JP3661708B2 - 双方向放送方法及び双方向放送の受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、双方向番組に対する応答を行なう双方向放送方法及び双方向放送の受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビショッピング、アンケート調査や、視聴者参加型のクイズ番組などにおいて、テレビジョン放送側で、その応答のための受付電話番号が、適宜の時間だけ、スーパーインポーズで画面に表示され、視聴者からの応答は、電話やファクシミリによって行なうようにした双方向放送がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、全国規模で多数の放送局を網羅した、いわゆる、系列放送局を通じて、前述のような双方向放送を行なう場合、国内を複数のブロックに分け、ブロックごとにデータベースセンタを設けて、このデータベースセンタにおいてブロック内の視聴者からの応答を一括して受け付けるようにしたシステムが考えられている。
【0004】
この場合、ブロック毎のデータベースセンタには、双方向テレビ受信装置の生産時に付与された識別情報(製品番号など)を視聴者の双方向IDとして、双方向テレビ受信装置の使用者(視聴者)が予め自己の氏名など登録する。そして、視聴者の双方向番組に対するデータベースセンタへの応答の送信時に、この双方向IDを応答と一緒にデータベースセンタに送信する。データベースセンタは、その双方向IDから、そのデータベースに予め登録されている視聴者の氏名などを検索することができる。
【0005】
また、各データベースセンタに番組情報テーブルを登録しておき、視聴者からの応答に、そのときに視聴中のチャンネルのIDを付加して送信することにより、ある双方向番組が同時に複数のチャンネルで放送されている場合でも、視聴者からの応答がどの番組に対応するものであるか、更に、双方向番組が生放送であるか、録画による再放送であるかを識別することができる方法も提案されている。 ところが、放送局へのチャンネル割当てと、放送局の系列化とは、それぞれ独立に行なわれるため、ある地域のA系列の放送局と、他の地域のB系列の放送局とが、同じチャンネルで異なる番組を放送している場合もある。
【0006】
この場合にもチャンネルIDを用いようとすると、A系列の放送局とB系列の放送局とが同じブロックにならないように、国内を多数のブロックに分ける必要があり、ブロックごとにデータベースセンタを設けるために、相当額の投資を強いられるという問題が生ずる。また、放送局の新設により、あるチャンネルがブロック内で重複使用されることになれば、再度のブロック分けと、データベースセンタの新設とが必要になる。
【0007】
一方、各データベースセンタの番組情報テーブルを、番組ごとに系列情報を登録して作成すれば、視聴者からの応答を、放送チャンネルで区分することもできるが、この場合は、複雑なシステムになってしまうという問題が生ずる。
【0008】
この発明は、以上の点に鑑み、複数の双方向放送番組に対する視聴者からの応答を一括して受け付ける場合でも、それぞれの応答がどの双方向放送番組に対応するのかを、受け付け側で、容易に識別することができる双方向放送方法及び双方向放送の受信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、この発明による双方向放送方法は、
放送局側から受信者の応答を促す双方向番組を放送し、受信側からの応答の情報を、通信路を通じて所定の返信先に送信するようにした双方向放送方法において、
上記放送局側からは、少なくとも上記双方向番組を制作した放送局とその放送日時と当該番組固有の情報と当該番組内の設問を識別する情報とを含む番組識別情報を主放送信号に多重して放送すると共に、
上記受信側では、受信した上記番組識別情報及び自装置に割り当てられた識別情報を上記応答の情報に、上記応答の情報に対して独立した状態で加えて、上記返信先との間に生成した通信路を通じて上記返信先に送信すると共に、上記返信先への送信が成功したか否かを判断し、上記返信先への送信が成功したと判断した場合は、上記生成した通信路を切断するようにした
ことを特徴とする。
【0010】
また、この発明による双方向放送の受信装置は、
放送局側から放送される受信者の応答を促す双方向番組に対する受信側からの応答の情報を、所定の返信先に送信するようにした双方向放送の受信装置において、
上記双方向番組に対する応答の情報を入力する入力手段と、
自装置に割り当てられた識別情報を記憶する手段と、
受信した上記双方向番組の放送信号に多重されている、少なくとも当該番組を制作した放送局とその放送日時と当該番組固有の情報と当該番組内の設問を識別する情報とを含む番組識別情報を分離する分離手段と、
上記入力手段を通じて入力された上記双方向番組に対する応答の情報に、上記自装置の識別情報及び上記分離手段により分離された番組識別情報を、上記応答の情報に対して独立した状態で加えて、上記返信先との間に生成した通信路を通じて上記返信先に送信する送信手段と、
上記返信先への送信が成功したか否かを判断し、成功したと判断した場合は、上記生成した通信路を切断する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】
かかる構成によれば、返信先では、双方向放送番組の受信側からの応答情報に加えられた、番組識別情報に基づいて、それぞれの応答がどの双方向放送番組に対応するものであるか、容易に識別することができる。従って、双方向番組に対する応答情報の返信先が1つのデータベースセンタであっても、複数の双方向放送番組に対する視聴者からの応答を一括して受け付け、処理することが可能となる。
【0012】
【実施例】
以下、この発明による双方向放送方式及び双方向放送の受信装置の一実施例について説明する。この例においては、放送局側では、双方向番組の放送の際に、その副放送情報としての双方向番組関連情報を、主放送テレビジョン信号に多重して放送する。一方、受信側では、受信した映像信号から双方向番組関連情報を分離、再生して、メモリに記憶しておき、双方向放送番組に対する応答などに利用する。
【0013】
この例においては、双方向番組の番組関連情報は、主放送音声とは区別が容易であるオーディオ帯域の信号、例えば電話のプッシュ回線などで使用されているDTMF(Dual Tone Multi Frequency )信号により主放送音声信号に重畳するようにするしたりする。
【0014】
すなわち、放送局側では、副放送情報としての番組関連情報をDTMF信号形式の信号の構成として、主放送オーディオ信号に多重化(混声)して放送する。一方、受信側では、受信した放送オーディオ信号からDTMF信号を分離・デコードして、番組関連情報を再生し、メモリに記憶して、サービス局などとの電話通信や番組予約などに利用する。
【0015】
[DTMF信号]
まず、図2を参照しながら、DTMF信号について説明する。
DTMF信号方式は、1つは低周波数のグループ(低群)、そしてもう1つは高周波数のグループ(高群)の2つのトーンを同時に送るオーディオ帯域信号方式である。これらの低周波数及び高周波数のグループの各々は、どの2つも調音の関係にない4つのオーディオ帯域周波数のトーンからなっている。
【0016】
DTMF信号では、低群の4周波数は、例えば、697Hz、770Hz、852Hz、941Hzとされ、高群の4周波数は、例えば、1209Hz、1336Hz、1477Hz、1633Hzとされている。そして、これら低群と高群の中のそれぞれ1周波数ずつを組み合わせ、その組み合わせからなる各DTMF信号(この各DTMF信号のそれぞれを、以下機能信号という)を、図2に示すように、4行4列に配設されたプッシュボタン「0」〜「D」にそれぞれ割り付けられる。
【0017】
電話通信では、DTMF信号の16の組み合わせの機能信号のうち、単に12個が一般に加入者アドレス(電話番号)の信号に用いられている。つまり、電話機でいわゆるテンキーとして使用されている「0」〜「9」の数字と、「*」や「#」の記号に対して、前記の12個の組み合わせの機能信号が対応される。図2に破線で示した「A」、「B」、「C」、「D」の文字に対応する機能信号は、日本国内では一般には利用しておらず、プッシュボタン(PB)ダイアルを利用したデータ伝送に利用されているのみである。
【0018】
このようなDTMF信号を使って電話番号による回線選択を行なう場合、信号の送出条件は、図3に示すように規定されている。
【0019】
上述のような2周波数の組み合わせと送出条件とによって、DTMF信号は、自然界では滅多に発生しないものとなり、人の声などのような自然音と明確に区別することができるので、通常の放送オーディオ信号に多重(混声)して放送することができて、受信側での分離も比較的容易である。
【0020】
ちなみに、DTMF信号は、多機能電話においても利用されており、外出先からプッシュボタン式の電話のボタン操作によって、自宅の電話に留守番録音されている用件を再生させたり、留守番録音の応答メッセージを録音、再生したり、用件を消去したりすることができる。
【0021】
[複数の副放送情報の放送]
この実施例の送信側、つまり放送局側においては、副放送情報の送信に当たって、上述のようにPB回線選択には使用されていない「A」、「B」、「C」、「D」を意味する機能信号のうち、「A」、「B」、「C」の機能信号は、副放送情報の送信開始情報として用い、「D」の機能信号は送信終了情報として用いる。
【0022】
送信開始情報が3種類あるので、この例では、3種類の副放送情報を区別して送信することができる。つまり、3種の副放送情報は、その種別ごとに、「A」、「B」、「C」の機能信号のいずれかと、「D」の機能信号とで区切られて放送される。
【0023】
例えば、双方向番組への応答アクセスに関する情報、例えばアクセス先の電話番号(受付電話番号)、伝送レートなどの副放送情報は、「A」の機能信号を送信開始情報とし、送信終了情報である「D」の機能信号との間に送信される。また、同様に、例えば応答側の電話番号の末尾制限や現在時刻設定などの環境設定に関する副放送情報は、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に、受信データのクリアに関する情報は「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に、それぞれ挟まれた状態の信号として多重化されて放送される。
【0024】
そして、受信側においては、送信開始情報としての「A」、「B」、「C」の機能信号のいずれかと、送信終了情報としての「D」の機能信号とに挟まれた数値や記号データが副放送データ列(情報群)とみなされて、メモリの所定の格納域にそれぞれ区別されて保存される。
【0025】
例えば、応答アクセスに関する情報として、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョンが00の受信機に対して、受付電話番号0990−1234−1234に、伝送レート300bpsでアクセスを許可する場合は、副放送情報は、
00#0990*1234*1234
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。ここで、データ列のうち、最初の00は、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョンが00(伝送レート300bps)を示し、記号「#」の後の数値データは受付電話番号である。
【0026】
また、インタラクティブテレビジョン規格バージョンが01の受信機に対し、電話番号0990−1234−1235に、伝送レート1200bpsでアクセスを許可する場合には、
01#0990*1234*1235
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。ここで、データ列のうち、最初の01は、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョンが01(伝送レート1200bps)を示し、記号「#」の後の数値データは受付電話番号である。
【0027】
なお、上述のような応答アクセスに関するデータ列では、記号「#」がセパレータ(個々のデータの区切り)を表わし、記号「*」がポーズを表わす。
【0028】
環境設定に関する情報として、特定の電話番号(加入者番号)を持った視聴者のみにアクセスを制限する場合、例えば、電話番号末尾が0の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#0
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、また、電話番号末尾が1の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#1
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、それぞれ、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。この場合、記号「#」の前の数字「0」は、記号「#」の次の数字を、末尾として有する電話番号からのアクセスを許可することを意味する。
【0029】
また、電話番号末尾が偶数の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#0*0#2*0#4*0#6*0#8
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。ここでは、記号「*」は論理和を意味している。
【0030】
さらに、放送番組の受信予約や録画予約などのための時刻情報として、例えば、現在時刻が1993年12月15日火曜日7時00分の場合は、
1#1993121520700
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。
【0031】
そして、この実施例では、双方向放送番組の場合、番組識別情報(以下、番組IDという)が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。番組IDは、その番組を制作した基幹放送局と、その放送局での生放送の日時などを示す、番組ごとに固有の情報であって、番組が再放送される場合にも、同じ識別番号が用いられる。番組IDとしては、放送局(ネット局)に例えば000〜999の放送局識別番号が割り当てられ、放送番組に、例えば0000〜9999の放送番組識別番号がそれぞれ付与される。
【0032】
双方向番組の応答の返信先となるデータベースセンタは、番組IDに対する放送番組テーブルを備え、前記のその番組を制作した基幹放送局と、その放送局での生放送の日時などが、そのテーブルから参照できるようにされている。
なお、番組内の設問には例えば000〜999の設問IDが付与される。
【0033】
例えば、識別番号が008の放送局から、識別番号が4321の双方向放送番組で、設問IDが002の設問が、1993年12月15日午後6時38分に放送された場合は、
00#008*4321*002*199312151838
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0034】
この双方向放送番組の応答が、現時点から5分間だけ、アクセス許可される場合は、
10#5
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0035】
また、この双方向放送番組の応答が、同日の午後11時00分から11時30分まで、アクセス許可される場合には、
11#1993121523002330
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0036】
なお、上述のような双方向放送番組に関するデータ列で、記号「#」,「*」はセパレータを表わす。
【0037】
そして、受信データのクリアに関する情報(コマンド)として、例えば、アクセス番号制限をクリアする場合は、
99#0
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて、番組の途中ないしは終了時に送出される。
【0038】
また、受付電話番号をクリアする場合には、
99#1
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて、番組の終了時に送出される。
【0039】
更に、この実施例では、上述のような絶対的なアクセス許可時間制限をする場合は、その制限に先だって、受信側のタイマ設定のためのコマンドが放送される。 例えば、タイマの現在時刻を1993年12月15日火曜日午後6時30分に設定する場合には、
0#1993121521830
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。
【0040】
上述のように、電話回線の選択信号としては使用されていない「A」、「B」、「C」;「D」の機能信号を、副放送情報の送信開始情報及び送信終了情報とすることによって、例えば、ドラマの電話をかけるシーンなどで、DTMF音が発信されても、番組関連情報と混同されることはない。また、副放送情報を確実に送受することができる。
【0041】
なお、再放送などのために、放送局用のVTRで番組を録画する際には、ブランキング期間を含んで、水平及び垂直の同期信号がVTR内部で生成したものに付け替えられる。DTMF信号は音声として記録されるので、放送局での番組録画によっても、上述のような副放送情報の変化や欠落はない。
【0042】
[受信装置の構成]
次に、図1、図4〜図6を参照しながら、この発明による双方向放送の受信装置を、双方向放送番組対応のテレビジョン受信機に適用した場合の一実施例について説明する。
【0043】
この例の双方向放送の受信装置の一実施例の構成を図1に示す。図1において、10はテレビジョン受信機の信号系であり、20はその制御系である。
【0044】
アンテナ1で受信された放送電波はチューナ11に供給される。チューナ11には制御系20から選局信号が供給されて、このチューナ11において所望のチャンネルの放送信号が選択されて中間周波信号に変換される。この中間周波信号は中間周波回路12に供給される。この中間周波回路12には、映像復調器13と音声復調器14とが含まれ、映像信号及びオーディオ信号が復調される。
【0045】
映像復調器13からの映像信号S13は、映像信号処理回路15を経て、受像管16に供給される。音声復調器14からのオーディオ信号S14は、音声多重デコーダ17に供給されて、2か国語信号またはステレオ信号SL、SRがデコードされる。そして、これら信号SL、SRがそれぞれアンプ18L、18Rを通じて左右のスピーカ19L、19Rに供給される。
【0046】
音声復調器14からのオーディオ信号S14は、また、前処理回路31を介してDTMFデコーダ32に供給される。このDTMFデコーダ32は、その入力信号中のDTMF信号を常時サーチし、DTMF信号を検知すると、そのDTMF信号がいずれの機能信号であるかのデコードを行う。つまり、「0」〜「9」の番号、「#」、「*」、「A」〜「D」がデコードされる。そして、そのデコードしたデータを制御系20に供給する。
【0047】
この例の場合には、このDTMFデコーダ32としては、広く普及している市販のDTMFデコーダを用いる。前処理回路31は、このようにDTMFデコーダ32として市販のDTMFデコーダを使用しても、より精度の高いDTMF信号の抽出及びデコードを行うことができるようにするための前処理を行うために設けられる。すなわち、前処理回路31は、オーディオ信号S14について、DTMF信号以外の周波数成分を除去して、DTMFデコーダ32の入力信号が、市販のDTMFデコーダが許容する信号となるようにするもので、フィルタ回路からなる。
【0048】
また、この実施例では、視聴者参加型番組への応答など、双方向放送番組に対応するために、データ通信用のモデム(変復調装置)33が設けられる。このモデム33の回線接続端子Lineには電話回線2が接続され、電話端子Tel には電話機3が接続される。このモデム33が、制御系20のシステムバス200に接続される。また、モデム33からのデータが、DTMFデコーダ32に供給されており、電話回線2を介して送られてくるDTMF信号をこのDTMFデコーダ32でデコードして、制御系20に取り込むことができるようにされている。
【0049】
制御系20は、CPU21と、ROM22と、DRAM23と、SRAM24と、ビデオRAM25とを備え、それぞれがシステムバス200に接続される。ROM22には、後述するDTMFデータの受信取り込み処理プログラムのほか、各種の制御プログラムが格納されると共に、表示に用いるフォントやグラフィックのデータが格納されている。DRAM23は主に演算のための作業領域として利用され、SRAM24には受信装置自身の設定情報や自テレビ識別情報などが保存される。
【0050】
ここで、自テレビ識別情報は、例えば「SONY−00−00000001」のように、双方向放送番組対応のテレビジョン受信機の生産時に設定されている個々の機器で固有の識別情報である。ユーザーは、双方向放送番組対応のテレビジョン受信機の購入後、この自テレビ識別情報及び当該ユーザーの氏名、住所、電話番号などをデータベースセンタのデータベースに登録する。データベースセンタでは、この自テレビ識別情報に対応する個人情報がデータベースで管理される。
【0051】
ビデオRAM25は表示に用いられる。ビデオRAM25に対してはディスプレイコントローラ25Cが設けられている。このディスプレイコントローラ25Cは、ビデオRAM25へのビデオデータの読み出し及び書き込みを制御するとともに、読み出したビデオデータをアナログ映像信号に変換する。そして、このディスプレイコントローラ25Cから得られるアナログ映像信号は、映像信号処理部15に供給され、制御部20からの映像信号処理部15の制御と相俟って、中間周波回路12からの映像信号に重畳され、あるいは切り換えられて合成される。
【0052】
制御系20は、また、I/Oポート261、262、263、264及びVTRのコントロールポート27を備える。I/Oポート261を通じて制御信号が映像信号処理回路15及び音声多重デコーダ17に供給される。また、リモコン送信機(コマンダ)34からの、例えば赤外線リモコン信号がリモコン受信機35で受信され、その受信されたリモコン信号がリモコンデコード回路36でデコードされ、そのデコードされたリモコン信号が、I/Oポート261より制御系20に取り込まれる。
【0053】
そして、コマンダ34でのユーザーの操作に応じた制御が、ROM22のプログラムにしたがってCPU21により行なわれる。例えば、選局や音量制御などのリモコン操作の場合、チューナ選局や音量制御が実行されると同時に、必要な文字や記号の表示のためのフォントデータが、ROM22から読み出されてビデオRAM25へ転送される。そして、このビデオRAM25のデータが映像信号処理回路15に供給され、映像信号S13と合成(例えばスーパーインポーズ)されることにより、受像管16の画面に適宜の時間、表示される。
【0054】
そして、選局や音量制御などのデータは、それぞれの操作の都度、不揮発性のSRAM24に書き込まれて、電源を一旦オフとした後に再度オンとした場合、電源オフ直前と同音量で同じチャンネルを試聴する、いわゆる、ラストメモリ機能が実現される。
【0055】
I/Oポート263を通じては、選局信号がチューナ11に供給される。また、この実施例では、実時間の通知や所定の時間の割り込み発生のためのタイマ回路37からの時間データがI/Oポート264を通じて制御系20に入力される。 また、VTRのコントロールポート27は、この例では3台のVTR1、VTR2、VTR3に対してのコントロールが可能に構成されている。制御系20は、このコントロールポート27を通じてVTRにコントロール信号を供給すると共に、VTRからのステータス信号を取り込み、VTRに対して所望の制御を行うことができる。
【0056】
なお、各VTRは、チューナと中間周波数回路を内蔵しており、例えば分配器を介してアンテナ1に接続されて、制御系20の制御の下に、予約録画をすることができる。
【0057】
[多重化情報の受信処理]
次に、図4及び図5をも参照しながら、図1の実施例の多重化情報の受信処理について説明する。
【0058】
テレビジョン受信機の電源がオンの状態では、前処理回路31及びDTMFデコーダ32を使用して、現在選択されているチャンネルの番組のオーディオ信号に混声されているDTMF信号を、常時、監視する。すなわち、CPU21は、I/Oポート262を通じてDTMFデコーダ32の出力を、常時、あるいは所定の周期でサーチし(ステップ101)、現に受信中の放送番組のオーディオ信号S14にDTMF信号が混声されていることを検知したときは(ステップ102)、そのDTMF信号のデコード出力D32を、前述したような番号や記号として取り込む(ステップ103)。
【0059】
このとき、前述のような送出条件、すなわち、DTMF信号の続く長さが50msec以上か、DTMF信号がなくなってから次の信号の立上がりまでのポーズ時間は30msec以上か、DTMF信号の長さとポーズ時間との合計が規定値の120msec以上かなどのチェックを行い、本当に検出された信号がDTMF信号かをチェックする(ステップ104)。これにより、放送電波の受信状態の悪いときのエラーデータの受信を防ぐことができると共に、通常の音声に、偶然、DTMF信号と同じ周波数成分が含まれていた場合の誤受信を防ぐことができる。
【0060】
ステップ104において、受信データがDTMF信号でないと判断した場合は、ステップ105に進んで、DRAM23の一時格納域をクリアすると共に、保存ポインタを初期設定した後、ステップ101に戻って、DTMFデコーダ32の出力チェックを継続する。
【0061】
また、受信データがDTMFであると判断した場合は、ステップ106に進んで、保存ポインタアドレスが一時格納域の範囲内にあるか否かをチェックする。そして、保存ポインタアドレスが一時格納域の範囲内にない場合は、電源オン直後の状態、または、エラー状態であるため、ステップ106からステップ107に進んで、リセットの意味から、保存ポインタに一時格納域のアドレスを初期設定する。これにより、保存ポインタの示すアドレスが不定のまま、DRAM23にデータが書き込まれ、誤動作ないしはソフトウエア暴走の原因となることが防止される。
【0062】
ステップ106でポインタアドレスが一時格納域の範囲内にあると判別したとき、また、ステップ107でポインタに一時格納域のアドレスを初期設定した後には、ステップ108に進んで受信データが“0”〜“9”までの番号や、“#”や“*”などの記号データであるかを判別する。これら数値や記号であると判別したときには、ステップ108からステップ109に進んで、一時格納域に空きがあるか否かをチェックする。
【0063】
そして、受信データがこれらの数値や記号データであって、かつ、一時格納域に空きがある場合、つまりポインタが一時格納域の範囲内を指示している場合は、ステップ110に進んで、DRAM23の、そのポインタが示すアドレスへ受信したデータ(“0”〜“9”、“#”、“*”)を格納する。そして、その後、ステップ111に進んでポインタを1文字分だけ更新する。その後、ステップ101に戻ってDTMF信号の受信チェックを継続する。
【0064】
また、ステップ109において、一時格納域に空きがないと判断した場合は、受信エラーなので、ステップ112に進んで、一時格納域をクリアし、ポインタに一時格納域のアドレスを初期設定する。
【0065】
また、上述のステップ108において、受信データが、“0”〜“9”、“#”、“*”のような数値や記号データでない場合は、前述の4つの機能信号に対応する文字データ“A”、“B”、“C”、“D”のいずれかであるので、図4の区分格納のルーチン120に入る。このルーチン120は、図5に示す内容のもので、まず、ステップ121において、ポインタに一時格納域の先頭アドレスをセットする。次いで、ステップ122、123、124で、受信データが“A”、“B”、“C”の3つの機能信号のいずれであるかを順次チェックする。
【0066】
そして、ステップ122で受信データが“A”の機能信号であると判断した場合は、ステップ125に進んで、ポインタの示すアドレスに「A」を設定する。また、ステップ123で受信データが“B”の機能信号であると判断した場合は、ステップ126に進んで、ポインタの示すアドレスに「B」を設定する。さらに、ステップ124で受信データが“C”の機能信号であると判断した場合は、ステップ127に進んで、ポインタの示すアドレスに「C」を設定する。
【0067】
そして、これらステップ125、126、127の後は、ステップ111に進んで、ポインタを1文字分だけ更新する。その後、ステップ101に戻ってDTMF信号の受信チェックを継続する。
【0068】
上述のステップ122〜124において、“A”、“B”、“C”の3つの機能信号のいずれでもないと判断した場合は、残りの文字“D”の機能信号であると判断し、ここまでに一時格納域に格納されたデータを1つのデータ列(情報群)として処理する。
【0069】
すなわち、放送側は、DTMF信号の送信時には、送信開始信号として、“A”、“B”、“C”の機能信号のいずれかを送出するので、ステップ125〜127の結果、一時格納域の先頭には、「A」、「B」、「C」のいずれかが格納されている。そこで、次のステップ128においては、一時格納域の先頭が「A」、「B」、「C」の文字データのいずれであるかを判別する。
【0070】
この判別の結果、一時格納域の先頭が「A」であれば、ステップ129に進んで、一時格納域の先頭からポインタの示す最後の部分までのデータ列を、対応する格納域Gaに保存する。また、一時格納域の先頭が「B」であれば、ステップ130に進んで、一時格納域の先頭からポインタの示す最後の部分までのデータ列を、対応する格納域Gbに保存する。さらに、一時格納域の先頭が「C」であれば、ステップ131に進んで、一時格納域の先頭からポインタの示す最後の部分までのデータ列を、対応する格納域Gcに保存する。これら格納域Ga、Gb、Gcとしては、後述のようにDRAM23またはSRAM24に設定される。
【0071】
そして、次にステップ132に進んで、受信したデータ列の評価、解析を行ない、格納域Ga、Gb、Gcに格納された情報が、受信時に実行することが必要なコマンドである場合、そのコマンドに対応した処理、例えば、受信されている情報の一部または全部のクリア、現在時刻のタイマーへの設定、メニュー表示選択処理などを行なう。しかる後、ステップ101に戻って受信チェックを継続する。
【0072】
以上のように、この実施例の多重データの受信処理では、放送番組のオーディオ信号を常時監視しながら、DTMF信号の内の機能信号に対応する文字データ“A”と“D”、“B”と“D”、“C”と“D”の機能信号に挟まれたデータ列を1つの情報とみなし、前述のような情報の種類に応じて区分して、それぞれの情報を別々の格納域Ga、Gb、Gcへ自動的に保存する。こうして、この実施例では、受信情報を分類して保存することができる。
【0073】
例えば、始端が“A”の機能信号であれば、双方向番組への応答アクセスに関する情報として、データ列は格納域Gaに保存される。また、始端が“B”の機能信号であれば、環境設定に関する情報として、格納域Gbに保存される。そして、始端が“C”の機能信号であれば、受信データのクリアに関する情報として、格納域Gcに保存される。
【0074】
応答アクセスに関する情報など双方向番組に対応する一時的な情報は、番号クリア信号の受信時にクリアすることが考えられるが、クリア信号受信時にチャンネルが切り替わっていたりする可能性を考えると、電源オフのタイミングで、古い番号がクリアされることが望ましい。したがって、応答アクセスに関する情報は、DRAM23にそのまま保存してもよい。つまり、格納域GaはDRAM23上に設定してもよい。
【0075】
一方、環境設定に関する情報には、前述のように、放送番組の受信予約や録画予約などのための時刻情報が含まれており、予約された番組の時刻情報は、例えば、1週間を超えるような比較的長い期間にわたって保存する必要がある。そこで、これらの情報は、不揮発性のSRAM24上に転送した方がよい。
【0076】
したがって、この実施例では、格納域Ga、Gb、Gcは、その保存すべきデータの性質、つまり長期保存が必要か、電源オフで消去してもよいものか、などの条件に応じて、揮発性のDRAM23上あるいは不揮発性のSRAM24上に設定される。
【0077】
そして、センター局に対する上り方向の情報の送信に一般の電話回線を利用した簡易型インタラクティブテレビジョンの、後述のような応答処理に際しては、DRAM23上の格納域Ga、Gbに保存された、宛先電話番号や通信条件、番組IDや設問IDなどの必要な情報を、自動的に読み出して、利用することができる。
【0078】
また、録画予約に際しても、DRAM23上の格納域GbからSRAM24上に転送された予約番組の時刻情報を、自動的に、利用することができる。
【0079】
上述のように、この実施例では、DTMF信号形式で番組関連情報を番組のオーディオ信号に多重して放送するようにしたので、受信側では、DTMFデコーダとしてIC化されて量産されているDTMFレシーバーチップなどのような、安価な回路を使用することができて、文字多重放送対応の受信機に比べて、廉価な受信機を提供することができる。
【0080】
また、文字多重放送形式での伝送と異なり、各種の放送方式にも同一の回路で対応することができると共に、従来の放送方式に影響を与えることもない。
【0081】
もっとも、この実施例での情報の伝送レートは、前述のDTMF信号の周期から明かなように、8文字/秒程度となり、文字多重方式による情報の伝送レートに比べて格段に遅いが、前述のように、所要の情報量が少ないので、伝送レートを問題にする必要はない。
【0082】
[双方向放送の応答処理]
次に、図6を参照しながら、図1の実施例の応答処理について説明する。
図6のステップ141において、視聴者がリモコン送信機34を操作することにより、このリモコン送信機34から送信されたリモコン信号(コマンド)が、リモコン受信機35に受信される。そして、受信したコマンドが、例えば、視聴者参加型のクイズ番組のような、双方向放送の番組に対する応答コマンドであるか否かが判断される(ステップ142)。
【0083】
受信したコマンドが、例えば、チャンネル切り換えのような一般のコマンドである場合、そのコマンドに対応する処理がなされる(ステップ140)。
【0084】
双方向放送の番組に対する応答コマンドの場合は、ステップ143において、放送番組に対する応答としての情報に、視聴者のID番号と、前述のような受信処理により、既にDRAM23上に保存されている番組IDと、設問IDとが付加されて、応答情報が作成される。そして、前述のような応答先情報に従って通信速度が設定され、DRAM23上に保存されている所定の返信先としてのデータベースセンタの電話番号に宛てて、モデム33を通じて、送信される(ステップ144)。
【0085】
次のステップ145では、この送信が成功したか否かが判断され、正常に終了した場合は回線が切断されて(ステップ146)、送信が成功した旨のメッセージが一定時間だけ受像管16の画面に表示される(ステップ147)。また、送信が不首尾に終わった場合は、回線が切断されて、送信が不首尾に終わった旨のメッセージが一定時間だけ画面に表示される(ステップ148)。
【0086】
なお、視聴者のID番号としては、前述の「SONY−00−00000001」のような個々の受信機に固有のID番号でもよいが、モデム33に接続されている電話回線に与えられている電話番号であってもよい。
【0087】
[応答情報の受信処理]
前述のような視聴者側からの応答に対し、データベースセンタでは、コンピュータ処理により、応答データが受け付けられて、返信元に受信終了の信号を送ってから回線が切られ、データが取り込まれる。
【0088】
データベースセンタにおいては、データベースセンタのデータベースに予め登録されている放送番組テーブルと、多数の視聴者からの応答情報にそれぞれ付加されている、前述のような番組IDとを照合することにより、それぞれの応答情報が、どの双方向番組に対しての応答であるのかを容易に識別することができる。また、応答情報中の設問IDによって、番組中のどの設問への応答であるのかを容易に識別することができる。
【0089】
前述のように、放送番組テーブルを参照して番組IDから、その生放送の日時が判明するので、これを現在の時刻と比較することにより、番組が生放送であるか、再放送またはネット局での放送であるかを識別することもできる。放送番組に多重する番組ID自体に生放送の日時の情報を含めるようにしてもよい。
【0090】
以上により、複数の放送局がデータベースセンタの応答処理システムを共用しても番組を確実に識別することが可能となり、放送局ごとに応答処理システムを用意する場合に比べて、双方向放送の構造基盤を経済的に構築することができる。また、データベースセンタの設置場所や設置数は、その処理能力に応じて決めることができると共に、増設も可能となって、初期投資が軽減される。
【0091】
[他の実施例]
前述の実施例では、双方向放送番組の番組関連情報を、DTMF信号を用いて構成し、主放送オーディオ信号と多重して放送するようにしたが、文字多重放送と同様に、番組関連情報を、テレビジョン放送の垂直ブランキング期間に多重するようにしてもよい。
【0092】
この場合、放送局側では、図7に示すような番組関連情報を、文字多重信号形式に構成し、副放送情報として、映像信号の垂直帰線期間に多重して放送する。一方、受信装置では、図1の実施例の前処理回路31およびDTMFデコーダ32に替えて、文字多重デコーダが搭載されると共に、このデコーダに映像復調回路13の出力信号S13が供給される。そして、そのデコード出力を制御系20に取り込み、デコードして、番組関連情報を再生し、DRAMなどのメモリに記憶すると共に、受信した番組関連情報に対応して、図8に示すような返信情報を作成し、電話回線を通じて伝送する。
【0093】
放送局側では、例えば、クイズ番組などの問題ごとの選択手順情報が作成されて、番組の放送に備えられる。例えば3択の問題であれば、3つの回答をメニュー表示して視聴者に選択させるという選択手順が作成される。
【0094】
例えばクイズ番組の場合、返信先は例えば放送局側の受信システムとなり、この放送局側の受信システムへの通信プロトコルと受信システムの電話番号が、返信先情報として設定される。
【0095】
そして、クイズ番組などの放送中、視聴者に解答を委ねる場面になった時点から、図7に示すように、時間情報、選択手順情報および返信先情報が、映像信号の垂直帰線期間に多重されて放送される。
【0096】
時間情報は、現在時刻の情報であり、この実施例では、フィールドごとに更新されて、NTSC方式の場合、1/60秒の精度となる。なお、従来の文字多重放送では、フレームごとに更新されて、NTSC方式の場合、1/30秒の精度となる。
この時間情報は、常時放送してもよく、視聴者参加番組中で、視聴者の反応が期待される期間のみの放送でもよい。
【0097】
選択手順情報は、通信用プロトコルのような、いわば、プログラムの塊であって、選択手順識別情報、選択手順、表示データ、時間制限情報などから構成され、かなりの情報量となり得るため、複数のフィールドにわたって多重されることもある。
【0098】
選択手順識別情報は、どの選択手順、つまり、どの番組(番組ID)、どの質問、どのアンケート、どのクイズ問題に対する答であるか(設問ID)を示す識別子であって、視聴者の選択結果に付加して返信先に送信され、返信先では、この情報に基づいて、選択手順ごとに答が区分される。
【0099】
選択手順は、中間言語的な記述による、メニュー選択のプログラムであって、ここに記載された流れに従って、イメージ、文字列、動画などにより、画面への表示が行なわれる。また、視聴者からの操作の受付や、この操作に対しての画面の切り換えなどの応答処理も行なわれる。
表示データは、上述のような、イメージ、文字列、動画などの表示に用いる、フォント、グラフィック、アニメーション、動画などのデータである。
時間制限情報は、上述のような識別子により示される、選択内容への返信の有効時間と、メニュー表示に何らの操作がない場合、受信側で自動的に表示を中止するまでの時間とである。
受信側で表示を中止する場合には、正解を放送するまでの予定時間が設定される。
また、選択内容への返信の有効時間は、正解を放送するまでの予定時間に、前述のような電話回線の混雑を見込んで、若干の余裕時間が加算される。
【0100】
返信先情報は、返信の際の通信速度、パリティの有無、NMPの使用の有無、Xモデム方式などの通信環境設定情報と、返信先の電話番号などで構成され、この電話番号に対して、設定された環境に従って、図8に示すような返信情報が視聴者から返信される。
【0101】
図8において、先頭の返信データ識別情報は、放送局側で受信したデータが、返信データであるのか、その他のアクセスによるものかを区別するための識別子である。
【0102】
次のチェックデータは、送信時のビット落ち、ノイズなどによりデータが変化していないかどうか、チェックサムなどにより整合をとるためのものである。
【0103】
返信データのうち、選択手順識別情報は、前出図7で示される値であって、これにより、視聴者からの解答が、どのメニュー、どの質問に対する答であるかが判断される。
放送局からは、質問1、質問2‥‥の順序で放送されても、電話回線の状況によっては、視聴者からの回答が放送と同じ順序で返信されるとは限らないので、このような識別情報が必要となる。
【0104】
また、選択結果情報としては、最終的に選ばれたメニュー項目を示す情報などが返信される。
【0105】
返信データの次の、返信元識別情報としては、前述の実施例と同様に、視聴者に固有の番号、例えば、電話番号や受信装置の製造番号などが用いられる。
【0106】
なお、番組関連情報をテレビジョン信号の垂直ブランキング期間に多重した場合は、前述のように、放送局用のVTRで番組を録画する際に、必要な情報が失われてしまう。
録画時に同期信号が付け替えられても、必要な情報を確実に存続させるためには、テレビジョンの有効画面に対応する、非ブランキング期間の所定のラインに所要のデータを重畳して送出すると共に、受信側では、所定のラインに対応するウィンドウ信号を用いて、所要のデータを抽出するようにすればよい。
【0107】
なお、以上の例は、テレビジョン放送にこの発明を適用した場合であるが、特に多重する副放送情報をDTMF信号で構成すれば、ラジオ放送にも適用可能である。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、受信側からの応答の情報を、電話回線を通じて所定の返信先に送信するようにした双方向放送において、放送局側からは、双方向番組の番組識別情報を主放送信号に多重して放送すると共に、受信側では、受信した番組識別情報を応答の情報に加えて所定の返信先に送信するようにしたので、その応答がどの双方向番組に対する応答なのかを容易に識別できる。
【0109】
そして、応答がどの双方向番組に対する応答なのかを容易に識別できるので、応答を受ける単一のセンタであっても視聴者からの応答を一括して受け付けることが可能になる。このため、施設を共有化できるので、放送局毎に応答を受け付けるための電話受付施設を準備する場合に比べて安価に双方向システムの構築ができる。
【0110】
そして、センタの設置場所や設置数は、純粋に処理能力によって決めることができ、足りなくなったら増やしていく方法がとれ、最初から各ブロック毎にセンタを配置するような膨大な初期投資が必要ない。
【0111】
そして、番組識別情報に生放送の時間を含めた場合には、応答が生放送の双方向番組に対する応答なのか、録画番組への応答なのかがすぐに識別できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による双方向放送の受信装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】DTMF信号を説明するための図である。
【図3】DTMF信号の送出条件を説明するための図である。
【図4】図1の実施例の動作を説明するための流れ図である。
【図5】図1の実施例の他の動作を説明するための流れ図である。
【図6】図1の実施例の他の動作を説明するための流れ図である。
【図7】この発明による双方向放送方式の一実施例の要部の構成を説明するための概念図である。
【図8】この発明による双方向放送方式の一実施例の他の要部の構成を説明するための概念図である。
【符号の説明】
10 信号系
14 音声復調器
20 制御系
21 CPU
23 DRAM
24 SRAM
31 前処理回路
32 DTMFデコーダ
33 モデム
37 タイマ
Claims (6)
- 放送局側から受信者の応答を促す双方向番組を放送し、受信側からの応答の情報を、通信路を通じて所定の返信先に送信するようにした双方向放送方法において、
上記放送局側からは、少なくとも上記双方向番組を制作した放送局とその放送日時と当該番組固有の情報と当該番組内の設問を識別する情報とを含む番組識別情報を主放送信号に多重して放送すると共に、
上記受信側では、受信した上記番組識別情報及び自装置に割り当てられた識別情報を、上記応答の情報に、上記応答の情報に対して独立した状態で加えて、上記返信先との間に生成した通信路を通じて上記返信先に送信すると共に、上記返信先への送信が成功したか否かを判断し、上記返信先への送信が成功したと判断した場合は、上記生成した通信路を切断するようにした
ことを特徴とする双方向放送方法。 - 記返信先への送信が成功したと判断したときには、上記返信先への送信が成功した旨のメッセージを送出する
ことを特徴とする請求項1に記載の双方向放送方法。 - 上記返信先では、データベースに記憶されている番組識別情報と、上記受信側から受信した上記応答の情報に加えられている上記番組識別情報とを照合して、上記応答の情報が、いずれの双方向番組のいずれの設問に対するものであるか、さらに、現在放送中の双方向番組に対するものであるかを識別することを特徴とする請求項1に記載の双方向放送方法。
- 放送局側から放送される受信者の応答を促す双方向番組に対する受信側からの応答の情報を、所定の返信先に送信するようにした双方向放送の受信装置において、
上記双方向番組に対する応答の情報を入力する入力手段と、
自装置に割り当てられた識別情報を記憶する手段と、
受信した上記双方向番組の放送信号に多重されている、少なくとも当該番組を制作した放送局とその放送日時と当該番組固有の情報と当該番組内の設問を識別する情報とを含む番組識別情報を分離する分離手段と、
上記入力手段を通じて入力された上記双方向番組に対する応答の情報に、上記自装置の識別情報及び上記分離手段により分離された番組識別情報を、上記応答の情報に対して独立した状態で加えて、上記返信先との間に生成した通信路を通じて上記返信先に送信する送信手段と、
上記返信先への送信が成功したか否かを判断し、成功したと判断した場合は、上記生成した通信路を切断する制御手段と、
を備える双方向放送の受信装置。 - 上記制御手段は、上記返信先への送信が成功したか否かを判断し、上記返信先への送信が成功したと判断した場合は、上記生成した通信路を切断すると共に、上記返信先への送信が成功した旨のメッセージを送出する
ことを特徴とする請求項4に記載の双方向放送の受信装置。 - 放送局側から受信者の応答を促す双方向番組を放送し、受信側からの応答の情報を、通信路を通じて所定の返信先に送信するようにした双方向放送方法において、
上記放送局側からは、少なくとも上記双方向番組を制作した放送局とその放送日時と当該番組固有の情報と当該番組内の設問を識別する情報とを含む番組識別情報を主放送信号に多重して放送すると共に、
上記受信側では、受信した上記番組識別情報及び自装置に割り当てられた識別情報を上記応答の情報に、上記応答の情報に対して独立した状態で加えて、上記返信先との間に生成した通信路を通じて上記返信先に送信し、
上記返信先では、データベースに記憶されている番組識別情報と、上記受信側から受信した上記応答の情報に加えられている上記番組識別情報とを照合して、上記応答の情報が、いずれの双方向番組のいずれの設問に対するものであるか、さらに、現在放送中の双方向番組に対するものであるかを識別する
ことを特徴とする双方向放送方法。
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