JP3660221B2 - 合成開口レーダ装置及び画像再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、航空機や衛星に搭載され、地表や海面を広域にわたって観測して画像化する合成開口レーダ装置及び画像再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は例えば「W.G.Carrara,R.S.Goodman and R.M.Majewski,“Spotlight Synthetic Aperture Radar”,Artech House,1995年 第256頁」に示された従来の合成開口レーダ装置を示す構成図であり、図において、1はレーダプラットフォームに搭載され、高周波パルス信号を空間に放射する一方、反射されたエコー信号を収集する送受信アンテナ、2は高周波パルス信号を送受信アンテナ1に出力する一方、送受信アンテナ1により収集されたエコー信号を増幅する広帯域送受信部である。
【0003】
3は広帯域送受信部2により増幅されたエコー信号から合成開口レーダの画像を再生する像再生処理部、4は像再生処理部3により再生された画像をプラットフォームの進行方向であるアジマス方向にフーリエ変換してスペクトルを取得するアジマスFFT部、5はアジマスFFT部4により取得されたスペクトルのうち任意のレンジのスペクトルを選択し、1レンジのスペクトルを、近似した多項式の次数であるMAM法(Multiple Aperture Mapdrft法)の次数Nに等しい数で分割するスペクトル分割部、6はスペクトル分割部5により分割されたスペクトルをそれぞれアジマス方向に逆フーリエ変換し、その変換結果の絶対値の2乗をとることによりN個の画像を取得するアジマスIFFT部である。
【0004】
7はアジマスIFFT部6がN個の画像を取得すると、N個の画像の全組み合わせ分(全組み合わせ数=N(N−1)/2)、2画像間の相関計算を実施する全画像相関部、8は全画像相関部7の相関結果から各画像間の移動量を計算する移動量計算部、9は移動量計算部8により計算された各画像間の移動量から位相補償量を計算し、その位相補償量にしたがってアジマスFFT部4により取得されたスペクトルを位相補償する位相補償部、10は位相補償部9により位相補償されたスペクトルをアジマス方向に逆フーリエ変換して合成開口レーダの画像を再生する画像再生部である。
なお、図10は従来の画像再生方法を示すフローチャートである。
【0005】
次に動作について説明する。
合成開口レーダ装置は、MAM法と呼ばれるオートフォーカス機能を備え、レーダプラットフォームの速度や加速度の計測誤差などによって、受信信号の位相に生じる誤差(以降、「位相誤差」と称する)をN次の多項式で近似し、これに起因する画像の分解能劣化を補償するものである。
【0006】
具体的には、まず、広帯域送受信部2が高周波パルス信号を送受信アンテナ1に出力すると、送受信アンテナ1が高周波パルス信号を空間に放射し、その高周波パルス信号の反射波であるエコー信号を収集する(ステップST1)。
広帯域送受信部2は、送受信アンテナ1がエコー信号を収集すると、そのエコー信号を増幅して像再生処理部3に出力する。
【0007】
像再生処理部3は、広帯域送受信部2から増幅されたエコー信号を受けると、像再生処理を実施することにより、そのエコー信号から合成開口レーダの画像を再生する(ステップST2)。
【0008】
アジマスFFT部4は、像再生処理部3が画像を再生すると、その画像をプラットフォームの進行方向であるアジマス方向にフーリエ変換してスペクトルSp(f)を取得する(ステップST3)。
ここで、スペクトルSp(f)における位相誤差φ(f)は次の通りとなる。ただし、ここではアンテナビームがプラットフォームの移動方向に対して真横を向いているものとする。また、ak はk次の位相誤差の係数、fは周波数、TPRI はパルス繰り返し時間である。
【数1】
【0009】
スペクトル分割部5は、アジマスFFT部4がスペクトルSp(f)を取得すると、そのスペクトルSp(f)のうち、任意のレンジのスペクトルを選択し、1レンジのスペクトルをMAM法の次数Nに等しい数で分割する(ステップST4)。
なお、i番目のスペクトルSp(i)(f)の位相誤差φi (f)は次の通りである。ここで、fi はSp(i)(f)の中心周波数である。
【数2】
【0010】
アジマスIFFT部6は、スペクトル分割部5がスペクトルを分割すると、分割後のスペクトルをそれぞれアジマス方向に逆フーリエ変換し、その変換結果の絶対値の2乗をとることによりN個の画像を取得する(ステップST5)。
なお、N個の画像は位相誤差φi (f)によって移動しており、この移動量は曲線φi (f)のf=0での傾きで与えられる。
【数3】
【0011】
全画像相関部7は、アジマスIFFT部6がN個の画像を取得すると、N個の画像の全組み合わせ分(全組み合わせ数=N(N−1)/2)、2画像間の相関計算を実施する(ステップST6)。
移動量計算部8は、2画像間の相関結果が大きいほど、両画像の一致度が高いことを考慮して、全画像相関部7の相関結果から各画像間の移動量を計算する(ステップST7)。
【0012】
なお、i番目の画像とj番目の画像の移動量dijは次式で表される。
【数4】
また、(4)式を行列式で表現すると、下記のようになる。
【数5】
【0013】
位相補償部9は、移動量計算部8が各画像間の移動量を計算すると、各画像間の移動量から位相補償量を計算し、その位相補償量にしたがってアジマスFFT部4により取得されたスペクトルを位相補償する(ステップST8)。
画像再生部10は、位相補償部9がスペクトルを位相補償すると、そのスペクトルをアジマス方向に逆フーリエ変換して合成開口レーダの画像を再生する(ステップST9)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の合成開口レーダ装置は以上のように構成されているので、全画像相関部7がN個の画像の全組み合わせ分だけ、2画像間の相関計算を実施すれば、画像の分解能劣化を補償することができるが、2画像間の相関計算は演算量が多いため、画像の位相補償を速やかに完了することができない課題があった。
【0015】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、画像の位相補償を速やかに完了することができる合成開口レーダ装置及び画像再生方法を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る合成開口レーダ装置は、分割手段により求められた複数の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定する組み合わせ決定手段と、その組み合わせ決定手段により決定された画像間の相関計算を実施し、その計算結果から画像間の移動量を計算すると共に、相関計算を実施しない組み合わせの画像間の移動量を他の画像間の移動量から近似計算し、それらの移動量にしたがってフーリエ変換手段のフーリエ変換結果を位相補償する補償手段とを設けたものである。
【0019】
この発明に係る合成開口レーダ装置は、分割手段によりN個の画像が求められる場合、組み合わせ決定手段が(N−1)個の組み合わせを決定するようにしたものである。
【0020】
この発明に係る合成開口レーダ装置は、組み合わせ決定手段が近似計算により求められる移動量の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するようにしたものである。
【0021】
この発明に係る合成開口レーダ装置は、組み合わせ決定手段が位相誤差係数の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するようにしたものである。
【0022】
この発明に係る画像再生方法は、複数の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定して、その画像間の相関計算を実施し、その計算結果から画像間の移動量を計算すると共に、相関計算を実施しない組み合わせの画像間の移動量を他の画像間の移動量から近似計算し、それらの移動量にしたがってフーリエ変換結果を位相補償するようにしたものである。
【0025】
この発明に係る画像再生方法は、N個の画像が求められる場合、(N−1)個の組み合わせを決定するようにしたものである。
【0026】
この発明に係る画像再生方法は、近似計算により求められる移動量の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するようにしたものである。
【0027】
この発明に係る画像再生方法は、位相誤差係数の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による合成開口レーダ装置を示す構成図であり、図において、11はレーダプラットフォームに搭載され、高周波パルス信号を空間に放射する一方、反射されたエコー信号を収集する送受信アンテナ、12は高周波パルス信号を送受信アンテナ11に出力する一方、送受信アンテナ11により収集されたエコー信号を増幅する広帯域送受信部である。
【0029】
13は広帯域送受信部12により増幅されたエコー信号から合成開口レーダの画像を再生する像再生処理部、14は像再生処理部13により再生された画像をプラットフォームの進行方向であるアジマス方向にフーリエ変換してスペクトルを取得するアジマスFFT部である。なお、広帯域送受信部12,像再生処理部13及びアジマスFFT部14からフーリエ変換手段が構成されている。
【0030】
15はアジマスFFT部14により取得されたスペクトルのうち任意のレンジのスペクトルを選択し、1レンジのスペクトルを、近似した多項式の次数であるMAM法の次数Nに等しい数で分割するスペクトル分割部、16はスペクトル分割部15により分割されたスペクトルをそれぞれアジマス方向に逆フーリエ変換し、その変換結果の絶対値の2乗をとることによりN個の画像を取得するアジマスIFFT部である。なお、スペクトル分割部15及びアジマスIFFT部16から分割手段が構成されている。
【0031】
17はアジマスIFFT部16により取得されたN個の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定する組み合わせ決定部(組み合わせ決定手段)、18は組み合わせ決定部17により決定された画像間の相関計算を実施する画像相関部、19は画像相関部18の計算結果から画像間の移動量を計算する移動量近似計算部、20は移動量近似計算部19により計算された画像間の移動量から位相補償量を計算し、その位相補償量にしたがってアジマスFFT部14により取得されたスペクトルを位相補償する位相補償部である。なお、画像相関部18,移動量近似計算部19及び位相補償部20から補償手段が構成されている。
【0032】
21は位相補償部20により位相補償されたスペクトルをアジマス方向に逆フーリエ変換して合成開口レーダの画像を再生する画像再生部である。
なお、図2はこの発明の実施の形態1による画像再生方法を示すフローチャートである。
【0033】
次に動作について説明する。
まず、広帯域送受信部12が高周波パルス信号を送受信アンテナ11に出力すると、送受信アンテナ11が高周波パルス信号を空間に放射し、その高周波パルス信号の反射波であるエコー信号を収集する(ステップST11)。
広帯域送受信部12は、送受信アンテナ11がエコー信号を収集すると、そのエコー信号を増幅して像再生処理部13に出力する。
【0034】
像再生処理部13は、広帯域送受信部12から増幅されたエコー信号を受けると、像再生処理を実施することにより、そのエコー信号から合成開口レーダの画像を再生する(ステップST12)。
【0035】
アジマスFFT部14は、像再生処理部13が画像を再生すると、その画像をプラットフォームの進行方向であるアジマス方向にフーリエ変換してスペクトルSp(f)を取得する(ステップST13)。
ここで、スペクトルSp(f)における位相誤差φ(f)は次の通りとなる。ただし、ここではアンテナビームがプラットフォームの移動方向に対して真横を向いているものとする。また、ak はk次の位相誤差の係数、fは周波数、TPRI はパルス繰り返し時間である。
【数6】
【0036】
スペクトル分割部15は、アジマスFFT部14がスペクトルSp(f)を取得すると、そのスペクトルSp(f)のうち、任意のレンジのスペクトルを選択し、1レンジのスペクトルをMAM法の次数Nに等しい数で分割する(ステップST14)。
なお、i番目のスペクトルSp(i)(f)の位相誤差φi (f)は次の通りである。ここで、fi はSp(i)(f)の中心周波数である。
【数7】
【0037】
アジマスIFFT部16は、スペクトル分割部15がスペクトルを分割すると、分割後のスペクトルをそれぞれアジマス方向に逆フーリエ変換し、その変換結果の絶対値の2乗をとることにより、N個の画像を取得する(ステップST15)。
なお、N個の画像は位相誤差φi (f)によって移動しており、この移動量は曲線φi (f)のf=0での傾きで与えられる。
【数8】
【0038】
組み合わせ決定部17は、アジマスIFFT部16により取得されたN個の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定する(ステップST16)。
ここでは、従来例のように、全組み合わせ分、画像間の相関計算を実施すると演算量が多くなるので、演算量を削減する観点から、相関計算の実施対象を限定している。例えば、5個の画像が取得された場合、従来例では、相関計算を10回(=5*(5−1)/2)実施する必要があるが、相関計算の回数を9回以下に抑えるようにする。
【0039】
画像相関部18は、組み合わせ決定部17により決定された画像間の相関計算を実施する(ステップST17)。
移動量近似計算部19は、2画像間の相関結果が大きいほど、両画像の一致度が高いことを考慮して、画像相関部18の相関結果から画像間の移動量を計算する(ステップST18)。
【0040】
なお、i番目の画像とj番目の画像の移動量dijは次式で表される。
【数9】
また、(13)式を行列式で表現すると、下記のようになる。
【数10】
ただし、画像相関部18において、相関計算対象外の画像間の移動量については、相関計算対象の画像間の移動量を(19)式又は(20)式に代入する近似計算を実行して求める。
【数11】
【0041】
位相補償部20は、移動量近似計算部19が画像間の移動量を計算すると、画像間の移動量から位相補償量を計算し、その位相補償量にしたがってアジマスFFT部14により取得されたスペクトルを位相補償する(ステップST19)。
画像再生部21は、位相補償部20がスペクトルを位相補償すると、そのスペクトルをアジマス方向に逆フーリエ変換して合成開口レーダの画像を再生する(ステップST20)。
【0042】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、複数の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定して、その画像間の相関計算を実施し、その計算結果にしたがってフーリエ変換結果を位相補償するように構成したので、相関計算による演算量が減少する結果、画像の位相補償を速やかに完了することができる効果を奏する。
【0043】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による合成開口レーダ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
22は演算量を最小化する組み合わせを求める演算量計算部(組み合わせ決定手段)である。
なお、図4はこの発明の実施の形態2による画像再生方法を示すフローチャートである。
【0044】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1では、組み合わせ決定部17が相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定するものについて示したが、演算量の最小化を図るため、アジマスIFFT部16によりN個の画像が求められる場合、演算量計算部22が組み合わせ決定部17に対して、(N−1)個の組み合わせを指示するようにしてもよい(ステップST21)。
【0045】
具体的には、5個の画像が求められている場合、各々の画像をG1 ,G2 ,G3 ,G4 ,G5 と名付け、Gijを画像Gi と画像Gj の相関とすると、例えば、G12,G23,G34,G45のように、4組の画像を組み合わせる指示を組み合わせ決定部17に出力するようにする。
なお、N個の画像に対して、(N−1)個の組み合わせを指示するのは、最低限、(N−1)個の組み合わせがあれば、全組み合わせの相関結果を近似計算により求めることができるからである。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、相関計算の実施回数が最小化される結果、演算量を最小化することができる効果を奏する。
【0046】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による合成開口レーダ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
23は近似計算により求められる移動量の誤差が許容誤差より小さくなる画像間の組み合わせを求める移動量計測精度計算部(組み合わせ決定手段)である。
なお、図6はこの発明の実施の形態3による画像再生方法を示すフローチャートである。
【0047】
次に動作について説明する。
上記実施の形態2では、N個の画像が求められる場合、演算量計算部22が組み合わせ決定部17に対して、(N−1)個の組み合わせを指示するものについて示したが、移動量計測精度計算部23が近似計算により求められる移動量の誤差が許容誤差より小さくなる画像間の組み合わせを指示するようにしてもよい(ステップST22)。
【0048】
例えば、相関計算により求められた移動量としてI12,I23,I34があるとき、移動量I12,I23,I34の誤差がeであるとする。このとき、I13はI12とI23の和で計算できるため、移動量I13の誤差は2eである。
しかし、I14はI12とI23とI34の和で計算できるため、移動量I14の誤差は3eである。
【0049】
仮に、移動量の許容誤差が2eであれば、移動量I14の誤差は許容誤差の範囲を越えるため近似計算を実施できない。したがって、移動量I14を相関計算から求める必要があるため、移動量計測精度計算部23は画像G1 ,と画像G4 の組み合わせを相関計算の対象に含めるよう組み合わせ決定部17に指示する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、移動量の誤差を許容誤差範囲内に収めることができる効果を奏する。
【0050】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による合成開口レーダ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
24は位相誤差係数ak の推定誤差が許容誤差より小さくなる画像間の組み合わせを求める誤差推定精度計算部(組み合わせ決定手段)である。
なお、図8はこの発明の実施の形態4による画像再生方法を示すフローチャートである。
【0051】
上記実施の形態3では、近似計算により求められる移動量の誤差が許容誤差より小さくなる画像間の組み合わせを指示するものについて示したが、上記実施の形態3と同様にして、位相誤差推定精度計算部24が位相誤差係数ak の推定誤差が許容誤差より小さくなる画像間の組み合わせを指示するようにしてもよい(ステップST23)。
これにより、位相誤差係数ak の推定誤差を許容誤差範囲内に収めることができる効果を奏する。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、分割手段により求められた複数の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定する組み合わせ決定手段と、その組み合わせ決定手段により決定された画像間の相関計算を実施し、その計算結果から画像間の移動量を計算すると共に、相関計算を実施しない組み合わせの画像間の移動量を他の画像間の移動量から近似計算し、それらの移動量にしたがってフーリエ変換手段のフーリエ変換結果を位相補償する補償手段とを設けるように構成したので、相関計算による演算量が減少すると共に、位相補償量の計算を簡単化することが可能となり、画像の位相補償を速やかに完了することができる効果がある。
【0055】
この発明によれば、分割手段によりN個の画像が求められる場合、組み合わせ決定手段が(N−1)個の組み合わせを決定するように構成したので、相関計算の実施回数が最小化される結果、演算量を最小化することができる効果がある。
【0056】
この発明によれば、組み合わせ決定手段が近似計算により求められる移動量の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するように構成したので、移動量の誤差を許容誤差範囲内に収めることができる効果がある。
【0057】
この発明によれば、組み合わせ決定手段が位相誤差係数の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するように構成したので、位相誤差係数の推定誤差を許容誤差範囲内に収めることができる効果がある。
【0058】
この発明によれば、複数の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定して、その画像間の相関計算を実施し、その計算結果から画像間の移動量を計算すると共に、相関計算を実施しない組み合わせの画像間の移動量を他の画像間の移動量から近似計算し、それらの移動量にしたがってフーリエ変換結果を位相補償するように構成したので、相関計算による演算量が減少すると共に、位相補償量の計算を簡単化することが可能となり、画像の位相補償を速やかに完了することができる効果がある。
【0061】
この発明によれば、N個の画像が求められる場合、(N−1)個の組み合わせを決定するように構成したので、相関計算の実施回数が最小化される結果、演算量を最小化することができる効果がある。
【0062】
この発明によれば、近似計算により求められる移動量の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するように構成したので、移動量の誤差を許容誤差範囲内に収めることができる効果がある。
【0063】
この発明によれば、位相誤差係数の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定するように構成したので、位相誤差係数の推定誤差を許容誤差範囲内に収めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による画像再生方法を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2による合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による画像再生方法を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3による合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による画像再生方法を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態4による合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による画像再生方法を示すフローチャートである。
【図9】 従来の合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図10】 従来の画像再生方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 送受信アンテナ、12 広帯域送受信部(フーリエ変換手段)、13 像再生処理部(フーリエ変換手段)、14 アジマスFFT部(フーリエ変換手段)、15 スペクトル分割部(分割手段)、16 アジマスIFFT部(分割手段)、17 組み合わせ決定部(組み合わせ決定手段)、18 画像相関部(補償手段)、19 移動量近似計算部(補償手段)、20 位相補償部(補償手段)、21 画像再生部、22 演算量計算部(組み合わせ決定手段)、23 移動量計測精度計算部(組み合わせ決定手段)、24 誤差推定精度計算部(組み合わせ決定手段)。
Claims (8)
- アンテナにより受信されたエコー信号から合成開口レーダの画像を再生し、その画像をプラットフォームの進行方向にフーリエ変換するフーリエ変換手段と、上記フーリエ変換手段のフーリエ変換結果を等分割し、その分割結果をプラットフォームの進行方向に逆フーリエ変換して複数の画像を求める分割手段と、上記分割手段により求められた複数の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定する組み合わせ決定手段と、上記組み合わせ決定手段により決定された画像間の相関計算を実施し、その計算結果から画像間の移動量を計算すると共に、相関計算を実施しない組み合わせの画像間の移動量を他の画像間の移動量から近似計算し、それらの移動量にしたがって上記フーリエ変換手段のフーリエ変換結果を位相補償する補償手段と、上記補償手段により位相補償されたフーリエ変換結果をプラットフォームの進行方向に逆フーリエ変換して合成開口レーダの画像を再生する画像再生手段とを備えた合成開口レーダ装置。
- 組み合わせ決定手段は、分割手段によりN個の画像が求められる場合、(N−1)個の組み合わせを決定することを特徴とする請求項1記載の合成開口レーダ装置。
- 組み合わせ決定手段は、近似計算により求められる移動量の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定することを特徴とする請求項1記載の合成開口レーダ装置。
- 組み合わせ決定手段は、位相誤差係数の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定することを特徴とする請求項1記載の合成開口レーダ装置。
- アンテナにより受信されたエコー信号から合成開口レーダの画像を再生し、その画像をプラットフォームの進行方向にフーリエ変換し、そのフーリエ変換結果を等分割すると、その分割結果をプラットフォームの進行方向に逆フーリエ変換して複数の画像を求める一方、その複数の画像のうち、相関計算を実施する画像間の組み合わせを決定して、その画像間の相関計算を実施し、その計算結果から画像間の移動量を計算すると共に、相関計算を実施しない組み合わせの画像間の移動量を他の画像間の移動量から近似計算し、それらの移動量にしたがって上記フーリエ変換結果を位相補償し、そのフーリエ変換結果をプラットフォームの進行方向に逆フーリエ変換して合成開口レーダの画像を再生する画像再生方法。
- N個の画像が求められる場合、(N−1)個の組み合わせを決定することを特徴とする請求項5記載の画像再生方法。
- 近似計算により求められる移動量の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定することを特徴とする請求項5記載の画像再生方法。
- 位相誤差係数の許容誤差を考慮して画像間の組み合わせを決定することを特徴とする請求項5記載の画像再生方法。
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