JP3655115B2 - 復号化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄積記憶装置に格納された動画像を再生する際に用いる復号化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化社会の進展に伴い、時間や距離の壁を越え動画像を他者に伝えたいという要望が高まっており、それに応えて、動画像を記録装置で記録・再生したり、通信網を用いて遠距離間を伝送することが可能となってきた。この情報の伝送蓄積にはディジタル技術が利用されており、通信の分野だけでなく、放送の分野などでもディジタル技術を用いた符号化方式が採用されている。
【0003】
一般に、ディジタル信号による動画像や音声信号の記録には、大容量のディジタル記録メディアが利用される。このディジタル記録メディアには、CD(Compact Disc)にディジタル動画像を記録したビデオCD、ビデオCDより更に高画質で長時間のディジタル動画像を記録したDVDが普及している。
【0004】
ところが、これらのディジタル記録メディアの記憶容量も動画像を長時間記録するには十分な記憶容量でないため、動画像や音声信号などを効率よく記録及び伝送するために、ディジタル信号を高能率に符号化(情報圧縮)する技術の利用が必須である。
【0005】
動画像や音声信号を高能率に符号化(情報圧縮)する技術は以前から研究されているが、現在では「ディジタル蓄積メディアへの応用を主目的とした動画像・音声の圧縮符号化」に関する国際標準(Information Technology - Coding of moving pictures and associated audio for digital storage media at up to about 1,5Mbits/s (ISO/IEC11172-2))に準じた方法が用いられている。この国際標準は、通称MPEG(Moving Picture Experts Group)規格と呼ばれる。
【0006】
以下に、MPEG規格におけるディジタル動画像の符号化方法及びビットストリームについて説明する。
図6(a) はMPEG規格によるディジタル動画像を示しており、一続きのビデオフレーム700から構成され、シーケンスと呼ばれる一連のビデオフレーム群500が符号化される。通常シーケンスは、グループ・オブ・ピクチャーズ(以下「GOP」と表す。)と呼ばれる0.5秒程度毎の一連のビデオフレーム群600に分割して符号化されている。
【0007】
図6(b) にGOPの一例を模式的に示す。図示されるように、GOPは、Iピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャから構成される。ここでIピクチャとは、自分自身のビデオフレームのみのデータを用いて符号化したものをいい、フレーム内符号化画像(Intra-Picture )とも呼ばれる。一方Pピクチャとは、時間的に前のピクチャ(Iピクチャ、及びPピクチャ)のデータから予測符号化したものをいい、フレーム間順方向予測符号化画像(Predictive-Picture)とも呼ばれる。またBピクチャとは、時間的に前、及び後ろのIピクチャ、及びPピクチャから内挿予測符号化したものをいい、双方向予測符号化画像(Bidirectionally Predictive-Picture)とも呼ばれる。
【0008】
各ピクチャ内の構造を図7(a) に示す。各ピクチャは1個以上のスライスと呼ばれる画面上で帯状の一続きの領域から構成され、さらにスライスは1個以上のマクロブロック800と呼ばれる横16画素、縦16ライン分の画像データをまとめた画像ブロックから構成される。
【0009】
図7(b) にマクロブロック800の一例を示す。マクロブロックは図7(c) に示す横8画素、縦8ラインの画像ブロック複数個から成り、ここでは、輝度信号Yのブロック4個と、2系統の色信号Cb、及びCrそれぞれ1個のブロックとの計6個のブロックから構成されるマクロブロックを示している。この場合、色信号は原画像を縦、横ともに輝度信号に対して半分の解像度でサンプリングされている。
【0010】
上記で構成された複数の階層構造のうち、上位の階層であるシーケンス、GOP、ピクチャ、スライスには、ヘッダと呼ばれる階層情報を保持する領域が設けられている。ヘッダには、それぞれビットストリーム上で一意に特定可能な23ビット以上の0符号とそれに続く1ビットの1符号とで構成されるスタートコードと呼ばれる符号列、各階層の符号化情報、MPEG規格からMPEG2規格(Information technology - Generic coding of moving pictures and associated audio for digital information (ISO/IEC13818-2))への拡張部分の情報であるエクステンション等が存在する。
【0011】
図8にそのビットストリーム構成の一例を示す。
マクロブロック層以下の階層では、詳細な画像の符号化情報が示されている。すなわち、ピクチャ中の二次元位置に関して、前回符号化されたマクロブロックの位置からの距離を示すマクロブロック・アドレス・インクリメント、符号化時に選択されたマクロブックの符号化モード情報を示すマクロブロック・タイプ、量子化幅を示すクオンタイザー・スケール、動き補償に用いる動きベクトル、どのブロックのデータがビットストリーム中に符号化されて存在するかを示すコーデッド・ブロック・パターン、符号化されたDCT(Discrete Cosine Transform )係数情報などの情報が存在する。
【0012】
上記マクロブロック層以下の各情報の符号化には、可変長符号が用いられており、出現頻度が多いものほど短い符号を割り当てることで、ビットストリームの大部分を占めるマクロブロック層以下の情報を効率的に符号化する。
【0013】
具体的には、シーケンス以下のビットストリームは、図9に示すように一定の長さごとに分割され、パケットを構成するペイロード部分に格納されている。これらのペイロードには、先頭部分にパケット・スタート・コード、ストリームID、パケット長、PTS(Presentation Time Stamp )、DTS(Decoding Time Stamp )等のフィールドから構成されるパケットヘッダが付与され、これらパケットが多重化されてビットストリームを構成する。
上記のように符号化された情報が、ビデオCDやDVDなどのディジタル記録メディアに蓄積され、復号化装置で処理されることにより動画再生が行われる。
【0014】
一方、ディジタル蓄積メディアを用いた復号化装置では、単に動画像を記録された順番に通常再生する機能だけでなく、早送りや巻き戻し再生などの特殊再生をする機能が必須である。ここで、上記ビットストリームにおける早送りや巻き戻しの特殊再生方法について説明する。
【0015】
通常再生の場合には、上記ビットストリームに格納されている全てのピクチャを復号化して表示するが、早送り再生の場合には、次のいずれかの方法により画像を表示する。一つは、ディジタル蓄積メディアに記録されたビットストリームを順次復号化装置に転送して、そのうちのIピクチャのみを復号化して表示する方法である。もう一つは、ディジタル蓄積メディアからIピクチャの情報を格納するパケットのみを選択的に復号化装置に転送して、復号化装置によりIピクチャを復号化して表示する方法である。
【0016】
実際には、前者はビットストリームの解析能力の不足やIピクチャの選択が繁雑であるなどの問題点があり、後者で特殊再生を実現することが多い。例えば、前者において、早送り再生の速度を通常再生の速度の100倍とした場合には、復号化装置に、通常再生の100倍のビットストリーム解析能力を要求することとなり、一般的な復号化装置では対応できないという問題が生ずる。
【0017】
以下、後者の復号化方法を図10を用いて説明する。図10(a) はディジタル蓄積メディア上の全ビットストリーム、図10(b) はIピクチャの情報を含むパケットからなるビットストリーム断片、図10(c) はビットストリーム断片300、310、320、・・・のペイロードに収容されたデータからなるビットストリーム(エレメンタリ・ストリーム)である。
【0018】
早送り再生の場合には、全ビットストリームを復号化装置に供給するのではなく、Iピクチャのデータを格納するパケットからなるビットストリーム断片300、310、320、・・・を順次供給し、該ビットストリーム断片中に格納されるIピクチャを順次再生することで実現される。
【0019】
また、巻き戻し再生の場合は、復号化装置に供給されるビットストリーム断片が時間的に遡るように転送することで実現される。例えば、図10(b) では、ビットストリーム断片320、310、300、・・・の順に復号化装置に供給され、復号化される。
【0020】
このとき、図10(a) に示すようなGOPに含まれる最初のIピクチャを含むパケットは、ディスク上に別途記録された管理情報を用いることで特定することが可能なことが多く、この場合、意図した通りにビットストリーム断片を選択的に復号化装置に供給することは容易である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記に示したようなディジタル記録メディアの復号化装置による早送りや巻き戻し再生の際には、断続したビットストリーム断片が復号化装置に供給され、ピクチャのデータが最後まで完結しない断片と後続するビットストリーム断片とが接続されており、本来と異なるデータの復号化がされるという問題点が生じる。
【0022】
即ち、ビットストリーム断片の接続部分で誤った符号解釈が行われ、その結果、本来とは全く異なる画像が再生されて、画像の乱れが発生する。また、接続部位の誤り(エラー)検出を行う場合は、接続部位以降で本来とは異なるデータ解釈がされ、定義されていないデータが出現することによりエラー検出をする。しかし、エラー検出がされた時点では、既に接続部位に後続するビットストリームの一部は復号化装置により誤った符号解釈がされているため、やはり本来とは全く異なる画像が再生されるので、該ビットストリーム断片は選択されているにも関わらず、本来の画像は再生表示されない。
【0023】
上記の一例を、以下に図を用いて説明する。
図10(c) は、早送り再生の際に復号化装置に供給されるビットストリーム(エレメンタリ・ストリーム)である。ここで、接続部位Aの直前のビットストリーム断片に格納されるピクチャのデータは最後まで完結していない。そして、接続部位A以降は次のIピクチャを識別するためのIピクチャヘッダが後続する。
【0024】
図11は、この接続部位Aの前後のビットストリーム80を示している。接続部位Aでは直前に再生表示されるIピクチャを表すマクロブロックN以下のデータであるDCT係数情報と直後のIピクチャを識別するピクチャヘッダとが連結されている。
【0025】
図12はMPEG規格によるDCT係数を表す符号列(可変長符号)の一例である。図示するように、MPEG規格では、DCT係数などのマクロブロック層以下の情報には可変長符号が用いられる。入力されるビットストリームは、まず上記のような可変長符号を復号化した後、そのピクチャの復号化を行う。
【0026】
まず、早送り再生では、必要なIピクチャの情報を含むパケットだけが選択され、300、310,320、・・・のようなビットストリーム断片が順次接続されて図10(c) のビットストリームが構成される。該ビットストリームの接続部位Aにおいて、直前のビットストリーム断片300はマクロブロックN以下のDCT係数情報が完結しない状態となっている。このとき、本来DCT係数情報部位には「0000 1001 (run2,level−2)」という符号列が格納されていたが、その途中からピクチャヘッダの符号列が後続するため、符号列83が示すように「0000 1000 (run2,level2)」と誤って解釈され、本来とは異なるDCT係数情報となる。
即ち、本来と全く異なる画像が復号されるため、著しい画像の乱れが発生する。
【0027】
一方、後続するビットストリーム断片310はピクチャヘッダのスタートコードで始まる。ここでは、スタートコードは連続する23ビット以上の0符号とそれに続く1ビットの1符号とからなる符号列で定義されている。しかし、接続部位直前のDCT係数情報が上記符号列83で示すように本来とは異なる解釈がされた結果、後続するスタートコードもブロックn+1のつづきのDCT係数情報が存在すると解釈されて、符号列85に示すような誤った解釈がされる。ここで、符号列85がMPEG規格に基づいて定義された可変長符号でない場合、復号化の際にエラー検出がされる。また、接続部位の直後で直ちにエラー検出がされなかったとしても、ヘッダの出現又はその順番が定められた法則に則っていなければ誤りが発生してエラー検出される。エラー検出がされた場合には、現在復号中の復号結果を無効として、その後に出現するIピクチャのヘッダを検索し、その位置(図10(c) 復帰位置B)から符号列の復号処理を行う。この場合に、ビットストリーム断片310に格納されていたIピクチャは、本来、選択され、復号化装置に入力されているにもかかわらず、該Iピクチャの画像は再生表示されない。
【0028】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、階層構造をなす符号列を復号処理する際に誤りを検出した場合にも、現在復号中の復号結果を無駄にすることなく、本来の符号列を復号処理して情報を完成することのできる復号化処理装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
この発明(請求項1)に係る復号化装置は、MPEGストリームが入力されるビットバッファと、上記ビットバッファから出力される上記MPEGストリームの中のピクチャ層以上の符号列の復号処理を行い、該復号処理中に誤りを検出した場合にはエラー検出信号を出力する復号化手段と、上記エラー検出信号を受け、上記MPEGストリームの現在の解釈位置から既に符号列の解釈を行った方向に所定のビット数だけ遡るように上記ビットバッファのリードポインタのアドレスを制御する符号列解釈位置設定手段とを備えたものである。
【0030】
この発明(請求項2)に係る復号化装置は、請求項1に記載の復号化装置において、上記復号化手段は、上記エラー信号を出力した後にピクチャヘッダを検出した場合、現在復号中のピクチャ層以下の復号結果を無効化するものである。
【0031】
この発明(請求項3)に係る復号化装置は、請求項1に記載の復号化装置において、上記復号化手段は、上記エラー信号を出力した後にピクチャヘッダを検出した場合、現在復号中の復号結果のうち、上記MPEGストリーム中に出現が推定されうるピクチャ層より下位に属する階層の符号列を復号して得られるであろう情報に対しては、既に復号済みの復号結果を基に所定の加工を施して復号結果とすることにより、ピクチャ層より下位に属する情報を完成するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明において、早送りや巻き戻しの特殊再生は、全ビットストリームを復号化装置に供給するのではなく、図10(b) に示すビットストリーム断片300、310、320を連続して供給し、該ビットストリーム断片中に格納されるIピクチャのデータを復号処理して画像を再生する。
【0036】
しかし、上記特殊再生では、図10(c) に示すビットストリーム断片が連結して構成されたエレメンタリストリームが供給されるため、必ずしもMPEG規格で定義された符号列が入力されるとは限らない。つまり、図10(c) に示すビットストリーム断片の接続部位80で誤った符号列解釈が行われる場合がある。この場合、誤った符号列解釈により本来再生されるIピクチャの画像は再生できず、再生画像の著しい乱れを生じる。
【0037】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による復号化装置を説明するための図であり、該復号化装置の構成を示している。
上記復号化装置100は、入力されるエレメンタリストリームの符号列の復号化を行う復号化手段101と、現在の符号列解釈位置から所定ビット数だけ遡ることを決定する符号列解釈位置決定手段103と、符号列解釈位置決定手段103の出力信号に基づいてエレメンタリストリームの符号列解釈位置を設定する符号列解釈位置設定手段102とからなる。
【0038】
また、上記復号化手段101は、入力されるビットストリームを蓄積するビットバッファ10と、該ビットバッファから出力される符号列の可変長復号化を行う可変長復号化器11と、可変長復号化処理が行われた符号列の復号化を行う復号化器12と、復号結果を記憶するフレームメモリ13とからなる。
【0039】
また、上記可変長復号化器11は、上記エレメンタリストリームを構成するビットストリーム断片の接続部位で生じる誤りを検出するエラー検出機能を備えており、誤りを検出した場合にはエラー検出信号を、上記復号化器12及び符号列解釈位置決定手段103に出力する構成となっている。即ち、可変長復号化器11は、図10(c) に示すビットストリーム断片の接続部位80で誤った符号列解釈が行われた結果、図12に示すようなMPEG規格に定義されていない可変長符号を検出した場合に、エラー検出信号を出力し、その後、スタートコードを検索するものである。
また、上記復号化器12は、該エラー検出信号を受けた場合に、フレームメモリに記憶された復号結果を非表示とするための制御信号を出力する機能を有する。フレームメモリ13は、フレーム表示情報とフレームデータ(復号結果)とを格納する領域を複数有しており、該フレーム表示情報は、該フレームデータに対応して存在し、各々のフレームデータの表示又は非表示を示す情報を含むものである。
【0040】
次に動作について説明する。
図2に本発明の実施の形態1による動作のフローチャートを示す。特殊再生において供給されるエレメンタリストリームは、まず、ビットバッファ10に蓄積された後、可変長復号化器11によりIピクチャのみが選択的に可変長復号化処理される(ステップS1)。このとき、MPEG規格に定義されていない可変長符号が発生しないか(エラー発生)、つまりエレメンタリストリームを構成するビットストリーム断片の接続部位にて誤った符号解釈が行われていないかが検査される(ステップS2)。
【0041】
エラーが発生しない場合には、上記可変長復号化器11は可変長復号化処理を継続して行う。一方、エラーが発生した場合には、エラー検出信号が符号列解釈位置決定手段103に出力される。該信号を受けた符号列解釈位置決定手段103は、エレメンタリストリームの可変長復号化処理がされている現在の位置から遡るビット数Nを、符号列解釈位置設定手段102に指示する。該ビット数Nは、予め設定された固定値である。該符号列解釈位置設定手段102は、ビットバッファ10のリードポインタのアドレスを、指示されたNビット相当分だけ、現在の位置から遡るように指示する(ステップS3)。ビットバッファ10は、該アドレスから、再びエレメンタリストリームを可変長復号化器11に出力し、可変長復号化器11は、スタートコードを検索する(ステップS4)。
ここで、検索されたスタートコードがピクチャ層以上のヘッダを示すものであるか否かが可変長復号化器11により判定される(ステップS5)。
【0042】
検索されたスタートコードがピクチャ層以上のヘッダを示すものである場合は、復号化器12は現在行っている復号処理を中止し、フレームメモリ13に格納されている誤った符号解釈がされたIピクチャ画像を無効化するための制御信号を出力する(ステップS6)。したがって、無効化されたIピクチャ画像を表示せずに、検索されたスタートコード(ヘッダ)をもつIピクチャを復号処理して、その画像を表示する。
【0043】
エレメンタリストリームがMPEG規格に沿った正しいビットストリームである場合には、通常、上記検索されたスタートコードはピクチャ層以上のヘッダとなる。しかしながら、ビットストリームが元々エラーを含んでいる場合には、必ずしもピクチャ層以上のスタートコードが検索されるとは限らない。このような場合、即ち、検索されたスタートコードがピクチャ層より下位層のスライス層を示すスタートコードである場合には、可変長復号化器11は、さらにスタートコードを検索し(ステップS7)、該スタートコードがピクチャ層以上のヘッダであるか否かを判定する(ステップS8)。ピクチャ層以上のスタートコードが検索された場合には、現在復号中の画像をエラーコンシールメント処理にて完成し(ステップS9)、該画像を表示する。その後、再びステップS1を行う。
【0044】
ここで、エラーコンシールメント処理とは、入力データのエラー発生によって失われた画像領域を何らかの修復手段により補修することをいう。一例を図5に示す。図5はIピクチャ210を復号処理中にエラーが発生したときのエラーコンシールメント処理を示している。現在復号処理されているIピクチャ210は、エラーの発生によりエラー発生位置250以降の画像を失うが、この失われた画像領域にIピクチャ210の直前に復号されたIピクチャ200における該画像領域に相当する画像をはめ込む。このとき、直前のIピクチャの画像をそのままはめ込んでもよいし、マクロブロック毎に動きベクトルを用いて動き補償処理を行った後にはめ込んでもよい。
【0045】
上記のように、本実施の形態1では、エレメンタリストリームを構成するビットストリーム断片の接続部位で発生した符号解釈の誤り(エラー)を検出し、現在復号処理中の位置から遡ってピクチャ層以上のスタートコードを検索した後、該ピクチャ層以上のデータを復号化処理し、かつ、エラーが発生した画像は無効化するようにしたので、著しい画像の乱れを未然に防止し、かつ、供給されるエレメンタリストリームを確実に復号処理することができる。
【0046】
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2による復号化装置を説明するための図であり、該復号化装置100aの構成を示している。
上記復号化装置100aは、復号化器12aを備え、該復号化器12aは、エラー検出信号を受けた場合に、現在行っている復号処理のエラー発生部分以降を修復するエラーコンシールメント機能を有することを除いては実施の形態1による復号化装置100と同様の構成である。
【0047】
次に動作について説明する。
図4に本発明の実施の形態2による復号化装置100aの動作のフローチャートを示す。復号化装置100aの動作においても、特殊再生において供給されるエレメンタリストリームでエラーが発生した場合に、復号化処理を行っている現在の位置からNビットだけ遡ってピクチャ層以上のスタートコードを検索する(ステップS1からステップS4)までは実施の形態1による復号化装置100と同様である。
【0048】
可変長復号化器11が検索したスタートコードが(ステップS4)、ピクチャ層以上のヘッダである場合には(ステップS5)、復号化器12aは、現在復号化処理を行っているIピクチャ画像において、エラー発生により失われた画像をエラーコンシールメント処理をして表示する(ステップS6’)。一方、該スタートコードがピクチャ層以上のヘッダでない場合には、ピクチャ層以上のヘッダが検索されるまで、スタートコードの検索を繰り返す。
【0049】
上記のように、本実施の形態2では、エレメンタリストリームを構成するビットストリーム断片の接続部位で発生した符号解釈の誤り(エラー)を検出し、現在復号処理中の位置から遡ってピクチャ層以上のスタートコードを検索した後、該ピクチャ層以上のデータを復号処理し、かつ、エラーが発生した画像はエラーコンシールメント処理を施して復号するようにしたので、著しい画像の乱れを未然に防止し、かつ、供給されるエレメンタリストリームを確実に復号処理することができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、早送りや巻き戻しの特殊再生の際にIピクチャのみを選択的に復号して表示する場合について述べたが、IピクチャとPピクチャを復号し表示する場合、及び、適宜選択された全てのタイプのピクチャを表示する場合についても利用できる。
【0051】
また、通称MPEG2と呼ばれる規格を採用した復号化方法や、通称H.261(Video Codec for Audiovisual services at p x 64kb/s (CCITT Recommendation H.261))と呼ばれる規格を採用した復号化方法にも利用できる。
【0052】
また、本実施の形態では、ディジタル動画像を表す符号列を復号する場合について述べたが、本発明は、ディジタル音声を表す符号列や、可変長符号を用いたデータ信号を復号又は再生する場合にも利用できる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明(請求項1)に係る復号化装置によれば、MPEGストリームが入力されるビットバッファと、上記ビットバッファから出力される上記MPEGストリームの中のピクチャ層以上の符号列の復号処理を行い、該復号処理中に誤りを検出した場合にはエラー検出信号を出力する復号化手段と、上記エラー検出信号を受け、上記MPEGストリームの現在の解釈位置から既に符号列の解釈を行った方向に所定のビット数だけ遡るように上記ビットバッファのリードポインタのアドレスを制御する符号列解釈位置設定手段とを備え、入力された符号列の復号処理中に符号解釈の誤りが生じた場合に、現在復号処理中の位置から遡って復号化を再開するようにしたので、予め選択された符号列での誤り発生による再生画像の乱れを未然に防止できる。
【0054】
この発明(請求項2)によれば、請求項1記載の復号化装置において、上記復号化手段は、上記エラー信号を出力した後にピクチャヘッダを検出した場合、現在復号中のピクチャ層以下の復号結果を無効化するようにしたので、予め選択された符号列での誤り発生による再生画像の乱れを未然に防止できるばかりでなく、選択的に供給される再生画像を確実に再生することができる。
【0055】
この発明(請求項3)によれば、請求項1記載の復号化装置において、上記復号化手段は、上記MPEGストリーム中に出現が推定されうるピクチャ層より下位に属する階層の符号列を復号して得られるであろう情報に対しては、既に復号済みの復号結果を基に所定の加工を施して復号結果とすることにより、ピクチャ層より下位に属する情報を完成するものとし、エラーが発生した再生画像はエラーコンシールメント処理を施して復号するようにしたので、予め選択された符号列での誤り発生による再生画像の乱れを未然に防止できるばかりでなく、誤りが発生した再生画像も確実に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施の形態1の復号化方法のフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2による復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図4】上記実施の形態2の復号化方法のフローチャートである。
【図5】上記実施の形態2のエラーコンシールメント処理を説明する図である。
【図6】MPEG規格におけるディジタル動画像のピクチャ層までの符号化方法を説明する図である。
【図7】MPEG規格におけるディジタル動画像のスライス層以下の符号化方法を説明する図である。
【図8】MPEG規格におけるビットストリーム構成を説明する図である。
【図9】ビットストリームのパケット化を説明する図である。
【図10】特殊再生においてビットストリーム断片より成るエレメンタリストリームの構成を説明する図である。
【図11】エレメンタリストリームにおけるビットストリーム断片の接合部位の詳細を説明する図である。
【図12】MPEG規格におけるDCT係数の可変長符号の一例を示す図である。
【符号の説明】
10:ビットバッファ
11:可変長復号化器
12:復号化器
12a:復号化器
13:フレームメモリ
80:ビットストリーム断片の接続部位
83、85:符号列
100:復号化装置
100a:復号化装置
101:復号化手段
102:符号列解釈位置設定手段
103:符号列解釈位置決定手段
200、210:復号画像(Iピクチャ)
250:エラー発生位置
300、310、320:ビットストリーム断片
500:シーケンス
600:グループ・オブ・ピクチャーズ(GOP)
700:ビデオフレーム
800:マクロブロック
900:ブロック
Claims (3)
- MPEGストリームが入力されるビットバッファと、
上記ビットバッファから出力される上記MPEGストリームの中のピクチャ層以上の符号列の復号処理を行い、該復号処理中に誤りを検出した場合にはエラー検出信号を出力する復号化手段と、
上記エラー検出信号を受け、上記MPEGストリームの現在の解釈位置から既に符号列の解釈を行った方向に所定のビット数だけ遡るように上記ビットバッファのリードポインタのアドレスを制御する符号列解釈位置設定手段とを備えたことを特徴とする復号化装置。 - 請求項1に記載の復号化装置において、
上記復号化手段は、上記エラー信号を出力した後にピクチャヘッダを検出した場合、現在復号中のピクチャ層以下の復号結果を無効化することを特徴とする復号化装置。 - 請求項1に記載の復号化装置において、
上記復号化手段は、上記エラー信号を出力した後にピクチャヘッダを検出した場合、現在復号中の復号結果のうち、上記MPEGストリーム中に出現が推定されうるピクチャ層より下位に属する階層の符号列を復号して得られるであろう情報に対しては、既に復号済みの復号結果を基に所定の加工を施して復号結果とすることにより、ピクチャ層より下位に属する情報を完成することを特徴とする復号化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3326399A JP3655115B2 (ja) | 1998-02-13 | 1999-02-10 | 復号化装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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-
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- 1999-02-10 JP JP3326399A patent/JP3655115B2/ja not_active Expired - Lifetime
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