
【0018】
内筒部2cは、底部分20c及び底部分20cと周縁部3cとの間で、前記底部分20cから半径外方向R1で下方に斜めに延びる第1接続部分21cと、第1接続部分21cから垂下する周壁22cと、周壁22cから周縁部3c側に小径円弧状に延びる第2接続部分23cとで形成される。
位置決め孔明け及びアール(R)成形部分工程では、前記第2中間加工品1cの底部分20c及び第2接続部分23cに、図略の成形型を用いて孔明け加工及び成形加工を施すことにより、図8、図18に示されるように略三角形のパイロット孔200を形成した底部分20d及び傾斜状の第2接続部分23を備えた形状の第3中間加工品1dが得られる。
【0019】
内歯成形部分工程では、前記第3中間加工品1dの内筒部2dの周壁22cに、図略の成形型を用いて内歯成形加工を施すことにより、図9、図19に示されるように周壁22cに周方向Sに沿い等間隔に32個の内歯24を形成した内筒部2を備えた形状の第4中間加工品1eが得られる。
第4中間加工品1eの内筒部2は、後記する内歯孔明け部分工程で用いるダイス4(図17参照)を配置できる内周側スペースE(図9参照)を備えている。また内歯24は、内筒部2の軸心線Pに平行な複数の内スプラインを構成する。
【0020】
(内筒部孔形成工程)
内筒部孔形成工程は、内歯孔明け部分工程、底部分面成形部分工程、バーリング用下孔明け部分工程、リング状突起成形部分工程、リング状突起整形部分工程よりなり、前記第4中間加工品1eに前記各部分工程を順に施すことにより図10〜図13に示す形状に加工する。すなわち、
内歯孔明け部分工程では、図17に示すダイス4とポンチ6a、6bが用いられる。
【0021】
ダイス4は、第4中間加工品1eにおける内筒部2の内周側に周方向S(図19参照)に沿い交互に形成されている凹凸形状(内歯24の内周側形状)に相似した外周側形状(外観形状)の筒状体で、図略の保持部材によって所定の位置で基台5に固定保持されて用いられる。
このダイス4は、軸心線P3方向に貫通する中心孔40と、平坦な頂面41と、頂面41の外端部から下方に傾斜する傾斜面42と、傾斜面42から垂下するとともに周方向Sに内筒部2の各内歯24に対向する外周面43とよりなる。
【0022】
外周面43には、内筒部2の各内歯24の歯先面240に対向する部分に長孔形状の打抜孔45a、45bが周方向Sに交互に設けられている。打抜孔45a、45bは、軸心線P3方向に目的とする間隔で位相した位置に設けられ、前記中心孔40に連通している。また、外周面43には、内筒部2を内歯24の歯筋方向と平行な軸心線P3に沿い着脱可能に装着できる。
【0023】
ポンチ6a及び6bは、打抜孔45a及び45bに対向する位置で周方向Sに交互に配置されるとともに、それぞれ往復(半径内方向R2及び半径外方向R1)移動し出没可能に図略の加圧駆動装置に連動可能に装着されている。
内歯孔明け部分工程では、図17に示すダイス4に第4中間加工品1eがセットされる。このとき、内筒部2は、底部分20d及び第1接続部分21cがダイス4の頂部41及び傾斜面42に載置される。このとき、内筒部2eの各内歯24は、前記内歯24と相似形のダイス4の外周面43に沿い当接した状態にあり、かつ内筒部2は、周方向Sへの移動を拘束されるため、位置ズレすることなく、精度よく位置決めできる。
【0024】
そしてダイス4とポンチ6a、6bを用い、内筒部2の各内歯24の半径外方向R1に突出する歯先面240に孔明け加工が同時に施される(図7参照)。
ポンチ6a、6bは、同時に半径内方向R2(軸心線P3に交差する方向)に向かって放射状に移動し、ダイス4の打抜孔45a、45bとで、各内歯24の歯先面240の一部を剪断し、かつ穿孔し、周方向Sに沿い交互に隣合う各内歯24の歯先面240に、内筒部2の軸心線P方向に沿い位相した長孔25a、25bが交互に形成され、かつ長孔25a、25bを備えた形状の第5中間加工品1f(図10、図20参照)が得られる。
【0025】
この場合、同時に等間隔位置から各歯先面240に穿孔されるため、内筒部2の周壁22が剪断時に付与される応力が周方向にバランスされ、歪み、撓み、捩じれ、などの発生を抑えることができる。
長孔25aは、歯先面240の幅方向(図3の周方向S参照)の中央に形成され所定の幅w1を備えるとともに、後記する外筒部3の底部分30(図2、図3参照)を形成する領域となる周縁部3d(図17参照)の一面30dから所定の高さh1位置を中心とし、所定の長さL1(図3参照)に形成されている。
【0026】
長孔25bは、位相した位置に形成されること以外は長孔25aと同じで、前記周縁部3d(図17参照)の一面30dから前記長孔25aの高さh1位置より高い、所定の高さh2位置を中心とし、所定の長さL2(図3参照)に形成される。
このようにして、第4中間加工品1eの内筒部2の各内歯24の歯先面240に孔明け加工を施すことにより、図10、図17、図20に示されるように第5中間加工品1fが得られる。
【0027】
底部分面成形部分工程では、図略の成形型を用い、前記第5中間加工品1fの内筒部2の周壁22より軸方向Pに沿い上方側に突出する位置(図10のh3参照)の底部分20dにプレス加工を施すことにより、図11に示されるように内筒部2の開口26側に窪ませた位置h4に変形させた第1底部分20g及び第1底部分20gから断面略V形のリング状に圧縮した空間eを形成し、かつ突出させた傾斜部分210及び第2底部分211を形成することにより強化され剛性を高めた形状の第6中間加工品1gが得られる。
【0028】
ここで、第6中間加工品1gの底部分20g(図11のD2領域)と第1接続部分(傾斜部分)210及び第2底部分211(図11のd2領域)とを合わせた体積は、前記第5中間加工品1fの底部分20d(図10のD1領域)と第1接続部分(傾斜部分)21c(図10のd1領域)とを合わせた体積に等しい。このため、底部分面成形部分工程に伴う形状変形時に、歪みを発生せず、精度よく加工できる。
【0029】
バーリング用下孔明け部分工程では、前記第6中間加工品1gの底部分20の略三角形のパイロット孔200の外周側に、図略の成形型を用いて打ち抜き加工を施すことにより、図12及び図22に示されるように円形孔201を備えた形状の第7中間加工品1hが得られる。
リング状突起成形部分工程では、図略の成形型を用い、前記第7中間加工品1hの底部分20で円形孔201の内周端部分202を軸心線Pと平行に短く折り曲げ(下方に垂直に曲げ)る加工(バーリング)を施すことにより、図13及び図23に示されるように、軸心線Pと平行に短く突出したリング状突出部203を備えた形状の第8中間加工品1jが得られる。
【0030】
リング状突起整形部分工程では、前記リング状突起成形部分工程に伴い得られた第8中間加工品1jのリング状突出部203における先端側が肉引状態となり若干、変形する(肉厚が薄くなる)ため、図略の成形型を用いてリング状突出部203を軸心線Pに沿い約0.5mmほどの圧縮代分、加圧して圧縮し元の肉厚に戻すとともに、平坦な先端面204に整える(図13参照)。
【0031】
(外筒部形成工程)
外筒部形成工程は、第3絞り部分工程と、第4絞り部分工程と、底部分部孔明け部分工程とよりなり、第8中間加工品1jに前記各部分工程を順に施すことにより図14〜図15に示すように加工する。すなわち、
第3絞り部分工程では、図略の成形型を用い、第8中間加工品1jの内筒部2の周縁部3dに絞り加工を施すことにより、図14、図24に示されるように内筒部2とほぼ平行に伸び、内筒部2の第2接続部分23に連続する第4底部分31及び小円弧状の第3接続部分32kが形成された外筒部3kを備えた形状の第9中間加工品1kが得られる。
【0032】
第4絞り部分工程では、図略の成形型を用い、第9中間加工品1gの外筒部3k及び第3接続部分32kに絞り加工を施すことにより、図15、図25に示されるように内筒部2に連続する側より半径外方向R1に小径外筒部分320、傾斜部分321、大径外筒部分322の順に成形された外筒部3を備えた形状の第10中間加工品1mが得られる。
【0033】
底部分部孔明け部分工程では、図略の成形型を用い、第10中間加工品1mの内筒部2の底部分20及び外筒部3の底部分31に加工を施すことにより、図16、図26に示されるように円形の孔205及び円弧状に長形の孔310が形成された、二重筒部を備えた成形体1n(参照)が得られる。
孔205は、成形体1nを後記する機能部品1として車両の駆動系に組み込み使用する場合に、組み込み対象部材への取り付け部として機能する。孔310は、成形体1nの重量を軽減するために役立つ。
【0034】
前記のようにして製造された成形体1nには、外歯形成工程が施される。
外歯形成工程では、図略の転造装置を用い、成形体1nの外筒部3の大径外筒部分322に加工を施すことにより、図1に示されるように、周方向Sに沿い外歯34を等間隔に形成する。
この後、外歯34には、その歯先面340に図略の打ち抜き加工などにより、潤滑油が流通する通路の一部となる長孔35(図1、図2、図4参照)が形成される。このようにしてクラッチハブ形状の内筒部2とブレーキハブ形状の外筒部3aを備えた機能部品1(図1、図2参照)が得られる。
【0035】
実施例の製造方法によれば、一枚の金属製の円形板1aをプレス加工することにより、周壁22の内歯24に孔25a、25bを形成する必要があるクラッチハブ形状の内筒部2及び外筒部3(後工程で外歯34が形成されブレーキハブ形状する対象領域)を備える二重筒部を備えた成形体1nを精度高く製造することが可能となった。
【0036】
そして実施例の製造方法により得られた二重筒部を備えた成形体1nは、その外筒部3に外歯34を形成する工程及び外歯34の歯先面340に長孔35を形成する工程を付与するのみで、機能部品1とすることができる。
従って、図27に示す前記従来のように、一枚の金属板からでは困難とされていた機能部品1Tを、予め、二つの部品として別々に形成されたクラッチハブ形状の内筒部2Tと、ブレーキハブ形状の外筒部3Tとを溶接することにより一体的に連結せずにすむ。
【0037】
このため、内筒部2Tと、外筒部3Tとを溶接することによる不具合、すなわち、溶接時の熱影響で歪、寸法精度、強度などの低下やバラツキなど、不具合を発生させやすいことを解消できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、一枚の金属板に、内筒部形成工程、内筒部孔形成工程、外筒部形成工程の順に加工を施すことにより、従来、一枚の金属板からでは製造することが困難とされていた、周壁に孔をもつ内筒部と、この内筒部に連続する外筒部からなる二重筒部を備えた成形体を精度高くプレス加工により製造できる。
【0039】
このため、二重筒部を備えた成形体を製造する場合、前記従来の製造方法のように、予め、別々に製造された二つの筒状部品を同心円状位置に配置し一体化に必要な溶接工程を用いないですむ。
従って、本発明の製造方法によると、前記従来における二つの筒状部品を溶接し機能部品として製造する場合の不具合(溶接時の熱影響による歪、寸法精度、強度などのバラツキによる品質低下)を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の製造方法により、製造された二重筒部を備えた成形体を用い、その外筒部に外歯を形成しクラッチハブ及びブレーキハブを備えた機能部品とした状態を部分断面して示す底面図。
【図2】図1におけるA−A線断面矢視図。
【図3】図2におけるB−B線断面矢視図。
【図4】図2におけるC−C線断面矢視図。
【図5】実施例の製造方法で用いられる金属製の円形板(素材)を示す断面図。
【図6】図5における円形板に第1絞り成形部分工程を施すことにより得られた第1中間加工品を示す断面図。
【図7】図6における第1中間加工品に第2絞り成形部分工程を施すことにより得られた第2中間加工品を示す断面図。
【図8】図7における第2中間加工品に位置決め孔明け及びアール成形部分工程を施すことにより得られた第3中間加工品を示す断面図。
【図9】図8における第3中間加工品に内歯成形部分工程を施すことにより得られた第4中間加工品を示す断面図。
【図10】図9における第4中間加工品に内歯孔明け部分工程を施すことにより得られた第5中間加工品を示す断面図(図20におけるD−D線断面矢視位置相当を示す)。
【図11】図10における第5中間加工品に底部分面成形部分工程を施すことにより得られた第6中間加工品を示す断面図。
【図12】図11における第6中間加工品にバーリング用下孔明け部分工程を施すことにより得られた第7中間加工品を示す断面図。
【図13】図12における第7中間加工品にリング状突起成形部分工程及びリング状突起整形部分工程を施すことにより得られた第8中間加工品を示す断面図。
【図14】図13における第8中間加工品に第3絞り部分工程を施すことにより得られた第9中間加工品を示す断面図。
【図15】図14における第9中間加工品に第4絞り部分工程を施すことにより得られた第10中間加工品を示す断面図。
【図16】図15における第10中間加工品に底部孔明け部分工程を施すことにより得られた二重筒部を備えた成形体を示す断面図。
【図17】ダイスとポンチにより、内筒部の内歯に孔明け加工を施すことによりた状態及び孔明け加工後の第5中間加工品を示す断面図。
【図18】図8における第3中間加工品を示す平面図。
【図19】図9における第4中間加工品を部分断面して示す平面図。
【図20】図10における第5中間加工品を部分断面して示す平面図。
【図21】図11における第6中間加工品を示す平面図。
【図22】図12における第7中間加工品を示す平面図。
【図23】図13における第8中間加工品を示す平面図。
【図24】図14における第9中間加工品を示す平面図。
【図25】図15における第10中間加工品を示す平面図。
【図26】図16における二重筒部を備えた成形体を示す平面図。
【図27】従来例における二重筒部を備えた成形体を、予め別々に成形された2つの部品を溶接により一体化する製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
1…クラッチハブ及びブレーキハブを備えた機能部品
1a…円形板状の素材 1b…第1中間加工品 1c…第2中間加工品
1d…第3中間加工品 1e…第4中間加工品 1f…第5中間加工品
1g…第6中間加工品 1h…第7中間加工品 1j…第8中間加工品
1k…第9中間加工品 1m…第10中間加工品
1n…二重筒部を備えた成形体
2…内筒部 24…内歯 240…歯先面 25a、25b…孔 3…外筒部
34…外歯 340…歯先面 35…孔 4…ダイス 6a、6b…ポンチ

Claims (1)

  1. 周壁に孔をもつ内筒部と、この内筒部に連続する外筒部と、からなる二重筒部を備えた成形体を製造する方法であって、
    一枚の金属板を所定幅の周縁部を残して中央領域に絞り加工を施し、該金属板の一面側からほぼ垂直に伸び、該周縁部の内周側に連続する有底の内筒部を形成する内筒部形成工程と、
    該内筒部の周壁に孔明け加工を施し、孔を設ける内筒部孔形成工程と、
    該内筒部の底に対向する該内筒部の開口部分から半径外方向の所定の位置で該周縁部に絞り加工を施し、該内筒部とほぼ平行に伸び、該内筒部に連続する外筒を形成する外筒部形成工程と、よりなる二重筒部を備えた成形体の製造方法。
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