JP3740655B2 - 合成開口レーダ装置及び合成開口レーダの像再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、航空機や衛星に搭載する合成開口レーダに係り、特に、地表や海面を広域にわたって観測し、画像化するときの合成開口レーダ装置及び合成開口レーダの像再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の合成開口レーダ装置としては、図13に示すようなものがあった。
図13は、W. G. Carrara, R. S. Goodman, R. M. Majewski, "Spotlight Synthetic Aoerture Radar", Artech House, 1995の256ぺ一ジに記載された図66.6から想定される合成開口レーダ装置の構成図である。
この装置は、Multiple Aperture Mapdrift法(以降、MAM法と称する)と呼ばれるオートフォーカス機能を備え、レーダプラットフォームの速度のオフセット誤差、加速度他によって生じる位相誤差をN次の多項式で近似して、これに起因する画像の分解能劣化を補償することが目的である。
【0003】
図13において、1は高周波パルス信号を発生する送信部、2はレーダプラットフォームに搭載され、上記高周波パルス信号を観測領域3へ照射するとともに、上記観測領域で反射したエコー信号を収集する送受信アンテナ、3は上記高周波パルス信号が照射される観測領域、4は送信と受信を切替える送受信切替部、5は送受信アンテナ2が受信した信号を増幅する受信部、6は受信部5からの信号を用いて合成開口レーダ画像を再生する画像処理部である。
【0004】
7は上記合成開口レーダ画像をアジマス方向にフーリエ変換して、スペクトルを得るアジマスFFT部、8は選択した1レンジのスペクトルをMAM法の次数Nに等分割するスペクトル分割部、9は分割したスペクトルをそれぞれ逆フーリエ変換してN個の画像を得るアジマスIFFT部、10はN個のうち上記画像の2つの相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を全ての組合せN(N−1)/2通り行う画像相関部、11は上記画像のシフト量より位相誤差の係数を計算する誤差係数計算部、22はスペクトル分割部から誤差係数計算部までの処理を一定回数繰り返す判定をする繰り返し判定部、13は選択した1レンジについて求められた誤差係数に基づいて全レンジの位相誤差を補償して分解能が改善された合成開口レーダ画像を生成して処理を終了する位相補償部である。
【0005】
次に、動作について図14のフローチャートを参照して説明する。
図14は従来の合成開口レーダ装置の動作を示すフローチャートである。
まず、送信部1が高周波パルス信号を発生させ、送受信アンテナ2で観測領域3へ電磁波を照射する(ステップR1)。送受信アンテナ2は、散乱された信号を受信し、受信部5がそれを増幅し(ステップR2)、画像処理部6は、受信部5からの信号を用いて合成開口レーダ画像を再生する(ステップR3)。
【0006】
次に、アジマスFFT部7は、上記合成開口レーダ画像をアジマス方向にフーリエ変換して、スペクトルを得る(ステップR4)。このとき、スペクトルSp(f)における位相誤差φ(f)を式(1)で表す。ただし、ここではアンテナビームがプラットフォームの移動方向に対して真横を向いている場合を扱う。また、akは、k次の位相誤差の係数であり、TPRIはパルス繰り返し時間である。
【0007】
【数1】
【0008】
スペクトル分割部8は、上記スペクトルから1レンジを選択し、MAM法の次数Nで等分割する(ステップR5)。このときのi番目のスペクトルSp(i)(f)の位相誤差φi(f)を式(2)で表す。ここで、fiはSp(i)(f)の中心周波数である。
【0009】
【数2】
【0010】
アジマスIFFT部9は、分割したスペクトルSp(i)(f)を逆フーリエ変換してN個の画像を得る(ステップR6)。この画像は位相誤差φi(f)によってシフトする。このシフト量は曲線φi(f)のf=0での傾きで与えられる。この量を式(3)に示す。
【0011】
【数3】
【0012】
画像画像相関部10は、N個の上記画像の2つの相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を、全ての組合せN(N−1)/2通り行う(ステップR7)。i番目とj番目の画像のシフト量を式(4)に示す。
【0013】
【数4】
【0014】
これを行列を用いて表現したものを、式(5)〜(9)に示す。
【0015】
【数5】
【0016】
誤差係数計算部11は、式(5)を用いて位相誤差の係数を計算する(ステップR8)。繰り返し判定部22は、スペクトル分割部8から誤差係数計算部11までの処理の繰り返し回数が定められた回数以内の場合、スペクトルN分割に処理を戻し、それ以外は以降の処理を続ける(ステップR9)。位相補償部13がアジマスFFT部の出力を誤差係数計算部で計算した位相誤差で補償し(ステップR10)、全てのレンジを逆フーリエ変換して(ステップR10)、分解能が改善された合成開口レーダの画像を生成して処理を終了する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来の合成開口レーダ装置はこのように構成されており、位相誤差をN次の多項式で近似して補償し、再生画像の分解能劣化を補償するが、近似する次数Nを決定する方法は明確にされていなかった。
【0018】
この発明は、最適な多項式の次数Nを決定する方法を明確にし、分解能の改善された画像を得る合成開口レーダ装置及び合成開口レーダの像再生方法を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る合成開口レーダ装置は、高周波パルス信号を発生する送信部と、上記送信部からの高周波パルス信号を観測領域へ照射すると共に、当該観測領域で反射したエコー信号を収集する送受信アンテナと、送信と受信を切替える送受信切替部と、上記送受信アンテナが受信した信号を増幅する受信部と、上記受信部からの受信信号を信号処理して合成開口レーダ画像を得る画像再生処理部と、上記画像再生処理部からの合成開口レーダ画像をパルス照射方向と直角の方向であるアジマス方向に高速フーリエ変換してスペクトルを得るアジマスFFT部と、上記アジマスFFT部からのスペクトルを位相誤差の次数Nと等しい数に等分割するスペクトル分割部と、上記スペクトル分割部により分割したスペクトルを逆フーリエ変換して画像を得るアジマスIFFT部と、上記アジマスIFFT部から出力されるN個の画像のうち任意の2つの画像の相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を全ての組合せであるN(N−1)/2通り行う画像相関部と、上記画像相関部により求まる画像のシフト量より位相誤差の係数を計算する誤差係数計算部と、上記スペクトル分割部から上記誤差係数計算部までの処理を所定回数繰り返す判定をする繰り返し判定部と、上記繰り返し判定部により所定回数繰り返されたと判定された後に上記スペクトル分割部に与える位相誤差の次数Nを増加させて上記スペクトル分割部から上記繰り返し判定部までの処理を繰り返すか否かを決定する次数N決定手段と、上記次数N決定手段を経過して全レンジの位相誤差を補償した合成開口レーダ画像を生成する位相補償部とを備えたものである。
【0020】
また、上記次数N決定手段は、位相補償後の画像の分解能を用いて繰り返しの判定を行うことを特徴とするものである。
【0021】
また、上記次数N決定手段は、上記アジマスFFT部の出力を上記誤差係数計算部で計算した位相誤差で補償して得られた画像からエントロピーを計算するエントロピー計算手段と、エントロピーを用いて繰り返しの判定を行うエントロピー比較手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
また、上記エントロピー計算手段は、画像の全体からエントロピーを計算することを特徴とするものである。
【0023】
また、上記エントロピー計算手段は、アジマス方向にエントロピーを計算して全てのレンジで平均してアジマス方向の画像のエントロピーを計算することを特徴とするものである。
【0024】
また、上記次数N決定手段は、上記画像再生処理部の出力から点像を検出し、検出された点像応答を用いて繰り返しの判定を行う点像応答比較手段でなることを特徴とするものである。
【0025】
また、レーダプラットフォームにセンサを搭載して自機の運動を記録するレーダプラットフォーム運動測定部と、上記運動から次数Nの初期値を決定して上記スペクトル分割部に設定する次数N初期値決定部とをさらに備えたことを特徴とするものである。
【0026】
また、気象状況を記録する気象状況記録部と、上記気象状況から次数Nの初期値を決定して上記スペクトル分割部に設定する次数N初期値決定部とをさらに備えたことを特徴とするものである。
【0027】
また、この発明に係る合成開口レーダの像再生方法は、高周波パルス信号を送信する送信ステップと、観測領域で散乱された信号を受信し増幅する受信ステップと、受信信号を処理して合成開口レーダ画像を得る画像再生処理ステップと、得られた画像をアジマス方向にフーリエ変換しスペクトルを得るアジマスFFTステップと、スペクトルを位相誤差の次数Nに等しい数に等分割する分割ステップと、分割したスペクトルを逆フーリエ変換して画像を得るアジマスIFFTステップと、N個の画像のうち2つの画像の相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を全ての組合せであるN(N−1)/2通り行う画像相関ステップと、画像のシフト量より位相誤差の係数を計算する誤差計数計算ステップと、上記分割ステップから上記誤差係数計算ステップまでの処理の所定回数繰り返す判定をする繰り返し判定ステップと、上記繰り返し判定ステップにより所定回数繰り返されたと判定された後に上記分割ステップに与える位相誤差の次数Nを増加させて上記分割ステップから上記繰り返しステップまでの処理を繰り返すか否かを判定する次数N決定ステップと、上記次数N決定ステップを経過して全レンジの位相誤差を補償したスペクトルを得る位相補償ステップと、補償後のスペクトルを逆フーリエ変換して合成開口レーダ画像を得るステップとを含むことを特徴とするものである。
【0028】
また、上記次数N決定ステップは、位相補償後の画像の分解能を用いて繰り返しの判定を行うことを特徴とするものである。
【0029】
また、上記次数N決定ステップは、上記アジマスFFTステップで得られる画像を上記誤差係数計算ステップで計算した位相誤差で補償して得られた画像からエントロピーを計算するエントロピー計算ステップと、エントロピーを用いて繰り返しの判定を行うエントロピー比較ステップとを備えたことを特徴とするものである。
【0030】
また、上記エントロピー計算ステップは、画像の全体からエントロピーを計算することを特徴とするものである。
【0031】
また、上記エントロピー計算ステップは、アジマス方向にエントロピーを計算して全てのレンジで平均してアジマス方向の画像のエントロピーを計算することを特徴とするものである。
【0032】
また、上記次数N決定ステップは、上記画像再生処理ステップから得られる出力から点像を検出し、検出された点像応答を用いて繰り返しの判定を行う点像応答比較ステップでなることを特徴とするものである。
【0033】
また、レーダプラットフォームに搭載したセンサによる自機の運動を記録するレーダプラットフォーム運動測定ステップと、上記運動から次数Nの初期値を決定して上記分割ステップに設定する次数N初期値決定ステップとをさらに備えたことを特徴とするものである。
【0034】
さらに、気象状況を記録する気象状況記録ステップと、上記気象状況から次数Nの初期値を決定して上記分割ステップに設定する次数N初期値決定ステップとをさらに備えたことを特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。図1において、1〜11、13と22は図13に示す従来例と同一部分を示しその説明は省略する。新たな符号として、12は、位相補償後の画像の分解能を、1つ前の次数での分解能と比較し、向上した場合に次数を増加させ、スペクトル分割部8に戻り、それ以外は、1つ前のNが最適な次数であると決定する次数N決定部である。
【0036】
次に、この実施の形態の動作を図2のフローチャートと共に説明する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートにおいて、アジマスFFT処理まで(ステップS1〜S4)は、図14に示す従来例と同じ処理である。
【0037】
アジマスFFT処理のあと、Nに2を代入する(ステップS5)。この次数Nで、従来例と同様に、スペクトル分割部8から誤差係数計算部11までの装置が、位相誤差の係数を繰り返し計算する(ステップS6,S10)。
【0038】
次数N決定部12が、1つ前の次数での分解能改善の程度と比較して(ステップS11)、向上した場合、Nを1増加させ(ステップS12)、スペクトルN分割(ステップS6)に戻る。それ以外は、以降の処理を続ける。なお、ここでN=2の場合は、画像再生処理の出力の分解能と比較する。
【0039】
また、ここで、分解能を用いた繰り返し判定は、繰り返しをk番目とし、画像はレンジ方向にL点、アジマス方向にM点とし、任意のレンジj(1≦j≦L)について、誤差係数で位相補償された画像についてアジマス方向の画像を4倍に拡大し、その画像のピークを探し、ピーク電力から3dB下がったときの画像の幅Wkjを計算し、これを全てのレンジで実行し、Wkjの最小値Wkを求め、求められたWkをk−1番目の繰り返しで得られたWk-1と比較し、Wkが小さいければ分解能が改善されたとして判定する。
【0040】
以降の処理(ステップS13,S14)は、従来例と同様で、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得て、処理を終了する。
【0041】
このように、本実施の形態によれば、Nを増加させつつ分解能の改善の程度を計算することで、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0042】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。図3において、1〜11、13と22は実施の形態1と同じものである。新たな符号として、14はアジマスFFT処理の出力を位相補償して画像全体からエントロピーを計算する画像全体のエントロピー計算部、15は1つ前の処理で得られた画像のエントロピーと比較して減少した場合にスペクトル分割部に処理を戻し、それ以外は以降の処理を続けさせるエントロピー比較部である。
【0043】
次に、この実施の形態の動作を図4のフローチャートと共に説明する。
図4は、この発明の実施の形態2に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートにおいて、繰り返し終了判定までの処理(ステップT1〜T10)は実施の形態1と同じ処理である。
【0044】
画像全体のエントロピー計算部14は、アジマスFFT処理の出力を位相補債して、画像全体からエントロピーを計算する(ステップT11)。エントロピー比較部15は、1つ前の次数での処理で得られた画像のエントロピーと比較して(ステップT12)、減少した場合、Nを1増加させ(ステップT13)、スペクトルN分割(ステップT6)に戻す。それ以外は、以降の処理を続ける。なお、ここで、N=2の場合は、画像再生処理の出力画像のエントロピーと比較する。
【0045】
また、ここで、画像全体のエントロピーを用いた繰り返し判定は、画像はレンジ方向にL点、アジマス方向にM点とし、画像の濃度を0からnとし、画像のうち、画像の濃度がm(0≦m≦n)である点をxmとすると、画像の濃度がmである確率P(xm)は、xm/(L×M)となり、画像のエントロピーHは以下の式(10)で表されるので、これを用いて判定する。
【0046】
【数6】
【0047】
以降の処理(ステップT14,T15)は、従来の技術と同様で、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得て、処理を終了する。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1の次数決定の指標に画像全体のエントロピーを用いることで、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0049】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。図5において、1〜15と22は実施の形態2と同じもので、新たな符号として、16は実施の形態2の画像全体のエントロピ直計算部14の代わりに用いられて、アジマス方向の画像のエントロピーを計算して、全てのレンジで平均する処理を行うアジマス方向のエントロピー計算部であり、MAM法は、アジマス方向の位相誤差を補償するため、アジマス方向にエントロピーを計算すると、分解能改善の程度との関係がより顕著にあらわれる。
【0050】
次に、この実施の形態の動作を図6のフローチャートと共に説明する。
図6は、この発明の実施の形態3に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートにおいて、繰り返し終了判定までの処理(ステップU1〜U10)と、エントロピー上昇以降の処理(ステップU12〜U15)は実施の形態3と同じ処理で、実施の形態2の画像全体のエントロピー計算(ステップT11)の代わりに、アジマス方向の画像のエントロピー計算(ステップU11)を用いている。
【0051】
アジマス方向の画像のエントロピー計算部16は、アジマス方向に画像のエントロピーを計算して、全てのレンジで平均する(ステップU11)。
【0052】
また、ここで、エントロピー比較部15によるアジマス方向の画像体のエントロピーを用いた繰り返し判定は、実施の形態2と同様に、画像はレンジ方向にL点、アジマス方向にM点とし、画像の濃度を0からnとし、レンジj(1≦j≦L)に対して、画像の濃度がm(0≦m≦n)である点数をyjmとすると、画像の濃度がmである確率P(yjm)は、yjm/Mとなり、このレンジのアジマス方向の画像のエントロピーHjは以下の式(11)で表される。従って、アジマス方向の画像のエントロピーHは式(12)で表されるので、これを用いて判定する。
【0053】
【数7】
【0054】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態2の画像全体のエントロピーの代わりにアジマス方向の画像のエントロピーを用いることで、分解能改善の程度との関係が、より顕著にあらわれる。
【0055】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。図7において、1〜11、13と22は実施の形態1と同一部分を示し、その説明は省略する。新たな符号として、17は、画像処理部6の出力画像から周囲より極端に反射が大きく、アジマス方向の拡がりが分解能と同じかその倍程度の像(以降、これを点像と称す)を検出する点像検出部、18は、点像検出部17で検出した点像に対して、1つ前の次数での位相補償後と、現在の次数での位相補償後の画像を比較し、劣化していない場合は、スペクトル分割部8に処理を戻し、他方、劣化した場合は、以降の処理を続ける点像応答比較部である。
【0056】
次に、この実施の形態の動作を図8のフローチャートと共に説明する。
図8は、この発明の実施の形態4に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートにおいて、画像再生処理まで(ステップV1〜V3)は実施の形態1と同じものである。点像検出部17は、画像処理部6の出力画像から、周囲より極端に反射が大きく、アジマス方向の拡がりが分解能と同じかその倍程度の像を検出する(ステップV4)。これ以降、繰り返し終了判定までの処理(ステップV5〜V11)は、実施の形態1と同じものである。
【0057】
点像応答比較部18は、点像検出部17で検出した点像に対して、1つ前の次数での位相補償後と、現在の次数での位相補償後で比較する(ステップV12)。劣化していない場合は、スペクトルN分割(ステップV7)に処理を戻し、劣化した場合は、以降の処理を続ける。以降の処理は実施の形態1と同じものである。
【0058】
ここで、点像応答比較部18による点像のアジマス方向の画像の拡がりを用いた繰り返し判定は、繰り返しをk番目とし、画像はレンジ方向にL点、アジマスアジマス方向にM点とし、点像検出のしきい値をPSLとし、レンジj(1≦j≦L)、アジマスi(1≦j≦M)の位置の信号の強度をPi,jとし、以下の条件を満たすものを点像として検出する。
Pi,j−Pi-2,j>PSL
Pi+2,j−Pi,j>PSL
ここでは、便宜上、アジマス方向の分解能と、画像1点が表すアジマス方向の長さを同じとしている。点像が検出されたレンジj(1≦j≦L)について、実施の形態1と同様に、アジマス方向の画像を4倍に拡大し、点像のピーク電力から3dB下がったときの点像の幅Wkを求め、これをk−1番目の繰り返しで得られた値と比較して判定する。
【0059】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1の次数決定の指標に点像を用いることで、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0060】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。図9において、1〜13と22は実施の形態1と同一部分を示しその説明は省略する。新たな符号として、19はレーダプラットフォームに搭載したセンサで自機の運動を測定して記録するレーダプラットフォーム運動測定部、20はプラットフォーム運動測定部19で記録された上記運動から最適な初期値Nを決定する次数N初期値決定部である。
【0061】
次に、この実施の形態の動作を図10のフローチャートと共に説明する。
図10は、この発明の実施の形態5に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートにおいて、プラットフォーム運動解析(ステップP5)とN初期値決定(ステップP6)以外の処理は実施の形態1と同じ処理である。プラットフォーム運動測定部19で得られたプラシドフォームの運動を解析し(ステップP5)、次数N初期値決定部20でNの初期値を決定する(ステップP6)。
【0062】
ここで、次数N初期値決定部20による次数N初期値は次のようにして決定される。運動測定部19からの入力は、3軸の加速度が得られることを想定する。3つの軸は、プラットフォームの進行方向を1つの軸とし、他の2軸はこれと直交し、それぞれの軸から得られる値をαx、αy、αzとしたとき、次数N初期値は次の値に決定される。
(1)|αx|=|αy|=|αz|=0の場合、N=2
(2)|αx|>0,|αy|=|αz|=0,d/dt(|αx|)=0の場合、N=3
【0063】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1に対して、プラットフォームの運動を測定することで、Nの繰り返し回数を減らし、演算量を削減することができる。
【0064】
実施の形態6.
図11はこの発明の実施の形態6に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。図11において、1から13と22は実施の形態1と同一部分を示しその説明は省略する。新たな符号として、21はレーダプラットフォームが観測した時の気象状況を記録する気象状況記録部、20は気象状況記録部21で記録された気象状況から最適な初期値Nを決定する次数N初期値決定部である。
【0065】
次に、この実施の形態の動作を図12のフローチャートと共に説明する。
図12は、この発明の実施の形態6に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートにおいて、気象状況解析(ステップQ5)とN初期値決定(ステップQ6)以外の処理は実施の形態1と同じ処理である。
【0066】
気象状況記録部21で得られた気象状況を解析し(ステップQ5)、次数N初期値決定部20は、Nの初期値を決定する(ステップQ6)。
ここで、次数N初期値決定部20による次数N初期値は次のようにして決定される。気象状況記録部21からの入力を、風速と風向きとし、これに基づいてプラットフォームの動揺を推定し、上述した実施の形態5と同様にして3軸の加速度αx、αy、αzを求め、次数N初期値を決定する。
【0067】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1に対して、気象状況を記録することで、Nの繰り返し回数を減らし、演算量を削減することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る合成開口レーダ装置によれば、高周波パルス信号を発生する送信部と、上記送信部からの高周波パルス信号を観測領域へ照射すると共に、当該観測領域で反射したエコー信号を収集する送受信アンテナと、送信と受信を切替える送受信切替部と、上記送受信アンテナが受信した信号を増幅する受信部と、上記受信部からの受信信号を信号処理して合成開口レーダ画像を得る画像再生処理部と、上記画像再生処理部からの合成開口レーダ画像をパルス照射方向と直角の方向であるアジマス方向に高速フーリエ変換してスペクトルを得るアジマスFFT部と、上記アジマスFFT部からのスペクトルを位相誤差の次数Nと等しい数に等分割するスペクトル分割部と、上記スペクトル分割部により分割したスペクトルを逆フーリエ変換して画像を得るアジマスIFFT部と、上記アジマスIFFT部から出力されるN個の画像のうち任意の2つの画像の相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を全ての組合せであるN(N−1)/2通り行う画像相関部と、上記画像相関部により求まる画像のシフト量より位相誤差の係数を計算する誤差係数計算部と、上記スペクトル分割部から上記誤差係数計算部までの処理を所定回数繰り返す判定をする繰り返し判定部と、上記繰り返し判定部により所定回数繰り返されたと判定された後に上記スペクトル分割部に与える位相誤差の次数Nを増加させて上記スペクトル分割部から上記繰り返し判定部までの処理を繰り返すか否かを決定する次数N決定手段と、上記次数N決定手段を経過して全レンジの位相誤差を補償した合成開口レーダ画像を生成する位相補償部とを備えたので、最適な多項式の次数Nを決定する方法を明確にし、分解能の改善された画像を得ることができる。
【0069】
また、上記次数N決定手段は、位相補償後の画像の分解能を用いて繰り返しの判定を行うようにしたので、Nを増加させつつ分解能の改善の程度を計算することで、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0070】
また、上記次数N決定手段は、上記アジマスFFT部の出力を上記誤差係数計算部で計算した位相誤差で補償して得られた画像からエントロピーを計算するエントロピー計算手段と、エントロピーを用いて繰り返しの判定を行うエントロピー比較手段とを備えたので、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0071】
また、上記エントロピー計算手段は、画像の全体からエントロピーを計算するようにしたので、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0072】
また、上記エントロピー計算手段は、アジマス方向にエントロピーを計算して全てのレンジで平均してアジマス方向の画像のエントロピーを計算するようにしたので、分解能改善の程度との関係がより顕著にあらわれる。
【0073】
また、上記次数N決定手段を、上記画像再生処理部の出力から点像を検出し、検出された点像応答を用いて繰り返しの判定を行う点像応答比較手段で構成することにより、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0074】
また、レーダプラットフォームにセンサを搭載して自機の運動を記録するレーダプラットフォーム運動測定部と、上記運動から次数Nの初期値を決定して上記スペクトル分割部に設定する次数N初期値決定部とをさらに備えたので、プラットフォームの運動を測定することで、Nの繰り返し回数を減らし、演算量を削減することができる。
【0075】
また、気象状況を記録する気象状況記録部と、上記気象状況から次数Nの初期値を決定して上記スペクトル分割部に設定する次数N初期値決定部とをさらに備えたので、気象状況を記録することで、Nの繰り返し回数を減らし、演算量を削減することができる。
【0076】
また、この発明に係る合成開口レーダの像再生方法によれば、高周波パルス信号を送信する送信ステップと、観測領域で散乱された信号を受信し増幅する受信ステップと、受信信号を処理して合成開口レーダ画像を得る画像再生処理ステップと、得られた画像をアジマス方向にフーリエ変換しスペクトルを得るアジマスFFTステップと、スペクトルを位相誤差の次数Nに等しい数に等分割する分割ステップと、分割したスペクトルを逆フーリエ変換して画像を得るアジマスIFFTステップと、N個の画像のうち2つの画像の相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を全ての組合せであるN(N−1)/2通り行う画像相関ステップと、画像のシフト量より位相誤差の係数を計算する誤差計数計算ステップと、上記分割ステップから上記誤差係数計算ステップまでの処理の所定回数繰り返す判定をする繰り返し判定ステップと、上記繰り返し判定ステップにより所定回数繰り返されたと判定された後に上記分割ステップに与える位相誤差の次数Nを増加させて上記分割ステップから上記繰り返しステップまでの処理を繰り返すか否かを判定する次数N決定ステップと、上記次数N決定ステップを経過して全レンジの位相誤差を補償したスペクトルを得る位相補償ステップと、補償後のスペクトルを逆フーリエ変換して合成開口レーダ画像を得るステップとを含むので、最適な多項式の次数Nを決定する方法を明確にし、分解能の改善された画像を得ることができる。
【0077】
また、上記次数N決定ステップは、位相補償後の画像の分解能を用いて繰り返しの判定を行うようにしたので、Nを増加させつつ分解能の改善の程度を計算することで、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0078】
また、上記次数N決定ステップは、上記アジマスFFTステップで得られる画像を上記誤差係数計算ステップで計算した位相誤差で補償して得られた画像からエントロピーを計算するエントロピー計算ステップと、エントロピーを用いて繰り返しの判定を行うエントロピー比較ステップとを備えたので、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0079】
また、上記エントロピー計算ステップは、画像の全体からエントロピーを計算するようにしたので、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0080】
また、上記エントロピー計算ステップは、アジマス方向にエントロピーを計算して全てのレンジで平均してアジマス方向の画像のエントロピーを計算するようにしたので、分解能改善の程度との関係がより顕著にあらわれる。
【0081】
また、上記次数N決定ステップは、上記画像再生処理ステップから得られる出力から点像を検出し、検出された点像応答を用いて繰り返しの判定を行う点像応答比較ステップとすることにより、最適な次数Nを決定し、分解能の改善された合成開口レーダの画像を得ることができる。
【0082】
また、レーダプラットフォームに搭載したセンサによる自機の運動を記録するレーダプラットフォーム運動測定ステップと、上記運動から次数Nの初期値を決定して上記分割ステップに設定する次数N初期値決定ステップとをさらに備えたので、プラットフォームの運動を測定することで、Nの繰り返し回数を減らし、演算量を削減することができる。
【0083】
さらに、気象状況を記録する気象状況記録ステップと、上記気象状況から次数Nの初期値を決定して上記分割ステップに設定する次数N初期値決定ステップとをさらに備えたので、気象状況を記録することで、Nの繰り返し回数を減らし、演算量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態4に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態5に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態5に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態6に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態6に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
【図13】 従来例に係る合成開口レーダ装置を示す構成図である。
【図14】 従来例に係る合成開口レーダの像再生方法の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 送信部、2 送受信アンテナ、4 送受信切替部、5 受信部、6 画像処理部、7 アジマスFFT部、8 スペクトル分割部、9 アジマスIFFT部、10 画像相関部、11 誤差計数計算部、12 次数N決定部、13 位相補償部、14 画像全体のエントロピー計算部、15 エントロピー比較部、16 アジマス方向のエントロピー計算部、17 点像検出部、18 点像応答比較部、19 レーダプラットフォーム運動測定部、20 次数N初期値決定部、21 気象状況記録部、22 繰り返し判定部。
Claims (16)
- 高周波パルス信号を発生する送信部と、
上記送信部からの高周波パルス信号を観測領域へ照射すると共に、当該観測領域で反射したエコー信号を収集する送受信アンテナと、
送信と受信を切替える送受信切替部と、
上記送受信アンテナが受信した信号を増幅する受信部と、
上記受信部からの受信信号を信号処理して合成開口レーダ画像を得る画像再生処理部と、
上記画像再生処理部からの合成開口レーダ画像をパルス照射方向と直角の方向であるアジマス方向に高速フーリエ変換してスペクトルを得るアジマスFFT部と、
上記アジマスFFT部からのスペクトルを位相誤差の次数Nと等しい数に等分割するスペクトル分割部と、
上記スペクトル分割部により分割したスペクトルを逆フーリエ変換して画像を得るアジマスIFFT部と、
上記アジマスIFFT部から出力されるN個の画像のうち任意の2つの画像の相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を全ての組合せであるN(N−1)/2通り行う画像相関部と、
上記画像相関部により求まる画像のシフト量より位相誤差の係数を計算する誤差係数計算部と、
上記スペクトル分割部から上記誤差係数計算部までの処理を所定回数繰り返す判定をする繰り返し判定部と、
上記繰り返し判定部により所定回数繰り返されたと判定された後に上記スペクトル分割部に与える位相誤差の次数Nを増加させて上記スペクトル分割部から上記繰り返し判定部までの処理を繰り返すか否かを決定する次数N決定手段と、
上記次数N決定手段を経過して全レンジの位相誤差を補償した合成開口レーダ画像を生成する位相補償部と
を備えた合成開口レーダ装置。 - 請求項1の合成開口レーダ装置において、上記次数N決定手段は、位相補償後の画像の分解能を用いて繰り返しの判定を行うことを特徴とする合成開口レーダ装置。
- 請求項1の合成開口レーダ装置において、上記次数N決定手段は、上記アジマスFFT部の出力を上記誤差係数計算部で計算した位相誤差で補償して得られた画像からエントロピーを計算するエントロピー計算手段と、エントロピーを用いて繰り返しの判定を行うエントロピー比較手段とを備えたことを特徴とする合成開口レーダ装置。
- 請求項3の合成開口レーダ装置において、上記エントロピー計算手段は、画像の全体からエントロピーを計算することを特徴とする合成開口レーダ装置。
- 請求項3の合成開口レーダ装置において、上記エントロピー計算手段は、アジマス方向にエントロピーを計算して全てのレンジで平均してアジマス方向の画像のエントロピーを計算することを特徴とする合成開口レーダ装置。
- 請求項1の合成開口レーダ装置において、上記次数N決定手段は、上記画像再生処理部の出力から点像を検出し、検出された点像応答を用いて繰り返しの判定を行う点像応答比較手段でなることを特徴とする合成開口レーダ装置。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の合成開口レーダ装置において、レーダプラットフォームにセンサを搭載して自機の運動を記録するレーダプラットフォーム運動測定部と、上記運動から次数Nの初期値を決定して上記スペクトル分割部に設定する次数N初期値決定部とをさらに備えたことを特徴とする合成開口レーダ装置。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の合成開口レーダ装置において、気象状況を記録する気象状況記録部と、上記気象状況から次数Nの初期値を決定して上記スペクトル分割部に設定する次数N初期値決定部とをさらに備えたことを特徴とする合成開口レーダ装置。
- 高周波パルス信号を送信する送信ステップと、
観測領域で散乱された信号を受信し増幅する受信ステップと、
受信信号を処理して合成開口レーダ画像を得る画像再生処理ステップと、
得られた画像をアジマス方向にフーリエ変換しスペクトルを得るアジマスFFTステップと、
スペクトルを位相誤差の次数Nに等しい数に等分割する分割ステップと、
分割したスペクトルを逆フーリエ変換して画像を得るアジマスIFFTステップと、
N個の画像のうち2つの画像の相互相関をとり画像のシフト量を求める処理を全ての組合せであるN(N−1)/2通り行う画像相関ステップと、
画像のシフト量より位相誤差の係数を計算する誤差計数計算ステップと、
上記分割ステップから上記誤差係数計算ステップまでの処理の所定回数繰り返す判定をする繰り返し判定ステップと、
上記繰り返し判定ステップにより所定回数繰り返されたと判定された後に上記分割ステップに与える位相誤差の次数Nを増加させて上記分割ステップから上記繰り返しステップまでの処理を繰り返すか否かを判定する次数N決定ステップと、
上記次数N決定ステップを経過して全レンジの位相誤差を補償したスペクトルを得る位相補償ステップと、
補償後のスペクトルを逆フーリエ変換して合成開口レーダ画像を得るステップと
を含むことを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。 - 請求項9の合成開口レーダの像再生方法において、上記次数N決定ステップは、位相補償後の画像の分解能を用いて繰り返しの判定を行うことを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。
- 請求項9の合成開口レーダの像再生方法において、上記次数N決定ステップは、上記アジマスFFTステップで得られる画像を上記誤差係数計算ステップで計算した位相誤差で補償して得られた画像からエントロピーを計算するエントロピー計算ステップと、エントロピーを用いて繰り返しの判定を行うエントロピー比較ステップとを備えたことを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。
- 請求項11の合成開口レーダの像再生方法において、上記エントロピー計算ステップは、画像の全体からエントロピーを計算することを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。
- 請求項11の合成開口レーダの像再生方法において、上記エントロピー計算ステップは、アジマス方向にエントロピーを計算して全てのレンジで平均してアジマス方向の画像のエントロピーを計算することを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。
- 請求項9の合成開口レーダの像再生方法において、上記次数N決定ステップは、上記画像再生処理ステップから得られる出力から点像を検出し、検出された点像応答を用いて繰り返しの判定を行う点像応答比較ステップでなることを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。
- 請求項9ないし14のいずれかに記載の合成開口レーダの像再生方法において、レーダプラットフォームに搭載したセンサによる自機の運動を記録するレーダプラットフォーム運動測定ステップと、上記運動から次数Nの初期値を決定して上記分割ステップに設定する次数N初期値決定ステップとをさらに備えたことを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。
- 請求項9ないし14のいずれかに記載の合成開口レーダの像再生方法において、気象状況を記録する気象状況記録ステップと、上記気象状況から次数Nの初期値を決定して上記分割ステップに設定する次数N初期値決定ステップとをさらに備えたことを特徴とする合成開口レーダの像再生方法。
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