JP3656979B2 - 内燃機関のウォータポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を冷却するための冷却水通路に設けられるウォータポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のウォータポンプとして、本件出願人は、ポンプケーシングとポンプカバーとを重ね合わせて、その内部に冷却水の循環通路を形成すると共に、これらポンプケーシングとポンプカバーとの合わせ目に隔壁板を設けて、循環通路を吸入側通路と吐出側通路に区画した構成の改良されたウォータポンプを提案している(特願平9−288509号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例にあっては、前記隔壁板として金属製の平坦な薄板が採用され、この隔壁板をポンプケーシングとポンプカバーとの間に挟み込むことによって循環通路を吸入側通路と吐出側通路とに区画しているのであるが、隔壁板を挟圧する力が弱い場合に、隔壁板とポンプケーシング及びポンプカバーとの間に僅かな隙間を生じ、隔壁板による区画が不完全となる虞がある。
【0004】
前記吸入側通路と吐出側通路との区画が不完全である場合には、吸入側通路と吐出側通路との圧力差によって循環通路内で冷却水の漏れが生じることになり、ポンプ性能が低下することになる。
【0005】
本発明は前記従来の実情に鑑みて案出されたもので、循環通路内での冷却水の漏れを防止し、ポンプ性能の低下を防止することが可能な内燃機関のウォータポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1記載の発明は、ポンプケーシングとポンプカバーとを重ね合わせて、その内部に冷却水の循環通路を形成すると共に、これらポンプケーシングとポンプカバーとの合わせ目に形成した凹部内に収容された状態で隔壁板を設けて、循環通路を吸入側通路と吐出側通路とに区画してなり、前記隔壁板の所定位置には、隔壁板の一部を折り曲げてポンプケーシングまたはポンプカバーの合わせ目に接するように形成されてなる吸入側通路と吐出側通路とを区画するシール部が設けられてなる構成にしてある。
【0008】
ここで、前記隔壁板は、金属製または合成樹脂製の薄板が採用可能である。前記隔壁板はポンプケーシングとポンプカバーとの合わせ目に挟み込まれ、循環通路を吸入側通路と吐出側通路とに区画する。このとき、前記隔壁板の所定位置にはシール部が設けられているから、このシール部によって吸入側通路と吐出側通路とが確実に区画される。
【0009】
これによって、前記吸入側通路と吐出側通路とが確実に区画され、循環通路内での冷却水の漏れが生じることが防止され、ポンプ性能の低下が防止される。
【0010】
したがって、循環通路内での冷却水の漏れを防止し、ポンプ性能の低下を防止することが可能な内燃機関のウォータポンプが得られる。
【0011】
また、本発明にあっては、前記シール部は、隔壁板の一部を折り曲げて形成してあるから、構成が簡単で、容易に形成可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳述する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態を示す内燃機関のウォータポンプの断面図、図2は図1に示すポンプケーシングの左側面図、図3は図1に示すポンプケーシングの右側面図、図4は図1のA部拡大図である。
【0014】
図において1はポンプケーシング、2はポンプカバーで、これらポンプケーシング1とポンプカバー2とは互いに重ね合わせられ、その内部に冷却水の循環通路3が形成してある。
【0015】
4は前記ポンプケーシング1に形成した貫通孔5内に配置され、ポンプケーシング1に軸受け6を介して回転自在に支持された回転軸である。前記回転軸4のポンプケーシング1からの突出端には、プーリ7が取付けられており、このプーリ7には図外の内燃機関によって駆動されるベルト8が巻着される。これによって、前記ベルト8が駆動されることにより、プーリ7を介して回転軸4が回転駆動可能である。
【0016】
また、前記回転軸4のポンプケーシング1内側の端部は冷却水の循環通路3内に突出しており、この潤滑通路3内への突出端部にはポンプインペラ9が取付けてある。即ち、前記ポンプインペラ9は冷却水の循環通路3内に配置されており、ポンプインペラ9が回転することによって、循環通路3内の冷却水を図1の矢印方向に移動循環させることが可能となっている。
【0017】
10はメカニカルシールで、このメカニカルシール10は冷却水の循環通路3内と回転軸4が貫通する貫通孔5の内部とを液密的に区画している。また、前記貫通孔5の内部は、斜め孔11及びこの斜め孔11に連通してプーリ7側に開口する盲穴12を介して大気解放されている。
【0018】
15は前記ポンプケーシング1とポンプカバー2との合わせ目に設けられた隔壁板で、この隔壁板15は金属製または合成樹脂製の薄板から平板状に形成してある。詳しくは、前記隔壁板15は、回転軸4が挿通される貫通孔16を有し、ポンプケーシング1のポンプカバー2との合わせ目に形成した凹部17内に収容された状態で、ポンプケーシング1とポンプカバー2との合わせ目に設けられており、これによって、冷却水の循環通路3を吸入側通路18と吐出側通路19とに区画している。なお、前記隔壁板15によって区画された吸入側通路18は図外のラジエータに連通し、吐出側通路19は図外のシリンダジャケットに連通している。
【0019】
また、前記隔壁板15の所定位置には、吸入側通路18と吐出側通路19とを区画するシール部20が設けられている。前記シール部20は、この実施の形態において、図4乃至図6に示すように、隔壁板15の一部を折り曲げてポンプカバー2に接するように形成されている。
【0020】
即ち、図4に示す実施の形態は、先端が傾斜するように折り曲げられ、その先端がポンプカバー2に接して、吸入側通路18と吐出側通路19とを区画している。また、図5に示す実施の形態は、先端が湾曲するように折り曲げられ、その湾曲部分がポンプカバー2に接して、吸入側通路18と吐出側通路19とを区画している。また、図6に示す実施の形態は、先端が屈曲するように折り曲げられ、その屈曲部分がポンプカバー2に接して、吸入側通路18と吐出側通路19とを区画している。
【0021】
なお、21は図外のシリンダジャケットからラジエータを迂回して吸入側通路18に連通するバイパス通路、22は図外のラジエータから吸入側通路18へ向かう冷却水を、この冷却水の温度によって遮断可能なサーモスタットである。
【0022】
斯かる構成において、図外の内燃機関によって、ベルト8が巻着されたプーリ7を介して回転軸4が回転駆動され、循環通路3内に配置されたポンプインペラ9が回転駆動される。これによって、前記循環通路3内の冷却水が図1の矢印方向に移動循環される。即ち、前記バイパス通路21及び図外のラジエータに連通する吸入側通路18に導かれた冷却水が、この吸入側通路18から吐出側通路19に移動し、この吐出側通路19からシリンダジャケットに循環する。
【0023】
ここで、前記隔壁板15がポンプケーシング1とポンプカバー2との合わせ目に挟み込まれて、循環通路3を吸入側通路18と吐出側通路19とに区画しており、また、隔壁板15の所定位置にはシール部20が設けられているから、このシール部20によって、吸入側通路18と吐出側通路19とが確実に区画されることになる。
【0024】
これによって、前記吸入側通路18と吐出側通路19とが確実に区画され、循環通路3内での冷却水の漏れが生じることが防止され、ポンプ性能の低下が防止される。
【0025】
したがって、前記循環通路3内での冷却水の漏れを防止し、ポンプ性能の低下を防止することが可能なウォータポンプが得られる。
【0026】
また、前記シール部20は、隔壁板15の一部を折り曲げて形成してあるから、構成が簡単で、容易に成形可能である。
【0027】
以上、実施の形態を図面に基づいて説明したが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、前記隔壁板15の一部を折り曲げてシール部20を形成した実施の形態について述べたが、隔壁板15の所定位置にゴムや合成樹脂等の弾性部材を貼着してシール部を形成するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、循環通路内での冷却水の漏れを防止し、ポンプ性能の低下を防止することが可能な内燃機関のウォータポンプが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す内燃機関のウォータポンプの断面図である。
【図2】図1に示すポンプケーシングの左側面図である。
【図3】図1に示すポンプケーシングの右側面図である。
【図4】図1のA部拡大図である。
【図5】シール部の別の実施の形態を示す図4と同様な図面である。
【図6】シール部の別の実施の形態を示す図4と同様な図面である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング
2 ポンプカバー
3 循環通路
15 隔壁板
18 吸入側通路
19 吐出側通路
20 シール部
Claims (1)
- ポンプケーシングとポンプカバーとを重ね合わせて、その内部に冷却水の循環通路を形成すると共に、
これらポンプケーシングとポンプカバーとの合わせ目に形成した凹部内に収容された状態で隔壁板を設けて、循環通路を吸入側通路と吐出側通路とに区画してなり、
前記隔壁板の所定位置には、隔壁板の一部を折り曲げてポンプケーシングまたはポンプカバーの合わせ目に接するように形成されてなる吸入側通路と吐出側通路とを区画するシール部が設けられてなることを特徴とする、内燃機関のウォータポンプ。
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