JP3657891B2 - 電子顕微鏡の校正方法及び電子顕微鏡校正用標準試料 - Google Patents

電子顕微鏡の校正方法及び電子顕微鏡校正用標準試料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保証された既知寸法のパターンを有する試料を基準として用い、電子顕微鏡の倍率と寸法を校正する方法に係り、特に、走査電子顕微鏡を対象として、観察対象となる未知試料の大きさが広範囲にわたる場合に好適な電子顕微鏡の校正方法及び電子顕微鏡校正用標準試料に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば走査電子顕微鏡などの各種の電子顕微鏡は、その運用に際して、倍率及び寸法の校正(較正)を要する場合があるが、このためには、通常、精度が保証された既知寸法のパターンを備えた基準試料が用いられる。
【0003】
このとき、電子顕微鏡で計測される寸法(倍率表示)は、加速電圧、倍率、レンズ条件、試料の作動距離、電子源の状態等の諸条件によって変化する。
そこで、未知試料の倍率と寸法の校正には、未知試料の測定条件と同条件で標準試料の寸法を測定し、それを基準として用いる必要がある。
【0004】
ここで、基準試料としては、シリコンによる格子(縞状)パターンのピッチを寸法の基準にしたJQA(財団法人 日本品質保証機構)認証による標準マイクロスケールがあり、従って、従来技術では、この標準マイクロスケールを基準試料として用い、倍率と寸法を校正している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、校正が可能な倍率が標準マイクロスケールにより決められている点に配慮がされているとは言えず、広範囲の観察倍率には精度よく対応できないという問題があった。
【0006】
すなわち、従来技術では、標準マイクロスケールの格子パターンのピッチと未知試料を比較しているので、それらの大きさが近いときはかなりの精度が期待できるが、大きさが離れるにつれて精度が低下してしまうので、適用範囲に限度があり、且つ精度にも限度が生じてしまうのである。
【0007】
具体的に説明すると、標準マイクロスケールの場合には、そのパターンの寸法が1ピッチ(0.240μm±0.001μm)となるため、高精度の維持には、3〜10万倍の観察倍率が適切な範囲になり、この倍率範囲を外れると、パターンピッチが正しく判別できなくなるので、精度が低下する上、校正ができなくなってしまう。
【0008】
ここで、特願2000−144573の出願に係る発明では、対象となる未知寸法の微粒子を標準マイクロスケール上に直接分散させ、当該微粒子の寸法を校正する手法について提案している。
【0009】
しかし、この場合も、標準マイクロスケール上に分散させた微粒子を、標準マイクロスケールの格子パターンのピッチと比較して校正する点に変わりは無く、従って、標準マイクロスケールによる校正可能倍率範囲の拡大が得られる訳ではない。
【0010】
特に最近は、国際標準化機構が制定した「品質管理および品質保証に関する国際規格」(ISO9000シリーズ)や、計測、分析結果の国際的相互承認の基盤となる試験所認定制度(ISO Guido 30)などにより、計測、分析結果の信頼性向上について、その必要性が強く指摘されている。
【0011】
そこで、走査電子顕微鏡においても、一定の倍率(寸法)範囲に限らず、幅広い観察倍率で信頼性が高い測定手法、すなわち「精確さ」(=不確かさ)が明示できるようにした測定手法の開発が望まれているが、しかし、従来技術では、標準マイクロスケールにより規定されていて、これに応えることができなかった。
【0012】
本発明の目的は、標準試料による校正可能な範囲の拡大が充分に得られるようにした寸法校正方法及び電子顕微鏡校正用標準試料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、既知寸法のパターンを有する基準試料を用い、当該パターンを標準試料として電子顕微鏡を校正する方法において、前記既知寸法から段階的に寸法が異なっている複数の粒子を前記基準試料の観察面に分散支持させ、最初、前記複数の粒子の中の1個の寸法を、前記基準試料のパターンにより校正して第2の標準試料とした後、前記複数の粒子の中の他の1個の寸法を、前記第2の標準試料により校正して第3の標準試料とし、以後、同じ処理を残りの粒子についても繰り返えすことにより、第2から第nまでの標準試料を求め、これら第2から第nまでの標準試料に前記基準試料のパターンを第1の標準試料として含めた上で、これら第1から第nの標準試料の何れかを用いて校正を行うことにより達成される。
【0014】
このとき、前記基準試料の観察面に未知試料が支持されているようにしても良く、前記未知試料が、前記第1の標準試料による校正範囲を外れた寸法で、当該未知試料の校正が、前記第2から第nの標準試料を用いて行われるようにしても良い。
【0015】
同じく上記目的は、既知寸法のパターンを有する基準試料の観察面に、前記既知寸法から段階的に寸法が異なっている複数の粒子を分散支持させ、電子顕微鏡校正用標準試料とすることにより達成される。
【0016】
更に上記目的は、既知寸法のパターンを有する基準試料の観察面に、前記既知寸法から段階的に寸法が異なっている複数の粒子を分散支持させ、前記観察面に未知試料が支持されるようにして電子顕微鏡校正用標準試料とすることにより達成される。
【0017】
【発明の実際の形態】
以下、本発明による電子顕微鏡の校正方法について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態において使用される基準試料Rの一例で、標準マイクロスケールMの観察面に、粒子からなる未知の試料A〜Eを設けたものである。
【0018】
そして、まず標準マイクロスケールMは、上記したJQA認証によるもので、0.240μmのピッチで配列された複数本の溝からなるパターンPを持っている。
【0019】
次に、試料A〜Eは、図示されているように、互いに異なるサイズ(大きさ、寸法)を有し、かつ各試料A〜Eの各々による寸法比較測定が可能な倍率の範囲は、試料A〜Eの中の他の試料と標準マイクロスケールMの内の最低一種による寸法測定可能な倍率の範囲とオーバーラップする組み合わせになっている。
【0020】
ここで、この基準試料Rは、例えば以下のようにして作られる。
まず、種々の粒径をもつ試料、例えばラテックス粒子を用意する。そして、この粒子を標準マイクロスケールMの観察面に落下散布、或いは粒子が懸濁された液体を滴下させた後、余分な粒子を吹き飛ばすことにより、残った粒子を分散した状態で付着させ、試料A〜Eとするのである。
【0021】
このとき、これら試料A〜Eのサイズは、適用される電子顕微鏡の全ての倍率に対応できることが望ましい。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態が適用された走査電子顕微鏡の一例で、引き出し電極2と加速電極3によって電子銃(フィラメント)1から発生された電子ビーム4は、コンデンサレンズ5と対物レンズ6により、試料ステージ8上の試料台7に載置した試料、例えば基準試料Rの表面に収束させられる。
【0023】
このため、電子銃1と引出電極2及び加速電極3には、高圧制御部13から制御された電圧が印加され、コンデンサレンズ5と対物レンズ6には、レンズ制御部15から制御された電流が供給される。
【0024】
電子ビーム4の経路には、X方向走査コイル9とY方向走査コイル10が設けてあり、これらのコイルには、倍率制御部14から、任意の設定倍率に従って所定の偏向電流が供給され、これにより電子ビーム4が偏向され、試料台7上の試料の表面を走査する。
【0025】
ここで、電子ビーム4が試料の表面を走査するまでの高圧印加制御条件、レンズ制御条件、倍率制御条件などは、測長条件制御部17により制御される。
こうして電子ビーム4が試料、例えば基準試料Rの表面に収束された結果、その収束された点から2次電子11が発生する。
【0026】
そして、この2次電子11は検出器12に捕集されて画像信号となり、この画像信号が、このときの測定条件と共に画像モニタ/メモリ部16のメモリに記憶される。
そして、この画像モニタ/メモリ部16に記憶されたデータを使用し、測長制御部18により寸法測定が行われる。
【0027】
また、このときの画像信号は、画像モニタ/メモリ部16のモニタ(CRTや液晶などの表示装置)にも供給され、ここで走査電子顕微鏡の画像として表示され、操作者により観察できるようにされる。
【0028】
次に、測長制御部18による寸法測定と倍率校正について説明する。
まず、寸法測定及び倍率校正における加速電圧、引き出し電圧、エミッション電流、コンデンサレンズの励磁、倍率、試料作動距離、スキャン速度などの測長条件は、寸法校正係数と倍率補正係数の少なくとも一方について、対応するメモリテーブルを測長条件制御部17に備えることにより、与えられる。
【0029】
このときのメモリテーブルに格納される測定条件については、必ずしも前記の条件に限る必要はなく、更に前記の条件の全てである必要もなく、走査電子顕微鏡の倍率と寸法に影響を与える測定条件なら何でも良く、例えば、他の条件が一定な場合で、倍率がある一定の範囲で寸法がそれほど変わらない場合には、一定の倍率範囲では予め係数入力欄は1欄としておいても良い。
【0030】
そして、図1に示した基準試料Rを用い、図7で後述する手法により、予め予想される未知試料の測定条件における測長を行い、倍率補正、寸法校正係数を決定した後、それをメモリテーブルに保存しておく。
そして、測長制御部18では、現在の測長条件におけるメモリテーブルが満たされているか否かを画像モニタ/メモリ部16のモニタに表示させる。
【0031】
一方、寸法校正係数と倍率補正係数が決められていない条件で未知試料を測定した場合には、測定条件を測長校正の必要条件として保存し、読出して測定条件制御部17に再設定させることができ、この後、図7で後述する手法により、同じく基準試料Rを用いて測長を行い、寸法校正係数と倍率補正係数を決定し、メモリテーブルに保存しておく。
【0032】
ここで、メモリ画像の倍率補正は、次の方法により行えばよい。
▲1▼ 画像上の表示倍率又は寸法を変える。
▲2▼ 画像の表示サイズを変える。
リアルタイムで画像の倍率補正を行う場合には、測長制御部18により倍率制御条件を変更する。そして、寸法測定を行う際には、校正係数により寸法が校正される。
【0033】
次に、この実施形態の動作について、図3のフローチャートにより説明する。この実施形態では、基準試料Rを用いて、未知試料A〜Eを高精度で寸法測定する場合、まず標準マイクロスケールMのパターンを標準試料として寸法及び倍率校正を行った後、同じ観察条件で、未知試料A〜Eを測定する必要がある。
【0034】
そこで、図3の処理を開始したら、最初に未知試料に対する観察条件を設定する(処理301)。
例えば未知試料A(図1)の寸法測定を行う際には、この未知試料Aに適正な倍率になるように、すなわち図4の状態になるように観察条件を予想し、これを設定するのである。このとき測定データを取っておく。
【0035】
次に、この観察倍率で標準マイクロスケールMの寸法測定が可能か否かを判断する(処理302)。
処理302で測定可能であると判定されたら処理303に進み、標準試料(標準マイクロスケールMのパターン)により電子顕微鏡の倍率を校正する(処理303)。
【0036】
次に、未知試料(このときは未知試料A)の測定データが既に取られていたか否かを調べる(処理304)。
処理304でデータがあると判定されたら、そのデータを呼び出し(処理306)、続いて、そのデータを校正するのである(処理307)。
一方、データが無かったときは、処理306代えて処理305を実行する。
【0037】
ここで、標準試料と未知試料の観察倍率の関係は、模式的には図7に示すようにして表わせる。なお、倍率以外の観察条件は同一とし、標準試料と未知試料のサイズの大小関係は反対でも同じく表わせる。
【0038】
まず、図4の場合は、倍率は図7の領域bの範囲にある。従って、このときは標準試料の寸法測定が可能な倍率範囲(領域a)内で、図3の処理では、処理302の後、処理303に進んだときに相当し、標準試料を用いた未知試料Aの寸法校正が可能であることを意味する。
【0039】
従って、この場合は、試料の交換や視野探しは不要で、且つ同じ観察条件に設定するといった困難な作業も不要であり、高精度でスループット良く寸法測定が行える。
ここで、ISO Guido 30に準じれば、走査電子顕微鏡における測定値の「不確かさ」(真の値が存在すると推量される範囲)は、「精確さ」を定量的に表すために使用することができる。
【0040】
そして、この「不確かさ」は、一般式として次式で表わされる。
Uc =√{(U1)2+(U2)2+(U3)2
Uc:合成不確かさ(%)
1:標準試料の不確かさ
2:倍率校正の不確かさ
3:試料測定の不確かさ
(装置に依存する不確かさと、試料に依存する不確かさ)
【0041】
そこで、上記の場合は、0.240μmピッチ、誤差2σ=0.0006μmの標準マイクロスケールMの異なる個所のピッチを20回測定し、その平均値を設定した後、0.5μmの粒子径を10回測定して、平均粒子径663.4nm、誤差3σ(n−1)=3.5nmを得たとすると、この場合は、
Figure 0003657891
となる。
【0042】
ここで倍率校正の不確さS=1.677nmを用いれば、
Figure 0003657891
となり、合成不確かさは0.262%と算出される。
【0043】
なお、以上のことは、次の文献による。
“材料評価のための高分解能電子顕微鏡法”
遠藤大輔 平賀賢二 共著 1996 共立出版発行
【0044】
ところで、基準試料Rに用いられている標準マイクロスケールMは、図5(a) に示すように、ピッチ幅が決まっており、このピッチ幅で測定するのに適した倍率範囲がある。
【0045】
従って、いま、高倍率、例えば10万倍以上の高倍率で観察したとすると、図5(b)に示すように、モニタ面ではパターンの1ピッチ分が視野に入らなくなってしまい、正確なピッチが測れない。
【0046】
反対に、低倍率では、図5(c)に示すように、パターンのピッチ間隔が狭すぎて、やはり正確なピッチが測れず、何れの場合も校正ができない。
このような場合には、図3のフローチャートにおいて、処理302での結果がNo(否)になる。
【0047】
そこで、この場合は、続いて未知試料の観察倍率と標準試料の寸法測定が可能な倍率の双方で測定可能な試料が、未知試料A〜Eの中にあるか否かを検討する(処理308)。
【0048】
いま、例えば測定対象が未知試料Fであるとすると、この場合は、試料Fの測定が可能な倍率(図7の領域e)と、標準試料の測定が可能な倍率(図7の領域a)の双方で、測定が可能な試料E(観察可能領域:図7領域c)が存在する。
【0049】
そこで、この場合は、まず図6(a)に示す倍率(図7の領域b)において、標準試料(パターン)の寸法校正係数を決定し、次いで、これから未知試料Eの寸法を測定する(処理309)。そして、この寸法校正された未知試料Eを第2標準試料とする。
【0050】
次に、図6(b)に示すように、未知試料E、Fの双方が測定可能となる倍率(図7の領域d)に観察条件を再設定した後、第2の標準試料を測長し、寸法校正定数を決定してから未知試料Fの寸法測定を行う(処理310)。
【0051】
このときの測定値の不確かさは、まず前述した手法で、第2標準試料となる試料Eの不確かさを求め、この値をU1 として用いることにより、上記した式から同様に算出できる。
【0052】
従って、この実施形態によれば、第2の標準試料から校正した場合でも、「不確かさ」が明示でき、この結果、標準試料による校正可能範囲の拡大に的確に対応することができる。
【0053】
次に、未知試料Fとはサイズが異なる未知試料で、未知試料Eによる第2標準試料を使用したのでは、寸法測定が十分な精度で行えない場合、つまり図3の処理308での判定結果がNo になったときは、再び図7に示すようにして、未知試料の観察倍率と標準試料の寸法測定可能倍率の双方で測定可能な試料の組み合わせがあるか検討し(処理311)、標準試料で測定可能な未知試料の寸法を第2標準試料とする(処理312)。
【0054】
そして、同じ作業を、未知試料の測定が可能な標準試料が求まるまで、n回校正を繰り返えし(処理313)、最終的には第n標準試料が得られるまで寸法校正を実行し、その都度、未知試料の寸法測定を行い(処理314、315)、未知試料の測定が可能な標準試料が得られたとき、処理304に移行するのである。
【0055】
このときの「不確かさ」も、前述した手法で、第n標準試料となる試料までの不確かさを求め、この値をU1 として用いることにより、上記した式から同様に算出でき、従って、この実施形態によれば、標準試料による校正可能範囲を充分に拡大することができる。
【0056】
ここで、不確かさの許容範囲を5%とすると、このnの数値は、一般的には第2の標準試料以降の標準試料の寸法により変化するが、一応、n=4〜5が妥当である。
【0057】
なお、上記実施形態では、標準マイクロスケールMを試料の基板として、この上に寸法を測定したい未知試料が載置されている場合について説明したが、基板とサイズの異なる試料の組み合わせにより、寸法または倍率が校正できれば、未知試料が標準マイクロスケール上に載っている場合に限定しなくても良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、標準試料上に標準試料と異なる倍率でも測定可能な試料を載置させることにより、標準試料だけでは寸法校正できない未知試料の寸法測定にも容易に対応できる。
そして、この結果、適切な標準となり得る試料の選択処理や標準試料の出し入れなど、作業効率を下げる要因が取り除けるので、スループットの向上に大きく寄与することができる。
【0059】
また、従来技術では、何度も試料を出し入れすることによって生じる同一視野観察の困難さや電流値の変化、条件設定に際して生じる人為的ミスによって、測定精度の保持が困難になる虞れがあるが、本発明によれば、試料挿入回数を1〜2回程度に抑えることができる上、毎回試料観察条件を設定する必要もなく、同一視野での寸法校正が可能であることから、寸法測定値の不確かさを低減し、寸法校正の精度向上と同時に未知試料の測定に有する時間も短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子顕微鏡の校正方法の一実施形態における標準試料の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態が適用対象とする走査電子顕微鏡の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】標準試料上に載置された未知試料の一例を示す説明図である。
【図5】標準試料の各倍率による観察例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態による未知試料の寸法測定の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態における標準試料と未知試料の倍率の関係を示す模式図である。
【符号の説明】
A〜E 粒子からなる未知の試料
M 標準マイクロスケール
P パターン
R 基準試料
1 電子銃
2 引き出し電極
3 加速電極
4 電子ビーム
5 コンデンサレンズ
6 対物レンズ
7 試料台
8 試料ステージ
9 X方向走査コイル
10 Y方向走査コイル
11 2次電子
12 検出器
13 高圧印加制御部
14 倍率制御部
15 レンズ制御部
16 画像モニタ/メモリ部
17 測定条件制御部
18 測長制御部

Claims (5)

  1. 既知寸法のパターンを有する基準試料を用い、当該パターンを標準試料として電子顕微鏡を校正する方法において、
    前記既知寸法から段階的に寸法が異なっている複数の粒子を前記基準試料の観察面に載せ
    最初、前記複数の粒子の中の1個の寸法を、前記基準試料のパターンにより校正して第2の標準試料とした後、前記複数の粒子の中の他の1個の寸法を、前記第2の標準試料により校正して第3の標準試料とし、以後、同じ処理を残りの粒子についても繰り返えすことにより、第2から第nまでの標準試料を求め、
    これら第2から第nまでの標準試料に前記基準試料のパターンを第1の標準試料として含めた上で、
    これら第1から第nの標準試料の何れかを用いて校正を行うことを特徴とする電子顕微鏡の校正方法。
  2. 請求項1に記載の発明において、
    前記基準試料の観察面に未知試料が載せられていることを特徴とする電子顕微鏡の校正方法。
  3. 請求項1に記載の発明において、
    前記未知試料が、前記第1の標準試料による校正範囲を外れた寸法で、
    当該未知試料の校正が、前記第2から第nの標準試料を用いて行われることを特徴とする電子顕微鏡の校正方法。
  4. 既知寸法のパターンを有する基準試料の観察面に、前記既知寸法から段階的に寸法が異なっている複数の粒子を載せ、分散支持させたことを特徴とする電子顕微鏡校正用標準試料。
  5. 既知寸法のパターンを有する基準試料の観察面に、前記既知寸法から段階的に寸法が異なっている複数の粒子を分散支持させ、前記観察面に未知試料が支持されることを特徴とする電子顕微鏡校正用標準試料。
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