JP3661336B2 - プログラマブルコントローラのローダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プログラマブルコントローラのローダに係り、特にラダープログラムでのマスターコントロールのネストレベルの表示とそのマスターコントロールの条件表示によるモニタリング方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
プログラマブルコントローラは、外部データを入力し、そのデータを元に演算を行い、演算結果を出力データとして外部に出力する。この動作を繰り返し実行することで、外部システムの制御を行っている。
【0003】
また、プログラマブルコントローラとは別に、ローダと呼ばれる装置がプログラムの作成、変更、プログラム転送、モニタリング、デバッグなどのために用いられている。図5は、ローダとプログラマブルコントローラによるシステム構成を示す。プログラマブルコントローラ1とローダ2は、それぞれCPUやメモリ(記憶装置)を持つコンピュータ構成にされて通信インタフェース3、4で結合され、ローダ2で作成、変更したプログラムをプログラマブルコントローラ1に転送し、さらに、ラダープログラムの場合、このローダのモニタリング情報がラダープログラムのデバッグに効果を上げている。
【0004】
ラダープログラムの場合、ある入力データがプログラムのある範囲の動作条件となるようなことがある。一般的に、これをマスターコントロール条件と呼んでいる。マスターコントロール条件の開始を明記するために、ラダープログラムではマスターコントロールセット命令(MCS命令)を用意している。また、マスターコントロール条件の終了を明記するためにマスターコントロールリセット命令(MCR命令)を用意している。
【0005】
図6にその例を示す。ここで、入力データX0がマスターコントロール条件であり、続くプログラムの条件となっている。その条件は、MCR命令が現れるまで有効になる。
【0006】
また、図7ではMCS命令とMCR命令に挟まれたプログラム中にさらにMCS命令とMCR命令が存在している。即ち、マスターコントロール条件がネストしていることを示している。このようなプログラムでは、マスタコントロール条件が複雑なプログラムでも、それぞれの条件を整理してプログラムを作成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図6において、MCS命令とMCR命令により挟まれた部分が少ない場合には、マスタコントロール条件はすぐに理解できるが、その部分が長くなると、そのマスタコントロール条件がわからなくなったり、場合によってはマスタコントロール条件があったことさえも忘れてしまうことがある。
【0008】
図7において、MCS命令とMCR命令によるマスタコントロールがネストしている場合、現在注目しているプログラムがどのマスタコントロール条件で動作しているのか、また、ネストレベルはいくつなのかを知ることはプログラムを理解するために非常に重要となる。
【0009】
このようなマスタコントロール条件がいくつもある場合に、注目しているプログラムのマスタコントロール条件を正しく調べることは非常に面倒であった。
【0010】
本発明の目的は、以上のような点を考慮したものであり、任意のプログラムのマスタコントロールのネストレベルが容易に分かるようにし、かつ、マスタコントロール命令(MCS命令とMCR命令)に挟まれたラダープログラムのマスタコントロール条件を瞬時に表示することを可能にしたプログラマブルコントローラのローダを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、マスタコントロール条件のネスト数をラダープログラムの母線に表示し、さらにネストレベルを示す数字又は任意のラダー回路部分を指定したときにそのプログラムが関係するマスタコントロール条件を表示し、さらにまたオンライン状態であれば、表示中のマスタコントロール条件プログラムの動作状態を表示するようにしたもので、以下のモニタリング方式を特徴とする。
【0012】
(第1の発明)
プログラマブルコントローラに設けるラダープログラムの作成、変更、プログラム転送、モニタリング、デバッグなどを行うローダにおいて、
前記ローダは、
前記ラダープログラムのマスタコントロールレベルを示すネストレベルをラダー回路の母線に表示する手段と、
前記ネストレベル表示付きのラダープログラムの表示状態で、前記ネストレベル又は任意のラダー回路部分をポインティングデバイスなどで指定したときに、そのプログラムのマスタコントロール条件回路を表示する手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
(第2の発明)
前記ローダは、前記ネストレベル表示付きのラダープログラムの表示状態で、前記マスタコントロール条件表示を指定したときに、マスタコントロール条件回路及び当該マスタコントロール条件の動作状態を表示する手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本実施形態では、図5の構成において、図1に示すように、ネストレベルをラダー回路の母線に表示する。これによって、表示中のプログラムのマスタコントロールのネストレベルがいくつになっているかをプログラマが容易に知ることができるようにする。
【0016】
マスタコントロール命令(MCS命令とMCR命令)に挟まれた部分は、マスタコントロール条件(図1ではX0、X100)によって、演算条件が決まる。図1の例では、Y0及びY100はマスタコントロール条件としてはX0のみであるが、Y1及びY10はX0とX100の2つのマスタコントロール条件が存在する。つまり、Y0及びY100のネストレベルは1であるが、Y1及びY10のネストレベルは2ということになる。
【0017】
このようらネストレベルの表示機能を実現するには、ハードディスク等の外部記憶装置5に格納されているラダープログラムをキーボード6の操作又はマウス7等のポインティングデバイスの操作によって、主記憶8に呼び出し、このプログラムをその先頭から順にスキャンしてMCS命令を検索し、MCS命令のラダーが見つかったときにカウンタの値をインクリメント(+1)し、このMCS命令後のラダー回路の母線部分にカウンタの値を表示する。そして、MCR命令が検索されたときに、カウンタの値をデクリメント(−1)する。
【0018】
ネスト構造になる場合、MCS命令の検索後に再度のMCS命令が検索されることから、カウンタのインクリメントが複数回続き、後にカウンタの値だけMCR命令が複数回続くことでネストレベルを表示できる。
【0019】
これらネストレベルの表示のためのプログラムは、主記憶8等に用意しておく。
【0020】
(第2の実施形態)
本実施形態は、図5の構成において、ローダ2とプログラマブルコントローラ1が伝送路を介して接続されていない状態(オフライン状態)でのモニタリング方式である。
【0021】
この構成の場合、プログラム作成者は、ハードディスク等の外部記憶装置5に格納されているラダープログラムをキーボード6の操作又はマウス7等のポインティングデバイスの操作によって、主記憶8に呼び出し、その内容をCRT等の表示装置9にラダープログラムとして表示することになる。
【0022】
ここで、本実施形態では、図2のようなネストレベル表示付きのプログラムを表示中に母線のマスタコントロールレベルを示す数字をポインティングデバイスなどで指定することによって、そのプログラムのマスタコントロール条件を表示できるようにする。
【0023】
そのために、ローダ2の主記憶8にあるラダープログラムを先頭からスキャンして、現在表示しているプログラムに対応するマスタコントロール条件を明示しているMCS命令をネストの数だけ見つけ、そのプログラムを画面表示する。この表示は、ネスト数だけ行うことになる。図2は、その表示例である。ローダ2のOSがWindowsなどの場合、リストボックス等に表示することで対応できる。
【0024】
図3は、本実施形態を実現するための表示フローである。プログラマにより指定された部分のプログラムアドレスを記憶し(S1)、この部部のネストレベルをカウンタにセットし(S2)、カウンタの現在値が0でないときに(S3)、当該プログラムアドレスの1つ前のラダーを読み出し(S4)、このラダーがMCS命令か否かをチェックし(S5)、MCS命令でないときはプログラムアドレスを−1し(S6)、当該ラダーがプログラムの先頭でないときは(S7)処理S4に戻ってプログラムアドレスを前に進める。
【0025】
これら処理は、MCS命令が見つかるまで繰り返され、MCS命令のラダーに達したとき(S5)、そのMCS命令を含むラダーを表示し(S8)、カウンタの値を−1する(S9)。これにより1つのMCS命令のラダーが表示される。
【0026】
ネストレベルが2以上のとき、1回のMCS命令に対する処理S9での処理では、カウンタの値が0でないため、これを処理S10でチェックし、処理S6に分岐してプログラムアドレスをさらに前に進め、次のMCS命令が見つかったときに当該アドレスのラダーを表示する。
【0027】
(第3の実施形態)
本実施形態では、図5の構成において、ローダ2とプログラマブルコントローラ1が伝送路を介して接続されている状態(オンライン状態)でのモニタリング方式である。
【0028】
この構成の場合、プログラム作成者は、ハードディスク等の外部記憶装置5又はプログラマブルコントローラ1のプログラムメモリ10に格納されているラダープログラムをキーボード6の操作又はマウス7等のポインティングデバイスからの操作によって、主記憶8に格納し、その内容をCRT等の表示装置9にラダープログラムとして表示することになる。
【0029】
ここで、本実施形態では、図1又は図2のようなネストレベル表示付きのプログラムを表示中に母線のマスタコントロールレベルを示す数字をポインティングデバイスなどで指定することによって、そのプログラムのマスタコントロール条件を表示できるようにする。
【0030】
そのために、ローダ2の主記憶8にあるラダープログラムを先頭からスキャンして、現在表示しているプログラムに対応するマスタコントロール条件を明示しているMCS命令をネストの数だけ見つけ、そのプログラムを画面表示する。この表示は、ネスト数だけ行うことになる。更に、オンライン状態では、そのマスタコントロール条件が現在どういう状態であるのかをローダがプログラマブルコントローラに問い合わせて表示する。
【0031】
図4は、その表示例である。ローダのOSがWindowsなどの場合、リストボックス等に表示することで対応できる。また、本実施形態を実現するための表示フローは、図3の場合と同様になる。
【0032】
(第4の実施形態)
本実施形態では、図5の構成において、ローダ2とプログラマブルコントローラ1が伝送路を介して接続されている状態(オンライン状態)での他のモニタリング方式である。
【0033】
この構成の場合、プログラム作成者は、ハードディスク等の外部記憶装置5又はプログラマブルコントローラ1のプログラムメモリ10に格納されているラダープログラムをキーボード6の操作又はマウス7等のポインティングデバイスからの操作によって、主記憶8に格納し、その内容をCRT等の表示装置9にラダープログラムとして表示することになる。
【0034】
ここで、本実施形態では、図1又は図2のようなプログラムを表示中に任意のラダー部分にポインティングデバイスなどで指定し、そこで、キーボード又はマウスなどのポインティングデバイスによってマスタコントロール条件表示を指定することによって、そのプログラムのマスタコントロール条件を表示できるようにする。
【0035】
以下の操作は第2の実施形態及び第3の実施形態のものと同じになる。なお、ローダのOSがWindowsなどの場合、メニューバーにマスタコントロール条件表示機能を登録したり、そのアイコンを用意することで、その機能を容易に実現できる。
【0036】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、マスタコントロール条件のネスト数をラダープログラムの母線に表示し、さらにネストレベルを示す数字又は任意のラダー回路部分を指定したときにそのプログラムが関係するマスタコントロール条件を表示し、さらにまたオンライン状態であれば、表示中のマスタコントロール条件プログラムの動作状態を表示するようにしたため、マスタコントロールの条件を簡単に参照できることにより、ラダープログラムのデバッグやプログラム作成が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すマスタコントロール命令のネストレベル表示例。
【図2】本発明の他の実施形態を示すマスタコントロール条件のネスト表示例。
【図3】実施形態におけるマスタコントロール条件プログラム表示フロー。
【図4】実施形態におけるマスタコントロール条件のネスト表示例。
【図5】プログラマブルコントローラとローダによるシステム構成。
【図6】マスタコントロール命令の例。
【図7】マスタコントロール命令のネスト例。
【符号の説明】
1…プログラマブルコントローラ
2…ローダ
Claims (2)
- プログラマブルコントローラに設けるラダープログラムの作成、変更、プログラム転送、モニタリング、デバッグなどを行うローダにおいて、
前記ローダは、
前記ラダープログラムのマスタコントロールレベルを示すネストレベルをラダー回路の母線に表示する手段と、
前記ネストレベル表示付きのラダープログラムの表示状態で、前記ネストレベル又は任意のラダー回路部分をポインティングデバイスなどで指定したときに、そのプログラムのマスタコントロール条件回路を表示する手段と、
を備えたことを特徴とするプログラマブルコントローラのローダ。 - 前記ローダは、前記ネストレベル表示付きのラダープログラムの表示状態で、前記マスタコントロール条件表示を指定したときに、マスタコントロール条件回路及び当該マスタコントロール条件の動作状態を表示する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブルコントローラのローダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3873297A JP3661336B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | プログラマブルコントローラのローダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3873297A JP3661336B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | プログラマブルコントローラのローダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10240311A JPH10240311A (ja) | 1998-09-11 |
JP3661336B2 true JP3661336B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=12533508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3873297A Expired - Lifetime JP3661336B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | プログラマブルコントローラのローダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3661336B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100688955B1 (ko) * | 1999-12-29 | 2007-03-08 | 두산인프라코어 주식회사 | 접점 및 코일 코멘트 입출력 방법 |
JP2012164048A (ja) * | 2011-02-04 | 2012-08-30 | Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd | プログラマブルコントローラのプログラミングツール |
-
1997
- 1997-02-24 JP JP3873297A patent/JP3661336B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10240311A (ja) | 1998-09-11 |
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