JP3661817B2 - 色補正装置、色補正制御装置および色補正システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置間で色合わせを行うための色補正装置、色補正制御装置および色補正システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
放送局用ビデオカメラでは、ビデオカメラ(以下、単にカメラと言う。)間で厳密な色合わせを必要とする。しかし、放送局用カメラのような撮像装置では、CCD(電荷結合素子)等の撮像素子の前面に配置されるカラーフィルタや色分解プリズムの分光特性が、各装置毎に微妙に異なるため、これを補正しない場合には、出力映像の色が装置間で変わってしまう。そこで、本出願人は、放送局用カメラ等において予め設けられているリニアマトリックス回路を用いて、装置毎に色補正を行うことを提案している。なお、リニアマトリックス回路は、カメラの分光撮像特性が例えばNTSC方式の理想分光撮像特性と異なることから生じる色再現誤差を電子的に補正する回路である。このリニアマトリックス回路を用いて装置間の色の違いを補正する方法では、2台の撮像装置で、特定の同じ色、例えばカラーチャート内の各色を同じ条件で測定して得られたデータを用いて、2台の撮像装置間での色の違いが小さくなるようにリニアマトリックス回路における係数を計算で求め、この係数をリニアマトリックス回路に与える処理を行うようになっている。
【0003】
ここで、リニアマトリックス回路を用いた色合わせの方法について簡単に説明する。リニアマトリックス回路は、例えば以下の(1)式のマトリックス演算を行う。
【0004】
【0005】
(1)式において、Ri ,Gi ,Bi はリニアマトリックス回路に入力される赤色信号,緑色信号,青色信号、R0 ,G0 ,B0 はリニアマトリックス回路より出力される赤色信号,緑色信号,青色信号である。また、a〜fは係数であり、リニアマトリックス回路を用いた色合わせでは、カメラ間で色の誤差が最小になるように、これらの係数を決定する。
【0006】
色合わせは、次のようにして行われる。まず、色を合わせようとする各カメラで、マクベスカラーチャート(Macbeth Color Chart;商品名)のようなカラーチャート等を用いて指定した色を撮像し、その赤色信号,緑色信号,青色信号の各レベルを検出する。これを数色について行う。そして、各色毎に、基準となるカメラで検出した赤色信号,緑色信号,青色信号の各レベルを(1)式におけるR0 ,G0 ,B0 に代入し、基準となるカメラに色に合わせ込む方のカメラで検出した赤色信号,緑色信号,青色信号の各レベルを(1)式におけるRi ,Gi ,Bi に代入して、係数a〜fを算出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなリニアマトリックス回路を用いた色合わせでは、2色について色合わせを行う場合には係数a〜fはそれぞれ1値しか出てこないので、指定した色をカメラ間で一致させることはできるが、3色以上について色合わせを行う場合には、一般に係数a〜fはそれぞれ1値としては求まらないので、例えば最小自乗法を用いて、カメラ間における各色毎の誤差の自乗和が最小になるように係数a〜fを決めることになる。そのため、リニアマトリックス回路を用いた色合わせでは、数色について平均的に近い色にすることは可能であるが、全ての色について装置間の色の違いをなくすことは困難であるという不具合があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、多数の色について、撮像装置間で色合わせを行うことができるようにした色補正装置、色補正制御装置および色補正システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の色補正装置は、被写体を撮像して被写体の色の情報を含む信号を生成する撮像手段を有する撮像装置に用いられ、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて、色を表現するための色表現データを生成する色表現データ生成手段と、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色表現データを座標で表すための色立体空間を複数の領域に分割し、各領域毎に定められた演算内容に従って、色表現データ生成手段によって生成された色表現データを補正する補正手段とを備えたものである。
そして、色表現データは、明度Y、色相Hおよび彩度Sのデータであり、色立体空間は、明度Yを高さ方向の軸とし、その明度Yの軸に垂直な平面における明度Yの軸からの距離が彩度Sを表し、その明度Yの軸に垂直な平面における所定の軸からの回転角が色相Hを表すような、(明度Y,色相H,彩度S)の座標空間で表されるものであり、あらかじめ、色合わせの基準となる基準用撮像装置における撮像手段によってn(=2以上の整数)個の色が撮像され、色合わせの基準となるn個の色についての色表現データが色立体空間上で(Y r1 ,H r1 ,S r1 )、(Y r2 ,H r2 ,S r2 )、…(Y rn ,H rn ,S rn )として求められ、その求められた基準となる色相のデータH r1 〜H rn の色立体空間上における、隣接するもの同士の中間に、色立体空間を分割するための基準となる境界線が設定されるようにし、補正手段が、基準となる境界線を境界として色立体空間を複数の領域に分割し、その領域毎に補正を行うようにしたものである。
【0010】
請求項3記載の色補正制御装置は、被写体を撮像して被写体の色の情報を含む信号を生成する撮像手段と、この撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて、色を表現するための色表現データを生成する色表現データ生成手段と、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色表現データを座標で表すための色立体空間を複数の領域に分割し、各領域毎に定められた演算内容に従って、色表現データ生成手段によって生成された色表現データを補正する補正手段とを備えた撮像装置における補正手段を制御する色補正制御装置であって、所定の複数の色に対応させて色立体空間を複数の領域に分割し、所定の複数の色を撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、各領域毎に補正手段における演算内容を決定して、補正手段を制御する演算内容決定手段を備えたものである。
そして、色表現データは、明度Y、色相Hおよび彩度Sのデータであり、色立体空間は、明度Yを高さ方向の軸とし、その明度Yの軸に垂直な平面における明度Yの軸からの距離が彩度Sを表し、その明度Yの軸に垂直な平面における所定の軸からの回転角が色相Hを表すような、(明度Y,色相H,彩度S)の座標空間で表されるものであり、演算内容決定手段が、色合わせの基準となる基準用撮像装置における撮像手段によって撮像されたn(=2以上の整数)個の色信号のデータを基準となる情報として取得し、それに基づいて、色合わせの基準となるn個の色についての色表現データを色立体空間上で(Y r1 ,H r1 ,S r1 )、(Y r2 ,H r2 ,S r2 )、…(Y rn ,H rn ,S rn )として求め、その求められた基準となる色相のデータH r1 〜H rn の色立体空間上における、隣接するもの同士の中間に、色立体空間を分割するための基準となる境界線を設定し、その基準となる境界線を境界として色立体空間を複数の領域に分割するようにしたものである。
【0011】
請求項4記載の色補正システムは、被写体を撮像して被写体の色の情報を含む信号を生成する撮像手段を有する撮像装置に用いられ、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて、色を表現するための色表現データを生成する色表現データ生成手段と、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色表現データを座標で表すための色立体空間を複数の領域に分割し、各領域毎に定められた演算内容に従って、色表現データ生成手段によって生成された色表現データを補正する補正手段と、所定の複数の色に対応させて色立体空間を複数の領域に分割し、所定の複数の色を撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、各領域毎に、補正手段における演算内容を決定して、補正手段を制御する演算内容決定手段とを備えたものである。
そして、色表現データは、明度Y、色相Hおよび彩度Sのデータであり、色立体空間は、明度Yを高さ方向の軸とし、その明度Yの軸に垂直な平面における明度Yの軸からの距離が彩度Sを表し、その明度Yの軸に垂直な平面における所定の軸からの回転角が色相Hを表すような、(明度Y,色相H,彩度S)の座標空間で表されるものであり、演算内容決定手段が、色合わせの基準となる基準用撮像装置における撮像手段によって撮像されたn(=2以上の整数)個の色信号のデータを基準となる情報として取得し、それに基づいて、色合わせの基準となるn個の色についての色表現データを色立体空間上で(Y r1 ,H r1 ,S r1 )、(Y r2 ,H r2 ,S r2 )、…(Y rn ,H rn ,S rn )として求め、その求められた基準となる色相のデータH r1 〜H rn の色立体空間上における、隣接するもの同士の中間に、色立体空間を分割するための基準となる境界線を設定し、その基準となる境界線を境界として色立体空間を複数の領域に分割し、補正手段が、基準となる境界線を境界として色立体空間を複数の領域に分割し、その領域毎に補正を行うようにしたものである。
【0012】
請求項1記載の色補正装置では、色表現データ生成手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて色表現データが生成され、補正手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色立体空間を分割した各領域毎に定められた演算内容に従って色表現データが補正される。
【0013】
請求項3記載の色補正制御装置では、演算内容決定手段によって、所定の複数の色に対応させて色立体空間を分割した各領域毎に、所定の複数の色を撮像装置における撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、撮像装置における補正手段における演算内容が決定され、補正手段が制御される。
【0014】
請求項4記載の色補正システムでは、演算内容決定手段によって、所定の複数の色に対応させて色立体空間を分割した各領域毎に、所定の複数の色を撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、補正手段における演算内容が決定され、色表現データ生成手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて色表現データが生成され、補正手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、各領域毎に演算内容決定手段によって決定された演算内容に従って色表現データが補正される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る色補正装置を含むカメラシステムの構成を示すブロック図である。このカメラシステムは、撮像装置本体としてのカメラ10と、このカメラ10とは別体にされ、カメラ10に接続されてカメラ10を制御する制御装置としてのカメラコントロールユニット(以下、CCUと記す。)30とを備えている。カメラ10は、電子回路部分であるカメラヘッドユニット(以下、CHUと記す。)を有している。
【0016】
図2は、図1におけるカメラ10内のCHUの構成を示すブロック図である。このCHUは、撮像素子としての3つのCCD11R,11G,11Bを備えている。被写体からの光は、図示しないカラーフィルタや色分解プリズムを含む撮像光学系によって、赤色光,緑色光および青色光に分解されて、それぞれCCD11R,11G,11B上に結像されるようになっている。そして、このCCD11R,11G,11Bによって、それぞれ赤色画像,緑色画像および青色画像が撮像され、赤色信号(以下、R信号と記す。),緑色信号(以下、G信号と記す。)および青色信号(以下、B信号と記す。)が出力されるようになっている。
【0017】
CHUは、更に、CCD11R,11G,11Bより出力されるR,G,B信号を増幅するプリアンプ(図ではPAと記す。)12R,12G,12Bと、このプリアンプ12R,12G,12Bの各出力信号を入力し、これらの間のブラックレベルやホワイトレベルを合わせるためのビデオアンプ(図ではVAと記す。)13R,13G,13Bと、このビデオアンプ13R,13G,13Bの各出力信号をアナログ−ディジタル(以下、A/Dと記す。)変換するA/D変換器14R,14G,14Bと、このA/D変換器14R,14G,14Bの各出力信号を1水平期間(1H)だけ遅延させる遅延回路15R,15G,15Bと、この遅延回路15R,15G,15Bの各出力信号を1水平期間だけ遅延させる遅延回路16R,16G,16Bと、A/D変換器14R,14G,14Bの各出力信号および遅延回路15R,15G,15B,16R,16G,16Bの各出力信号を入力し、これらに基づいて、水平,垂直各方向の高域成分を増幅し、輪郭を強調するための輪郭強調信号を生成し出力する輪郭強調信号生成回路17とを備えている。
【0018】
CHUは、更に、遅延回路15R,15G,15Bの各出力信号を入力し、カメラの分光撮像特性が例えばNTSC方式の理想分光撮像特性の異なることから生じる色再現誤差を補正するためのリニアマトリックス回路18と、このリニアマトリックス回路18より出力されるR,G,B信号と輪郭強調信号生成回路17より出力される輪郭強調信号とを加算する加算器19R,19G,19Bと、この加算器19R,19G,19Bの各出力信号の高輝度部分を圧縮して、見かけ上のダイナミックレンジを広げるニー回路20R,20G,20Bと、このニー回路20R,20G,20Bの各出力信号に対して受像機側の電圧−輝度特性の逆関数を掛けるガンマ補正を行うガンマ補正回路21R,21G,21Bとを備えている。
【0019】
CHUは、更に、ガンマ補正回路21R,21G,21Bより出力されるR,G,B信号を、輝度信号(以下、Y信号と記す。),赤色差信号(以下、R−Y信号と記す。)および青色差信号(以下、B−Y信号と記す。)に変換するマトリックス回路22と、このマトリックス回路22の出力信号を入力して、色変調処理,同期信号の付加処理,輝度信号と色信号との加算処理等を行ってNTSC方式やPAL方式等のカラー映像信号を生成し出力するエンコーダ23と、このエンコーダ23の出力信号をD/A変換してアナログコンポジット信号25を出力するD/A変換器24と、マトリックス回路22の出力信号をパラレル−シリアル変換して、シリアルディジタルビデオ信号31を出力するパラレル−シリアル変換回路26とを備えている。
【0020】
ここで、図2に示したCHUの動作について説明する。このCHUでは、CCD11R,11G,11Bより出力されるR,G,B信号は、それぞれ、プリアンプ12R,12G,12Bによって増幅され、ビデオアンプ13R,13G,13Bによって、ブラックレベルやホワイトレベルが合わせられ、A/D変換器14R,14G,14BによってA/D変換され、遅延回路15R,15G,15Bによって1水平期間遅延され、更に遅延回路16R,16G,16Bによって1水平期間遅延される。輪郭強調信号生成回路17は、A/D変換器14R,14G,14Bの各出力信号および遅延回路15R,15G,15B,16R,16G,16Bの各出力信号を入力し、これらに基づいて輪郭強調信号を生成し出力する。リニアマトリックス回路18は、遅延回路15R,15G,15Bの各出力信号を入力し、色再現誤差を補正する。加算器19R,19G,19Bは、リニアマトリックス回路18より出力されるR,G,B信号と輪郭強調信号生成回路17より出力される輪郭強調信号とを加算し、加算器19R,19G,19Bの各出力信号は、ニー回路20R,20G,20Bおよびガンマ補正回路21R,21G,21Bを経て、マトリックス回路22によってY,R−Y,B−Y信号に変換され、エンコーダ23とパラレルーシリアル変換回路26に出力される。エンコーダ23は、マトリックス回路22の出力信号に対して、色変調処理,同期信号の付加処理,輝度信号と色信号との加算処理等を行ってNTSC方式やPAL方式等のカラー映像信号を生成し出力し、このエンコーダ23の出力信号は、D/A変換器24によってD/A変換され、アナログコンポジット信号25として出力される。一方、パラレルーシリアル変換回路26は、マトリックス回路22の出力信号をパラレルーシリアル変換して、シリアルディジタルビデオ信号31として出力する。このシリアルディジタルビデオ信号31が、図1におけるCCU30に入力される。
【0021】
次に、図1に示したCCU30の構成について説明する。CCU30は、カメラ10のCHUから変調して送られてくるシリアルディジタルビデオ信号31を受信し復調する受信部32と、この受信部32の出力信号を入力して、色合わせに必要なデータの検出および色合わせを行う色合わせ処理部33と、この色合わせ処理部33の出力信号をD1フォーマットの信号に変換するマトリックス部34と、このマトリックス部34の出力信号をパラレルーシリアル変換して、シリアルディジタルビデオ信号36として出力するパラレルーシリアル変換回路35と、色合わせ処理部33の出力信号に対して、色変調処理,同期信号の付加処理,輝度信号と色信号との加算処理等を行ってNTSC方式やPAL方式等のカラー映像信号を生成し出力するエンコーダ37と、このエンコーダ37の出力信号をD/A変換してアナログコンポジット信号39として出力するD/A変換器38とを備えている。
【0022】
ここで、図1に示したCCU30の動作の概略について説明する。受信部32は、カメラ10のCHUから変調して送られてくるディジタルのビデオ信号31を復調し、R,G,B信号もしくはY,R−Y,B−Y信号にして、色合わせ処理部33に出力する。色合わせ処理部33は、色合わせに必要なデータの検出および色合わせを行うが、その内容については後で詳しく説明する。この色合わせ処理部33が、本実施の形態に係る色補正装置に相当する。
【0023】
色合わせ処理部33の出力信号は、マトリックス部34とエンコーダ37とに入力される。マトリックス部34は、色合わせ処理部33から出力されるR,G,B信号もしくはY,R−Y,B−Y信号をD1フォーマット(4:2:2,10ビット,27MHz)の信号に変換する。この信号は、パラレルーシリアル変換回路35によって、パラレルーシリアル変換され、SDI(シリアルディジタルインタフェース)フォーマット(1ビット,270MHz)のシリアルディジタルビデオ信号36として、CCU30から出力される。一方、エンコーダ37は、色合わせ処理部33の出力信号に対して、色変調処理,同期信号の付加処理,輝度信号と色信号との加算処理等を行ってNTSC方式やPAL方式等のカラー映像信号を生成し出力し、このエンコーダ37の出力信号は、D/A変換器38によってD/A変換され、アナログコンポジット信号39として、CCU30から出力される。
【0024】
なお、CCU30は、図1に示した構成要素の他に、外部から入力されるリファレンスビデオ信号に同期した同期信号を生成する信号生成部や、外部から入力される他のカメラからのリターンビデオ信号の信号処理を行う信号処理部や、外部へリターンビデオ信号を送信する送信部や、オーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理部等を含むが、本実施の形態における色合わせの処理とは直接関係しないので、図1では省略している。
【0025】
図3は、図1に示したCCU30内の色合わせ処理部33の構成を示すブロック図である。この色合わせ処理部33は、受信部32からの信号41を入力し、R,G,B信号をY,R−Y,B−Y信号に変換する変換回路42と、受信部32からの信号41と変換回路42の出力信号とを切り換えて出力する切換回路43と、この切換回路43より出力されるR−Y,B−Y信号を極座標変換して、彩度信号Sおよび色相信号Hに変換する座標変換回路44と、この座標変換回路44より出力される彩度信号Sおよび色相信号Hと切換回路43より出力されるY信号とを入力し、これらを、後述する処理に従って補正する補正手段としての色合わせ回路45とを備えている。Y信号は明度を表しており、このY信号と、彩度信号Sおよび色相信号Hが、本発明における色表現データに相当する。なお、以下、Y信号,彩度信号Sおよび色相信号Hの各レベル、すなわち明度,彩度,色相の値を表す場合にも、それぞれY,S,Hの記号を使用する。
【0026】
色合わせ処理部33は、更に、色合わせ回路45より出力される彩度信号Sおよび色相信号Hを直交座標変換して、R−Y,B−Y信号に変換する座標変換回路46と、色合わせ回路45より出力されるY信号および座標変換回路46より出力されるR−Y,B−Y信号をR,G,B信号に変換する変換回路47と、この変換回路47より出力されるR,G,B信号と色合わせ回路45より出力されるY信号および座標変換回路46より出力されるR−Y,B−Y信号とを切り換えて、色合わせ処理部33の出力信号49として出力する切換回路48とを備えている。
【0027】
色合わせ処理部33は、更に、座標変換回路44より出力される彩度信号S,色相信号Hおよび切換回路43より出力されるY信号と、色合わせ回路45より出力される彩度信号S,色相信号HおよびY信号とを切り換えて出力する切換回路50と、この切換回路50の出力信号を入力し、指定した色を撮像したときの彩度信号S,色相信号HおよびY信号の各レベルを検出して、これを色データ52として出力する検出回路51とを備えている。色データ52は、後述するCPU(中央処理装置)に送られるようになっている。また、色合わせ回路45には、CPUから送られてくる設定データ53が入力されるようになっている。
【0028】
ここで、図3に示した色合わせ処理部33の動作の概略について説明する。色合わせ処理部33に入力される信号41は、R,G,B信号またはY,R−Y,B−Y信号である。ここで、信号41がR,G,B信号の場合には、このR,G,B信号を変換回路42によってY,R−Y,B−Y信号に変換して切換回路43に出力し、切換回路43において変換回路42の出力信号を選択して出力する。一方、信号41がY,R−Y,B−Y信号の場合には、切換回路43において信号41を選択して出力する。このような処理は、CHUからCCU30への信号の伝送をR,G,B信号で行う場合とY,R−Y,B−Y信号で行う場合の双方に対応するためである。
【0029】
切換回路43より出力されるR−Y,B−Y信号は、座標変換回路44によって彩度信号Sおよび色相信号Hに変換される。座標変換回路44より出力される彩度信号Sおよび色相信号Hと切換回路43より出力されるY信号は、色合わせ回路45によって補正される。色合わせ回路45より出力される彩度信号Sおよび色相信号Hは、座標変換回路46によってR−Y,B−Y信号に変換される。更に、色合わせ回路45より出力されるY信号および座標変換回路46より出力されるR−Y,B−Y信号は、変換回路47によってR,G,B信号に変換される。色合わせ処理部33の出力信号49をR,G,B信号とする場合には、切換回路48によって、変換回路47より出力されるR,G,B信号を選択して出力信号49として出力する。一方、色合わせ処理部33の出力信号49をY,R−Y,B−Y信号とする場合には、切換回路48によって、色合わせ回路45より出力されるY信号および座標変換回路46より出力されるR−Y,B−Y信号を選択して出力信号49として出力する。以上の動作は実使用時の動作である。
【0030】
色合わせ処理部33は、上述の実使用時の動作の他に、CPUが設定データを計算するのに必要なデータの検出動作も行う。この検出動作時には、カメラ10によって、指定した所定の複数の色を撮像し、このとき、切換回路50は、座標変換回路44より出力される彩度信号S,色相信号Hおよび切換回路43より出力されるY信号を選択して検出回路51に送る。検出回路51は、指定した所定の色を撮像したときの彩度信号S,色相信号HおよびY信号の各レベルを検出して、色データ52としてCPUに送る。なお、検出回路51が、変換回路42の入力信号であるR,G,B信号のレベルを検出し、あるいは切換回路43の出力信号であるY,R−Y,B−Y信号のレベルを検出し、CPUで、R,G,B信号のレベルあるいはY,R−Y,B−Y信号のレベルに基づいて彩度信号S,色相信号HおよびY信号のレベルを算出するようにしても良い。
【0031】
なお、切換回路50によって、色合わせ回路45の入力信号と出力信号とを選択するようにしたのは、色合わせ回路45による色合わせの前後で信号を比較できるようにするためである。
【0032】
図4は、図3における色合わせ回路45の構成を示すブロック図である。この色合わせ回路45は、CPUから送られてくる設定データ53を入力する設定データ入力部54と、設定データ入力部54で入力した設定データに基づいて決定される演算内容に従って、座標変換回路44より出力される色相信号Hを補正して出力する色相補正部55と、設定データ入力部54で入力した設定データと色相補正部55による補正結果の情報とに基づいて決定される演算内容に従って、座標変換回路44より出力される彩度信号Sを補正して出力する彩度補正部56と、設定データ入力部54で入力した設定データと色相補正部55による補正結果の情報とに基づいて決定される演算内容に従って、切換回路43より出力されるY信号を補正して出力する明度補正部57とを備えている。
【0033】
図5は、本実施の形態において、複数台のカメラ間で色合わせを行う際に用いられるシステムの構成の一例を示したものである。この例は、カメラ(1)101 ,カメラ(2)102 ,…,カメラ(N)10N の間で、カメラ(1)101 を基準にして色合わせを行う場合の例である。カメラ(1)101 〜カメラ(N)10N には、それぞれCCU(1)301 〜CCU(N)30N が接続されている。カメラ(1)101 〜カメラ(N)10N 内のCHUの構成は図2に示した通りであり、CCU(1)301 〜CCU(N)30N の構成は図1および図3に示した通りである。CCU(1)301 〜CCU(N)30N は、一つのCPU61に接続されている。CPU61は、各CCU(1)301 〜CCU(N)30N からそれぞれ色データ521 〜52N を入力し、これに基づいて各CCU(1)301 〜CCU(N)30N 毎の設定データ531 〜53N を計算し、各CCU(1)301 〜CCU(N)30N に送るようになっている。このCPU61が、本実施の形態に係る色補正制御装置に相当し、CCU30内の色合わせ処理部33およびCPU61が本実施の形態に係る色補正システムに相当する。なお、CPU61は、ROM(リード・オンリ・メモリ)およびRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等を含み、RAMをワーキングエリアとして、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、設定データの計算等の機能を実現するようになっている。
【0034】
図5に示したシステムを用いて行う複数台のカメラ間で色合わせを行う際には、カメラ(1)101 〜カメラ(N)10N によって、例えばカラーチャート60を用いて指定した所定の複数の色を同一の条件で撮像する。カラーチャート60としては、マクベスカラーチャート(Macbeth Color Chart;商品名)等が使用される。なお、図5では、便宜上、カメラ(1)101 〜カメラ(N)10N が異なる位置から同時にカラーチャート60を測定するように描いているが、実際には、カメラ(1)101 〜カメラ(N)10N は同じ位置からカラーチャート60を測定するようにする。具体的には、例えば一つの三脚上にカメラ(1)101 をセットしてカメラ(1)101 によってカラーチャート60を測定した後、三脚の位置を変えずに、同一の三脚上に、カメラ(2)102 〜カメラ(N)10N を順にセットして、カメラ(2)102 〜カメラ(N)10N によって同一のカラーチャート60を測定するようにする。
【0035】
図6は、図5におけるCPU61の機能を示す機能ブロック図である。この図に示したように、CPU61は、各CCU(1)301 〜CCU(N)30N からそれぞれ色データ521 〜52N を入力する色データ入力部62と、この色データ入力部62で入力した色データ521 に基づいて、所定の複数の色に対応させて、明度、色相および彩度を座標で表すための色立体空間を分割して複数のエリア(領域)を設定するエリア設定部63と、各CCU(1)301 〜CCU(N)30N 毎に、CCU(1)301 からの色データ521 と各CCU(2)302 〜CCU(N)30N からの色データ522 〜52N とに基づいて、各エリア毎の設定データを計算する設定データ演算部64と、この設定データ演算部64によって求められた設定データ531 〜53N を、CCU(1)301 〜CCU(N)30N に送る設定データ出力部65とを備えている。
【0036】
次に、図5に示したシステムを用いて、カメラ(1)101 を基準にして、カメラ101 〜10N 間で色合わせを行うときの動作について説明する。この色合わせを行う場合には、まず、カメラ(1)101 〜カメラ(N)10N によって、例えばカラーチャート60を用いて所定の複数の色を同一の条件で撮像する。各カメラ101 〜10N のCHUから変調して送られてくるビデオ信号31は、各CCU301 〜30N の受信部32で復調され、色合わせ処理部33に入力される。色合わせ処理部33では、切換回路50が、座標変換回路44より出力される彩度信号S,色相信号Hおよび切換回路43より出力されるY信号を選択して検出回路51に送り、検出回路51が、所定の複数の色を撮像したときの彩度信号S,色相信号HおよびY信号の各レベルを検出して、色データ521 〜52N としてCPU61に送る。CPU61は、この色データ521 〜52N を入力して、以下の動作を行う。
【0037】
図7は、色合わせを行うときのCPU61の動作を示す流れ図である。この図に示したように、CPU61は、色データ入力部62によって、各CCU301 〜30N からの色データ521 〜52N を入力し(ステップS101)、エリア設定部63によって、CCU(1)301 からの色データ521 に基づいて、所定の複数の色に対応させて、色立体空間を分割して複数のエリアを設定する(ステップS102)。次に、CPU61は、指定した所定の複数の色のそれぞれについて、基準とするカメラ(1)301 で撮像して得られた基準となる色データと、合わせ込む方のカメラ(2)302 〜カメラ(N)30N で撮像して得られた色データとが同一エリア内にあるか否かを判断する(ステップS103)。同一エリア内にない色データの組が存在する場合(N)には、色データの選択を行う(ステップS104)。すなわち、同一エリア内にない色データの組が存在しなくなるように、指定した所定の複数の色のうちのいずれかについて色データの組を捨てる。これは、使用者が判断して行うようにしても良いし、CPU61が判断して自動的に行うようにしても良い。色データの選択が終わったら、ステップS102に戻る。CPU61は、同一エリア内にない色データの組が存在しない場合(ステップS103;Y)は、設定データ演算部64によって、各CCU(1)301 〜CCU(N)30N 毎に、CCU(1)301 からの色データ521 と各CCU(2)302 〜CCU(N)30N からの色データ522 〜52N とに基づいて、各エリア毎の設定データを計算する(ステップS105)。なお、この場合、CCU(1)301 は基準とするカメラ(1)101 に対応するものであるから、CCU(1)301 に対する設定データは、色合わせ回路45において何ら補正が行われないようなデータに設定される。次に、CPU61は、設定データ出力部65によって、設定データ531 〜53N をCCU(1)301 〜CCU(N)30N に出力して(ステップS106)、動作を終了する。CCU(1)301 〜CCU(N)30N に送られた設定データ531 〜53N は、色合わせ回路45の設定データ入力部54によって色合わせ回路45内に入力され保持される。なお、エリアの設定方法や、設定データの内容については、後で詳しく説明する。
【0038】
次に、以上の動作によって色合わせが終了した後の実使用時におけるCCU30の動作について説明する。カメラ10のCHUから変調して送られてくるビデオ信号31は、CCU30の受信部32で復調され、色合わせ処理部33に入力される。色合わせ処理部33では、切換回路43より出力されるR−Y,B−Y信号が、座標変換回路44によって彩度信号Sおよび色相信号Hに変換され、座標変換回路44より出力される彩度信号Sおよび色相信号Hと切換回路43より出力されるY信号が、色合わせ回路45に入力される。色合わせ回路45では、設定データ入力部54が、CPU61から送られてくる設定データ53を入力し保持している。色合わせ回路45では、まず、色相補正部55によって、設定データに基づいて決定される演算内容に従って色相信号Hを補正し、続いて、彩度補正部56によって、設定データと色相補正部55による補正結果の情報とに基づいて決定される演算内容に従って彩度信号Sを補正すると共に、明度補正部57によって、設定データと色相補正部55による補正結果の情報とに基づいて決定される演算内容に従ってY信号を補正する。色合わせ回路45による補正後の動作については、既に説明した通りである。なお、色合わせ回路45の色相補正部55,彩度補正部56および明度補正部57における演算内容については後で詳しく説明する。
【0039】
次に、色合わせ回路45の色相補正部55,彩度補正部56および明度補正部57における演算内容、エリアの設定方法、設定データの内容等について詳しく説明する。
【0040】
まず、Y,R−Y,B−Y信号と明度,色相および彩度の関係について説明する。図8は、明度、色相および彩度を座標で表すための色立体空間を示している。この色立体空間では、高さ方向の軸(以下、Y軸と言う。)が明度(輝度)Yを表し、Y軸に垂直な平面におけるY軸からの距離が彩度Sを表し、Y軸に垂直な平面における所定の軸からの回転角(位相)が色相Hを表している。Y軸に垂直な平面において、色相Hが0°の軸がB−Y/2.03軸(以下、B−Y軸と言う。)であり、このB−Y軸に垂直な軸がR−Y/1.14軸(以下、R−Y軸と言う。)である。
【0041】
次に、エリアの設定方法について説明する。図5に示したように複数台のカメラ間で色合わせを行う際には、各カメラによって、例えばカラーチャート60を用いて指定した所定の複数の色を同一の条件で撮像し、各色毎に、図3における検出回路51によって明度,彩度,色相の値を検出する。ここでは、仮に、6色を撮像して色合わせを行うこととし、図9に示すように、基準とするカメラ(カメラ(1)101 )で撮像した6色の(明度,彩度,色相)の組み合わせをそれぞれ、(Yr1,Sr1,Hr1)、(Yr2,Sr2,Hr2)、(Yr3,Sr3,Hr3)、(Yr4,Sr4,Hr4)、(Yr5,Sr5,Hr5)、(Yr6,Sr6,Hr6)として、合わせ込む方のカメラ(カメラ(2)102 〜カメラ(N)10N )で撮像した6色の(明度,彩度,色相)の組み合わせをそれぞれ、(Y1 ,S1 ,H1 )、(Y2 ,S2 ,H2 )、(Y3 ,S3 ,H3 )、(Y4 ,S4 ,H4 )、(Y5 ,S5 ,H5 )、(Y6 ,S6 ,H6 )として、(Yn ,Sn ,Hn )を(Yrn,Srn,Hrn)(ただし、n=1,2,…,6)に合わせ込むように色合わせを行うこととする。
【0042】
エリアの設定は、(Yr1,Sr1,Hr1)〜(Yr6,Sr6,Hr6)を用いて行う。図9に示したように、エリアの境界線は、基準とするカメラで撮像して得られる6色毎の色相のデータHr1〜Hr6の中間にする。例えば、(Yr1,Sr1,Hr1)と(Yr2,Sr2,Hr2)間において、色相のデータであるHr1とHr2の中間(Hr1+Hr2)/2の所に、エリアの境界線X2 を設定する。同様にして、X1 〜X6 の合計6本のエリアの境界線を設定し、2本の境界線の間を一つのエリアとして、合計6つのエリアを設定する。なお、図9では、Y軸に垂直な平面上でエリアを示しているが、図10に示すように、色立体空間における実際のエリアは、境界線X1 〜X6 を垂直方向に移動させて形成される境界面によって分割された立体的な領域となる。
【0043】
本実施の形態では、上述のようにして分割された各エリア内で色合わせのための演算処理を行う。従って、合わせ込む方の色相のデータHn は、基準となる方の色相のデータHrnと同じエリア内に入っていることが条件となる。各エリアで行う演算処理は同様であるので、以下では、X1 〜X2 間のエリアの場合を例にとって、色相,彩度,明度についての各演算内容を順に説明する。
【0044】
まず、図11を参照して、色相についての演算内容について説明する。図11は、X1 〜X2 間のエリアを示したものである。この図において、境界線X1 ,X2 の交点をOとし、X1 〜X2 間のエリアを、エリア∠X1 OX2 と表現する。また、境界線X1 の色相の値をθX,境界線X2 の色相の値をθYとする。また、エリア∠X1 OX2 において、合わせ込む方のカメラで撮像して得られる(明度,彩度,色相)を示す点をA(Y1 ,S1 ,H1 )、基準とするカメラで撮像して得られる(明度,彩度,色相)を示す点をA′(Yr1,Sr1,Hr1)とする。また、実使用時に、境界線X2 とAOの間の領域において合わせ込む方のカメラで撮像して得られる(明度,彩度,色相)を示す点をa、境界線X1 とAOの間の領域において合わせ込む方のカメラで撮像して得られる(明度,彩度,色相)を示す点をbとし、a点に対する色相についての補正(以下、移相と言う。)後の点をa′、b点に対する移相後の点をb′とする。また、a,b,a′,b′の各点の色相の値(B−Y軸からの位相)を、それぞれθa ,θb ,θa ′,θb ′とする。
【0045】
本実施の形態では、H1 ≧Hr1,H1 <Hr1のいずれの場合も、移相後の色相の値θa ′,θb ′は、次の(2)式によって求められる。
【0046】
【0047】
(2)式が色相についての演算内容であり、図4における色相補正部55がこの演算を行う。なお、(2)式の各右辺における変数θa ,θb 以外のデータは、設定データ53としてCPU61より与えられる。
【0048】
図12は、エリア∠X1 OX2 内において、移相前の色相(図12(a)において符号1〜6で示す。)と、移相後の色相(図12(b)において符号1′〜6′で示す。)とを概念的に示したものである。この図から分かるように、本実施の形態における色相についての補正では、移相前の色相と境界線の色相の差と、移相後の色相と境界線の色相の差との比が、点Aの色相と境界線の色相の差と、点A′の色相と境界線の色相の差との比と等しくなるように演算処理が行われる。
【0049】
以上が色相についての基本的な演算内容であるが、図13に示すように、エリアがB−Y軸を挟む場合(B−Y/R−Y平面で、第1象限と第4象限にエリアがまたがる場合)は、次のように修正した演算が必要になる。
【0050】
(i)A,A′,a,bが第1象限(R−Y/1.14>0且つB−Y/2.03>0)にある場合は、以下のように定義したH1 * ,Hr1 * ,θa * ,θb * を使用する。
【0051】
H1 * =360°+H1
Hr1 * =360°+Hr1
θa * =360°+θa
θb * =360°+θb
【0052】
(ii)A,A′,a,bが第4象限(R−Y/1.14<0且つB−Y/2.03>0)にある場合は、以下のように定義したH1 * ,Hr1 * ,θa * ,θb * を使用する。
【0053】
H1 * =H1
Hr1 * =Hr1
θa * =θa
θb * =θb
【0054】
また、(i),(ii)のいずれの場合も、以下のように定義したθY* を使用する。
【0055】
θY* =360°+θY
【0056】
エリアがB−Y軸を挟む場合には、上記のように定義した値を使用して、H1 ≧Hr1,H1 <Hr1のいずれの場合も、移相後の色相の値θa ′,θb ′は、(2)式を修正した次の(3)式によって求められる。ただし、θX,θY,H1 ,Hr1,θa ,θb ,θa ′,θb ′は、いずれもB−Y軸から左回りの位相とする。
【0057】
θa ′* =θY* −(θY* −θa * )×(θY* −Hr1 * )/(θY* −H1 * )
θb ′* =θX+(θb * −θX)×(Hr1 * −θX)/(H1 * −θX)…(3)
【0058】
(3)式で求められたθa ′* ,θb ′* が第1象限にある場合は、次の式によりθa ′,θb ′を求める。
【0059】
θa ′=θa ′* −360°
θb ′=θb ′* −360°
【0060】
(3)式で求められたθa ′* ,θb ′* が第4象限にある場合は、次の式によりθa ′,θb ′を求める。
【0061】
θa ′=θa ′*
θb ′=θb ′*
【0062】
次に、図14を参照して、彩度についての演算内容について説明する。図14は、X1 〜X2 間のエリアと、これに隣接するエリアを示したものである。この図に示したように、合わせ込む方のカメラで撮像して得られたA点(Y1 ,S1 ,H1 )の彩度レベルS1 を、基準とするカメラで撮像して得られたA′点(Yr1,Sr1,Hr1)の彩度レベルSr1に合わせ込むには、S1 をSr1/S1 倍すれば良い。このSr1/S1 のように、合わせ込む方の彩度レベルを何倍にすれば良いかを示す値を、ここでは彩度のゲインと呼ぶ。ゲインは色相毎に異なる値となる。Hr1でのゲインはSr1/S1 となる。これは、移相後の色相がHr1である場合は、彩度レベルをSr1/S1 倍すれば、基準とする方の彩度レベルに合わせ込むことができることを意味する。同様にして、図14におけるHr2でのゲインはSr2/S2 、Hr6でのゲインはSr6/S6 となる。エリアの境界線(X1 〜X6 )上でのゲインは、それを挟むエリアにおけるゲインの平均値にする。つまり、例えばX1 でのゲインをSGX1とすると、次式のように求められる。
【0063】
SGX1=(Sr1/S1 +Sr2/S2 )/2
【0064】
このようにして、指定した色を基準とするカメラで撮像して得られる色相でのゲインと、エリアの境界線上でのゲインが、CCU30から出力される色データ52に基づいて求められる。実使用時において合わせ込む方のカメラで撮像して得られる色相におけるゲインは、指定した色を基準とするカメラで撮像して得られる色相でのゲインと、エリアの境界線上でのゲインとを用いた演算によって求められるが、これについて、図15を参照して具体的に説明する。
【0065】
図15は、X1 〜X2 間のエリアと、これに隣接するエリアを示したものである。色相の演算内容の説明のときと同様に、図15において境界線X1 の色相の値をθX,境界線X2 の色相の値をθYとする。
【0066】
エリア∠X1 OX2 において、基準とするカメラで撮像して得られたA′点(Yr1,Sr1,Hr1)でのゲインをSGA ′=Sr1/S1 、境界線X1 でのゲインをSGX 、境界線X2 でのゲインをSGY とする。なお、図15では、隣接するエリアにおいて、基準とするカメラで撮像して得られたA0 ′点(Yr6,Sr6,Hr6)でのゲインをSGA0′(=Sr6/S6 )としており、この場合、境界線X1 でのゲインは、SGX =(SGA ′+SGA0′)/2となる。
【0067】
ここで、実使用時に、境界線X2 とAOの間の領域において合わせ込む方のカメラで撮像して得られる(明度,彩度,色相)を示す点をa、境界線X1 とAOの間の領域において合わせ込む方のカメラで撮像して得られる(明度,彩度,色相)を示す点をbとし、a点に対する移相(色相の補正)および彩度の補正後の点をa′、b点に対する移相および彩度の補正後の点をb′とする。a,b,a′,b′の各点の彩度の値を、それぞれSa ,Sb ,Sa ′,Sb ′とする。また、a,bの各点を移相した後の色相をそれぞれθa ′,θb ′とする。
【0068】
本実施の形態では、H1 ≧Hr1,H1 <Hr1のいずれの場合も、補正後の彩度の値Sa ′,Sb ′は、次の(4)式によって求められる。
【0069】
Sa ′={SGY −(SGY −SGA ′)×(θY−θa ′)/(θY−Hr1)}×Sa
Sb ′={SGx −(SGX −SGA ′)×(θb ′−θX)/(Hr1−θX)}×Sb …(4)
【0070】
(4)式が彩度についての演算内容であり、この演算では、指定した色を基準とするカメラで撮像して得られる色相とエリアの境界線上の色相との間の任意の色相におけるゲインを、色相に応じて線形に変化するように、指定した色を基準とするカメラで撮像して得られる色相でのゲインとエリアの境界線上でのゲインとに基づいて決定している。(4)式の演算は、図4における彩度補正部56が行う。なお、(4)式の各右辺におけるθa ′とθb ′は、色相補正部55による補正結果の情報、すなわち(2)式または(3)式による演算結果によって与えられる。(4)式の各右辺におけるθa ′,θb ′および変数Sa ,Sb 以外のデータは、設定データ53としてCPU61より与えられる。
【0071】
以上が彩度についての基本的な演算内容であるが、エリアがB−Y軸を挟む場合は、色相についての演算の場合と同様に、次の(5)式のように修正した演算が必要になる。なお、H1 * ,Hr1 * ,θa * ,θb * ,θY* の定義は、色相についての演算の場合と同様である。また、θa ′* ,θb ′* は、(3)式によって求められるものである。
【0072】
Sa ′={SGY −(SGY −SGA ′)×(θY* −θa ′* )/(θY* −Hr1 * )}×Sa
Sb ′={SGx −(SGX −SGA ′)×(θb ′* −θX)/(Hr1 * −θX)}×Sb …(5)
【0073】
明度についての演算内容は、彩度についての演算内容と同様であり、彩度についての演算内容の説明中の彩度の各値を明度の値に置き換えたものとなる。ただし、彩度のレベルが0の信号、すなわちY軸上の信号の場合には、白黒の信号であり、色がないので、そのままの値を出力する。明度についての演算は、図4における明度補正部57が行う。
【0074】
次に、設定データの内容について説明する。CPU61は、各CCU30毎に、上記(2)〜(5)式中の変数および色相補正部55による補正結果の情報によって得られるθa ′,θb ′以外のデータを計算し、設定データ53として各CCU30に与える。具体的には、設定データ53は、以下の5種類のデータを含む。
▲1▼エリアの境界線(X1 〜X6 )の色相の値
▲2▼合わせ込む方の各カメラで所定の複数の色を撮像して得られた色相(H1 〜H6 )
▲3▼基準とするカメラで所定の複数の色を撮像して得られた色相(Hr1〜Hr6)▲4▼彩度のゲイン(SGX1〜SGX6,SGA ′等)
▲5▼明度のゲイン(彩度のゲインと同様)
【0075】
最後に、図16を参照して、所定の複数の色を基準とするカメラで撮像して得られた色データと、合わせ込む方のカメラで撮像して得られた色データとが同一エリア内にない場合において行う色データの選択(図7におけるステップS108)について説明する。図16(a)は、色データの組が同一エリア内にない場合の一例を示したものである。この図において、符号71〜73はそれぞれエリアを示し、A1 ′〜A3 ′は各エリア71〜73内において基準とするカメラで撮像して得られた色データ(明度,彩度,色相)を表す点を示し、A1 〜A3 は、A1 ′〜A3 ′に対応して、合わせ込む方のカメラで撮像して得られた色データ(明度,彩度,色相)を表す点を示している。この例では、点A1 ′と点A1 とが同一エリア71内になく、点A1 はエリア72内に入っている。このような場合には、A1 ,A1 ′の組とA2 ,A2 ′の組のいずれかを捨てて、新たにエリアを設定すれば良い。図16(b)は、A2 ,A2 ′の組を捨てて、新たに、エリア71′,72′を設定した例を示している。このような色データの選択は、使用者が判断して行うようにしても良いし、CPU61が判断して自動的に行うようにしても良い。使用者が判断して行うようにする場合には、例えば、CPU61が、同一エリア内にない色データの組が存在する場合にはモニタにその旨を表示すると共に、例えば図16(a)に示したような画像を表示し、使用者がモニタを見ながらユーザインタフェースを操作して色データの選択を行うことができるようにする。これにより、使用者は、例えば肌色についての色データの組を残すようにする等、適宜に判断して色データを選択することが可能となる。色データの選択をCPU61が判断して自動的に行う場合には、例えば、それを捨てることで同一エリア内にない色データの組が存在しなくなるようにすることの可能な色データの組のうち、色データの差の大きい組の方を残すように色データを選択する。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態に係る色補正装置、色補正制御装置および色補正システムによれば、色立体空間を複数のエリアに分割し、各エリア毎に定められた演算内容に従って色データを補正するようにしたので、各エリア毎に最適な色合わせを行うことが可能となる。また、上記実施の形態では、特に合わせる色の数、すなわちエリアの数を6として説明したが、同じ色について基準とするカメラで撮像して得られた色データと合わせ込む方のカメラで撮像して得られた色データとが同一エリア内にある限り、特に合わせる色の数、すなわちエリアの数には限りがない。従って、本実施の形態に係る色補正装置、色補正制御装置および色補正システムによれば、多数の色についてカメラ間で色合わせを行うことが可能となる。
【0077】
ところで、従来は、例えば放送局のスタジオ内で、アナログカメラや色合わせ機能を搭載していないディジタルカメラが混在している場合において、カメラ間で色合わせを行うには、色合わせ機能を搭載していないカメラを基準にして色合わせを行うしかなく、色合わせ機能を搭載していないカメラが必ずしも基準とするのに適しているとは限らないという問題点があった。
【0078】
これに対し、本実施の形態では、色補正装置としての色合わせ処理部33を、カメラ10とは別体のCCU30内に設けたので、このCCU30を使用すれば、スタジオ内のいずれのカメラでも、色合わせの際の基準として使用することが可能となる。
【0079】
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る色補正装置を含むカメラのCHUの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、色合わせ処理部33を、CCU内ではなく、カメラ10のCHU内に設けたものである。図17に示したように、CHU内において、色合わせ処理部33は、マトリックス回路22の後段に設けられている。本実施の形態におけるCCUの構成は、図1に示した構成から色合わせ処理部33を除いたものとなる。本実施の形態におけるその他の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態における効果は、第1の実施の形態において色合わせ処理部33をCCU30内に設けたことによる効果以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0080】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、例えば、実施の形態では、補正手段における演算内容を決定する際に用いる基準となる情報として、基準とするカメラで撮像して得られた色データを用いたが、その代わりに、例えば、カラーチャート内の各色毎に、予め基準となるデータを用意しておき、これを用いても良い。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1もしくは2に記載の色補正装置によれば、色表現データ生成手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて色表現データを生成し、補正手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色立体空間を分割した各領域毎に定められた演算内容に従って色表現データを補正するようにしたので、各領域毎に最適な色合わせを行うことが可能となり、多数の色について、撮像装置間で色合わせを行うことが可能となるという効果を奏する。
【0082】
また、請求項2記載の色補正装置によれば、色表現データ生成手段および補正手段を、撮像装置本体とは別体の制御装置内に設けたので、請求項1記載の色補正装置の効果に加え、複数の撮像装置本体間で色合わせを行う場合に、どの撮像装置本体でも、色合わせの基準として使用することが可能となるという効果を奏する。
【0083】
また、請求項3記載の色補正制御装置によれば、演算内容決定手段によって、所定の複数の色に対応させて色立体空間を分割した各領域毎に、所定の複数の色を撮像装置における撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、撮像装置における補正手段における演算内容を決定し、補正手段を制御するようにしたので、各領域毎に最適な色合わせを行うことが可能となり、多数の色について、撮像装置間で色合わせを行うことが可能となるという効果を奏する。
【0084】
また、請求項4もしくは5に記載の色補正システムによれば、演算内容決定手段によって、所定の複数の色に対応させて色立体空間を分割した各領域毎に、所定の複数の色を撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、色立体空間を分割した各領域毎に、補正手段における演算内容を決定し、色表現データ生成手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて色表現データを生成し、補正手段によって、撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、各領域毎に演算内容決定手段によって決定された演算内容に従って、色表現データを補正するようにしたので、各領域毎に最適な色合わせを行うことが可能となり、多数の色について、撮像装置間で色合わせを行うことが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る色補正装置を含むカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるカメラ内のCHUの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したCCU内の色合わせ処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】図3における色合わせ回路の構成を示すブロック図である。
【図5】複数台のカメラ間で色合わせを行う際に用いられるシステムの構成の一例を示す説明図である。
【図6】図5におけるCPUの機能を示す機能ブロック図である。
【図7】色合わせを行うときの図5におけるCPUの動作を示す流れ図である。
【図8】明度、色相および彩度を座標で表すための色立体空間を示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるエリアの設定方法について説明するための説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるエリアの設定方法について説明するための説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における色相についての演算内容について説明するための説明図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における色相についての演算内容について説明するための説明図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態においてエリアがB−Y軸を挟む場合における色相についての演算内容について説明するための説明図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における彩度についての演算内容について説明するための説明図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における彩度についての演算内容について説明するための説明図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における色データの選択について説明するための説明図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る色補正装置を含むカメラのCHUの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…カメラ、30…CCU、33…色合わせ処理部、44…座標変換回路、45…色合わせ回路、46…座標変換回路、51…検出回路、54…設定データ入力部、55…色相補正部、56…彩度補正部、57…明度補正部、61…CPU、62…色データ入力部、63…エリア設定部、64…設定データ演算部、65…設定データ出力部
Claims (5)
- 被写体を撮像して被写体の色の情報を含む信号を生成する撮像手段を有する撮像装置に用いられ、
前記撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて、色を表現するための色表現データを生成する色表現データ生成手段と、
前記撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色表現データを座標で表すための色立体空間を複数の領域に分割し、各領域毎に定められた演算内容に従って、前記色表現データ生成手段によって生成された色表現データを補正する補正手段と
を備え、
前記色表現データは、明度Y、色相Hおよび彩度Sのデータであり、
前記色立体空間は、明度Yを高さ方向の軸とし、その明度Yの軸に垂直な平面における明度Yの軸からの距離が彩度Sを表し、その明度Yの軸に垂直な平面における所定の軸からの回転角が色相Hを表すような、(明度Y,色相H,彩度S)の座標空間で表されるものであり、
あらかじめ、色合わせの基準となる基準用撮像装置における撮像手段によってn(=2以上の整数)個の色が撮像され、色合わせの基準となるn個の色についての色表現データが前記色立体空間上で(Y r1 ,H r1 ,S r1 )、(Y r2 ,H r2 ,S r2 )、…(Y rn ,H rn ,S rn )として求められ、その求められた基準となる色相のデータH r1 〜H rn の前記色立体空間上における、隣接するもの同士の中間に、前記色立体空間を分割するための基準となる境界線が設定され、
前記補正手段は、前記基準となる境界線を境界として前記色立体空間を複数の領域に分割し、その領域毎に前記補正を行う
ことを特徴とする色補正装置。 - 前記撮像装置は、前記撮像手段を含む撮像装置本体と、この撮像装置本体とは別体にされ、撮像装置本体を制御するための制御装置とを有し、前記色表現データ生成手段および前記補正手段は、前記制御装置内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の色補正装置。
- 被写体を撮像して被写体の色の情報を含む信号を生成する撮像手段と、この撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて、色を表現するための色表現データを生成する色表現データ生成手段と、前記撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色表現データを座標で表すための色立体空間を複数の領域に分割し、各領域毎に定められた演算内容に従って、前記色表現データ生成手段によって生成された色表現データを補正する補正手段とを備えた撮像装置における前記補正手段を制御する色補正制御装置であって、
所定の複数の色に対応させて色立体空間を複数の領域に分割し、所定の複数の色を前記撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、各領域毎に前記補正手段における演算内容を決定して、前記補正手段を制御する演算内容決定手段を備え、
前記色表現データは、明度Y、色相Hおよび彩度Sのデータであり、
前記色立体空間は、明度Yを高さ方向の軸とし、その明度Yの軸に垂直な平面における明度Yの軸からの距離が彩度Sを表し、その明度Yの軸に垂直な平面における所定の軸からの回転角が色相Hを表すような、(明度Y,色相H,彩度S)の座標空間で表されるものであり、
前記演算内容決定手段は、色合わせの基準となる基準用撮像装置における撮像手段によって撮像されたn(=2以上の整数)個の色信号のデータを前記基準となる情報として取得し、それに基づいて、色合わせの基準となるn個の色についての色表現データを前記色立体空間上で(Y r1 ,H r1 ,S r1 )、(Y r2 ,H r2 ,S r2 )、…(Y rn ,H rn ,S rn )として求め、その求められた基準となる色相のデータH r1 〜H rn の前記色立体空間上における、隣接するもの同士の中間に、前記色立体空間を分割するための基準となる境界線を設 定し、その基準となる境界線を境界として前記色立体空間を複数の領域に分割する
ことを特徴とする色補正制御装置。 - 被写体を撮像して被写体の色の情報を含む信号を生成する撮像手段を有する撮像装置に用いられ、
前記撮像手段によって撮像して得られる信号に基づいて、色を表現するための色表現データを生成する色表現データ生成手段と、
前記撮像手段によって撮像して得られる信号に基づく色を基準となる色に合わせるために、色表現データを座標で表すための色立体空間を複数の領域に分割し、各領域毎に定められた演算内容に従って、前記色表現データ生成手段によって生成された色表現データを補正する補正手段と、
所定の複数の色に対応させて色立体空間を複数の領域に分割し、所定の複数の色を前記撮像手段によって撮像して得られる信号と所定の複数の色についての基準となる情報とに基づいて、各領域毎に、前記補正手段における演算内容を決定して、前記補正手段を制御する演算内容決定手段と
を備え、
前記色表現データは、明度Y、色相Hおよび彩度Sのデータであり、
前記色立体空間は、明度Yを高さ方向の軸とし、その明度Yの軸に垂直な平面における明度Yの軸からの距離が彩度Sを表し、その明度Yの軸に垂直な平面における所定の軸からの回転角が色相Hを表すような、(明度Y,色相H,彩度S)の座標空間で表されるものであり、
前記演算内容決定手段は、色合わせの基準となる基準用撮像装置における撮像手段によって撮像されたn(=2以上の整数)個の色信号のデータを前記基準となる情報として取得し、それに基づいて、色合わせの基準となるn個の色についての色表現データを前記色立体空間上で(Y r1 ,H r1 ,S r1 )、(Y r2 ,H r2 ,S r2 )、…(Y rn ,H rn ,S rn )として求め、その求められた基準となる色相のデータH r1 〜H rn の前記色立体空間上における、隣接するもの同士の中間に、前記色立体空間を分割するための基準となる境界線を設定し、その基準となる境界線を境界として前記色立体空間を複数の領域に分割し、
前記補正手段は、前記基準となる境界線を境界として前記色立体空間を複数の領域に分割し、その領域毎に前記補正を行う
ことを特徴とする色補正システム。 - 前記演算内容決定手段は、色合わせの基準とする撮像装置である基準用撮像装置とこの基準用撮像装置に色を合わせる撮像装置である1以上の被補正用撮像装置とに接続され、所定の複数の色を前記基準用撮像装置における撮像手段によって撮像して得られる信号を基準となる情報とし、被補正用撮像装置毎に、所定の複数の色を被補正用撮像装置における撮像手段によって撮像して得られる信号と基準となる情報とに基づいて、被補正用撮像装置における補正手段における演算内容を決定して、被補正用撮像装置における補正手段を制御することを特徴とする請求項4記載の色補正システム。
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