JP3658545B2 - 電池掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の電池により駆動される電池掃除機に係り、特に電池パックの放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の技術に関わる概略断面図である。掃除機のケーシング(ハウジング)1の内部に設けられた電池パック収納部2は、電池パック3の交換を容易にするために、ケーシング1が外側からへこんだ形状の窪みとねじで取り外し可能な蓋で構成されている。この中に収納される電池パック3は複数の二次電池4を熱収縮チューブで束ねたものであり、ファン5が接続されたモータ7やその制御回路を動作させる。電池パック3は掃除機使用時に電池4の内部抵抗や電池4間を接続するリード線の抵抗などに起因する熱を発生する。モータ7を駆動する際には大きな電流が流れ、発熱量も大きくなる。電池4は充放電効率を高くするためには、すなわち電池4に蓄えたエネルギをなるべく多く取り出すためには、電池パック3の過度の温度上昇を抑制しなければならない。そこで、発熱する電池パック3は冷却されなければならないため、電池パック収納部2のダストカップ9側の一部にはスリット状の孔10が複数設けられている。また、塵芥を取り込むために使用された空気の流れをモータ7に導いて、モータ7の冷却を行った後の排気を電池パック収納部2の周辺に流している。電池パック3は円筒形の二次電池4が熱収縮チューブにより束ねられ、端部より電力を取り出すための配線が引き出されている。ファン5によってホース14を介して吸引された塵等を含む空気はダストカップ9内に導かれ、フィルタ17を経てダストカップ9外へ排出され、フィルタ15,16を経てモータ7の近傍へ送られモータ7のコイル等の空冷に用いられる。モータ7の空冷に用いられた空気はハウジング1の端部に形成された排気口12から外部へ排気される。ケーシング1の底部には車輪19,20が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、電池パック3で発生した熱が電池パック収納部2の外側周辺を流れる空気に伝わる途中に、電池パック収納部2の壁を通過するため、熱の移動経路の熱抵抗が大きくなるという問題がある。電池パック収納部2には温まった空気を排出しようとして、孔10が設けられているもののその位置がダストカップ9側壁面の上部付近にのみ設けられているため、空気が流通する際の出口あるいは入口のみ設けられている状態であり、電池パック収納部2内部の温まった空気を意図したとおりには排出することができない。また、電池パック3内部の電池4間には空気層が挟まっているために、電池4と電池4の間の熱の伝わりが悪く、電池の温度上昇を促進する懸念もある。
【0004】
また、空冷に使用する空気としてごみを吸い取るために使用された空気が用いられることに起因して導電性の塵芥の付着等による信頼性が低下する場合もある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題を解消し、発熱する電池パックを効率的に空冷可能であり、またファンで吸引した空気を電池パックの空冷に用いるために起因する信頼性低下を防止可能な電池掃除機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願の第1の発明に係る電池掃除機は、複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、前記電池パックによって回転駆動されるモータと、前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、前記ファンによって吸引される空気を前記モータに導く第1の空気流路と、内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、前記モータから前記排気口へ空気を導く第2の空気流路と、を備え、前記電池パック収納部は前記第2の空気流路に配設され、前記電池パック収納部は前記モータ側のモータ側壁部と前記排気口側の排気側壁部とを有し、前記モータ側壁部には空気を前記電池パック収納部内へ流入させるための流入孔が形成されており、前記排気側壁部には空気を前記電池パック収納部外へ流出させるための流出孔が形成されており、複数個の前記流入口が配列して形成されており、前記複数個の流入口の開口率は、前記モータの回転方向に対しより上流側に位置する前記流入口ほど高いことを特徴とする。
【0008】
また、複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、前記電池パックによって回転駆動されるモータと、前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、前記ファンによって吸引される空気を前記モータに導く第1の空気流路と、内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、前記モータから前記排気口へ空気を導く第2の空気流路と、を備え、前記電池パック収納部は前記第2の空気流路に配設され、前記電池パック収納部は前記モータ側のモータ側壁部と前記排気口側の排気側壁部とを有し、前記モータ側壁部には空気を前記電池パック収納部内へ流入させるための流入孔が形成されており、前記排気側壁部には空気を前記電池パック収納部外へ流出させるための流出孔が形成されており、前記モータ側壁部の近傍の前記モータの回転方向に対し下流側に位置する領域に前記モータの回転方向の速度成分を持って流れ出た空気の流れ方向を前記モータ側壁部に向かうように変更する整流手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本願の第2の発明に係る電池掃除機は、複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、前記電池パックによって回転駆動されるモータと、前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、前記ファンによって吸引される空気を前記モータを経ずに前記電池パック収納部に導く第1の空気流路と、内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、前記電池パック収納部から前記排気口へ空気を導く第2の空気流路と、を備え、前記電池パック収納部は前記第2の空気流路に排気側壁部を有し、前記電池パック収納部には前記第1の空気流路を介して送出される空気を前記電池パック収納部内に流入させるための流入孔が形成されており、前記排気側壁部には前記流入孔から流入した空気を前記第2の空気流路へ流出させるための流出孔が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本願の第3の発明に係る電池掃除機は、複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、前記電池パックによって回転駆動されるモータと、前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、を備え、前記電池パック収納部の底部には前記ハウジングの外部に連通し空気を前記電池パック収納部内に流入可能な流入孔が形成され、前記排気側壁部の上方部には前記流入孔から流入した空気を前記電池パック収納部外へ流出させるための流出孔が形成されており、前記流出口から前記排気口へ空気を導く空気流路が形成されていることを特徴とする。
【0011】
本願の第4の発明に係る電池掃除機は、複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、前記電池パックによって回転駆動されるモータと、前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、前記ファンによって吸引される空気を前記モータに導く空気流路と、内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、を備え、前記電池パック収納部は前記モータに面して配設され、前記電池パック収納部は前記モータに面する側のモータ側壁部と前記排気口側の排気側壁部とを有し、前記モータ側壁部には複数のスリット孔が形成されており、前記電池パックには熱的にフィンが接続され、このフィンが前記スリット孔を通じて前記電池パック収納部外に突出していることを特徴とする。
【0012】
また、上述の各々の発明において、前記電池パックの前記電池の間の隙間は樹脂材料で充填されていることを特徴とする。
【0013】
上述の本発明において、ファンで吸引された空気をモータの空冷に使用した後に、あるいはファンで吸引された空気をモータの空冷に使用することなく直接的に、電池パック収納部に導き、発熱する電池パックを効果的に空冷する。
【0014】
また、冷却にごみを吸い取るために使用された空気が用いられることに起因する導電性の塵芥の付着等による信頼性の低下を防ぐため、電池パック全体を樹脂でモールドする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態を示す概略断面図である。電池掃除機は、複数の二次電池4を束ねて電線を取り付けた電池パック3と、電池パック3を内部に収納した電池パック収納部2と、電池パック3によって回転駆動されるモータ7と、モータ7によって駆動され外部から空気を吸引するファン5と、ファン5によって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップ9と、ファン5によって吸引される空気をモータに導く空気流路(第1の空気流路)30と、内部に電池パック収納部2、モータ7及びファン5を収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口12が形成されたハウジング1とを備えている。ハウジング1内にはモータ7から排気口12へ空気を導く第2の空気流路30aが形成されている。
【0016】
ファン5によってホース14を介して吸引された塵等を含む空気はダストカップ9内に導かれ、フィルタ17を経てダストカップ9外へ排出され、フィルタ15,16を経て空気流路30を介してモータ7の近傍へ送られ、モータ7のコイル等の空冷に用いられる。モータ7の空冷に用いられた空気1は、ハウジング1の端部に形成されて排気口12から外部へ排気される前に、電池パック収納部2へ送られる。
【0017】
電池パック収納部2は、直方体状の外形を有しモータ7と排気口12との間に配設されている。電池パック収納部2はモータ7に面する側のモータ側壁部31と排気口12に面する側の排気側壁部32と上部33と底部34とを有する。モータ側壁部31と排気側壁部32とはハウジング1の内壁から立設されている。上部33はモータ側壁部31及び排気側壁部32と一体的に形成されており、上部33、モータ側壁部31、排気側壁部32及び図示しない側壁部とによって電池パック3を収納可能な凹部25が形成されている。底部34はハウジング1の壁の一部として形成されており、凹部25に対し取り外し可能な蓋として形成されている。底部34を取り外して電池パック3の交換が行われる。
【0018】
本実施の形態では、モータ側壁部31にはモータ7の回転方向7aに対し上流側に位置する部分31aに、モータ7によって送られた空気11を電池パック収納部2内へ流入させるための複数個のスリット状の流入孔37が配列して形成されている。また、モータ側壁部31のモータ7の回転方向7aに対し下流側に位置する部分31bは流入孔37のようなものは形成されていない。なお、部分31bにも流入孔37のようなものを形成してもよい。また、排気側壁部32にはモータ7の回転方向に対し下流側に位置する部分32bに空気を電池パック収納部2外へ流出させるための複数個のスリット状の流出孔38が配列して形成されている。なお、部分32aにも流出孔38のようなものを形成してもよい。
【0019】
部分31aに形成された流入孔37と部分32bに形成された流出孔38とは、電池パック収納部2のほぼ対角線の位置関係にある。
【0020】
また、複数個の流入口37の開口率は、モータ7の回転方向に対しより上流側に位置するほど高くなるように形成してもよい。モータ7の回転方向に対しより上流側に位置する流入口37ほどモータ7の回転方向の速度成分が流入口37の開口方向と一致するので、複数個の流入口37からより有効に電池パック収納部2内へ流入させることができる。
【0021】
上述の実施形態において、モータ7のコイルの空冷に使用された後の空気は、モータ側壁部31の部分31aに形成された流入孔37から電池パック収納部2内へ送られ、電池パック収納部2内の電池パック3を空冷した後に排気側壁部32の部分32bに形成された流出孔38から流出し、排出口12からハウジング1の外部に排気される。
【0022】
本実施の形態によれば、図9に示す従来例と異なりモータ側壁部31に流入孔37が形成されているので、モータ7のコイルの空冷に使用された後の空気を利用して電池パック収納部2内の電池パック3を有効に空冷することができる。
【0023】
また、さらには、流入孔37はモータ7の回転方向7aに対し上流側に位置する部分31aに形成されているとともに流出孔38は流入孔37に対し対角線の位置に形成されているので、流入口37から効果的に空気を電池パック収納部2内に流入させることができるとともに電池パック3の全体をムラなく空冷した後に流出孔38から空冷に寄与した空気を排出することができる。
【0024】
次に、図2を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0025】
本実施の形態においては、モータ側壁部31のほぼ全体にスリット状の流入孔37が配列して形成されており、排気側壁部32のほぼ全体にスリット状の流出孔38が配列して形成されている。
【0026】
さらに、モータ側壁部31の近傍のモータ7の回転方向に対し下流側に位置する領域にモータ7の回転方向の速度成分を持って流れ出た空気の流れ方向をモータ側壁部31の壁面に直交して向かうように変更する整流フィン40が設けられている。整流フィン40は断面三日月状の形状を有し、図2(a)に示すように上下左右に適当にずらして例えば3段に渡って配設されている。
【0027】
本実施の形態によれば、モータ側壁部31のほぼ全体にスリット状の流入孔37が形成されているとともに整流フィン40が配設されているので、モータ7の回転方向の速度成分を持って部分31bの近傍に流れ出た空気は整流フィン40によって方向変更され、部分31bに形成された流入孔37をも有効に利用して空気を電池パック収納部2内に流入させることができる。
【0028】
また、電池パック収納部2内に流入する空気はモータ側壁部31の壁面にほぼ直交する方向の速度流線を有するので、排気側壁部32の部分32aに形成された流出孔38を含む排気側壁部32の全体に形成された流出孔38を介して電池パック収納部2内の空気を有効に排出することができる。
【0029】
次に、図3を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0030】
本実施の形態においては、ファン5によってホース14を介して吸引される空気をモータ7を経ることなく電池パック収納部2の上部33に直接導く空気流路50が形成されている。空気流路50はファン5のケーシング52の内側であってファン5の動翼53の外周部に形成されている。また、電池パック収納部2の上部33には、空気流路50を介して送出される空気を電池パック収納部2内に流入させるための流入孔51が形成されている。排気側壁部32にはその下方部に流入孔51から流入した空気を電池パック収納部2外へ流出させるための流出孔55が形成されている。
【0031】
本実施の形態によれば、空気流路50を介して送出される空気はモータ7の空冷に使用後の空気ではないのでモータ7によって加熱されておらず、流入孔51から流入した非加熱空気によって電池パック3を効果的に冷却することができる。
【0032】
また、流出孔55は排気側壁部32の下方部に形成されているので、上部33に形成された流入孔51と対角線的な位置にあり、流入孔51から流入した空気で電池パック3の全体を冷却した後に円滑に排気することができる。
【0033】
次に、図4を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0034】
本実施の形態においては、電池パック収納部2の底部34にはハウジング1の外部に連通し空気を電池パック収納部2内に流入可能な複数の流入孔61が形成されている。底部34の内壁側には流入孔61から流入する空気中の塵等を排除するためのフィルタ60が配設されている。
【0035】
また、排気側壁部32の上方部には流入孔61から流入した空気を電池パック収納部2外へ流出させるための流出孔62が形成されている。流出孔62は電池パック3を間において流入孔61に対し対角線の位置に形成されている。
【0036】
本実施の形態によれば、底部34に流入孔61が形成されているのでモータ7で加熱されていない外気を自由に電池パック収納部2内に導入することができ、導入された空気は電池パック3を空冷した結果加熱されて上方の対角線位置にある流出孔62から自然対流により流出される。
【0037】
次に、図5及び図6を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0038】
本実施の形態においては、モータ側壁部31には複数のスリット状のスリット孔70が形成されている。また、モータ側壁部31には電池パック3に熱的に接続されたアルミ材等の熱伝導性の高い金属製のフィン72が取り付けられている。フィン72は表面積を大きくするために櫛型に配列した複数の板部から形成されており、電池パック3の外周を囲い保持する金属製の放熱用枠体74と一体的に形成されている。フィン72は、放熱用枠体74から突出しスリット孔70を貫通してモータ7に向き合っている。フィン72塗装や樹脂シートを表面に貼り付けることにより金属面を腐食等から保護してもよい。
【0039】
図6は図5に示す実施形態と同様の手法により電池パック3を空冷するものである。図6では、円筒形の電池4は絶縁性の樹脂成型部品76により位置決めされている。フィン72と一体的に形成されたコの字形に形成された放熱用枠体74が樹脂成型部品76の外周部に設けられている。放熱用枠体74とは絶縁された金属製の放熱板78が樹脂成型部品76に取り付けられている。絶縁されたふたつの放熱板78と放熱用枠体74はそれぞれ電池パック3の正極と負極を形成している。電池パック3を掃除機にスライドして挿入すると、掃除機側に設けられたソケットに放熱板78と放熱用枠体74の一部が嵌り電気的な接続のコネクタとして用いることができる。このコネクタとして使用される部分以外のフィン72等の表面に塗装を施したり絶縁性フィルムを貼り付けて、取り扱い時の短絡の危険性を低減することもできる。
【0040】
本実施の形態によれば、電池パック3で発生した熱はフィン72に伝わり、一方、フィン72にモータ7から送出される空気が直接当たることで、電池パック3で発生した熱はフィン72から放熱される。フィン72が放熱板として機能しフィン72自体の温度が低くなり、フィン72は電池パック3に熱的に接続されているので、電池パック3の温度上昇を抑制することができる。
【0041】
次に、図7及び図8を参照して本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0042】
本実施の形態においては、電池パック3は従来のように複数の電池4を熱収縮チューブ等により束ねた構造に比べより信頼性を高めるために図7等に示すように、電池パック3の全体が樹脂79により封止されている。また、図7に示す例では、金属製の熱伝導板80が中央部に配設されており、図8に示す例では図5に示した場合と同様に放熱用枠体74が配設されている。なお、電池パック3の発熱量が低い場合や電池パック3内の電池4間の温度分布の不均一性が十分小さい場合には、熱伝導板80等を省くことも可能である。
【0043】
電池パック3は、複数の電池4を粘着テープや樹脂や金属で製作された枠により仮に束ねて、各電池4を接続して電池パック3内部の配線を完了し、その後、流動性の樹脂に浸したり電池4を束ねた枠の内部に流動性の樹脂を流し込んで固化させる方法で製造される。この場合、仮の枠は樹脂を固化した後にとりはずしてもよいし、そのまま電池パック3の放熱用の部材として使用してもよい。図8に示す例は、コの字形に曲げた金属板74で円筒形の電池4を支え、樹脂を充填してパックを作る例であり、コの字形の金属板74は電池パック3の熱伝導用の部材であるが、製造時の仮の枠としても使用することが可能である。
【0044】
ファン5によって吸引された空気は、空気中の塵等をダストカップ9で分離貯留した後、フィルタ15,16,17を通るが、フィルタ15等の目よりも細かい塵芥が電池パック3に到達する可能性がある。また、フィルタ15等には薄く柔軟性のある材料が用いられることが多く、使用者がダストカップにたまったごみを捨てる際に触れることができるため、長期間使用している間に破損の可能性がある。このような場合、フィルタ15等の性能が低下したりあるいはフィルタ15等自身が塵芥となって電池パック3まで到達する可能性がある。特に、導電性、水分を含みやすいもの、腐食性の塵芥などは電池4の信頼性を損ねる原因となりやすい。
【0045】
これに対し、本実施形態のように、電池パック3を樹脂80で封止することにより電池4の信頼性を向上させることができる。また。樹脂80で封止することにより耐振動性や耐衝撃性を高めることができる。
【0046】
また、放熱に関しては、樹脂80を電池パック3の内部に充填しない場合では電池4間の隙間が比較的狭く、この隙間部分では、空気の粘性が空気の温度分布により発生する浮力よりも支配的となるため、空気が流動せず、電池パック3内部の熱移動は熱伝導支配となる。すなわち、空気の熱伝導率が電池パック3内部での熱移動の特性を決定する。一般的な樹脂材料は空気に比較すると約10倍の熱伝導率を持つため、樹脂80を電池4間に充電することにより電池パック3内部の熱の移動を促進し、電池4の温度上昇を低減することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の構成によれば、発熱する電池パックを効果的に空冷することが可能になり、また、ファンで吸引した空気を電池パックの空冷に用いるために起因する信頼性低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池掃除機の第1の実施の形態を示す(b)におけるA−Aにおける横断面図(a)と縦断面図(b)。
【図2】本発明の電池掃除機の第2の実施の形態を示す(b)におけるA−Aにおける
横断面図(a)と縦断面図(b)。
【図3】本発明の電池掃除機の第3の実施の形態を示す(b)におけるA−Aにおける
横断面図(a)と縦断面図(b)。
【図4】本発明の電池掃除機の第4の実施の形態を示す(b)におけるA−Aにおける
横断面図(a)と縦断面図(b)。
【図5】本発明の電池掃除機の第5の実施の形態を示す(b)におけるA−Aにおける
横断面図(a)と縦断面図(b)。
【図6】図5における電池パックの一例を示す平面図。
第2の実施例の変形例。
【図7】本発明の電池掃除機の電池パックの一例を示す平面図。
【図8】本発明の電池掃除機の電池パックの他の例を示す平面図。
【図9】従来の電池掃除機の(b)におけるA−Aにおける横断面図(a)と縦断面図
(b)。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 電池パック収納部
3 電池パック
4 二次電池
5 ファン
7 モータ
9 ダストカップ
11 空気
12 排気口
30 空気流路(第1の空気流路)
30a 第2の空気流路
31 モータ側壁部
32 排気側壁部
33 電池パック収納部の
34 電池パック収納部の底部
37 流入孔
38 流出孔
40 整流フィン
50 空気流路
51 流入孔
55 流出孔
61 流入孔
62 流出孔
70 スリット孔

Claims (5)

  1. 複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、
    前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、
    前記電池パックによって回転駆動されるモータと、
    前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、
    前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、
    前記ファンによって吸引される空気を前記モータに導く第1の空気流路と、
    内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、
    前記モータから前記排気口へ空気を導く第2の空気流路と、
    を備え、
    前記電池パック収納部は前記第2の空気流路に配設され、
    前記電池パック収納部は前記モータ側のモータ側壁部と前記排気口側の排気側壁部とを有し、
    前記モータ側壁部には空気を前記電池パック収納部内へ流入させるための流入孔が形成されており、
    前記排気側壁部には空気を前記電池パック収納部外へ流出させるための流出孔が形成されており、
    複数個の前記流入口が配列して形成されており、前記複数個の流入口の開口率は、前記モータの回転方向に対しより上流側に位置する前記流入口ほど高い
    ことを特徴とする電池掃除機。
  2. 複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、
    前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、
    前記電池パックによって回転駆動されるモータと、
    前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、
    前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、
    前記ファンによって吸引される空気を前記モータに導く第1の空気流路と、
    内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、
    前記モータから前記排気口へ空気を導く第2の空気流路と、
    を備え、
    前記電池パック収納部は前記第2の空気流路に配設され、
    前記電池パック収納部は前記モータ側のモータ側壁部と前記排気口側の排気側壁部とを有し、
    前記モータ側壁部には空気を前記電池パック収納部内へ流入させるための流入孔が形成されており、
    前記排気側壁部には空気を前記電池パック収納部外へ流出させるための流出孔が形成されており、
    前記モータ側壁部の近傍の前記モータの回転方向に対し下流側に位置する領域に前記モータの回転方向の速度成分を持って流れ出た空気の流れ方向を前記モータ側壁部に向かうように変更する整流手段を備える
    ことを特徴とする電池掃除機。
  3. 複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、
    前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、
    前記電池パックによって回転駆動されるモータと、
    前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、
    前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、
    内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、
    を備え、
    前記電池パック収納部の底部には前記ハウジングの外部に連通し空気を前記電池パック収納部内に流入可能な流入孔が形成され、
    前記排気側壁部の上方部には前記流入孔から流入した空気を前記電池パック収納部外へ流出させるための流出孔が形成されており、
    前記流出口から前記排気口へ空気を導く空気流路が形成されている
    ことを特徴とする電池掃除機。
  4. 複数の二次電池を束ねて電線を取り付けた電池パックと、
    前記電池パックを内部に収納した電池パック収納部と、
    前記電池パックによって回転駆動されるモータと、
    前記モータによって駆動され外部から空気を吸引するファンと、
    前記ファンによって吸引された空気中の塵等を分離貯留するダストカップと、
    前記ファンによって吸引される空気を前記モータに導く空気流路と、
    内部に電池パック収納部、前記モータ及び前記ファンを収容し、内部の空気を外部へ排気する排気口が形成されたハウジングと、
    を備え、
    前記電池パック収納部は前記モータに面して配設され、
    前記電池パック収納部は前記モータに面する側のモータ側壁部と前記排気口側の排気側壁部とを有し、
    前記モータ側壁部には複数のスリット孔が形成されており、
    前記電池パックには熱的にフィンが接続され、このフィンが前記スリット孔を通じて前記電池パック収納部外に突出している
    ことを特徴とする電池掃除機。
  5. 前記電池パックの前記電池の間の隙間は樹脂材料で充填されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電池掃除機。
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