JP3661233B2 - 撮像装置及びそのピント表示方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、カメラ一体型ビデオテープレコーダ(以下「カムコーダ」という)等の撮像装置、さらに詳細にはマニュアルフォーカス制御時のピント表示に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カムコーダ等の撮像装置におけるフォーカス制御系としては、例えば図4に示すものがある。この図において、被写体(図示せず)からの光はフォーカスレンズ1により集光され、アイリス2において適当な光量に調整されてCCD撮像素子3に結像する。そして、ここで映像信号に変換され、サンプル/ホールド及びAGC回路4においてノイズ除去とレベル調整を受けた後、A/D変換器5によりデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された映像信号は、カメラ信号処理部6において、Y/C分離、ガンマ補正等のカメラ信号処理を施される。カメラ信号処理部6の出力信号は、図示されていない記録再生回路へ送られ、所定の記録再生処理を施される。カメラ信号処理部6内で分離された輝度信号はオートフォーカス(AF)検波部7へ送られる。
【0003】
オートフォーカス検波部7は、図5に示すように、輝度信号の高域成分を通すハイパスフィルタ(又はバンドパスフィルタ)71と、このフィルタ71の出力を整流する整流回路72と、整流回路72の出力からオートフォーカス用の測距枠内の輝度信号を抽出するためのゲート回路73と、ゲート回路73の出力を検波することによりフィールド内の高域成分を検出して焦点信号を作成する検波回路74とから構成されている。検波回路74としては平均値検波、ピーク値検波および、両者の中間的検波方法等が用いられている。
【0004】
図5に示したオートフォーカス検波部7が作成した焦点信号のレベルとピント位置との関係の一例を図6に示す。このように、焦点信号のレベルは合焦位置においてピークになる。
【0005】
再び図4の説明に戻る。オートフォーカス検波部7で作成された焦点信号は制御マイクロコンピュータ(以下「マイクロコンピュータ」を「マイコン」と略す)8へ送られる。
【0006】
オートフォーカス制御時には、制御マイコン8は、焦点信号のレベルが大きくなる方向にフォーカスレンズ1を移動させるためのモータ制御信号をモータ駆動回路9へ与える。モータ駆動回路9はモータ制御信号に応じた方向と速度でモータ10を回転させる。つまり、焦点信号のレベルのピークが検出される位置にフォーカスレンズ1を移動させるように閉ループが構成されている。このオートフォーカス制御は、焦点信号のレベルのピークを検出するものであるため、山登り制御と呼ばれている。
【0007】
一方、マニュアルフォーカス制御時には、フォーカスリング回転検出部11によりユーザーが操作したフォーカスリングの回転を検出し、制御マイコン8がその回転状態に応じた制御信号をモータ駆動回路9に与える。このとき、制御マイコン8はオートフォーカス検波部7からの焦点信号をもとにピント状態(前ピン、後ピン、合焦)を判断し、ピント表示部12へ指示を送る。
【0008】
図7に焦点信号の傾きとピント位置の関係を示す。傾きが正の時は前ピン(被写体の手前にピントが合っている状態)、傾きが負の時は後ピン(被写体の後ろにピントが合っている状態)となり、合焦位置では傾きは0となる。
【0009】
そこでフォーカスレンズを微小に動かし、焦点信号の変化(傾き)を検出することでピント方向を知ることができる。また、焦点信号のレベルがある程度以上あり、焦点信号の傾きが小さいとき(合焦判定レベル以下)は合焦とみなすことができる。そしてこれを表示することで、ユーザーは解像度の低いファインダーでも精度の高いピント合わせを行なうことができる。
【0010】
図8にピント表示の例を示す。ユーザーは前ピン、後ピンの表示方向に従ってフォーカスリングを動かし、合焦マークが出ることで合焦位置を知ることができる。
【0011】
ここで光学における合焦の定義について述べる。被写体から出た光はレンズを通って再び収束し、結像する。この結像位置は被写体のある一点から出た光が再び一点に収束する位置である。スチルカメラではこの位置にフィルムを、また撮像装置ではこの位置にCCD等の撮像素子を置き、被写体像を取り込んでいる。この位置の前後では、光は一点ではなく、円(錯乱円という)となる。そして結像位置からずれるにつれ、錯乱円は大きくなり、像はボケることになる。しかし、錯乱円の大きさが撮像素子の画素よりも小さい場合、ボケを検出することはできない。つまり、この範囲では像はボケていない、すなわちピントがあっている(合焦)といえる。
【0012】
このように、光学では錯乱円の大きさが撮像装置の画素より小さい場合を合焦と定義し、この範囲を合焦範囲という。合焦範囲はレンズの焦点距離、Fナンバー等に依存するが、被写体の形状、空間周波数等には依存しない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
焦点信号の形状は被写体の形状、コントラスト、空間周波数等により異なる。例えば図9に示すように、被写体Aでは焦点信号のピーク付近の形状はなだらかであるが、被写体Bでは尖った形状である。これらの被写体A,Bに関して焦点信号の傾きを示すと図10のようになる。
【0014】
ピント表示では焦点信号の傾きの大きさがある程度以下である範囲を合焦と判断するが、被写体Aではその範囲は広く、被写体Bでは狭くなってしまう。この結果、被写体Aでは合焦判断の精度が低く、正確な合焦が得られなくなる。一方、被写体Bでは合焦判断の精度が高すぎるため、実際にはピントが合っている状態でも合焦と判断されず、ピント合わせが困難となる。
【0015】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、被写体によらず正確なピント表示を行なうことにより、ユーザーが被写体によらずスムーズかつ正確なピント合わせを容易に行なえるようにした撮像装置及びそのピント表示方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る撮像装置は、撮像素子の出力信号の所定の周波数成分から焦点信号を作成する焦点信号作成手段と、フォーカスレンズの移動位置を検出するレンズ位置検出手段と、前記焦点信号のレベルのピークから検出された合焦点でのフォーカスレンズの移動位置を記憶する第1の記憶手段と、前記フォーカスレンズの前記合焦点前後の合焦範囲を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されているフォーカスレンズの移動位置と、前記第2の記憶手段に記憶されているフォーカスレンズの合焦範囲と、現在のフォーカスレンズの移動位置とに基づいて、合焦判断を行う合焦判断手段と、前記合焦判断手段による合焦判断の結果を表示する表示手段とを備え、前記合焦判断手段は、現在のフォーカスレンズの位置と前記第1の記憶手段に記憶されたフォーカスレンズの位置との差が前記合焦範囲内であるか否かを検出し、前記合焦範囲内である場合には、合焦判定レベルを大きくし、前記合焦範囲外である場合には、合焦判定レベルを小さくし、現在のフォーカスレンズの位置における前記焦点信号の傾きが前記合焦判定レベル以下であるか否かを検出し、前記合焦判定レベル以下であれば合焦と判定し、前記合焦判定レベル以下でなければ合焦でないと判定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る撮像装置のピント表示方法は、フォーカスレンズの合焦点前後の合焦範囲を記憶しておき、撮像素子の出力信号の所定の周波数成分から焦点信号を作成し、前記焦点信号のレベルのピークから合焦点が検出されたときに当該合焦点でのフォーカスレンズの移動位置を記憶し、記憶されている前記フォーカスレンズの移動位置と、予め記憶されている前記フォーカスレンズの合焦範囲と、現在のフォーカスレンズの移動位置とに基づいて、合焦判断を行い、前記合焦判断は、現在のフォーカスレンズの位置と前記焦点信号から合焦点が検出された時のフォーカスレンズの位置との差が前記合焦範囲内である否かを検出し、前記合焦範囲内である場合には合焦判定レベルを大きくし、前記合焦範囲外である場合には合焦判定レベルを小さくし、現在のフォーカスレンズの位置における前記焦点信号の傾きが前記合焦判定レベル以下であるか否かを検出し、前記合焦判定レベル以下であれば合焦と判定し、前記合焦判定レベル以下でなければ合焦でないと判定することにより行い、前記合焦判断の結果を表示することを特徴とする。
【0018】
【作用】
本発明に係る撮像装置によれば、撮像素子の出力信号の所定の周波数成分から作成した焦点信号から検出された合焦点でのフォーカスレンズの移動位置と、予め記憶されたフォーカスレンズの位置における合焦範囲と、現在のフォーカスレンズの移動位置とに基づいて、合焦判断を行ない、合焦判断の結果が表示される。上述の合焦判断は、現在のフォーカスレンズの位置における焦点信号の傾きの符号が反転した時に、現在のフォーカスレンズの位置と予め記憶された合焦点でのフォーカスレンズの位置との差が合焦範囲内であるか否かを検出し、合焦範囲内である場合には合焦判定レベルを大きくし、合焦範囲外である場合には、合焦判定レベルを小さくし、現在のフォーカスレンズの位置における前記焦点信号の傾きが前記合焦判定レベル以下であるか否かを検出し、合焦判定レベル以下であれば合焦と判定し、合焦判定レベル以下でなければ合焦でないと判定する。
また、本発明に係る撮像装置のピント表示方法によれば、撮像素子の出力信号の所定の周波数成分から作成した焦点信号から検出された合焦点でのフォーカスレンズの移動位置と、予め記憶されたフォーカスレンズの位置における合焦範囲と、現在のフォーカスレンズの移動位置とに基づいて、合焦判断を行ない、合焦判断の結果が表示される。上述の合焦判断は、現在のフォーカスレンズの位置と前記焦点信号から合焦点が検出された時のフォーカスレンズの位置との差が前記合焦範囲内である否かを検出し、前記合焦範囲内である場合には合焦判定レベルを大きくし、前記合焦範囲外である場合には合焦判定レベルを小さくし、現在のフォーカスレンズの位置における前記焦点信号の傾きが前記合焦判定レベル以下であるか否かを検出し、前記合焦判定レベル以下であれば合焦と判定し、前記合焦判定レベル以下でなければ合焦でないと判定することにより行う。
【0019】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら、
〔1〕合焦判断の原理
〔2〕本発明を適用した撮像装置
(1)撮像装置の構成
(2)撮像装置の動作
(3)制御マイコンの処理
(4)手振れ等の影響を考慮した制御マイコンの処理
の順序で詳細に説明する。
【0020】
〔1〕合焦判断の原理
まず本発明における合焦判断の原理について説明する。
図7あるいは図10に見られるように、ユーザーがフォーカスリングを回転させてピント合わせをしている時、焦点信号の傾きは合焦位置を通過する瞬間にその符号が反転する。そこで、符号が反転するときのフォーカスレンズの位置を記憶しておき、その前後のある一定の範囲を合焦範囲とする。ある一定の範囲は光学的合焦範囲(焦点深度)に相当するもので、フォーカスレンズのFナンバーと焦点距離、及び撮像素子の大きさから予め計算され、被写体には依存しない。なお、実際にはこの一定の範囲は光学的合焦範囲とほぼ等しければよい。このようにすれば、被写体によらず一定の精度を保証した正確な合焦判断をすることが出来る。
【0021】
〔2〕本発明を適用した撮像装置
(1)撮像装置の構成
図1は本発明を適用した撮像装置の構成を示すブロック図である。ここで、図4と同一の部分には同一の番号が付してある。
【0022】
本発明を適用した撮像装置は、被写体(図示せず)からの光を集光するフォーカスレンズ1と、フォーカスレンズ1を通過した光の量を調整するアイリス2と、アイリス2を通過した被写体の像を映像信号に変換するCCD撮像素子3と、CCD撮像素子3の出力映像信号のノイズ除去とレベル調整を行なうサンプル/ホールド及びAGC回路4と、サンプル/ホールド及びAGC回路4の出力をデジタル化するA/D変換器5と、A/D変換器5のデジタル出力に対してY/C分離、ガンマ補正等の信号処理を施すカメラ信号処理部6とを備えている。
【0023】
また、本発明を適用した撮像装置は、カメラ信号処理部6内で分離された輝度信号からオートフォーカス制御用の焦点信号を作成して後述する制御マイコン8’へ送るオートフォーカス検波部7と、オートフォーカス及びマニュアルフォーカスの制御動作(詳細は後述)を司る制御マイコン8’と、制御マイコン8’から送られて来るモータ制御信号に応じてモータ10を駆動するモータ駆動回路9と、モータ駆動回路9により駆動され、フォーカスレンズ1を移動させるモータ10とを備えている。
【0024】
さらに、本発明を適用した撮像装置は、マニュアルフォーカス時にフォーカスリング(図示せず)の回転を検出して制御マイコン8’へ送るフォーカスリング回転検出部11と、マニュアルフォーカス時に制御マイコン8’から送られて来るピント状態の表示制御信号にしたがってピント表示を行なうピント表示部12と、フォーカスレンズ1の位置を検出して制御マイコン8’へ送るフォーカスレンズ位置検出部13とを備えている。フォーカスレンズ位置検出部13は、例えばモータ10がDCモータの場合には、モータ10の回転量をロータリーエンコーダで積算することにより実現できる。この場合、フォーカスレンズ1の位置をポテンショメーターで直接観測してもよい。また、モータ10がパルスモータ(ステップモータ)の場合には、制御マイコン8’内でパルスモータの回転量指令値を積算することにより、モータ10の回転あるいはフォーカスレンズ1の位置を検出するための素子を要せずに制御マイコン8’内で実現できる。
【0025】
(2)撮像装置の動作
次に、図1に示した装置の動作を説明する。図1において、被写体(図示せず)からの光はフォーカスレンズ1により集光され、アイリス2において適当な光量に調整されてCCD撮像素子3に結像する。そして、ここで映像信号に変換され、サンプル/ホールド及びAGC回路4においてノイズ除去とレベル調整を受けた後、A/D変換器5によりデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された映像信号は、カメラ信号処理部6において、Y/C分離、ガンマ補正等のカメラ信号処理を施される。カメラ信号処理部6の出力信号は、図示されていない記録再生回路へ送られ、所定の記録再生処理を施される。カメラ信号処理部6内で分離された輝度信号は、オートフォーカス検波部7へ送られる。
【0026】
オートフォーカス検波部7は、入力された輝度信号から焦点信号を作成し制御マイコン8’へ送る。制御マイコン8’は、オートフォーカス制御時とマニュアルフォーカス制御時とで異なる動作を行なう。
【0027】
オートフォーカス制御時には、制御マイコン8’は焦点信号のレベルが大きくなる方向にフォーカスレンズ1を移動させるためのモータ制御信号をモータ駆動回路9へ与える。モータ駆動回路9はモータ制御信号に応じた方向と速度でモータ10を回転させる。この結果、焦点信号のレベルがピークになるようにフォーカスレンズ1の位置が自動的に制御される。本発明はマニュアルフォーカス制御時の動作に関するものなので、オートフォーカス制御に関してはこれ以上は説明しない。
【0028】
マニュアルフォーカス制御時には、ユーザーがフォーカスリングを回転させてピント合わせをすると、合焦位置を通過するときに焦点信号の傾きの符号が反転するので、制御マイコン8’は、フォーカスレンズ位置検出部13の出力に基づいてその符号が反転した時のフォーカスレンズ1の位置を記憶する。そして、記憶した位置の前後のある一定の範囲を合焦範囲とし、その範囲から出たときには、出た方向に応じて前ピンあるいは後ピンであることを示す表示制御信号をピント表示部12へ送る。ピント表示部12はこの表示制御信号にしたがって合焦、前ピン、あるいは後ピンの表示を行なう。ユーザーはこのピント表示部12における表示内容を見ながらフォーカスリングを回転させることにより、フォーカスレンズ1の位置を合焦範囲に収めることができる。なお、ユーザーが操作する部材をフォーカスリングではなく、レバーやスイッチとし、その操作方向等を検出するように構成してもよい。
【0029】
(3)制御マイコンの処理
図2はマニュアルフォーカス制御時の制御マイコン8’の処理の一例を示すフローチャートである。この図に示すように、制御マイコン8’は、図1のオートフォーカス検波部7から送られて来る焦点信号の傾きの符号が反転したかどうかを判断する(ステップS1)。そして、反転していれば、その時のフォーカスレンズの位置を内部のメモリ(図示せず)に記憶(ステップS2)した後、ステップS3へ移行する。ステップS1で符号が反転していたと判断されなかったときは、そのままステップS3へ移行する。
【0030】
ステップS3では、現在のフォーカスレンズ1の位置とメモリに記憶されたフォーカスレンズ1の位置とを比較し、その差がある一定の範囲内かどうかを判断する。なお、この一定の範囲の値はあらかじめ制御マイコン内のメモリ(ROM等)に格納されている。そして、一定の範囲内であれば、合焦と判断し、ピント表示部12において合焦表示を行なうための表示制御信号を出力する(ステップS4)。もし、一定の範囲内でなければ、合焦でないと判断し、現在のフォーカスレンズ1の位置がメモリに記憶されているフォーカスレンズの位置の前方か後方かに応じて、前ピンまたは後ピンを表示を行なうための表示制御信号を出力する(ステップS5)。
【0031】
前記ステップS1〜S5は、被写体を撮像して得た映像信号の垂直同期信号の周期で繰り返す無限ループとなっている。
【0032】
(4)手振れ等の影響を考慮した制御マイコンの処理
焦点信号が図6の様に理想的な形状の場合、前述した手法のみで正確な合焦判断が可能であるが、手振れ等による焦点信号の変動が存在した場合、合焦位置以外で焦点信号の傾きの符号が反転することがある。そこで、本発明では、さらに制御マイコン8’が図3のように処理することにより、正確、かつ手振れ等の影響にも強い合焦判断を行なうことが出来る。
【0033】
図3において、ステップS11,12,13は図2のステップS1,S2,S3と同じである。また、図3のステップ17,18も図2のステップS4,S5と同じである。つまり、ステップS14,15,16が付加されている点が図2と相違する。なお、全ステップが映像信号の垂直同期信号の周期で繰り返す無限ループとなっている点は図2と同じである。以下ステップS14,15,16について説明する。
【0034】
ステップS14は、ステップS13で現在のフォーカスレンズ1の位置とメモリに記憶されたフォーカスレンズ1の位置との差がある一定の範囲内である場合に、図10で説明した合焦判定レベルを大きくする処理である。そして、ステップS15は、ある一定の範囲内でない場合にこの合焦判定レベルを小さくする処理である。
【0035】
この二つの処理の意味について説明する。フォーカスレンズ1の位置とメモリに記憶されたフォーカスレンズ1の位置との差がある一定の範囲内であるということは合焦範囲にあるということである。そして、図6又は図9から明らかなように、焦点信号の傾きは合焦位置から外れるにしたがって大きくなる。つまり、合焦範囲外における焦点信号の傾きは合焦範囲内における焦点信号の傾きよりも絶対値が大きくなる。したがって、手振れ等により合焦範囲外で焦点信号の符号が反転した場合には、その傾きの変化幅が大きくなる。
【0036】
そこで、合焦範囲外で焦点信号の符号が反転した場合には、ステップS15で合焦判定レベルを小さくする。これに対して、合焦範囲内で焦点信号の符号が反転した場合には、ステップS14で合焦判定レベルを大きくする。そして、次のステップS16では、焦点信号の傾きが合焦判定レベル以下かどうかを判断する。これにより、手振れ等により合焦範囲外の位置において焦点信号の傾きの符号が反転した場合には、ほとんどの被写体で合焦判定レベルを越えるため合焦とみなされなくなる。一方、合焦範囲内で焦点信号の傾きの符号が反転した場合、合焦範囲内では合焦判定レベルが大きいので、ほとんどの被写体で合焦と判断される。したがって、誤った合焦判断をなくすと共に精度の一定した正確な合焦判断が可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る撮像装置及びそのピント表示方法によれば、撮像素子の出力信号の所定の周波数成分から作成した焦点信号から検出された合焦点でのフォーカスレンズの移動位置と、予め記憶されたフォーカスレンズの位置における合焦範囲と、現在のフォーカスレンズの移動位置とに基づいて、合焦判断を行ない、その結果をピント表示しているので、ユーザは被写体によらずスムーズかつ正確なピント合わせを容易に行なうことができる。
【0038】
また、現在のフォーカスレンズの位置における焦点信号の傾きの符号が反転した場合、現在のフォーカスレンズの位置と前記焦点信号から合焦点が検出された時のフォーカスレンズの位置との差が合焦範囲内である否かを検出し、合焦範囲内である場合には 合焦範囲を大きくし、合焦範囲外である場合には合焦範囲を小さくすることにより、手振れ等に影響されずにスムーズかつ正確なピント合わせを容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した撮像装置におけるマニュアルフォーカス制御時の制御マイコンの動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した撮像装置におけるマニュアルフォーカス制御時の制御マイコンの動作の他の一例を示すフローチャートである。
【図4】従来の撮像装置におけるフォーカス制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】図4のフォーカス制御系におけるオートフォーカス検波部の構成を示すブロック図である。
【図6】焦点信号のレベルとピント位置との関係の一例を示す図である。
【図7】焦点信号の傾きとピント位置の関係の一例を示す図である。
【図8】ピント表示の一例を示す図である。
【図9】被写体A,Bの焦点信号のレベルとピント位置との関係を示す図である。
【図10】図9の被写体A,Bの焦点信号の傾きとピント位置との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…フォーカスレンズ、7…オートフォーカス検波部、8,8’…制御マイコン、10…モータ、12…ピント表示部、13…フォーカスレンズ位置検出部
Claims (6)
- 撮像素子の出力信号の所定の周波数成分から焦点信号を作成する焦点信号作成手段と、
フォーカスレンズの移動位置を検出するレンズ位置検出手段と、
前記焦点信号のレベルのピークから検出された合焦点でのフォーカスレンズの移動位置を記憶する第1の記憶手段と、
前記フォーカスレンズの前記合焦点前後の合焦範囲を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されているフォーカスレンズの移動位置と、前記第2の記憶手段に記憶されているフォーカスレンズの合焦範囲と、現在のフォーカスレンズの移動位置とに基づいて、合焦判断を行う合焦判断手段と、
前記合焦判断手段による合焦判断の結果を表示する表示手段とを備え、
前記合焦判断手段は、現在のフォーカスレンズの位置と前記第1の記憶手段に記憶されたフォーカスレンズの位置との差が前記合焦範囲内であるか否かを検出し、
前記合焦範囲内である場合には、合焦判定レベルを大きくし、
前記合焦範囲外である場合には、合焦判定レベルを小さくし、
現在のフォーカスレンズの位置における前記焦点信号の傾きが前記合焦判定レベル以下であるか否かを検出し、
前記合焦判定レベル以下であれば合焦と判定し、
前記合焦判定レベル以下でなければ合焦でないと判定することを特徴とする撮像装置。 - 前記合焦判断手段は、フォーカスレンズの移動位置が合焦点の前に位置するか後ろに位置するかを判断し、
前記表示手段は、前記合焦判断手段の判断結果に応じて、フォーカスレンズの移動位置の状態が、合焦状態、前ピン状態又は後ピン状態であるかを示す表示を行うこと
を特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 前記第2の記憶手段のフォーカスレンズの合焦範囲は、フォーカスレンズの焦点深度であること
を特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - フォーカスレンズの前記合焦点前後の合焦範囲を記憶しておき、
撮像素子の出力信号の所定の周波数成分から焦点信号を作成し、前記焦点信号のレベルのピークから合焦点が検出されたときに当該合焦点でのフォーカスレンズの移動位置を記憶し、
記憶されている前記フォーカスレンズの移動位置と、予め記憶されている前記フォーカスレンズの合焦範囲と、現在のフォーカスレンズの移動位置とに基づいて、合焦判断を行い、
前記合焦判断は、現在のフォーカスレンズの位置と前記焦点信号から合焦点が検出された時のフォーカスレンズの位置との差が前記合焦範囲内である否かを検出し、前記合焦範囲内である場合には合焦判定レベルを大きくし、前記合焦範囲外である場合には合焦判定レベルを小さくし、現在のフォーカスレンズの位置における前記焦点信号の傾きが前記合焦判定レベル以下であるか否かを検出し、前記合焦判定レベル以下であれば合焦と判定し、前記合焦判定レベル以下でなければ合焦でないと判定することにより行い、
前記合焦判断の結果を表示することを特徴とする撮像装置のピント表示方法。 - フォーカスレンズの移動位置が合焦点の前に位置するか後ろに位置するかを判断し、
前記合焦判断の結果に応じて、フォーカスレンズの移動位置の状態が、合焦状態、前ピン状態又は後ピン状態であるかを示す表示を行うことを特徴とする請求項4記載の撮像装置のピント表示方法。 - 前記フォーカスレンズの合焦範囲は、フォーカスレンズの焦点深度であることを特徴とする請求項4載の撮像装置のピント表示方法。
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