JPH0871073A - 腹壁吊り上げ装置 - Google Patents
腹壁吊り上げ装置Info
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- JPH0871073A JPH0871073A JP24222094A JP24222094A JPH0871073A JP H0871073 A JPH0871073 A JP H0871073A JP 24222094 A JP24222094 A JP 24222094A JP 24222094 A JP24222094 A JP 24222094A JP H0871073 A JPH0871073 A JP H0871073A
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Abstract
一対の吊り上げ器具2a、2bと、これらを牽引する2
本のワイヤー4a、4bと、吊り上げ器具の上方に位置
するワイヤー位置調整手段5と、ワイヤー4a、4bお
よびワイヤー位置調整手段5を支持する支持手段3とを
有している。吊り上げ器具2a、2bは、プレート21
と鋼線23とを有し、それらの端部同士を糸24で連結
したものである。ワイヤー位置調整手段5は、中心部に
開口を有し、かつその外周部に沿って複数の円形のワイ
ヤー挿通孔が形成された円盤51で構成されている。支
持手段3は、伸縮自在な支柱33と、第1および第2ア
ーム34、35と、ワイヤー支持手段38とウインチ3
9とを有するクレーンである。 【効果】腹腔内での広い視野と十分な手術操作空間とを
確保することができる。
Description
に腹壁を吊り上げるのに用いられる腹壁吊り上げ装置に
関するものである。
いて、従来の開腹手術に代わり、非開腹で行う腹腔鏡下
手術が注目されている。この腹腔鏡下手術は、複数本の
トロカール管と呼ばれる連通管を腹壁を貫通して腹腔内
に挿入し、一本のトロカール管から挿入した小型カメラ
(内視鏡)によって腹腔内をモニター画像で観察しつ
つ、他のトロカール管から挿入された鉗子、鋏、メス、
持針器等の器具により、腹腔内で種々の外科的処置を行
うものである。
鏡での視野を確保するために、腹壁を挙上する操作が行
われる。これには、腹腔内にCO2 ガス等の気体を注入
して腹腔内を陽圧にし、腹壁を挙上する気腹法と、腹壁
にワイヤーを掛け、該ワイヤーを牽引して腹壁を挙上す
る吊り上げ法とがある。
因し、高CO2 血症、不整脈、心不全、高血圧、低血圧
(ショック)、無気肺、肩痛、肺空気塞栓、腸管穿孔、
腸管膜気腫、縦隔気腫、皮下気腫、下肢静脈血栓症等の
合併症が生じるおそれがあるという問題がある。特に、
気腹圧が高くなると、血管内にガスが混入する危険性が
あり、通常、腹腔内の圧力は、12mmHg以下にする必要
がある。
行われるため、注入ガスに起因する合併症の問題は生じ
ないが、一般に、気腹法に比較して視野が狭くなる傾向
があり、特に肥満者や皮膚弛緩例では視野が不良となり
易い。また、腹壁の上方に吊り上げワイヤー等が存在す
るため、手術操作空間が狭められ、鉗子類等の手術器具
が衝突するなど、手術操作がしにくく、手術の円滑な遂
行を阻害するという問題もある。
ために、腹壁を4点で囲まれる面状に吊り上げる方法が
考案されているが、この方法に用いる吊り上げ器具や、
手術操作空間を広く確保できる吊り上げ装置は、未だ開
発されていない。
な視野が確保できかつ手術操作のための空間を広く確保
して、手術の円滑な遂行に寄与する腹壁吊り上げ装置を
提供することにある。
(1)〜(21)の本発明により達成される。
の吊り上げ器具と、前記吊り上げ器具を牽引する複数の
ワイヤーと、腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方
に設置され、前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し
得るワイヤー位置調整手段と、前記各ワイヤーおよび前
記ワイヤー位置調整手段を支持する支持手段とを有する
ことを特徴とする腹壁吊り上げ装置。
材と、該基材上に所望のパターンで配置され、前記ワイ
ヤーを保持する複数のワイヤー保持部とを有し、前記各
ワイヤー保持部のうちから所定のワイヤー保持部を選択
し、該選択されたワイヤー保持部に前記各ワイヤーを保
持させることにより前記各ワイヤーの相互の位置関係を
調整するものである上記(1)に記載の腹壁吊り上げ装
置。
記ワイヤー保持部は、前記板状部材を貫通して形成され
たワイヤー挿通孔である上記(2)に記載の腹壁吊り上
げ装置。
る円盤で構成され、前記ワイヤー保持部は、前記円盤の
外周部に沿って形成された円盤を貫通するワイヤー挿通
孔である上記(2)に記載の腹壁吊り上げ装置。
イヤー挿通孔にワイヤーを着脱する際の通路を構成する
ワイヤー着脱ゲートを有する上記(3)または(4)に
記載の腹壁吊り上げ装置。
イヤー着脱ゲートを開閉するゲート開閉部材が設置され
ている上記(5)に記載の腹壁吊り上げ装置。
方向に前記ゲート開閉部材を付勢する付勢部材を有する
上記(6)に記載の腹壁吊り上げ装置。
ワイヤーをそれぞれ保持するワイヤー保持部を有し、各
ワイヤー保持部の相互の位置が調整可能なものである上
記(1)に記載の腹壁吊り上げ装置。
端部に前記ワイヤーを保持するワイヤー保持部がそれぞ
れ形成され、所定の開き角をなす伸縮自在な一対の棒体
を有するものである上記(1)に記載の腹壁吊り上げ装
置。
端部に前記ワイヤーを保持するワイヤー保持部がそれぞ
れ形成され、所定の開き角をなす一対の棒体と、両棒体
の開き角を調節する角度調節手段とを有するものである
上記(1)に記載の腹壁吊り上げ装置。
の長手方向に移動可能に保持するものである上記(2)
ないし(10)のいずれかに記載の腹壁吊り上げ装置。
動を円滑にする摩擦低減手段を有する上記(11)に記載
の腹壁吊り上げ装置。
との係止位置が変更可能である上記(1)ないし(12)
のいずれかに記載の腹壁吊り上げ装置。
沿って複数の孔が形成されたプレートと、線材と、前記
プレートと前記線材とをそれらの端部同士で連結する連
結部材とを有し、前記線材が腹腔内に位置し、前記プレ
ートが体表側に位置するように装着して使用されるもの
である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の腹壁
吊り上げ装置。
離離間して用いることにより、腹壁を面状に吊り上げる
上記(14)に記載の腹壁吊り上げ装置。
置調整手段の上下方向の位置および/または姿勢を調節
する機構と、前記各ワイヤーを牽引するワイヤー牽引手
段とを有するクレーンである上記(1)ないし(15)の
いずれかに記載の腹壁吊り上げ装置。
置調整手段を上下方向に移動調節可能にかつ水平方向の
軸を中心に回動調節可能に支持固定する機構と、前記各
ワイヤーを牽引するワイヤー牽引手段とを有するクレー
ンである上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の腹
壁吊り上げ装置。
り鉛直方向に伸縮自在な支柱と、支柱の上端部に設置さ
れ、水平方向に伸びる第1アームと、前記第1アームに
対し伸縮自在に設置された第2アームと、前記第2アー
ムの先端部に形成され、前記ワイヤー位置調整手段を固
定する固定部と、前記各ワイヤーをその長手方向に移動
可能に支持するワイヤー支持手段と、前記各ワイヤーを
巻き取って牽引するウインチとで構成されるクレーンで
ある上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の腹壁吊
り上げ装置。
心に回動可能に支持されている上記(18)に記載の腹壁
吊り上げ装置。
を同時にまたはそれぞれ独立して巻き取ることができる
ものである上記(18)または(19)に記載の腹壁吊り上
げ装置。
より頭部側に設置される上記(1)ないし(20)のいず
れかに記載の腹壁吊り上げ装置。
に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
例の全体構成を示す側面図、図2および図3は、それぞ
れ、図1に示す腹壁吊り上げ装置における吊り上げ器具
およびワイヤー位置調整手段の構成を示す部分断面側面
図および平面図、図4は、図3中のIV−IV線での断面図
である。
り上げ装置1は、患者9の腹壁10に装着される一対の
吊り上げ器具2a、2bと、これらの吊り上げ器具2
a、2bを牽引する2本のワイヤー4a、4bと、腹壁
吊り上げ時に吊り上げ器具2a、2bの上方に設置され
るワイヤー位置調整手段5と、ワイヤー4a、4bおよ
びワイヤー位置調整手段5を支持する支持手段3とを有
している。以下、これらの構成について説明する。
図1中上下方向(鉛直方向)に移動調節可能にかつ水平
方向の軸を中心に回動調節可能に支持固定する機構と、
ワイヤー4a、4bを牽引するワイヤー牽引手段とを有
するクレーンで構成されている。
1の下方に設けられた固定部材311によりベッド12
の一端部(または側部)に強固に固定されている。基部
31の内部には、支柱33が鉛直方向に伸縮自在に挿入
されている。基部31の側部に設置されたリフター(昇
降機)32のハンドル321を回転操作すると、その回
転方向および回転量に応じて支柱33が鉛直方向に移動
し、伸縮する。これにより、ワイヤー位置調整手段5の
高さを調節することができる。
れたら、基部31の側部に設けられたノブ322を回転
してその螺子軸で支柱33を締め付け、支柱33の上下
方向の移動をロック(固定)する。この螺子軸付きのノ
ブ322は、後述するノブ374および螺子軸373と
同様の構成となっている。
ら手を離すと、支柱33の上下方向の位置がそのまま保
持されるように構成されている。
軸を中心に回転可能に設置されている。これにより、後
述する第1アーム34および第2アーム35が支柱33
を中心に回動し、ワイヤー位置調整手段5の患者9に対
する左右方向(図3中横方向)の位置を調節することが
できる。支柱33の回転、すなわち両アーム34、35
の回動のロック(固定)は、ノブ322を回転してその
螺子軸で支柱33を締め付けることにより行われるかま
たは別途設けられた同様のロック機構(図示せず)によ
り行われる。
1アーム34の一端部が固定されており、第1アーム3
4の他端部には、第2アーム35が第1アーム34に対
し伸縮自在に設置されている。第1アーム34に設置さ
れたエクステンダー36のハンドル361を回転操作す
ると、その回転方向および回転量に応じて第2アーム3
5が水平方向に移動し、伸縮する。これにより、第2ア
ーム35の突出長さが調整され、ワイヤー位置調整手段
5の患者9に対する正中方向(図1中横方向)の位置を
調節することができる。なお、エクステンダー36は、
第2アーム35の突出長さを固定するロック機構(図示
せず)を備えている。
置調整手段5を固定する固定部37が設けられている。
図4に示すように、固定部37においては、第2アーム
35内にワイヤー位置調整手段5の軸棒55が挿入され
る軸孔371が形成されており、該軸孔371に水平方
向に伸びる軸棒55が挿入されている。この軸棒55
は、軸孔371に対し回転可能にかつ軸方向に摺動可能
に挿入されている。
5の側部に開口し、軸孔371に連通する螺子孔372
が、軸孔371に対し垂直方向に形成されており、該螺
子孔372内には、一端にノブ374が固着された螺子
軸373が螺入されている。ノブ374の回転により、
螺子軸373が螺子孔372内で進退する。
長さおよび回転角度を所望に調節した状態で、ノブ37
4を所定方向に回転し、螺子軸373を軸孔371側へ
前進させ、螺子軸373の先端頭部375を軸棒55の
側面に圧着することにより、軸棒55の長手方向の移動
および回転がロック(固定)される。
は、ワイヤー4a、4bをその長手方向に移動可能に支
持するワイヤー支持手段38が設けられている。このワ
イヤー支持手段38は、第1アーム34および第2アー
ム35のそれぞれの先端部上面に立設されたワイヤーガ
イド381、382と、第1アーム34の基端部上部に
設置された滑車384とで構成されている。
1、382には、それぞれ、ワイヤー4a、4bが挿入
される一対のU字状の溝383が形成されている。な
お、ワイヤー4a、4bの摺動性を向上するために、各
溝383の内面は、後述する低摩擦材料で構成されてい
るのが好ましい。また、溝383に代わり、ワイヤー4
a、4bを遊嵌するリングまたは滑車を用いてもよい。
a、4bを巻き取って牽引するウインチ(ワイヤー巻取
機)39が設置されている。このウインチ39と前記ワ
イヤー支持手段38とによりワイヤー牽引手段が構成さ
れる。
81、382により第1アーム34および第2アーム3
5の上部においてほぼ水平にかつワイヤー長手方向に移
動可能に支持され、滑車384を介して鉛直下方へ屈曲
し、ウインチ39のリール部に巻き付けられている。ウ
インチ39のハンドル391を所定方向に回転操作する
と、その回転量に応じてワイヤー4a、4bが巻き取ら
れる。
機構よりなるワイヤー4a、4bの巻き戻り防止手段
(図示せず)を備えている。この巻き戻り防止手段の作
動を解除してハンドル391を前記と逆方向に回転操作
すると、その回転量に応じてワイヤー4a、4bが巻き
出される。
線、ステンレス線、ニッケル−チタン合金線、チタン
線、タングステン線等の金属線や、ポリアミド、ポリエ
チレン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエステル、
アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、
レーヨン等の高張力樹脂線による単線またはその集合体
(単線の束、撚線等)を用いることができる。
定されないが、好ましくは1〜10mm程度、より好まし
くは3〜6mm程度とされる。
は、それぞれ、後述するプレート21に係止するフック
41が固定されている。
bを同時に牽引するものでも、ワイヤー4a、4bをそ
れぞれ独立して牽引するものでもよい。前者の場合、両
ワイヤー4a、4bを同一のリールで同方向に巻き取る
構成や、両ワイヤー4a、4bを途中で1本のワイヤー
に束ねまたは1本のワイヤーに連結し、その単一のワイ
ヤーを巻き取る構成とすることができる。また、後者の
場合には、ワイヤー4a、4bをそれぞれ異なるリール
で巻き取る構成とされる。後者の場合、ワイヤー4a、
4bの牽引度(巻き取り長さ)を異ならせて、吊り上げ
る腹壁部位の角度等を調整することもでき、好ましい。
36およびウインチ39は、それぞれ、電動式のもので
あってもよい。この場合、手術者が有線または無線のリ
モコン装置(図示せず)によりこれらを遠隔操作するこ
ともでき、手術の操作性をより向上することができる。
ベッド12に固定する場合に限らず、手術室の床、天
井、壁、柱等に固定してもよい。
ー4a、4bとの係止位置が変更可能な一対の吊り上げ
器具2a、2bが腹壁10に装着されて使用される。こ
の吊り上げ器具2a、2bは、それぞれ、短冊状のプレ
ート21と、線材である鋼線23と、プレート21と線
材23とをそれらの端部同士で連結する連結部材である
糸24とで構成されている。吊り上げ器具2aおよび2
bは、同一の構造であるため、以下吊り上げ器具2aに
ついて代表的に説明する。なお、図2および図3は、腹
腔鏡下胆嚢摘出術を吊り上げ法で行う場合の吊り上げ器
具の装着状態を示している。
チタン、アルミニウム等の金属または各種硬質樹脂等の
剛性材料で構成され、その長手方向に沿って複数の円形
の孔22が好ましくは等間隔で形成されている(図3参
照)。これらの孔22のうちの1つを選択し、その孔2
2にワイヤー4aの先端に固定されたフック41を引っ
掛ける。フック41を引っ掛ける孔22を変更すること
により、吊り上げのバランス、すなわちプレート21お
よび鋼線23の吊り上げ時の角度を調節することができ
る。なお、通常は、吊り上げ時にプレート21が水平と
なるようにフック41を引っ掛ける孔22を選択する。
は腹腔11内に挿入して使用され、例えば、長さ100
〜600mm程度、直径1〜6mm程度のサイズを有してい
る。
それぞれ、腹壁10を介して腹腔11内側と体表側とに
位置しており、それらの両端部同士は、腹壁10を貫通
する糸24により連結されている。
bを、図3に示すように所定距離離間して平行または非
平行に装着し、腹壁10の吊り上げを行うと、腹壁10
は、2本の鋼線23の両端部(計4点)で囲まれる面で
挙上されるため、点または線(2点)で挙上するのに比
べ、腹腔11内の体積を大きくし、内視鏡での視野およ
び手術空間を広く確保することができる。
うな基材と、該基材上に所望のパターンで配置された複
数のワイヤー保持部とを有し、各ワイヤー保持部のうち
から所定のワイヤー保持部を選択し、該選択されたワイ
ヤー保持部にワイヤー4a、4bを保持させることによ
りワイヤー4a、4bの相互の位置関係を調整するもの
である。以下、具体的に説明する。
置調整手段5は、基材として、中心部に円形の開口53
を有する環状の円盤51を有している。この円盤51に
は、ワイヤー保持部として、円盤51の外周部に沿って
所定間隔で複数の円形のワイヤー挿通孔52が円盤51
を貫通するよう形成されている。
により、この開口53内に手術操作空間が提供され、手
術の操作性が向上する。
2がほぼ等間隔で形成され、それらより選択された2つ
のワイヤー挿通孔52にそれぞれワイヤー4a、4bを
挿通する。そして、ワイヤー4a、4bをそれぞれ挿通
するワイヤー挿通孔52の選択により、ワイヤー4a、
4bの相互の位置関係を調整することができる。
は、その内径がワイヤー4a、4bの直径より大きく、
ワイヤー4a、4bをその長手方向に摺動可能に保持す
るものであるが、これに限らず、ワイヤー挿通孔52
は、ワイヤー4a、4bを固定的に保持するものであっ
てもよい。
を摺動可能に保持するものである場合、ワイヤー4a、
4bの摺動性を向上するために、摩擦低減手段として、
各ワイヤー挿通孔52の内周面を低摩擦材料で構成する
のが好ましい。この低摩擦材料としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、PFA、
FEP、ETFE、ポリオキシメチレン等が挙げられ
る。また、ワイヤー4a、4bの摺動性向上および保護
のために、ワイヤー挿通孔52の縁部に面取りを施すこ
ともできる。
突出片54が形成され、さらに該突出片54の端部に
は、軸棒55が固着されている。前述したように、軸棒
55は、第2アーム35に対し回転可能かつ軸方向に摺
動可能であり、よって、第2アーム35先端からの円盤
51の突出長さおよび円盤51の姿勢(水平に対する角
度)を調節することができる。円盤51は、通常、水平
状態で固定されるが、例えば、ベッド12の傾斜や患者
9の横臥等により、吊り上げる腹壁10の左右の高さが
異なる場合には、それに応じて軸棒55を回転し、円盤
51を水平に対し傾斜させた状態で固定する。
径が好ましくは100〜500mm程度、より好ましくは
150〜250mm程度であり、内径が好ましくは50〜
400mm程度、より好ましくは100〜200mm程度で
ある。
数、配置等の条件も、図示のものに限定されない。
壁の吊り上げ方法について説明する。
上げ器具2a、2bを装着する。すなわち、皮下に2本
の鋼線23を通し、その両端部をそれぞれ対応するプレ
ート21の両端部と糸24で連結する。
4a、4bを支持するとともに、ワイヤー4a、4bの
基端部をウインチ39に接続する。
上、すなわち腹壁10に装着された吊り上げ器具2a、
2bの中間の上方に位置するように、クレーンの第1ア
ーム34および第2アーム35を支柱33を中心に回動
させるとともに、エクステンダー36のハンドル361
を回転操作して、第2アーム35の突出長さを調節し、
ロックする。なお、このとき、円盤51の高さは、腹壁
10を挙上したとき、円盤51が吊り上げ器具2a、2
bや腹壁10に接触しないように、腹壁10から十分上
昇した位置とする。
突出長さおよび円盤51の姿勢、すなわち軸棒55を中
心とする回転角度(水平面に対する傾斜角度)を微調整
した後、ノブ374を回転操作して、ロック(固定)す
る。なお、通常、円盤51の姿勢は、水平となるように
設定される。
れ、円盤51の所望のワイヤー挿通孔52にフック41
側から挿通する。このとき、ワイヤー4a、4bを挿通
するワイヤー挿通孔52は、両プレート21の位置に応
じて選択する。
ク41を、それぞれ、対応するプレート21の所望の孔
22に引っ掛ける。このとき、フック41を引っ掛ける
孔22は、通常、腹壁吊り上げ時にプレート21がほぼ
水平となるように選択する。
回転操作して、腹壁10を挙上すべき高さ近傍まで円盤
51を降下させる。このとき、必要に応じ、円盤51の
降下に伴うワイヤー4a、4bの弛みを取り除くため
に、ウインチ39のハンドル391を回転操作してワイ
ヤー4a、4bを巻き取る。
回転操作してワイヤー4a、4bを所定長さ巻き取り、
牽引する。これにより、吊り上げ器具2a、2bが上方
に吊り上げられ、腹壁10が挙上する。このとき、必要
に応じ、リフター32を操作して円盤51の高さを微調
整し、円盤51と挙上された腹壁10とができるだけ接
近するようにする。円盤51と挙上された腹壁10との
間隔は、好ましくは0〜5cm程度とされる。
腔11内に挿入された内視鏡により手術に必要な視野が
十分に得られていることで判断する。
1では、腹壁10を面状にかつ直上に吊り上げることが
でき、しかも腹壁10に装着された吊り上げ器具2a、
2bの配置に応じた最適の位置にワイヤー4a、4bを
配置して吊り上げを行うことができるので、腹腔11内
での手術に際し、広い視野と手術空間とを確保すること
ができる。
51のようなワイヤー位置調整手段5があるのみであ
り、特に、腹壁10とワイヤー位置調整手段5とを近接
させることで、吊り上げ器具2a、2bの上方の手術操
作空間を広く取ることができる。
9の頭部90側に設置され、かつ、患者9の頭部90上
方から腹壁10の吊り上げ部上方まで、第1アーム34
および第2アーム35が延在しているだけであるため、
制限される手術操作空間が極めて少なく、特に、挙上さ
れた腹壁10の側部等には、十分な手術操作空間が確保
される。
手段の他の構成例を示す底面図である。同図に示すワイ
ヤー位置調整手段6は、中心部に円形の開口63を有す
る前記と同様の環状の円盤61を有し、その外周部に沿
って前記と同様の複数の円形のワイヤー挿通孔62が形
成されている。また、円盤61の外周には、前記と同様
の突出片68および軸棒69を有している。
ヤー挿通孔62に連通し、円盤61の外周に開放するワ
イヤー着脱ゲート64が形成されている。このワイヤー
着脱ゲート64は、ワイヤー挿通孔62にワイヤー4
a、4bを着脱する際の通路を構成するものである。
2およびワイヤー着脱ゲート64の内面は、前述のよう
な低摩擦材料で構成されているのが好ましく、それらの
縁部に面取りを施すこともできる。
イヤー着脱ゲート64を開閉するゲート開閉部材とし
て、爪部材65が設置されている。この爪部材65は、
支点66によりワイヤー着脱ゲート64の一方の側部に
回動自在に取り付けられている。爪部材65の基端部に
は、バネ(付勢部材)67の一端が固定され、バネ67
の他端は、円盤61の裏面に固定されており、爪部材6
5は、このバネ67の引っ張り力により付勢されてい
る。
用させない状態では、爪部材65はワイヤー着脱ゲート
64に対しほぼ垂直方向に位置してワイヤー着脱ゲート
64を閉じている(以下「基準位置」という)が、例え
ばワイヤー5bがワイヤー着脱ゲート64を円盤61の
中心部に向かって通過する際に、ワイヤー5bがバネ6
7の付勢力に抗して爪部材65を押圧すると、爪部材6
5が支点66を中心に図中時計回りに回動し、ワイヤー
着脱ゲート64が開く。これにより、ワイヤー5bは、
ワイヤー着脱ゲート64を通過してワイヤー挿通孔62
に挿入される。
されると、ワイヤー5bと爪部材65との係合が解除さ
れ、爪部材65は、バネ67の付勢力により前記基準位
置に戻り、ワイヤー着脱ゲート64が自動的に閉じる。
ワイヤー挿通孔62内のワイヤー4bは、ワイヤー着脱
ゲート64を塞いでいる爪部材65により、ワイヤー挿
通孔62から容易に離脱することが防止される。
り外すためにワイヤー5bで爪部材65を内側から押圧
すると、図中一点鎖線で示すように、爪部材65が支点
66を中心に図中反時計回りに回動し、ワイヤー着脱ゲ
ート64が開く。これにより、ワイヤー5bは、ワイヤ
ー着脱ゲート64を通過して円盤62から離反する。こ
のワイヤー5bの離反により、ワイヤー5bと爪部材6
5との係合が解除され、爪部材65は、バネ67の付勢
力により前記基準位置に戻り、ワイヤー着脱ゲート64
が自動的に閉じる。
れば、ワイヤー挿通孔62へのワイヤー4a、4bの着
脱を容易に行うことができ、手術の操作性向上に寄与す
る。
バネ67の形態は、図示のものに限らず、例えば、トー
ションバネのようなバネであってもよい。また、爪部材
65が基準位置から反時計回りに回動しないようなスト
ッパー(図示せず)を設けることもできる。
手段の他の構成例を示す底面図である。同図に示すワイ
ヤー位置調整手段7は、中心部に円形の開口73を有す
る前記と同様の環状の円盤71を有し、その外周部に沿
って前記と同様の複数の円形のワイヤー挿通孔72が形
成されている。また、円盤71の外周には、前記と同様
の突出片78および軸棒79を有している。
ヤー挿通孔72に連通し、円盤71の外周に開放するワ
イヤー着脱ゲート74が形成されている。このワイヤー
着脱ゲート74は、ワイヤー挿通孔72にワイヤー4
a、4bを着脱する際の通路を構成するものである。
2およびワイヤー着脱ゲート74の内面は、前述のよう
な低摩擦材料で構成されているのが好ましく、それらの
縁部に面取りを施すこともできる。
イヤー着脱ゲート74を開閉するゲート開閉部材とし
て、ピン75が設置されている。このピン75は、ワイ
ヤー着脱ゲート74の一方の側部に開口し、ワイヤー着
脱ゲート74に対しほぼ垂直方向に形成された横穴76
内に摺動可能に挿入されている。また、横穴76内のピ
ン75の基端側には、バネ(付勢部材)77が圧縮状態
で収納されており、このバネ77によりピン75は、先
端方向に付勢されている。ピン75の先端部には、ピン
75を移動操作するためのレバー751が突出形成され
ている。
させない状態では、ピン75はバネ77により先端方向
に付勢され、ワイヤー着脱ゲート74を閉じている(以
下「基準位置」という)が、レバー751を操作し、バ
ネ77の付勢力に抗してピン75をその基端方向へ移動
すると、ワイヤー着脱ゲート74が開き、例えばワイヤ
ー5bをワイヤー着脱ゲート74を通過させてワイヤー
挿通孔72に挿入することができる。
された後、レバー751から手を離すと、ピン75は、
バネ77の付勢力により前記基準位置に戻り、ワイヤー
着脱ゲート74が自動的に閉じる。ワイヤー挿通孔72
内のワイヤー4bは、ワイヤー着脱ゲート74を塞いで
いるピン75により、ワイヤー挿通孔72から離脱する
ことが防止される。
り外すときは、前記と同様、レバー751を操作してワ
イヤー着脱ゲート74を開き、ワイヤー5bをワイヤー
着脱ゲート74を通過させて円盤72から離反する。レ
バー751から手を離すと、前記と同様、ピン75が基
準位置に戻り、ワイヤー着脱ゲート74が自動的に閉じ
る。
れば、ワイヤー挿通孔72へのワイヤー4a、4bの着
脱を容易に行うことができ、手術の操作性向上に寄与す
るとともに、ワイヤー挿通孔72からのワイヤー4a、
4bの不本意な離脱を確実に防止することができる。
手段6、7を用いた場合も、前記[1]〜[8]と同様
の工程により、腹壁10の吊り上げが行われる。この場
合、工程[5]において、ワイヤー4a、4bのワイヤ
ー挿通孔62、72への挿通は、前述したように、ワイ
ヤー着脱ゲート64、74を介して容易に行うことがで
き、一度挿通したワイヤー4a、4bを他のワイヤー挿
通孔62、72へ変更する場合も同様である。
手段の他の構成例を示す平面図、図8は、図7に示すワ
イヤー位置調整手段の第2アームへの取付構造を示す分
解斜視図である。これらの図に示すワイヤー位置調整手
段8は、ワイヤー4a、4bをそれぞれ保持する保持部
を有し、各保持部の相互の位置が調整可能なものであ
る。以下、具体的に説明する。
5の先端部に回動可能に設置された一対の伸縮自在な棒
体81a、81bと、棒体81a、81bの先端にそれ
ぞれ固定されたワイヤー保持部材82a、82bと、両
棒体81a、81bの開き角θ等を調節する角度調節手
段83とを有している。
811の先端側において親腕811内に挿入されている
子腕812と、親腕811の先端部に設けられたロック
ナット813とで構成されている。ロックナット813
を緩めた状態では、子腕812は親腕811に対し軸方
向に摺動して伸縮することができるが、ロックナット8
13を所定方向に回して締め付けると、子腕812の移
動がロック(固定)され、棒体81aの全長が固定され
る。親腕811の基端には、棒体81aを支持固定する
ための板片814が固着または一体形成されている。
は一体形成されたワイヤー保持部材82aは、板状の部
材であり、その先端部には、ワイヤー4aを保持する切
欠き821が形成されている。
は、前述のような低摩擦材料で構成されているのが好ま
しく、切欠き821の縁部に面取りを施すこともでき
る。また、ワイヤー保持部材としては、図示の構成の
他、ワイヤー4a、4bを遊嵌するリングを用いてもよ
く、また、摩擦低減手段を有するものとして滑車やロー
ラを用いてもよい。
についても、それぞれ、前記棒体81aおよび前記ワイ
ヤー保持部材82aと同様の構成である。
手段を兼用する角度調節手段83により第2アーム35
の先端部に固定されている。すなわち、図8に示すよう
に、第2アーム35の先端部には、円形の貫通孔831
が形成され、一方、棒体81a、81bの各板片814
には、それぞれ貫通孔831とほぼ同径の孔832が形
成されている。
およびノブ835で構成されるロック部材833が装着
される。このロック部材833の螺子軸834を第2ア
ーム35の上側から貫通孔831に挿入し、さらに、第
2アーム35の下側において、螺子軸834の先端部を
重ねられた両板片814の両孔832およびワッシャー
836に順次挿入し、ナット837に螺入する。
体81a、81bのそれぞれの角度θ1 、θ2 および棒
体81a、81bの開き角θ(=θ1 +θ2 )を所望に
調整した状態で、ノブ835を操作してロック部材83
3を所定方向に回転すると、その螺子軸834がナット
837に螺入して締まり、棒体81a、81bの両板片
814が第2アーム35の先端部下面に圧着され、棒体
81a、81bはθ1、θ2 の角度で固定される。
る場合には、ロック部材833を前記と逆方向に回転し
てを螺子軸834とナット837の螺入を一旦緩め、棒
体81aおよび/または棒体81bを回動して角度θ1
および/または角度θ2 を調整した後、再び前記と同様
にして、ロック部材833を回転し、棒体81a、81
bを固定する。
では、棒体81a、81bの長さおよび角度θ1 、θ2
をそれぞれ調節できるので、調整の自由度が大きく、す
なわち、ワイヤー保持部材82a、82bでのワイヤー
4a、4bの保持位置をそれぞれ任意に設定することが
でき、より適切かつ微妙な位置調整が可能となる。しか
も、このようなワイヤー4a、4bの保持位置の設定
は、簡単な操作で行うことができ、一度設定したワイヤ
ー4a、4bの保持位置を変更する場合も、同様であ
る。
手段8を用いた場合も、前記[1]〜[8]と同様の工
程により、腹壁10の吊り上げが行われる。この場合、
工程[5]において、ワイヤー4a、4bをワイヤー保
持部材82a、82bの切欠き821に保持させるとと
もに、前述したようにして棒体81a、81bの長さお
よび角度θ1 、θ2 をそれぞれ調節し、ロックする。
は、両棒体81a、81bの開き角θが予め固定されて
いるものでもよく、また、両棒体81a、81bは伸縮
せず、それらの角度θ1 および/またはθ2 のみが調節
可能なものであってもよい。
各構成例に基づいて説明したが、本発明は、これらに限
定されず、例えば、ワイヤー位置調整手段の保持部は、
ワイヤーを挟持するクリップのような挟持部材であって
もよく、また、支持手段(クレーン)や吊り上げ器具の
構成、使用するワイヤーの本数等も図示のものに限定さ
れない。
2本以上のワイヤーで吊り上げるような構成であっても
よく、この場合も、両ワイヤーの相互の位置関係を調節
することにより、吊り上げ器具を適正な姿勢にすること
ができる。
イヤー位置調整手段により各ワイヤーを最適な配置にし
て腹壁を吊り上げること、特に腹腔を面状に吊り上げる
ことができるので、腹腔鏡下手術の際に、内視鏡での十
分な視野が確保でき、また、手術器具による外科的処置
を行うための腹腔内での領域を広く確保することができ
る。
置された複数のワイヤー保持部のうちから所定のワイヤ
ー保持部を選択してワイヤーを保持させるものである場
合には、構成が簡単であるとともに、ワイヤーの保持操
作を簡単に行うことができる。
ヤー挿通孔およびこれに連通するワイヤー着脱ゲートを
有するものである場合、ワイヤーの着脱を容易に行うこ
とができ、特に、ゲート開閉部材を設けた場合には、ワ
イヤー挿通孔からのワイヤーの離脱を防止することがで
きる。
イヤー保持部の相互の位置が調整可能なものである場合
には、調整の自由度が大きく、各ワイヤーの保持位置を
それぞれ任意に設定することができ、より適切かつ微妙
な位置調整が可能となる。
位置が変更可能なものである場合には、腹壁吊り上げの
際に、吊り上げ方向や角度をさらにバランス良く調節す
ることができる。
の上下方向の位置および/または姿勢を調節する機構を
備えるクレーンである場合には、腹腔の吊り上げ準備操
作を容易かつ適切に行うことができ、特に、支柱を中心
に回動可能な第1アームや第1アームに対し水平方向に
伸縮する第2アームを備えたクレーンである場合には、
挙上すべき腹腔部位へのワイヤーの位置合わせをさらに
容易かつ適切に行うことができる。
に伸びる第1および第2アームにより支持されている場
合には、ワイヤー位置調整手段の上方や側方の広範な領
域を手術操作空間として確保でき、特に、ワイヤー位置
調整手段と挙上された腹壁とを接近させた場合には、そ
の効果が顕著となる。
特に肥満患者のような視野確保が困難な場合でも、手術
の操作をより円滑かつ適切に、しかも安全に行うことが
できる。
を示す側面図である。
器具およびワイヤー位置調整手段の構成を示す部分断面
側面図である。
器具およびワイヤー位置調整手段の構成を示す平面図で
ある。
成例を示す底面図である。
成例を示す底面図である。
成例を示す平面図である。
示す分解斜視図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 腹壁に装着される少なくとも1つの吊り
上げ器具と、 前記吊り上げ器具を牽引する複数のワイヤーと、 腹壁吊り上げ時に前記吊り上げ器具の上方に設置され、
前記各ワイヤーの相互の位置関係を調整し得るワイヤー
位置調整手段と、 前記各ワイヤーおよび前記ワイヤー位置調整手段を支持
する支持手段とを有することを特徴とする腹壁吊り上げ
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24222094A JP3657293B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 腹壁吊り上げ装置 |
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ID=17086030
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JP24222094A Expired - Fee Related JP3657293B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 腹壁吊り上げ装置 |
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-
1994
- 1994-09-09 JP JP24222094A patent/JP3657293B2/ja not_active Expired - Fee Related
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