JP3658751B2 - 金属極細線供給用パッケージおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子上の電極と外部電極とを接続するために用いる金属極細線の供給用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子上の電極と外部電極とを接続するための金属線は、多くは18〜35μmといった極細線が用いられているが、これらの極細線は非常に折れ易いため、供給用パッケージは回転するのみで極細線がその自重のみで自然に巻き解かれる程度に極細線が円滑に巻かれている必要がある。
【0003】
金属極細線のパッケージ1巻当りの供給長さは、所定のピッチで往側巻線と復側巻線を交差させて多層に巻き取る方法(以下「多層巻」と略称する)や、上段の巻取幅を下段の巻取幅よりも小さくして多段に巻き取る方法(以下「多段巻」と略称する)等によつて、従来50〜100mしか巻くことができなかったものが、2000mといったような長さまで巻くことができるようになった(長尺化)。金属極細線供給用パッケージの長尺化は、空パッケージとの交換頻度の減少に有効であるため、近年は半導体素子の組立工程におけるさらなる生産性の向上をはかるために、1パッケージ当りの巻き長さを3000や5000mとすることが要求されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、すでに提案されている前記多層巻や多段巻では、1パッケージ当り3000mを超えて巻き取ろうとすると、巻取張力を一定にした場合には下層部において上層部からの巻き締まりによって食い込みが発生し、極細線を円滑に供給できないという問題があった。そこで、例えば巻取張力を下層部に巻き締まりが発生しない程度に小さくすると、パッケージの輸送中や半導体素子の生産中の振動によりパッケージ上層の極細線の巻き崩れが発生し易くなるという問題が生じ好ましくない。また、他の手段として、巻取張力を上層になるに従い減少させて巻き締まりの発生を回避して巻き取る方法があるが、この場合も前記と同様、パッケージの輸送中や半導体素子の生産中の振動によりパッケージ上層の極細線の巻き崩れが発生し、極細線を円滑に供給することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決すべくなされたもので、3000mを超える巻取長さにおいても円滑に金属極細線を供給できる金属極細線供給用パッケージを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、3000mを超える巻取長さにおいても円滑に金属極細線を供給できるパッケージを得るため、極細線の巻取ピッチと巻取張力が巻きほぐれ性に与える影響について詳細に調査、研究を重ねた結果、直径がDμmの極細の金属線を巻取部材に巻きほぐし可能に多層にかつ多段に巻き付ける場合、▲1▼上下の段で同じピッチで巻き取ると金属線が各段間で互いに平行で上段の線が下段に沈み込み易いこと、▲2▼低い張力で巻き取る際はパッケージの輸送中や使用中の振動によって巻き崩れが発生し易くなるので張力の減少に合わせて巻取ピッチも小さくする必要があること、▲3▼下段の金属線が巻締まるのを防止するためには巻取開始から数えてn段目の巻取張力を(n−1)段目より小さくする必要があることを知見し、本発明を見い出した。
【0007】
すなわち、本発明は、直径がDμmの極細の金属線を巻取部材に巻きほぐし可能に多層にかつ多段に巻き付ける際に、巻取開始から数えてn段目の巻取ピッチPnを(n−1)段目の巻取ピッチPn−1よりも3Dμm以上、(Pn−1ーD)μm以下の範囲で減少させ、かつ巻取張力はD/20〜3D/20gfの範囲にあって、かつn段目の巻取張力が(n−1)段目の巻取張力よりも低くして巻き取ること要旨とするものである。
【0008】
本発明において、金属極細線の巻き付け方として、巻取開始から数えてn段目の巻取ピッチPnを(n−1)段目の巻取ピッチPn−1よりも3Dμm以上、(Pn−1ーD)μm以下の範囲で減少させて巻き付けるようにしたのは、n段目の巻取ピッチPnを(n−1)段目の巻取ピッチPn−1よりも3Dμm未満の距離で縮めても、張力低減による巻き崩れの発生を防ぐ効果は得られず、また、張力低減による巻き崩れの防止効果を得ると同時に巻線量を確保するためには、(Pn−1ーD)μm以下の範囲で減少させることが好ましいからである。
【0009】
また、金属極細線の巻取張力をD/20〜3D/20gfの範囲としたのは、巻取張力がD/20gf未満の場合には、その張力の低さから巻緩み状態となり、パッケージの輸送中や使用中に巻き崩れが発生し極細線を円滑に供給できなくなり、他方、巻取張力が3D/20gfを超えると、極細線を円滑に供給できないような強い食い込みが発生するためである。また、n段目の巻取張力を(n−1)段目の巻取張力よりも低くしたのは、下段部での巻締まりを回避するためである。
【0010】
本発明の金属極細線供給用パッケージによれば、常に張力が極細線の直径Dμmに対してD/20〜3D/20gfの範囲で巻き取るために、極細線が破断するほどの強い食い込みや、緩みによる巻き崩れが発生せず、また、上段の極細線は下段よりも低い張力で巻き取られているので、下段部での巻締まりが回避され食い込みによる供給停止トラブルがなく、かつ上段の巻取ピッチは張力の低減に合わせて金属極細線の直径の3倍の距離分以上減少させてあるので、張力低減に起因する巻緩みによる巻き崩れの発生が皆無となり、極細線の絡みによる供給停止となることもなく、金属極細線を円滑に供給することが可能となる。
【0011】
なお、本発明のパッケージを作製する場合は、少なくとも金属極細線を巻き取る部材に供給するためのガイドの移動速度と巻取回転軸の軸方向での巻取部材の移動速度との相対速度を任意に調整でき、かつ巻取張力および巻取幅を任意に設定できる装置を用いることができる。このような装置によれば、巻取ピッチ、巻取張力、巻取幅を任意に変更できるので、本発明の前記条件を満足するパッケージを容易に製造することができる。
【0012】
【実施例】
外径50.3mm、長さ45.5mmの円筒状胴部を有する鍔付きスプールに、直径20.1μm、29.9μm、35.2μmの金属線を、表1に示す条件で巻き長さ3000mおよび5000mのパッケージを作製し、半導体素子生産中の巻きほぐれ性およびパッケージの回転による円滑な巻きほぐれについて調査した。また、比較のため、直径20.1μm、29.9μmの金属線を、表2に示す条件で巻き長さ3000mのパッケージを作製した。本発明のパッケージの調査結果を表3に、比較例の結果を表4にそれぞれ示す。
【0013】
本実施例において、巻取幅および巻取ピッチについては、巻き取られた線の往側どうしあるいは復側どうしがなるべく重ならないように、実際には小数点以下3桁までで微調整し設定した。また、巻取張力については張力を与えるばねに歪ゲージを組合わせて応答速度と測定精度の向上をはかった装置にて最小単位を0.01gfで管理した。
【0014】
また、半導体素子生産中の巻きほぐれ性については、新川製のUTC−20を用いて、パッケージの使用開始直後、巻取長さの中央部(例えば3000mでは使用開始から1500m付近)および終了直前の各300mで2.5mmの長さでボンディングを行う間の巻取状態や装置の稼働状況を調査して判定した。また、パッケージの回転による巻きほぐれ性については、パッケージから金属線を60cm垂らした状態でパッケージを毎分10mの速度で回転させて金属線を巻戻し、そのときのほぐれ性について調査した。なお、パッケージの回転による巻きほぐれ性は、半導体素子の組立装置の極細線供給方法がパッケージの回転による場合に重要である。
【0015】
表3、表4の結果より明らかなごとく、本発明のパッケージはいずれも半導体素子の生産時あるいはパッケージの回転による巻きほぐれ性とも良好で、比較例で発生したような食い込みによる極細線の供給停止や極細線の破断、折れの発生は皆無であった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明によれば、極細線が破断したり折れたりするほどの強い食い込みや、緩みによる巻き崩れが発生せず、また、下段部での巻締まりが回避され食い込みによる供給停止トラブルがなく、かつ張力低減に起因する巻き緩みによる巻き崩れの発生が皆無となることにより極細線の絡みによる供給停止となることもないので、3000mを超えるような長さで巻き取っても円滑に金属極細線を供給することができるという優れた効果が得られる。したがって、本発明のパッケージを用いれば、パッケージの交換頻度を減少させ得るため、半導体素子の組立工程における生産性や製品の信頼性向上に多大な効果を奏する。
Claims (4)
- 直径がDμmの極細の金属線が巻取部材に巻きほぐし可能に多層にかつ多段に巻き付けられている金属極細線供給用パッケージであって、その巻き付け方は巻取開始から数えてn段目の巻取ピッチPnを(n−1)段目の巻取ピッチPn−1よりも3Dμm以上、(Pn−1ーD)μm以下の範囲で減少させて巻かれていることを特徴とする金属極細線供給用パッケージ。
- 金属極細線の巻取張力がD/20〜3D/20gfの範囲にあって、かつn段目の巻取張力が(n−1)段目の巻取張力よりも低くなっていることを特徴とする請求項1記載の金属極細線供給用パッケージ。
- 直径がDμmの極細の金属線が巻取部材に巻きほぐし可能に多層にかつ多段に巻き付けられている金属極細線供給用パッケージの製造方法であって、その巻き付け方は巻取開始から数えてn段目の巻取ピッチPnを(n−1)段目の巻取ピッチPn−1よりも3Dμm以上、(Pn−1ーD)μm以下の範囲で減少させて巻かれていることを特徴とする金属極細線供給用パッケージの製造方法。
- 金属極細線の巻取張力がD/20〜3D/20gfの範囲にあって、かつn段目の巻取張力が(n−1)段目の巻取張力よりも低くして巻き取ることを特徴とする請求項3記載の金属極細線供給用パッケージの製造方法。
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JP19984996A JP3658751B2 (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 金属極細線供給用パッケージおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19984996A JP3658751B2 (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 金属極細線供給用パッケージおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1029764A JPH1029764A (ja) | 1998-02-03 |
JP3658751B2 true JP3658751B2 (ja) | 2005-06-08 |
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ID=16414681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19984996A Expired - Lifetime JP3658751B2 (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 金属極細線供給用パッケージおよびその製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6372260B2 (ja) * | 2014-09-04 | 2018-08-15 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバの巻き取り方法 |
-
1996
- 1996-07-10 JP JP19984996A patent/JP3658751B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH1029764A (ja) | 1998-02-03 |
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