JP3656209B2 - 白濁液状化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水中に親油性ノニオン界面活性剤及び油分が安定に分散している、外観が白濁状態の液状化粧料、更に詳しくは、使用時のべたつき感が無く、保湿効果に優れ、しかも、外観の白濁状態が経時的に変化しない安定な白濁液状化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、少量の油分を配合した白濁液状化粧料は、可溶化型透明化粧料に比べて、肌への保湿効果に優れることから、特に乾燥肌質の人向けに使用されている。この白濁液状化粧料は、外観の白濁状態の調整や経時安定性を確保するのが難しく、親油性界面活性剤と親水性界面活性剤及び油分の配合量や配合比率を種々選択して、調製していた。
【0003】
しかしながら、この白濁液状化粧料に、より高い保湿効果を付与するために、油分および界面活性剤の配合量を増やした場合、べたつき感が増加してしまい、化粧料の使用感触が低下してしまうという問題があった。また、外観の不透明感を高める目的で、親油性ノニオン界面活性剤の配合量を親水性界面活性剤よりも多く配合すると、外観の白濁状態が経時的に不安定になる場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような状況に鑑み、鋭意研究した結果、特定の親油性ノニオン界面活性剤と特定の親水性界面活性剤及び油分を特定量含有する白濁液状化粧料に、カラギーナンを特定量含有させることにより、使用時のべたつき感が無く、保湿効果に優れ、しかも、外観の白濁状態が経時的に変化しない安定な白濁液状化粧料が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は 次の成分(a)〜(d):
(a)HLBが7以下の親油性ノニオン界面活性剤 0.01〜2重量%(以下、単に「%」と略す。)
(b)HLBが10以上の親水性界面活性剤 0.01〜2%
(c)油分 0〜2%
(d)カラギーナン 0.01〜0.5%
とを含有し、成分(a)と成分(b)の重量比が(a):(b)=1:1〜5:1であることを特徴とする白濁液状化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について詳細に説明する。
本発明の白濁液状化粧料における、白濁とは、分光光度計において、500nmの光の透過率を測定した時、蒸留水の透過率を100%とした場合に、60%以下の領域を示すものである。
【0007】
本発明に用いられる成分(a)HLBが7以下の親油性ノニオン界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノオエレート、グリセリルジステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジグセリンモノオレエート、ジグリセリンモノイソステアレート、ジグリセリンジオレエート、デカグリセリンペンタオレエート、デカグリセリンペンタイソステアレート、デカグリセリンデカイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン等の界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。この中でも、使用時のべたつき感が無く、外観の白濁状態の経時的安定性がより良好なものは、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステルである。
【0008】
本発明の白濁液状化粧料における、成分(a)HLBが7以下の親油性ノニオン界面活性剤の含有量は、0.01〜2%である。含有量が0.01%未満では、良好な白濁化粧料を得ることが難しく、また、2%を超えて含有すると、経時安定性及び使用性の観点から好ましくない。
【0009】
本発明に用いられる成分(b)HLBが10以上の親水性界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン、アルキルアミノ酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノオレエート、ポリオキシエチレンモノイソステアレート等のポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノイソステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等のポリオキシエチレン付加型ノニオン界面活性剤が挙げられる。この中でも、外観の白濁状態の経時安定性がより良好なものは、ポリオキシエチレン付加型ノニオン界面活性剤である。
【0010】
本発明の白濁液状化粧料における、成分(b)HLBが10以上の親水性界面活性剤の含有量は、0.01〜2%である。含有量が0.01%未満では、良好な白濁化粧料を得ることが難しく、また、2%を超えて含有すると、経時安定性及び使用性の観点から好ましくない。
【0011】
本発明の白濁液状化粧料における、成分(a)と成分(b)の含有量の重量比は、(a):(b)=1:1〜5:1である。成分(a)含有量が上記成分(b)との重量比未満であると、白濁状態が経時的に透明化する傾向にあり、また、成分(a)含有量が上記成分(b)との重量比を超えると、経時的に油分の分離やクリーミング等が起こり、どちらの場合も経時安定性が悪くなる。
【0012】
本発明に用いられる成分(c)油分としては、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素類、オリーブ油、ホホバ油、ミンク油等の動植物油、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジステアリル等のエステル油、メチルポリシロキサン・メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0013】
本発明の白濁液状化粧料における、成分(c)油分の含有量は、0〜2%である。2%を超えて油分を含有させた場合は、乳化のために大量の界面活性剤が必要となり、経時安定性及び使用性の観点から好ましくない。
【0014】
本発明に用いられる成分(d)カラギーナンとしては、例えば、海藻抽出物として得られるガラクトースとアンヒドロガラクトースを主成分とし、硫酸基をもつ多糖類であり、カッパーカラギーナン、イオターカラギーナン、ラムダーカラギーナン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0015】
本発明の白濁液状化粧料における、成分(d)カラギーナンの含有量は、0.01〜0.5%である。含有量が、0.01%未満では、保湿効果が低下し、0.5%を超えて含有させると、使用性の観点から好ましくない。
【0016】
本発明の白濁液状化粧料における水の含有量は、上記成分(a)〜(d)を安定に分散させるのに十分な量であり、概ね、70〜99.97%である。
【0017】
本発明の白濁液状化粧料には、上記成分に加えて、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、成分(d)以外の他の水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、リパーゼやプロテアーゼ等の酵素類、水溶性アスコルビン酸誘導体、レゾルシンやイオウ等の薬剤、防腐剤、清涼剤、色素、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0018】
本発明の白濁液状化粧料は、化粧水、美容液、アフターシェーブローション等のスキンケア製品、ヘアートニック、ヘアーリキッド、養毛料、整髪料等のヘアケア製品、化粧直しミスト、プレメーキャップ用ローション等に用いることができる。
【0019】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0020】
実施例1〜5及び比較例1〜3:白濁化粧水
下記表1に示す組成の白濁化粧水を製造し、保湿効果及びべたつき感の無さ等の使用性、経時安定性について以下の評価方法により、評価した。
【0021】
【表1】
【0022】
(製法)
A:成分1〜5を70℃に加熱し、均一に溶解する。
B:成分6〜9を混合溶解する。
C:BにAを加え、均一に混合して白濁化粧水を得た。
【0023】
(使用性の評価方法)
実施例1〜5及び比較例1〜3の白濁化粧水を化粧歴10年以上の女性30人に使用してもらい、「保湿効果」及び「べたつき感の無さ」について、良いと感じた人数により、以下の基準に従って評価し、結果を表1に併せて示した。
〔評価基準〕
良いとした人数
24〜30名:◎
17〜23名:○
10〜16名:△
9名以下 :×
【0024】
(経時安定性の評価方法)
実施例1〜5及び比較例1〜3の白濁化粧水を50℃の恒温槽に一ヶ月間放置し、外観の変化(白濁状態)を目視にて、以下の基準で評価し、結果を表1に併せて示した。
〔評価基準〕
変化なし :○
透明度の上昇又はクリーミングが僅かに有る :△
透明度の上昇又は油分の分離、
クリーミングが明らかに認められる。 :×
【0025】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5の白濁化粧水は、保湿効果に優れ、べたつき感が無く、経時安定性にも優れたものであった。それに対して、比較例では全ての項目を満足するものは、得られなかった。
【0026】
【0027】
(製法)
A:成分1〜5を70℃に加熱し、均一に溶解する。
B:成分6〜11を混合溶解する。
C:BにAを加え、均一に混合して白濁美容液を得た。
実施例6の白濁美容液は、保湿効果に優れ、べたつき感が無く、経時安定性にも優れたものであった。
【0028】
【0029】
(製法)
A:成分1〜7を70℃に加熱し、均一に溶解する。
B:成分8〜11を混合溶解する。
C:BにAを加え、均一に混合して白濁化粧水を得た。
実施例7の白濁化粧水は、保湿効果に優れ、べたつき感が無く、経時安定性にも優れたものであった。
【0030】
【発明の効果】
本発明の白濁液状化粧料は、使用時のべたつき感が無く、保湿効果に優れ、しかも、外観の白濁状態が経時的に変化しない安定なものである。
Claims (1)
- 次の成分(a)〜(d):
(a)HLBが7以下の親油性ノニオン界面活性剤 0.01〜2重量%
(b)HLBが10以上の親水性界面活性剤 0.01〜2重量%
(c)油分 0〜2重量%
(d)カラギーナン 0.01〜0.5重量%
とを含有し、成分(a)と成分(b)の重量比が(a):(b)=1:1〜5:1であることを特徴とする白濁液状化粧料。
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