JP3655763B2 - 印刷システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷システムに関し、特に、クライアントの印刷アプリケーションからの印刷データを、スプーラに保存し、スケジューリングを行って印刷処理をサーバにおいて実行する印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高い操作性を有することから、Windowsオペレーティングシステムが普及している。このWindowsオペレーティングシステムの提供する印刷システムは、スプールシステムで構成されている。図10に示すように、スプールシステムは、印刷アプリケーション10からの印刷データを、スプーラ12のスプールファイル(ハードディスク)に一旦保存し、スケジューリングを行ってプリンタ14で印刷処理を実行するという構成を採っている。このように、パーソナルコンピュータをWindowsオペレーティングシステムの配下で動作させるときには、スプールシステムにより印刷を制御するという構成を採っている。
【0003】
図12は、このような印刷システムのLAN接続を示している。図示したように、LAN接続の印刷システムは、例えば1つの会社などのような組織で用いられて、プリンタ14を制御する1つ又は複数の印刷サーバ4と、印刷サーバ4に対して印刷要求を発行するクライアント2と、印刷処理の運用・管理を司る管理端末3などが、LAN5を介して接続されることで構成されている。ここで、図中に示すサーバ端末6は、印刷サーバ4が直接備える端末である。また、プリンタ14は、LAN5に接続されることもある。また、印刷サーバ4は、他の印刷サーバ4に接続されるプリンタ14を制御することがある。このようなLAN接続の印刷システムは、例えばWindows95システムとWindowsNTのように、異なるプラットフォーム上で動作することがある。
【0004】
図11は、Windows95クライアント上のアプリケーション10から、WindowsNTサーバに接続されたプリンタ14に印刷データを送って印刷する構成を例示している。図示したように、Windows95クライアントは、アプリケーション10と、スプーラ12と、データ転送部15とから構成されている。スプーラ12は、アプリケーション10から印刷要求を受け取ると、それを一度、ハードディスクで構成されるスプールファイルに格納してから、データ転送部15で、WindowsNTサーバに向けて転送する。WindowsNTサーバは、スプール連携部20と、受信した印刷要求を一度、ハードディスクで構成されるスプールファイルに格納してから、スケジューリングを行って印刷処理を実行するスプーラ13と、該スプーラ13を制御するスプールシステム制御部19と、スプーラ13とスプールシステム制御部19との間での印刷データのやり取りを制御する印刷データ制御部17と、プリンタ14とから構成されている。スプール連携部20は、Windows95クライアントから送られてきた印刷データ及び用紙情報を、WindowsNTサーバに連携させる構成である。この場合、従来のWindows95システムが標準で提供しているMSリモート印刷では以下の問題がある。
【0005】
・異なるプラットフォーム間でも解釈可能のRAW形式(生データ形式)であるため、転送データ量が膨大になり印刷性能が悪い。
【0006】
・全てのデータが正しく処理されたかどうかの保証がない。
【0007】
・ネットワークの負荷が調整できない。
【0008】
また、Windows95上のEMF形式(中間形式)の印刷データをWindowsNT上にそのまま送信した場合には、システムの相違から以下の問題が発生する(Windows95上でローカル印刷した場合と、WindowsNT上にリモート印刷した結果が異なる)。
【0009】
・用紙サイズの不一致。
【0010】
・印刷イメージの大きさ(縮尺率)が異なる。
【0011】
・異なる給紙口が選択される。
【0012】
また、プリンタは、LAN等のネットワークに直接接続されることがある。このようなネットワーク経由にて印刷データをコンピュータよりプリンタに送るプロトコルとして、LPRプロトコルが知られている。しかし、このプロトコルは、プリンタにデータを送ることができるものの、プリンタから結果を取り出すことができない。一方、ネットワークを用いた印刷システムにおいて、ネットワークプリンタの状態は、SNMP(標準MIB)プロトコルを利用して監視することができる。しかし、従来のSNMPプロトコルを使用したエラー検出方式では、印刷要求の最終ページ排出を認識することができないため、最終ページの排出を確認しないまま、連続して印刷要求が処理される。このため、検出されたエラーに対する印刷要求と、現在、印刷サーバ上で処理を行っている印刷要求とは一致しないことがほとんどであった。
【0013】
このように、エラーを検出した時点では、エラーが発生している印刷要求とは異なる印刷要求が印刷サーバ上で処理されているため、エラーメッセージを表示したとしても、エラー後の対処(保留、削除、再印刷)を行うことが非常に困難になるという問題が生じていた。
【0014】
さらに、印刷アプリケーションからの印刷データを、スプーラのハードディスクに一旦保存し、スケジューリングを行ってプリンタで印刷処理を実行するというスプールシステム構成の下では、スプーラに保存された印刷ドキュメントから印刷データの変更を行うことはできない。そのため、印刷ドキュメントの特定ページ範囲の印刷を行うためには、再度アプリケーションから指定する必要があった。また、印刷開始時に、印刷ページ範囲を取得することができないため、ページ範囲の指定は、アプリケーションで行う必要があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明は、かかる問題点を解決し、異なるプラットフォーム間のリモート印刷時に発生していた印刷データの非互換を吸収して、異なるプラットフォーム上で動作するコンピュータ間で互換性のある印刷を行うことを目的としている。
【0016】
また、本発明は、ネットワーク接続のクライアント上において、SNMPプロトコルを使用したエラー検出方式の問題点を解決し、現在処理を行っている印刷要求に対してエラーメッセージを一致させて表示し、エラー後の処理を容易にして、高信頼なネットワークプリンタ印刷を提供することを目的としている。
【0017】
さらに、本発明は、Windowsシステム等の基本システム上で動作する印刷システムにおいて、印刷操作等の工数削減のために印刷ドキュメント上から特定のページ範囲の印刷を可能とする。そして、特定ページの印刷を行った印刷ドキュメントの印刷位置・結果の確認を行うことを可能にすると共に、プリンタエラー等印刷結果異常時に特定ページからの再印刷を可能にすることを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷システムは、クライアントの印刷アプリケーション10からの印刷データを、クライアントとは異なるプラットフォーム上で動作するサーバにおいて印刷処理を実行する。クライアントは、印刷アプリケーション10から印刷要求を受け取るとそれをスプールファイルに格納するスプーラ12と、データ転送制御部16とを備え、該データ転送制御部16は、スプールファイルに格納されたスプールデータに含まれる用紙情報に、用紙付加情報を追加してサーバに転送する。サーバは、スプール連携部20と、受信した印刷要求をスプールファイルに格納してからスケジューリングを行って印刷処理を実行するスプーラ13と、該スプーラ13を制御するスプールシステム制御部19と、スプーラ13とスプールシステム制御部19との間での印刷データのやり取りを制御する印刷データ制御部17とから構成され、スプール連携部20は、転送されてきた用紙情報Aを参照し、サーバの用紙情報とマージして別の用紙情報Bを作成し、さらに、この別の用紙情報Bを印刷データにマージして、スプーラ13に送るよう構成される。本発明は、これによって、異なるプラットフォーム間のリモート印刷時に発生していた印刷データの非互換を吸収して、異なるプラットフォーム上で動作するコンピュータ間で互換性のある印刷を行うことができる。
【0019】
また、本発明の印刷システムは、印刷要求をスプールファイルに格納してから、スケジューリングを行って印刷処理を実行するスプーラと、プリンタに送信した印刷要求の最終ページの排出が完了するまで待ち合わせを行うと共に、該待ち合わせの間エラー監視を行う手段を備えている。そして、この最終ページの排出の完了は、プリンタにおけるオペレーションパネルのランプの点灯/消灯を検出するか、又は完了待ち合わせ時間として指定された時間により判断することができる。本発明は、これによって、現在処理を行っている印刷要求に対してエラーメッセージを一致させて表示し、エラー後の処理を容易にして高信頼なネットワークプリンタ印刷を提供することができる。
【0020】
また、本発明の印刷システムは、スプーラ及びその周辺制御部との間で、印刷データのやり取りを制御する印刷データ制御部と、印刷データ制御部に対してページ情報を通知すると共に、印刷データ制御部からページ情報が設定されるページ情報通知部とを備えている。そして、このページ情報通知部に設定されたページ情報に基づき元のスプールファイルから特定ページの印刷データのみを保存したファイルを作成し、この作成されたファイルに基づきプリンタによる印刷を行う。本発明は、これによって、印刷ドキュメント上から特定のページ範囲の印刷を可能とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、Windows95クライアント上のアプリケーションから、WindowsNTサーバに接続されたプリンタに印刷データを送って印刷する本発明の印刷システムを例示する図である。図示したように、Windows95クライアントは、アプリケーション10と、スプーラ12と、データ転送制御部16とから構成されている。スプーラ12は、アプリケーション10から印刷要求を受け取ると、それを一度、ハードディスクで構成されるスプールファイルに格納してから、データ転送制御部16で、Windows95スプールデータに含まれる用紙情報をWindowsNTの用紙情報にマージした後、WindowsNTサーバに向けて転送する。このとき、Windows95クライアントではスプールファイルからアプリケーションが指定した印刷情報(95用紙情報)を取り出し、図中第1変換手段において、用紙付加情報を追加して用紙情報Aを作成する。この用紙付加情報は、後述の用紙情報Bをサーバ上で作成するために必要な情報であり、例えば、用紙の形状情報(”Letter”や”Legal ”等の用紙の形を表すシステムで一意な名前)は、Windows95ではサポートされておらず、また、用紙のサイズ(システムに使用可能な用紙に番号で割り当てられている)は、システムによって異なる番号が割り当てられている場合があり、用紙トレイ名はDEVMODE構造体に含まれていない。これら用紙付加情報を追加した用紙情報Aは、印刷データの転送時にWindowsNTサーバに転送される。
【0022】
WindowsNTサーバは、スプール連携部20と、受信した印刷要求を一度、ハードディスクで構成されるスプールファイルに格納してから、スケジューリングを行って印刷処理を実行するスプーラ13と、該スプーラ13を制御するスプールシステム制御部19と、スプーラ13とスプールシステム制御部19との間での印刷データのやり取りを制御する印刷データ制御部17と、プリンタ14とから構成されている。スプール連携部20は、Windows95クライアントから送られてきた印刷データ及び用紙情報を、WindowsNTサーバに連携させる構成である。図中、実線矢印は、用紙情報の流れを、また点線矢印は、印刷データの流れを示している。WindowsNTサーバでは、第2変換手段において、転送されてきた用紙情報Aを参照し、WindowsNTの用紙情報とマージして用紙情報Bを作成する。そして、さらに、用紙情報Bを印刷データにマージして、スプーラ13に送る。ここで、一旦用紙情報Bを作成する理由は、用紙情報の実体はDEVMODE構造体であり、システムやプリンタドライバによってはDEVMODE構造体のサイズが異なる場合があるため、一旦用紙情報Bという形でメモリ上にDEVMODE構造体を作成してからプリンタに送っている。
【0023】
このようなWindows95クライアントと、WindowsNTサーバのいずれにおいても、印刷情報は、DEVMODE構造体としてスプールファイルに含まれている。このDEVMODE構造体に含まれる印刷情報は、プリンタデバイスの初期化と環境データに関する情報であって、例えば、用紙の向き、サイズ、長さ、幅、デフォルト用紙トレイ、プリンタの解像度等の種々の情報が含まれ、またこれは、システムやプリンタデバイス、印刷したときの指定によって設定される値が異なっている。
【0024】
このような印刷情報の内、以下の情報は、Windows95とWindowsNTの間で互換性がないため、変換される必要がある。
【0025】
・用紙サイズ:DEVMODE構造体に含まれる用紙のサイズ、用紙の幅、用紙の長さ及び用紙の形状
・用紙トレイ:DEVMODE構造体に含まれるデフォルト用紙トレイ
・画像サイズ:印刷イメージに格納されている画像を取り囲む長方形の寸法
また、両システムで互換性のある情報についてはWindows95の情報を使用し、WindowsNTでのみサポートされている情報及びプリンタドライバ固有の情報についてはWindowsNTのデフォルトの情報を使用する。
【0026】
以下、図1に例示の印刷システムの動作について図2〜図5の処理フロー図を参照しつつ説明する。図2は、Windows95クライアント処理を例示している。クライアント処理を開始すると、ステップST1 で、スプールファイルからアプリケーションが指定した印刷情報(95用紙情報)を取り出し、転送バッファに格納する( ST2 )。この格納された転送バッファに、互換性のない情報であるDEVMODE構造体が含まれているか否かが判断され(ST3 )、もし含まれていないならば、直ちにバッファ内容が、WindowsNTサーバに向けて転送される(ST8 )。
【0027】
ステップST3 において、転送バッファに、互換性のない情報であるDEVMODE構造体が含まれていると判断されるならば、用紙付加情報を追加して用紙名、用紙トレイなども含まれる用紙情報Aを作成するために、バッファ内用紙の形状更新が行われ(ST4 )、バッファ内用紙のサイズ更新が行われ(ST5 )、用紙トレイ名が取得され(ST6 )、その取得した用紙トレイ名をバッファに追加される(ST7 )。その後、バッファ内容が、WindowsNTサーバに向けて転送される(ST8 )。
【0028】
ステップST9 においては、全てのスプールファイルの取り出しが終了したかどうかが判断され、終了していないならば、ステップST1 に戻って、スプールファイルの取り出しを繰り返す一方、全ての取り出しが終了したと判断されると、このクライアント処理を終了する。
【0029】
図3は、Windows95クライアントより転送されたデータを受信する本発明のWindowsNTサーバ処理を例示するフローである。ステップST10において、受信された印刷データ及び用紙情報Aは、受信バッファに格納される。この受信バッファ内に互換性のないDEVMODE構造体が含まれているか否かが判断され(ST11)、もしDEVMODE構造体が含まれていないならば、ステップST17に進み、受信されたデータをプリンタに出力する。
【0030】
もし、ステップST11で、受信バッファにDEVMODE構造体が含まれていると判断すると、WindowsNTのDEVMODE構造体を取得し(ST12)、詳細は図4を参照して説明する用紙変換処理(ST13)、及び図5を参照して説明する用紙トレイ変換処理(ST14)を経て、印刷イメージを補正する(ST15)。ステップST16では、転送されてきた用紙情報Aを参照し、WindowsNTの用紙情報とデータマージした用紙情報Bを作成する。そして、この用紙情報Bを印刷データにマージし、スプーラを通してプリンタに出力する(ST17)。ステップST18では、受信バッファ内の全てのプリンタ出力が終了したか否かが判断され、終了していないならば、ステップST10に戻り、処理を継続する一方、もし全ての受信データについてプリンタ出力が終了したならば、このサーバ処理を終了する。
【0031】
図4は、図3において前述した用紙変換処理の詳細なフローを例示する図である。受信バッファから、WindowsNTの用紙の形状取得(ST19)の後、Windows95の用紙の形状と同じWindowsNTの用紙が有るか否かが判断され(ST20)、もし有るならば、ここで一致したWindowsNTの用紙サイズをDEVMODE構造体に設定して(ST23)、この処理を終了する。もしステップST20で、存在しないと判断されると、ステップST21に進み、ここで、Windows95の用紙の幅及び長さと同じWindowsNTの用紙が有るか否かが判断される。もし有るならば、ステップST23に進む。もし無いと判断されると、ステップST22に進み、Windows95の用紙の幅及び長さをDEVMODE構造体に設定した後、この処理を終了し、図3において説明した用紙トレイ変換処理に進む。
【0032】
図5は、この用紙トレイ変換処理の詳細なフローを例示する図である。WindowsNTの用紙トレイ名を取得(ST24)した後、ステップST25で、Windows95の用紙トレイ名と同じWindowsNTの用紙トレイが有るか否かが判断される。無い場合、この処理を終了する。有る場合、ステップST26に進み、一致したWindowsNTの用紙トレイをDEVMODE構造体に設定した後、この用紙トレイ変換処理を終了して、図3のステップST15に戻る。
【0033】
図6は、プリンタに送信した印刷要求の最終ページの排出が完了するまで待ち合わせを行う動作を説明するための図である。プリンタは、LAN等のネットワークに直接接続されている。このネットワークには、クライアントなどのコンピュータが接続されている。このようなネットワーク経由にて印刷データをコンピュータよりプリンタに送るために、LPRプロトコルを利用している。しかし、前述したように、このプロトコルは、プリンタにデータを送ることができるものの、プリンタから結果を取り出すことができない。図示のシステムにおいて、印刷アプリケーションからの印刷データは、Windowsオペレーティングシステムの配下で、受信した印刷要求をスプールファイルに格納してから、スケジューリングを行って印刷処理を実行するスプーラを備えるスプールシステム構成を採っている。本発明は、クライアントなどのコンピュータ上に、プリンタ装置に送信した印刷要求の最終ページの排出が完了するまで次の印刷要求の送信の待ち合わせを行うためのポートモニタを備えている。これによって、プリンタで発生したエラーと現在印刷サーバ上で処理を行っている印刷要求とを一致させることができる。そして、この待ち合わせは、1つは、SNMP(標準MIB)によりプリンタにおけるオペレーションパネルのランプの点灯/消灯を判断することにより行うことができる。データ受信ランプが点灯している場合には、プリンタにおいて印刷要求の処理中と考え、消灯信号を検出するまで(完全に最終ページが排出されるまで)待ち合わせる。
【0034】
待ち合わせのもう1つは、印刷データを送信した後、実際にプリンタにて最終ページが排出されるまでの時間を「完了待合せ時間」として指定するものであり、これによって、印刷データの送信完了まで待ち合わせることができる。そして、この完了待ち合わせの間、印刷要求は終了せず、その間にエラーが検出されなかった場合に、印刷要求が終了する。そして、次の印刷要求を送信することができる。このように、完了待ち合わせの間、同時にエラー監視が行われており、エラー後の処理が確実に行えるため、LANプリンタを使用した高信頼な印刷システムを構築することができる。
【0035】
図7は、完了待ち合わせ処理フローを示す図である。ステップST30において、プリンタに送信した印刷要求の最終ページの排出が完了するまでの待ち合わせを、データ受信ランプの点灯又は指定された完了ランプ待ち合わせ時間により行い、その間、プリンタ状態採取及びユーザ操作確認をリトライする。ステップST31で、エラーが採取されると、エラーメッセージを通知し(ST32)、ステップST30に戻る。エラーが採取されなかった場合、ユーザの操作を確認して(ST33)、ステップST34に進む。ここで、データ受信ランプが消灯したか、又は指定された完了待ち合わせ時間が経過したか否かが判断され、Noの場合にステップST30に戻り、Yesの場合に、印刷を完了する(ST35)。
【0036】
図8は、印刷ドキュメント上から特定のページ範囲の印刷を可能にする本発明の構成を例示する図である。図示しない印刷アプリケーションからの印刷データは、スプーラの一部を構成するスプールファイルに一旦保存し、スケジューリングを行ってプリンタで印刷処理を実行するという構成を採っている。このようなスプールシステム構成の下で、ページ情報通知部は、印刷データ制御部に対してページ情報を通知すると共に、印刷データ制御部からページ情報が設定される。印刷データ制御部は、スプーラ及びスプールファイルとページ情報通知部等の周辺制御部との間で印刷データのやり取りを制御し、取得したページ情報に基づき、元のスプールファイルから特定ページの印刷データのみを保存したファイルを作成する。そして、元のスプールファイルは退避すると共に、新たに作成したファイルと置き換える。プリンタによる印刷は、置き換えたスプールファイルに基づき行われ、かつ印刷終了後に、退避されていた元のスプールファイルがリストアされる。
【0037】
以下、図8に例示の構成の動作を、図9に例示の処理フローを参照して説明する。まず、ステップST40で、印刷が開始された後、ページ範囲情報を、ページ情報通知部より取得する(ST41)。ページ範囲情報は、初期化されたままの状態では、全ページの印刷が行われるように設定されている。この取得したページ範囲情報に基づき、印刷データを作成し(ST42)、印刷処理を行う(ST43)。その結果、正常に印刷が終了すれば、ステップST45の印刷正常時に進み、同時に、これはページ情報通知部に通知されて、ページ情報を初期化する。そして、印刷成功となる(ST46)。もし印刷が異常終了ならば、ステップST44に進む。この異常の内容に応じて、保留又は再印刷が行われるが、異常時には、ページ情報通知部に再開すべきページ情報を設定して、再開時に特定ページから印刷が行われるようにしている。そして、ステップST40に戻り、再印刷が行われる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の印刷システムは、クライアントにおいて、スプールファイルに格納されたスプールデータに含まれる用紙情報に、用紙付加情報を追加してサーバに転送する一方、サーバは、転送されてきた用紙情報Aを参照し、サーバの用紙情報とマージして別の用紙情報Bを作成し、さらに、この別の用紙情報Bを印刷データにマージするよう構成したことにより、異なるプラットフォーム間のリモート印刷時に発生していた印刷データの非互換を吸収して、異なるプラットフォーム上で動作するコンピュータ間で互換性のある印刷を行うことができる。
【0039】
また、本発明の印刷システムは、プリンタに送信した印刷要求の最終ページの排出が完了するまで待ち合わせを行うと共に、該待ち合わせの間エラー監視を行うことにより、現在処理を行っている印刷要求に対してエラーメッセージを一致させて表示し、エラー後の処理を容易にして高信頼なネットワークプリンタ印刷を提供することができる。
【0040】
また、本発明の印刷システムは、印刷データ制御部に対してページ情報を通知すると共に、印刷データ制御部からページ情報が設定されるページ情報通知部を備え、このページ情報通知部に設定されたページ情報に基づき元のスプールファイルから特定ページの印刷データのみを保存したファイルを作成し、この作成されたファイルに基づきプリンタによる印刷を行うことにより、印刷ドキュメント上から特定のページ範囲の印刷を可能とする。そして、特定ページの印刷を行った印刷ドキュメントの印刷位置・結果の確認を行うことを可能にすると共に、プリンタエラー等印刷結果異常時に特定ページからの再印刷を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】Windows95クライアント上のアプリケーションから、WindowsNTサーバに接続されたプリンタに印刷データを送って印刷する本発明の印刷システムを例示する図である。
【図2】Windows95クライアント処理を例示するフロー図である。
【図3】Windows95クライアントより転送されたデータを受信するWindowsNTサーバ処理を例示するフロー図である。
【図4】図3に例示した用紙変換処理の詳細なフローを例示する図である。
【図5】図3に例示した用紙トレイ変換処理の詳細なフローを例示する図である。
【図6】プリンタに送信した印刷要求の最終ページの排出が完了するまで待ち合わせを行う動作を説明するための図である。
【図7】完了待ち合わせ処理フローを示す図である。
【図8】印刷ドキュメント上から特定のページ範囲の印刷を可能にする本発明の構成を例示する図である。
【図9】図8に例示の構成の動作を説明するための処理フロー図である。
【図10】従来のスプールシステムにより印刷を制御する構成を示す図である。
【図11】従来の、Windows95クライアント上のアプリケーションから、WindowsNTサーバに接続されたプリンタで印刷処理をする構成を示す図である。
【図12】従来の印刷システムのLAN接続を示している。
【符号の説明】
10 印刷アプリケーション
12 スプーラ
13 スプーラ
14 プリンタ
16 データ転送制御部
17 印刷データ制御部
19 スプールシステム制御部
20 スプール連携部
Claims (2)
- クライアントの印刷アプリケーションからの印刷データを、スプーラに保存し、スケジューリングを行って、ネットワーク接続のプリンタにおいて印刷処理を実行する印刷システムにおいて、
前記クライアントは、印刷要求をスプールファイルに格納してから、スケジューリングを行って印刷処理を実行するスプーラと、
プリンタに送信した印刷要求の最終ページの排出が完了するまで次の印刷要求の送信の待ち合わせを行うポートモニタと、
該待ち合わせの間エラー監視を行い、エラーが採取されるとエラーメッセージを通知し、かつエラーが採取されなかった場合、ユーザの操作を確認して印刷要求を終了する手段を備える、
ことを特徴とする印刷システム。 - 前記最終ページの排出の完了は、プリンタにおけるオペレーションパネルのランプの点灯/消灯を検出するか、又は完了待ち合わせ時間として指定された時間により判断する請求項1に記載の印刷システム。
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