JP3660120B2 - 空気調和装置の制御方法 - Google Patents

空気調和装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18は、例えば特開平7−318186号公報に示された従来の各冷媒回路間に共通の熱交換器を備えて熱移動を行う空気調和装置の冷媒回路図である。
図18に基づいて、上記従来の空気調和装置の冷媒回路構成について説明する。空調ユニット1,2は室外機100と室内機106a,106b,106cを環状に接続してなる冷凍サイクルA及びBを構成し、熱交換器回路Cは、冷媒熱交換器用膨張弁EV1と空調ユニット1,2それぞれに共通する冷媒熱交換器HEを備えており、蓄熱回路Dは蓄熱漕用膨張弁EV2と空調ユニット1,2それぞれに共通する蓄熱漕STRを備え、室内側熱交換器に対して並列にバイパス弁BV2を備えたバイパス回路を設置し、かつ熱交換回路Cを第1二方弁KV1、及び第2二方弁KV2を介して、また蓄熱回路Dを第3二方弁KV3、及び第4二方弁KV4を介して、各空調ユニット1,2の室外側膨張弁104と室内側膨張弁107a,107b,107cとの間に接続する。
【0003】
次に、動作を図18に基づいて説明する。
昼間冷房運転で空調ユニット1から空調ユニット2へ系統間の熱移動を行う場合、冷媒熱交換器HEにおいて、空調ユニット1の室外熱交換器103を出た後、冷媒熱交換器HEに流入した高温高圧の液冷媒と、空調ユニット2の室外熱交換器103を出た後、冷媒熱交換器用膨張弁EV1により減圧されて冷媒熱交換器HEの第2熱交換部113で蒸発した低温低圧の二相冷媒とが熱交換することにより、空調ユニット1から空調ユニット2へ系統間の熱移動が可能になる。
即ち、空調ユニット2における余剰冷房能力分により空調ユニット1の過冷却度が増大し、室内機106a、106b、106cでの冷房能力増大が図れ、空調ユニット1の冷房負荷に対応できる。
【0004】
昼間暖房運転で空調ユニット1から空調ユニット2へ系統間の熱移動を行う場合、冷媒熱交換器HEにおいて、空調ユニット2の圧縮機101吐出後、第1バイパス弁BV1を介して冷媒熱交換器HEに流入した高温高圧ガス冷媒と、空調ユニット1の室内側膨張弁107a、107b、107cにて減圧され、冷媒熱交換器HEに流入した低温低圧2相冷媒とが熱交換することにより、空調ユニット2から空調ユニット1へ系統間の熱移動が可能になる。
即ち、空調ユニット2における余剰暖房能力分を空調ユニット1の蒸発能力増大に補填し、つまり暖房能力増大が図れ、空調ユニット1の暖房負荷に対応できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の空気調和装置において、複数の冷媒回路間で熱移動を行う場合の動作については具体例を上げて明示しているが、熱移動を行う運転に入る条件及び熱移動制御手順については明記されていない。
また熱移動用の熱交換器は冷媒回路の液管に対して並列に接続されおり、バイパスさせるための開閉弁や膨張機構が設置されており、冷媒回路部品及び制御対象が多く、その分複雑になる。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、複数の冷媒回路において、それぞれの負荷の大小によって各冷媒回路間で熱移動させて能力補填や暖房運転を継続したまま除霜することを可能にする冷凍サイクルの制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和装置の制御方法は、圧縮機または冷媒ポンプと、四方弁または冷暖切換弁と、熱源側熱交換器と、熱源側膨張機構と、負荷側膨張機構と、負荷側熱交換器と、前記四方弁または冷暖切換弁と前記圧縮機または冷媒ポンプとを環状に接続して構成される複数の冷媒回路と、この冷媒回路の熱源側膨張機構と負荷側膨張機構との間に接続され、冷媒回路によって共有される共通熱交換器とを備えた空気調和装置において、各冷媒回路間で熱移動を行わない場合に、ある冷媒回路で前記圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を最大にしても使用者の要求能力を確保できない場合、余剰の運転容量が存在してかつ前記共通熱交換器を介して能力不足回路との間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が生じない他の冷媒回路を選択し、この選択された他の冷媒回路の圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を増加させると同時に、選択された他の冷媒回路及び能力不足のある冷媒回路において、共通熱交換器へ流通する冷媒温度を共通熱交換器の両端に各冷媒回路ごとに接続された熱源側膨張機構及び負荷側膨張機構の絞り具合を制御して熱移動方向及び量を調整し、能力不足のある冷媒回路の能力を他の冷媒回路の余剰能力で補填するように各冷媒回路間での熱移動を行い、各冷媒回路間で熱移動を行わない場合でも、各冷媒回路は共通熱交換器へ冷媒を流通するものである。
【0008】
また、この発明に係る空気調和装置の制御方法は、圧縮機または冷媒ポンプと、四方弁または冷暖切換弁と、熱源側熱交換器と、熱源側膨張機構と、負荷側膨張機構と、負荷側熱交換器と、前記四方弁または冷暖切換弁と前記圧縮機または冷媒ポンプとを環状に接続して構成される複数の冷媒回路と、この冷媒回路の熱源側膨張機構と負荷側膨張機構との間に接続され、冷媒回路によって共有される共通熱交換器とを備えた空気調和装置において、冷房運転時に外気温度が予め定められた設定温度以上になった場合に、又は暖房運転時に外気温度が予め定められた設定温度以下になった場合に、全冷媒回路中、運転負荷容量が大きくかつ圧縮機または冷媒ポンプの運転容量も最大値或いは最大値に近いある冷媒回路に対して、余剰の運転容量が存在してかつ前記共通熱交換器を介して能力不足回路との間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が生じない他の冷媒回路を選択し、この選択された他の冷媒回路の圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を増加させると同時に、選択された他の冷媒回路及び運転負荷容量が大きいある冷媒回路において、共通熱交換器へ流通する冷媒温度を共通熱交換器の両端に各冷媒回路ごとに接続された熱源側膨張機構及び負荷側膨張機構の絞り具合を制御して熱移動方向及び量を調整し、運転負荷容量が大きいある冷媒回路の能力を前記選択された他の冷媒回路の余剰能力で補填するように各冷媒回路間での熱移動を行い、各冷媒回路間で熱移動を行わない場合でも、各冷媒回路は共通熱交換器へ冷媒を流通するものである。
【0009】
また、この発明に係る空気調和装置の制御方法は、圧縮機または冷媒ポンプと、四方弁または冷暖切換弁と、熱源側熱交換器と、熱源側膨張機構と、負荷側膨張機構と、負荷側熱交換器と、前記四方弁または冷暖切換弁と前記圧縮機または冷媒ポンプとを環状に接続して構成される複数の冷媒回路と、この冷媒回路の熱源側膨張機構と負荷側膨張機構との間に接続され、冷媒回路によって共有される共通熱交換器とを備えた空気調和装置において、暖房運転中に熱源側熱交換器の霜取を行うある冷媒回路が発生した場合に、余剰の運転容量が存在してかつ前記共通熱交換器を介して能力不足回路との間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が生じない他の冷媒回路を選択し、この選択された他の冷媒回路の圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を増加させると同時に、選択された他の冷媒回路及び霜取を行うある冷媒回路において、共通熱交換器へ流通する冷媒温度を共通熱交換器の両端に各冷媒回路ごとに接続された熱源側膨張機構及び負荷側膨張機構の絞り具合を制御して熱移動方向と量を調整し、選択された他の冷媒回路の余剰能力を使用してある冷媒回路の霜取を行うように各冷媒回路間での熱移動を行い、各冷媒回路間で熱移動を行わない場合でも、各冷媒回路は共通熱交換器へ冷媒を流通するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図面を参照して説明する。
図1は実施の形態1の冷媒回路図である。図1において,A、Bは熱源側ユニット、X、Yは負荷側ユニット、Uは熱移動ユニット、1a、1bは圧縮機及び加圧ポンプ,2a、2bは四方弁及び冷暖切換弁、3a、3bは熱源側熱交換器、4a、4bは熱源側膨張機構、5a、5bは負荷側熱交換器、6a、6bは負荷側膨張機構、7は共通熱交換器、7a、7bは共通熱交換器パス、10a、10bは吐出配管、11a、11bは熱源側ガス配管、12a、12bは負荷側ガス配管、13a、13bは熱源側液配管、14a、14bは負荷側液配管、15a、15bは吸入配管である。
【0011】
21a、21bは室内温度センサー、22a、22bは圧縮機及び加圧ポンプ1a、1bの吐出し温度センサー、23a、23bは圧縮機及び加圧ポンプ1a、1bの吸込み温度センサー、24a、24bは共通熱交換器熱源側温度センサー、25a、25bは共通熱交換器負荷側温度センサー、26a、26bは霜取検知センサーである。
31a、31bはリモートコントローラ、32a、32bは冷媒回路の駆動部の調整をつかさどる制御部である。
また、P1、P2は冷媒回路1、冷媒回路2の使用者、S1、S2は負荷側熱交換器6a、6bが存在する空間である。
【0012】
次に、冷媒回路1の負荷側熱交換器5aと同一空間S1に存在し、冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプ1aを動かして冷房運転させている使用者P1が、冷房運転中にリモートコントローラ31a、及びそこから発進される信号を受信する制御部32a等を介して冷媒回路1への要求温度をさらに低く設定し、その結果冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプ1aの運転容量を最大にしても要求温度に到達できない場合に、冷媒回路2の圧縮機及び加圧ポンプ1bを運転或は運転容量を大きくすることで、冷媒回路1より冷媒回路2へ熱移動を行い、冷媒回路1の冷房能力を向上させて使用者P1が要求する空間S1の温度を確保する方法について図2、図3を用いて説明する。
【0013】
使用者P1が空間S1の温度を再設定する前で、共通熱交換器7間で熱移動を行わない場合は、図2のように熱源側熱交換器3aは凝縮器として、負荷側熱交換器5aは蒸発器として動作し、四方弁2aは冷房モードとして制御され、熱源側膨張機構4aは吐出し温度センサー22a、或いは吸込み温度センサー23aの検知した温度が目標値になるように調整され、負荷側膨張機構6aはほとんど膨張されないように調整され、共通熱交換器パス7aを流通する冷媒は低圧2相状態となる。このとき、冷媒回路2は停止していても運転していてもかまわないが、運転する場合は共通熱交換器パス7bを流通する冷媒は低圧2相状態にする。
【0014】
一方、使用者P1が空間S1の温度を再設定して、冷媒回路1の共通熱交換器パス7aから冷媒回路2の共通熱交換器パス7bへ熱移動を行う場合は、図3のように熱源側熱交換器3a、3bは凝縮器として、負荷側熱交換器5a、5bは蒸発器として動作し、四方弁2a、2bは冷房モードとして制御され、熱源側膨張機構4aは冷媒をほとんど膨張させないようにして、熱源側膨張機構4bは共通熱交換器負荷側温度センサー25a、或いは吐出し温度センサー22a、或いは吸込み温度センサー23aの検知した温度が目標値になるように調整され、負荷側膨張機構6aは共通熱交換器負荷側温度センサー25b、或いは吐出し温度センサー22b、或いは吸込み温度センサー23bの検知した温度が目標値になるように調整され、負荷側膨張機構6bは冷媒をほとんど膨張させないように調整される。
以上の各駆動部及び各熱交換器内の状態を表1にまとめる。
【0015】
【表1】
Figure 0003660120
【0016】
その結果、共通熱交換器パス7aを流通する冷媒は高圧液状態となり、共通熱交換器パス7bを流通する冷媒は低圧2相状態となるので高圧液状態の方が温度が高いため、熱は共通熱交換器パス7aから共通熱交換器パス7bへと移動して、共通熱交換器パス7a出口の過冷却度は増大する。その増大分だけ冷媒回路1の冷房能力が向上する。
【0017】
次に、運転手順について説明する。まず空間S1に存在し、冷媒回路1を冷房運転させている使用者が冷房能力を増大させる欲求を持ち、例えばリモートコントローラ31a上で27℃等の具体的要求温度を入力、或いは「暑いとき」ボタンを押す等すると、その入力信号は冷媒回路1の制御部32aが受信し、冷媒回路1の冷房能力を増大させようと、冷媒回路1の圧縮機または加圧ポンプ1aの運転容量を増大させる。最大容量以下の運転容量で要求温度を確保できた場合は、必要容量だけ運転容量を増大させて本制御を終える。
しかし運転容量を最大容量にしても使用者P1の要求する空間S1の温度を確保できない場合、冷媒回路2から能力を補填できるかどうかの判断を行う。その判断内容を以下に列挙する。
【0018】
まず、冷媒回路2の圧縮機及び加圧ポンプ1bの運転容量が、冷媒回路2を冷房運転している使用者P2が要求する空間S2温度にするために必要な容量を確保した上でさらに余剰が存在するかどうかを調べる。
例えば圧縮機及び加圧ポンプ1bがほとんど最大で運転されている場合は、余剰分がほとんどないので、冷媒回路1の冷房能力を補填できないと判断を下す。次に、圧縮機及び加圧ポンプ1bに余剰の運転容量が存在することが判明し、運転容量を増大させた場合、冷媒回路2の吐出し温度センサー22bが検知する温度が圧縮機保護のために設けた温度より上昇していないか、また共通熱交換器負荷側温度センサー25bが検知する温度が凍結防止のために設けた温度より低下していないか等の運転状態を調べ、冷媒回路2中に設けたセンサーから必要な値を読み込み、冷媒回路の状態が設定領域内であるかどうかを調べる。もし設定領域を越えそうな場合は、圧縮機または加圧ポンプ1bの運転容量の増大を中止する。
【0019】
以上の判断から冷媒回路2の余剰能力を把握することができ、その余剰能力内で必要な容量分だけを冷媒回路1に補填する。以上により冷媒回路2から必要な補填能力を得た冷媒回路1は冷房能力を増大させることができる。
一連の手順を行った後、再度使用者より要求がある場合は、本手順を一から繰り返す。以上の制御の流れを図4〜6に示す。
【0020】
次に、冷媒回路1の負荷側熱交換器5aと同一空間S1に存在し、冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプ1aを動かして暖房運転させている使用者P1が、暖房運転中にリモートコントローラ31a等を介して冷媒回路1への要求温度をさらに高く設定し、その結果冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプ1aの運転容量を最大にしても要求温度に到達できない場合に、冷媒回路2の圧縮機及び加圧ポンプ1bを運転或は運転容量を大きくすることで、冷媒回路2より冷媒回路1へ熱移動を行い、冷媒回路1の暖房能力を向上させて使用者P1が要求する空間S1の温度を確保する方法について図7、図8を用いて説明する。
【0021】
使用者P1が空間S1の温度を再設定する前で、共通熱交換器7間で熱移動を行わない場合は、図7のように熱源側熱交換器3aは蒸発器として、負荷側熱交換器5aは凝縮器として動作し、四方弁2aは暖房モードとして制御され、熱源側膨張機構4aはほとんど膨張されないように調整され、負荷側膨張機構6aは吐出し温度センサー22a、或いは吸込み温度センサー23aの検知した温度が目標値になるように調整され、共通熱交換器パス7aを流通する冷媒は低圧2相状態となる。このとき、冷媒回路2は停止していても運転していてもかまわないが、運転する場合は共通熱交換器パス7bを流通する冷媒は低圧2相状態にする。
【0022】
一方、使用者P1が空間S1の温度を再設定して、冷媒回路2の共通熱交換器パス7bから冷媒回路1の共通熱交換器パス7aへ熱移動を行う場合は、図8のように熱源側熱交換器3a、3bは蒸発器として、負荷側熱交換器5a、5bは凝縮器として動作し、四方弁2a、2bは暖房モードとして制御され、熱源側膨張機構4aは冷媒をほとんど膨張させないようにして、熱源側膨張機構4bは共通熱交換器熱源側温度センサー24a、或いは吐出し温度センサー22a、或いは吸込み温度センサー23aの検知した温度が目標値になるように調整され、負荷側膨張機構6aは共通熱交換器熱源側温度センサー24b、或いは吐出し温度センサー22b、或いは吸込み温度センサー23bの検知した温度が目標値になるように調整され、負荷側膨張機構6bは冷媒をほとんど膨張させないように調整される。
以上の各駆動部及び各熱交換器内の状態を表2にまとめる。
【0023】
【表2】
Figure 0003660120
【0024】
その結果、共通熱交換器パス7aを流通する冷媒は低圧2相状態となり、共通熱交換器パス7bを流通する冷媒は高圧のガス、2相、或いは液状態となるので高圧状態の方が温度が高いため、熱は共通熱交換器パス7bから共通熱交換器パス7aへと移動して、共通熱交換器パス7aを流通する冷媒温度は上昇する。その結果圧縮機または加圧ポンプ1aの吸込み冷媒の比重は大きくなり、蒸発圧力上昇により圧縮機の圧縮効率もよくなるため、冷媒回路1aの循環冷媒量は増大し、その分だけ冷媒回路1の暖房能力が向上する。
【0025】
次に、運転手順について説明する。まず空間S1に存在し、冷媒回路1を暖房運転させている使用者が暖房能力を増大させる欲求を持ち、例えばリモートコントローラ31a上で24℃等の具体的要求温度を入力、或いは「寒いとき」ボタンを押す等すると、その入力信号は冷媒回路1の制御部32aが受信し、冷媒回路1の暖房能力を増大させようと、冷媒回路1の圧縮機または加圧ポンプ1aの運転容量を増大させる。最大容量以下の運転容量で要求温度を確保できた場合は、必要容量だけ運転容量を増大させて本制御を終える。
しかし運転容量を最大容量にしても使用者P1の要求する空間S1の温度を確保できない場合、冷媒回路2から能力を補填できるかどうかの判断を行う。その判断内容を以下に列挙する。
【0026】
まず、冷媒回路2の圧縮機及び加圧ポンプ1bの運転容量が、冷媒回路2を暖房運転している使用者P2が要求する空間S2温度にするために必要な容量を確保した上でさらに余剰が存在するかどうかを調べる。例えば圧縮機及び加圧ポンプ1bがほとんど最大で運転されている場合は、余剰分がほとんどないので、冷媒回路1の暖房能力を補填できないと判断を下す。
次に、圧縮機及び加圧ポンプ1bに余剰の運転容量が存在することが判明し、1bの運転容量を増大させた場合、冷媒回路2の吐出し温度センサー22bが検知する温度が圧縮機保護のために設けた温度より上昇していないか、また霜取検知センサーが検知する温度が極端な着霜や循環冷媒量低下を防止するために設けた温度より低下していないか、等の運転状態を調べ、冷媒回路2中に設けたセンサーから必要な値を読み込み、冷媒回路の状態が設定領域内であるかどうかを調べる。もし設定領域を越えそうな場合は、運転容量の増大を中止する。
【0027】
以上の判断から冷媒回路2の余剰能力を把握することができ、その余剰能力内で必要な容量分だけを冷媒回路1に補填する。以上により冷媒回路2から必要な補填能力を得た冷媒回路1は暖房能力を増大させることができる。
一連の手順を行った後、再度使用者より要求がある場合は、本手順を一からくり返す。以上の制御の流れを図9〜11に示す。
【0028】
実施形態1では、共通熱交換器を共有する複数の冷媒回路の中で、ある冷媒回路を使用して冷房及び暖房運転を行っている使用者が、さらに能力を必要とする方向で対象空間の要求温度を設定した場合に、その回路の圧縮機及び加圧ポンプの運転容量を増大させ、最大容量にしても使用者の要求温度を確保できない場合に、余剰の運転容量が存在してかつ共通熱交換器を介して能力不足回路間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が発生しない他回路を見つけて、他回路より能力を補填することで使用者の要求する対象空間内温度を確保することを可能にしている。
【0029】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図面を参照して説明する。
実施の形態2の構成は、上記実施の形態1の図1と同一である。
次に、冷媒回路1の負荷側熱交換器5aが存在する空間S1において、冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプ1aを動かして冷房運転させている場合、室外ユニットを設置している場所の周囲温度が上昇し、その結果冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプ1aの運転容量を最大にしても現行の空間S1内温度を確保できない場合に、冷媒回路2の圧縮機及び加圧ポンプ1bを運転或は運転容量を大きくすることで、冷媒回路1より冷媒回路2へ熱移動を行い、冷媒回路1の冷房能力を向上させて、室外ユニットを設置している場所の周囲温度が上昇する前と同一の空間S1温度を確保する方法について説明する。
【0030】
室外ユニットの周囲温度が上昇する前で、共通熱交換器7間で熱移動を行わない場合は、図2のようになりこれは実施の形態1の使用者P1が空間S1の温度を再設定する前の説明と同一である。
また室外ユニットの周囲温度が上昇して冷媒回路1の共通熱交換器パス7aから冷媒回路2の共通熱交換器パス7bへ熱移動を行う場合は図3のようになり、これも実施の形態1の使用者P1が空間S1の温度を再設定した後の説明と同一なので、いずれも説明を省略する。
【0031】
次に、運転手順について説明する。まず冷媒回路1の室外ユニットの周囲温度が上昇し始めると凝縮圧力が上昇し、冷媒回路1の冷房能力が低下し始める。この状態が続くと負荷側熱交換器5aが存在する空間S1内の温度が上昇する。そこで空間S1内の温度を一定に保つために圧縮機または加圧ポンプ1aの運転容量を増大して冷媒回路1の冷房能力低下を防ぐ。最大容量以下の運転容量で冷房能力低下を防ぎ、空間S1内温度を一定に保つことができた場合は、必要容量だけ運転容量を増大させて本制御を終える。
しかし運転容量を最大容量にしても冷房能力が低下し空間S1内温度が上昇してしまう場合、冷媒回路2から能力を補填できるかどうかの判断を行う。その判断内容は実施の形態1の判断内容と同一なので説明を省略する。
【0032】
以上の判断から冷媒回路2の余剰能力を把握することができ、その余剰能力内で必要な容量分だけを冷媒回路1に補填する。以上により冷媒回路2から必要な補填能力を得た冷媒回路1は冷房能力低下を防ぎ、空間S1内温度を一定に保つことができる。
一連の手順を行った後、室外ユニットの周囲温度がさらに上昇した場合は、本手順を一からくり返す。以上の制御の流れを図12に示す。
【0033】
次に、冷媒回路1の負荷側熱交換器5aが存在する空間S1において、冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプ1aを動かして暖房運転させている場合、室外ユニットを設置している場所の周囲温度が低下し、その結果冷媒回路1の圧縮機及び加圧ポンプの運転容量を最大にしても現行の空間S1内温度を確保できない場合に、冷媒回路2の圧縮機及び加圧ポンプ1bを運転或は運転容量を大きくすることで、冷媒回路2より冷媒回路1へ熱移動を行い、冷媒回路1の暖房能力を向上させて、室外ユニットを設置している場所の周囲温度が低下する前と同一の空間S1温度を確保する方法について説明する。
【0034】
室外ユニットの周囲温度が低下する前で、共通熱交換器7間で熱移動を行わない場合は、図7のようになりこれは実施の形態1の使用者P1が空間S1の温度を再設定する前の説明と同一である。また室外ユニットの周囲温度が低下して冷媒回路1の共通熱交換器パス7bから冷媒回路2の共通熱交換器パス7aへ熱移動を行う場合は図8のようになり、これも実施の形態1の使用者P1が空間S1の温度を再設定した後の説明と同一なので、いずれも説明を省略する。
【0035】
次に、運転手順について説明する。まず冷媒回路1の室外ユニットの周囲温度が低下し始めると蒸発圧力が低下し、冷媒回路1の暖房能力が低下し始める。この状態が続くと負荷側熱交換器5aが存在する空間S1内の温度が低下する。そこで空間S1内の温度を一定に保つために圧縮機または加圧ポンプ1aの運転容量を増大して冷媒回路1の暖房能力低下を防ぐ。最大容量以下の運転容量で暖房能力低下を防ぎ、空間S1内温度を一定に保つことができた場合は、必要容量だけ運転容量を増大させて本制御を終える。
しかし運転容量を最大容量にしても暖房能力が低下し空間S1内温度が低下してしまう場合、冷媒回路2から能力を補填できるかどうかの判断を行う。その判断内容は実施の形態1の判断内容と同一なので説明を省略する。
【0036】
以上の判断から冷媒回路2の余剰能力を把握することができ、その余剰能力内で必要な容量分だけを冷媒回路1に補填する。以上により冷媒回路2から必要な補填能力を得た冷媒回路1は暖房能力低下を防ぎ、空間S1内温度を一定に保つことができる。
一連の手順を行った後、室外ユニットの周囲温度がさらに低下した場合は、本手順を一からくり返す。以上の制御の流れを図13に示す。
【0037】
実施形態2では、共通熱交換器を共有する複数の冷媒回路の中で、ある冷媒回路の室外ユニットの周囲温度が上昇或いは低下することにより、冷房及び暖房能力が低下して対象空間内の温度を一定に保てなくなり、さらにその回路の圧縮機及び加圧ポンプの運転容量を増大させ、最大容量にしても対象空間内の温度を一定に保つことができない場合、余剰の運転容量が存在してかつ共通熱交換器を介して能力不足回路間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が発生しない他回路を見つけて、他回路より能力を補填することで対象空間内温度を一定に確保することを可能にしている。
【0038】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図面を参照して説明する。
実施の形態3の構成は上記実施の形態1の図1と同一である。
暖房運転中の冷媒回路1が、暖房運転を継続しながら冷媒回路2から共通熱交換器7を介して移動した熱を利用して着霜した熱源側熱交換器3aを除霜する方法を図14に基づいて説明する。
【0039】
冷媒回路1において、霜取検知センサー26aで検知した温度をモニタリングして一定時間、ある温度以下の状態が続いて熱源側熱交換器3aの除霜が必要であると制御部32aが判断した場合、熱源側熱交換器3a、3bは蒸発器として、負荷側熱交換器5a、5bは凝縮器として動作し、四方弁2a、2bは暖房モードとして制御され、熱源側膨張機構4aは冷媒をほとんど膨張させないようにして、熱源側膨張機構4bは共通熱交換器熱源側温度センサー24a、或いは吐出し温度センサー22a、或いは吸込み温度センサー23aの検知した温度が目標値になるように調整され、負荷側膨張機構6aは共通熱交換器熱源側温度センサー24b、或いは吐出し温度センサー22b、或いは吸込み温度センサー23bの検知した温度が目標値になるように調整され、負荷側膨張機構6bは冷媒をほとんど膨張させないように調整される。
各駆動部と各熱交換器内の状態を表3に記述する。
【0040】
【表3】
Figure 0003660120
【0041】
その結果、共通熱交換器パス7aを流通する冷媒は低圧2相状態となり、共通熱交換器パス7bを流通する冷媒は高圧のガス、2相、或いは液状態となるので高圧状態の方が温度が高いため、熱は共通熱交換器パス7bから共通熱交換器パス7aへと移動して、共通熱交換器パス7aを流通する冷媒温度は上昇する。その際に共通熱交換器パス7aの出口過熱度を20度以上と大きくとり、その後流通する熱源側熱交換器3aの中で凝縮させて、凝縮熱を用いて除霜する。凝縮器を流通した冷媒は低圧2相状態になり圧縮機1a吸込み管へと戻る。
除霜中も冷媒回路1の負荷側熱交換器5aには高圧ガスが流通するため、負荷側の運転、即ち暖房運転を継続することが可能である。
【0042】
次に、運転手順について説明する。
霜取検知センサー26aで検知した温度をモニタリングして一定時間、ある温度以下の状態が続いて熱源側熱交換器3aの除霜が必要であると制御部32aが判断した場合、まず冷媒回路2から能力を補填できるかどうかの判断を行う。その判断内容は実施の形態1の判断内容と同一なので説明を省略する。
【0043】
以上の判断から冷媒回路2の余剰能力を把握することができ、その余剰能力内で、冷媒回路1の熱源側熱交換器5aの除霜に必要な分だけを冷媒回路1に補填する。以上により冷媒回路2から除霜に必要な能力を補填された冷媒回路1は暖房運転を継続しながら熱源側熱交換器3aの除霜を行うことができる。
以上の制御の流れを図15、図16に示す。
【0044】
以上のようにこの実施形態3では、共通熱交換器を共有する複数の冷媒回路の中で、ある冷媒回路の熱源側熱交換器の除霜が必要と判断された場合、余剰の運転容量が存在してかつ共通熱交換器を介して能力不足回路間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が発生しない他回路を見つけ、他回路より除霜に必要な能力を補填することでその冷媒回路での暖房運転を継続しながら熱源側熱交換器の除霜を可能にしている。
【0045】
実施の形態3を低温のショーケースに適用する場合の例を図17に示す。室内に冷媒回路が異なるショーケース(負荷側熱交換器)5a、5bが存在し、それぞれは圧縮機又は加圧ポンプ1a、1b、熱源側熱交換器3a、3b、熱源側膨張機構4a、4b、負荷側膨張機構6a、6b、共通熱交換器7と環状に接続されている。通常、ショーケースに付着した霜を取るには、ショーケースに電熱線を巻いて、除霜したい時に電源を入れ、電熱線をあたため、その熱を利用して除霜する。本実施の形態の場合は他回路の余剰能力を用いて除霜を行うため電熱線は不用である。各駆動部及び各熱交換器内の状態を表4に記述する。
【0046】
【表4】
Figure 0003660120
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る空気調和装置によれば、冷媒回路間で共有する共通熱交換器を利用して、ある冷媒回路の能力を他回路の余剰能力を利用して補填して能力を増大させたり、能力低下を抑制することができる。
またある回路の熱源側熱交換器の除霜をする場合に他回路の余剰能力を利用して、暖房運転を継続したまま除霜を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す冷媒回路図である。
【図2】 実施の形態1の通常冷房時の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【図3】 実施の形態1のある回路の冷房能力増加時の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【図4】 実施の形態1のある回路の冷房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図5】 実施の形態1のある回路の冷房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図6】 実施の形態1のある回路の冷房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図7】 実施の形態1の通常暖房時の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【図8】 実施の形態1のある回路の暖房能力増加時の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【図9】 実施の形態1のある回路の暖房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図10】 実施の形態1のある回路の暖房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図11】 実施の形態1のある回路の暖房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図12】 実施の形態2のある回路の冷房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図13】 実施の形態2のある回路の暖房能力増加時の制御フローチャート図である。
【図14】 実施の形態3の除霜用能力を他回路より補填される場合の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【図15】 実施の形態3の除霜用能力を他回路より補填される場合の制御フローチャート図である。
【図16】 実施の形態3の除霜用能力を他回路より補填される場合の制御フローチャート図である。
【図17】 実施の形態3の冷媒回路例としてのショーケース設置例を示す図である。
【図18】 従来の空気調和装置の冷媒回路図である。
【符号の説明】
A,B 熱源側ユニット、S1,S2 負荷側熱交換器の存在する空間、P1,P2 各冷媒回路を運転させている使用者、X,Y 負荷側ユニット、U 熱移動ユニット、1a,1b 圧縮機及び加圧ポンプ、2a,2b 四方弁及び冷暖切換弁、3a,3b 熱源側熱交換器、4a,4b 熱源側膨張機構、5a,5b 負荷側熱交換器、6a,6b 負荷側膨張機構、7 共通熱交換器、7a,7b 共通熱交換器パス、10a,10b 吐出配管、11a,11b 熱源側ガス配管、12a,12b 負荷側ガス配管、13a,13b 熱源側液配管、14a,14b 負荷側液配管、15a,115b 吸入配管、21a,21b 室温センサー、22a,22b 吐出温度センサー、23a,23b 吸込み温度センサー、24a,24b 共通熱交換器熱源側温度センサー、25a,25b 共通熱交換器負荷側温度センサー、25a,25b 霜取検知温度センサー、31a,31b リモートコントローラ、32 システムの駆動部の制御部。

Claims (3)

  1. 圧縮機または冷媒ポンプと、四方弁または冷暖切換弁と、熱源側熱交換器と、熱源側膨張機構と、負荷側膨張機構と、負荷側熱交換器と、前記四方弁または冷暖切換弁と前記圧縮機または冷媒ポンプとを環状に接続して構成される複数の冷媒回路と、この冷媒回路の前記熱源側膨張機構と前記負荷側膨張機構との間に接続され、前記冷媒回路によって共有される共通熱交換器とを備えた空気調和装置において、
    各冷媒回路間で熱移動を行わない場合に、ある冷媒回路で前記圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を最大にしても使用者の要求能力を確保できない場合、余剰の運転容量が存在してかつ前記共通熱交換器を介して能力不足回路との間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が生じない他の冷媒回路を選択し、
    この選択された他の冷媒回路の前記圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を増加させると同時に、前記選択された他の冷媒回路及び前記能力不足のある冷媒回路において、前記共通熱交換器へ流通する冷媒温度を前記共通熱交換器の両端に各冷媒回路ごとに接続された前記熱源側膨張機構及び前記負荷側膨張機構の絞り具合を制御して熱移動方向及び量を調整し、前記能力不足のある冷媒回路の能力を前記他の冷媒回路の余剰能力で補填するように各冷媒回路間での熱移動を行い、
    各冷媒回路間で熱移動を行わない場合でも、各冷媒回路は前記共通熱交換器へ冷媒を流通することを特徴とする空気調和装置の制御方法。
  2. 圧縮機または冷媒ポンプと、四方弁または冷暖切換弁と、熱源側熱交換器と、熱源側膨張機構と、負荷側膨張機構と、負荷側熱交換器と、前記四方弁または冷暖切換弁と前記圧縮機または冷媒ポンプとを環状に接続して構成される複数の冷媒回路と、この冷媒回路の前記熱源側膨張機構と前記負荷側膨張機構との間に接続され、前記冷媒回路によって共有される共通熱交換器とを備えた空気調和装置において、
    冷房運転時に外気温度が予め定められた設定温度以上になった場合に、又は暖房運転時に外気温度が予め定められた設定温度以下になった場合に、前記全冷媒回路中、運転負荷容量が大きくかつ前記圧縮機または冷媒ポンプの運転容量も最大値或いは最大値に近いある冷媒回路に対して、余剰の運転容量が存在してかつ前記共通熱交換器を介して能力不足回路との間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が生じない他の冷媒回路を選択し、
    この選択された他の冷媒回路の前記圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を増加させると同時に、前記選択された他の冷媒回路及び前記運転負荷容量が大きいある冷媒回路において、前記共通熱交換器へ流通する冷媒温度を前記共通熱交換器の両端に各冷媒回路ごとに接続された前記熱源側膨張機構及び前記負荷側膨張機構の絞り具合を制御して熱移動方向及び量を調整し、前記運転負荷容量が大きいある冷媒回路の能力を前記選択された他の冷媒回路の余剰能力で補填するように各冷媒回路間での熱移動を行い、
    各冷媒回路間で熱移動を行わない場合でも、各冷媒回路は前記共通熱交換器へ冷媒を流通することを特徴とする空気調和装置の制御方法。
  3. 圧縮機または冷媒ポンプと、四方弁または冷暖切換弁と、熱源側熱交換器と、熱源側膨張機構と、負荷側膨張機構と、負荷側熱交換器と、前記四方弁または冷暖切換弁と前記圧縮機または冷媒ポンプとを環状に接続して構成される複数の冷媒回路と、この冷媒回路の前記熱源側膨張機構と前記負荷側膨張機構との間に接続され、前記冷媒回路によって共有される共通熱交換器とを備えた空気調和装置において、
    暖房運転中に前記熱源側熱交換器の霜取を行うある冷媒回路が発生した場合に、余剰の運転容量が存在してかつ前記共通熱交換器を介して能力不足回路との間で熱を移動しても冷媒回路上で問題が生じない他の冷媒回路を選択し、
    この選択された他の冷媒回路の前記圧縮機または冷媒ポンプの運転容量を増加させると同時に、前記選択された他の冷媒回路及び前記霜取を行うある冷媒回路において、前記共通熱交換器へ流通する冷媒温度を前記共通熱交換器の両端に各冷媒回路ごとに接続された前記熱源側膨張機構及び前記負荷側膨張機構の絞り具合を制御して熱移動方向と量を調整し、前記選択された他の冷媒回路の余剰能力を使用して前記ある冷媒回路の霜取を行うように各冷媒回路間での熱移動を行い、
    各冷媒回路間で熱移動を行わない場合でも、各冷媒回路は前記共通熱交換器へ冷媒を流通することを特徴とする空気調和装置の制御方法。
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