JP3660500B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン形成方法に係り、特に半導体装置等の微細加工をレジストパターンを形成して行うパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置等の微細加工にはレジストが使用される。特に、特開昭63−27829号公報等に開示されている化学増幅型レジストは優れた感度を有しており、上記微細加工への使用に適している。
【0003】
化学増幅型レジストは、ポジ型とネガ型とに大別される。ポジ型の化学増幅型レジストは、アルカリ可溶性樹脂と溶解抑止剤と酸発生剤とを含有する3成分系の組成物、或いは溶解抑止能を有する置換基(溶解抑止基)を導入されたアルカリ可溶性樹脂と酸発生剤とを含有する2成分系の組成物である。
【0004】
上記ポジ型の化学増幅レジストによると、未露光時においては溶解抑止剤或いは溶解抑止基によりアルカリ可溶性樹脂の溶解が抑制されている。このレジストに光、X線或いは高エネルギーの電子線等の化学放射線を照射して酸発生剤から酸を発生させ、さらにこれをベーキングすると、溶解抑止剤或いは溶解抑止基は発生した酸により分解されその溶解抑止能が失われる。そのため、ポジ型の化学増幅型レジストにおいては、露光部分がアルカリに対して可溶となり、アルカリ現像液を用いた現像処理により選択的に除去される。
【0005】
一方、ネガ型の化学増幅型レジストは、酸発生剤と、酸の存在下で架橋する置換基を有する化合物と、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂とを含有する組成物である。ネガ型の化学増幅型レジストに化学放射線を照射して酸発生剤から酸を発生させ、さらにこれをベーキングすると、発生した酸は上記架橋を促進する。したがって、ネガ型の化学増幅型レジストにおいては、露光部分のアルカリ溶解性が低下するため、アルカリ現像液を用いた現像処理により非露光部が選択的に除去される。
【0006】
また、上記酸発生剤に化学放射線を照射することにより発生する酸は、ポジ型及びネガ型の化学増幅型レジストのいずれにおいても触媒として機能する。そのため、化学増幅型レジストによると、1つの光子で複数の分子を反応させることが可能となり、従来のレジストに比べて高い感度を得ることができる。
【0007】
上述した化学増幅型レジストを用いたパターン形成は、従来、これを用いて形成したレジスト層をKrFエキシマレーザー光で露光することにより行われた。しかしながら、近年、LSIパターンは益々微細化されており、電子線露光が多用されつつある。
【0008】
電子線により露光する場合に用いる化学増幅型レジストは、KrF光により露光する場合に用いる化学増幅型レジストとほぼ同じ成分で構成される。したがって、化学増幅型レジストからなるレジスト層に微細なパターンと超微細なパターンとを形成する場合に、微細なパターンをKrF光を照射することにより形成し、超微細なパターンを電子線を照射することに形成することが可能であると考えられる。しかしながら、現実には、上述したパターン形成を実施するに当たり以下に示す問題を生ずる。
【0009】
化学増幅型レジストからなるレジスト層をKrF光で露光すると、レジスト中に含まれる酸発生剤は酸を発生する際にKrF光を吸収する。これは、レジスト層のKrF光照射面から深部へ向けて入射光の強度が減衰することを意味する。このような場合、レジスト層の表面近傍と深部とで単位体積当りの吸収エネルギー量が異なってしまうため、現像後に形成されるレジストパターンの断面形状を理想的な矩形状とすることができない。すなわち、上記化学増幅型レジストがポジ型である場合は順テーパー形状となり、ネガ型である場合は逆テーパー形状となるのである。そのため、KrF光での露光用に用いられる化学増幅型レジストにおいては、酸発生剤の濃度は低濃度に制御されている。
【0010】
一方、化学増幅型レジストを電子線で露光する場合、上述した減衰は生じない。しかしながら、化学増幅型レジスト中に含まれる酸発生剤の電子線による分解反応は、KrF光によるそれに比べて極めて効率が低い。そのため、電子線露光用の化学増幅型レジストにおいては、十分な感度を得るために、KrF光露光用の化学増幅型レジストに比べて酸発生剤の濃度が高められていた。
【0011】
このように従来のKrF光露光用の化学増幅型レジストからなるレジスト層を電子線で露光した場合、感度が不足するという問題を生ずる。また、従来の電子線露光用の化学増幅型レジストからなるレジスト層をKrF光で露光した場合、現像後のレジストパターンの断面形状を矩形状とすることができなくなるという問題を生ずる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、光及び荷電粒子線のいずれに対しても高い感度を有し、かつ、光及び荷電粒子線のいずれを用いて露光した場合においても良好な形状のレジストパターンを形成することが可能なパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、酸を適用することによりアルカリ溶液に対する溶解性に変化を生ずる溶解性可変化合物、フォトリソグラフィープロセスで使用される露光光を照射することにより酸を発生する第1の酸発生剤、及び前記露光光を透過し、荷電粒子線を照射することにより酸を発生する第2の酸発生剤を含有するパターン形成材料を基体上に塗布してレジスト層を形成する工程、前記レジスト層に前記露光光を照射する工程、及び前記レジスト層に前記荷電粒子線を照射する工程を具備し、前記露光光はKrF光であり、前記露光光に対する前記第1の酸発生剤のモル吸光係数は5,000〜200,000であり、前記露光光に対する前記第2の酸発生剤のモル吸光係数は1〜2,000であり、前記露光光に対する前記第2の酸発生剤のモル吸光係数は、前記露光光に対する前記第1の酸発生剤のモル吸光係数の1/10以下であり、前記露光光に対する前記第2の酸発生剤のモル吸光係数と前記第2の酸発生剤のモル濃度との積は、前記露光光に対する前記第1の酸発生剤のモル吸光係数と前記第1の酸発生剤のモル濃度との積の1/10以下であることを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0027】
上記パターン形成方法において好ましい態様を以下に示す。
【0028】
(1)前記露光光及び電子線を照射されたレジスト層を、前記アルカリ溶液で現像する工程を具備すること。
【0029】
(2)前記荷電粒子線は、電子線及びイオン線からなる群より選ばれること。
【0030】
(3)前記荷電粒子線は電子線であること。
【0036】
(4)前記第2の酸発生剤は、下記化学式(1)〜(4)に示す化合物の少なくとも1種を含有すること。
【0037】
【化4】
【0038】
(5)前記溶解性可変化合物は、アルカリ溶液に対して溶解性を示すアルカリ可溶性樹脂と、前記アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶液に対する溶解を抑止する溶解抑止能を有し、酸の存在下で分解してその溶解抑止能を失う溶解抑止剤とを含有すること。
【0039】
(6)前記溶解性可変化合物は、アルカリ溶液に対して不溶であり、酸の存在下で分解してアルカリ溶液に対して溶解性を示すアルカリ可溶性樹脂を生成するアルカリ不溶性樹脂であること。
【0040】
(7)前記溶解性可変化合物は、アルカリ溶液に対して溶解性を示し、酸の存在下で架橋してアルカリ溶液に対して不要な樹脂を生成する樹脂形成化合物であること。
【0041】
(8)前記パターン形成材料は、前記アルカリ溶液に対して溶解性を示すアルカリ可溶性樹脂をさらに含有し、前記溶解性可変化合物は、アルカリ溶液に対して溶解性を示し、酸の存在下で架橋してアルカリ溶液に対して不要な樹脂を生成する樹脂形成化合物であること。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0043】
本発明のパターン形成材料は、溶解性可変化合物、第1の酸発生剤、及び第2の酸発生剤を含有する化学増幅型レジストである。
【0044】
溶解性可変化合物は、酸を適用することによりアルカリ溶液に対する溶解性に変化を生ずる化合物である。この溶解性可変化合物には、本発明のパターン形成材料がポジ型であるか或いはネガ型であるか等に応じて異なる化合物が用いられる。
【0045】
すなわち、上記パターン形成材料がポジ型である場合、溶解性可変化合物として、アルカリ溶液に対して不溶であり、酸の存在下で分解することによりアルカリ溶液に対して溶解性を示すアルカリ不溶性樹脂を用いることができる。一方、上記パターン形成材料がネガ型である場合、溶解性可変化合物として、アルカリ溶液に対して溶解性を示し、酸の存在下で架橋してアルカリ溶液に対して不溶な樹脂を生成する樹脂形成化合物を用いることができる。
【0046】
本発明のパターン形成材料に含有される第1及び第2の酸発生剤は、化学放射線を照射することにより酸を発生する化合物である。なお、ここでいう化学放射線とは、一般にフォトリソグラフィープロセスで露光に用いられる、エキシマレーザーからのKrF光,ArF光及びF2 光、水銀ランプのg−線、h−線及びi−線等の光や、電子線及びイオン線のような荷電粒子線等を含むものである。
【0047】
これら第1及び第2の酸発生剤についてさらに詳しく説明すると、上記第1の酸発生剤は、フォトリソグラフィープロセスで使用される露光光であるKrF光を吸収して酸を発生する。また、第1の酸発生剤は、電子線やイオン線等の荷電粒子線を照射した場合においても酸を発生する。
【0048】
一方、第2の酸発生剤は、第1の酸発生剤と同様に、電子線やイオン線等の荷電粒子線を照射した場合には酸を発生する。しかしながら、第2の酸発生剤は、上記第1の酸発生剤に吸収される露光光を透過する。すなわち、第2の酸発生剤は上記露光光に対する吸収能が低く、この露光光を照射したとしても酸の発生は生じにくい。
【0049】
このように所定の露光光に対するモル吸光係数が大きく異なる第1及び第2の酸発生剤をパターン形成材料中に含有させた場合、光及び荷電粒子線のいずれに対しても高い感度を得ることができ、かつ、光及び荷電粒子線のいずれを用いて露光した場合においても良好な形状のレジストパターンを形成することが可能となる。その理由を以下に説明する。
【0050】
上記パターン形成材料からなるレジスト層に所定の露光光を照射すると、第1の酸発生剤はこの露光光を吸収して酸を発生する。このとき、第1の酸発生剤の光照射による分解反応は高い効率で生ずるため、パターン形成材料中での第1の酸発生剤の濃度は低濃度で十分である。第2の酸発生剤は上記露光光を透過するので、このように第1の酸発生剤を低濃度に制御した場合、露光光は比較的高い強度を維持したままレジスト層の深部にまで到達する。したがって、光照射後のレジスト層に所定の現像処理等を施すことにより、良好な形状のレジストパターンを形成することができる。
【0051】
一方、このレジスト層に荷電粒子線を照射すると、第1及び第2の酸発生剤の双方が酸を発生する。一般に、酸発生剤の荷電粒子線による分解反応は光によるそれに比べて効率が低い。しかしながら、上記パターン形成材料によると、第1及び第2の酸発生剤の双方が酸を発生するため比較的良好な感度を得ることができる。また、第2の酸発生剤は上記露光光を透過するため、パターン形成材料中に高濃度で含有させた場合においても、光照射による露光時に露光光の減衰を生じにくい。したがって、上記パターン形成材料によると、第2の酸発生剤を高濃度で含有させることが可能となり、荷電粒子線露光時においても高い感度を得ることができる。
【0052】
上記パターン形成材料において、第1の酸発生剤の上記露光光に対するモル吸光係数は、5,000〜200,000であることが好ましく、5,000〜50,000であることがより好ましく、10,000〜30,000であることがさらに好ましい。上記モル吸光係数が下限値以上の場合、パターン形成材料中での第1の酸発生剤の濃度を低減することができる。したがって、レジスト層での露光光の不所望な減衰を防止することができる。また、上記モル吸光係数が上限値未満の場合、露光光に対する感度が著しく低下する。さらに高感度化のために高濃度にすれば、レジストの解像性を損なう。また、上記モル吸光係数が上限値を超える場合、露光光の不所望な減衰を招きパターン形状を損ねることになる。
【0053】
また、第2の酸発生剤の上記露光光に対するモル吸光係数は、1〜2,000であることが好ましく、1,000以下であることがより好ましく、300以下であることがさらに好ましい。第2の酸発生剤のモル吸光係数が上限値以下である場合、レジスト層での露光光の不所望な減衰を生じさせることなく、パターン形成材料中での第2の酸発生剤の濃度を高めることができる。したがって、パターン形成材料の荷電粒子線に対する感度を高めることができる。
【0054】
第1の酸発生剤に対する第2の酸発生剤の上記露光光に関するモル吸光係数は、1/10以下であることが好ましく、1/50であることがより好ましく、1/100であることがさらに好ましい。モル吸光係数の比が上記数値以下である場合、光照射による露光時に露光光の不所望な減衰を防止することができる。したがって、この場合、パターン形成材料中における第2の酸発生剤の濃度を高めて、荷電粒子線に対する感度を高めることができる。
【0055】
また、上記露光光に対する第2の酸発生剤のモル吸光係数と第2の酸発生剤のモル濃度との積は、上記露光光に対する第1の酸発生剤のモル吸光係数と第1の酸発生剤のモル濃度との積の1/10以下であることが好ましく、1/50以下であることがより好ましく、1/100以下であることがさらに好ましい。ここで、モル吸光係数とモル濃度との積の比は吸光度の比に相当する。したがって、上記比が所定の数値以下である場合、光照射による露光時に露光光の不所望な減衰を防止することができる。
【0056】
本発明のパターン形成材料において、第1の酸発生剤と第2の酸発生剤との合計量は全固形成分に対して0.1〜30重量%含有されることが好ましく、0.5〜20重量%含有されることがより好ましい。第1及び第2の酸発生剤の含有量が下限値未満の場合、露光光及び荷電粒子線に対して十分な感光特性を得ることが困難となる。また、含有量が上限値を超える場合、レジスト層内での露光光の減衰が過剰となるため、良好な形状のレジストパターンを形成することが困難となる。さらに、この場合、レジスト層の現像時に、或いは形成したレジストパターンの除去時に残渣(スカム)を生ずるおそれがある。
【0057】
また、第1の酸発生剤に対する第2の酸発生剤のモル比は、0.5〜20であることが好ましく、0.5〜10であることがより好ましく、1〜5であることがさらに好ましい。上記モル比が下限値未満の場合、露光光に対して適度な感度を維持しつつ、荷電粒子線に対して十分な感度を得ることができない。また、上記モル比が上限値を超える場合、荷電粒子線に対して十分な感度を得ることができたとしても、露光光に対する感度が不足するおそれがある。
【0058】
以上説明したように、本発明のパターン形成材料は、所定の露光光を照射することにより酸を発生する第1の酸発生剤と、この露光光を透過し荷電粒子線を照射することにより酸を発生する第2の酸発生剤とを含有する。したがって、光照射により形成されるレジストパターンの断面形状を矩形状とすることができ、かつ荷電粒子線に対しても高い感度を得ることができる。
【0059】
次に、上記パターン形成材料に用いられる材料について説明する。
【0060】
(溶解性可変化合物)
上述のように、溶解性可変化合物は、酸を適用することによりアルカリ溶液に対する溶解性に変化を生ずる化合物である。まず、酸を適用することによりアルカリ溶液に対する溶解性が増加する化合物であるアルカリ不溶性樹脂について説明する。
【0061】
アルカリ不溶性樹脂は、上記特性を有するものであれば特に制限はないが、フェノール化合物のエステル或いはエーテルであることが好ましい。このフェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3,3’,3’−テトラメチル1,1’−スピロビインダン5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、フェノールフタレイン、クレゾールフタレイン、ポリビニルフェノール、及びノボラック樹脂等を挙げることができる。
【0062】
上記アルカリ不溶性樹脂は、例えば、上述したフェノール化合物のヒドロキシ基を適当なエステル化剤或いはエーテル化剤を用いてエステル化或いはエーテル化することにより得られる。上記フェノール化合物を用いて得られるエステル及びエーテルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、iso−プロピルエステル、tert−ブチルエステル、n−ブチルエステル、iso−ブチルエステル、ベンジルエステル、テトラヒドロピラニルエーテル、ベンジルエーテル、メチルエーテル、エチルエーテル、n−プロピルエーテル、iso−プロピルエーテル、tert−ブチルエーテル、アリルエーテル、メトキシメチルエーテル、p−ブロモフェナシフエーテル、トリメチルシリルエーテル、ベンジルオキシカルボニルエーテル、tert−ブトキシカルボニルエーテル、tert−ブチルアセテート、及び4−tert−ブチルベンジルエーテル等を挙げることができる。
【0063】
アルカリ不溶性樹脂の具体例を下記化学式(5)〜(19)に示す。
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】
また、アルカリ不溶性樹脂としては、下記一般式(20)に示す構造を有するものが好適である。
【0068】
【化8】
【0069】
ただし、上記一般式(20)において、R1 は1価の有機基、mは0または1以上の正の数、nは正の数を示す。
【0070】
上記一般式(20)において、置換基R1 は1価の有機基であれば特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、及びベンジル基等を挙げることができる。その中でも、特にtert−ブチル基とすることが好ましい。
【0071】
また、上記一般式(20)において、m及びnは下記関係を満たすことが好ましい。すなわち、n/(m+n)が0.03〜1の範囲内にあることが好ましく、0.05〜0.70の範囲内にあることがより好ましい。これは、n/(m+n)が0.03未満である場合、露光部と非露光部との間で溶解速度の差が小さくなり、解像度が低下するおそれがあるためである。
【0072】
また、上記一般式(20)に示す構造を有する化合物は、分子量が1000以上であることが好ましい。この場合、耐熱性を向上させることができる。
【0073】
次に、酸を適用することによりアルカリ溶液に対する溶解性が低下する化合物、すなわち樹脂形成化合物について説明する。本発明のパターン形成材料において、樹脂形成化合物は、酸の存在下で架橋し、アルカリ現像液に対する溶解性の低下を生ずる物質であれば特に制限はない。しかしながら、その中でも、C−O−R基(Rはアルキル基)を有する化合物或いはエポキシ基を有する化合物を用いることが好ましい。
【0074】
上記C−O−R基を有する化合物の具体例としては、アルキルエーテル化メラミン樹脂、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、アルキルエーテル化ユリア樹脂、及びアルキルエーテル基含有フェノール系化合物等を挙げることができる。
【0075】
アルキルエーテル化メラミン樹脂は、常法に従って合成することが可能である。なお、その合成方法は、三輪一朗、松永英夫編著「ユリア・メラミン樹脂」(1979、日刊工業新聞社発行)等に詳説されている。アルキルエーテル化メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で縮合して得られたメチロールメラミンをアルコールでアルキルエーテル化することにより合成される。本発明のパターン形成材料において、アルキルエーテル化メラミン樹脂としては、保存安定性が良好であることから、ヘキサアルキルエーテル化メラミンを主成分とするメラミン樹脂を用いることが好ましく、その中でも特にヘキサメチルエーテル化メラミン樹脂を用いることが好ましい。
【0076】
アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂は、アルキルエーテル化メラミン樹脂のメラミンの代わりにベンゾグアナミンを用いることにより容易に合成することができる。本発明のパターン形成材料において、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂としては、保存安定性が良好であることから、テトラアルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂を用いることが好ましく、その中でも特にテトラメチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂を用いることが好ましい。
【0077】
アルキルエーテル化ユリア樹脂は、常法に従って合成することが可能である。その合成方法もまた、上記「ユリア・メラミン樹脂」等に詳説されている。アルキルエーテル化ユリア樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとを縮合して得られたメチロール尿素をアルコールでアルキルエーテル化することにより合成される。本発明のパターン形成材料において、アルキルエーテル化ユリア樹脂としては、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、トリメチロール尿素、及びウロン化合物のアルキルエーテル化物を用いることが好ましく、トリメチロール尿素のアルキルエーテル化物を用いることがより好ましい。
【0078】
アルキルエーテル基含有フェノール系化合物の具体例としては、下記一般式(21)に示す構造を有する化合物を挙げることができる。
【0079】
【化9】
【0080】
なお、上記一般式(21)において、R1 はアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、またはアルケニルオキシ基を示し、R2 はアルキル基を示し、nは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数を示す。
【0081】
エポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA系エポキシ、ビスフェノールF系エポキシ、ビスフェノールS系エポキシ、ビスフェノールE系エポキシ、ノボラック系エポキシ、及び臭素化エポキシ等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;シクロヘキセンオキサイド基、トリシクロデセンオキサイド基、及びシクロペンチンオキサイド基等を含む脂環式脂肪族エポキシ樹脂;グリシジルエステル系エポキシ樹脂;グリシジルアミン系エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;多官能性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0082】
これらエポキシ樹脂は、常法に従って合成することが可能である。その合成方法は、堀内弘編著「エポキシ樹脂」(1935、昭晃堂発行)等に詳説されている。
【0083】
以上説明した樹脂形成化合物は、単独で用いることが可能であり、また、2種以上を混合して用いることも可能である。
【0084】
(第1の酸発生剤)
次に、所定の波長の露光光を照射することにより酸を発生する第1の酸発生剤について説明する。第1の酸発生剤としては、公知の各種化合物を使用することができる。例えば、CF3 SO3 - 、p−CH3 PhSO3 - 、p−NO2 PhSO3 - 等のイオンを含むジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、或いはヨードニウム塩(Phはフェニル基);有機ハロゲン化合物;オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド;スルホン酸エステル等を挙げることができる。
【0085】
上記有機ハロゲン化合物は、ハロゲン化水素酸を形成する化合物である。このような化合物としては、米国特許第3515552号公報、米国特許第3536489号公報、米国特許第3779778号公報、及び西ドイツ特許公開公報第2243621号に開示されたものを挙げることができる。
【0086】
また、上述した化合物の他に、第1の酸発生剤として、特開昭54−74728号公報、特開昭55−24113号公報、特開昭55−77742号公報、特開昭60−3626号公報、特開昭60−138539号公報、特開昭56−17345号公報、及び特開昭50−36209号公報に開示された化合物を用いることができる。
【0087】
上記第1の酸発生剤を具体的に例示すると、ジ(p−ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンゾイントシレート、オルトニトロベンジルパラトルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(ターシャリブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンゼンジアゾニウムパラトルエンスルホネート、4−(ジ−n−プロピルアミノ)−ベンゾニウムテトラフルオロボレート、4−p−トリル−メルカプト−2,5−ジエトキシ−ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウムサルフェート、4−メチル−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(3,4,5−トリメトキシ−スチリル)−6−(3,3,3−トリクロロ−プロペニル)−2−ピロン、4−(4−メトキシスチリル)−6−(3,3,3−トリクロロプロペニル)−2−ピロン、2−トリクロロメチル−ベンズイミダゾール、2−トリブロモメチル−キノリン、2,3−ジメチル−1−トリブロモアセチル−ベンゼン、4−ジブロモアセチル−安息香酸、1,4−ビス−ジブロモメチル−ベンゼン、トリス−ジブロモメチル−S−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフチル−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ナフチル−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ナフチル−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシエチル−ナフチル−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ベンゾピラニ−3−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−メトキシ−アントラシ−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(フェナンチ−9−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、及びo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド等を挙げることができる。
【0088】
また、第1の酸発生剤に用いられるスルホン酸エステルとしては、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸−o−ニトロベンジルエステル、及びp−トルエンスルホン酸−2,6−ジニトロベンジルエステル等を挙げることができる。
【0089】
また、上記第1の酸発生剤として、特にo−キノンジアジド化合物を用いることができる。第1の酸発生剤として用いられるo−キノンジアジド化合物に特に制限はないが、o−キノンジアジドスルホン酸とフェノール化合物とのエステルであることが好ましい。このようなエステルは、常法に従って、o−キノンジアジドスルホン酸クロライド等とフェノール化合物とを反応させることにより得ることができる。
【0090】
上記エステルの合成に用いられるo−キノンジアジドスルホン酸クロライドとしては、例えば1−ベンゾフェノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸クロライド、1−ナフトキノン−2−ジアゾ−5−スルホン酸クロライド、及び1−ナフトキノン−1−ジアゾ−4−スルホン酸クロライド等を用いることができる。また、上記フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダ−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、フェノールフタレイン、p−ヒドロキシベンジリデンマロン酸ジメチル、p−ヒドロキシベンジリデンマロン酸ジニトリル、シアノフェノール、ニトロフェノール、ニトロソフェノール、ヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシ安息香酸メチル、ポリビニルフェノール、及びノボラック樹脂等を用いることができる。
【0091】
上記o−キノンジアジド化合物の具体例を下記化学式(22)〜(47)に示す。
【0092】
【化10】
【0093】
【化11】
【0094】
【化12】
【0095】
ただし、上記化学式(22)〜(47)において、X、Y及びZは下記置換基を示す。
【0096】
【化13】
【0097】
第1の酸発生剤として、上記o−キノンジアジド化合物の中でも、特に1−ナフトキノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸エステルを用いることが好ましい。このエステルは、J.J.Grunwald et.al.,SPIE Vol,1262,Advances in Resist Technology and Processing VII,p444(1990)において開示されているように、光照射によりカルボン酸と、カルボン酸よりも強い酸であるスルホン酸を生じるものである。すなわち、上記エステルは触媒作用が大きく、第1の酸発生剤として特に有効である。
【0098】
また、第1の酸発生剤として、下記一般式(48)〜(50)に示す化合物を挙げることができる。
【0099】
【化14】
【0100】
上記一般式(48)において、R11は1価の有機基、或いはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が導入された1価の有機基を示し、R12、R13及びR14は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1価の有機基、或いはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が導入された1価の有機基を示す。
【0101】
【化15】
【0102】
上記一般式(49)において、R21及びR23は、1価の有機基、或いはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が導入された1価の機基を示し、R22はスルホニル基或いはカルボニル基を示す。
【0103】
【化16】
【0104】
上記一般式(50)において、R31、R32及びR33は、1価の有機基、或いはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が導入された1価の有機基を示し、R35は、水素原子、1価の有機基、或いはハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が導入された1価の有機基を示し、R34はスルホニル基、スルフィル基、硫黄原子、或いはカルボニル基を示す。
【0105】
一般式(48)に示す化合物に置換基R11、R12、R13及びR14として導入される1価の有機基の具体例としてはアリル、アニシル、アントラキノリル、アセトナフチル、アンスリル、アズレニル、ベンゾフラニル、ベンゾキノリル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサゾリル、ベンジル、ビフェニレニル、ボルニル、ブテニル、ブチル、シンナミル、クレゾトイル、クメニル、シクロブタンジエニル、シクロブテニル、シクロブチル、シクロペンタジエニル、シクロペンタトリエニル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロプロペニル、デシル、ジメトキシフェネチル、ジフェニルメチル、ドコシル、ドデシル、エイコシル、エチル、フルオレニル、フルフリル、ゲラニル、ヘプチル、ヘキサデシル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、インダニル、イソブチル、イソプロピル、イソプロピルベンジル、イソキアゾリル、メンチル、メシチル、メトキシベンジル、メトキシフェニル、メチル、メチルベンジル、ナフチル、ナフチルメチル、ノニル、ノルボニル、オクタコジル、オクチル、オキサジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、ペンチル、フェナシル、フェナンスリル、フェネチル、フェニル、フタリジル、プロピニル、プロピル、ピラニル、ピリジル、キナゾニル、キノリル、サリシル、テレフタル、テトラゾリル、チアゾリル、チアブテニル、チエニル、トリル、トリチル、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリルオキシメチル、ウンデシル、バレリル、ベラチル、キシリル等を挙げることができる。
【0106】
また、一般式(48)に示す化合物において、置換基R11、R12、R13及びR14に用いられる、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が導入された1価の有機基としては、上記有機基の水素原子の少なくとも1つをハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基のいずれかで置換したものを挙げることができる。
【0107】
上記一般式(48)に示す化合物の具体例としてはフェニルメチルスルホン、エチルフェニルスルホン、フェニルプロピルスルホン、メチルベンジルスルホン、ベンジルスルホン(ジベンジルスルホン)、フェニルスルホニルアセトニトリル、トルエンスルホニルアセトニトリル、ベンジルフェニルスルホン、ニトロフェニルスルホニルアセトニトリル、クロロフェニルスルホニルアセトニトリル、フロロフェニルスルホニルアセトニトリル、メトキシフェニルスルホニルアセトニトリル、αメチルフェニルスルホニルアセトニトリル、メチルチオメチルp−トルイルスルホン、フェニルスルホニルアセトフェノン、フェニルスルホニルプロピオニトリル、フェニルスルホニルプロピオン酸及びそのエステル化合物、ブロモメチル−2−(フェニルスルホニルメチル)ベンゼン、ナフチルメチルスルホン、1−メチル−2−((フェニルスルホニル)メチル)ベンゼン、トリメチル−3−フェニルスルホニル)オルトプロピオネート等を挙げることができる。
【0108】
一般式(48)に示す化合物において、置換基R12、R13及びR14の少なくとも1つが電子吸引性基であることが好ましい。特に、置換基R12、R13及びR14の少なくとも1つがシアノ基である場合、露光時の酸発生効率が高く、パターン形成材料の感度をより向上させることができる。また、上記一般式(48)に示す化合物において、置換基R12、R13及びR14の少なくとも1つが水素原子である場合、アルカリ現像液に対する溶解性が高いため、現像時におけるスカムの発生を低減することができる。
【0109】
上記一般式(48)に示す化合物は、置換基R11と置換基R12、R13またはR14とが結合して、或いは置換基R12、R13、R14が相互に結合して環を形成するものであってもよい。そのような環状化合物としては、フェニルスルホニルテトラヒドロピラン;フェニルスルホニルシクロヘキサン;3−フェニル−2H−チオピラン1,1−ジオキサイド及び6−メチル−3−フェニル−2H−チオピラン1,1−ジオキサイドのようなチオピランジオキサイド化合物;下記化学式(51)及び(52)に示す化合物等を挙げることができる。
【0110】
【化17】
【0111】
一般式(49)に示す化合物は、特定の炭素原子に2個のスルホニル基が結合した、或いは特定の炭素原子に1個のスルホニル基と1個のカルボニル基が結合した有機化合物である。一般式(49)に示す化合物に置換基R21及びR23として導入される1価の有機基の具体例としては、上記一般式(48)に関して説明したのと同様のものを挙げることができる。また、これら有機基の水素原子は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種により置換されてもよい。
【0112】
上記一般式(49)に示す化合物の具体例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、(メチルスルホニル)(フェニルスルホニル)メタン、フェニルスルホニルアセトフェノン、メチルスルホニルアセトフェノン等を挙げることができる。
【0113】
一般式(49)に示す化合物も、R21とR23とが結合して環を形成するものであってもよい。そのような環状化合物としては、例えば、下記化学式(53)及び(54)に示す化合物を挙げることができる。
【0114】
【化18】
【0115】
一般式(49)に示す化合物は、アルカリ溶解性及び露光時の酸発生効率が高い。したがって、第1の酸発生剤に上記一般式(49)に示す化合物を用いた場合、パターン形成材料の光照射に対する感度をより向上させることができる。
【0116】
上記一般式(50)に示す化合物は、特定の炭素原子に少なくとも2個のスルホニル基と、硫黄を含有する1個の置換基或いは1個のカルボニル基とが結合した有機化合物である。一般式(50)に示す化合物に置換基R31、R32、R33、及びR35として導入される1価の有機基の具体例としては、上記一般式(48)に関して説明したのと同様のものを挙げることができる。また、これら有機基の水素原子は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種、或いは水酸基、カルボキシル基、エステル化されたカルボキシル基で置換されてもよい。また、上記一般式(50)に示す化合物において、置換基R34としてスルホニル基、スルフィニル基、及び硫黄原子のいずれかを用いることが好ましい。
【0117】
一般式(50)に示す化合物の具体例としては、トリス(フェニルスルホニル)メタン、フェニルチオ−ビス(フェニルスルホニル)−メタン、フェニルメルカプト−ビス(メチルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−メチルスルホニル−メタン、ビス(メチルスルホニル)−フェニルスルホニル−メタン、フェニルスルホニル−エチルスルホニル−メチルスルホニルーメタン、トリス(4−ニトロフェニルスルホニル)メタン、トリス(2、4−ニトロフェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(4−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(3−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(2−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(p−トリルスルホニル)−メタン、ビス(メチルスルホニル)−(4−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(メチルスルホニル)−(4−クロロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(4−フロロフェニルスルホニル)−メタン、1,1,1−トリス(フェニルスルホニル)エタン等を挙げることができる。
【0118】
一般式(48)に示す化合物においてはR11が、一般式(49)に示す化合物においてはR21及びR23の少なくとも一方が、一般式(50)に示す化合物においてはR31、R32及びR35の少なくとも1つが芳香族基であることが好ましい。第1の酸発生剤としてこのような化合物を用いたパターン形成材料によると、KrFエキシマレーザー光による露光を行った場合に、レジスト層のドライエッチング耐性及び及び耐熱性を向上させることができる。また、第1の酸発生剤として、上記一般式(48)〜(50)に示す化合物のうち、融点が50℃以上であり、かつ有機溶媒に対する溶解度の高いものを用いることが好ましい。
【0119】
なお、上記一般式(48)〜(50)に示す化合物が、スルホアミド等の塩基性置換基を有するスルホニル化合物である場合、露光により発生する酸が失活する場合がある。また、スルホン酸等のようにアルカリ可溶性の高い酸性基を有するスルホニル化合物である場合、パターン形成材料の未露光部におけるアルカリ可溶性を過度に増大させることがある。したがって、これらスルホニル化合物に関しては、第1の酸発生剤としての使用が制限される場合がある。
【0120】
(第2の酸発生剤)
次に、所定の波長の露光光を透過し、荷電粒子線を照射することにより酸を発生する第2の酸発生剤について説明する。第2の酸発生剤として用いられる化合物は、上述した特性を有するものであれば特に制限はない。第2の酸発生剤としては、例えば、下記化学式(1)〜(4)に示す化合物を用いることができる。
【0121】
【化19】
【0122】
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明のパターン形成材料は、アルカリ現像液に対するレジスト層の溶解速度を制御するために、アルカリ溶液に対して溶解性を示すアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。
【0123】
パターン形成材料中にアルカリ可溶性樹脂を含有させる場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、溶解性可変化合物100重量部に対して90重量部以下とすることが好ましく、80重量部以下とすることがより好ましい。アルカリ可溶性樹脂の含有量が上限値を超える場合、レジスト層の露光部と非露光部との間における溶解速度の差が小さくなり、解像性が低下するおそれがある。
【0124】
上記アルカリ可溶性樹脂としては、ヒドロキシ基を導入されたアリール基或いはカルボキシ基を含む樹脂が望ましい。具体的には、フェノールノボラック樹脂;クレゾールノボラック樹脂;キシレゾールノボラック樹脂;ビニルフェノール樹脂;イソプロペニルフェノール樹脂;ビニルフェノールと、アクリル酸、メタクリル酸誘導体、アクリロニトリル、スチレン誘導体等との共重合体;イソプロペニルフェノールと、アクリル酸、メタクリル酸誘導体、アクリロニトリル、スチレン誘導体等との共重合体;スチレン誘導体と、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル等との共重合体;またはこれらのポリマーに珪素を含む化合物等を挙げることができる。また、酸化により生じたフェノール樹脂中のキノンを還元して透明性を向上させたものも用いることができる。
【0125】
これらアルカリ可溶性樹脂の中でも、例えば、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等のように芳香環を含む樹脂または脂肪族環を含む樹脂が好ましい。このような化合物をパターン形成材料中に含有させた場合、レジスト層のドライエッチングに対する耐性を向上させることができる。また、酸化により生じたフェノール樹脂中のキノンを還元して透明性を向上させたものも用いることができる。
【0126】
アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、ポリ−p−ビニルフェノール、ポリ−o−ビニルフェノール、ポリ−m−イソプロペニルフェノール、m,p−クレゾールノボラック樹脂、キシレゾールノボラック樹脂、p−ビニルフェノールとメタクリル酸メチルとの共重合体、p−イソプロペニルフェノールと無水マレイン酸との共重合体、ポリメタクリル酸、ルボルネン誘導体と無水マレイン酸との共重合体、及び下記化学式(55)〜(62)に示す化合物を挙げることができる。
【0127】
【化20】
【0128】
【化21】
【0129】
次に、上記パターン形成材料を用いたパターン形成方法について説明する。
【0130】
図1(a)〜(e)に、本発明の実施形態に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す。なお、図1(a)〜(e)は、それぞれ断面図である。
【0131】
まず、図1(a)に示すように、基板1上に本発明の実施形態に係るポジ型のパターン形成材料をスピンコート等の方法により塗布する。これを150℃以下、好ましくは70〜140℃の温度で乾燥することにより、基板1上にレジスト層2を形成する。ここで、上記基板1としては、例えば、シリコンウエハ;絶縁膜、電極及び配線層等が形成され、表面に段差を有するシリコンウエハ;マスクブランクス;GaAsやAlGaAs等のIII −V化合物半導体ウエハ等を挙げることができる。
【0132】
次に、図1(b)に示すように、マスク3を用いてレジスト層2に露光光4を照射することにより、レジスト層2の領域5を露光する。このパターン露光に用いる露光光としては、エキシマレーザーからのKrF光を用いることができる。
【0133】
続いて、図1(c)に示すように、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線6を用いて、レジスト層2の領域7を露光する。
【0134】
以上のようにして光及び荷電粒子線による露光を終えた後、60〜160℃、好ましくは80〜150℃の温度で露光後ベーキングを行う。これにより、図1(d)に示すように、レジスト層2の領域5,7に潜像を形成する。
【0135】
さらに、レジスト層2をアルカリ水溶液で現像処理し、純水での洗浄及び基板の乾燥を行うことにより、図1(e)に示すレジストパターンを形成することができる。
【0136】
上述したように、レジスト層2に含有される第1の酸発生剤は上記露光光4を照射することにより酸を発生し、第2の酸発生剤は上記露光光4を透過する。また、レジスト層2中で第1の酸発生剤の濃度は低く抑えられている。すなわち、光照射による露光時における露光光の減衰は無視することができる程度に抑制されているため、領域5に形成される潜像の断面形状は矩形状となる。
【0137】
また、荷電粒子線6を照射した場合、第1及び第2の酸発生剤の双方が感光して酸を発生する。本来、荷電粒子線による酸発生剤の感光効率は低いが、上記レジスト層2は第1及び第2の酸発生剤が含有するため高感度である。
【0138】
したがって、上述した方法によると、光照射により露光した場合においてもパターン形状の劣化を生じず、かつ荷電粒子線を用いた場合においても高い感度でパターンを形成することが可能となる。
【0139】
以上、パターン形成材料がポジ型である場合について説明したが、ネガ型である場合も同様である。以下、ネガ型のパターン形成材料を用いたパターン形成方法について説明する。
【0140】
図2(a)〜(e)に、本発明の実施形態に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す。なお、図2(a)〜(e)は、それぞれ断面図である。
【0141】
まず、図2(a)に示すように、基板1上に本発明の実施形態に係るネガ型のパターン形成材料をスピンコート等の方法により塗布する。なお基板1上には、ポリシリコン層11及び反射防止膜12等が形成されていてもよい。基板1上に塗布したパターン形成材料を乾燥することにより、基板1上にレジスト層13を形成する。
【0142】
次に、図2(b)に示すように、マスク3を用いてレジスト層13に露光光4を照射することにより、レジスト層13の領域5を露光する。続いて、図2(c)に示すように、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線6を用いて、レジスト層13の領域7を露光する。
【0143】
以上のようにして光及び荷電粒子線による露光を終えた後、露光後ベーキングを行う。これにより、図2(d)に示すように、レジスト層13の領域5,7に潜像を形成する。
【0144】
さらに、レジスト層13をアルカリ水溶液で現像処理し、純水での洗浄及び基板の乾燥を行うことにより、図2(e)に示すレジストパターンを形成することができる。
【0145】
このようにネガ型のパターン形成材料を用いたパターン形成方法は、露光部5,7のレジスト層13が残留すること以外は、ポジ型のパターン形成材料を用いた場合とほぼ同様である。したがって、レジストパターンの断面形状を矩形状とすることができ、かつ荷電粒子線に対しても高い感度を得ることができる。なお、ネガ型のパターン形成材料を用いたパターン形成方法に関する諸条件はポジ型を用いた場合と同様である。したがって、その記載は省略する。
【0146】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0147】
(実施例1 )
本実施例においては、ポジ型のパターン形成材料を用いてレジストパターンを形成した。以下、図1を参照しながら説明する。
【0148】
まず、アルカリ不溶性樹脂として下記化学式(64)に示すように側鎖の一部に溶解抑止効果を有する置換基を導入されたポリビニルフェノール樹脂90重量%と、第1の酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレート2重量%と、第2の酸発生剤として上記化学式(1)に示すスクシンイミジルトリフルオロメタンスルホネート5重量%とを混合してパターン形成材料を調製した。
【0149】
【化22】
【0150】
次に、このパターン形成材料をシリコンウエハ1上にスピンコートし、100℃で2分間乾燥することにより、図1(a)に示すようにウエハ1上に厚さ0.1〜1μmのレジスト層2を形成した。
【0151】
続いて、図1(b)に示すように、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)を用いた縮小投影露光装置によりレジスト層2を露光した。さらに、図1(c)に示すように、電子ビーム露光装置(加速電圧50kV)を用いてレジスト層2に対して電子ビーム露光を行った。
【0152】
上記露光を終えた後、レジスト層2に露光後ベーク(PEB:post exposure bake)を施した。すなわち、基板1をホットプレート上に配置し、レジスト層2を100℃の温度で1分間加熱することにより、レジスト層2に図1(d)に示す潜像5,7を形成した。さらに、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像処理を施すことにより、図1(e)に示すレジストパターンを形成した。
【0153】
なお、上記パターン形成材料の感度及び解像性は、KrF光による露光に関しては露光量20mJ/cm2 で0.25μmであり、電子ビームによる露光に関しては5μC/cm2 で0.1μmであった。また、形成したレジストパターンの断面形状を観察したところ、KrF光及び電子ビームを用いて形成したパターンのいずれも良好な矩形形状であった。
【0154】
(比較例1)
酸発生剤として第1の酸発生剤のみを用いたこと以外は実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。すなわち、上記化学式(64)に示すポリビニルフェノール樹脂95重量%と、酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート2重量%とを混合してパターン形成材料を調製し、実施例1に示したのと同様の方法によりレジストパターンを形成した。
【0155】
形成したレジストパターンの断面形状を観察したところ、KrF光及び電子ビームを用いて形成したパターンのいずれも良好な矩形形状であった。また、上記パターン形成材料の感度及び解像性は、KrF光による露光に関しては露光量20mJ/cm2 で0.25μmであったが、電子ビームによる露光に関しては20μC/cm2 で0.1μmであった。すなわち、電子ビームに対する感度は、実施例1に比べて1/4倍程度まで低下していた。
【0156】
(比較例2)
パターン形成材料の組成が異なること以外は実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。以下、図4(a)〜(e)を参照しながら説明する。
【0157】
図4(a)〜(e)は、従来例に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す。なお、図4(a)〜(e)は、それぞれ断面図である。
【0158】
まず、上記化学式(64)に示すポリビニルフェノール樹脂90重量%と、酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート10重量%とを混合してパターン形成材料を調製した。
【0159】
次に、このパターン形成材料をシリコンウエハ1上にスピンコートし、90℃で2分間乾燥することにより、図4(a)に示すようにウエハ1上に厚さ0.1〜1μmのレジスト層22を形成した。
【0160】
続いて、図4(b)に示すように、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)を用いた縮小投影露光装置によりレジスト層22を露光した。さらに、図4(c)に示すように、電子ビーム露光装置(加速電圧50kV)を用いてレジスト層22に対して電子ビーム露光を行った。
【0161】
上記露光を終えた後、基板1をホットプレート上に配置し、レジスト層22を100℃の温度で1分間加熱することにより、図4(d)に示す領域25,27に潜像を形成した。さらに、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像処理を施すことにより、図4(e)に示すレジストパターンを形成した。
【0162】
上記パターン形成材料の感度及び解像性は、KrF光による露光に関しては露光量5mJ/cm2 で0.3μmであり、電子ビームによる露光に関しては5μC/cm2 で0.2μmであった。KrF光に対する感度は、実施例1に比べて4倍程度まで向上しており、電子ビームに対する感度は実施例1と同様であった。しかしながら、解像性に関しては、KrF光及び電子ビームのいずれを用いた場合においても実施例1に比べて低下していた。
【0163】
また、形成したレジストパターンの断面形状を観察したところ、特に、KrF光を用いて形成したパターンにおいて不良の程度が激しく、図4(e)に示すように順テーパー状となっていた。
【0164】
(実施例2)
パターン形成材料の組成が異なること以外は実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。
【0165】
すなわち、まず、アルカリ不溶性樹脂として上記化学式(64)に示すポリビニルフェノール樹脂85重量%に、第1の酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量%を加え、さらに第2の酸発生剤として上記化学式(2)に示すスクシンイミジルカンファースルホネートを10重量%加えてパターン形成材料を調製した。
【0166】
次に、このパターン形成材料を用いて実施例1に示したのと同様の方法によりレジストパターンを形成した。
【0167】
上記パターン形成材料の感度及び解像性は、KrF光による露光に関しては露光量20mJ/cm2 で0.25μmであり、電子ビームによる露光に関しては2〜5μC/cm2 で0.1μmであった。また、形成したレジストパターンの断面形状を観察したところ、KrF光及び電子ビームを用いて形成したパターンは良好な矩形形状であった。
【0168】
(実施例3)
第2の酸発生剤に異なる化合物を用いたこと以外は実施例3と同様にしてパターン形成材料を調製した。
【0169】
すなわち、まず、アルカリ不溶性樹脂として上記化学式(64)に示すポリビニルフェノール樹脂85重量%に、第1の酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量%を加え、さらに第2の酸発生剤として上記化学式(3)に示すビス(シクロヘキシルスルフォニル)ジアゾメタンを10重量%加えてパターン形成材料を調製した。
【0170】
次に、このパターン形成材料を用いて実施例1に示したのと同様の方法によりレジストパターンを形成した。
【0171】
上記パターン形成材料の感度及び解像性は、KrF光による露光に関しては露光量20mJ/cm2 で0.25μmであり、電子ビームによる露光に関しては15μC/cm2 で0.1μmであった。また、形成したレジストパターンの断面形状を観察したところ、KrF光及び電子ビームを用いて形成したパターンは良好な矩形形状であった。
【0172】
(実施例4)
第2の酸発生剤に異なる化合物を用いたこと以外は実施例3と同様にしてパターン形成材料を調製した。
【0173】
すなわち、まず、アルカリ不溶性樹脂として上記化学式(64)に示すポリビニルフェノール樹脂85重量%に、第1の酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量%を加え、さらに第2の酸発生剤として上記化学式(4)に示す1,2,3−トリス(メタンスルフォニオキシ)ベンゼンを10重量%加えてパターン形成材料を調製した。
【0174】
次に、このパターン形成材料を用いて実施例1に示したのと同様の方法によりレジストパターンを形成した。
【0175】
上記パターン形成材料の感度及び解像性は、KrF光による露光に関しては露光量20mJ/cm2 で0.25μmであり、電子ビームによる露光に関しては15μC/cm2 で0.1μmであった。また、形成したレジストパターンの断面形状を観察したところ、KrF光及び電子ビームを用いて形成したパターンは良好な矩形形状であった。
【0176】
(実施例5)
本実施例においては、ネガ型のパターン形成材料を用いてトランジスタのゲートパターンを形成した。以下、図2(a)〜(e)及び図3(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0177】
図3(a)〜(c)に、本発明の実施形態に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す。なお、図3(a)〜(c)は、それぞれ斜視図である。
【0178】
まず、アルカリ可溶性樹脂としてキシレノールノボラック樹脂90重量%と、樹脂形成化合物としてメチロールメラミン10重量%と、第1の酸発生剤として2−メトキシフェニル−4,6−ビストリクロロメチルトリアジン5重量%と、第2の酸発生剤としてスクシンイミジルトリフルオロメタンスルホネート5重量%とを混合してパターン形成材料を調製した。
【0179】
次に、ポリシリコン層11及び反射防止膜12が形成された基板1上に上記パターン形成材料をスピンコートした。なお、基板1上には、図3(a)〜(c)に示すようにソース15及びドレイン16等が形成されている。基板1上に塗布したパターン形成材料を110℃で2分間乾燥することにより、図2(a)に示すようにウエハ1上に厚さ0.15μmのレジスト層13を形成した。
【0180】
続いて、図2(b)に示すように、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)を用いた縮小投影露光装置によりレジスト層13を露光した。KrF光による露光は、図3(a)に示す領域5に対して行った。
【0181】
次に、図2(c)に示すように、電子ビーム露光装置(加速電圧50kV)を用いてレジスト層13に対して電子ビーム露光を行った。電子ビームによる露光は、図3(b)に示す領域7に対して行った。なお、領域7の幅は0.1μmである。また、図3(a),(b)において、レジスト層13は省略されている。
【0182】
上記露光を終えた後、基板1をホットプレート上に配置し、レジスト層13を110℃の温度で90秒間加熱することにより、レジスト層13に図2(d)に示す潜像5,7を形成した。さらに、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像処理を施すことにより、図2(e)及び図3(c)に示すレジストパターン5,7を形成した。
【0183】
上記パターン形成材料の感度及び解像性は、KrF光による露光に関しては露光量20mJ/cm2 で0.25μmであり、電子ビームによる露光に関しては5μC/cm2 で0.1μmであった。また、形成したレジストパターンの断面形状を観察したところ、KrF光及び電子ビームを用いて形成したパターンのいずれも良好な矩形形状であった。
【0185】
なお、上記実施例及び比較例で用いた酸発生剤のモル吸光係数及びその溶融温度を下記表1に示す。また、上記実施例及び比較例のパターン形成材料に用いた酸発生剤、そのモル吸光係数、モル濃度、第1及び第2の酸発生剤のモル吸光係数の比、及び第1及び第2の吸光度の比を下記表2に示す。
【0186】
【表1】
【0187】
【表2】
【0188】
【発明の効果】
以上示したように、本発明のパターン形成材料は、所定の露光光を照射することにより酸を発生する第1の酸発生剤と、この露光光を透過し荷電粒子線を照射することにより酸を発生する第2の酸発生剤とを含有する。第2の酸発生剤は上記露光光を透過するため、これを用いることによる露光光の減衰は殆ど生じない。したがって、光照射により形成されるレジストパターンの断面形状を矩形状とすることができる。
【0189】
また、第1の酸発生剤は、荷電粒子線を照射した場合にも酸を発生するため、荷電粒子線に対して高い感度を得ることができる。
【0190】
このように、本発明によると、光照射により露光した場合においてもパターン形状の劣化を生じず、かつ荷電粒子線を用いた場合においても高い感度でパターンを形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、それぞれ、本発明の実施形態に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す断面図。
【図2】(a)〜(e)は、それぞれ、本発明の実施形態に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す断面図。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す斜視図。
【図4】(a)〜(e)は、それぞれ、従来例に係るパターン形成方法の工程図を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
1…基板
2,13,22…レジスト層
3…マスク
4…露光光
5,7,25,27…領域
6…荷電粒子線
11…ポリシリコン層
12…反射防止膜
15…ソース
16…ドレイン
Claims (4)
- 酸を適用することによりアルカリ溶液に対する溶解性に変化を生ずる溶解性可変化合物、フォトリソグラフィープロセスで使用される露光光を照射することにより酸を発生する第1の酸発生剤、及び前記露光光を透過し、荷電粒子線を照射することにより酸を発生する第2の酸発生剤を含有するパターン形成材料を基体上に塗布してレジスト層を形成する工程、
前記レジスト層に前記露光光を照射する工程、及び
前記レジスト層に前記荷電粒子線を照射する工程を具備し、
前記露光光はKrF光であり、
前記露光光に対する前記第1の酸発生剤のモル吸光係数は5,000〜200,000であり、前記露光光に対する前記第2の酸発生剤のモル吸光係数は1〜2,000であり、
前記露光光に対する前記第2の酸発生剤のモル吸光係数は、前記露光光に対する前記第1の酸発生剤のモル吸光係数の1/10以下であり、
前記露光光に対する前記第2の酸発生剤のモル吸光係数と前記第2の酸発生剤のモル濃度との積は、前記露光光に対する前記第1の酸発生剤のモル吸光係数と前記第1の酸発生剤のモル濃度との積の1/10以下であることを特徴とするパターン形成方法。 - 前記露光光及び電子線を照射されたレジスト層を、前記アルカリ溶液で現像する工程を具備する請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記荷電粒子線は電子線であることを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法。
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