JP3660641B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は複数の導線又は光ファイバを平行に並べて被覆を施したいわゆるフラットケーブルに用いられるコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフラットケーブル用のコネクタはハウジングとケーブルホルダとを備えている。ケーブルホルダは、ハウジングに固定され、フラットケーブルを単に保持する。図16(a),(b)に示すように、フラットケーブル21は、フラットケーブル21の幅方向dwへ曲がらないが、フラットケーブル21が捩れていなければ、フラットケーブル21の厚み方向dtへ自由に曲がる。このため、従来の技術では、コネクタ(図示せず)に結線されたフラットケーブル21をその厚み方向dtへしか配線できなかった。
【0003】
これ対し、実用新案登録第2512513号公報に記載されたコネクタをフラットケーブル用のコネクタに応用した場合、ケーブルホルダ(図示せず)を自由に回転できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ケーブルホルダを自由に回転できるようにすると、配線作業者が不注意によりフラットケーブル21を幅方向dwへ曲げてフラットケーブル21を傷める事故が起こるおそれがある。
【0005】
また、ケーブルホルダを自由に回転できるようにすると、配線作業者は次の点についても注意する必要がある。
【0006】
図16(c)に示すように、フラットケーブル21が捩じれた状態でフラットケーブル21の一端部21aを中央位置(フラットケーブル21の一端部21aが後述するケーブル挿入方向軸ai上に位置する状態)Cから矢印a又は矢印bに示すように曲げるのは問題無い。しかし、フラットケーブル21が捩れた状態でフラットケーブル21の一端部21aをAの位置からBの位置へと、或いはBの位置からAの位置へというように、ケーブル挿入方向軸aiを超えて反対側へ曲げるは厳禁である。フラットケーブル21が捩れた状態でフラットケーブル21の一端部21aをその厚み方向dtに沿ってケーブル挿入方向軸aiを超えて反対側まで曲げると、フラットケーブルが21痛み、フラットケーブル21の特性が劣化し、最悪の場合、フラットケーブル21が損傷する。これはフラットケーブル21が捩れた状態でフラットケーブル21の一端部21aがケーブル挿入方向軸aiを超えるとき、すなわち、フラットケーブル21が捩れた状態でフラットケーブル21の一面21bが凹面の状態から凸面の状態へ反転するときに、フラットケーブル21に圧縮応力及び引張応力が複雑に作用するからである。
【0007】
しかし、ケーブルホルダを自由に回転できるようにすると、フラットケーブル21がハウジング(図示せず)内で捩れていても、ケーブルホルダから出たフラットケーブル21は捩れていないため、配線作業者がフラットケーブル21は捩れていないと勘違いし、フラットケーブル21を捩れた状態でケーブル挿入方向軸aiを超えて反対側まで曲げ、フラットケーブル21を傷める事故が起きるおそれがある。
【0008】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題はフラットケーブルを任意の方向へ配線でき、しかもフラットケーブルの損傷を防止することができるコネクタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため請求項1の発明のコネクタは、ハウジングと、このハウジングに挿入されるフラットケーブルの一端部を保持するケーブルホルダとを備えているコネクタにおいて、前記ケーブルホルダが、前記ハウジングに対する前記フラットケーブルの挿入方向へ延びるケーブル挿入方向軸の周りに回転できるように、前記ハウジングに設けられた第1回転部材と、前記ケーブル挿入方向軸と直交するケーブル幅方向軸の周りに回転できるように、前記第1回転部材に設けられた第2回転部材とを有し、前記第1回転部材が第1回転部材中立位置に保持されているときに前記第2回転部材の正逆方向へ回転できるようにし、前記第2回転部材が第2回転部材中立位置から正逆いずれかの方向へ所定角度回転したときに前記第1回転部材を正逆方向へ回転できるようにし、前記第1回転部材が前記第1回転部材中立位置から所定角度回転したときに、前記第1回転部材の回転を阻止するとともに、前記第2回転部材が前記第2回転部材中立位置を超えないように前記第2回転部材の回転範囲を制限する回転規制機構を備えていることを特徴とする。
【0010】
上述のようにケーブルホルダが、ケーブル挿入方向軸の周りに回転できるようにハウジングに設けられた第1回転部材と、ケーブル幅方向軸の周りに回転できるように第1回転部材に設けられた第2回転部材とを備えるので、ケーブルホルダの回転自由度が高い。
【0011】
また、ケーブルホルダはフラットケーブルの幅方向へ回転しない。
【0012】
更に、上述のように回転規制機構が備えられているので、この回転規制機構により、第2回転部材が第2回転部材中立位置を超えて正逆方向へ回転できるのは第1回転部材が第1回転部材中立位置にあるとき、すなわち、フラットケーブルが捩れていないときであり、第1回転部材が正逆方向へ回転できるのは第2回転部材が第2回転部材中立位置から正逆いずれかの方向へ所定角度回転したときであり、しかもこのとき第2回転部材が第2回転部材中立位置を超えないように第2回転部材の回転範囲が制限される。
【0013】
請求項2の発明のコネクタは、請求項1の発明のコネクタにおいて、前記回転規制機構が、前記第2回転部材の回転動作に応じて前記フラットケーブルの挿入方向へ進退できるとともに、前記第1回転部材の回転に応じて前記ケーブル挿入方向軸周りに移動できるプッシュロッドと、前記ハウジングに設けられ、前記プッシュロッドの先端部と係合して前記プッシュロッドの前記挿入方向への移動及び前記ケーブル挿入方向軸周りの移動を制限するストッパとを有していることを特徴とする。
【0014】
上述のように回転規制機構がプッシュロッドとストッパとを有しているので、第1及び第2回転部材の回転規制の設定を容易に変更できる。
【0015】
請求項3の発明のコネクタは、ハウジングと、このハウジングに挿入されるフラットケーブルの一端部を保持するとともに、前記ハウジングに対する前記フラットケーブルの挿入方向へ延びるケーブル挿入方向軸とこのケーブル挿入方向軸と直交するケーブル幅方向軸との2軸周りにだけ回転可能なように前記ハウジングに設けられたケーブルホルダと、前記ケーブルホルダが前記ケーブル挿入方向軸周りに関して中立位置にあるときに前記ケーブルホルダの前記ケーブル幅方向軸周りの正逆回転を可能にし、前記ケーブルホルダが前記ケーブル挿入方向軸周りに関して中立位置にないときに前記ケーブルホルダの前記ケーブル幅方向軸周りに関する中立位置を超える前記ケーブルホルダの前記ケーブル幅方向軸周りの回転を阻止する回転規制機構とを備えていることを特徴とする。
【0016】
上述のようにケーブルホルダがケーブル挿入方向軸とケーブル幅方向軸との2軸周りに回転可能なようにハウジングに設けられているので、ケーブルホルダの回転自由度が高い。
【0017】
また、上述のようにケーブルホルダが、ケーブル挿入方向軸とケーブル幅方向軸との2軸周りにだけ回転可能なようにハウジングに設けられているので、ケーブルホルダはフラットケーブルの幅方向へ回転しない。
【0018】
更に、上述のように回転規制機構が備えられているので、ケーブルホルダがケーブル挿入方向軸周りに関して中立位置にあるとき、ケーブルホルダのケーブル幅方向軸周りの正逆回転は可能であるが、ケーブルホルダがケーブル挿入方向軸周りに関して中立位置にないとき、ケーブルホルダのケーブル幅方向軸周りに関する中立位置を超えるケーブルホルダのケーブル幅方向軸周りの回転は阻止されるので、フラットケーブルが捩れた状態でケーブル挿入方向軸を超えて反対側までフラットケーブルを曲げることができない。
【0019】
なお、コネクタ内においてフラットケーブルが捩れていないときのケーブルホルダの位置を、ケーブルホルダのケーブル挿入方向軸周りに関する中立位置とする。
【0020】
また、コネクタ内においてフラットケーブルがその厚み方向へ曲がっていないときのケーブルホルダの位置を、ケーブルホルダのケーブル幅方向軸周りに関する中立位置とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1はこの発明の第1実施形態に係る光コネクタの斜視図、図2は図1に示す光コネクタの分解斜視図、図3はフラットケーブルを中立にした状態の光コネクタの斜視図、図4は図3に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図、図5はフラットケーブルを左方向へ向けた状態の光コネクタの斜視図、図6は図5に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図、図7はフラットケーブルを右方向へ向けた状態の光コネクタの斜視図、図8は図7に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図、図9はフラットケーブルを下方向へ向けた状態の光コネクタの斜視図、図10は図9に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図、図11は図9に示す状態のときのフラットケーブルの斜視図、図12はフラットケーブルを上方向へ向けた状態の斜視図である。
【0023】
この光コネクタはハウジング3とケーブルホルダ5とプッシュロッド9とを備える。
【0024】
ハウジング3は一対のハウジング部材31,31´からなる。ハウジング部材31´はハウジング部材31と同じ構成部分を有するが、その形状がハウジング部材31と左右が逆になっている。
【0025】
ハウジング部材31の一端部には保持部31aが形成されている。保持部31aはほぼ半円形の凹部であり、この凹部の内周面には円弧状の凸部分31bが形成されている。凸部分31bの一端面31cはハウジング部材31´の凸部分31b´の一端面31c´に密接する。図8,10に示すように、凸部分31bの他端面31dは凸部分31b´の他端面31d´と間隔をあけて対向し、これらの面31d,31d´の間に溝32が形成される。凸部分31bには切欠き31eが形成されている。この切欠き31eを形成することにより、凸部分31bには進退方向係合面31fと回転方向係合面31gが形成される。進退方向係合面31fはフラットケーブル21のハウジング3に対する挿入方向diに直交する仮想平面(図示せず)と平行である。回転方向係合面31gは挿入方向diと平行である。
【0026】
ハウジング部材31の上下部には、溝31hが形成されている。この溝31hはハウジング部材31,31´同士を接合すると保持孔となる。この保持孔は摘み11aと抜け止め11bとを有するボルト11を挿入方向diへ移動可能に保持する。
【0027】
また、ハウジング部材31の上下部には、凹部31iが形成されている。凹部31iにはボルト11の抜け止め11bが挿入方向diへ移動可能に収容される。
【0028】
更に、ハウジング部材31の上下部には、挿入孔31jが形成されている。この挿入孔31jにはハウジング部材31,31´同士を結合するボルト(図示せず)、ナット(図示せず)が挿入される。
【0029】
ケーブルホルダ5は第1回転部材6と第2回転部材7とからなる。
【0030】
第1回転部材6は支持部61と軸部62とを有する。支持部61はほぼU字状であり、孔61aとプッシュロッド挿通孔61bとケーブル挿通孔61c(図2参照)とを有する。ケーブル挿通孔61cはフラットケーブル21をハウジング3へ通す。軸部62はほぼリング状であり、支持部61の一端面に形成され、ケーブル挿通孔61cに通じている。軸部62は第1大径部分62aと第2大径部分62bと小径部分62cとを有する。第1及び第2大径部分62a,62bにはそれぞれ挿入方向diへ延びた溝62d,62eが形成されている。小径部分62cは第1大径部分62aと第2大径部分62bとの間に介在する。軸部62はハウジング3の保持部31a,31a´によって回転可能に保持される。これにより、第1回転部材6は、挿入方向diへ延びハウジング3の中央を通るケーブル挿入方向軸aiの周りに回転可能になっている。軸部62が保持部31a,31a´に保持されると、第1大径部分62aと第2大径部分62bとの間に凸部分31b,31b´が挟み込まれ、これにより、第1回転部材6はハウジング3から脱落しないようになっている。
【0031】
第2回転部材7は連結部71と保持部72とを有する。連結部71は一端が開口した箱状である。連結部71の側面には、軸71a及びピン71bが形成され、更に軸71a及びピン71bを取り囲むように凹部分71cが形成されている。軸部71aは第1回転部材6の孔61aに挿入される。これにより、第2回転部材7はケーブル挿入方向軸aiに直交するケーブル幅方向軸awの周りに回転可能になっている。保持部72はフラットケーブル21を連結部71に通すとともにフラットケーブル21を保持する。
【0032】
第2回転部材7に保持されたフラットケーブル21は第1回転部材6を挿通し、ハウジング3内に挿入される。ハウジング3内に挿入されたフラットケーブル21の先端は、ハウジング3内に配置されたプラグ(図示せず)に接続される。
【0033】
プッシュロッド9はほぼ鍵状であり、連結部91と凸部92とロッド部93とを有する。連結部91には長穴91が形成されている。長孔91aはケーブル幅方向軸awと平行な方向に延びている。凸部92は連結部91に連設され、ケーブル幅方向軸awと平行な方向へ延びている。ロッド部93は凸部92に連設され、ケーブル挿入方向軸aiと平行な方向へ延びている。連結部91は第2回転部材7の凹部分71cとこれに対向する第1回転部材6の内壁面との間の空間に収容され、また、連結部91の長孔91aには第2回転部材7のピン71bが挿入され、更にロッド部93は第1回転部材6のプッシュロッド挿通孔61bに通される。これにより、プッシュロッド9は第2回転部材7の回転動作に応じて挿入方向diへ進退できるとともに、第1回転部材6の回転に応じてケーブル挿入方向軸ai周りに移動できるようになっている。
【0034】
次にこのコネクタの動作について説明する。
【0035】
図3及び図4に示す状態は、第1回転部材6がケーブル挿入方向軸ai周りに関して中立位置にあり、第2回転部材7がケーブル幅方向軸aw周りに関して中立位置にある状態である。なお、コネクタ内でフラットケーブル21が捩れていないときの第1回転部材6の位置を、第1回転部材6のケーブル挿入方向軸ai周りに関する中立位置(第1回転部材中立位置)とする。また、コネクタ内でフラットケーブル21がその厚み方向dtへ曲がっていないときの第2回転部材7の位置を、第2回転部材7のケーブル幅方向軸aw周りに関する中立位置(第2回転部材中立位置)とする。
【0036】
図3及び図4に示す状態のとき、プッシュロッド9のロッド部93の先端部がハウジング3の溝32に内に挿入されているので、第1回転部材6は回転できない。
【0037】
図3に示す状態からフラットケーブル21を図3において左方へ曲げると、図5及び図6に示す状態になる。この状態では、第1回転部材6がケーブル挿入方向軸ai周りに関して中立位置にあり、第2回転部材7がケーブル幅方向軸aw周りに左方(図5上)へ所定角度回転している。このとき、プッシュロッド9が第2回転部材7のピン71bによって前方へ押され、プッシュロッド9のロッド部93の先端部は第1回転部材6の第2大径部分62bの溝62eまで達している。この状態では、プッシュロッド9のケーブル挿入方向軸ai周りの移動を溝32によって阻止されるので、第1回転部材6は回転できない。
【0038】
フラットケーブル21を図5に示す状態から一旦図3に示す状態に戻し、更にフラットケーブル21を図3に示す状態から右方へ曲げると、図7及び図8に示す状態になる。この状態では、第1回転部材6がケーブル挿入方向軸ai周りに関して中立位置にあり、第2回転部材7がケーブル幅方向軸aw周りに右方(図7上)へ所定角度回転している。このとき、プッシュロッド9が第2回転部材7のピン71bによって後方へ引かれ、プッシュロッド9のロッド部93の先端部は第1回転部材6の第1大径部分62aの溝62dまで引っ込む。この状態では、プッシュロッド9のケーブル挿入方向軸ai周りの移動を阻止するものがないので、第1回転部材6はケーブル挿入方向軸ai周りに回転できる。
【0039】
図7に示す状態からフラットケーブル21を図7において下方へ捩じると、図9及び図10に示す状態になる。この状態では、第1回転部材6がケーブル挿入方向軸aiを回転軸として右回り(図9上)に所定角度回転し、第1回転部材6の回転によりフラットケーブル21の配線方向が変化する。このとき、プッシュロッド9のロッド部93の先端がハウジング3の凸部分31bの進退方向係合面31fに接触し、プッシュロッド9の凸部92が第2回転部材7の軸71aに接触するので、プッシュロッド9は挿入方向diへ移動できず、プッシュロッド9に連結された第2回転部材7はケーブル幅方向軸aw周りに回転できない。
【0040】
なお、この状態では、第1回転部材6はプッシュロッド9のロッド部93の先端部がハウジング3の凸部分31の回転方向係合面31gに接触するまで回転できる。
【0041】
また、この状態のとき、フラットケーブル21は図11に示す状態になっている。
【0042】
フラットケーブル21を図9に示す状態から一旦図7に示す状態に戻し、更にフラットケーブル21を図7の状態から上方へ捩じると、図12に示す状態になる。この状態では、第1回転部材6がケーブル挿入方向軸aiを回転軸として左回り(図12上)に所定角度回転し、第1回転部材6の回転によりフラットケーブル21の配線方向が変化する。このとき、プッシュロッド9のロッド部93の先端がハウジング3の凸部分31b´の進退方向係合面31f´に接触し、プッシュロッド9の凸部92が第2回転部材7の軸71aに接触するので、プッシュロッド9は挿入方向diへ移動できず、プッシュロッド9に連結された第2回転部材7はケーブル幅方向軸aw周りに回転できない。
【0043】
なお、この状態では、第1回転部材6はプッシュロッド9のロッド部93の先端部がハウジング3の凸部分31´の回転方向係合面31g´に接触するまで回転できる。
【0044】
以上の説明から明らかなように、プッシュロッド9と、ハウジング3の凸部分31b,31b´の進退方向係合面31f,31f´及び回転方向係合面31g,31g´と、ハウジング3の溝32と、第2回転部材6の軸71aとで、第1回転部材6及び第2回転部材7の回転を規制する回転規制機構が構成されている。
【0045】
次にこの実施形態のコネクタの効果について説明する。
【0046】
上述のように、第1回転部材6はケーブル挿入方向軸ai周りに回転し、第2回転部材7はケーブル幅方向軸aw周りに回転するようになっているので、フラットケーブル21を任意の方向へ配線できる。
【0047】
また、第1及び第2回転部材6,7はフラットケーブル21の幅方向へ回転しないので、不注意により、フラットケーブル21を幅方向へ曲げることを防止できる。
【0048】
また、上述のように、フラットケーブル21が捩れているとき、回転規制機構によって第2回転部材7がケーブル幅方向軸aw周りに回転できないようになる。すなわちフラットケーブル21が捩れているとき、フラットケーブル21をその厚み方向へ曲げることができないので、フラットケーブル2の損傷を防止することができる。
【0049】
図13はこの発明の第2実施形態に係る光コネクタの図14のXIII- XIII線に沿う断面図(但し、ケーブルホルダ及びフラットケーブルは断面で示されていない)、図14は図13のXIV- XIV線に沿う断面図、図15は図1に示す光コネクタの一部分を示し、同図(a)は下側ハウジング部材の保持部周辺の平面図、同図(b)はケーブルホルダの平面図、同図(c)は下側ハウジング部材の保持部周辺の底面図である。
【0050】
この光コネクタのハウジング203は一対のハウジング部231,231´からなる。一対のハウジング部材231,231´は互いに同形状であるので、ハウジング部材231についてだけ説明する。
【0051】
ハウジング部材231の一端部には保持部231kが形成されている。保持部231kは半球状に窪んでいる。保持部231kの中央にはケーブル幅方向軸awと平行に延びた横溝231mが形成されている。また、ハウジング部材231の一端部の中央には縦溝231nが形成されている。縦溝231nの一端は横溝231mに達する。縦溝231nの両端には突起231pが形成されている。
【0052】
第1実施形態ではケーブルホルダ5は第1回転部材6と第2回転部材7とからなるが、この実施形態ではケーブルホルダ205は単体である。このケーブルホルダ205は連結部251と保持部252とを有する。連結部251は中空の球の一部分を切り取ったような形状になっている。保持部252は連結部251に連設されている。連結部251の下部及び上部にはそれぞれ突起253,254が形成されている。ケーブルホルダ5がケーブル挿入方向軸ai及びケーブル幅方向軸aw周りに関して中立位置にあるとき、突起253,254はそれぞれ縦溝231n,231n´内に位置する。
【0053】
次にこの実施形態の光コネクタの動作について説明する。
【0054】
図14に示すように、ケーブルホルダ205がケーブル挿入方向軸ai及びケーブル幅方向軸aw周りに関して中立位置にある。このとき、ケーブルホルダ205の突起253,254はそれぞれ縦溝231n,231n´内にあるので、ケーブルホルダ205はケーブル幅方向軸aw周りに回転できるが、ケーブル挿入方向軸ai周りに回転できない。
【0055】
図14に示す状態からフラットケーブル21を上方へ曲げると、ケーブルホルダ205はケーブル幅方向軸aw周りに回転し、突起253は縦溝231nと横溝231mとが交差したところに入り、突起254は縦溝231n´から抜け出す。この結果、ケーブルホルダ205はケーブル挿入方向軸ai周りに回転できるようになる。フラットケーブル205をケーブル挿入方向軸ai周りに回転させると、突起253が横溝231m内に入る。この状態では、ケーブルホルダ205はケーブル幅方向軸aw周りに回転できなくなる。すなわち、フラットケーブル21が捩れている状態では、ケーブルホルダ205がケーブル幅方向軸aw周りに回転できなくなる。一方、ケーブルホルダ205は突起253が突起231pに接触するまでケーブル挿入方向軸ai周りに回転できる。
【0056】
この状態から図14に示す状態に一旦戻し、フラットケーブル21を下方へ曲げると、ケーブルホルダ205はケーブル幅方向軸aw周りに回転し、突起253は縦溝231nから抜け出し、突起254は縦溝231n´と横溝231m´とが交差したところに入る。この結果、ケーブルホルダ205はケーブル挿入方向軸ai周りに再度回転できるようになる。フラットケーブル205をケーブル挿入方向軸ai周りに回転させると、突起254が横溝231m´内に入る。この状態では、ケーブルホルダ205はケーブル幅方向軸aw周りに回転できなくなる。一方、ケーブルホルダ205は突起254が突起231p´に接触するまでケーブル挿入方向軸ai周りに回転できる。
【0057】
上述の説明から明らかように、この実施形態ではケーブルホルダ205の回転規制機構はハウジング203の横溝231n,231n´、縦溝231m,231m´及び突起231p,231p´と、ケーブルホルダ205の突起253,254とで構成されている。
【0058】
この実施形態は第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0059】
なお、第1及び第2実施形態では、フラットケーブル21が捩れているとき、ケーブルホルダ5,205はケーブル幅方向軸aw周りに回転できなくなるが、必ずしもこのように構成する必要は無く、ケーブルホルダ5,205がケーブル挿入方向軸aiを超えて反対側までケーブル幅方向軸aw周りに回転しないようにすれば、フラットケーブル21が捩れているときでも、ケーブルホルダ5,205をケーブル幅方向軸aw周りに回転できるようにしてもよい。
【0060】
また、第1及び第2実施形態は光コネクタであるが、この発明を電気コネクタに適用することもできる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のコネクタによれば、ケーブルホルダの回転自由度が高いので、フラットケーブルを任意の方向へ配線できる。
【0062】
また、ケーブルホルダはフラットケーブルの幅方向へ回転しないので、不注意によりフラットケーブルを幅方向へ曲げることを防止できる。
【0063】
更に、フラットケーブルが捩れた状態でケーブル挿入方向軸を超えて反対側まで曲げることができないので、フラットケーブルの損傷を防止することができる。
【0064】
請求項2の発明のコネクタによれば、第1及び第2回転部材の回転規制の設定を容易に変更することができる。
【0065】
請求項3の発明のコネクタによれば、ケーブルホルダの回転自由度が高いので、フラットケーブルを任意の方向へ配線できる。
【0066】
また、ケーブルホルダはフラットケーブルの幅方向へ回転しないので、不注意によりフラットケーブルを幅方向へ曲げることを防止できる。
【0067】
更に、フラットケーブルが捩れた状態でケーブル挿入方向軸を超えて反対側まで曲げることができないので、フラットケーブルの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係る光コネクタの斜視図である。
【図2】図2は図1に示す光コネクタの分解斜視図である。
【図3】図3はフラットケーブルを中立にした状態の光コネクタの斜視図である。
【図4】図4は図3に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図である。
【図5】図5はフラットケーブルを左方向へ向けた状態の光コネクタの斜視図である。
【図6】図6は図5に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図である。
【図7】図7はフラットケーブルを右方向へ向けた状態の光コネクタの斜視図である。
【図8】図8は図7に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図である。
【図9】図9はフラットケーブルを下方向へ向けた状態の光コネクタの斜視図である。
【図10】図10は図9に示す状態において光コネクタの下部を切断した断面図である。
【図11】図11は図9に示す状態のときのフラットケーブルの斜視図である。
【図12】図12はフラットケーブルを上方向へ向けた状態の斜視図である。
【図13】図13はこの発明の第2実施形態に係る光コネクタの図14のXIII- XIII線に沿う断面図である。
【図14】図14は図13のXIV- XIV線に沿う断面図である。
【図15】図15は図1に示す光コネクタの一部分を示し、同図(a)は下側ハウジング部材の保持部周辺の平面図、同図(b)はケーブルホルダの平面図、同図(c)は下側ハウジング部材の保持部周辺の底面図である。
【図16】図16はフラットケーブルの曲げ特性を示し、同図(a)は曲げられていない状態の斜視図、同図(b)は厚み方向へ曲げた状態の斜視図、同図(c)は捩じった状態の斜視図である。
【符号の説明】
3,203 ハウジング
31,231 ハウジング部材
31f 進退方向係合面(回転規制機構:ストッパ)
31g 回転方向係合面(回転規制機構:ストッパ)
32 溝(回転規制機構:ストッパ)
5,205 ケーブルホルダ
6 第1回転部材
7 第2回転部材
71a 軸部(回転規制機構:ストッパ)
9 プッシュロッド(回転規制機構)
231m 横溝(回転規制機構)
231n 縦溝(回転規制機構)
231p 突起(回転規制機構)
21 フラットケーブル
ai ケーブル挿入方向軸
aw ケーブル幅方向軸
di 挿入方向
Claims (3)
- ハウジングと、
このハウジングに挿入されるフラットケーブルの一端部を保持するケーブルホルダと
を備えているコネクタにおいて、
前記ケーブルホルダが、前記ハウジングに対する前記フラットケーブルの挿入方向へ延びるケーブル挿入方向軸の周りに回転できるように、前記ハウジングに設けられた第1回転部材と、前記ケーブル挿入方向軸と直交するケーブル幅方向軸の周りに回転できるように、前記第1回転部材に設けられた第2回転部材とを有し、
前記第1回転部材が第1回転部材中立位置に保持されているときに前記第2回転部材の正逆方向へ回転できるようにし、前記第2回転部材が第2回転部材中立位置から正逆いずれかの方向へ所定角度回転したときに前記第1回転部材を正逆方向へ回転できるようにし、前記第1回転部材が前記第1回転部材中立位置から所定角度回転したときに、前記第1回転部材の回転を阻止するとともに、前記第2回転部材が前記第2回転部材中立位置を超えないように前記第2回転部材の回転範囲を制限する回転規制機構を備えている
ことを特徴とするコネクタ。 - 前記回転規制機構が、
前記第2回転部材の回転動作に応じて前記フラットケーブルの挿入方向へ進退できるとともに、前記第1回転部材の回転に応じて前記ケーブル挿入方向軸周りに移動できるプッシュロッドと、
前記ハウジングに設けられ、前記プッシュロッドの先端部と係合して前記プッシュロッドの前記挿入方向への移動及び前記ケーブル挿入方向軸周りの移動を制限するストッパと
を有していることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。 - ハウジングと、
このハウジングに挿入されるフラットケーブルの一端部を保持するとともに、前記ハウジングに対する前記フラットケーブルの挿入方向へ延びるケーブル挿入方向軸とこのケーブル挿入方向軸と直交するケーブル幅方向軸との2軸周りにだけ回転可能なように前記ハウジングに設けられたケーブルホルダと、
前記ケーブルホルダが前記ケーブル挿入方向軸周りに関して中立位置にあるときに前記ケーブルホルダの前記ケーブル幅方向軸周りの正逆回転を可能にし、前記ケーブルホルダが前記ケーブル挿入方向軸周りに関して中立位置にないときに前記ケーブルホルダの前記ケーブル幅方向軸周りに関する中立位置を超える前記ケーブルホルダの前記ケーブル幅方向軸周りの回転を阻止する回転規制機構とを備えている
ことを特徴とするコネクタ。
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