JP2005156597A - 自動焦点調節装置及び方法及びプログラム及び記憶媒体 - Google Patents

自動焦点調節装置及び方法及びプログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】画像信号に基づいて合焦制御を行う自動焦点調節装置において、大ボケ状態にもかかわらず合焦と誤判定してしまうことを防止する。
【解決手段】撮影レンズ1により結像された光学像から画像信号を生成する撮像素子3と、画像信号から抽出された高域成分に基づいて、合焦状態を評価する評価値を生成する評価値生成部と、画像信号から輝度差を検出する輝度差検出部と、評価値を輝度差で除算することにより正規化された第1の正規化評価値を算出する第1の演算部15と、第1の正規化評価値を輝度差に応じて補正することにより第2の正規化評価値を算出する第2の演算部15と、第2の正規化評価値に基づいて、撮影レンズの焦点制御を行なう制御部15とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像信号の高周波成分を用いて焦点調節を行なう技術に関するものである。
従来、画像信号の高周波成分を用いて合焦動作を行うオートフォーカス装置にあっては、画像信号より領域を指定して画像を取り出し、バンドパスなどのフィルタリング処理を行い、その信号の高周波成分を取り出し、この信号(以降AF評価値と称す)が最大となるところを合焦位置としてオートフォーカス(AF)動作を行っている。
この方式は合焦検出用の専用のセンサや光学系を必要としないのでコストやスペース上有利な方式であり、なおかつ撮像用のセンサーを用いて合焦検出動作を行うことから、合焦精度も高く、ビデオカメラなどでは広く用いられている。
このAF評価値の一般的な特性に関して図12および図13を用いて説明する。
図12および図13はAF評価値およびAF領域内の輝度差を示すグラフであり、図12は反射率が90:2の高コントラストのエッジチャートを用いた場合であり、図13は反射率が90:80の低コントラストのエッジチャートを用いた場合のグラフである。
各々の図において横軸はディフォーカス量、左縦軸は評価値、右横軸はAF領域内輝度差の最大値であり、(A)はAF評価値、(B)はAF領域内の最大輝度差を表す。
AF評価値(A)は横軸のディフォーカス量が0すなわち最もピントが合った状態で最大値を示す。
一方AF領域内の輝度差(B)はディフォーカス量が大きい領域ではチャートの高輝度部分と低輝度部分が交じり合うので輝度差が小さくなり、ディフォーカス量が小さくなるにつれて像がシャープになっていくるので輝度差が大きくなり、最もピントが合った状態で最大値を示す。
これらのグラフに示す様にAF評価値は被写体のコントラストによって異なるので、AF評価値の絶対値のみを用いて合焦近傍にあるか判断することができない。
しかしながら、これらの図のAF評価値(A)と輝度差(B)の相関関係に着目し、AF評価値(A)を輝度差(B)で割ることにより被写体のコントラストによらず略一定の評価値が得られることが特開平6−268896号公報(特許文献1)に開示されている。
図14および図15は図12および図13のAF評価値(A)を輝度差(B)で割った正規化AF評価値を示している。これらの図に示す様にAF評価値を輝度差で割ることにより合焦近傍では、被写体のコントラストによらず略一定のAF評価値を得ることができる。
特開平6−268896号公報
上記の従来の方式は、基本的にビデオカメラを前提としており、使用する撮像素子のサイズが小さい(対角方向サイズが数mm程度)ために、レンズのテレ端での最大デフォーカス量(レンズが無限遠の位置にあって、最至近の被写体を見た場合のディフォーカス量)はせいぜい1mm程度であり、大ボケ状態でのAF動作に特に問題は生じなかった。しかし、昨今の大きな撮像素子(対角方向サイズが20mm以上)を用いたデジタルカメラに適用した場合、最大ディフォーカス量が桁外れに大きくなりなり、ディフォーカスの大きな領域(図14及び図15の左の領域)では高コントラストな被写体でも輝度差が非常に小さくなってしまい、結果的にAF評価値を輝度差で割った正規化AF評価値が大きくなり、大ボケ状態にもかかわらず誤って合焦と判定してしまう問題が生じる。
具体的な数値で説明すると、ビデオカメラ用の撮像センサーとして一般的に使われている1/4インチ型の撮像素子では、対角方向がわずか4.5ミリ程度であるために、たとえば135サイズの銀塩カメラ(対角サイズ43mm)で300mm望遠レンズに相当するビデオカメラ用のレンズの焦点距離は、わずか32mm程度である。
このCCDを用いて被写体の距離を2mとした場合の無限位置からのディフォーカス量を求めると
ディフォーカス量=レンズ焦点距離×被写体距離/(被写体距離−レンズ焦点距離)−レンズ焦点距離=0.52mm
であり、図14及び図15に示す正規化評価値は大ボケ状態でも単調減少する領域であるので、誤って合焦判定してしまうことは生じない。
一方、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラで多く用いられているいわゆるAPS−Cサイズと呼ばれている撮像素子の場合は、センサーの縦方向サイズが15mm、横方向サイズが23mm、対角サイズが27mmある。したがって135サイズ(対角線43mm)に対する画面サイズ比は27/42=0.64であるので、135サイズの300mmの望遠レンズは300mm×0.64=192mmに相当する。
そこで、撮像レンズの焦点距離200mm、被写体の距離を2mとした場合の無限位置からのディフォーカス量を計算してみると、
ディフォーカス量=レンズ焦点距離×被写体距離/(被写体距離−レンズ焦点距離)−レンズ焦点距離=22.2mm
となる。
図14及び図15に示す正規化評価値のグラフからディフォーカス量22mm時の正規化評価値を見ると、大ボケ状態にもかかわらず増大しており、大ボケ状態にもかかわらず、誤って合焦判定してしまう問題が生じてしまう。
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像信号に基づいて合焦制御を行う自動焦点調節装置において、大ボケ状態にもかかわらず合焦と誤判定してしまうことを防止することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる自動焦点調節装置は、撮影レンズにより結像された光学像から画像信号を生成する撮像手段と、前記画像信号から抽出された高域成分に基づいて、合焦状態を評価する評価値を生成する評価値生成手段と、前記画像信号から輝度差を検出する輝度差検出手段と、前記評価値を前記輝度差で除算することにより正規化された第1の正規化評価値を算出する第1の演算手段と、前記第1の正規化評価値を前記輝度差に応じて補正することにより第2の正規化評価値を算出する第2の演算手段と、前記第2の正規化評価値に基づいて、前記撮影レンズの焦点制御を行なう制御手段と、を具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる自動焦点調節装置において、前記第2の演算手段は、前記第1の正規化評価値に、前記輝度差に応じた重み付け係数を乗算することにより、前記第2の正規化評価値を算出することを特徴とする。
また、この発明に係わる自動焦点調節装置において、前記重み付け係数は、前記輝度差が小さくなるにつれて小さくなることを特徴とする。
また、この発明に係わる自動焦点調節装置において、前記輝度差と前記重み付け係数の関係は、テーブルとして予め記憶手段に記憶されていることを特徴とする。
また、本発明に係わる自動焦点調節方法は、撮影レンズにより結像された光学像から画像信号を生成する撮像工程と、前記画像信号から抽出された高域成分に基づいて、合焦状態を評価する評価値を生成する評価値生成工程と、前記画像信号から輝度差を検出する輝度差検出工程と、前記評価値を前記輝度差で除算することにより正規化された第1の正規化評価値を算出する第1の演算工程と、前記第1の正規化評価値を前記輝度差に応じて補正することにより第2の正規化評価値を算出する第2の演算工程と、前記第2の正規化評価値に基づいて、前記撮影レンズの焦点調節を行なう焦点調節工程と、を具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる自動焦点調節方法において、前記第2の演算工程では、前記第1の正規化評価値に、前記輝度差に応じた重み付け係数を乗算することにより、前記第2の正規化評価値を算出することを特徴とする。
また、この発明に係わる自動焦点調節方法において、前記重み付け係数を、前記輝度差が小さくなるにつれて小さくすることを特徴とする。
また、この発明に係わる自動焦点調節方法において、前記輝度差と前記重み付け係数の関係を、テーブルとして予め記憶しておくことを特徴とする。
また、本発明に係わるプログラムは、上記の自動焦点調節方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明に係わる記憶媒体は、上記のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶したことを特徴とする。
以上のように構成される本発明によれば、画像信号に基づいて合焦制御を行う自動焦点調節装置において、大ボケ状態にもかかわらず合焦と誤判定してしまうことを防止することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明を電子カメラに適用したカメラシステムの全体構成を示すブロック図である。
図1において、1は撮影レンズ、2は光量を調節する絞り、3は撮像素子であるCCD、4はCCDの画像信号を増幅するアンプ、5は撮像素子3の出力画像信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ、6はデジタル化された画像信号から、領域を指定してAF評価値を演算したり、各画素情報から色合成を行い、ガンマ処理などを行った後に圧縮画像を作成する画像信号処理回路、7は画像信号処理回路の出力を、LCDモニタ(液晶表示装置)8に表示するためのLCD駆動回路、8はモニタ用のLCDである。
9は撮影レンズ1を光軸方向に駆動し、フォーカシングするためのフォーカシングモータ、10はフォーカシングモータ9を駆動するための駆動回路、11は絞り2を駆動するための絞り駆動モータ、12は絞り駆動モータ11を駆動するための駆動回路である。なお、本実施形態ではフォーカシングモータおよび絞り駆動モータはステッピングモータで構成されているので、初期位置出しを行えば、フォーカシングレンズの位置または絞りの位置は絶対位置として管理できる。
13は撮像素子であるCCD3を駆動するためのCCD駆動回路であり、14は撮像した画像を保存するためのメモリである。15はAF(オートフォーカス)動作および全体の動作を制御するマイコンである。16はレンズ位置検知SW(スイッチ)、17は至近端パターン、18は無限端パターンであり、レンズの位置決めとともに焦点調節可能範囲外への移動を抑制する。
次に、図2は画像信号処理回路6の中のAF評価値信号の生成部を示すブロック図である。
図2において、61はゲート回路、62は全画像信号の中からAF領域として設定された領域の画像信号を取り出すためのタイミングジェネレータ、63は公知のデジタルローパスフィルタ、64は公知のハイパスフィルタで、シフトレジスタによるディレイ回路65と減算回路66とから構成される。67は公知の絶対値回路、68は画像信号1ライン中の中から生成されたAF評価値の最大値ホールド回路、69は画像信号1ライン中の最大輝度ホールド回路、70は画像信号1ライン中の最小輝度ホールド回路、71は画像信号の中のAF演算エリアの各ラインのAF評価値の最大値、最大輝度、最小輝度を保存するAFメモリであり、保存された情報をマイコン15に出力する。
次に図3および図4を用いて撮像素子3のAF領域を説明する。
図3において、20は撮像素子3の全撮像領域で、21はAF領域を示す。この領域は大きさ、位置を限定する必要はないが、あまり広くすると小さい被写体の場合、背景に引かれやすくなるので、本実施形態では全画面の中心の、上下左右ともに全画面サイズのそれぞれ1/4程度の領域をAF領域にしている。図4は図3のAF領域21を拡大して示したものであり、所定の画素サイズで2次元に構成されており、本例では横方向1ライン毎にAF処理を行っている。
この撮像素子の出力は、センサーの一番上のラインの左側の画素から順にアンプ4で増幅されてA/Dコンバータ5でデジタル信号に変換された後に、画像信号処理回路6の中のA/D入力端子からゲート回路61に入力される。この際タイミングジェネレータ62は画面のAF領域を指定して、必要な領域になるとゲート回路61を開き後方のローパスフィルター63に画像信号を伝達する。
そして1ラインのAF領域の取り込みが終わると、再びゲート回路61を閉じて、AF評価値最大値ホールド回路68、最大輝度ホールド回路69、最小輝度ホールド回路70にホールドされた各データをAFメモリ71に転送させる。従ってAFメモリ71にはAF領域の各ラインのAF評価値最大値、最大輝度、最小輝度が保存される。
次に、図5及び図6はマイコン15にプログラムされたAF制御動作のフローチャートである。
不図示のAF開始ボタンをオンすると、AFの初期化処理として、各メモリデータを初期化する(S101)。至近端SW17および無限端SW18を読み込み、レンズが至近端に突き当たっていたらS103に分岐し、無限端に突き当たっていたらS104に分岐し、突き当たり状態でなければS107に分岐する(S102)。
至近端に突き当たった場合は、フォーカシングモータ駆動中の場合はフォーカシングモータの駆動を停止し、モータの駆動方向を無限遠方向に変更するとともに、駆動方向反転回数のカウンターである反転カウントを1増加する(S103)。
無限端に突き当たった場合は、フォーカシングモータ駆動中の場合はフォーカシングモータの駆動を停止し、モータの駆動方向を至近方向に変更するとともに、駆動方向反転回数のカウンターである反転カウントを1増加する(S104)。
無限端に突き当たった場合で、反転回数が2回以上の場合は、AF動作を終了させるためにS106に進み、2回未満の場合はS107に進む(S105)。反転回数が2回以上の場合、すなわち至近方向から無限方向に全域サーチしても合焦できない場合は、モニター用LCD8に合焦不能表示を出してAF動作を終了する(S106)。
一方AF動作を続行する場合は、画像信号処理回路6のAFメモリ71からAF領域全ラインのAF評価値最大値、最大輝度、最小輝度を読み込む(S107)。次に各ライン毎にAF評価値最大値を最大輝度と最小輝度の差で割りAF正規化処理を行う。さらに図7に示す重み付けテーブルを用いて、最大輝度値と最小輝度値の差に応じた重み付け係数を読み出し、AF評価値に乗じて得られた解を正規化評価値とする。そして、演算された各ラインの正規化評価値を加算し、AFエリアの画素ライン数で割ったものを今回の正規化評価値とする。この重み付け処理を行った場合の効果は後述する。(S108)。なお、図7に示す重み付けテーブルはマイコン15に設けられたメモリ等に予め記憶しておく。
次に、AF評価値の正規化処理が終わると、AF処理回数カウンタであるAFカウントを1増加させる(S109)。
AFカウントが2回未満の場合すなわちAF処理をまだ1回しかしていない場合は、AF評価値の比較ができないのでS120に分岐し、2回以上の場合はS111に分岐する(S110)。
今回の正規化評価値と前回の正規化評価値を比較し、前回の正規化評価値のほうが大きい場合はS122に分岐し、そうでない場合はS112に分岐する(S111)。
S112では、今回の正規化評価値とMAX評価値を比較し、今回のAF評価値のほうが大きい場合はS113に分岐し、そうでない場合はS114に分岐する。
S113では、今回の正規化評価値をMAX評価値として保存し、そのときのレンズ位置をMAXレンズ位置として保存する。なお、前述した様に本実施形態ではフォーカシングモータをステッピングモータで構成したので、電源投入時に無限端SW18に突き当たるまで駆動して初期位置決めをすれば、以降レンズの絶対位置はステッピングモータの駆動ステップ数として表せるので、この駆動ステップをフォーカシングレンズの位置として記憶する。
評価値増加カウントが所定値nMAX未満であればS115に分岐し、nMAX以上であればS116に分岐する(S114)。評価値増加カウントを1増加する(S115)。
評価値減少カウントが0より大きければS117に分岐し、0以下であればS118に分岐する(S116)。評価値減少カウントを1減少する(S117)。
S118において、S108で求めた正規化評価値が合焦近傍であることを示す所定値TH1以上であれば、AFモードを合焦近傍モードにする(S119)。
S120では、正規化評価値に応じて駆動速度を決定する。すなわち評価値が小さい場合は合焦より遠いので早く合焦させるために、画像取り込み間の駆動速度を早く、評価値が大きい場合は合焦近傍であるので、精度良く合焦させるために駆動速度を遅くする。
設定された駆動速度にしたがってフォーカシングモータ9の駆動速度制御を行いステップ102に戻り合焦するまでこの動作を繰り返す(S121)。
次にステップ111からの分岐で今回の評価値が前回の評価値より減少した場合の処理を説明する。
S122において、評価値減少カウントが所定値nMINよりも小さければS123に分岐し、nMIN以上であればS124に分岐する(S122)。S123では、評価値減少カウントを1増加する(S123)。
S124において、評価値増加カウントが0より大きければS125に分岐し0以下であればS126に分岐する(S124)。
S125では、評価値増加カウントを1減少させる。
S126では、AFモードがサーチモードの場合はS127に分岐し、AFモードが合焦近傍モードの時はS129に分岐する(S126)。
S127では、評価値減少カウントが所定値TH3以上の場合はS128に分岐し、TH3より小さい場合はS120に分岐し、通常の駆動処理を繰り返す。
S128では、所定回数TH3以上評価値が減少した場合は、合焦方向から遠ざかっているのでフォーカシングの方向を反転するために、駆動中のモータを停止させて、駆動方向を逆方向に設定し、評価値減少カウントと評価値増加カウントを0にリセットする。
一方ステップS126からの分岐でAFモードが合焦近傍モードの場合は評価値減少カウントが所定値TH2以上の場合、すなわち所定回数評価値が減少すれば、ピントのピークを確実に通り越したことになるので、ステップ130に分岐し、所定値TH2以下の場合はS120に分岐し、通常の駆動処理を繰り返す(S129)。
S130では、合焦位置への駆動のために、現在のフォーカス位置とS113で記憶した評価値最大時のフォーカス位置の差をフォーカス駆動量として求める。
フォーカス駆動を停止し、駆動方向を反転してS130で求めたフォーカス駆動量でフォーカス駆動を行う(S131)。液晶モニタ8に合焦表示を出して、AF動作を終了する(S132)。
以上の動作を実行することにより、ディフォーカスが大きい状態からも、確実に被写体にピントを合わせることができる。
次に本実施形態の重要なポイントである、正規化AF評価値に重み付け処理を行った場合の効果を図8および図9にて示す。
図8は反射率が90:2の高コントラストのエッジチャートを用いた場合であり、図9は反射率が90:80の低コントラストのエッジチャートを用いた場合のグラフである。
図8においてグラフ(A)は図12で説明した評価値を輝度差で割ったものと同一であり、(B)は図12で説明した輝度差(B)と同一であり、図9においてグラフ(A)は図13で説明した評価値を輝度差で割ったものと同一であり、(B)は図13で説明した輝度差(B)と同一である。
図8(A)または図9(A)で示す様に、AF評価値の正規化を行う際に、単純に最大輝度と最小輝度の輝度差(B)で割って正規化すると、20mm以上という様な大ディフォーカスの大ボケ状態では、分母となるべき輝度差が極めて小さくなるために、逆にAF評価値(A)が大きくなってしまう。この際、輝度差(B)が減少するほどAF評価値としての信頼性が低くなることに着目し、図7で示す様に輝度差に対する重み付け係数に従ってAF評価値に重み付けを乗ずることにより図8よび図9に(C)で示す様に大ディーフォーカス時のAF評価値の増大を抑制することができ、確実に合焦位置を見つけることが可能になる。
言い換えれば、図7に示すように、輝度差が小さい場合ほどAF評価値に掛ける重み付け係数を小さくすることにより、輝度差が小さい場合(ディフォーカスが大きい場合)ほど正規化後の評価値が小さくなり、したがって大ボケ状態で誤って合焦と判定してしまうエラーを防止することができる。
すなわち、大きなサイズの撮像素子に望遠系レンズを装着した際に発生する大ディフォーカス状態でも誤った合焦判定をすることのない正確な自動焦点調節装置を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態ではAF領域の各ライン毎にAF評価値の正規化と、輝度差に応じた重み付け処理を行ったが、第2の実施形態では、AF領域全体の最大輝度と最小輝度に基づいてAF評価値の重み付けを行っている。これによりハードウェアの構成をより簡略化することができる。
以下図面を参照して本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。
図10は、第2の実施形態における画像信号処理回路6の中のAF評価値信号の生成部を示すブロック図である。図2と同一部分には同じ番号を付与しているので、図2と異なる箇所についてのみ説明する。
72は加算器で、AF評価値の最大値ホールド回路68で1ラインのAF評価値処理が終わると、最大値ホールド回路68にホールドされた1ライン中のAF評価値の最大値は加算回路72で加算される。そのため、AF領域全域の取り込みが終了すると、加算器72には、各ラインの最大評価値の全加算値が保存される。
次に、図11はマイコン15にプログラムされたAF制御動作のフローチャートである。
図11は、図5で説明した第1の実施形態の動作フローのS107、S108との差を説明するものであり、他の部分は第1の実施形態と共通であるので、説明を省略する。
マイコン15は、画像信号処理回路6からAF領域の最大評価値加算値を取り込む。(S201)。次にAF領域の最大輝度を取り込む(S202)。次にAF領域の最小輝度を取り込む(S203)。
AF領域の最大評価値加算値をAFライン数で割り全ライン中のAF評価値の平均値を出す。次にS202で取り込んだAF領域内の最大輝度からS203で取り込んだAF領域内の最小輝度を引くことにより輝度差を求め、AF評価値の平均値をこの輝度差で割る。これにより、AF評価値の正規化処理を行う(S204)。次にS204で求めたAF領域内の輝度差に基づいて、図7に示す重み付けテーブルより重み付け補正量を求める(S205)。S204で求めた正規化AF評価値にS205で求めた重み付け補正量を乗じたものを今回の正規化評価値とする(S206)。
このように第2の実施形態では、図2で示したAF評価値処理回路のAFメモリ71を省略し、AF領域全域の最大輝度、最小輝度の差からAF評価値の重み付け補正量を求める様にしたので、図10に示した様に回路構成が簡略化されるとともに、第1の実施形態と同様に大ディーフォーカス時のAF評価値の増大を抑制することができ、確実に合焦位置を見つけることが可能になる。
したがって大ボケ状態で誤って合焦と判定してしまうエラーを防止することができる。 (他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
本発明を電子カメラに適用したカメラシステムの全体構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における画像信号処理回路の中のAF評価値信号の生成部を示すブロック図である。 撮像素子のAF領域を説明する図である。 撮像素子のAF領域の詳細を説明する図である。 マイコンにプログラムされたAF制御動作のフローチャートである。 マイコンにプログラムされたAF制御動作のフローチャートである。 重み付け情報を示す図である。 重み付け情報により正規化されたAF評価値を示す図である。 重み付け情報により正規化されたAF評価値を示す図である。 第2の実施形態における画像信号処理回路の中のAF評価値信号の生成部を示すブロック図である。 第2の実施形態におけるカメラの動作を示すフローチャートである。 ディフォーカス量に対するAF評価値情報を説明する図である。 ディフォーカス量に対するAF評価値情報を説明する図である。 従来のディフォーカス量に対する正規化されたAF評価値情報を説明する図である。 従来のディフォーカス量に対する正規化されたAF評価値情報を説明する図である。
符号の説明
1 撮影レンズ
2 絞り
3 撮像素子
4アンプ
5 A/Dコンバータ
6 画像信号処理回路
7 LCD駆動回路
8 液晶モニタ
9,11 モータ
15 マイコン

Claims (10)

  1. 撮影レンズにより結像された光学像から画像信号を生成する撮像手段と、
    前記画像信号から抽出された高域成分に基づいて、合焦状態を評価する評価値を生成する評価値生成手段と、
    前記画像信号から輝度差を検出する輝度差検出手段と、
    前記評価値を前記輝度差で除算することにより正規化された第1の正規化評価値を算出する第1の演算手段と、
    前記第1の正規化評価値を前記輝度差に応じて補正することにより第2の正規化評価値を算出する第2の演算手段と、
    前記第2の正規化評価値に基づいて、前記撮影レンズの焦点制御を行なう制御手段と、
    を具備することを特徴とする自動焦点調節装置。
  2. 前記第2の演算手段は、前記第1の正規化評価値に、前記輝度差に応じた重み付け係数を乗算することにより、前記第2の正規化評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
  3. 前記重み付け係数は、前記輝度差が小さくなるにつれて小さくなることを特徴とする請求項2に記載の自動焦点調節装置。
  4. 前記輝度差と前記重み付け係数の関係は、テーブルとして予め記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項2に記載の自動焦点調節装置。
  5. 撮影レンズにより結像された光学像から画像信号を生成する撮像工程と、
    前記画像信号から抽出された高域成分に基づいて、合焦状態を評価する評価値を生成する評価値生成工程と、
    前記画像信号から輝度差を検出する輝度差検出工程と、
    前記評価値を前記輝度差で除算することにより正規化された第1の正規化評価値を算出する第1の演算工程と、
    前記第1の正規化評価値を前記輝度差に応じて補正することにより第2の正規化評価値を算出する第2の演算工程と、
    前記第2の正規化評価値に基づいて、前記撮影レンズの焦点調節を行なう焦点調節工程と、
    を具備することを特徴とする自動焦点調節方法。
  6. 前記第2の演算工程では、前記第1の正規化評価値に、前記輝度差に応じた重み付け係数を乗算することにより、前記第2の正規化評価値を算出することを特徴とする請求項5に記載の自動焦点調節方法。
  7. 前記重み付け係数を、前記輝度差が小さくなるにつれて小さくすることを特徴とする請求項6に記載の自動焦点調節方法。
  8. 前記輝度差と前記重み付け係数の関係を、テーブルとして予め記憶しておくことを特徴とする請求項6に記載の自動焦点調節方法。
  9. 請求項5乃至9のいずれか1項に記載の自動焦点調節方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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