JP3657293B2 - 腹壁吊り上げ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主に腹腔鏡下手術の際に腹壁を吊り上げるのに用いられる腹壁吊り上げ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば虫垂や胆嚢の切除術等において、従来の開腹手術に代わり、非開腹で行う腹腔鏡下手術が注目されている。この腹腔鏡下手術は、複数本のトロカール管と呼ばれる連通管を腹壁を貫通して腹腔内に挿入し、一本のトロカール管から挿入した小型カメラ(内視鏡)によって腹腔内をモニター画像で観察しつつ、他のトロカール管から挿入された鉗子、鋏、メス、持針器等の器具により、腹腔内で種々の外科的処置を行うものである。
【0003】
このような腹腔鏡下手術を行う場合、内視鏡での視野を確保するために、腹壁を挙上する操作が行われる。これには、腹腔内にCO2 ガス等の気体を注入して腹腔内を陽圧にし、腹壁を挙上する気腹法と、腹壁にワイヤーを掛け、該ワイヤーを牽引して腹壁を挙上する吊り上げ法とがある。
【0004】
気腹法には、腹腔内に注入されるガスに起因し、高CO2 血症、不整脈、心不全、高血圧、低血圧(ショック)、無気肺、肩痛、肺空気塞栓、腸管穿孔、腸管膜気腫、縦隔気腫、皮下気腫、下肢静脈血栓症等の合併症が生じるおそれがあるという問題がある。特に、気腹圧が高くなると、血管内にガスが混入する危険性があり、通常、腹腔内の圧力は、12mmHg以下にする必要がある。
【0005】
これに対し、吊り上げ法では、大気圧下で行われるため、注入ガスに起因する合併症の問題は生じないが、一般に、気腹法に比較して視野が狭くなる傾向があり、特に肥満者や皮膚弛緩例では視野が不良となり易い。また、腹壁の上方に吊り上げワイヤー等が存在するため、手術操作空間が狭められ、鉗子類等の手術器具が衝突するなど、手術操作がしにくく、手術の円滑な遂行を阻害するという問題もある。
【0006】
吊り上げ法において、視野を広く確保するために、腹壁を4点で囲まれる面状に吊り上げる方法が考案されているが、この方法に用いる吊り上げ器具や、手術操作空間を広く確保できる吊り上げ装置は、未だ開発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、十分な視野が確保できかつ手術操作のための空間を広く確保して、手術の円滑な遂行に寄与する腹壁吊り上げ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(20)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記ワイヤー位置調整手段は、基材と、該基材上に所望のパターンで配置され、前記ワイヤーを保持する複数のワイヤー保持部とを有し、前記各ワイヤー保持部のうちから所定のワイヤー保持部を選択し、該選択されたワイヤー保持部に前記各ワイヤーを保持させることにより前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整するものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0010】
(2) 前記基材は、板状部材であり、前記ワイヤー保持部は、前記板状部材を貫通して形成されたワイヤー挿通孔である上記(1)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0011】
(3) 前記基材は、中心部に開口を有する円盤で構成され、前記ワイヤー保持部は、前記円盤の外周部に沿って形成された円盤を貫通するワイヤー挿通孔である上記(1)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0012】
(4) 前記ワイヤー挿通孔に連通し、ワイヤー挿通孔にワイヤーを着脱する際の通路を構成するワイヤー着脱ゲートを有する上記(2)または(3)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0013】
(5) 前記ワイヤー着脱ゲートに、該ワイヤー着脱ゲートを開閉するゲート開閉部材が設置されている上記(4)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0014】
(6) 前記ワイヤー着脱ゲートを閉じる方向に前記ゲート開閉部材を付勢する付勢部材を有する上記(5)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0015】
(7) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記ワイヤー位置調整手段は、各ワイヤーをそれぞれ保持するワイヤー保持部を有し、各ワイヤー保持部の相互の位置が調整可能なものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0016】
(8) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記ワイヤー位置調整手段は、先端部に前記ワイヤーを保持するワイヤー保持部がそれぞれ形成され、所定の開き角をなす伸縮自在な一対の棒体を有するものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0017】
(9) 前記ワイヤー位置調整手段は、前記一対の棒体の開き角を調節する角度調節手段を有するものである上記(8)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0018】
(10) 前記ワイヤー保持部は、前記ワイヤーをその長手方向に移動可能に保持するものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の腹壁吊り上げ装置。
【0019】
(11) 前記ワイヤー保持部は、前記ワイヤーの移動を円滑にする摩擦低減手段を有する上記(10)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0020】
(12) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ器具と前記ワイヤーとの係止位置が変更可能であることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0021】
(13) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ器具は、長手方向に沿って複数の孔が形成されたプレートと、線材と、前記プレートと前記線材とをそれらの端部同士で連結する連結部材とを有し、前記線材が腹腔内に位置し、前記プレートが体表側に位置するように装着して使用されるものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0022】
(14) 一対の前記吊り上げ器具を所定距離離間して用いることにより、腹壁を面状に吊り上げる上記(13)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0023】
(15) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記支持手段は、前記ワイヤー位置調整手段の上下方向の位置および/または姿勢を調節する機構と、前記各ワイヤーを牽引するワイヤー牽引手段とを有するクレーンであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0024】
(16) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記支持手段は、前記ワイヤー位置調整手段を上下方向に移動調節可能にかつ水平方向の軸を中心に回動調節可能に支持固定する機構と、前記各ワイヤーを牽引するワイヤー牽引手段とを有するクレーンであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0025】
(17) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記支持手段は、基部と、基部より鉛直方向に伸縮自在な支柱と、支柱の上端部に設置され、水平方向に伸びる第1アームと、前記第1アームに対し伸縮自在に設置された第2アームと、前記第2アームの先端部に形成され、前記ワイヤー位置調整手段を固定する固定部と、前記各ワイヤーをその長手方向に移動可能に支持するワイヤー支持手段と、前記各ワイヤーを巻き取って牽引するウインチとで構成されるクレーンであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0026】
(18) 前記第1アームは、前記支柱を中心に回動可能に支持されている上記(17)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0027】
(19) 前記ウインチは、前記各ワイヤーを同時にまたはそれぞれ独立して巻き取ることができるものである上記(17)または(18)に記載の腹壁吊り上げ装置。
【0028】
(20) 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
吊り上げる腹壁より頭部側に設置され、前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有することを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の腹壁吊り上げ装置を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の腹壁吊り上げ装置の実施例の全体構成を示す側面図、図2および図3は、それぞれ、図1に示す腹壁吊り上げ装置における吊り上げ器具およびワイヤー位置調整手段の構成を示す部分断面側面図および平面図、図4は、図3中のIV−IV線での断面図である。
【0032】
これらの図に示すように、本発明の腹壁吊り上げ装置1は、患者9の腹壁10に装着される一対の吊り上げ器具2a、2bと、これらの吊り上げ器具2a、2bを牽引する2本のワイヤー4a、4bと、腹壁吊り上げ時に吊り上げ器具2a、2bの上方に設置されるワイヤー位置調整手段5と、ワイヤー4a、4bおよびワイヤー位置調整手段5を支持する支持手段3とを有している。以下、これらの構成について説明する。
【0033】
支持手段3は、ワイヤー位置調整手段5を図1中上下方向(鉛直方向)に移動調節可能にかつ水平方向の軸を中心に回動調節可能に支持固定する機構と、ワイヤー4a、4bを牽引するワイヤー牽引手段とを有するクレーンで構成されている。
【0034】
このクレーンは、基部31を有し、基部31の下方に設けられた固定部材311によりベッド12の一端部(または側部)に強固に固定されている。基部31の内部には、支柱33が鉛直方向に伸縮自在に挿入されている。基部31の側部に設置されたリフター(昇降機)32のハンドル321を回転操作すると、その回転方向および回転量に応じて支柱33が鉛直方向に移動し、伸縮する。これにより、ワイヤー位置調整手段5の高さを調節することができる。
【0035】
ワイヤー位置調整手段5の高さ調節が行われたら、基部31の側部に設けられたノブ322を回転してその螺子軸で支柱33を締め付け、支柱33の上下方向の移動をロック(固定)する。この螺子軸付きのノブ322は、後述するノブ374および螺子軸373と同様の構成となっている。
【0036】
なお、リフター32は、ハンドル321から手を離すと、支柱33の上下方向の位置がそのまま保持されるように構成されている。
【0037】
また、支柱33は、基部31に対し、その軸を中心に回転可能に設置されている。これにより、後述する第1アーム34および第2アーム35が支柱33を中心に回動し、ワイヤー位置調整手段5の患者9に対する左右方向(図3中横方向)の位置を調節することができる。支柱33の回転、すなわち両アーム34、35の回動のロック(固定)は、ノブ322を回転してその螺子軸で支柱33を締め付けることにより行われるかまたは別途設けられた同様のロック機構(図示せず)により行われる。
【0038】
支柱33の上端には、水平方向に伸びる第1アーム34の一端部が固定されており、第1アーム34の他端部には、第2アーム35が第1アーム34に対し伸縮自在に設置されている。第1アーム34に設置されたエクステンダー36のハンドル361を回転操作すると、その回転方向および回転量に応じて第2アーム35が水平方向に移動し、伸縮する。これにより、第2アーム35の突出長さが調整され、ワイヤー位置調整手段5の患者9に対する正中方向(図1中横方向)の位置を調節することができる。なお、エクステンダー36は、第2アーム35の突出長さを固定するロック機構(図示せず)を備えている。
【0039】
第2アーム35の先端部には、ワイヤー位置調整手段5を固定する固定部37が設けられている。図4に示すように、固定部37においては、第2アーム35内にワイヤー位置調整手段5の軸棒55が挿入される軸孔371が形成されており、該軸孔371に水平方向に伸びる軸棒55が挿入されている。この軸棒55は、軸孔371に対し回転可能にかつ軸方向に摺動可能に挿入されている。
【0040】
一方、第2アーム35には、第2アーム35の側部に開口し、軸孔371に連通する螺子孔372が、軸孔371に対し垂直方向に形成されており、該螺子孔372内には、一端にノブ374が固着された螺子軸373が螺入されている。ノブ374の回転により、螺子軸373が螺子孔372内で進退する。
【0041】
軸棒55の第2アーム35先端からの突出長さおよび回転角度を所望に調節した状態で、ノブ374を所定方向に回転し、螺子軸373を軸孔371側へ前進させ、螺子軸373の先端頭部375を軸棒55の側面に圧着することにより、軸棒55の長手方向の移動および回転がロック(固定)される。
【0042】
第1アーム34および第2アーム35には、ワイヤー4a、4bをその長手方向に移動可能に支持するワイヤー支持手段38が設けられている。このワイヤー支持手段38は、第1アーム34および第2アーム35のそれぞれの先端部上面に立設されたワイヤーガイド381、382と、第1アーム34の基端部上部に設置された滑車384とで構成されている。
【0043】
図4に示すように、ワイヤーガイド381、382には、それぞれ、ワイヤー4a、4bが挿入される一対のU字状の溝383が形成されている。なお、ワイヤー4a、4bの摺動性を向上するために、各溝383の内面は、後述する低摩擦材料で構成されているのが好ましい。また、溝383に代わり、ワイヤー4a、4bを遊嵌するリングまたは滑車を用いてもよい。
【0044】
また、支柱33の側部には、ワイヤー4a、4bを巻き取って牽引するウインチ(ワイヤー巻取機)39が設置されている。このウインチ39と前記ワイヤー支持手段38とによりワイヤー牽引手段が構成される。
【0045】
ワイヤー4a、4bは、ワイヤーガイド381、382により第1アーム34および第2アーム35の上部においてほぼ水平にかつワイヤー長手方向に移動可能に支持され、滑車384を介して鉛直下方へ屈曲し、ウインチ39のリール部に巻き付けられている。ウインチ39のハンドル391を所定方向に回転操作すると、その回転量に応じてワイヤー4a、4bが巻き取られる。
【0046】
なお、ウインチ39は、例えばラチェット機構よりなるワイヤー4a、4bの巻き戻り防止手段(図示せず)を備えている。この巻き戻り防止手段の作動を解除してハンドル391を前記と逆方向に回転操作すると、その回転量に応じてワイヤー4a、4bが巻き出される。
【0047】
ワイヤー4a、4bとしては、例えば、鋼線、ステンレス線、ニッケル−チタン合金線、チタン線、タングステン線等の金属線や、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン等の高張力樹脂線による単線またはその集合体(単線の束、撚線等)を用いることができる。
【0048】
また、ワイヤー4a、4bの外径は特に限定されないが、好ましくは1〜10mm程度、より好ましくは3〜6mm程度とされる。
【0049】
このようなワイヤー4a、4bの先端には、それぞれ、後述するプレート21に係止するフック41が固定されている。
【0050】
なお、ウインチ39は、ワイヤー4a、4bを同時に牽引するものでも、ワイヤー4a、4bをそれぞれ独立して牽引するものでもよい。前者の場合、両ワイヤー4a、4bを同一のリールで同方向に巻き取る構成や、両ワイヤー4a、4bを途中で1本のワイヤーに束ねまたは1本のワイヤーに連結し、その単一のワイヤーを巻き取る構成とすることができる。また、後者の場合には、ワイヤー4a、4bをそれぞれ異なるリールで巻き取る構成とされる。後者の場合、ワイヤー4a、4bの牽引度(巻き取り長さ)を異ならせて、吊り上げる腹壁部位の角度等を調整することもでき、好ましい。
【0051】
また、前記リフター32、エクステンダー36およびウインチ39は、それぞれ、電動式のものであってもよい。この場合、手術者が有線または無線のリモコン装置(図示せず)によりこれらを遠隔操作することもでき、手術の操作性をより向上することができる。
【0052】
以上のような支持手段(クレーン)3は、ベッド12に固定する場合に限らず、手術室の床、天井、壁、柱等に固定してもよい。
【0053】
図3に示すように、本実施例では、ワイヤー4a、4bとの係止位置が変更可能な一対の吊り上げ器具2a、2bが腹壁10に装着されて使用される。この吊り上げ器具2a、2bは、それぞれ、短冊状のプレート21と、線材である鋼線23と、プレート21と線材23とをそれらの端部同士で連結する連結部材である糸24とで構成されている。吊り上げ器具2aおよび2bは、同一の構造であるため、以下吊り上げ器具2aについて代表的に説明する。なお、図2および図3は、腹腔鏡下胆嚢摘出術を吊り上げ法で行う場合の吊り上げ器具の装着状態を示している。
【0054】
プレート21は、例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム等の金属または各種硬質樹脂等の剛性材料で構成され、その長手方向に沿って複数の円形の孔22が好ましくは等間隔で形成されている(図3参照)。これらの孔22のうちの1つを選択し、その孔22にワイヤー4aの先端に固定されたフック41を引っ掛ける。フック41を引っ掛ける孔22を変更することにより、吊り上げのバランス、すなわちプレート21および鋼線23の吊り上げ時の角度を調節することができる。なお、通常は、吊り上げ時にプレート21が水平となるようにフック41を引っ掛ける孔22を選択する。
【0055】
図2に示すように、鋼線23は、皮下または腹腔11内に挿入して使用され、例えば、長さ100〜600mm程度、直径1〜6mm程度のサイズを有している。
【0056】
このような鋼線23とプレート21とは、それぞれ、腹壁10を介して腹腔11内側と体表側とに位置しており、それらの両端部同士は、腹壁10を貫通する糸24により連結されている。
【0057】
以上のような一対の吊り上げ器具2a、2bを、図3に示すように所定距離離間して平行または非平行に装着し、腹壁10の吊り上げを行うと、腹壁10は、2本の鋼線23の両端部(計4点)で囲まれる面で挙上されるため、点または線(2点)で挙上するのに比べ、腹腔11内の体積を大きくし、内視鏡での視野および手術空間を広く確保することができる。
【0058】
ワイヤー位置調整手段5は、板状部材のような基材と、該基材上に所望のパターンで配置された複数のワイヤー保持部とを有し、各ワイヤー保持部のうちから所定のワイヤー保持部を選択し、該選択されたワイヤー保持部にワイヤー4a、4bを保持させることによりワイヤー4a、4bの相互の位置関係を調整するものである。以下、具体的に説明する。
【0059】
図2および図3に示すように、ワイヤー位置調整手段5は、基材として、中心部に円形の開口53を有する環状の円盤51を有している。この円盤51には、ワイヤー保持部として、円盤51の外周部に沿って所定間隔で複数の円形のワイヤー挿通孔52が円盤51を貫通するよう形成されている。
【0060】
円盤51の中心部に開口53を有することにより、この開口53内に手術操作空間が提供され、手術の操作性が向上する。
【0061】
図示の構成では、7個のワイヤー挿通孔52がほぼ等間隔で形成され、それらより選択された2つのワイヤー挿通孔52にそれぞれワイヤー4a、4bを挿通する。そして、ワイヤー4a、4bをそれぞれ挿通するワイヤー挿通孔52の選択により、ワイヤー4a、4bの相互の位置関係を調整することができる。
【0062】
なお、本実施例では、ワイヤー挿通孔52は、その内径がワイヤー4a、4bの直径より大きく、ワイヤー4a、4bをその長手方向に摺動可能に保持するものであるが、これに限らず、ワイヤー挿通孔52は、ワイヤー4a、4bを固定的に保持するものであってもよい。
【0063】
ワイヤー挿通孔52がワイヤー4a、4bを摺動可能に保持するものである場合、ワイヤー4a、4bの摺動性を向上するために、摩擦低減手段として、各ワイヤー挿通孔52の内周面を低摩擦材料で構成するのが好ましい。この低摩擦材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、PFA、FEP、ETFE、ポリオキシメチレン等が挙げられる。また、ワイヤー4a、4bの摺動性向上および保護のために、ワイヤー挿通孔52の縁部に面取りを施すこともできる。
【0064】
円盤51の第2アーム35側の外周には、突出片54が形成され、さらに該突出片54の端部には、軸棒55が固着されている。前述したように、軸棒55は、第2アーム35に対し回転可能かつ軸方向に摺動可能であり、よって、第2アーム35先端からの円盤51の突出長さおよび円盤51の姿勢(水平に対する角度)を調節することができる。円盤51は、通常、水平状態で固定されるが、例えば、ベッド12の傾斜や患者9の横臥等により、吊り上げる腹壁10の左右の高さが異なる場合には、それに応じて軸棒55を回転し、円盤51を水平に対し傾斜させた状態で固定する。
【0065】
円盤51の寸法は特に限定されないが、外径が好ましくは100〜500mm程度、より好ましくは150〜250mm程度であり、内径が好ましくは50〜400mm程度、より好ましくは100〜200mm程度である。
【0066】
また、ワイヤー挿通孔52の形状、形成数、配置等の条件も、図示のものに限定されない。
【0067】
次に、上記腹壁吊り上げ装置1を用いた腹壁の吊り上げ方法について説明する。
【0068】
[1] 腹壁10の挙上したい部分に吊り上げ器具2a、2bを装着する。すなわち、皮下に2本の鋼線23を通し、その両端部をそれぞれ対応するプレート21の両端部と糸24で連結する。
【0069】
[2] ワイヤー支持手段38でワイヤー4a、4bを支持するとともに、ワイヤー4a、4bの基端部をウインチ39に接続する。
【0070】
[3] 円盤51が挙上する腹壁10の真上、すなわち腹壁10に装着された吊り上げ器具2a、2bの中間の上方に位置するように、クレーンの第1アーム34および第2アーム35を支柱33を中心に回動させるとともに、エクステンダー36のハンドル361を回転操作して、第2アーム35の突出長さを調節し、ロックする。なお、このとき、円盤51の高さは、腹壁10を挙上したとき、円盤51が吊り上げ器具2a、2bや腹壁10に接触しないように、腹壁10から十分上昇した位置とする。
【0071】
[4] 円盤51の第2アーム35からの突出長さおよび円盤51の姿勢、すなわち軸棒55を中心とする回転角度(水平面に対する傾斜角度)を微調整した後、ノブ374を回転操作して、ロック(固定)する。なお、通常、円盤51の姿勢は、水平となるように設定される。
【0072】
[5] ワイヤー4a、4bを、それぞれ、円盤51の所望のワイヤー挿通孔52にフック41側から挿通する。このとき、ワイヤー4a、4bを挿通するワイヤー挿通孔52は、両プレート21の位置に応じて選択する。
【0073】
[6] ワイヤー4a、4bの先端のフック41を、それぞれ、対応するプレート21の所望の孔22に引っ掛ける。このとき、フック41を引っ掛ける孔22は、通常、腹壁吊り上げ時にプレート21がほぼ水平となるように選択する。
【0074】
[7] リフター32のハンドル321を回転操作して、腹壁10を挙上すべき高さ近傍まで円盤51を降下させる。このとき、必要に応じ、円盤51の降下に伴うワイヤー4a、4bの弛みを取り除くために、ウインチ39のハンドル391を回転操作してワイヤー4a、4bを巻き取る。
【0075】
[8] ウインチ39のハンドル391を回転操作してワイヤー4a、4bを所定長さ巻き取り、牽引する。これにより、吊り上げ器具2a、2bが上方に吊り上げられ、腹壁10が挙上する。このとき、必要に応じ、リフター32を操作して円盤51の高さを微調整し、円盤51と挙上された腹壁10とができるだけ接近するようにする。円盤51と挙上された腹壁10との間隔は、好ましくは0〜5cm程度とされる。
【0076】
なお、腹壁10の挙上の最適な高さは、腹腔11内に挿入された内視鏡により手術に必要な視野が十分に得られていることで判断する。
【0077】
以上のように、本発明の腹壁吊り上げ装置1では、腹壁10を面状にかつ直上に吊り上げることができ、しかも腹壁10に装着された吊り上げ器具2a、2bの配置に応じた最適の位置にワイヤー4a、4bを配置して吊り上げを行うことができるので、腹腔11内での手術に際し、広い視野と手術空間とを確保することができる。
【0078】
吊り上げ器具2a、2bの上方には、円盤51のようなワイヤー位置調整手段5があるのみであり、特に、腹壁10とワイヤー位置調整手段5とを近接させることで、吊り上げ器具2a、2bの上方の手術操作空間を広く取ることができる。
【0079】
さらに、支持手段(クレーン)3は、患者9の頭部90側に設置され、かつ、患者9の頭部90上方から腹壁10の吊り上げ部上方まで、第1アーム34および第2アーム35が延在しているだけであるため、制限される手術操作空間が極めて少なく、特に、挙上された腹壁10の側部等には、十分な手術操作空間が確保される。
【0080】
図5は、本発明におけるワイヤー位置調整手段の他の構成例を示す底面図である。同図に示すワイヤー位置調整手段6は、中心部に円形の開口63を有する前記と同様の環状の円盤61を有し、その外周部に沿って前記と同様の複数の円形のワイヤー挿通孔62が形成されている。また、円盤61の外周には、前記と同様の突出片68および軸棒69を有している。
【0081】
各ワイヤー挿通孔62の外周側には、ワイヤー挿通孔62に連通し、円盤61の外周に開放するワイヤー着脱ゲート64が形成されている。このワイヤー着脱ゲート64は、ワイヤー挿通孔62にワイヤー4a、4bを着脱する際の通路を構成するものである。
【0082】
なお、前記と同様に、各ワイヤー挿通孔62およびワイヤー着脱ゲート64の内面は、前述のような低摩擦材料で構成されているのが好ましく、それらの縁部に面取りを施すこともできる。
【0083】
また、各ワイヤー着脱ゲート64には、ワイヤー着脱ゲート64を開閉するゲート開閉部材として、爪部材65が設置されている。この爪部材65は、支点66によりワイヤー着脱ゲート64の一方の側部に回動自在に取り付けられている。爪部材65の基端部には、バネ(付勢部材)67の一端が固定され、バネ67の他端は、円盤61の裏面に固定されており、爪部材65は、このバネ67の引っ張り力により付勢されている。
【0084】
図5に示すように、爪部材65に外力を作用させない状態では、爪部材65はワイヤー着脱ゲート64に対しほぼ垂直方向に位置してワイヤー着脱ゲート64を閉じている(以下「基準位置」という)が、例えばワイヤー5bがワイヤー着脱ゲート64を円盤61の中心部に向かって通過する際に、ワイヤー5bがバネ67の付勢力に抗して爪部材65を押圧すると、爪部材65が支点66を中心に図中時計回りに回動し、ワイヤー着脱ゲート64が開く。これにより、ワイヤー5bは、ワイヤー着脱ゲート64を通過してワイヤー挿通孔62に挿入される。
【0085】
ワイヤー5bがワイヤー挿通孔62に挿入されると、ワイヤー5bと爪部材65との係合が解除され、爪部材65は、バネ67の付勢力により前記基準位置に戻り、ワイヤー着脱ゲート64が自動的に閉じる。ワイヤー挿通孔62内のワイヤー4bは、ワイヤー着脱ゲート64を塞いでいる爪部材65により、ワイヤー挿通孔62から容易に離脱することが防止される。
【0086】
ワイヤー5bをワイヤー挿通孔62から取り外すためにワイヤー5bで爪部材65を内側から押圧すると、図中一点鎖線で示すように、爪部材65が支点66を中心に図中反時計回りに回動し、ワイヤー着脱ゲート64が開く。これにより、ワイヤー5bは、ワイヤー着脱ゲート64を通過して円盤62から離反する。このワイヤー5bの離反により、ワイヤー5bと爪部材65との係合が解除され、爪部材65は、バネ67の付勢力により前記基準位置に戻り、ワイヤー着脱ゲート64が自動的に閉じる。
【0087】
このように、ワイヤー位置調整手段6によれば、ワイヤー挿通孔62へのワイヤー4a、4bの着脱を容易に行うことができ、手術の操作性向上に寄与する。
【0088】
なお、ワイヤー位置調整手段6において、バネ67の形態は、図示のものに限らず、例えば、トーションバネのようなバネであってもよい。また、爪部材65が基準位置から反時計回りに回動しないようなストッパー(図示せず)を設けることもできる。
【0089】
図6は、本発明におけるワイヤー位置調整手段の他の構成例を示す底面図である。同図に示すワイヤー位置調整手段7は、中心部に円形の開口73を有する前記と同様の環状の円盤71を有し、その外周部に沿って前記と同様の複数の円形のワイヤー挿通孔72が形成されている。また、円盤71の外周には、前記と同様の突出片78および軸棒79を有している。
【0090】
各ワイヤー挿通孔72の外周側には、ワイヤー挿通孔72に連通し、円盤71の外周に開放するワイヤー着脱ゲート74が形成されている。このワイヤー着脱ゲート74は、ワイヤー挿通孔72にワイヤー4a、4bを着脱する際の通路を構成するものである。
【0091】
なお、前記と同様に、各ワイヤー挿通孔72およびワイヤー着脱ゲート74の内面は、前述のような低摩擦材料で構成されているのが好ましく、それらの縁部に面取りを施すこともできる。
【0092】
また、各ワイヤー着脱ゲート74には、ワイヤー着脱ゲート74を開閉するゲート開閉部材として、ピン75が設置されている。このピン75は、ワイヤー着脱ゲート74の一方の側部に開口し、ワイヤー着脱ゲート74に対しほぼ垂直方向に形成された横穴76内に摺動可能に挿入されている。また、横穴76内のピン75の基端側には、バネ(付勢部材)77が圧縮状態で収納されており、このバネ77によりピン75は、先端方向に付勢されている。ピン75の先端部には、ピン75を移動操作するためのレバー751が突出形成されている。
【0093】
図6に示すように、ピン75に外力を作用させない状態では、ピン75はバネ77により先端方向に付勢され、ワイヤー着脱ゲート74を閉じている(以下「基準位置」という)が、レバー751を操作し、バネ77の付勢力に抗してピン75をその基端方向へ移動すると、ワイヤー着脱ゲート74が開き、例えばワイヤー5bをワイヤー着脱ゲート74を通過させてワイヤー挿通孔72に挿入することができる。
【0094】
ワイヤー5bがワイヤー挿通孔72に挿入された後、レバー751から手を離すと、ピン75は、バネ77の付勢力により前記基準位置に戻り、ワイヤー着脱ゲート74が自動的に閉じる。ワイヤー挿通孔72内のワイヤー4bは、ワイヤー着脱ゲート74を塞いでいるピン75により、ワイヤー挿通孔72から離脱することが防止される。
【0095】
ワイヤー5bをワイヤー挿通孔72から取り外すときは、前記と同様、レバー751を操作してワイヤー着脱ゲート74を開き、ワイヤー5bをワイヤー着脱ゲート74を通過させて円盤72から離反する。レバー751から手を離すと、前記と同様、ピン75が基準位置に戻り、ワイヤー着脱ゲート74が自動的に閉じる。
【0096】
このように、ワイヤー位置調整手段7によれば、ワイヤー挿通孔72へのワイヤー4a、4bの着脱を容易に行うことができ、手術の操作性向上に寄与するとともに、ワイヤー挿通孔72からのワイヤー4a、4bの不本意な離脱を確実に防止することができる。
【0097】
なお、図5、図6に示すワイヤー位置調整手段6、7を用いた場合も、前記[1]〜[8]と同様の工程により、腹壁10の吊り上げが行われる。この場合、工程[5]において、ワイヤー4a、4bのワイヤー挿通孔62、72への挿通は、前述したように、ワイヤー着脱ゲート64、74を介して容易に行うことができ、一度挿通したワイヤー4a、4bを他のワイヤー挿通孔62、72へ変更する場合も同様である。
【0098】
図7は、本発明におけるワイヤー位置調整手段の他の構成例を示す平面図、図8は、図7に示すワイヤー位置調整手段の第2アームへの取付構造を示す分解斜視図である。これらの図に示すワイヤー位置調整手段8は、ワイヤー4a、4bをそれぞれ保持する保持部を有し、各保持部の相互の位置が調整可能なものである。以下、具体的に説明する。
【0099】
ワイヤー位置調整手段8は、第2アーム35の先端部に回動可能に設置された一対の伸縮自在な棒体81a、81bと、棒体81a、81bの先端にそれぞれ固定されたワイヤー保持部材82a、82bと、両棒体81a、81bの開き角θ等を調節する角度調節手段83とを有している。
【0100】
棒体81aは、中空の親腕811と、親腕811の先端側において親腕811内に挿入されている子腕812と、親腕811の先端部に設けられたロックナット813とで構成されている。ロックナット813を緩めた状態では、子腕812は親腕811に対し軸方向に摺動して伸縮することができるが、ロックナット813を所定方向に回して締め付けると、子腕812の移動がロック(固定)され、棒体81aの全長が固定される。親腕811の基端には、棒体81aを支持固定するための板片814が固着または一体形成されている。
【0101】
棒体81aの子腕812の先端に固着または一体形成されたワイヤー保持部材82aは、板状の部材であり、その先端部には、ワイヤー4aを保持する切欠き821が形成されている。
【0102】
なお、前記と同様に、切欠き821の内面は、前述のような低摩擦材料で構成されているのが好ましく、切欠き821の縁部に面取りを施すこともできる。また、ワイヤー保持部材としては、図示の構成の他、ワイヤー4a、4bを遊嵌するリングを用いてもよく、また、摩擦低減手段を有するものとして滑車やローラを用いてもよい。
【0103】
棒体81bおよびワイヤー保持部材82bについても、それぞれ、前記棒体81aおよび前記ワイヤー保持部材82aと同様の構成である。
【0104】
以上のような棒体81a、81bは、固定手段を兼用する角度調節手段83により第2アーム35の先端部に固定されている。すなわち、図8に示すように、第2アーム35の先端部には、円形の貫通孔831が形成され、一方、棒体81a、81bの各板片814には、それぞれ貫通孔831とほぼ同径の孔832が形成されている。
【0105】
第2アーム35の上側には、螺子軸834およびノブ835で構成されるロック部材833が装着される。このロック部材833の螺子軸834を第2アーム35の上側から貫通孔831に挿入し、さらに、第2アーム35の下側において、螺子軸834の先端部を重ねられた両板片814の両孔832およびワッシャー836に順次挿入し、ナット837に螺入する。
【0106】
第2アーム35の中心軸351に対する棒体81a、81bのそれぞれの角度θ1 、θ2 および棒体81a、81bの開き角θ(=θ1 +θ2 )を所望に調整した状態で、ノブ835を操作してロック部材833を所定方向に回転すると、その螺子軸834がナット837に螺入して締まり、棒体81a、81bの両板片814が第2アーム35の先端部下面に圧着され、棒体81a、81bはθ1 、θ2 の角度で固定される。
【0107】
角度θ1 および/または角度θ2 を変更する場合には、ロック部材833を前記と逆方向に回転してを螺子軸834とナット837の螺入を一旦緩め、棒体81aおよび/または棒体81bを回動して角度θ1 および/または角度θ2 を調整した後、再び前記と同様にして、ロック部材833を回転し、棒体81a、81bを固定する。
【0108】
このような構成のワイヤー位置調整手段8では、棒体81a、81bの長さおよび角度θ1 、θ2 をそれぞれ調節できるので、調整の自由度が大きく、すなわち、ワイヤー保持部材82a、82bでのワイヤー4a、4bの保持位置をそれぞれ任意に設定することができ、より適切かつ微妙な位置調整が可能となる。しかも、このようなワイヤー4a、4bの保持位置の設定は、簡単な操作で行うことができ、一度設定したワイヤー4a、4bの保持位置を変更する場合も、同様である。
【0109】
なお、図7、図8に示すワイヤー位置調整手段8を用いた場合も、前記[1]〜[8]と同様の工程により、腹壁10の吊り上げが行われる。この場合、工程[5]において、ワイヤー4a、4bをワイヤー保持部材82a、82bの切欠き821に保持させるとともに、前述したようにして棒体81a、81bの長さおよび角度θ1 、θ2 をそれぞれ調節し、ロックする。
【0110】
なお、ワイヤー位置調整手段8においては、両棒体81a、81bの開き角θが予め固定されているものでもよく、また、両棒体81a、81bは伸縮せず、それらの角度θ1 および/またはθ2 のみが調節可能なものであってもよい。
【0111】
以上、本発明の腹壁吊り上げ装置を図示の各構成例に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されず、例えば、ワイヤー位置調整手段の保持部は、ワイヤーを挟持するクリップのような挟持部材であってもよく、また、支持手段(クレーン)や吊り上げ器具の構成、使用するワイヤーの本数等も図示のものに限定されない。
【0112】
また、本発明では、1つの吊り上げ器具を2本以上のワイヤーで吊り上げるような構成であってもよく、この場合も、両ワイヤーの相互の位置関係を調節することにより、吊り上げ器具を適正な姿勢にすることができる。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ワイヤー位置調整手段により各ワイヤーを最適な配置にして腹壁を吊り上げること、特に腹腔を面状に吊り上げることができるので、腹腔鏡下手術の際に、内視鏡での十分な視野が確保でき、また、手術器具による外科的処置を行うための腹腔内での領域を広く確保することができる。
【0114】
また、ワイヤー位置調整手段が、所定に配置された複数のワイヤー保持部のうちから所定のワイヤー保持部を選択してワイヤーを保持させるものである場合には、構成が簡単であるとともに、ワイヤーの保持操作を簡単に行うことができる。
【0115】
この場合、ワイヤー位置調整手段が、ワイヤー挿通孔およびこれに連通するワイヤー着脱ゲートを有するものである場合、ワイヤーの着脱を容易に行うことができ、特に、ゲート開閉部材を設けた場合には、ワイヤー挿通孔からのワイヤーの離脱を防止することができる。
【0116】
また、前記ワイヤー位置調整手段が、各ワイヤー保持部の相互の位置が調整可能なものである場合には、調整の自由度が大きく、各ワイヤーの保持位置をそれぞれ任意に設定することができ、より適切かつ微妙な位置調整が可能となる。
【0117】
また、吊り上げ器具が、ワイヤーとの係止位置が変更可能なものである場合には、腹壁吊り上げの際に、吊り上げ方向や角度をさらにバランス良く調節することができる。
【0118】
また、支持手段が、ワイヤー位置調整手段の上下方向の位置および/または姿勢を調節する機構を備えるクレーンである場合には、腹腔の吊り上げ準備操作を容易かつ適切に行うことができ、特に、支柱を中心に回動可能な第1アームや第1アームに対し水平方向に伸縮する第2アームを備えたクレーンである場合には、挙上すべき腹腔部位へのワイヤーの位置合わせをさらに容易かつ適切に行うことができる。
【0119】
また、ワイヤー位置調整手段が、水平方向に伸びる第1および第2アームにより支持されている場合には、ワイヤー位置調整手段の上方や側方の広範な領域を手術操作空間として確保でき、特に、ワイヤー位置調整手段と挙上された腹壁とを接近させた場合には、その効果が顕著となる。
【0120】
このようなことから、複雑で高度な症例、特に肥満患者のような視野確保が困難な場合でも、手術の操作をより円滑かつ適切に、しかも安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の腹壁吊り上げ装置の実施例の全体構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す腹壁吊り上げ装置における吊り上げ器具およびワイヤー位置調整手段の構成を示す部分断面側面図である。
【図3】図1に示す腹壁吊り上げ装置における吊り上げ器具およびワイヤー位置調整手段の構成を示す平面図である。
【図4】図3中のIV−IV線での断面図である。
【図5】本発明におけるワイヤー位置調整手段の他の構成例を示す底面図である。
【図6】本発明におけるワイヤー位置調整手段の他の構成例を示す底面図である。
【図7】本発明におけるワイヤー位置調整手段の他の構成例を示す平面図である。
【図8】図7に示すワイヤー位置調整手段の取付構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 腹壁吊り上げ装置
2a、2b 吊り上げ器具
21 プレート
22 孔
23 鋼線
24 糸
3 支持手段
31 基部
311 固定部材
32 リフター
321 ハンドル
33 支柱
34 第1アーム
35 第2アーム
351 中心軸
36 エクステンダー
361 ハンドル
37 固定部
371 軸孔
372 螺子孔
373 螺子軸
374 ノブ
375 先端頭部
38 ワイヤー支持手段
381、382 ワイヤーガイド
383 溝
384 滑車
39 ウインチ
31 ハンドル
4a、4b ワイヤー
41 フック
5 ワイヤー位置調整手段
51 円盤
52 ワイヤー挿通孔
53 開口
54 突出片
55 軸棒
6 ワイヤー位置調整手段
61 円盤
62 ワイヤー挿通孔
63 開口
64 ワイヤー着脱ゲート
65 爪部材
66 支点
67 バネ
68 突出片
69 軸棒
7 ワイヤー位置調整手段
71 円盤
72 ワイヤー挿通孔
73 開口
74 ワイヤー着脱ゲート
75 ピン
751 レバー
76 横穴
77 バネ
78 突出片
79 軸棒
8 ワイヤー位置調整手段
81a、81b 棒体
811 親腕
812 子腕
813 ロックナット
814 板片
82a、82b ワイヤー保持部材
821 切欠き
83 角度調節手段
831 貫通孔
832 孔
833 ロック部材
834 螺子軸
835 ノブ
836 ワッシャー
837 ナット
9 患者
90 頭部
10 腹壁
11 腹腔
12 ベッド
Claims (20)
- 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記ワイヤー位置調整手段は、基材と、該基材上に所望のパターンで配置され、前記ワイヤーを保持する複数のワイヤー保持部とを有し、前記各ワイヤー保持部のうちから所定のワイヤー保持部を選択し、該選択されたワイヤー保持部に前記各ワイヤーを保持させることにより前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整するものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 前記基材は、板状部材であり、前記ワイヤー保持部は、前記板状部材を貫通して形成されたワイヤー挿通孔である請求項1に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 前記基材は、中心部に開口を有する円盤で構成され、前記ワイヤー保持部は、前記円盤の外周部に沿って形成された円盤を貫通するワイヤー挿通孔である請求項1に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 前記ワイヤー挿通孔に連通し、ワイヤー挿通孔にワイヤーを着脱する際の通路を構成するワイヤー着脱ゲートを有する請求項2または3に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 前記ワイヤー着脱ゲートに、該ワイヤー着脱ゲートを開閉するゲート開閉部材が設置されている請求項4に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 前記ワイヤー着脱ゲートを閉じる方向に前記ゲート開閉部材を付勢する付勢部材を有する請求項5に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記ワイヤー位置調整手段は、各ワイヤーをそれぞれ保持するワイヤー保持部を有し、各ワイヤー保持部の相互の位置が調整可能なものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記ワイヤー位置調整手段は、先端部に前記ワイヤーを保持するワイヤー保持部がそれぞれ形成され、所定の開き角をなす伸縮自在な一対の棒体を有するものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 前記ワイヤー位置調整手段は、前記一対の棒体の開き角を調節する角度調節手段を有するものである請求項8に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 前記ワイヤー保持部は、前記ワイヤーをその長手方向に移動可能に保持するものである請求項1ないし9のいずれかに記載の腹壁吊り上げ装置。
- 前記ワイヤー保持部は、前記ワイヤーの移動を円滑にする摩擦低減手段を有する請求項10に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ器具と前記ワイヤーとの係止位置が変更可能であることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ器具は、長手方向に沿って複数の孔が形成されたプレートと、線材と、前記プレートと前記線材とをそれらの端部同士で連結する連結部材とを有し、前記線材が腹腔内に位置し、前記プレートが体表側に位置するように装着して使用されるものであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 一対の前記吊り上げ器具を所定距離離間して用いることにより、腹壁を面状に吊り上げる請求項13に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記支持手段は、前記ワイヤー位置調整手段の上下方向の位置および/または姿勢を調節する機構と、前記各ワイヤーを牽引するワイヤー牽引手段とを有するクレーンであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記支持手段は、前記ワイヤー位置調整手段を上下方向に移動調節可能にかつ水平方向の軸を中心に回動調節可能に支持固定する機構と、前記各ワイヤーを牽引するワイヤー牽引手段とを有するクレーンであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する腹壁吊り上げ装置であって、
前記支持手段は、基部と、基部より鉛直方向に伸縮自在な支柱と、支柱の上端部に設置され、水平方向に伸びる第1アームと、前記第1アームに対し伸縮自在に設置された第2アームと、前記第2アームの先端部に形成され、前記ワイヤー位置調整手段を固定する固定部と、前記各ワイヤーをその長手方向に移動可能に支持するワイヤー支持手段と、前記各ワイヤーを巻き取って牽引するウインチとで構成されるクレーンであることを特徴とする腹壁吊り上げ装置。 - 前記第1アームは、前記支柱を中心に回動可能に支持されている請求項17に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 前記ウインチは、前記各ワイヤーを同時にまたはそれぞれ独立して巻き取ることができるものである請求項17または18に記載の腹壁吊り上げ装置。
- 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り上げ器具と、
前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、
腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー位置調整手段と、
吊り上げる腹壁より頭部側に設置され、前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有することを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
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