JP3661795B2 - 静電噴霧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1kV、一層普通には少なくとも5kVから50kVまでの範囲の高電圧を含む応用に用いられる電子スイッチング装置に関するものである。
限定されるものではないが、本発明は特に、物質特に液体を静電噴霧する装置に応用される。本発明に関連する形式の代表的な装置はEP−A−120633、EP−A−441501、EP−A−468735及びEP−A−468736に開示されている。
本発明の第1の概念によれば、少なくとも1kV(好ましくは少なくとも5kV及びしばしば少なくとも10kV)の最大直流逆電圧を共通にもつ一連の放射感応半導体接合と、印加電圧により順方向にバイアスを掛けられた時にのみ半導体接合が一方向に電流を通すように半導体接合に高電圧を印加する端子装置と、上記半導体接合と組合わされ、上記半導体接合が印加電圧により逆方向にバイアスを掛けられた時に逆方向に電流を流すように上記半導体接合を選択的に照射する選択的に作動可能な放射発生装置とから成り、上記半導体接合及び放射発生装置を、放射発生装置から放出された放射に対して伝導性の包囲材料体内に予定の固定関係で支持して成る電子スイッチング装置が提供される。
好ましくは、上記半導体接合は、少なくとも5kV、より好ましくは少なくとも10kVの最大直流逆電圧を共通にもっている。
上記一連の半導体接合が逆方向にバイアスを掛けられしかも上記放射発生装置からの放射に晒されない時でも、従来のダイオードの場合のように小さな電流(暗電流)が流れ得るが、逆電流の流れは、振幅が同じて極性が逆の電圧によって接合が順方向にバイアスされる時に生じる電流の流れに比べて無視できる。これに対して、接合が逆方向にバイアスされ、放射を受けると、電流の流れはそのような放射を受けない時に生じる電流の流れより実質的に大きくなる。
包囲体は接合の近傍に反射面を備えるようにされ、それにより接合に直接入射しない放射は反射され、接合の照射される効率を高めるようにしてもよい。このような反射面は、放射発生手段によって放出された一つまたは複数の波長の放射に対して反射性をもつ材料の一つまたは複数の特殊な層で構成され得、または反射率は包囲材料体内の屈折率の変化に応じて得られ得る。広く知られているように、pn接合をもつシリコーンダイオードは光感応性であり、また逆方向にバイアスされしかも近赤外放射にさらされると、そのようなダイオードは導通し、実質的に暗電流を越える電流を通す。これはフォトダイオード動作に基づく原理である。入射光の有効な利用に合致する構造またはレイアウトをもつ従来のフォトダイオードと違って、本発明の上記一つの特徴によるスイッチング装置は、従来のフォトダイオードを動作させる電圧を実質的に越える電圧で作動するように設計される。従って、従来のフォトダイオードは,600ボルトまでの範囲の最大直流逆電圧で設計され(“Optoelectronics"D.A.T.A.Digest 1992(25版)米国コロラド州イングルウッドのD.A.T.A.Business Publishing発行−“Photodiodes"p.613参照)、これに対して、本発明のこの特徴によるスイッチング装置は、少なくとも1kV、一層普通には少なくとも5kVから50kVまでの範囲の高電圧を含む応用に用いるようにされる。
本発明の好ましい実施例では、上記一連の半導体接合は高電圧半導体ダイオード、好ましくは一連の積層pn接合をもつ高電圧シリコーンダイオードを構成している。
放射発生手段は、有利には発光ダイオードから成る。この明細書において使用した用語“光”は可視スペクトル内の波長と共にスペクトルの可視部分の外側の電磁波長を含むものと理解されるべきである。例えば、適当な形式の発光ダイオードは近赤外の出力を発生し、また上記一連の接合を形成している高電圧ダイオードはそのような放射に感応し得る。
本発明のスイッチング装置を構成する構成要素は大規模集積回路の形式で作られ得るが、本発明は、その範囲内にディスクリートな構成要素からスイッチング装置を作ることも包含している。
従って、本発明の第2の概念によれば、高電圧半導体ダイオードの一連の接合を固体発光源から放出された光に晒すようにし、高電圧半導体ダイオードと固体発光源とを予定の関係で組立て、このようにして組立てられた高電圧半導体ダイオードと固体発光源とを、固体発光源から放出された光に対して伝導性である包囲材料で包囲することから成る上記電子スイッチング装置の製造方法が提供される。
上記予定の関係は通常、固体発光源から放出された光の実質的な部分がダイオード接合に入射するようにしてダイオード接合に近接して固体発光源を位置決めすることを含んでいる。
本発明のこの概念は、商業的に利用できるディスクリートな構成要素を用いて実施され得る。商業的に利用できる高電圧ダイオードは、高電圧の制御に適した構成またはレイアウトすなわち一連の積層pn接合(代表的には10を越えしばしば20またはそれ以上の接合)をもち、そして接合を外部放射に晒させる(実際これは一般に非常に望ましくないと考えられている)のに特に適さない包囲材料を用いて光誘導効果に関係なく製作される。
従って、本発明のこの概念により、ダイオードは電気絶縁材料で包囲した既存の商業的に利用できる高電圧ダイオードから成ることができ、その場合、選んだダイオードは発光源から放出された光の波長に対して既に実質的な伝導率をもつ包囲材料を備えたものであるか、または代りに発光源は発光源から放出された光の波長に対する伝導率がダイオード包囲材料に合うように選択され得る。
商業的に利用できるダイオードが不透明なまたは発光源から放出された光の波長に対して比較的伝導率の低い包囲材料を備えたものである場合には、本発明の方法は、発光源とダイオードの一連の接合との間の有効な光結合を与えるまたは強めるようにダイオード包囲材料を変更することから成る。
このような変更は、包囲材料の光伝導率を高めるためにダイオード包囲材料を少なくとも部分的に除去することまたはある種の処理を行なうことを包含し得る。例えば、広範囲に使用する一形式の高電圧ダイオードは、熱処理で伝導率を変更できるガラス材料で包囲される。
本発明の別の概念によれば、出力端子装置に少なくとも1kV、一層普通には少なくとも5kVの出力電圧を発生する高電圧発生回路が提供され、この高電圧発生回路は、出力端子装置に作動的に組合わされた上述の電子スイッチング装置を備えている。
本発明のこの概念は、特に、バッテリー電源のような低電圧電源によつて給電するようにされた高電圧発生回路に応用される。
本発明の一実施例では、高電圧発生回路は単一極性の高電圧出力を発生するようにされ、そして電子スイッチング装置は、上記一連の接合が上記単一極性の高電圧によって逆方向にバイアスされるように出力端子装置に結合される。
本発明の別の実施例では、高電圧発生回路は交流高電圧出力を発生するように作動でき、上記電子スイッチング装置は、上記交流出力電圧を整流して出力端子装置に一極性の高電圧を発生するようにして回路に結合され、上記一連の接合が逆向きの極性サイクルの交流出力電圧で逆方向にバイアスされるように構成される。
さらに別の実施例では、高電圧発生回路は、交流高電圧出力を発生するように作動でき、また一対の上記スイッチング装置が出力端子装置に組合わされ、各スイッチング装置は、交流電圧の正の方向に向かうサイクルで一方のスイッチング装置が逆方向にバイアスされ、他方のスイッチング装置が順方向にバイアスされ、また負の方向に向かうサイクルで一方のスイッチング装置が順方向にバイアスされ、他方のスイッチング装置が逆方向にバイアスされるように構成され、さらに各スイッチング装置の放射発生装置の動作を制御して各スイッチング装置をそれらの逆方向バイアス状態時に導通させる装置が設けられる。このような実施例におけるスイッチング装置は互いに直列でも並列でもよい。
さらに別の実施例においては、高電圧発生回路は対の出力端子装置を備え、各出力端子装置に単一極性の出力が発生され、一方の端子装置における出力は他方の端子装置に発生される出力と極性が逆であり、また上記出力端子装置には対の上記スイッチング装置が組合わされ、このスイッチング装置は各出力端子装置を共通の端子装置に接続するが、それぞれの単一極性の出力によって逆方向にバイアスされ、さらにスイッチング装置の放射発生源を制御してスイッチング装置を交互に導通させ、それにより上記共通の端子装置に二極性の出力を発生させる装置が設けられる。
本発明はその広い概念では上記の電子スイッチング装置及び高電圧発生回路に限定されないが、これらの電子スイッチング装置及び高電圧発生回路は特に、一連の接合で誘導される最大逆電流が好ましくは10μA、一層好ましくは2μA以下である比較的電流消費の小さい装置に応用できる。
本発明の別の概念によれば、ハウジングと、ノズル装置と、ノズルから噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、噴霧すべき物質に高電位を直接または間接に印加して噴霧すべき物質を静電的に帯電させる高電圧発生回路とを有し、この高電圧発生回路が回路の高電圧出力と組合わされかつ電流及び(または)電圧スイッチング動作を制御するようにされた電子スイッチング装置を備えている静電噴霧装置が提供される。
本発明の電子スイッチング装置は、特に電流消費が小さく(代表的には10μA、一層好ましくは2μA以下)、またコンパクトさや安さが尊重されるこの形式の静電噴霧装置に特に適している。既存のフォトダイオードは、単に低電圧で使用できるだけでありしかもとにかく電流処理応用に対立するものとして信号処理を伴う応用において通常考えられるのみであるので、総体的には適していない。最も商業的に利用できる高電圧スイッチは高電流応用に合うようにされ(例えば開閉装置)、そして正に機械的であり、かさばり、高価であり、総体的に上述の形式の噴霧装置に適さない。低電流スイッチング応用にはリードリレーが広く利用できるが、しかし高入力を必要し、寿命が短い電機的なものであるので相対的に高価であり、また上限電圧は12kV台である。
いかなる機械的なスイッチング装置も、高い電圧で構成要素を分離する必要性があるためサイズが拘束される。
噴霧装置の一実施例では、スイッチング装置は高電圧発生回路の消勢に応じて電流放電路を形成するように作動できる。この場合、スイッチング装置は装置の噴霧動作中、高電圧によって逆方向にバイアスされ得、そして高電圧発生回路の消勢に応じて放射発生装置が作動されスイッチング装置を照射し、それによりスイッチング装置を導通させ、回路の高電圧出力側の容量的に蓄えられた電荷から電流の放電路を形成するように構成され得る。容量的構成要素は高電圧回路と組合わさった容量及び(または)回路の出力電圧が印加される負荷例えば噴霧すべき塗料のような液体を含み得る金属と組合わさった容量によって構成され得る。
スイッチング装置はこのように使用した場合、高電圧発生回路の消勢時に放電されないと使用者に電気的ショックを与える危険のある容量的に蓄えられた電荷を放電させるため回路の出力側に抵抗性素子を設ける必要性がなくなる。このような抵抗性素子の使用は、噴霧動作中電流ドレインを形成し、従って高電圧回路はそのような電流ドレインを考慮して設計されなければならず、その結果、回路は必然的に、噴霧目的のために厳格に要求される電流出力以上の電流出力を発生する必要がある。
コンパクトさや安さのため、この種の電流ドレインを避けることが望ましい。これは特に、低電圧バッテリー電源で給電するようにされた形式の手持ち式または簡易携帯式の独立型噴霧装置、例えば芳香剤、防臭剤などのような身の回りの作業や衛生用組成物を噴霧する手持ち式装置または部屋のフレッシャナーや芳香剤組成物を噴霧する携帯式の自蔵型装置の場合である。低電圧バッテリー電源が使用される場合には、バッテリーの寿命を延ばすため不必要な電力消費は明らかにできる限り避けるべきである。また経済的な理由で、高電圧回路設計の出力要求は望ましくは最小にして高価でない回路設計を利用できるようにすべきである。本発明のスイッチング装置は、電流ドレインが暗電流成分(実際には無視できる)に限定されるので、上述の拘束を受ける場合に特に適しており、高電圧回路が遮断されると、スイッチング装置は逆バイアス方向に導通して蓄えられた電荷を放電させることができる。本発明のこの実施例においては、スイッチング装置は、高電圧回路を消勢し噴霧動作を止めるため、使用者が操作できるスイッチの動作に応じて自動的に導通され得る。従ってこの装置は有利には、高電圧回路の付勢及び消勢を選択的に行う、使用者が操作できる装置と、放射発生装置による放射の放出のトリガーして使用者が操作できる装置の動作に応じてスイッチング装置を導通させ高電圧回路を消勢させる制御装置とを備えている。
有利には、スイッチング装置は、容量的に蓄えられた電荷の放電路を形成するようにされる場合には、整流を行うような仕方で高電圧回路に結合され得る。例えば、この場合、高電圧回路は、二次側の一側にタップを設けて交流高電圧出力を形成し、二次側の他側をアースのような低電位に接続した昇圧変圧器を備えることができ、またスイッチング装置は二次側に直列に接続され交流電流を整流しそれにより単一極性の高電圧出力を発生するようにすることができ、この単一極性の高電圧出力は容量平滑され、高電圧ピークを除去または少なくとも実質的に減衰するようにされ得る。このような構成では、回路が消勢されると、容量性の平滑素子に蓄えられた電荷は、スイッチング装置を逆バイアス方向に導通させることにより上記低電位(例えばアース)に放電され、そしてスイッチング装置は高電圧回路の消勢に応じて自動的にこの状態となり得る。
本発明のさらに別の概念によれば、ハウジングと、ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、出力端子を備え、静電噴霧を行うため出力端子を介して噴霧すべき物質に高電圧を印加する高電圧発生回路と、ノズル装置を取り囲み、噴霧すべき物質に印加される高電圧と同じ極性の高電圧が噴霧中に発生されてノズルの出口の直ぐ近くの電界の強さを変える環状要素と、噴霧の停止時に作動でき、噴霧中に容量性素子に蓄えられた電荷を放電させる装置とを有する静電噴霧装置が提供される。
本発明のこの概念は、相対的に粘性が高く抵抗率が低く、懸濁固体例えばペイント塗料を含むことができ、しかも従来開発された技術を用いては少なくとも4cc/minまでの流量では満足に噴霧することが難しい傾向をもつ液体を噴霧するのに特に応用される。代表的には、噴霧すべき液体は少なくとも0.5ポアズ、例えば0.5〜10ポアズの粘度及び5×105〜5×107ohm.cm抵抗率をもつ。
上記放電装置は好ましくは上述のようなスイッチング装置を備え。また電圧発生回路は少なくとも25kVの出力電圧を発生するように作動できる。この大きさの電圧は、噴霧すべき液体が比較的粘性のある場合や及び(または)広範囲の流量が要求される場合に必要であり、その様な電圧は通常、コロナ放電効果にすくなとも一部起因すると考えられてきた疑似噴霧効果を生じさせること成しに使用できる電圧以上であると考えられる。また、この大きさの電圧での動作は多量の電荷の容量性蓄積につながり、ある状況のもとでは使用者に不愉快な衝撃を与える可能性が生じる。本発明のこの最後に述べた概念を成す特徴を組合わせることにより、大きな電圧を使用することができ、しかもペイント塗料のような比較的粘性で抵抗率の低い液体を満足に噴霧できかつまた容量的に蓄えた電荷の放電に対して使用者を保護することができる。
通常、本発明の上記概念のいずれかに関して述べた静電噴霧装置は、高電圧発生回路の入力側に接続された、バッテリーパックのような低電圧電源によって給電され、また装置はしばしば手で持つようにされ得る携帯式の自蔵型装置の形態をなしている。
ここに記載した静電噴霧装置は広範囲の物質、例えば身の回りのケアーまたは衛生組成物、エアフレッシュンナーとして適する芳香剤組成物、塗料組成物、殺虫剤、殺菌剤及び調剤を噴霧するのに適している。従って、本発明は、これらの物質のいずれかを収容したカートリッジを装着した上述のような静電噴霧装置をその範囲内に包含している。
本発明の種々の他の特徴及び概念は請求の範囲及び単に例として添附図面に例示した本発明の種々の実施例についての以下の記載から明らかとなる。図面において、
第1図は、本発明による光感応高電圧電子スイッチング装置の一実施例を示す概略図である;
第2図は、第1図に示す形式の電子スイッチング装置を使用した高電圧発生装置を組み込んだ静電噴霧装置を示す概略線図である;
第3図は、第2図に示す実施例の変形を示す概略線図である;
第4図は例えばショック抑制のため二極性の出力を必要とする及び(または)元来噴霧するのが困難であるターゲット例えばデンキ絶縁材料のターゲットに噴霧できる静電噴霧装置に使用される二極性の高電圧出力を発生する回路の概略線図である;
第5図は高電圧出力を発生し、園出力を多数の出力装置に選択的に送る回路の概略図である;
第6図は第2図または第3図の装置が応用され得る噴霧銃の一形式を示す概略図である。
第1図を参照すると、本発明によるスイッチング要素は超高電圧ダイオード10を備えており、この超高電圧ダイオード10は、代表的には、Philips社製のEHTダイオード・部品番号BY713(RS Components社製の部品番号262−781)で構成されうる。このダイオードは、包囲材料P1(明細書中は第1包囲体と称する。)で包囲され、高電圧で使用でするために設計された最大直列逆電圧が24kVの直列積層PN接合を有するシリコンダイオードである。発光ダイオード(LED)12の形式の光源もまた、包囲材料P2(第1包囲体、但し、包囲材料P1と同じ材料である必要はない)で包囲されており、このLED12はEHTダイオード10に非常に近接して設けられ、その結果、付勢された時に、LED12によって放射された光は、EHTダイオード10に照射される。代表的には、LED12は、RS Components社製の部品番号RS635−296に利用可能なような高電力赤外線放射LEDによって構成される。EHTダイオード10及びLED12は両方共、包囲されている。第1図の場合のように、別個の構成部品で本発明のスイッチング要素を組み立てる場合には、LEDによって発光される光の波長に対して少なくともいくらかの透過率を有する包囲体を備えたEHTダイオードを選択したほうが有利である。従って、Philips社製のEHTダイオードが部品番号RS635−269のLEDで発光されたIRの波長に対して透過性があるガラス包囲体を使用しているので、上述の構成部品の組み合わせが有利であることを出願人は発見した。
製造の間、EHTダイオード10及びLED12は、ダイオード10がどちらといえば(フォトダイオードのような)集光よりも高電圧での処理を目的とした構造であることを考慮して、LED12で発光されたIRをダイオード10のPN接合に十分効果的に放射できるようにするために、光学的に整列された関係に組み立てられる。EHTダイオード10及びLED12は、適当に整列した後、LEDの放射の波長に対して適当な透過率を有する包囲空間14(第2包囲体S)で包囲される。包囲空間14は、ダイオード10及びLED12の周囲に、各接触面に気泡が生じないような仕方でモールドされ、反射境界として作用するのに役立つ。これは、包囲材料の硬化中に、ダイオード10及びLED12との接触面よりも包囲空間14の外周面で収縮を発生させることのできるモールド技術を選択することによって容易に達成され得る。有害な境界効果を避けるために、包囲空間14を形成する包囲材料は少なくとも、ダイオード10及びLED12の包囲材料とつりあう相応の屈曲率を有するように選択される。指定された構成部品(BY713ダイオード及びRS635−296LED)における適当な包囲材料は、光硬化性樹脂LUXTRAK LCR 000(LUXTRASKはICIグループのRTMである。)及びRS Components社製のUV硬化性樹脂R505−202である。加えて、第2包囲体Sは、低電圧のダイオード12と高電圧のダイオード10との間で高い電気絶縁率を有する。
上記したように、第2包囲体S内にダイオード10及び12を包囲するためのモジュール処理は、ダイオード12によって放射される放射エネルギを効果的に利用できるようにするような方法でなされることが重要である。特に、第1包囲体と第2包囲体との間の層間空隙の発達を防止することは注意しなければならない。このような空隙は、硬化中の第2包囲体の収縮し内部ストレスが強くなることにより生ずる。これは、モールドの側部に第2包囲体が付着するのを防止するために、モールドにリリース媒体を与えることによって達成することができ、その結果、硬化する第2包囲体が、モールドの表面よりむしろ収縮中の第1包囲体に優先的に付着するようになる。代わりに、リリース媒体を使用するのではなく、第2包囲体がモールドの表面に付着するのを防止するために、フレキシブルフィルム層に沿ってモールドを設けてもよい。
前述のように、従来の高電圧ダイオードの構造は放射光が有効に使用するのには適しておらず、実際は、多くの高電圧ダイオードが光の照射からPN接合を保護するのに効果的な材料で包囲されている。これに対して、本発明は、PN接合上で光の有する公知の影響を利用しようとしており、本発明のスイッチング要素を商業的に利用可能な個々の高電圧ダイオードで組み立てる場合、ダイオードを光の影響から保護するよりむしろ、集光のためでなく露光を最大にするのが望ましい。従って、さらにLED12をEHTダイオード10に非常に近接させて、かつ光学的に配向させて配置するために、露光を強める必要がある場合には、EHTダイオードに直接放射せずに反射させる一つ又は複数の反射表面が設けられる。
実施例においては、これはEHTダイオード10及びLED12を包囲し、露光が必要とされるEHTダイオードの位置に向けて光りを反射させる材料の層又はコーティング16によって実施されている。層/コーティング16は少なくとも部分的に、有利な略球形の形状をなす。層/コーティング16は、例えば、MgOで構成され得る。
EHTダイオード10、LED12及び包囲空間14の組立体は、つぼ状包囲体18(第3包囲体)で囲まれる。前記つぼ状包囲体18は、優れた電気絶縁特性を有し、周囲の光からダイオード10を保護すると同時に、外部回路に接続するために露出されたEHTダイオード10のリード線20及びLED12の端子22を除くようなしかたで組立体を包囲する。第3包囲体が適当に選択されると、例えば、第3包囲体18が、RSコンポーネント社製部品番号RS552−668のような白色反射材料であれば、分離反射層16をなくすことが可能になる。
組立体の形状及び寸法は、ダイオード12が作動する低電圧とHTダイオード10が作動する高電圧との間に適当な電気絶縁効果が与えられるように選択される。例えば、(反射層16を有する、又は反射層16を有しない)第2包囲体だけが使用される場合、第2包囲体の形状及び寸法は、第2包囲体の露出した表面を横切って測定した時にリード20の高電圧とリード22の低電圧との間隔が、HTダイオード10に印加されるべき各kV(電圧)に対して少なくとも3mmになるように選択される。しかし、組立体がつぼ状包囲体内に包囲される場合、第2包囲体の外面は空気にさらされず、この場合、形状及び寸法は、第2包囲体の外面を横切って測定したリード線20及び22の間隔が、ダイオード10に印加されるべき各kV(電圧)に対して少なくとも1mmになるようにされる。
RS635−296LEDの場合、高電圧ダイオードを逆方向に導通させるのに必要な光を発生するために初期電圧を約1.3Vを超えさせなければならない。代表的には、LEDはスイッチを開くのに1mAしか必要としないが、好ましくは、特に第4図を参照して以下に説明するように、2極性の出力の製品に使用する時には、LEDへの初期ピーク電流は300mAまで上げられるべきである。
第1図を参照して説明したような高電圧・低電流スイッチング要素の一つの応用例が第2図に示されている。第2図は、静電噴霧装置に使用される電圧発生回路の回路図を模式的に示しており、前記静電噴霧装置は、欧州特許A−120633号、欧州特許A−441501号及び欧州特許A−468736号の何れかの形態を取ることができる。これに関しては、第2図に示すように、高電圧発生装置30は、電池34及びアース接続を有する手動スイッチ36とを備えた低電流回路32から電力が供給される。アース接続は、例えば装置のハンドグリップ部分を保持した状態で使用者が自動的に接触させることのできる装置に金属接触部を設けることによって使用者を介して都合よくなされる。このような接続の一例は欧州特許A−120633号に示されている。
ハンドグリップ部分にはトリガーを装備することができ、このトリガーは使用者が操作した時に、スイッチ36を作動させ、使用時に液体の静電噴霧がなされるノズル42に供給するための液体が収容された容器40に圧力を与える。袋体のような容器を圧縮するための適当な機構の実施例は欧州特許A−482814号に開示され、そこでより詳細に説明されている。高電圧発生装置30の高い出力電圧(実施例は付勢時を示している。)は、使用時に、いくつかの適当な方法(前述の欧州特許に様々な可能性が開示されている)で接続される出力端子44に印加され、その結果、ノズル42の放出部に液体が蓄積される。第3図では、出力端子44は、ノズル42を貫通する液体供給通路に配置された電極に接続されている。また、代わりに、出力端子44を、例えば、ノズル放出部の上流にある液体に電気的に接続することができ、この電気的な接続は容器40が絶縁材料で形成されている場合は容器の壁を貫通する接触子を介してなされ得、また、容器40が導電材料で形成されている場合は容器の壁を介してなされ得る。高電圧発生装置30は、好ましくは直流低電圧回路32に接続された発振器を使用し、かつ実質的に交流の方形波出力を発生する形式のものであり、前記交流方形波出力は第2巻線から昇降変圧器に供給される。前記第2巻線からは高出力電圧(20Hzのオーダーの周波数を有するパルス列の形態である)が引き出され、この高出力電圧は整流器及び蓄電回路を介して出力端子44に供給され、それにより、内部抵抗が30GΩのブランデンバーグ(Brandenburg)139D高電圧メータを高電圧発生装置の高電圧出力につないで測定した時に10〜30kVのオーダーの単極性の高電圧が得られる。蓄電回路はパルス列の平滑を行い、約100kVまで上がり得る第2出力から極端に高い電圧ピークを排除する。
噴霧を形成するための機構は、放出する液体と低電位(例えば、特別なターゲット、包囲部材、又はノズル付近の装置上に設けられた低電位電極による低電位)との間に発生する静電界で液体を一つ又はそれ以上の液糸に引き出し、前記液糸はその後、帯電した小滴の噴霧を形成するために分裂される。この処理において、容器40からノズル42の出口への液体の供給は、欧州特許A−120633号、欧州特許A−486198号又はPCT特許出願第GB92/01712号に開示されたように、例えば、ウィッキング構造を使用する重力又は毛細管供給下でなされ得る。代わりに、前記機構は液体を充分な圧力下で供給して、弱いジェットとしてその放出を効果的に行い、静電界でジェットの直径を、ジェットが放出される孔の直径よりも実質的に小さくなるまで絞り、それによって、帯電した液滴の噴霧を形成するために粉砕する液糸を形成する。後者の形式の装置は、欧州特許A−501725号に開示されており、特に、比較的低い固有抵抗を有する液体の噴霧にさせる。
装置の通常の使用では、使用者がトリガーを操作すると、スイッチ36が動いて高電圧発生装置30を付勢し、それによって、ノズル42で、又はノズル42の近くで液体が放射される。上述のように、後者の場合にはノズル出口への液体の供給は受動的或いは強制的なものであることができ、使用者によってトリガーにかけられた圧力は、ノズルへの液体の供給を強要するために(袋体のような)容器の圧縮に変換され得る。例えばトリガーが離されスイッチ36が開いて噴霧が中断すると、たとえ電圧発振器が消勢されても、システム内に充電された電荷が残り得、例えば、負荷(例えば、液体の容器を形成する金属容器や高電圧発生装置30の高電圧側の金属部品の何れかのような任意の金属部品)に接続された蓄電装置によって蓄積された電荷が残り得る。適当な処理を施さない限り、この蓄電された電荷は操作者に対して感電の危険可能性を残し、例えば、噴霧を中断してからすぐに、操作者が容器を取り替えるために容器に触れると感電する危険が残る。
産業を目的にして使用され、かつ噴霧装置から分離した直流電源によって、電力が供給される形式の過酷な効率の噴霧装置においては、通常使用される液体は、高電圧発生装置の高電圧出力を、ブリード抵抗を介してアースに連結し、その結果、噴霧が中断した時に、残りの電荷はブリード抵抗を介して急速にアースに放電される。急速放電を確実にするために、ブリード抵抗の値は比較的低くされる。従って、装置への電力供給は、低い値のブリード抵抗によって強いられる連続的な電流ドレインを補うために充分な電力を供給するよう決められる。分離された交流電源によって電流が供給される産業装置に対しては、特別な問題は提起されない。しかし、消耗品(例えば、香料、身の回りの衛生混合物、室内芳香及び塗料等)を噴霧することを意図した小型化及び低価格化噴霧装置の場合においては、電源が装置内に収容される直流バッテリ電源の形態である場合には、ブリード抵抗を使用することは商業的に不可能で、そうでなければ著しい量の電流が噴霧中にブリードされる。
第2図に示すように、高電圧発生装置30を消勢すると同時に、蓄電された余りの電荷を放電する通路を提供するために、第1図を参照して説明したようにスイッチング要素46は、正の電圧出力端子44とEHTダイオード48を備えたアースとの間に結合され、EHTダイオード48は逆方向にバイアスされている。通常の噴霧作用の間は、LED50は作動せず、ダイオード48は暗電流を除いては非導通になる。高電圧発生装置30が消勢されている時は、LED50は一時的に作動し、それによって、EHTダイオードを逆方向に導通にして、余った蓄電電荷をアースする通路を形成する。
LED50は、使用者がトリガーを開放すると、それに応じて自動的に作動する。トリガーの開放すると、スイッチ36はポール52からポール54へ動き、それによって、抵抗デバイダーR1及びR2を高電圧発生装置30の入力側の入力部に結合する。この結果、高電圧発生装置30の入力側にある符号56で示された内部キャパシタンスは、デバイダーR1,R2を介してアースされる。この電流は、トランジスタスイッチ58のベースの制御電圧として現れ、トランジスタスイッチ58は電流制限抵抗60を介してバッテリ電源34にLED50を接続するON状態に切り替えられる。この方法においては、LEDは作動し、EHTダイオード48が導通になり、余りの電荷を消散する。
内部キャパシタンス56から引き出された制御電流は、構成部品51,R1,R2で形成された抵抗性/容量性回路網の時定数によって決定される制限された時間間隔のみで作用する。一度制御電流が減衰すると、トランジスタスイッチ58はOFF状態に戻り、LED50は非作動状態にされる。実施にあたっては、回路は、充分に(いつも完全に)かつ迅速に高電圧発生装置30の出力側で余り電荷の放電ができるように設計され、作業者に対する感電の危険を排除する。
第2図では、一つのスイッチング要素46だけが示されているが、幾つかの場合において、特に、電圧発電装置の高電圧出力が著しく大きい時、例えば30kV又はそれ以上の時には、二つのスイッチング要素46(たとえ、二つで目的は充分に達せられるとしても、二つ以上設けてもよい。)が設けられ、そのEHTダイオード48は出力端子44とアースとの間に直列に設けられる。この状態において、回路は両方のLED50を付勢するために適当に変更され得る。
第2図において、EHTダイオード48は、端子48に与えられる高電圧出力に対して逆方向にバイアスされて配置される。代わりに、二つの機能を持つように、即ち、噴霧が停止された時に余りの電荷を放電し、また、電圧発電装置30の第2の昇降変圧器で発生される出力を整流するように配置され得る。第3図を参照すると、この実施例は第2図の実施例とほぼ似ており、低電圧回路32がブロックで示されているが、第2図と同じ回路であることは理解されるであろう。また、第3図において、第2図に対応する構成部品は第2図と同じ符号によって示される。第3図の実施例の機能は、以下に説明する点以外は第2図の実施例の機能とだいたい同じである。この場合、EHTダイオード48は昇降変圧器の第2巻線Sと出力端子44との間に、順方向にバイアスされる状態で結合されている。コンデンサ62(このコンデンサ62は別個の回路で構成してもよく、また負荷を与えることで得られるキャパシタンスであってもよい。)は高電圧ピークを排除し、第2図で説明したように整流を行う。高電圧発生装置30の機能において、第2出力は、EHTダイオード48によって整流され、単極性の出力を端子44に与える。噴霧が中断し、高電圧発生装置30が消勢された時、LED50は第2図を参照して説明した方法で作動され、EHTダイオード48を逆バイアス方向に導通させ、それによって、第2巻線Sを介してコンデンサ62及び負荷に結合されたキャパシタンスによって蓄電された余りの電荷をアースする放電経路を提供する。
第4図は、本発明によるスイッチング要素を使用して、装置の出力端子に2極性の出力を発生することを目的とした実施例を示している。2極性の出力を発生する装置は、欧州特許A−468736号に開示されたように感電を抑えるために使用され得、また、欧州特許A−468735号に開示されたように、静電的に噴霧するのが通常困難なターゲット(例えば、電気絶縁材料で構成されたターゲット)の噴霧のために使用され得る。欧州特許A−468735号及び欧州特許A−468736号を参照することによって、その開示内容は本明細書中に含まれる。第4図の構成は、第2図に関する上記説明を参照した形式の噴霧装置の種々の形態の実施例であり得、例えば、スプレーノズルへの液体の供給を受動的に行うか、強制的に行うかの何れかを使用する装置の形態の噴霧装置であり得る。
第4図において、高電圧発生装置72は、その低電圧入力が直列バッテリ電源34に接続させ、また低電圧回路68の一部を形成する手動スイッチ36に接続される。高電圧発生装置72に含まれる昇降変圧器の第2巻線の高電圧側は、交流パルス列(特に、20Hzのオーダの周波数)を発生し、平行にしかしバイアスには反対に配置して一対の従来の高電圧ダイオード74,76に接続されている。従って、第2巻線Sで誘導される交流EMFは、電圧の正の周期が通過するダイオード74と負の周期が通過するダイオード76とで整流される。コンデンサ78,80はには各ダイオード74,76に結合され、電圧ピークを除去し、パルスを平滑にする。スイッチング要素82A及び82Bは出力端子80への高電圧発生装置の電圧の結合を制御し、出力端子80はノズル出口の液体に高電圧を印加するために、任意の適当な方法でノズルに交互に接続される。各スイッチング要素82A及び82Bは高電圧ダイオード84A及び84Bと、LED86A,86Bとを備え、第1図から第3図を参照して説明した方法で作用するように結合される。
各ダイオード84A及び84Bは従来のダイオード74,76に対して各々逆向きに直列に接続される。LED86Aは制御回路88によってその動作が、ダイオード84A及び84Bを交互に周期的に逆バイアス方向に導通させるように制御され、制御回路88は手動スイッチ36の閉鎖動作に応じて作動される(例えば、装置のハンドグリップ部位に結合されるトリガーの握りに応答して作動される。)。制御回路86は、ダイオード84A及び84Bが、2極性の出力によって達成されるべき作用、例えば欧州特許A−468736号及び欧州特許A−468735号に開示された感電抑制又は絶縁ターゲットの噴霧に対して適当に、周波数に従って交互に導通するように設計される。従って、例えば制御回路88はダイオード84A及び84Bの状態を、10Hzまでのオーダの、特に1〜2Hzのオーダの周波数を有する通常方形波の形態の端子80の2極性の出力を発生するような仕方で、制御するために使用することができる。
第2図〜第4図中に示した回路及び液体供給は、実施する場合は、共通のハウジング内で具体化され、その結果、装置はそれ自体を含み、持ち運びが便利になることは理解される。
第5図を参照すると、この実施例では、高電圧発生装置100は、その入力側が低電圧DC供給回路101に接続され、またその出力が、高出力電圧を必要とする一つ若しくはそれ以上の装置に選択的に結合されるよう意図されている。従って、第5図においては、高電圧発生装置100は、その出力端子102の位置で3つの出力装置A,B,Cに適用するための単極性の電圧を発生し、前記出力装置A,B,Cはスイッチング要素104A,104B,104Cを介して各々接続され、これらスイッチング要素は、高電圧ダイオード106A,106B,106C及びLED108A,108B,108Cを有し、上述の方法で作動するように装備されている。ダイオード106A,106B,106Cは高電圧発生装置100で発生される出力電圧に対して逆バイアスに配置されている。スイッチング装置は制御回路110で制御され、制御回路110は、結合されたダイオードを反対方向に導通させるために何れか一つの、又はそれ以上のLEDに電流を供給するようにプログラムすることができ、また、選択的に作動させることができ、それによって、高電圧発生装置の出力電圧の各出力装置に適用することができるようになる。この方法では、出力装置A,B,Cは予めプログラムされたシーケンスで、又は任意の所望の方法で作動し得る。例えば、制御回路110は多数の手動スイッチ又は他の手段に結合することができ、それによって、使用者は操作すべき出力装置(前述の静電噴霧ノズルのような装置)を選択することができる。使用者による装置の選択に応じて、制御回路110は、選択された装置に高電圧発生装置からの高電圧出力を供給することができるようにするために、適当なLEDを作動することができる。
次に第6図を参照すると、例示した噴霧銃は手持ち式で用いるようにされており、少なくとも4cc/minまでの流量で、塗料のような比較的粘性が高く、しかも抵抗率の低い液体配合物を噴霧するのに適している。噴霧すべき代表的な配合物は1ポアズ台の粘度と5×106ohm.cm台の抵抗率をもつ。噴霧銃は本体部材202とハンドグリップ204とから成っている。本体部材202は絶縁プラスチック材料、例えばポリプロピレンのような高絶縁性の材料の管の形態を成している。ハンドグリップ204から離れた本体部材202の端部には、つば206を備え、このつば206もまたポリプロピレンのような高絶縁性の材料から成っており、液体容器に迅速に着脱するため本体部材202にねじ嵌合または着脱可能に係合されている。つば206により構成要素208は本体部材202の端部に位置決され、そしてこの構成要素208は基部210と銃の前方に突出する一体の環状シュラウド212とを備えている。
基部210は中央開口を備え、この開口を通ってノズル214が突出し、ノズル214の後端にはフランジ215が設けられており、このフランジ215は基部210の後面に着座している。ノズル214は、代表的には1015ohm.cm台のかさ抵抗率をもつポリアセタル(例えばDelrin)のような高絶縁性の材料から成っている。本体部材202は、噴霧すべき液体をノズル214に供給する交換可能なカートリッジ216を収納している。噴霧銃は少なくとも4cc/minまでの流量で液体を供給する必要があるので、液体をノズル214へ積極的に供給する必要があり、本発明のこの実施例では、このような積極的な供給は、液化推進剤、例えばフルオロカーボン134Aによって加圧された金属容器218から成るバリヤーパックと呼ばれる形式のカートリッジを用いて行なわれ、そして噴霧すべき液体は液体と液化推進剤とを分離する撓み性の金属箔サック220内に入れられている。金属箔サック220の内部は弁224を介してノズル内の軸方向通路222に連通しており、弁224は通常のエアゾール型缶の弁と同様に作動し、
容器218に対して後方へ変位することにより開放して通路222内へ(推進剤による加圧力で)液体を積極的に流すことができる。通路222はノズルの出口を構成する減径孔内の前方端で終端している。ノズル214の前方端はシュラウド212の前方端を含む平面でまたはその近くで終端している。
カートリッジ216の後方において、本体部材202には高電圧発生装置226が管状キャリヤ228内に設けられている。この管状キャリヤ228は本体部材202の軸線方向に沿って制限されて摺動できるように装着されている。キャリヤ228は引張ばね230によって後方に引張られている。高電圧発生装置226は脈動出力を発生し、整流し、そして平滑して高電圧直流出力を発生する形式のものである。この型の高電圧発生装置226の適当な形式は欧州特許出願第163390号に開示されている。高電圧発生装置226は高電圧出力極232をもち、高電圧出力極232は導線233を介して接点234に接続され、接点234はキャリヤ228に固定されそして金属容器218の後端と係合するようにされている。高電圧出力極232の第2の出力極235は導線236、抵抗238本体部材202及びハンドグリップ204の外面に固定された導電性接触条片240を介してアースされており、従って使用者が銃を握ると、使用者を介してアースへの電路が形成される。高電圧発生装置226は、ハンドグリップ204内に収納されそして低電圧回路の一部を成すバッテリーバック242から成る低電圧直流電源によって給電され、低電圧回路は(抵抗238及び使用者を介して)アースに接続される導線236と、マイクロスイッチ246を介してバッテリーパック242を高電圧発生装置226の入力側に接続する導線244を含んでいる。
弁224は使用時にカートリッジ216と本体部材202とを相対的に動かすことによって開放され、ノズル214は本体部材202に対して固定されたままである。弁224を作動させる動きは高電圧発生装置とキャリヤの組立体の動きを介してカートリッジ216に加えられ、高電圧発生装置とキャリヤの組立体はハ
ンドグリップ204と組合さったトリガー248の作動により動かされ、きつく握ると、レバー250が回動連結部252を中心として回動し、それにより、リンク258を介してレバー250に連結された別のレバー254が256を中心として回動され、別のレバー254は管状キャリヤ228の後端に当接しており、従って別のレバー254の回動により管状キャリヤ及びカートリッジ216は順方に変位し、その結果弁224を開放させる。トリガー248の解放時には、種々の構成要素はばね230を含む適当なバイアス装置によって第6図に示すような始動位置に復帰される。またトリガー248を引くことにより、マイクロスイッチ246に結合したリンク機構260が動かされ、それによりトリガー248の操作に応じてマイクロスイッチ246が作動され、低電圧電力を高電圧発生装置226に供給させることになる。
代表的には少なくとも4cc/minまでの流量(例えば、6cc/minまたはそれ以上の流量)で比較的粘性の大きく抵抗率が小さい液体を噴霧するようにされた装置では25kVを越える高電圧発生装置によって発生された高電圧は、節点234、金属容器218及び通路222内の液体を介してノズル214の出口に印加され、ノズルの先端とアース電位の周囲との間に電界を発生する。この電界はノズルの出口からの液体を液糸にするために形成され、液糸は一様な膜として付着させるのに適した相対的に一様な大きさで帯電した液滴の分散噴霧に分離される。噴霧すべき配合物の粘性が比較的高い(例えば1ホアズ台)ので、出口の直径は少なくとも4cc/minまでの流量を得るため相対的に大きく(代表的には少なくとも600μ)しなければならない。
また相対的に粘性のある物質では、この程度の流量で満足な液糸を形成するためには(特に単一の軸方に向いた液糸を形成するためには)、粘性物質による液糸の形成がより強い電界強度を必要とするので、比較的粘性の低い液体の場合より高い電圧で作動させる必要がある。
このため、第6図の噴霧銃で使用した高電圧発生装置226は、30GΩの内部抵抗をもつBrandenburg 139D高電圧計に発生装置の高電圧出力を接続して測定したところ25kVまたはそれ以上の出力電圧である。しかしながら、通常このオーダーの電圧を用いると、恐らくノズル出口の極近くの電界強度が空気の破壊電位を越え得るので、コロナ放電効果の結果として疑似噴霧となってしまう。このような疑似噴霧は例えば、液糸から分離した非常に細かい液滴の霧の形態で多方向に分散した液滴となったり粗い液滴の分散性の悪い近軸流となり得る。
25kVまたはそれ以上の電圧の元での満足な液糸の形成及び分裂は第6図の噴霧銃において構成要素208及び特に環状シュラウド212を設けることによって達成される。構成要素208は半絶縁性材料(代表的には、1011〜1012ohm・cmまでのかさ抵抗率をもつ),例えばDuPont社から販売されている“Hytrel"grade 4778で構成され、それの後方に突出した環状部分262は金属容器218と接触され、それにより接点234を介して印加した電圧は環状シュラウド212の前方端に現れ、そしてノズル214の出口に発生した電圧と同じ極性及び実質的に同じ大きさである。環状部分262は本体部材202の前方端とつば206におけるフランジ264との間でトラップされており、それで構成要素208は本体部材202に対して固定されることになる。トリガー248の動作により容器218は構成要素208に対して変位することになるが、容器218の先導端と環状部分262の内周部分とが摺動接触しているため電気的な連続性は維持される。
高電圧発生装置と環状シュラウドとの接触は図示した摺動接触構成以外の仕方でも行なわれる得ることが理解され、例えばこの接触は弾性接触により行なうこともできる。通常接触装置はノズルの先端に発生された電圧にほぼ相応した電圧が噴霧の開始に先だってまたはそれとほぼ同時に環状シュラウドに現れ、それにより噴霧の開始時には環状シュラウドが直ちに有効となることを保証するようにされる。
ノズルの先端に対して環状シュラウドの前方端を適当に配置することによって、ノズル先端の極近くの電界強度は、比較的一様な大きさの液滴に分裂する単一液糸を形成するように十分に減衰され得る。環状シュラウドの前方端の最適な位置決めは試行錯誤によつて、すなわち軸方向に調整できるシュラウドをもつプロトタイプの銃によって容易に行なうことができる。このようにして環状シュラウドは噴霧の状態を観察しながら引っ込んだ位置から前方に調整され得る。最初、環状シュラウドが引っ込んだ状態では、上記した疑似噴霧効果が観察され、そして環状シュラウドを前方へ動かすにつれて、噴霧特性が著しく改善ししかも相対的に一様な大きさの液滴の得られる位置に到達する。この位置を越えて調整しても、最初に噴霧の特性には影響しないが、収束効果を持つ傾向がある。実際、環状シュラウドの端部に現れる電圧がノズル先端における電圧とほぼ同じ大きさである場合には、最適位置は、ノズルの先端か環状シュラウドの前方端部を含む平面とほぼ一致する傾向にあることを見出し、代表的な装置では、内径16mm、外径20mmの環状シュラウドを用いると、ノズルの先端はこの平面から約1mm突出する。通常。装置は、ノズルの前端と環状シュラウドの直径上相対した前方端部との間に伸びる仮想線間の角度が140゜〜195゜、一層好ましくは150゜〜180゜の範囲内にあるようにされる(180゜以下の角度は、ノズルの前端がと環状シュラウドの前方にあることに相応し、また180゜以上の角度は、環状シュラウドがノズルの前端より前方にあることに相応している)。
液糸の分裂の特性における顕著な差は、同じ液体を用い同一条件の元で二つのノズルの一方をシュラウドなしで作動させ、他方のノズルをシュラウドを最適位置において作動させることにより証明できる。シュラウドなしの場合の代表的な分裂状態では、ノズルの出口から僅かな距離のところに非常に細かい液滴の霧が形成され、そして液糸の中心部分が分裂して分散性の悪い粗い液滴の流れになる。この場合に形成される噴霧は、噴霧すべき表面上に液体(例えば塗料)の一様な膜を形成するのには全体として不適当である。これに対して、シュラウドを最適位置に配置し、ノズルの先端の電圧とほぼ同じ電圧で作動した場合には、液糸は狭い寸法の分布をもつ液滴の分散流に分裂する前にノズルの出口から実質的な距離伝ぱんすることが観察された。100μ以下のVMDをもつ液滴による噴霧の形成は、ノズルがシュラウドを最適位置に配置して作動される場合に容易に達成できた。
ノズルの先端に印加される相対的に高い電圧(すなわち通常25kV以上)と結合した金属容器218を設けることにより、噴霧中には容量的に蓄えられる電荷を多く形成することができるが、使用者が噴霧の停止時に例えばカートリッジを交換するため装置の内部に触れようとすると、不愉快な電気的ショックを受ける可能性がある。この不愉快な電気的ショックを受ける可能性は、噴霧の停止に応じて容量的に蓄えられた電荷を放電させる装置を組み込むことで避けられ、そのような装置は有利には第2図または第3図の実施例に記載した仕方で設けられる。
第6図の噴霧銃は、少なくとも4cc/minまでの一層好ましくは6cc/minの噴霧・流量で0.5〜10ポアズ(特に1〜8ポアズ9の粘度をもちまた5×105〜5×107ohm.cm(特に2×106〜1×107ohm.cm)の抵抗率をもつ液体を噴霧するのに特に適している。ノズル出口の直径及び電圧発生装置226の出力電圧は噴霧すべき液体の粘度及び抵抗率に従って選定される。代表的には、ノズルの出口は、比較的粘性の高い液体に懸濁した粒子(例えばペイント塗料の場合のように)による詰まりを避けそしてトリガーに法外な力を加える必要なしに所望の噴霧・流量を達成するために,少なくとも600μの直径を有する。高電圧発生装置226の直流出力電圧は、30GΩの内部抵抗をもつ
Brandenburg 139D高電圧計で測定すると代表的には25kV〜40kV、一層普通には28kV〜35kVである。高電圧発生装置226の出力に直接シュラウド212を接続してシュラウドに現れる電圧がノズルの先端における電圧とほぼ同じ大きさになるようにすることは比較的簡単であるが、本発明ではシュラウドに現れる電圧がノズルの先端における電圧と相当にことなる可能性も包含され、その場合、電圧の差は、ノズルの先端に対してシュラウド適当に位置決めして狭い寸法の分布をもつ液滴の所望の分散噴霧の保証するようにすることによって補償され得る。
第6図について記載した噴霧装置はここに述べた他の目的で電子スイッチング、例えば第4図の実施例による変更を組み込むことにより付加的にまたは代りに変更され得る。

Claims (14)

  1. ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、出力端子と、静電噴霧を行うため前記出力端子を介して前記噴霧すべき物質に高電圧を印加する高電圧発生回路とを備え
    前記高電圧発生回路は、放射感応電子スイッチング装置及び前記高電圧の発生を制御する放射発生装置を含み
    前記放射感応電子スイッチング装置は、噴霧動作中に高 電圧によって逆方向にバイアスされ、回路の消勢に応じ て前記放射発生装置が前記電子スイッチング装置を照射 するように作動され、それにより前記放射感応電子スイ ッチング装置を導通させて回路の高電圧出力側の容量的 に蓄えられた電荷からの電流の放電路を形成することを特徴とする静電噴霧装置。
  2. ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、出力端子と、静電噴霧を行うため前記出力端子を介して前記噴霧すべき物質に高電圧を印加する高電圧発生回路とを備え
    前記高電圧発生回路は、放射感応電子スイッチング装置及び前記高電圧の発生を制御する放射発生装置を含み
    前記放射感応電子スイッチング装置は、前記高電圧発生 回路を消勢しかつ噴霧を停止するため使用者の操作でき るスイッチの動作に応じて自動的に導通されることを特徴とする静電噴霧装置。
  3. ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、出力端子と、静電噴霧を行うため前記出力端子を介して前記噴霧すべき物質に高電圧を印加する高電圧発生回路とを備え
    前記高電圧発生回路は、放射感応電子スイッチング装置及び前記高電圧の発生を制御する放射発生装置を含み
    前記放射感応電子スイッチング装置は、整流を行なうよ うに前記高電圧発生回路に結合されることを特徴とする 静電噴霧装置。
  4. 前記高電圧発生回路は、昇圧変圧器を備え、昇圧変圧器の二次側の一方にタップを設けて交流高電圧出力を形成し、前記二次側の他方をアースのような低電位に接続し、また前記放射感応電子スイッチング装置が前記二次側に直列に接続され交流電流を整流しそれにより単一極性の高電圧出力を発生するようにした とを特徴とする請求項に記載の静電噴霧装置。
  5. ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、出力端子、静電噴霧を行うため前記出力端子を介して前記噴霧すべき物質に高電圧を印加する高電圧発生回路とを備え
    前記高電圧発生回路、放射感応電子スイッチング装置及び前記高電圧の発生を制御する組合さった放射発生装置を含み
    前記放射感応電子スイッチング装置は、対の電子スイッ チング素子を備え、前記放射発生装置が前記電子スイッ チング素子の動作を制御して所定の周波数の二極性の出 力電圧を発生するようにしたことを特徴とする静電噴霧装置。
  6. ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、交流出力を発生する発生器 噴霧すべき物質に高電位を印加して噴霧すべき物質を静電的に帯電させる高電圧発生回路と、回路の逆極性の出力成分を前記ノズル装置に直接または間接に結合する第1、第2放射感応電子スイッチング装置と、第1、第2放射感応電子スイッチング装置を交互に同じ導通状態にするように制御して回路の交流周波数と異なる周波数で前記ノズル装置に前記出力成分を結合できる装置と、前記放射感応電子スイッチング装置を付勢または消勢する放射発生装置と
    を備えることを特徴とする静電噴霧装置。
  7. ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、出力端子、静電噴霧を行うため前記出力端子を介して前記噴霧すべき物質に高電圧を印加する高電圧発生回路と、前記ノズル装置を取り囲み、前記噴霧すべき物質に印加される高電圧と同じ極性の高電圧が噴霧中に発生されてノズルの出口の直ぐ近くの電界の強さを変える環状要素と、噴霧の停止時に作動でき、噴霧中に容量性素子に蓄えられた電荷を放電させる放電装置とを備え、また、前記放電装置が放射感応電子スイッチング装置、その電子スイッチの動作を制御する放射発生装置とを含むことを特徴とする静電噴霧装置。
  8. 前記高電圧発生回路の付勢及び消勢を制御する使用者が操作できるスイッチを備え、前記放電装置が前記高電圧発生回路の消勢に応じて自動的に作動可能であることを特徴とする請求項に記載の静電噴霧装置。
  9. 前記環状要素が前記高電圧発生回路に接続され、噴霧中に前記環状要素に前記高電圧を発生する とを特徴とする請求項に記載の静電噴霧装置。
  10. 前記環状要素に発生される高分圧が、 ノズル装置の出口に現れる物質に印加された電圧と同じ極性及び実質的に同じ大きさのものであることを特徴 とする請求項9に記載の静電噴霧装置。
  11. 前記高電圧回路によって発生され、前記噴霧すべき物質及び前記環状要素に印加される電圧が25kV以上であることを特徴とする請求項7に記載の静電噴霧装置。
  12. ノズル装置と、噴霧すべき物質をノズル装置に供給する装置と、出力端子、静電噴霧を行うため前記出力端子を介して前記噴霧すべき物質に高電圧を印加する高電圧発生回路とを備え
    前記高電圧発生回路は、放射感応電子スイッチング装置及び前記高電圧の発生を制御する組合さった放射発生装置を含み
    前記電子スイッチング装置は、共通の最大直流逆電圧を もつ一連の放射感応半導体接合と、印加電圧により順方 向にバイアスを掛けられた時にのみ前記半導体接合が一 方向に電流を通すように前記半導体接合に高電圧を印加 する端子装置と、前記半導体接合と組合わされ、前記半 導体接合が印加電圧により逆方向にバイアスを掛けられ た時に逆方向に電流を流すように前記半導体接合を選択 的に照射する選択的に作動可能な放射発生装置とを有 し、前記半導体接合及び放射発生装置を、所定の固定関 係で支持しかつ共通の包囲材料体内に収容したことを特徴とする静電噴霧装置。
  13. 前記包囲材料体が前記半導体接合の近傍に一つまたは複数の反射面を備えているまたは組合わせていることを特徴とする請求項12に記載の静電噴霧装置。
  14. 前記高電圧が噴霧すべき物質を介して ノズル装置に印加されることを特徴とする請求項1乃 至13のいずれかに記載の静電噴霧装置。
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