JP3605884B2 - 内接歯車式オイルポンプ - Google Patents

内接歯車式オイルポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動変速機等の圧力源として有用な内接歯車式オイルポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種オイルポンプは、例えば実開昭60−1247490号公報に記載されているように、また図1乃至図4に示すごとくに構成する。つまり、ポンプ駆動軸1により回転されるインナギヤ2と、内歯を有したアウタギヤ3とを具え、インナギヤ2をアウタギヤ3の内周歯に噛合させる。そして、これらインナギヤ2およびアウタギヤ3を、当該噛合状態でポンプハウジング4内に摺接可能に収納し、このようにポンプハウジング4内に収納したインナギヤ2およびアウタギヤ3を、ポンプハウジング4に取着したポンプカバー5で回転軸線方向に抜け止めして位置決めする。
【0003】
ここで、ポンプ駆動軸1によりインナギヤ2を、その中心軸線Oの周りに例えば図2および図4に矢印で示す方向へ回転させると、これに噛合したアウタギヤ3がその中心軸線Oの周りで同方向に従動され、この時、図2に示すインナギヤ2およびアウタギヤ3間の領域6が容積膨張する吸入領域となり、同図に示すインナギヤ2およびアウタギヤ3間の領域7が容積減少する吐出領域となる。
【0004】
吸入領域6および吐出領域7において、ポンプハウジング4には図2および図4(a)に示すごとく、対応する領域にそれぞれ開口する吸入ポート11および吐出ポート12を形成する。他方、吸入領域6および吐出領域7において、ポンプカバー5には図4(b)に示すように、対応する領域にそれぞれ開口する吸入ポート13および吐出ポート14を形成する。
【0005】
ポンプハウジング4には更に、図2および図3(b),(c)、並びに図4(a)に示すごとく、吸入ポート11および吐出ポート12から、アウタギヤ外周面嵌合孔19を迂回してポンプカバー5との合わせ面に開口する吸入連絡ポート15および吐出連絡ポート16を形成する。他方、ポンプカバー5における吸入ポート13および吐出ポート14はそれぞれ、図3(b),(c)および図4(b)に示すごとく、アウタギヤ外周面存在位置20を横切ってこれを越えるよう、つまりアウタギヤ3の外周面をα領域およびβ領域において露出させるよう延在して、ポンプハウジング4の吸入連絡ポート15および吐出連絡ポート16に連通する大きさとし、ポンプカバー5には更に、図3(b),(c)および図4(b)に示すごとく、当該吸入ポート13および吐出ポート14にそれぞれ通ずるポンプ吸入孔17およびポンプ吐出孔18を設ける。
【0006】
前記のポンプ駆動中、ポンプ室の容積増大を生ずる領域6で流体が吸入孔17から、一方でポート13を経て、また他方でポート15,11を経て吸入され、この吸入された流体は、ポンプ室の容積減少を生ずる領域7において、一方ではポート12,16を経て、また他方でポート14を経て吐出孔18より流出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のものに代表される従来の内接歯車式オイルポンプは、ポンプハウジング4および/またはポンプカバー5に設けた吸入ポート11,13、吐出ポート12,14による(上記では吸入ポート13、吐出ポート14による)アウタギヤ外周面の露出周長αおよびβについて、当該露出箇所αおよびβでそれぞれアウタギヤ外周面が対応ポートの圧力(αでは吸入圧、βでは吐出圧)を受けるにもかかわらず、特にこれら露出周長αおよびβを規定していなかったため、以下に詳細を説明するように、アウタギヤ3が吐出領域6の側から吸入領域7の側へ押し付けられ、アウタギヤ外周面がポンプハウジング内周面19との間で焼き付きを生ずる恐れがあるため吐出圧をあまり上げることができなかった。
【0008】
ここで、アウタギヤ3に作用する力を考察するに、上記の問題に関与しない軸線方向の力を無視すると、アウタギヤ3には、
▲1▼内周歯面に作用する油圧(内圧P)の合力と、
▲2▼外周面に作用する油圧(外圧P)の合力と、
▲3▼インナギヤとの噛合部に作用するギヤ駆動力と、
▲4▼上記3者の合力と釣り合うよう発生する油膜反力(くさび圧Pの合力)
とが作用する。
【0009】
ところで、上記のギヤ駆動力はアウタギヤ押し付け力に対して比較的小さいことから、これを無視することができる。従って、残りの3者に係わる圧力を測定したところ、これらはアウタギヤ3に対して図5に示すような圧力分布になっていることを確かめた。そして図5に示されたくさび圧Pの発生状況から明らかなように、内圧Pおよび外圧Pによるアウタギヤ押し付け力は、このアウタギヤ3を吐出側から吸入側へ向けて付勢するようなものとなり、また当該付勢力が吐出圧の上昇に応じて大きくなることも確かめた。
【0010】
このことは、内圧Pがアウタギヤ3に作用して生ずる力と、外圧Pがアウタギヤ3に作用して生ずる力とが、アンバランスになっていることを意味する。しかし、図5にPo1,Pi1で例示するように全ての円周方向位置で内圧Pと外圧Pとがほぼ等しく、それにもかかわらず上記のように吐出側から吸入側へのアウタギヤ押し付け力が発生するのは、図6に示すようにアウタギヤ3に対する外圧Pの受圧面積Aが、内圧Pの受圧面積Aよりも大きいことに起因すると解される。
【0011】
かかる原因でアウタギヤ3が吐出側から吸入側へ押し付けられると、アウタギヤ外周面がポンプハウジング内周面に対して大きな力で押圧され、両者間の油膜が薄くなったり消失する結果、アウタギヤ外周面が焼き付きを生ずる。
【0012】
この問題は、吐出圧が高くなるにつれて顕著となり、従来のオイルポンプは上記焼き付きの問題に鑑み、吐出圧をあまり高くすることができないのが実情であった。
【0013】
本発明は、ポンプハウジングおよび/またはポンプカバーに設けた吸入ポート、吐出ポートが、アウタギヤの外周面を一部露出させている場合、当該アウタギヤ外周面に対応ポートの圧力が作用しており、アウタギヤ外周面の露出周長を操作することで上記アウタギヤ押し付け力を低下、若しくは無くして、上記の問題を解消し得るとの観点から、この着想を具体化したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的のため第1発明による内接歯車式オイルポンプは、
ポンプ駆動力により回転されるインナギヤをアウタギヤの内周歯に噛合させて具え、これらインナギヤおよびアウタギヤをポンプハウジング内に摺接可能に収納すると共に、ポンプハウジングに取着したポンプカバーで回転軸線方向に位置決めし、
インナギヤおよびアウタギヤ間の吸入領域および吐出領域にそれぞれ開口してアウタギヤの外周面を露出させるよう延在する、ポンプハウジングおよびポンプカバーの少なくとも一方に形成した吸入ポートおよび吐出ポートを経て、流体を吸入、吐出するようにした内接歯車式オイルポンプにおいて、
前記吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を、該ポート内の吐出圧がアウタギヤ外周面に作用して生ずるアウタギヤ押し付け力で、アウタギヤ外周面の焼き付きを生ずることのない長さに制限したことを特徴とするものである。
【0015】
また第2発明による内接歯車式オイルポンプは、アウタギヤ外周面に沿って延在するよう前記吐出ポート内に張り出させて設けたリブにより、前記吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限するよう構成したことを特徴とするものである。
【0016】
更に第3発明による内接歯車式オイルポンプは、アウタギヤ外周面の露出部分を両端において塞ぐ一対1組のリブにより上記のリブを構成したことを特徴とするものである。
【0017】
また第4発明による内接歯車式オイルポンプは、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を、アウタギヤ回転中心の周りで30°を越えない範囲に制限したことを特徴とするものである。
【0018】
また第5発明による内接歯車式オイルポンプは、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の下限値を、アウタギヤ回転中心の周りで5°にしたことを特徴とするものである。
【0019】
また第6発明による内接歯車式オイルポンプは、吐出ポートに近い吸入ポートの開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長をも制限するよう構成したことを特徴とするものである。
【0020】
また第7発明による内接歯車式オイルポンプは、吐出ポートおよび吸入ポートの隣接し合う開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吐出ポートおよび吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吐出ポートおよび吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の双方を制限するよう構成したことを特徴とするものである。
【0021】
また第8発明による内接歯車式オイルポンプは、上記吐出ポートおよび吸入ポート内におけるリブの長さを、これらリブがアウタギヤ回転中心の周りで40°以上の領域に亘り存在する長さに決定したことを特徴とするものである。
【0022】
【作用】
第1発明においては、ポンプ駆動力によりインナギヤを回転させると、これに噛合したアウタギヤが同方向へ従動され、これらギヤ間の吸入領域に開口してアウタギヤの外周面を露出させるよう延在する、ポンプハウジングおよびポンプカバーの少なくとも一方に形成した吸入ポートを経て、ポンプは上記の吸入領域に流体を吸入する。ポンプは更に、インナギヤおよびアウタギヤ間の吐出領域に開口してアウタギヤの外周面を露出させるよう延在する、ポンプハウジングおよびポンプカバーの少なくとも一方に形成した吐出ポートを経て、上記の吸入流体を上記の吐出領域から吐出する。
【0023】
ところで、上記吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限したことから、
該ポート内の吐出圧がアウタギヤ外周面に作用して生ずるアウタギヤの吐出側から吸入側への押し付け力が減少され、アウタギヤ外周面の焼き付きを生ずることがなくなる。
従って、当該アウタギヤ外周面の焼き付きに鑑み吐出圧をあまり高くすることができなかった従来のオイルポンプに比べ、第1発明のオイルポンプによれば当該焼き付きの懸念なしに吐出圧を高くすることができる。
【0024】
第2発明においては、アウタギヤ外周面に沿って延在するよう吐出ポート内に張り出させて設けたリブにより、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限することから、
当該リブの追加のみで安価に上記第1発明の作用効果を達成することができる。
【0025】
第3発明においては、アウタギヤ外周面の露出部分を両端において塞ぐ一対1組のリブにより上記のリブを構成したことから、
当該一対のリブ間におけるアウタギヤ外周面の露出部分について、その位置を自由に選択することができ、アウタギヤ押し付け力低減効果を任意に決定し得て自由度が高くなる。
【0026】
第4発明においては、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を、アウタギヤ回転中心の周りで30°を越えない範囲に制限したから、
第1乃至第3発明の作用効果を確実に達成することができる。
【0027】
第5発明においては、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の下限値を、アウタギヤ回転中心の周りで5°にしたから、
無意味なアウタギヤ外周面の露出周長の制限を回避することができる。
【0028】
第6発明においては、吐出ポートに近い吸入ポートの開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長をも制限するから、
該ポート内の吸入圧がアウタギヤ外周面に作用する力を減じて、アウタギヤの吐出側から吸入側への押し付け力を減少させることとなり、アウタギヤ外周面の焼き付きに関する問題を上記第1乃至第6発明よりも一層確実に解決することができる。
【0029】
第7発明においては、吐出ポートおよび吸入ポートの隣接し合う開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吐出ポートおよび吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吐出ポートおよび吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の双方を制限するから、
上記第6発明による作用効果を確実に達成することができる。
【0030】
第8発明においては、上記吐出ポートおよび吸入ポート内におけるリブの長さを、これらリブがアウタギヤ回転中心の周りで40°以上の領域に亘り存在する長さに決定したから、
上記第7発明の作用効果を最も顕著なものにすることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図7および図8は、本発明による内接歯車式オイルポンプの一実施例を示すもので、図中、図1乃至図4におけると同様の部分を同一符号にて示す。なお、図7(a),(b),(c)は、図3(a),(b),(c)に対応し、図8は、図4(b)に対応する図面である。
【0032】
本例においては、図7(c)および図8に示すように、アウタギヤ3の外周面を露出するよう延在させてポンプカバー5に形成した吐出ポート14の開口面に一対のリブ21,22を配置する。これら一対のリブ21,22は、吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面(その位置を図8に20で示す)の露出部分を、その両端において塞ぐよう該アウタギヤ外周面に沿い吐出ポート14内に張り出させ、ポンプカバー5に一体成形する。
【0033】
よって、リブ21,22は吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限することとなる。但し、リブ21,22間には図8にγで示す隙間を残し、ここにおいては依然としてアウタギヤ3の外周面を吐出ポート14内に露出させることとし、吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面の露出周長γを、アウタギヤ回転中心O周りの角度δに換算して、30°を越えない範囲とし、また当該アウタギヤ外周面露出周長γの下限値を、アウタギヤ回転中心O周りの角度δに換算して、5°とする。
【0034】
上記実施例の作用を次に説明する。
図8に矢印で示す方向へのギヤ駆動中におけるポンプ作用は、図1乃至図4につき前述したと同じである。
このポンプ作用中、油膜反力を除くアウタギヤ外周面油膜圧力(外圧)分布は、アウタギヤ外周面が吐出ポート内に開口していて吐出圧を受ける領域で最高になり、アウタギヤ外周面が吸入ポート内に開口していて吸入圧を受ける領域で最低になり、これら領域間において吐出圧から吸入圧へとほぼ直線的に低下する。
【0035】
従って、従来のようにアウタギヤ外周面が図4(b)にβで示すごとく大きな範囲で吐出ポート14内に開口していて、吐出圧を受ける領域が大きい場合、アウタギヤ外周面油膜圧力(外圧)分布が、図9に実線aで示すように吐出側へ大きく張り出したものとなり、これに対し本例の場合は、吐出ポート14に対するアウタギヤ外周面の露出周長を図8にγで示き小さなものになるよう制限することから、当該露出を制限された領域でアウタギヤ外周面油膜圧力(外圧)分布が、図9に破線aで示すように圧力値を小さくされたものになる。これがため、アウタギヤ3を吐出側から吸入側へと押圧するアウタギヤ押し付け力がFからFへと低下され、アウタギヤ外周面の焼き付きに関する問題を解消することができる。
【0036】
ここで、上記の作用効果を達成するためには、吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面の露出周長γを前記の通り、アウタギヤ回転中心O周りの角度δに換算して、30°を越えない範囲に制限する必要があることを確かめた。また、吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面の露出周長γを、アウタギヤ回転中心O周りの角度δに換算して、5°よりも小さくなるよう決定すると、アウタギヤ外周面露出周長の制限が過度になり、アウタギヤ3が逆に吸入側から吐出側へと押し付けられるようになることも確かめた。
【0037】
なお上述の実施例では、吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面の露出部分を両端において塞ぐ一対のリブ21,22によりアウタギヤ外周面の露出周長γを制限する構成としたが、一方のリブ21または22によりアウタギヤ外周面の露出周長γを制限する構成でも、同様の作用効果を達成することができる。前者の構成では、吐出ポート14に対するアウタギヤ外周面の露出箇所を、上記の作用効果が最も効率よく達成される任意の場所に選定することができ、後者の構成では、リブ21,22のいずれの場合でも、その形成が容易である。
【0038】
図10は、所要に応じ上記実施例と共に、若しくは単独で用い得る本発明の他の実施例を示し、本例では、ポンプカバー5の吸入ポート13および吐出ポート14の双方に、その内部へ張り出すようリブ23,24を設ける。これらリブ23,24は、吸入ポート13および吐出ポート14の隣接し合う開口縁から相互に遠去かる方向へ延在させてポンプカバー5に一体成形し、吸入ポート13および吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面の露出箇所を塞いで、当該アウタギヤ外周面の露出長を制限するものとする。
【0039】
上記の構成は結果的に、リブ23,24がアウタギヤ外周面において吸入ポート13および吐出ポート14間の間隔を増大することとなり、これらリブ23,24の長さは、これらリブ23,24の先端間におけるアウタギヤ外周面閉塞周長ρが、アウタギヤ回転中心O周りの角度εに換算して、40°以上となるような長さとする。
【0040】
本例においては、図10に矢印で示す方向へのギヤ駆動によるポンプ作用中、油膜反力を除くアウタギヤ外周面油膜圧力(外圧)分布が、従来の圧力分布aに対し破線aで示すごときものとなる。つまり、リブ24により吐出ポート14内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限することで、外圧が低下してこれによるアウタギヤ3の吸入側への押し付け力が小さくなり、同時にリブ23により吸入ポート13内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限することで、外圧が増大してこれによるアウタギヤ3の吸入側への押し付け力が小さくなる。従って、総合的なアウタギヤ3の吸入側への押し付け力を従来のFからFへと大幅に小さくすることができ、アウタギヤ外周面の焼き付きに関する問題を解消することができる。
【0041】
なお、リブ23,24の先端間におけるアウタギヤ外周面閉塞周長ρが、アウタギヤ回転中心O周りの角度εに換算して、40°未満であるような長さの場合、上記の作用効果が達成されないことを確かめた。
【0042】
また、特に本例の構成にした場合、リブ23,24がアウタギヤ外周面において吸入ポート13および吐出ポート14間の間隔を大きくすることから、ポート14における高い吐出圧が領域ρにおけるアウタギヤ外周面を経て低圧側の吸入ポート13に漏れるのを抑制することができ、ポンプ効率を高めることができる。
【0043】
【発明の効果】
かくして第1発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項1に記載のごとく、
インナギヤおよびアウタギヤ間の吸入領域に開口してアウタギヤの外周面を露出させるよう延在する吸入ポート、およびインナギヤおよびアウタギヤ間の吐出領域に開口してアウタギヤの外周面を露出させるよう延在する吐出ポートのうち、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限したことから、
該ポート内の吐出圧がアウタギヤ外周面に作用して生ずるアウタギヤの吐出側から吸入側への押し付け力が減少され、アウタギヤ外周面の焼き付き防止することができ、
従って、当該アウタギヤ外周面の焼き付きの懸念なしに吐出圧を高くすることができる。
【0044】
第2発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項2に記載のごとく、
アウタギヤ外周面に沿って延在するよう吐出ポート内に張り出させて設けたリブにより、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限することから、
当該リブの追加のみで安価に上記第1発明の作用効果を達成することができる。
【0045】
第3発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項3に記載のごとく、
アウタギヤ外周面の露出部分を両端において塞ぐ一対1組のリブにより上記のリブを構成したことから、
当該一対のリブ間におけるアウタギヤ外周面の露出部分について、その位置を自由に選択することができ、アウタギヤ押し付け力低減効果を任意に決定し得て自由度が高くなる。
【0046】
第4発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項4に記載のごとく、
吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を、アウタギヤ回転中心の周りで30°を越えない範囲に制限したから、
第1乃至第3発明の作用効果を確実に達成することができる。
【0047】
第5発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項5に記載のごとく、
吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の下限値を、アウタギヤ回転中心の周りで5°にしたから、
無意味なアウタギヤ外周面の露出周長の制限を回避することができる。
【0048】
第6発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項6に記載のごとく、
吐出ポートに近い吸入ポートの開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長をも制限するから、
該ポート内の吸入圧がアウタギヤ外周面に作用する力を減じて、アウタギヤの吐出側から吸入側への押し付け力を減少させることとなり、アウタギヤ外周面の焼き付きに関する問題を上記第1乃至第6発明よりも一層確実に解決することができる。
【0049】
第7発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項7に記載のごとく、
吐出ポートおよび吸入ポートの隣接し合う開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吐出ポートおよび吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吐出ポートおよび吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の双方を制限するから、
上記第6発明による作用効果を確実に達成することができる。
【0050】
第8発明の内接歯車式オイルポンプは、請求項7に記載のごとく、
上記吐出ポートおよび吸入ポート内におけるリブの長さを、これらリブがアウタギヤ回転中心の周りで40°以上の領域に亘り存在する長さに決定したから、
上記第7発明の作用効果を最も顕著なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の内接歯車式オイルポンプを例示する分解斜視図である。
【図2】同じくその内接歯車式オイルポンプに関するポンプハウジングの内部を、インナギヤおよびアウタギヤと共に示す正面図である。
【図3】(a)は同内接歯車式オイルポンプの正面図、
(b)は同じくそのX−O−Y断面図、
(c)は同じくそのX−O−Z断面図である。
【図4】(a)は同オイルポンプのポンプハウジングを示す正面図、
(b)は同オイルポンプのポンプカバーを示す正面図である。
【図5】同オイルポンプのアウタギヤ内外周面に作用する圧力分布図である。
【図6】同アウタギヤの内圧受圧面積および外圧受圧面積を示す説明図である。
【図7】(a)は本発明による内接歯車式オイルポンプの正面図、
(b)は同じくそのX−O−Y断面図、
(c)は同じくそのX−O−Z断面図である。
【図8】同オイルポンプのポンプカバーを示す正面図である。
【図9】同オイルポンプのアウタギヤ外周面に作用する外圧の分布図である。
【図10】本発明の他の実施例になる内接歯車式オイルポンプのポンプカバーを示す正面図である。
【図11】同内接歯車式オイルポンプのアウタギヤ外周面に作用する外圧の分布図である。
【符号の説明】
1 ポンプ駆動軸
2 インナギヤ
3 アウタギヤ
4 ポンプハウジング
5 ポンプカバー
6 吸入領域
7 吐出領域
11 ポンプハウジング側吸入ポート
12 ポンプハウジング側吐出ポート
13 ポンプカバー側吸入ポート
14 ポンプカバー側吐出ポート
15 吸入連絡ポート
16 吐出連絡ポート
17 ポンプ吸入孔
18 ポンプ吐出孔
19 アウタギヤ外周面嵌合孔
20 アウタギヤ外周面位置
21 リブ
22 リブ
23 リブ
24 リブ

Claims (8)

  1. ポンプ駆動力により回転されるインナギヤをアウタギヤの内周歯に噛合させて具え、これらインナギヤおよびアウタギヤをポンプハウジング内に摺接可能に収納すると共に、ポンプハウジングに取着したポンプカバーで回転軸線方向に位置決めし、
    インナギヤおよびアウタギヤ間の吸入領域および吐出領域にそれぞれ開口してアウタギヤの外周面を露出させるよう延在する、ポンプハウジングおよびポンプカバーの少なくとも一方に形成した吸入ポートおよび吐出ポートを経て、流体を吸入、吐出するようにした内接歯車式オイルポンプにおいて、
    前記吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を、該ポート内の吐出圧がアウタギヤ外周面に作用して生ずるアウタギヤ押し付け力で、アウタギヤ外周面の焼き付きを生ずることのない長さに制限したことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
  2. 請求項1において、アウタギヤ外周面に沿って延在するよう前記吐出ポート内に張り出させて設けたリブにより、前記吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を制限するよう構成したことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
  3. 請求項2において、前記リブはアウタギヤ外周面の露出部分を両端において塞ぐ一対1組のリブにより構成したことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長を、アウタギヤ回転中心の周りで30°を越えない範囲に制限したことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
  5. 請求項4において、吐出ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の下限値を、アウタギヤ回転中心の周りで5°にしたことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、吐出ポートに近い吸入ポートの開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長をも制限するよう構成したことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
  7. 請求項6において、吐出ポートおよび吸入ポートの隣接し合う開口縁からアウタギヤ外周面に沿って延在するよう吐出ポートおよび吸入ポート内に張り出させて設けたリブにより、吐出ポートおよび吸入ポート内におけるアウタギヤ外周面の露出周長の双方を制限するよう構成したことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
  8. 請求項7において、前記吐出ポートおよび吸入ポート内におけるリブの長さを、これらリブがアウタギヤ回転中心の周りで40°以上の領域に亘り存在する長さに決定したことを特徴とする内接歯車式オイルポンプ。
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