JP3658481B2 - 蒸気タービンの中圧初段動翼植込部の加熱防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気タービンの冷却装置に係り、特に高中圧一体型蒸気タービンにおける中圧初段動翼植込部の加熱防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の火力発電設備は、地球環境保護の観点から、CO2、SOx、NOxの発生量抑制のために高効率化へのニーズが高まる一方の状況にある。火力発電設備のプラント熱効率の高効率のためには、蒸気温度の向上が最も有効な手段の一つであるが、現在実用可能な技術における最高蒸気温度は600℃程度であり、例えば当面の目標とされている650℃級の蒸気温度を実用化するためには、いくつかの克服しなければならない課題が残されている。
【0003】
その一つが、高中圧一体型タービンにおける中圧初段動翼植込部の材力低下防止技術である。
【0004】
図9は高中圧一体型蒸気タービンの中間グランド部の構成を示す断面図であって、高中圧外部ケーシング1内には、一半部に高圧タービンを構成する高圧動翼を設けるとともに他半部に中圧タービンを構成する中圧動翼を設けた一本のロータ2が配設されており、上記高圧タービンを構成する部分におけるロータ2の外周には高圧内部ケーシング3が配設されている。上記高圧内部ケーシング3の内周には、ノズルボックス4及び高圧タービンの各段のノズルが順次配設されるとともに、上記ノズルボックス4と中圧内部ケーシング5に装着されている中圧初段ノズル6との間には、ノズルボックス4に設けられた高圧初段ノズル7から流出した蒸気が中圧タービン側に漏出することを規制する中間グランドパッキンヘッド8が配設されている。
【0005】
しかして、上記ノズルボックス4に導入された主蒸気は高圧初段ノズル7を経て高圧初段動翼9側に流れ、以後各段の高圧ノズル及び高圧動翼を順次流れて、ロータ2に回転力を与える。このようにして高圧タービン部で仕事を行った蒸気は図示しない再熱器で再熱された後、再熱蒸気室10内に流入し、中圧初段ノズル6から中圧初段動翼11側に、前記高圧タービン部とは逆方向に流れ、ロータ2に回転力が与えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の如き高中圧一体型の蒸気タービンにおいては、高圧初段ノズル7の出口部からのリーク蒸気12が中間グランドパッキンヘッド8とロータ2との間隙の中間グランド部13を通って、中圧初段動翼11の植込部14に達し、この中圧初段動翼植込部14の温度が上記中間グランド部13を通る中間グランドリーク蒸気15のエンタルピに左右される。
【0007】
すなわち、中間グランドリーク蒸気15のエンタルピが高くなれば、中圧初段動翼植込部14の温度が高くなり、中圧初段動翼植込部のロータ材及び動翼材の材力が低下し、損傷に至る可能性がある。
【0008】
中間グランドリーク蒸気は、再熱蒸気温度が高い場合は中圧初段動翼植込部の冷却蒸気として作用するが、再熱蒸気温度が低い場合は逆に中圧初段動翼植込部の加熱蒸気として作用する。蒸気タービンの技術的な面から蒸気温度の向上を考慮した場合、高圧初段よりも中圧初段の方が翼長が長いため作用応力が厳しくなることから、再熱蒸気よりも主蒸気の方が温度を高くし易い。したがって、再熱蒸気を低くしたまま主蒸気温度を高くするケースが考えられる。このような場合、主蒸気温度上昇の技術的問題点の1つとなるのが中間グランドリーク蒸気である。
【0009】
中間グランドリーク蒸気15は、高圧初段ノズル7の出口からのリーク蒸気であることから、高圧初段ノズル入口温度すなわち主蒸気温度が高くなると、中間グランドリーク蒸気のエンタルピも高くなる。このように、主蒸気温度が高く再熱蒸気温度が低い高中圧一体型タービンにおいては、主蒸気温度を上昇させると高圧タービン初段ノズル出口から中圧タービン初段動翼植込部へリークする中間グランド蒸気のエンタルピが上昇し、これが臨界となって中圧初段動翼植込部の材力低下を招くことから、主蒸気温度を上昇させるためには、中間グランド蒸気エンタルピの上昇を抑制する必要がある。
【0010】
本発明はこのような点に鑑み、高中圧一体型の蒸気タービンにおいて、主蒸気温度の上昇に伴なう中間グランド蒸気エンタルピの上昇による中圧初段動翼植込部の材力低下を防ぐことのできる加熱防止装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、高中圧一体型の蒸気タービンにおいて、高圧初段ノズル出口部から中圧初段動翼植込部にリークするリーク蒸気を抽出し復水器に導入するリーク蒸気抽出管と、そのリーク蒸気抽出管の途中に設けられた圧力調整弁と、上記圧力調整弁の上流側に設けられた第1の圧力検出器および中圧初段ノズルダイアフラム内輪と中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分の圧力を検出する第2の圧力検出器の出力信号が入力され、上記圧力調整弁に開度制御信号を出力する演算器とを有することを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、高中圧一体型の蒸気タービンにおいて、高圧初段ノズル出口部から中圧初段動翼植込部にリークするリーク蒸気を抽出しタービン抽気管、給水加熱器、または脱気器に導入するリーク蒸気抽出管と、そのリーク蒸気抽出管の途中に設けられた圧力調整弁と、その圧力調整弁の上流側に設けられた第1の圧力検出器および中圧初段ノズルダイアフラム内輪と中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分の圧力を検出する第2の圧力検出器の出力信号が入力され、上記圧力調整弁に開度制御信号を出力する演算器とを有することを特徴とする。
【0013】
また、第3の発明は、高中圧一体型の蒸気タービンにおいて、高圧初段ノズル出口部から中圧初段動翼植込部にリークするリーク蒸気を抽出し抽気蒸気ヘッダーに導入するリーク蒸気抽出管と、上記抽気蒸気ヘッダーをそれぞれ制御弁を介して複数のタービン抽気管または給水加熱器或は脱気器に接続する接続管と、上記リーク蒸気抽出管の途中に設けられた圧力調整弁と、その圧力調整弁の上流側に設けられた第1の圧力検出器および中圧初段ノズルダイアフラム内輪と中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分の圧力を検出する第2の圧力検出器の出力信号並びに前記各タービン抽気管等の接続先の圧力信号が入力され、上記圧力調整弁に開度制御信号を出力するとともに上記制御弁に開閉制御信号を出力する演算器とを有することを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、リーク蒸気抽出管が、高圧初段ノズル出口部からのリーク蒸気の通路であるノズルボックスとロータとの隙間に開口し、ノズルボックスを貫通し、さらに高圧内部ケーシングおよび高中圧外部ケーシングを貫通して高中圧タービンの外に導出されていることを特徴とする。
【0015】
また、第5の発明は、リーク蒸気抽出管が、高圧初段ノズル出口部からのリーク蒸気の通路であるノズルボックスと中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分に開口し、高圧内部ケーシングを貫通し、主蒸気導入管の間を高圧タービン側へ通り抜け、さらに高中圧外部ケーシングを貫通して高中圧タービンの外に導出されていることを特徴とする。
【0016】
さらに、第6の発明は、リーク蒸気抽出管が、中間グランド部に開口し、中間グランドパッキンヘッドを貫通し、高中圧タービンの再熱蒸気室を通過した後、高中圧外部ケーシングの再熱蒸気入口部を貫通し、高中圧タービンの外に導出されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図8を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、図中図9と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0018】
図1において、符号20はボイラであって、そのボイラ20で発生した蒸気は主蒸気止め弁21及び蒸気加減弁22を経て高圧タービン23に導入され、そこで仕事を行なった蒸気は上記ボイラ20の再熱器20aで再熱され、再熱蒸気弁24を経て中圧タービン25に供給される。上記中圧タービン25に供給された蒸気はそこで仕事を行ない、さらに低圧タービン26に供給され、そこで仕事を行ない、高圧タービン23、中圧タービン25とともに同軸的に連結された発電機27を駆動し、電気エネルギが発生される。
【0019】
一方、低圧タービン26で仕事を行なった蒸気は復水器28で復水され、復水ポンプ29、復水ブースタポンプ30を介して低圧給水加熱器31a,31b,31c,31d及び脱気器32に順次送給され、さらにボイラ給水ポンプ駆動タービン33によって駆動される給水ポンプ34により高圧給水加熱器35a,35b,35cを経てボイラ20に還流される。
【0020】
ところで、高圧タービン23及び中圧タービン25は、図2に示すように、高中圧一体型の蒸気タービンであって、その高中圧タービンにおけるノズルボックス4とロータ2との間隙内にリーク蒸気抽出管36が開口されている。
【0021】
上記リーク蒸気抽出管36は、ノズルボックス4を貫通し、高圧内部ケーシング3及び高中圧外部ケーシング1を貫通して高中圧タービンの外に導出され、そのリーク蒸気抽出管36の先端が復水器28に接続されている。上記リーク蒸気抽出管36にはその途中に圧力調整弁37が設けられており、その圧力調整弁37の上流側には第1の圧力検出器38が設けられている。また、図2に示すように、中圧初段ノズルダイアフラム内輪16と中間グランドパッキンヘッド8との間の空間部分には第2の圧力検出器39が挿入装着されており、上記第1及び第2の圧力検出器38,39で検出された圧力信号は演算器40に入力され(図1)、その演算器40からの出力信号によって前記圧力調整弁37の開度が制御されるようにしてある。
【0022】
しかして、高圧初段ノズル7の出口からのリーク蒸気12は、ノズルボックス4とロータ2の間の隙間部分からリーク蒸気抽出管36を介して高中圧タービンの外側へ抽出される。また同時に、中圧初段ノズル入口リーク蒸気17は中間グランド部13を通って高圧初段ノズル出口リーク蒸気12と合流し、リーク蒸気抽出管36を通り、高中圧タービンの外に抽出され、復水器28へ排出される。
【0023】
ところで、リーク蒸気抽出管36の圧力が高すぎると高圧初段ノズル出口リーク蒸気は再熱蒸気圧力に引かれて、中間グランド部13を通り、中圧初段動翼植込部14の方に流れてしまい、また、リーク蒸気抽出管36の圧力が低すぎると、中圧初段ノズル入口リーク蒸気がリーク蒸気抽出管36に大量に流れ込み、効率低下を招くことになる。
【0024】
したがって、上記リーク蒸気抽出管36の途中に設けられている圧力調整弁37の上流側の圧力が、リーク蒸気抽出管36に高圧初段ノズル出口リーク蒸気が全て流れ込み、なおかつ中圧初段ノズル入口リーク蒸気が若干流れ込む状態となるように調整される。このリーク蒸気抽出管36内の最適圧力は、中圧初段ノズル入口リーク蒸気圧力にリンクする。すなわち、リーク蒸気抽出管の圧力は中圧初段ノズル入口リーク蒸気圧力に対して、中間グランド部13の圧損を見込み、それよりも若干低めの圧力とするのが望ましい。
【0025】
そこで、中圧初段ノズル入口リーク蒸気圧力を前記第2の圧力検出器39により検出し、演算器40により、図3の線Aに示すような予め入力された中圧初段ノズル入口リーク蒸気圧力とリーク蒸気抽出管36の最適圧力の関係から、運転状態に応じた最適圧力を算出し、その演算器40から出力される制御信号により圧力調整弁37の上流側の圧力が上記最適圧力になるように圧力調整弁37の開閉制御が行なわれる。
【0026】
また、圧力調整弁37の上流側の圧力は、第1の圧力検出器38で検出され、演算器40にフィードバックされ、圧力調整操作に反映される。なお、これらの操作はすべて演算器40並びに演算器からの信号によって全て自動的に行なわれる。
【0027】
このように、高圧初段ノズル出口のリーク蒸気を復水器に抽出することにより、このリーク蒸気が中間グランド部を通って中圧初段動翼植込部に至ることを防ぐことができ、これにより中圧初段動翼植込部の材力低下を防ぐことができる。
【0028】
図4は本発明の他の実施の形態を示す図であり、ノズルボックス4とロータ2の間の隙間部分から高圧内部ケーシング3等を貫通して高中圧タービンの外側に引き出されたリーク蒸気抽出管36は、その先端部が低圧給水加熱器のいずれか例えば第2の低圧給水加熱器31bへの抽気管41bに接続されている。
【0029】
しかして、この場合高圧初段ノズル出口リーク蒸気はリーク蒸気抽出管36内に回収されそのリーク蒸気抽出管36を経て上記抽気管41bに導入される。したがって、高圧初段ノズル出口リーク蒸気が中圧初段動翼植込部14に流れることが防止され、中圧初段動翼植込部14の材力低下を防止することができるとともに、リーク蒸気を給水加熱器に回収することにより、リーク蒸気を有効に利用でき、熱効率の向上を図ることができる。
【0030】
ここで、リーク蒸気抽出管36の接続先は、第1の低圧給水加熱器31aへの抽気管41aでもよいし、また第3の低圧給水加熱器31cへの抽気管41c、第4の低圧給水加熱器31dへの抽気管41d、或は脱気器32または第1の高圧給水加熱器35a等への抽気管42,43aでもよい。また、リーク蒸気抽出管36を各給水加熱器や脱気器或はボイラ給水ポンプ駆動タービン33へ直接接続してもよい。
【0031】
リーク蒸気抽出管の接続先の選定は、接続先の圧力によって決まる。すなわち、極力高い給水加熱器などに接続する方が再生サイクル効果の面から、リーク蒸気が有するエネルギーの熱回収効率を高くすることができ、より大きな熱効率の向上が得られる。但し、回収先の圧力があまり高いと高圧初段ノズル出口リーク蒸気がリーク蒸気抽出管に流れ込まずに、中間グランド部13を通って中圧初段動翼植込部の方へ流れてしまう。
【0032】
したがって、リーク蒸気の回収先は、リーク蒸気抽出管内の圧力を前記最適圧力以下とすることができる接続先の中で最も高い圧力を有するものとするのが最適である。
【0033】
また、図5は本発明のさらに他の実施の形態を示す図であり、ノズルボックス4とロータ2の間の隙間部分から高圧内部ケーシング3等を貫通して高中圧タービンの外側に引き出されたリーク蒸気抽出管36が圧力調整弁37を介してリーク蒸気回収ヘッダー44に接続されている。
【0034】
上記リーク蒸気回収ヘッダー44は、第2の低圧給水加熱器31bへの抽気管41b、第3の低圧給水加熱器31cへの抽気管41c、及び第4の低圧給水加熱器31dへの抽気管41dにそれぞれ接続管45a,45b,45cにより接続されており、この各接続管45a,45b,45cの途中にはそれぞれON−OFFの電動制御弁46a,46b,46cが設けられている。また、各抽気管41b,41c,41dにはそれぞれ圧力検出器47a,47b,47cが設けられており、これらの圧力検出器47a,47b,47cで検出された圧力信号も演算器40に入力され、その演算器40の出力信号によって各制御弁46a,46b,46cが選択的に開かれるようにしてある。さらに、上記リーク蒸気抽出管36内の圧力は前述と同様に圧力調整弁37の開閉制御によって最適値に制御される。
【0035】
次に、リーク蒸気回収ヘッダー44から先の接続先の切替方法について説明する。図6はタービン負荷とリーク蒸気抽出管36の最適圧力の関係、並びに抽気管41b,41c,41dの圧力を示す図であり、リーク蒸気抽出管36の最適圧力は、前述のように、中圧初段ノズル入口蒸気圧力から中間グランド部の圧損を差し引いた圧力よりも若干低い圧力であり、また各抽気管の圧力は各抽気点のタービン段落通過流量により決まる。
【0036】
ここで、各抽気管41b,41c,41dの圧力は負荷にほぼ比例して変化するのに対し、リーク蒸気抽出管36内の最適圧力は、各抽気管の圧力上昇量よりも大きな傾きで変化する。
【0037】
これは、リーク蒸気抽出管の最適圧力には中間グランド部やリーク蒸気抽出管での圧損が加味されており、この圧損は負荷のほぼ2乗に比例することが影響している。
【0038】
ところで、リーク蒸気の最適回収先は、圧力がリーク蒸気抽出管の最適圧力以下であり、その中で極力高い圧力を有する場所が最適である。
【0039】
したがって、図6に示すように、例えば100%負荷では抽気管41dがリーク蒸気の回収先の最適点であり、50%負荷では抽気管41cが最適点となり、30%負荷では抽気管41bが最適点となる。ここで例えばリーク蒸気の回収先が1ケ所しか用意されていない場合は、図6に示すように30%負荷時のリーク蒸気抽出管の圧力の制約から抽気管41b以下の圧力を有する場所しか回収先として選定することができず、100%負荷運転時には更に圧力の高い場所にリーク蒸気を回収できるにもかかわらず、抽気管41dの圧力以下の場所にしか回収されないため熱回収効率が低くなってしまう等の不都合がある。
【0040】
これに対し本実施の形態においては、リーク蒸気の回収先を複数用意してあり、運転状態に応じて回収先を切り替えることにより、熱回収効率を高くすることができる。
【0041】
すなわち、圧力検出器39によって中圧初段ノズル入口リーク蒸気の圧力を検出し、演算器40によってリーク蒸気抽出管36の最適圧力を算出し、この圧力によってリーク蒸気回収先の上限圧力が求められる。また同時に圧力検出器47a,47b,47cによって抽気管41b,41c,41dの圧力をそれぞれ検出し、演算器40で各抽気管41b,41c,41dの圧力の中からその運転状態における上限圧力以下で最も高い圧力のものを選び、リーク蒸気の回収先として選定する。
【0042】
例えば、回収先として第4の抽気管41dが選定された場合は、演算器40からの信号により制御弁46cが開き、制御弁46a,46bが閉じられ、リーク蒸気は高中圧タービンからリーク蒸気回収ヘッダー44を経て上記抽気管41dの抽気と合流する。
【0043】
また、リーク蒸気回収ヘッダー44の接続先としては、上記以外にも第1の抽気管41aでもよいし、脱気器抽気管42、或はボイラ給水ポンプ駆動タービン駆動蒸気管でもよい。また、各給水加熱器や脱気器等へ直接接続してもよい。さらにリーク蒸気回収ヘッダー44からの接続先は3ケ所とは限らず、適宜複数個所とすることができる。
【0044】
図7は、本発明の他の実施の形態を示す図であり、基本的には図2に示すものと同一であるが、リーク蒸気を抽出する場所がノズルボックス4と中間グランドパッキンヘッド8との間の空間部分としてある。
【0045】
すなわち、リーク蒸気抽出管36はノズルボックス4と中間グランドパッキンヘッド8との間の空間部分に開口しており、そこから高圧内部ケーシング3を貫通し、主蒸気導入管50の間を高圧タービン側へ通り抜け、さらに高中圧外部ケーシング1を貫通して高中圧タービンの外に引き出されている。なお、この場合ノズルボックス4と中間グランドパッキンヘッド8との間にリーク蒸気抽出管36の設置スペースを設けることにより、ノズルボックス4の固定が不安定となるため、高圧内部ケーシング3から削り出したノズルボックス固定輪51を設ける。
【0046】
しかして、高圧初段ノズル出口部からのリーク蒸気は、ノズルボックス4と中間グランドパッキン8との間の空間部分から高圧内部ケーシング3等を貫通するリーク蒸気抽出管36によって高中圧タービンの外側に引き出される。一方、若干の中圧初段ノズル入口リーク蒸気も中間グランド部13を通ってリーク蒸気抽出管36に流入し、高圧初段ノズル出口リーク蒸気と共に高中圧タービン外へ抽出される。その後、上記リーク蒸気は復水器28、或は抽気管41a等またはリーク蒸気回収ヘッダ44に排出される。
【0047】
ここで、図2に示す装置では高圧初段ノズル出口リーク蒸気を呑み込み易いという特徴があるが、リーク蒸気抽出管36がノズルボックス4を貫通しなければならないため、ノズルボックスの構造上の制約からリーク蒸気抽出管のサイズに制約が生じるという面があるが、図7に示すものにおいては上述のような制約がなく、比較的多くのリーク蒸気の抽出が必要な場合に対応することができる。
【0048】
図8は本発明のさらに他の実施の形態を示す図であり、リーク蒸気を抽出する場所が中圧初段ノズルダイヤフラム内輪16と中間グランドパッキンヘッド8との間の空間部分としてある。
【0049】
すなわち、リーク蒸気抽出管36は中圧初段ノズルダイヤフラム内輪16と中間グランドパッキンヘッド8との間の空間部分に開口しており、中間グランドパッキンヘッド8を貫通し、再熱蒸気室10を通り抜け、高中圧外部ケーシング1の再熱蒸気入口部を貫通し高中圧タービンの外に引き出されている。
【0050】
しかして、この場合も高圧初段ノズル出口リーク蒸気が、若干の中圧初段ノズル入口リーク蒸気とともにリーク蒸気抽出管36を介して高中圧タービンの外に抽出され、復水器、抽気管等へ排出される。
【0051】
ところで、この実施の形態においてはリーク蒸気抽出管の最適圧力には中間グランド部13の圧力損失分は見込む必要がない。またリーク蒸気抽出管としては、中間グランド部に取り付けるバランスウェイトの取付孔を利用してもよい。
【0052】
ここで、図2に示す装置においては、リーク蒸気抽出管が高中圧外部ケーシング1及び高圧内部ケーシング3の両方を貫通しなければならないため、起動・停止過程等において上記両ケーシング間の熱膨張の差により、リーク蒸気抽出管を変形させようとする力が加わる可能性がある。しかし、この図8に示す装置においてはリーク蒸気抽出管36は高中圧外部ケーシング1のみを貫通するので、上記両ケーシング間の熱膨脹差が作用することがなく、リーク蒸気抽出管の変形を防止することができるとともに構造を簡単なものとすることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、高中圧一体型の蒸気タービンで特に主蒸気温度が高く再熱蒸気温度が低いプラントにおいて、ノズルボックスとロータの間のすきま部分または、ノズルボックスと中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分または、中間グランドパッキンヘッドと中圧初段ノズルダイアフラム内輪との間の空間部分から、高圧初段ノズル出口リーク蒸気を高中圧タービンの外へ抽出し、これを復水器またはタービン抽気管等へ回収するようにしたので、中圧初段動翼植込部が高圧初段ノズル出口リーク蒸気によって加熱されて当該部のロータ材や動翼材の材力低下をまねくことを防止することができる。
【0054】
また、本発明は、リーク蒸気を抽出する蒸気管の圧力を調整することにより、高圧初段ノズル出口リーク蒸気が中間グランド部を通って中圧初段動翼植込部に至ることを防ぐとともに、高圧初段ノズル出口リーク蒸気に随伴して、リーク蒸気抽出管に流入してくる中圧初段ノズル入口リーク蒸気の量を最小限にとどめ、高圧初段ノズルリーク蒸気の抽出による効率低下を防ぐことができる。
【0055】
さらに、リーク蒸気の回収先を運転状態に応じて最適な回収先に切り替えるようにしたものにおいては、リーク蒸気の熱回収率を高め、これにより、リーク蒸気の抽出による熱効率の低下を最小限にとどめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中圧初段動翼植込部の加熱防止装置の系統図。
【図2】本発明の中圧初段動翼植込部の加熱防止装置における中間グランド部の構造を示す断面図。
【図3】中圧初段ノズルリーク蒸気圧力とリーク蒸気抽出管の最適圧力の関係を示す図。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す系統図。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態を示す系統図。
【図6】負荷に対するタービン抽気管圧力とリーク蒸気抽出管の最適圧力の関係を示す図。
【図7】本発明の他の実施の形態における中間グランド部の構造を示す図。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態における中間グランド部の構造を示す図。
【図9】高中圧一体型タービンの中間グランド部の構造を示す図。
【符号の説明】
1 高中圧外部ケーシング
2 ロータ
3 高圧内部ケーシング
4 ノズルボックス
5 中圧内部ケーシング
6 中圧初段ノズル
7 高圧初段ノズル
8 中間グランドパッキンヘッド
10 再熱蒸気室
13 中間グランド部
14 中圧初段動翼植込部
20 ボイラ
23 高圧タービン
25 中圧タービン
26 低圧タービン
28 復水器
31a,31b,31c,31d 低圧給水加熱器
32 脱気器
35a,35b,35c 高圧給水加熱器
36 リーク蒸気抽出管
37 圧力調整弁
38 第1の圧力検出器
39 第2の圧力検出器
40 演算器
41a,41b,41c,41d 抽気管
44 リーク蒸気回収ヘッダー
45a,45b,45c 接続管
50 主蒸気導入管
Claims (6)
- 高中圧一体型の蒸気タービンにおいて、高圧初段ノズル出口部から中圧初段動翼植込部にリークするリーク蒸気を抽出し復水器に導入するリーク蒸気抽出管と、そのリーク蒸気抽出管の途中に設けられた圧力調整弁と、上記圧力調整弁の上流側に設けられた第1の圧力検出器および中圧初段ノズルダイアフラム内輪と中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分の圧力を検出する第2の圧力検出器の出力信号が入力され、上記圧力調整弁に開度制御信号を出力する演算器とを有することを特徴とする、蒸気タービンの中圧初段動翼植込部の加熱防止装置。
- 高中圧一体型の蒸気タービンにおいて、高圧初段ノズル出口部から中圧初段動翼植込部にリークするリーク蒸気を抽出しタービン抽気管、給水加熱器、または脱気器に導入するリーク蒸気抽出管と、そのリーク蒸気抽出管の途中に設けられた圧力調整弁と、その圧力調整弁の上流側に設けられた第1の圧力検出器および中圧初段ノズルダイアフラム内輪と中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分の圧力を検出する第2の圧力検出器の出力信号が入力され、上記圧力調整弁に開度制御信号を出力する演算器とを有することを特徴とする、蒸気タービンの中圧初段動翼植込部の加熱防止装置。
- 高中圧一体型の蒸気タービンにおいて、高圧初段ノズル出口部から中圧初段動翼植込部にリークするリーク蒸気を抽出し抽気蒸気ヘッダーに導入するリーク蒸気抽出管と、上記抽気蒸気ヘッダーをそれぞれ制御弁を介して複数のタービン抽気管または給水加熱器或は脱気器に接続する接続管と、上記リーク蒸気抽出管の途中に設けられた圧力調整弁と、その圧力調整弁の上流側に設けられた第1の圧力検出器および中圧初段ノズルダイアフラム内輪と中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分の圧力を検出する第2の圧力検出器の出力信号並びに前記各タービン抽気管等の接続先の圧力信号が入力され、上記圧力調整弁に開度制御信号を出力するとともに上記制御弁に開閉制御信号を出力する演算器とを有することを特徴とする、蒸気タービンの中圧初段動翼植込部の加熱防止装置。
- リーク蒸気抽出管が、高圧初段ノズル出口部からのリーク蒸気の通路であるノズルボックスとロータとの隙間に開口し、ノズルボックスを貫通し、さらに高圧内部ケーシングおよび高中圧外部ケーシングを貫通して高中圧タービンの外に導出されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸気タービンの中圧初段動翼植込部の加熱防止装置。
- リーク蒸気抽出管が、高圧初段ノズル出口部からのリーク蒸気の通路であるノズルボックスと中間グランドパッキンヘッドとの間の空間部分に開口し、高圧内部ケーシングを貫通し、主蒸気導入管の間を高圧タービン側へ通り抜け、さらに高中圧外部ケーシングを貫通して高中圧タービンの外に導出されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸気タービンの中圧初段動翼植込部の加熱防止装置。
- リーク蒸気抽出管が、中間グランド部に開口し、中間グランドパッキンヘッドを貫通し、高中圧タービンの再熱蒸気室を通過した後、高中圧外部ケーシングの再熱蒸気入口部を貫通し、高中圧タービンの外に導出されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸気タービンの中圧初段動翼植込部の加熱防止装置。
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