JP3659813B2 - マーク識別方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、識別マークを絵柄や他のマークと区別して識別するための方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
帯状の鋼板や紙を切断する場合、切断位置を特定するため等の目標としてそれらに識別マークが付されることがある。この識別マークを認識することにより、識別マークの位置を把握することができるので、所望の位置で帯状材を切断することができる。そして、この識別マークを認識する方法として、従来では、識別マークよりも大きい帯状材の領域に光を照射し、識別マークを画像として認識し、処理する方法が知られている。
【0003】
また、特公平5−82399号公報には下記の方法が開示されている。まず、絵柄の走行パスラインとは外れた位置であるウェブの一方の側縁部にその長手方向に亘ってマークのみを付する部分を設け、その部分に識別マークであるレジスタマークと他のマークとを付する。なお、他のマークが付されている間隔よりも二倍以上それらのマークから離れた位置に独立してレジスタマークを付する。そして、光電式ヘッドからの信号によってレジスタマークを認識する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像認識による方法では、処理に多くの演算量が必要であり、かつ高度な演算を要するので、認識速度が遅延化する可能性があった。その結果、帯状材の走行速度を高速化することが困難になる可能性があった。
【0005】
また、特公平5−82399号公報に開示されている発明では、レジスタマークの誤認識を防ぐために、レジスタマークが付された部分をウェブの側縁部に設けるために、結果としてこのレジスタマークが付された部分がスクラップとなる。その結果、材料歩留まりが低下する可能性があった。
【0006】
さらに、この発明では、レジスタマークとは異なる他のマークが付されている間隔よりも二倍以上それらのマークから離れた位置に独立してレジスタマークを付する必要があるので、レジスタマークと他のマークとを所望の位置に付することが困難になる可能性があった。
【0007】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、識別マークを絵柄や他のマークと区別して迅速に識別することのできるマーク識別方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、一定方向に走行する帯状材の表面に、その表面に繰り返し付けられた絵柄と同一走行線上にその絵柄と区別して設けられた識別マークを識別するマーク識別方法において、前記表面に照射した光の反射光に基づいて、前記表面に付されている表示物の前記帯状材の走行方向に対して直交する幅方向の受光量デジタル信号パターンを検出し、該受光量デジタル信号パターンの出力順序と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とが一致した場合に、該表示物の走行方向の長さを判定するための指示信号が出力され、該判定指示信号と帯状材の走行パルス信号とから、前記判定指示信号が出力されている間の前記帯状材の走行方向の送り長さを計測し、その計測した長さが予め設定された基準長さと一致した場合に、前記表示物を前記識別マークとすることを特徴とする方法である。
【0009】
したがって、請求項1の発明によれば、帯状材の走行方向とは直交する方向における表示物の受光量デジタル信号パターンを検出し、その受光量デジタル信号パターンの出力順序が、予め設定された識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序と一致した場合に、その表示物の走行方向における長さを計測し、その計測長さが予め設定された基準長さと一致した場合に、その表示物を識別マークとすることによって、識別マークの形状と大きさとを認識でき、識別マークを絵柄や他のマーク等と容易に識別することができる。
【0010】
また請求項2の発明は、請求項1の発明の構成に加えて、前記表示物の受光量デジタル信号パターンの出力順序と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較する際に、前記表示物の前記帯状材の走行方向における境界部分で生じる、前記反射光もしくは該反射光に基づく検出信号を除去するマスク処理を行い、そのマスク処理を施した後に得られる前記受光量デジタル信号パターンの出力変化と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較することを特徴とする方法である。
【0011】
したがって請求項2の発明では、表示物の境界部分で生じる反射光やそれに基づく検出信号を除去するマスク処理を行い、そのマスク処理を施した後に得られる前記受光量デジタル信号パターンの出力変化と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較することによって、識別マークの境界部分で生じるデジタル区分しにくい中間レベルの反射光の影響を受けることなく表示物の受光量デジタル信号パターンを得ることができる。その結果、識別マーク通過判定の処理数が簡素化され、識別マークをより容易・確実に識別することができる。
【0012】
また請求項3の発明は、一定方向に走行する帯状材の表面に、その表面に繰り返し付された絵柄と同一走行線上にその絵柄と区別して設けられた識別マークを識別するマーク識別装置において、前記マークが設けられている前記帯状材の面に光を照射する光源と、前記帯状材の幅方向における前記識別マークの長さよりも長い区間に亘って前記帯状材の面からの反射光を受光して受光量アナログ信号を出力する受光手段と、その受光手段で得られた受光量アナログ信号をデジタル変換して前記帯状材の表面に付けられている表示物の幅方向の受光量デジタル信号パターンをつくり、該受光量デジタル信号パターンの出力順序と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較し、両者が一致した場合に、前記表示物の走行方向の長さを判定する判定指示信号を出力する幅方向パターン判定手段と、その幅方向パターン判定手段から出力される前記判定指示信号と、前記帯状材の走行ローラから発せられるパルス信号とに基づいて、前記判定指示信号が入力されている間の前記帯状材の送り長さを計測し、予め定めた基準長さと比較して両者が一致することにより前記表示物を識別マークと判定する長さ判定手段とを備えていることを特徴とする装置である。
【0013】
したがって請求項3の発明では、光源と受光手段と幅方向パターン比較手段と長さ判定手段とを設けることによって、画像処理装置を使用する場合と比較して、マークの識別に必要となる演算量が少なくて済む。そのため、帯状材の走行方向での二つの絵柄の間に識別マークが存在しても、複雑な装置を使用せずに識別マークを高速で高精度に検出することができる。その結果、帯状材の走行速さを速くすることができるとともに、ラインの効率を上昇させることができる。
【0014】
また、帯状材の幅方向におけるマークの幅よりも長い区間に亘って帯状材の面からの反射光を受光手段が受光することによって、帯状材が蛇行したりすることによりその幅方向にぶれて識別マークからの反射光を受光手段が受光することができなかったり、マークを認識せずにとばしてしまったりすることを防ぐことができる。
【0015】
さらにまた、請求項4の発明は、請求項3の発明の構成に加えて、前記受光手段が、前記帯状材の幅方向における前記識別マークの長さよりも長い区間に亘る部分からの反射光を受光する幅方向受光部と、帯状材の走行方向に沿う複数箇所からの反射光を受光する境界受光部とを備えるとともに、前記表示物の走行方向における境界部分で生じる前記反射光に基づく信号を除去するマスク手段を更に備えていることを特徴とするものである。
【0016】
したがって、請求項4の発明では、表示物の境界部分で生じる反射光に基づく信号を除去するマスク手段を備えることによって、受光レベルが連続的に取り込まれる際に、識別マークの走行方向における境界部分で生じる反射光を受光する受光面積による影響(点受光と異なり面受光では、境界部分を中間レベルと判定するため、処理が複雑となる)を取り除いて、表示物の実際の走行方向における受光量デジタル信号パターンを得ることができる。その結果、識別マークをより容易・確実に識別することができる。
【0017】
そして、請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明の構成に加えて、前記受光手段が、前記帯状材の幅方向における前記識別マークの長さよりも長い区間に亘って配置されたn個(但し、nは自然数)の受光素子と、前記帯状材の走行方向において該受光素子の両側にそれぞれ少なくとも一個ずつ設けられる第二の受光素子とから構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
したがって、請求項5の発明では、受光手段が、帯状材の幅方向における識別マークの長さよりも長い区間に亘って配置されたn個(但し、nは自然数)の受光素子と、帯状材の走行方向において該受光素子の両側にそれぞれ少なくとも一個ずつ設けられる第二の受光素子とから構成されていることによって、帯状材の幅方向と走行方向とにおける識別マークのパターンを認識することができる。その結果、受光素子を帯状材の走行方向に多数設け、識別マークより大きい二次元に受光素子を配列して、マーク全体の形状や大きさを一度に認識することなしに、識別マークを高速かつ高精度に識別することができる。さらに、受光素子を帯状材の走行方向に多数設ける場合と比較して、設ける受光素子の総数が少なくなるので、その分コストダウンを図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の具体例を図面を参照して説明する。まず、この発明の装置について説明すると、図1はこの発明によるマーク識別装置の一例を示す概略図である。この具体例で用いられる帯状材1には、その表面に表示物である絵柄2と矩形状の識別マーク3とが付されている。なお、これらの絵柄2と識別マーク3とは、例えばそれらが予め付されたフィルムを帯状材1に貼着することにより付されている。また、識別マーク3の近傍には絵柄2が設けられず、さらに識別マーク3の周囲は、一般的に絵柄2が設けられず、その部分は識別マーク3の色とは異なる単色が付された(無地)背景部3Bとなっている。さらに、帯状材1は図1における右方向に走行している。
【0020】
また、マーク識別装置4には、識別マーク3を読み取るための光5を、フィルムが貼着されている帯状材1の面に照射する光源6が設けられている。この光源6には、交流高周波点灯や直流連続点灯が可能な蛍光灯、あるいはハロゲンランプやLED等が用いられる。
【0021】
さらに、帯状材1に照射された光5による反射光7を受光する受光部8が設けられている。この受光部8には、図2に示すように、受光素子として光ファイバ31が帯状材1の幅方向に亘って一列に設けられている。そして、これらの光ファイバ31は、処理回路数を半減させるためにその配列方向での一方の端部から順に二本ごとに一組とされ、合計で32組の光ファイバ31が設けられている。なお、この帯状材1の幅方向における一列の光ファイバ31の長さは、識別マーク3の周囲を判定条件に加えることと帯状材1の蛇行とを考慮して、帯状材1の幅方向における識別マーク3の長さよりも長くなるように構成されている。また、この光ファイバ31が幅方向受光部を構成している。
【0022】
そして、これら32組の光ファイバ31に一方の端部から連続番号を付けると、16組目に該当する一組の光ファイバ31、すなわち、帯状材1の幅方向における光ファイバ31の列の中間部に位置する光ファイバ31には、第二の受光手段として、光ファイバ31と径が等しい差動用光ファイバ32がそれぞれ二本ずつ一組とされ、つまり16組目の光ファイバ31に対して帯状材1の走行方向の下流側には差動用光ファイバ32αが設けられ、また上流側には差動用光ファイバ32βが設けられている。なお、この差動用光ファイバ32が境界受光部を構成している。また、「差動用」とは、光ファイバによって受光した反射光量の差を認識することを意味するものである。
【0023】
そして、光ファイバ31と差動用光ファイバ32とが接続され、かつそれらの光ファイバ31と差動用光ファイバ32とによって受光した反射光7に対応する受光量信号9が入力されるプリアンプ10が設けられている。このプリアンプ10は、光ファイバ31と差動用光ファイバ32とのそれぞれの受光量信号9をアナログ信号11に変換するものであり、従来より知られたものが採用される。また、この受光量信号9は、反射光7が生じる帯状材1の光5が照射されている表面部分の色彩や明暗によって変化し、この受光量信号9に対応するアナログ信号11も変化する。
【0024】
さらに、プリアンプ10からの複数のアナログ信号11が入力される信号領域判定回路部12が設けられている。この信号領域判定回路部12には予めアナログ信号に関する複数の閾値が設定されている。そして、この信号領域判定回路部12は、これらの閾値によってアナログ信号11の信号領域を複数の領域(アナログ信号領域13)に区分し、複数のアナログ信号11のそれぞれについてどのアナログ信号領域13に該当するかを判定するものである。
【0025】
また、プリアンプ10からの複数のアナログ信号11のうち、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11と二つの差動用光ファイバ32のアナログ信号11とが、境界処理回路部14に入力されている。この境界処理回路部14は、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11と二つの差動用光ファイバ32のアナログ信号11とを用いることによって、マスク処理のための境界ON・OFF信号15を出力するものである。
【0026】
なお、マスク処理とは、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11と差動用光ファイバ32のアナログ信号11に、ある値以上の差が生じた場合を、色と色との境界を認識したとして境界ON・OFF信号をONにし、境界ON・OFF信号15がONである間、色と色との境界で一時的に発生する信号(識別マーク3ではなく、背景部3Bでもない信号)を、判定に不適切な信号として、判定に含まないようにする(無視する)ことである。
【0027】
そして、信号領域判定回路部12の後に、該回路部12において判定された各アナログ信号領域13A,13B,13Cに対応する3種類のデジタル信号16が入力される信号領域計数回路部17が設けられている。この信号領域計数回路部17では、32個のデジタル信号16を直列処理するために、まず32個のデジタル信号16を並列から直列変換し、幅方向に配置された光ファイバ31に対応して1組目から32組目の順番に番地付けして直列に並べて受光量デジタル信号パターンをつくる。そして、1組目のデジタル信号16から順番に32組目まで、そのデジタル値によって複数のカウンタ(図示せず)のいずれかに振り分け入力され、連続して入力されたデジタル信号16の個数を計数し、内容がクリアされるようになっている。さらに、その計数結果から、受光量デジタル信号パターンを、予め設定してある識別マーク3の受光量デジタル信号パターン、背景部3Bの受光量デジタル信号パターンと比較することによって、どちらに該当するかを判定し、さらにいずれにも該当しない場合には絵柄2の受光量デジタル信号パターンと判定する。そして、この3種類のいずれかの判定結果信号19が信号領域計数回路部17から出力されるようになっている。
【0028】
さらに、判定結果信号19と境界ON・OFF信号15とが入力される最終判定回路部20が設けられている。この最終判定回路部20は、識別マーク3の通過を判定し、その通過を意味する長さ判定指示信号21を後述する帯状材送り長さ判定部23へ出力する。すなわち、例えば識別マーク3の通過時には、判定結果信号19の出力順序が「背景部3B」→「識別マーク3」→「背景部3B」と信号変化するが、最終判定回路部20では判定結果信号19の、この出力順序を判定するとともに、識別マーク信号の長さを送り長さ判定部23で判定させるための、長さ判定信号(マーク信号ともいう)21を出力する。まず、この最終判定回路部20では、判定結果信号19の出力順序が、「背景部3B」→「識別マーク3」に信号変化した時点でのみ、長さ判定指示信号21の出力が開始され、その出力が継続されるように構成されている。この時点では、その後、判定結果信号19の出力が識別マーク3の通過時の順序である「背景部3B」に信号変化するのかどうかわからないが、このあと判定結果信号19の出力が「背景部3B」に信号変化した時点でのみ、長さ判定指示信号21の出力が停止される。この結果、最終判定回路部20は、判定結果信号19の出力順序が、「背景部3B」→「識別マーク3」→「背景部3B」と信号変化した場合の、判定結果信号19の出力が「識別マーク3」の信号変化時に、長さ判定指示信号21を出力している。また、この最終判定回路部20は、信号出力許可信号22を帯状材送り長さ判定部23へ出力する。この信号出力許可信号22は、通常ONであるが、判定結果信号19の出力順序が「背景部3B」→「識別マーク3」に信号変化し、その後、それらのどちらでもない「絵柄2」の信号に変化した時点で、OFFになるように構成されている、なお、この信号出力許可信号22をOFFにした場合は、判定結果信号19の出力が「背景部3B」に信号変化した後、一定時間後ONに復帰するように構成されている。
【0029】
この最終判定回路部20では、16組目の光ファイバ31と差動用光ファイバ32のアナログ信号11にある値以上の差が生じた場合にONとなる境界ON・OFF信号15がONである際に、判定結果信号19が絵柄信号19Cとなった場合のみ判定結果信号19がマスク処理される。
【0030】
このマスク処理について更に説明する。最終判定回路部20において、識別マーク3が通過した際には、判定結果信号19の出力順序が、背景信号19A→マーク信号19B→背景信号19Aとなることが期待される。信号領域計数回路部17で、この背景信号19A、マーク信号19Bを形成するために、信号領域判定回路部12において背景部3Bのアナログ信号領域13Aと識別マーク3のアナログ信号領域13Bを予め設定しているが、これら二つの領域は互いに隣接せず、また、受光部8の複数のファイバ径おのおのが極めて小さいとはいえ、点ではなく面で受光しているため、色と色との境界部分では、アナログ信号11が、必ず、前記アナログ信号領域13Aと13Bのどちらにも属さないアナログ信号領域13Cに入る結果、信号領域計数回路部17から出力される判定結果信号19が、背景信号19Aでなく、マーク信号19Bでもない絵柄信号19Cとなってしまう。すなわち、最終判定回路部20において、識別マーク3が通過した際に、判定結果信号19の出力順序が背景信号19A→マーク信号19B→背景信号19Aとなることが期待されるにもかかわらず、判定結果信号19の出力順序が、背景信号19A→絵柄信号19C→マーク信号19B→絵柄信号19C→背景信号19Aとなり、最終判定回路部20が識別マーク3の通過を認識できなくなることを防ぐため、さらに言えば、色と色との境界で形成される絵柄信号19Cと帯状材1の絵柄2部分で形成される絵柄信号19Cの両者を区別するために、色と色との境界部分でONにする境界ON・OFF信号15がONである間に、信号領域計数回路部17より一時的に出力された絵柄信号19Cを、成立順序を判定する際の信号として採用せず無視するように構成されている。
【0031】
したがって、この具体例では、絵柄信号19Cを一定区間無視するために、16組目の光ファイバ31と差動用光ファイバ32のアナログ信号11の差に対して、予め閾値を設定しておき、それを越える場合に、境界ON・OFF信号15をONにするように構成されている。
【0032】
そして、最終判定回路部20の後に、長さ判定指示信号21と信号出力許可信号22とが入力される帯状材送り長さ判定部23が設けられている。また、この帯状材送り長さ判定部23には、パルス信号24が入力される。なお、このパルス信号24は、帯状材1を走行させる走行ローラ25の回転と同期している走行ローラパルス発生器26から発せられるものである。そして、そのパルス信号24と長さ判定指示信号21とから、長さ判定指示信号21が入力される間の帯状材1の送り長さを計測する。さらに、予め設定された帯状材1の走行方向における識別マーク3の長さと比較し、これらが一致している場合に長さ一致信号27を形成し、この長さ一致信号27と信号出力許可信号22の論理積により、マーク検出信号28を出力する。
【0033】
つぎに、上記構成の実施例の作用、すなわちこの発明による方法の一例について説明する。図1において、識別マーク3や絵柄2の印刷されているフィルムを帯状材1に貼着することにより、帯状材1に識別マーク3および絵柄2が付されており、その帯状材1が図1における右方向に走行される。そして、帯状材1のフィルムが貼着された面(図1における帯状材1の上面)に光源6から光5が照射され、その反射光7が受光部8の光ファイバ31と差動用光ファイバ32とに取り入れられる。
【0034】
光ファイバ31と差動用光ファイバ32とに取り入れられた反射光7の光量に相当する受光量信号9がプリアンプ10に入力され、光ファイバ31と差動用光ファイバ32ごとにそれぞれアナログ信号11に変換される。そして、帯状材1が走行して、光5が反射する帯状材1の模様が、識別マーク3や絵柄2や識別マーク3の背景部3Bに変化することによって、受光量信号9が連続的に変化し、それに伴いアナログ信号11が連続的に変化する。そして、識別マーク3や絵柄2あるいは識別マーク3の背景部3Bに対応したアナログ信号11がプリアンプ10から出力される。
【0035】
さらに、プリアンプ10から出力された複数のアナログ信号11が信号領域判定回路部12に入力される。そして、この信号領域判定回路部12では、アナログ信号11が予め設定された閾値によってどのアナログ信号領域13に該当するかが判断される。この判断過程を図3を用いて詳しく説明する。図3(a)に示すグラフは、複数設けられた光ファイバ31のうちの、ある一組の光ファイバ31で受光した受光量信号9を変換したアナログ信号11の、帯状材1の移動に伴う変化を示したもので、縦軸がアナログ信号11の電圧(V)であり、横軸が時間(t)である。そして、アナログ信号11の電圧には4つの閾値V1,V2,V3,V4が設定されている。なお、閾値V1とV2との間のアナログ信号領域13Aには、識別マーク3や絵柄2が印刷されていない帯状材1の背景部3Bに光5が照射した際の生じるアナログ信号11が該当するように設定され、かつ閾値V3とV4との間のアナログ信号領域13Bには、識別マーク3に光5が照射した際に生じるアナログ信号11が該当するように設定されている。そして、アナログ信号領域13Aと13B以外の領域をアナログ信号領域13Cとする。
【0036】
光源6と受光部8は固定されており、模様が印刷された帯状材1が走行するに従って、帯状材1の一部分を照射している光5の反射光7が変化する。すなわち、光5が照射される帯状材1の表面には、識別マーク3や絵柄2が印刷されたフィルムが貼着されているため、帯状材1が走行して、その一部分を照射している光5の反射光7が、フィルムの印刷の明暗や色彩によって変化することにより、受光部8の受光量が増減し、それに伴い、アナログ信号11も増減する。
【0037】
図3(b)は図3(a)のグラフの各時間において、いずれかの光ファイバ31に入射する反射光7を生じさせる帯状材1の部分を、図3(a)のグラフの横軸と帯状材1の走行方向の位置とを対応させて示したものである。時刻t1から時刻t2までは、アナログ信号11の電圧はアナログ信号領域13Cに存在している。これは絵柄2で反射した反射光7を受光部8が受光したためである。そして、時刻t2になったとき、アナログ信号11の電圧が閾値V1を超える。そして、時刻t3になるまで、アナログ信号11の電圧がアナログ信号領域13Aに存在している。これは背景部3Bで反射した反射光7を受光部8が受光したためである。さらに、時刻t3になると、アナログ信号11の電圧が上昇し、閾値V2を越え、時刻t4では閾値V3に達する。そして、時刻t5になるまで、アナログ信号11の電圧がアナログ信号領域13Bに存在している。これは識別マーク3で反射した反射光7を受光部8が受光したためである。なお、帯状材1が走行することによって、反射光7を生じさせる帯状材1の部分が識別マーク3の背景部3Bから識別マーク3に移動する際に、時刻t3から時刻t4までの間にアナログ信号11がアナログ信号領域13Cに該当することになる。このような信号が発生する理由は、図4に示すように、受光部8の光ファイバ31の一部が識別マーク3で生じる反射光7を受光し、他の部分が背景部3Bで生じる反射光7を受光するために、各光ファイバ31の全体としての受光量が背景部3Bからの受光量と識別マーク3からの受光量とは異なるためである。
【0038】
また、時刻t5になると、アナログ信号11の電圧が下降し、閾値V3を割り込み、時刻t6では閾値V2に達する。さらに、時刻t7になるまで、アナログ信号11の電圧がアナログ信号領域13Aに存在している。これは識別マーク3の背景部3Bで反射した反射光7を受光部8が受光したためである。そして、時刻t7から時刻t8まではアナログ信号11の電圧がアナログ信号領域13Cに存在し、時刻t8から時刻t9まではアナログ信号領域13Bに存在する。さらに、時刻t9以降では、アナログ信号11の電圧がアナログ信号領域13Cに存在する。また、時刻t7以降では、反射光7を生じさせる帯状材1の部分は絵柄2である。
【0039】
このように時間の経過によって変化するアナログ信号11が、その電圧に基づいて区分されたアナログ信号領域13に割り当てられることにより、全体として3値化され、それぞれのアナログ信号領域13に応じたデジタル信号16が信号領域判定回路部12から出力される。すなわち、アナログ信号領域13Aに該当している間はデジタル信号16A、アナログ信号領域13Bに該当している間はデジタル信号16B、アナログ信号領域13Cに該当している間はデジタル信号16Cが出力される。
【0040】
なお、受光部8は32組の光ファイバ31によって構成され、帯状材1の幅方向に所定の長さを有していることにより、それぞれの光ファイバ31に入射する受光量は異なっている。したがって、合計で32個のデジタル信号16が生じる。そして、極めて短い時間ごとに32個のデジタル信号16が同時に信号領域判定回路部12から出力される。
【0041】
さらに、32個のデジタル信号16が信号領域計数回路部17に入力される。そして、その32個のデジタル信号16を並列・直列変換した後、二つのカウンタ(図示せず)によってアナログ信号領域13の種類別に計数される。なお、この二つのカウンタは、32個のアナログ信号領域のうち、アナログ信号領域13Aの個数を計数するカウンタとアナログ信号領域13Bの個数を計数するカウンタとから構成されている。
【0042】
そして、計数の結果、32個のデジタル信号16の全てがデジタル信号16Aである場合は、反射光7を生じさせる帯状材1の部分が識別マーク3の背景部3Bと判定し、判定結果信号19として背景信号19Aを出力する。また、帯状材1の幅方向における識別マーク3の長さをLとし、32組の光ファイバ31のうち、そのLに相当する光ファイバ31の組数をnαとしたとき、32個のデジタル信号16のうち、互いに隣接する複数の光ファイバ31からのアナログ信号領域13がデジタル信号16Bであり、かつデジタル信号16Bの個数がnα個であり、かつデジタル信号16Aの個数が残りの(32−nα)個であり、かつ1組目と32組目の光ファイバ31からアナログ信号領域13がデジタル信号16Aである場合は、反射光7を生じさせる帯状材1の部分が識別マーク3と判定し、判定結果信号19としてマーク信号19Bを出力する。ただし、個数nαには二個の誤差を含めるものとする。
【0043】
なお、このように識別マーク3と判定する場合において、デジタル信号16Aおよびデジタル信号16Bの個数に誤差を設ける理由を説明する。帯状材1の幅方向における識別マーク3の両端部において、図5に示すように識別マーク3の両端部で生じる反射光7を受光する光ファイバ31は、その一部が識別マーク3で生じる反射光7を受光し、他の一部が背景部3Bで生じる反射光7を受光する。そのため、その光ファイバ31の全体としての受光量が背景部3Bからの受光量と識別マーク3からの受光量とは異なる。すると、この光ファイバ31の受光量に対応するアナログ信号11がアナログ信号領域13Cに該当することになり、後の識別マーク3の検出過程に影響を及ぼすので、識別マーク3の両端部で一つずつ、つまり二個のデジタル信号16を誤差とする。
【0044】
さらに、背景信号19A、またはマーク信号19Bが成立しない場合は、光5が反射した帯状材1の部分が絵柄2と判定し、判定結果信号19として絵柄信号19Cを出力する。
【0045】
また、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11と二つの差動用光ファイバ32のアナログ信号11とがプリアンプ10から境界処理回路部14に入力される。そして、境界処理回路部14で、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11と二つの差動用光ファイバ32のアナログ信号11とによって境界ON・OFF信号15が出力される。
【0046】
ここで、境界処理回路部14における作用を図6ないし図8を用いて詳しく説明する。図6ないし図8において、図8(b)以外は横軸が時間(t)、縦軸が電圧(V)を示しており、図8(b)は横軸が時間(t)、縦軸がON・OFF信号を示している。そして、図6に示すグラフは、図3(b)において、反射光7が識別マーク3の背景部3Bから識別マーク3を経て、さらにその背景部3Bに至る区間で生じる場合における、16組目の光ファイバ31により生じるアナログ信号11と差動用光ファイバ32により生じるアナログ信号11との各時間における電圧値を示している。
【0047】
図6(a)は、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11と、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11との時間変化に伴う電圧変化を示している。なお、実線が16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の時間変化に伴う電圧変化を示しており、一点鎖線が差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の時間変化に伴う電圧変化を示している。時刻T1’に至るまでは、どちらのアナログ信号11の電圧ともアナログ信号領域13Aに入り、ほぼ一定の値を示している。そして、時刻T1’を過ぎると、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧が上昇し始め、閾値V2を超える。また、時刻T1を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧が上昇し始め、閾値V2を超える。
【0048】
閾値V2を超えた差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧はさらに閾値V3を超え、時刻T2’を過ぎるとアナログ信号領域13Bに入る値になり、ほぼ一定となる。また、閾値V2を超えた16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧は、さらに閾値V3を超え、時刻T2を過ぎると、アナログ信号領域13Bに入る値になり、ほぼ一定となる。
【0049】
そして時刻T3’を過ぎると、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧が下降し始め、閾値V3よりも低下する。また、時刻T3を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧が低下し始め、閾値V3よりも低下する。
【0050】
そして、閾値V3よりも低下した差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧がさらに閾値V2よりも低下し、時刻T4’を過ぎると、アナログ信号領域13Aに入る値になり、ほぼ一定となる。また、閾値V3よりも低下した16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧がさらに閾値V2よりも低下し、時刻T4を過ぎると、アナログ信号領域13Aに入る値になり、ほぼ一定となる。すなわち、各アナログ信号11は、差動用光ファイバ32αと16組目の光ファイバ31との間隔に対応した遅れをもって同一パターンで変化する。
【0051】
図6(b)は、図6(a)のそれぞれの時間における、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧と16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧との差の絶対値をとった電圧Vd1を示している。時刻T1’に至るまでは、二つのアナログ信号11の電圧の差はほとんど無いので、電圧Vd1がほぼ0を示している。そして、時刻T1’を過ぎると差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧が上昇することにより、電圧Vd1が上昇する。さらに、時刻T1を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧が差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧とほぼ同じ割合で上昇するので、電圧Vd1がほぼ一定となる。そして、時刻T2’を過ぎると、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧がほぼ一定となるので、電圧Vd1が減少する。さらに、時刻T2を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧がほぼ一定となり、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧とほぼ等しくなると、電圧Vd1はほぼ0となる。
【0052】
また、時刻T3’を過ぎると、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧が下降することにより、電圧Vd1が上昇する。さらに、時刻T3を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧が差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧とほぼ同じ割合で下降するので、電圧Vd1はほぼ一定となる。そして、時刻T4’を過ぎると、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧がほぼ一定となるので、電圧Vd1が減少する。さらに、時刻T4を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧がほぼ一定となり、差動用光ファイバ32αのアナログ信号11の電圧とほぼ等しくなると、電圧Vd1がほぼ0となる。
【0053】
図7(a)は、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11と、差動用光ファイバ32βのアナログ信号11との時間変化に伴う電圧変化を示している。なお、実線が16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の時間変化に伴う電圧変化を示しており、一点鎖線が差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の時間変化に伴う電圧変化を示している。また、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧は、上述の図6(a)についての説明の中で既に述べられているので、説明を省略する。
【0054】
図7(a)において、時刻T1’に至るまでは、差動用光ファイバ32βのアナログ信号11がアナログ信号領域13Aに入り、ほぼ一定の値を示している。そして、時刻T1’’を過ぎると、差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧が上昇し始め、閾値V2を超える。
【0055】
閾値V2を超えた差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧はさらに閾値V3を超え、時刻T2’’を過ぎるとアナログ信号領域13Bに入る値になり、ほぼ一定となる。
【0056】
そして時刻T3’’を過ぎると、差動用光ファイバ32のアナログ信号11の電圧が下降し始め、閾値V3よりも低下する。そして、閾値V3よりも低下した差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧が閾値V2よりも低下し、時刻T4’’を過ぎると、アナログ信号領域13Aに入る値になり、ほぼ一定となる。
【0057】
図7(b)は、図7(a)のそれぞれの時間における、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧と差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧との差の絶対値をとった電圧Vd2を示している。時刻T1に至るまでは、二つのアナログ信号11の電圧の差はほとんど無いので、電圧Vd2がほぼ0を示している。そして、時刻T1を過ぎると16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧が上昇することにより、電圧Vd2が上昇する。さらに、時刻T1’’を過ぎると、差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧が16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧とほぼ同じ割合で上昇するので、電圧Vd2がほぼ一定となる。そして、時刻T2を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧がほぼ一定となるので、電圧Vd2が減少する。さらに、時刻T2’’を過ぎると、差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧がほぼ一定となり、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧とほぼ等しくなると、電圧Vd2はほぼ0となる。
【0058】
また、時刻T3を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧が下降することにより、電圧Vd2が上昇する。さらに、時刻T3’’を過ぎると、差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧が16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧とほぼ同じ割合で下降するので、電圧Vd2はほぼ一定となる。そして、時刻T4を過ぎると、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧がほぼ一定となるので、電圧Vd2が減少する。さらに、時刻T4’’を過ぎると、差動用光ファイバ32βのアナログ信号11の電圧がほぼ一定となり、16組目の光ファイバ31のアナログ信号11の電圧とほぼ等しくなると、電圧Vd2がほぼ0となる。
【0059】
図8(a)は、図6(b)と図7(b)とのグラフでの各時間におけるそれぞれの電圧の値Vd1,Vd2の和をとったグラフである。ここに示すように、時刻T1’に至るまでは電圧和(Vd1+Vd2)がほぼ0である。そして、時刻T1’を過ぎると電圧和(Vd1+Vd2)が上昇し、時刻T1を過ぎるとほぼ一定になる。また時刻T1’’(T2’)の近傍では、電圧和(Vd1+Vd2)が変動するが、その直後に一定値に戻る。そして、時刻T2を過ぎると電圧和(Vd1+Vd2)が下降し、時刻T2’’を過ぎるとほぼ0になる。
【0060】
また、時刻T3’を過ぎると電圧和(Vd1+Vd2)が上昇し、時刻T3を過ぎるとほぼ一定になる。また時刻T3’’(T4’)の近傍では、電圧和(Vd1+Vd2)が変動するが、その直後に一定値に戻る。そして、時刻T4を過ぎると電圧和(Vd1+Vd2)が減少し、時刻T4’’を過ぎるとほぼ0になる。
【0061】
図8(b)は、時間における境界ON・OFF信号15の変化を示している。これは、図8(a)の電圧和(Vd1+Vd2)に対して、予め閾値V5を設定しておき、電圧和(Vd1+Vd2)がこの閾値V5以下であるときは、境界ON・OFF信号15をOFFとし、閾値V5を超えたときに境界ON・OFF信号15をONとするように構成されており、この境界ON・OFF信号15が境界処理回路部14から出力される。
【0062】
さらに、出力された判定結果信号19と境界ON・OFF信号15とが最終判定回路部20に入力される。この最終判定回路部20では、背景信号19Aが入力された後にマーク信号19Bが入力された場合に、長さ判定指示信号21が出力され、その出力が継続される。そして、長さ判定指示信号21が出力されている間に背景信号19Aが入力されると、長さ判定指示信号21の出力が停止される。
【0063】
なお、図3(a)のグラフでの時刻t2から時刻t7までの場合、つまり実際の識別マーク3を検出する場合のように、アナログ信号領域13Aからアナログ信号領域13Bに、かつこの逆に変化する際には、アナログ信号領域13Cを経由して変化することが実際上ある。この場合には、識別マーク3で生じる反射光7を受光しても、最終判定回路部20から長さ判定指示信号21が出力されないので、識別マーク3を検出することができない。このような場合のために、境界ON・OFF信号15を用いて絵柄信号19Cをマスク処理し、長さ判定指示信号21が出力されるようにする。
【0064】
つぎに、マスク処理について説明する。境界ON・OFF信号15がONになるのは、図8における時刻T1’と時刻T1との間の時点から時刻T2と時刻T2’’との間の時点までであり、また、時刻T3’と時刻T3との間の時点から時刻T4と時刻T4’’との間の時点までである。なお図3から、時刻t3は時刻T1よりも後であり、時刻t4は時刻T2よりも前である。また、時刻t5は時刻T3よりも後であり、時刻t6は時刻T4よりも前である。その結果、境界ON・OFF信号15がONの場合に判定結果信号19をマスク処理すると、時刻t3から時刻t4までの時間と時刻t5から時刻t6までの時間とに発生する絵柄信号19Cが確実にマスク処理される。その結果、境界ON・OFF信号15を用いることによって、識別マーク3とその背景部3Bとの色と色との境界部分で生じる反射光7による絵柄信号19Cを無視することができるので、長さ判定指示信号21を最終判定回路部20から出力することができる。
【0065】
そして、最終判定回路部20では、通常ONであり、かつ背景信号19Aが入力された後にマーク信号19Bが入力され、さらにその後に絵柄信号19Cが入力された場合に、絵柄信号19Cが入力された時点でOFFになる信号出力許可信号22が出力される。なお、この信号出力許可信号22がOFFになった場合は、背景信号19Aが入力されてから一定時間の後、ONに復帰するように設定されている。
【0066】
また、走行ローラパルス発生器26によって、帯状材1を走行させる走行ローラ25の回転数に同期するパルス信号24が出力される。
【0067】
そして、長さ判定指示信号21と信号出力許可信号22とパルス信号24とが帯状材送り長さ判定部23に入力される。この帯状材送り長さ判定部23では、まず長さ判定指示信号21とパルス信号24とから長さ判定指示信号21がONとなる帯状材1の走行方向における帯状材1の区間の長さを計測し、その計測結果を予め設定された帯状材1の走行方向における識別マーク3の長さと比較する。そして、それらが一致した場合に、長さ一致信号27をONとする。さらに、この長さ一致信号27がONであるときに、信号出力許可信号22がONのままである場合に識別マーク3が検出されたと判定し、マーク検出信号28を出力する。また、この長さ一致信号27がONであっても、信号出力許可信号22がOFFとなっていれば、識別マーク3ではないと判定し、マーク検出信号28は出力されないように構成されている。
【0068】
以上説明した発明の具体例において、形状の異なる識別マーク3や絵柄2から正しく識別マーク3を検出する過程について図9と図10とを用いて説明する。なお、これらの図では、説明の都合上、帯状材1が静止しているものとし、受光部8が図における右方向に相対的に移動するものとしている。さらに、これらの図に示される各信号を、その信号に対応する反射光7が生じる識別マーク3の位置と対応させて示したものである。
【0069】
図9(a)は、正規の識別マーク3を受光部8によって受光する例である。受光部8が識別マーク3よりも図9(a)における左側に位置する識別マーク3の背景部3Bで生じる反射光7を受光するときには、背景信号19AがONであり、絵柄信号19Cとマーク信号19BとがOFFとなる。そして、受光部8が識別マーク3で生じる反射光7を受光し始めると、背景信号19AがOFFとなり、マーク信号19BがONとなる。なお、絵柄信号19CはOFFのままである。これは、識別マーク3の背景部3Bと識別マーク3との色と色との境界部分で生じる反射光7によって発生する絵柄信号19Cが最終判定回路部20においてマスク処理されるためである。その結果、長さ判定指示信号21がONとなり、最終判定回路部20から出力され、その出力が継続される。そして、受光部8が識別マーク3で生じる反射光7を受光し終わると、マーク信号19BがOFFとなり、背景信号19AがONとなる。すると、長さ判定指示信号21がOFFとなり出力が終了する。なおこの場合においても、絵柄信号19Cはマスク処理されることにより、OFFのままである。
【0070】
そして、この長さ判定指示信号21がONとなっている間に走行した帯状材1の走行方向の長さが計測される。その長さは帯状材1の走行方向における識別マーク3の長さと一致するので、長さ一致信号27がONとなる。また、信号出力許可信号22はONの状態であるから、マーク検出信号28が出力され、識別マーク3が識別される。なお、このマーク検出信号28は、位置決め制御に使用する目的から、非常に短いパルス信号として出力される。
【0071】
図9(b)は、識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ部分に連続して凸部が図9(b)における左側に延びている絵柄2で生じる反射光7を受光部8によって受光する例である。なおこの凸部は、その凸部で生じる反射光7が受光部8の差動用光ファイバ32によって受光されることがない位置に設けられている。
【0072】
受光部8が識別マーク3よりも図9(b)における左側に位置する識別マーク3の背景部3Bで生じる反射光7を受光するときは、背景信号19AがONであり、絵柄信号19Cとマーク信号19BとがOFFとなる。そして、受光部8が絵柄2の凸部で生じる反射光7を受光し始めると、背景信号19AがOFFとなり、絵柄信号19CがONとなる。さらに、受光部8が識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ絵柄2の部分で生じる反射光7を受光し始めると、絵柄信号19CがOFFとなり、マーク信号19BがONとなる。この場合では、長さ判定指示信号21がONとならずOFFのままなので、マーク検出信号28は出力されず、この絵柄2が識別マーク3として認識されることはない。
【0073】
図10(a)は、識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ部分に凸部が図10(a)における右側に延びている絵柄2で生じる反射光7を受光部8によって受光する例である。なおこの凸部は、その凸部で生じる反射光7が受光部8の差動用光ファイバ32によって受光されることがない位置に設けられている。
【0074】
受光部8が識別マーク3よりも図10(a)における左側に位置する識別マーク3の背景部3Bで生じる反射光7を受光するときは、背景信号19AがONであり、絵柄信号19Cとマーク信号19BとがOFFとなる。そして、受光部8が識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ絵柄2の部分で生じる反射光7を受光し始めると、背景信号19AがOFFとなり、マーク信号19BがONとなる。なお、絵柄信号19CはOFFのままである。その結果、長さ判定指示信号21がONとなり、最終判定回路部20から出力され、その出力が継続される。そして、受光部8が絵柄2の凸部で生じる反射光7を受光し始めると、マーク信号19BがOFFとなり、絵柄信号19CがONとなる。さらに、受光部8が絵柄2の凸部からの反射光を受光し終わると、絵柄信号19CがOFFとなり、背景信号19AがONとなる。すると、長さ判定指示信号21がOFFとなり出力が終了する。
【0075】
そして、この長さ判定指示信号21がONとなっている間に走行された帯状材1の走行方向の長さが計測される。その長さは帯状材1の走行方向における識別マーク3の長さよりも長いため、長さ一致信号27がOFFのままとなる。また、絵柄信号19CがOFFになった時点で信号出力許可信号22がOFFとなる。その結果、マーク検出信号28は出力されず、この絵柄2が識別マーク3として認識されることはない。
【0076】
図10(b)は、識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ部分に凸部が図10(b)における右側に設けられている絵柄2で生じる反射光7を受光部8によって受光し、かつ帯状材1の走行方向において、凸部を含んだ絵柄2の長さが正規の識別マーク3の長さと等しい場合である例である。なお、この凸部はその反射光7が受光部8の差動用光ファイバ32によって受光されることがない位置に設けられている。
【0077】
受光部8が識別マーク3よりも図10(b)における左側に位置する識別マーク3の背景部3Bで生じる反射光7を受光するときは、背景信号19AがONであり、絵柄信号19Cとマーク信号19BとがOFFとなる。そして、受光部8が識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ絵柄2の部分で生じる反射光7を受光し始めると、背景信号19AがOFFとなり、マーク信号19BがONとなる。なお、絵柄信号19CはOFFのままである。その結果、長さ判定指示信号21がONとなり、最終判定回路部20から出力され、その出力が継続される。そして、受光部8が絵柄2の凸部で生じる反射光7を受光し始めると、マーク信号19BがOFFとなり、絵柄信号19CがONとなる。さらに、受光部8が絵柄2の凸部で生じる反射光7を受光し終わると、絵柄信号19CがOFFとなり、背景信号19AがONとなる。すると、長さ判定指示信号21がOFFとなり、出力が終了する。
【0078】
そして、この長さ判定指示信号21がONとなっている間に走行した帯状材1の走行方向の長さが計測される。その長さは帯状材1の走行方向における識別マーク3の長さと一致することから、長さ一致信号27がONとなる。また、絵柄信号19CがOFFになった時点で信号出力許可信号22がOFFとなる。その結果、マーク検出信号28は出力されず、この絵柄2が識別マーク3として認識されることはない。
【0079】
なお、図9と図10とでは、絵柄2の凸部で生じる反射光7が差動用光ファイバ32には受光されない位置にその絵柄2の凸部が存在する場合が示された。そこで、この絵柄2の凸部で生じる反射光7が差動用光ファイバ32によって受光される位置にその絵柄2の凸部が存在する場合を図11を用いて説明する。なお、図11に示す状態は、差動用光ファイバ32βが絵柄2の凸部の端部で生じる反射光7を受光部8が受光し終わった状態、つまり判定結果信号19のマスク処理が終了した状態を示している。
【0080】
図11(a)に示す状態では、光ファイバ31が絵柄2の識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ部分で生じる反射光7を受光部8が受光している。そのため、この状態では判定結果信号19がマーク信号19Bとなる。この場合には、絵柄2を識別マーク3と誤認識する可能性があるので、識別マーク3の形状や大きさ、色彩や明暗を変更する。あるいは、帯状材1の蛇行量が小さければ、受光部8の位置を帯状材1の幅方向に少しずらして設置し、この絵柄2の凸部で生じる反射光7が差動用光ファイバ32によって受光されない位置にしてもよい。
【0081】
また、図11(b)に示す状態では、光ファイバ31の一部が絵柄2の識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ部分で生じる反射光7を受光部8が受光し、他の部分が識別マーク3の背景部3Bで生じる反射光7を受光部8が受光している。そのため、この状態では判定結果信号19が絵柄信号19Cとなり、絵柄2が識別される。
【0082】
さらに、図11(c)に示す状態では、光ファイバ31が識別マーク3の背景部3Bで生じる反射光7を受光部8が受光している。そのため、この状態では判定結果信号19が背景信号19Aとなる。そして帯状材1がさらに走行すると、光ファイバ31の一部が絵柄2の識別マーク3と同じ形状と大きさをもつ部分で生じる反射光7を受光部8が受光し、他の部分が識別マーク3の背景部3Bで生じる反射光7を受光することになる。すると、判定結果信号19が絵柄信号19Cとなるが、この状態では差動用光ファイバ32によるマスク処理が行われないので、絵柄2が識別される。
【0083】
なお、この具体例では、帯状材1としてフィルムを貼着した帯状材を対象とした例を説明したが、この発明はこれに限定されることはなく、識別マークの付された金属板やプラスチックフィルム、紙なども帯状材1の対象とすることができる。そして、それらの場合であっても、上述した例と同様に帯状材1を走行しながら絵柄2にマスク処理を施すことなくマークを識別することができる。また、この具体例では、光源6から光5を帯状材1に照射したが、この光5は可視光線のみならず、紫外線やX線等を用いてもよい。
【0084】
さらに、この具体例では、差動用光ファイバ32を16組目の二本の光ファイバ31に隣接して設けたが、この発明はこれに限定されることはなく、帯状材1の走行方向における識別マーク3の長さ以下の長さだけ光ファイバ31から帯状材1の走行方向に離れて設けてもよい。その場合、判定結果信号19がマスク処理される時間が長くなるが、判定結果信号19が背景信号19Aからマーク信号19Bに変化するので、識別マーク3を識別することに影響はない。さらに、この具体例では、径が光ファイバ31の径と等しい差動用光ファイバ32が用いられたが、この発明はこれに限定されることはなく、光ファイバ31の径より大きくても小さくてもよい。望ましくは、光ファイバ31の径よりも小さい径をもつ差動用光ファイバ32を光ファイバ31に密接させるとよい。差動用光ファイバ32の径を小さくすることによって、マスク処理の時間が短くなる。その結果、前述した、絵柄2の凸部で生じる反射光7が差動用光ファイバ32によって受光される位置にその絵柄2の凸部が存在する場合の、凸部の大きさが小さいものまで絵柄2として確実に識別でき、精度よく識別マーク3を識別することができる。
【0085】
そして、この具体例では、識別マーク3とその背景部3Bとの境界部分で生じる反射光7を受光することによって生じる絵柄信号19Cの影響を除去するために、差動用光ファイバ32を受光部8に設けて絵柄信号19Cをマスク処理することが示されたが、この発明はこれに限定されることはなく、差動用光ファイバ32を設けなくともよく、その場合には、下記のように信号回路を構成し、識別マーク3を検出するとよい。つまり、背景信号19Aが入力された後に絵柄信号19Cが入力された場合に、絵柄信号19Cが入力されている間に送られる帯状材1の長さの計測を指示するための絵柄長さ判定指示信号が出力されるとともにその出力が継続するように設定する。さらに、その後にマーク信号19Bが入力された場合に絵柄長さ判定指示信号の出力が停止され、かつ長さ判定指示信号21が出力されるとともにその出力が継続されるように設定する。また、マーク信号19Bが入力された後に絵柄信号19Cが入力された場合に、長さ判定指示信号21の出力が停止され、かつ絵柄長さ判定指示信号が出力されるとともにその出力が継続するように設定する。さらに、その後に背景信号19Aが入力された場合に絵柄長さ判定指示信号の出力が停止されるように設定する。そして、絵柄長さ判定指示信号とパルス信号24とから絵柄長さ判定指示信号がONとなる帯状材1の走行方向における帯状材1の区間の長さを計測し、その計測結果を識別マーク3とその背景部3Bとの境界部分で生じる反射光7を受光部8が受光することによって発生する絵柄信号19CがONとなる帯状材1の走行方向におけるその区間の長さとを比較し、これらが一致するとともに長さ一致信号27がONとなる場合に、識別マーク3が検出されたと判定する。
【0086】
また、この具体例では、受光部8の光ファイバ31が直線状に配列した例を説明したが、この発明はこれに限定されることはなく、識別マーク3の形状に合わせて曲線状に配列してもよい。また、絵柄2が識別マーク3と誤認識される可能性がない形状であるならば、受光部8の光ファイバ31を密接させずに間隔を置いて設けたり、千鳥状に設けてもよい。この場合、設置する光ファイバ31の本数が少なくて済むので、装置のコストダウンを図ることができる。また、光ファイバ31からのアナログ信号11を処理する回数が減少するので、装置の処理速度を高速化することができる。
【0087】
さらに、この具体例では、識別マーク3の形状が長方形である例を説明したが、この発明はこれに限定されることはなく、複数の矩形またはそれらを組合せて一つの識別マークとした形状でもよい。
【0088】
さらにまた、この具体例では、帯状材1に設けられた識別マーク3の識別を行う場合を例に採用したが、この発明はこれに限定されることはなく、他の用途にも採用することができる。他の用途としては、第一に、帯状材に設けられた識別マークの間隔を計測することができる。つまり、帯状材の背景部と絵柄との帯状材の走行方向における長さを計測することにより、識別マークの間隔を容易に計測することができ、例えばフィルムの継ぎ目で、識別マーク同士の間隔が不等ピッチの場合でもマーク間隔を容易に計測できる。また、第二に、帯状材に設けられた識別マークの種類を複数設定し識別することができる。つまり、形状や大きさ、色彩や明暗の異なる複数種類の識別マークを予め装置に設定しておくことにより、複数種類の識別マークを容易に識別することができる。なおこの発明では、識別マークの形状や大きさ、色彩や明暗とを計測するので、識別マークの種類が増加しても、採用する絵柄の自由度が著しく減少することを防ぐことができる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、帯状材の走行方向とは直交する方向における表示物の受光量デジタル信号パターンを検出し、その受光量デジタル信号パターンの出力順序が、予め設定された識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序と一致した場合に、その表示物の走行方向における長さを計測し、その計測長さが予め設定された基準長さと一致した場合に、その表示物を識別マークとすることによって、識別マークの形状と大きさとを認識でき、識別マークを絵柄や他のマーク等と容易に識別することができる。
【0090】
また、識別マークを2次元寸法として基本的に判定する方法のため、識別マークの形状と色とを考慮して、絵柄を決定する必要がなく、絵柄の自由度を向上させることができる。しかも、識別マークを絵柄と同一走行線上に存在する絵柄と絵柄との間の印刷されていない部分に付けることができるので、帯状材の側縁部に付ける必要がない。その結果、帯状材の材料歩留まりを向上させることができる。
【0091】
さらに、不等間隔の識別マーク間隔にも容易に対応ができ、確実に識別マークを識別することができる。
【0092】
さらにまた、帯状材の識別マークが印刷されていない部分において、絵柄を識別マークと誤認識しないようにするための絵柄マスク処理手段を特別に設ける必要がなくなり、その設定および調整作業の省略が行え、帯状材の印刷された識別マークの間隔が変わる品種替えの多い設備において、生産性に絶大な効果を得ることができる。
【0093】
また請求項2の発明によれば、表示物の色と色との境界部分で生じる反射光やそれに基づく検出信号を除去するマスク処理を行い、そのマスク処理を施した後に得られる前記受光量デジタル信号パターンの出力順序と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較することによって、識別マークの境界部分で生じる反射光の面受光による影響なしに、表示物の実際の受光量デジタル信号パターンを得ることができる。その結果、識別マークをより容易・確実に識別することができる。
【0094】
さらに請求項3の発明によれば、光源と受光手段と幅方向パターン比較手段と長さ判定手段とを設けることによって、画像処理装置を使用する場合と比較して、マークの識別に必要となる演算量が少なくて済む。そのため、帯状材の走行方向での二つの絵柄の間に識別マークが存在しても、複雑な装置を使用せずに識別マークを高速で高精度に検出することができる。その結果、帯状材の走行速さを速くすることができるとともに、ラインの効率を上昇させることができる。
【0095】
また、帯状材の幅方向におけるマークの幅よりも長い区間に亘って帯状材の面からの反射光を受光手段が受光することによって、帯状材が蛇行したりすることによりその幅方向にぶれて識別マークからの反射光を受光手段が受光することができなかったり、マークを認識せずにとばしてしまったりすることを防ぐことができる。
【0096】
そして請求項4の発明によれば、表示物の境界部分で生じる反射光に基づく信号を除去するマスク手段を備えることによって、識別マークの走行方向における境界部分で生じる反射光を受光する受光面積による影響(点受光と異なり面受光では、境界部分を中間レベルと判定するため、処理が複雑となる)を取り除いて、帯状材の走行方向における表示物の実際の受光量デジタル信号パターンを得ることができる。その結果、識別マークをより容易・確実に識別することができるため、識別マークを認識せずに飛ばしてしまったりすることによって発生する生産ラインでの材料ロスや、稼働率の低下を防ぐことができる。
【0097】
また、境界部分で生じる反射光の識別処理回路が不要になるため、装置コストをその分低く抑えることができる。
【0098】
また請求項5の発明によれば、受光手段が、帯状材の幅方向における識別マークの長さよりも長い区間に亘って配置されたn個(但し、nは自然数)の受光素子と、帯状材の走行方向において該受光素子の両側にそれぞれ少なくとも一個ずつ設けられる第二の受光素子とから構成されていることによって、帯状材の幅方向と走行方向とにおける識別マークのパターンを認識することができる。その結果、受光素子を帯状材の走行方向に多数設け、マーク全体の形状や大きさを一度に認識しなくとも、識別マークを高速かつ高精度に識別することができる。さらに、受光素子を帯状材の走行方向に多数設ける場合と比較して、設ける受光素子の総数が少なくなるので、その分コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のマーク識別方法が用いられるマーク識別装置の一例を示す概略図である。
【図2】 受光部を示す平面図である。
【図3】 受光部で受光した反射光に対応するアナログ信号の電圧の時間変化を示すグラフとその反射光を生じさせる帯状材の部分とを対応させて示す図である。
【図4】 帯状材の走行方向における、帯状材の背景部と識別マークとの境界部分で生じる反射光を受光する受光部の光ファイバを示す平面図である。
【図5】 帯状材の幅方向における、帯状材の背景部と識別マークとの境界部分で生じる反射光を受光する受光部の光ファイバを示す平面図である。
【図6】 16組目の光ファイバと、帯状材の走行方向における下流側に位置する差動用光ファイバとが受光した反射光に対応するアナログ信号の電圧と、それら電圧の差分との時間変化を示すグラフである。
【図7】 16組目の光ファイバと、帯状材の走行方向における上流側に位置する差動用光ファイバとが受光した反射光に対応するアナログ信号の電圧と、それら電圧の差分との時間変化を示すグラフである。
【図8】 二つの電圧の差分の和と境界ON・OFF信号との時間変化を示すグラフである。
【図9】 正規の識別マークと、それとは形状が異なる絵柄とのマーク識別過程を説明するための概略図である。
【図10】 正規の識別マークとは形状が異なる二つの絵柄のマーク識別過程を説明するための概略図である。
【図11】 差動用光ファイバが受光する帯状材の部分に凸部を有し、それ以外の部分が識別マークと同じ形状をもつ三つの絵柄のマーク識別過程を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1…帯状材、 2…絵柄、 3…識別マーク、 3B…背景部、 4…マーク識別装置、 5…光、 6…光源、 7…反射光、 8…受光部、 11…アナログ信号、 12…信号領域判定回路部、 13…アナログ信号領域、 14…境界処理回路部、 16…信号領域計数回路部、 20…最終判定回路部、 23…帯状材送り長さ判定部、 25…走行ローラ、 26…走行ローラパルス発生器、 31…光ファイバ、 32…差動用光ファイバ。
Claims (5)
- 一定方向に走行する帯状材の表面に、その表面に繰り返し付けられた絵柄と同一走行線上にその絵柄と区別して設けられた識別マークを識別するマーク識別方法において、
前記表面に照射した光の反射光に基づいて、前記表面に付されている表示物の前記帯状材の走行方向に対して直交する幅方向の受光量デジタル信号パターンを検出し、該受光量デジタル信号パターンの出力順序と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とが一致した場合に、該表示物の走行方向の長さを判定するための指示信号が出力され、該判定指示信号と帯状材の走行パルス信号とから、前記判定指示信号が出力されている間の前記帯状材の走行方向の送り長さを計測し、その計測した長さが予め設定された基準長さと一致した場合に、前記表示物を前記識別マークとすることを特徴とするマーク識別方法。 - 前記表示物の受光量デジタル信号パターンの出力順序と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較する際に、前記表示物の前記帯状材の走行方向における境界部分で生じる、前記反射光もしくは該反射光に基づく検出信号を除去するマスク処理を行い、そのマスク処理を施した後に得られる前記受光量デジタル信号パターンの出力変化と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較することを特徴とする請求項1に記載のマーク識別方法。
- 一定方向に走行する帯状材の表面に、その表面に繰り返し付された絵柄と同一走行線上にその絵柄と区別して設けられた識別マークを識別するマーク識別装置において、
前記マークが設けられている前記帯状材の面に光を照射する光源と、
前記帯状材の幅方向における前記識別マークの長さよりも長い区間に亘って前記帯状材の面からの反射光を受光して受光量アナログ信号を出力する受光手段と、
その受光手段で得られた受光量アナログ信号をデジタル変換して前記帯状材の表面に付けられている表示物の幅方向の受光量デジタル信号パターンをつくり、該受光量デジタル信号パターンの出力順序と予め設定された前記識別マークの通過を表す受光量デジタル信号パターンの出力順序とを比較し、両者が一致した場合に、前記表示物の走行方向の長さを判定する判定指示信号を出力する幅方向パターン判定手段と、
その幅方向パターン判定手段から出力される前記判定指示信号と、前記帯状材の走行ローラから発せられるパルス信号とに基づいて、前記判定指示信号が入力されている間の前記帯状材の送り長さを計測し、予め定めた基準長さと比較して両者が一致することにより前記表示物を識別マークと判定する長さ判定手段と
を備えていることを特徴とするマーク識別装置。 - 前記受光手段が、前記帯状材の幅方向における前記識別マークの長さよりも長い区間に亘る部分からの反射光を受光する幅方向受光部と、帯状材の走行方向に沿う複数箇所からの反射光を受光する境界受光部とを備えるとともに、
前記表示物の走行方向における境界部分で生じる前記反射光に基づく信号を除去するマスク手段を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載のマーク識別装置。 - 前記受光手段が、前記帯状材の幅方向における前記識別マークの長さよりも長い区間に亘って配置されたn個(但し、nは自然数)の受光素子と、前記帯状材の走行方向において該受光素子の両側にそれぞれ少なくとも一個ずつ設けられる第二の受光素子とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマーク識別装置。
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