JP2011239464A - 復号器 - Google Patents

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Abstract


【課題】エラーコンシールメントをする際に、最適な参照フレームを決定してエラーコンシールメント処理を行うようにする。
【解決手段】ビットストリーム内のスライス情報に存在するマクロブロック情報にデコードエラーが検出され、エラーコンシールメント処理を行う場合に、参照フレームバッファに蓄積されている復号した再生画像の中で、デコードエラーが検出されたスライスに最も表示時刻が近いフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エラーコンシールメントの参照フレーム決定方法およびそれを備えた復号器に関する。
近年、画像圧縮の研究・開発が進み、MPEG4(ISO/IEC14496−2)、H.264(ISO/IEC14496−10)などの動画像符号化方法が規格化されている。そして、この方法は、ディジタル放送、インターネット通信、携帯電話通信等といったような様々な分野で用いられている。
データ通信において、画像データをMPEG4符号化方式等にてエンコードした符号化データが送られてきた場合、受信側は、その送られてきた符号化データを復号器にてデコードして出力することが一般的である。符号化データを復号器にてデコードする際、無線通信の状態の悪化等で、「0」データが「1」データに変化するといったような異なったデータになるといったエラーが起きる事がある。そして、そのエラーが原因でデコードエラーが発生し、それを復号器が検出した際は、その部分の画像フレームデータの再送を送信元に要求する対策が講じられる。しかし、画像データの再送を要求する方法は、再送するのに更に時間を要するため、あまり有効な方法ではない。
また、デコードエラーの対策として、復号器においてエラーコンシールメントと呼ばれているエラー画像補完を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このエラーコンシールメント処理では、デコードエラーが検出された画像フレームはそのままでは使用できないため、他の画像フレームデータ(以下参照フレームという)を参照して疑似データを作成する必要がある。そして、MPEG4符号化方式等では、その参照フレームは直前にデコードしたフレームと規格されていたため、その直前にデコードしたフレームまたは最も表示時刻が近いフレームを参照してエラーコンシールメント処理を行っていた。
特開2001−309388号公報(2頁、3頁、6頁乃至9頁、図1)
H.264符号化方式で符号化されたデータの復号化において、デコードエラーが検出された場合は、MPEG4符号化方式等と同様にエラーコンシールメント処理を行う必要がある。しかしながら、H.264符号化方式の規格ではMPEG4符号化方式等とは異なり、エラーコンシールメント処理の際の参照フレームについては何ら規定されていない。そのため、H.264符号化方式においては、エラーコンシールメント処理する際に、どのフレームを参照してエラーコンシールメント処理をするかという課題があり、参照フレームの選択によっては、符号化前の画像データとは全く違う画像データにデコードされてしまうという問題点がある。
したがって、本発明は以上の問題点を解決するためになされたもので、エラーコンシールメント処理を行う際に参照フレームを複数のフレームの中から選択する例えばH.264符号化方式の復号器において最適な参照フレームを決定してエラーコンシールメント処理ができるエラーコンシールメントの参照フレーム決定方法、およびその機能を備えた復号器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による復号器は、符号化された符号化情報を解読する解読手段と、前記解読手段によって解読されたビットストリームの中から、デコードエラーを検出するエラー検出手段と、復号した再生画像を順次蓄積する参照フレームバッファと、前記エラー検出手段によって前記ビットストリーム内のスライス情報に存在するマクロブロック情報にデコードエラーが検出され、エラーコンシールメント処理を行う場合に、前記参照フレームバッファに蓄積されている前記復号した再生画像の中からIピクチャーを含むフレームを探索し、前記Iピクチャーを含むフレームの中で、前記デコードエラーが検出されたスライスに最もデコード時刻が近いフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとする参照フレーム決定手段と、前記参照フレーム決定手段によって決定された参照フレームを用いてエラーコンシールメント処理を行うエラー処理手段とを有することを特徴としている。
本発明によれば、エラーコンシールメント処理の参照フレームを複数のフレームの中から選択する例えばH.264符号化方式にて符号化された符号化データを復号器でデコードする際に、最適な参照フレームを決定してエラーコンシールメント処理を行うため、より画質のよい再生画像データを得ることができる。
本発明の実施例における、H.264復号器の内部構造を示したブロック図。 本発明の実施例における、参照フレームバッファ部9の内部状態を示した図。 本発明の実施例における、スライス情報の構成を示す図。 本発明の実施例における、イントラマクロブロックでデコードエラーが検出された場合の参照フレーム決定方法を示す図。 本発明の実施例における、イントラマクロブロックでデコードエラーが検出された場合の参照フレーム決定方法を示したフローチャート。 インターマクロブロックにおけるパーティション分割を示す図。 本発明の実施例における、イントラマクロブロックでデコードエラーが検出された場合の参照フレーム決定方法を示す図。 本発明の実施例における、パーティションに分かれていないインターマクロブロックでデコードエラーが検出された場合の参照フレーム決定方法を示したフローチャート。 本発明の実施例における、パーティションに分かれていないインターマクロブロックでデコードエラーが検出された場合の参照フレーム決定における隣接ブロックを示す図。 本発明の実施例における、パーティションに分かれているインターマクロブロックでデコードエラーが検出された場合の参照フレーム決定方法を示したフローチャート。 本発明の実施例における、パーティションに分かれているインターマクロブロックでデコードエラーが検出された場合の参照フレーム決定方法を示す図。 本発明の実施例における、「隣接するスライス」を説明した図。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明をH.264符号化方式の復号器に適用した実施例を図1乃至11を参照して説明する。図1は、本発明の実施例におけるH.264復号器の内部構造を示したブロック図である。
復号器1は、解読部2と、逆量子化部3と、逆DCT変換部4と、復号加算部5と、イントラ予測部6と、フィルタ7と、動き補償部8と、参照フレームバッファ部9と、スイッチ10とを備えている。そして、解読部2と、逆量子化部3と、逆DCT変換部4と、復号加算部5と、イントラ予測部6と、フィルタ7と、動き補償部8と、参照フレームバッファ部9と、スイッチ10とは、それぞれ制御部11によって動作制御が行われている。
まず、各部の動作を説明する。解読部2は、復号器1に送られてきたデータD1をビットストリームシンタックスにしたがってビットストリームを解読し、符号化データを復元する機能を有する。また、解読部2の内部にはビットストリーム解析部12とエラー処理部13を有し、更にビットストリーム解析部12の内部にはエラー検出部14が設けられている。解読部2の詳細な動作は後述する。
逆量子化部3は、解読部2からのデータD2の逆量子化を行う。そして、逆量子化されたデータD3は、逆DCT変換部4へ送られる。
逆DCT変換部4は、データD3の逆DCT変換を行う。そして、逆DCT変換されたデータD4(予測残差信号)は、復号加算部5に送られる。
復号加算部5は、スイッチ10の接続状態によって処理が異なる。このスイッチ10は、解読部2からのモード信号によってイントラ(フレーム内)予測モードと、インター(フレーム間)予測モードとに切り替わる。そして、イントラ予測モードのときは、スイッチ10はイントラ予測部6に接続され、復号加算部5はイントラ予測部6からのデータD7と逆DCT変換部4からのデータD4(予測残差信号)を加算する。また、インター予測モードのときは、スイッチ10は動き補償部8に接続され、復号加算部5は動き補償部8からのデータD9と逆DCT変換部4からのデータD4(予測残差信号)を加算する。
それぞれのモードにおいて、復号加算部5で加算処理されたデータD5はイントラ予測部6またはフィルタ7に送られる。
イントラ予測部6は、イントラ予測モードの時に動作し、復号加算部5から送られてきたデータD5からイントラ予測を行う。イントラ予測が完了して出力されたデータD7はスイッチ10を介して復号加算部5に送出される。
フィルタ7は、復号データの歪み等を減らす機能を有する。ここで、フィルタ7でフィルタがかけられたデータは、フレームデータD6として出力され、また、参照フレームの候補として参照フレームバッファ部9に蓄積される。
動き補償部8は、インター予測モードのときに動作する。動き補償部8は解読部2から動き情報D10または暫定動きベクトルデータD11が入力されて、その動き情報D10または暫定動きベクトルデータD11によって参照フレームバッファ部9から参照フレームデータD8を読み出し、動き補償を行う機能を有する。動き補償が完了して出力されたデータD9はスイッチ10を介して復号加算部5に送出される。
参照フレームバッファ部9には、フィルタ7から出力される画像のフレームデータD6が順次蓄積されている。図2は、参照フレームバッファ部9に記憶されたフレームデータの状態を示した図である。フィルタ7にてフィルタがかけられたデータD6は、復号器1から出力されると共に、参照フレームバッファ部9へフレームデータD6として送られる。参照フレームバッファ部9ではフレームデータD6毎に図2に示すようにヘッダが順番に付されて、記憶蓄積されて行く。図2の再生画像F1、F2、…は、順番に蓄積されたフレームデータである。
ヘッダには、参照フレームデータD8として参照されるときに区別するリスト番号の情報や、復号化時に長期にわたって参照されるフレームであると符号化側が指定したlong-term-pictureと呼ばれるフラッグの有無などの情報(図示せず)が含まれている。リスト番号は、H.264の規格上0〜15までの最大16個の番号までしか付すことができないため、リスト番号の存在しないフレームも存在する(リスト番号を割り当てるのは16個以下でもよい)。
また、ヘッダは復号する符号化データのスライスが変わる毎に変更することも可能である。例えば、スライス1を復号しているときは、図2の(1)のように「ヘッダ1」は「リスト番号1」、「ヘッダ2」は「リスト番号0」、「ヘッダ3」は「リスト番号なし」、「ヘッダ4」は「リスト番号2」と設定する。また、スライス2を復号するときには、図2の(2)のように「ヘッダ1」は「リスト番号0」、「ヘッダ2」は「リスト番号なし」、「ヘッダ3」は「リスト番号1」、「ヘッダ4」は「リスト番号2」と設定するといった様に、復号するスライスが変わる毎にヘッダのリスト番号が設定可能である。
以上のように、復号器1は、データD1を受け取ると、解読部2によってデータD1をイントラ予測と解読したときは、逆量子化部3、逆DCT変換部4、復号加算部5、イントラ予測部6によって復号され、フィルタ7をかけたあと、データD6として出力、および参照フレームバッファ部9に蓄積される。通常、イントラ予測のときには動き補償部8は作動しない。
また、解読部2の解読結果がインター予測のときは、解読部2からの動き情報D10、および参照フレームバッファ9からの参照フレームデータD8に基づき動き補償部8は動き補償のフレーム画像を求めてデータD9として出力する。そして、逆量子化部3および逆DCT変換部4によって得られた差分のデータD4と動き補償部8からの動き補償のデータD9が復号加算部5にて加算される。その後、フィルタ7がかけられデータD6として出力、および参照フレームバッファ部9に蓄積される。
また、解読部2のエラー検出部14で符号化データのスライス情報のデコードエラーが検出された場合は、エラーコンシールメント処理が行われ、エラー処理部13からの暫定動きベクトルデータD11、および参照フレームバッファ9からの参照フレームデータD8に基づき、動き補償部8は動き補償のフレーム画像を求めてデータD9として出力する。そして、逆量子化部3と逆DCT変換部4は制御部11により逆量子化処理及び逆DCT変換処理を行わないように制御され、それぞれデータD2,D3が入力され、復号加算部5にてデータD4とデータD9が加算される。この場合、復号後の差分のデータD4は全て0となるため、データD9がそのまま出力される。その後、フィルタ7でフィルタがかけられデータD6として出力、および参照フレームバッファ部9に蓄積される。なお、フィルタ7は制御部11によりフィルタ処理を行わないように制御される場合もある。
次に、解読部2の詳細な動きについて図3乃至図11を用いて説明する。まず、解読部2にデータD1が送られると、そのデータD1のナルユニットタイプ(NAL unit type)を検出し、ビットストリーム解析部12へ送る。ビットストリーム解析部12では、ナルユニットタイプに基づきデータを解析し、符号化データを抽出する。そして、ビットストリーム解析部12のエラー検出部14は、予め定められた条件を元に符号化データのスライス情報に含まれるスライスヘッダ情報のデコードエラー、及びマクロブロック情報のデコードエラーを検出する。ここで、ナルユニットタイプ(NAL unit type)とは、それぞれ送られて来るナルユニット(NAL unit)の内部情報がどのような種類のものか(Slice dataであるのか、Picture parameterであるのか、付加情報であるのか等)を示すデータである。
図3は、スライス情報の構成を示したものである。図3のようにスライスヘッダ情報は、スライス固有情報1、画像表示順序情報、参照フレーム数情報、参照フレームリスト情報、参照フレーム属性情報、スライス固有情報2などの情報が含まれている。
スライス固有情報1には、スライス情報に含まれる最初のマクロブロックデータ1のアドレス、スライス情報のタイプ(IスライスかPスライスか)、スライス情報が参照するピクチャーパラメータセットのID、フレーム番号等が設定される。
また、画像表示順序情報には、デコードした画像に対する表示順序のオフセット番号が設定される。さらに、参照フレーム属性情報には、参照フレームリスト情報の各フレームに関する属性(たとえばlong-term-pictureであるといったような情報)が設定される。
また、スライス固定情報2には、スライス単位での量子化係数のオフセット値などが設定される。そして、1つのスライス情報には少なくとも1つのマクロブロックデータが存在する。そして、エラー検出部14におけるスライスヘッダ情報のデコードエラーは、以下の場合に検出される。
(1)スライスヘッダ情報のデコードした結果に対応するデータが存在しない
これは、例えば、デコードするビットストリームのパラメータとして最大参照フレーム枚数を3枚までとしているのに、スライスヘッダ情報をデコードした結果の最大参照フレーム枚数が5枚となっていた場合などを意味する。
(2)スライスヘッダ情報をデコードした結果の値が符号化対応表に存在しない
これは、例えば、スライスヘッダ情報をデコードした結果が「10」という値になったが、符号化対応表には「0」〜「9」までの値しか定義されていない場合を意味する。なお、ここで言う符号化対応表に存在するとは、デコード結果に対して返す値が存在することを意味し、ビットストリーム解析部12内で判定される。
(3)スライスヘッダ情報をデコードした結果に対してデコーダが対応していない
これは、例えば、スライス情報のタイプがイントラマクロブロックのみで構成されている「Iスライス」とインターマクロブロックを含む「Pスライス」しかデコーダが対応していないのに、デコードしたスライスヘッダ情報によるスライスのタイプが「Bスライス」となっていた場合を意味する。
これらのデコードエラー検出は上記方法に限定されず、他の検出方法であっても良い。
また、検出方法によっては、デコードエラーが正しく検出されない場合もある。このように、スライスヘッダ情報でのデコードエラーが発生したときは、そのスライス情報に存在するマクロブロック情報に対し誤った復号が行われないように、逆量子化部3へのデータD2、逆DCT変換部4へのデータD3は制御部11により逆量子化処理及び逆DCT処理されずにそれぞれ出力される。そして、エラー検出部14でデコードエラーの検出が行われると、解読部2のエラー処理部13にエラー信号が送られる。
また、エラー検出部14におけるマクロブロック情報のデコードエラーは、以下の場合に検出される。
(1)マクロブロック情報をデコードした結果、対応するデータが存在しない
これは、例えば、マクロブロック情報をデコードした後、ある参照フレームを参照して再現する場合、その参照フレームが「リスト10」を指していた場合で、参照フレームリストが「リスト0」から「リスト8」までしか存在しなかった場合などである。
(2)マクロブロック情報をデコードした結果の値が符号化対応表に存在しない
これは、例えば、デコードした結果が「40」という値になったが、符号化対応表には「0」から「30」までの値しか定義されていない場合などである。
これらのデコードエラー検出は上記方法に限定されず、他の検出方法であっても良い。
また、検出方法によっては、デコードエラーが正しく検出されない場合もある。このように、マクロブロック情報でのデコードエラーが発生したときは、そのマクロブロック情報に対する誤った復号が行われないように、逆量子化部3へのデータD2、逆DCT変換部4へのデータD3は制御部11により逆量子化処理及び逆DCT処理されずに出力される。そして、エラー検出部14でデコードエラーの検出が行われると、解読部2のエラー処理部13にエラー信号が送られる。
エラー検出部14によってデコードエラーが検出され、エラー信号が送られてきた場合、エラー処理部13はエラーコンシールメント処理を行う。以下に、エラー処理部13でエラーコンシールメント処理が行われる際に、どのように参照フレームを決定するかを、検出されたデコードエラーが、(a)マクロブロック情報でデコードエラーが検出された場合と、(b)スライスヘッダ情報でのデコードエラーが検出された場合とに分けて説明する。
(a)マクロブロック情報でデコードエラーが検出された場合
デコードエラーが発生したマクロブロックがイントラマクロブロックの場合(a−1)と、インターマクロブロックの場合(a−2)とに更に分けて説明する。
(a−1)イントラマクロブロックのデコードエラーが検出された場合
イントラマクロブロックにおいてデコードエラーが検出された場合は、以下のような処理によってエラーコンシールメント処理の参照フレームを決定する。
図4、図7は、イントラマクロブロックにおいてデコードエラーが検出されたときにエラーコンシールメント処理を行うための参照フレームについて示したものである。なお、H.264の規格では参照フレームに関して以下のように定められている。
(ア)イントラマクロブロックには参照フレームは存在せず、イントラ予測部内での処理を除き、図4に示すように常に16画素×16画素を1つの単位として処理される。
(イ)インターマクロブロックは、7種類のパーティションと呼ばれる図6に示すようなマクロブロックを分割した領域を処理単位とすることができる。
(ウ)インターマクロブロックにおいて、参照フレームを8画素×8画素単位で設定することができる。
(エ)一つのパーティション内で複数の参照フレームを設定することはできない。
次に、イントラマクロブロックXにデコードエラーが発生した場合のエラーコンシールメント処理における参照フレームの選択方法を図4、図5を用いて説明する。図5は、エラーコンシールメント処理する際の、参照フレームの選択方法を示した動作フローチャートである。
まず、デコードエラーが発生したイントラマクロブロックXの左隣の隣接マクロブロックAがインターマクロブロックか(隣接マクロブロックAがイントラマクロブロックXと同じスライスでない場合を除く)、それ以外か(隣接マクロブロックAがない場合や隣接マクロブロックAがイントラマクロブロックXと同じスライスでない場合も含む)を判断する(ステップ51、図4の(1))。
隣接マクロブロックAがインターマクロブロックならば(ステップ51のYes)、次に隣接マクロブロックAが7つのパーティションのいずれかに分かれているか否かを判断する(ステップ52)。そして、マクロブロックAが上記パーティションに分かれていないならば(ステップ52のNo)、マクロブロックAが参照しているフレームa1を参照フレームとする(ステップ53a、図4の(2))。また、マクロブロックAが7つのパーティションのいずれかに分かれているならば(ステップ52のYes)、マクロブロックAのパーティションのうち、右上のパーティション(イントラマクロブロックXの左上のピクセルに左に隣接しているパーティション)が参照しているフレームa2(図7の(1)参照)を参照フレームとする(ステップ53b)。
ここで、ステップ53bにおける参照フレームの決定方法の他の例を図7の(2)を用いて説明する。図7の(2)のAP1乃至AP4はインターマクロブロックAの8画素×8画素のパーティションを示している。参照フレームは、8画素×8画素の単位(以下、この単位をサブマクロブロック単位という)でそれぞれ別々のフレームを参照することができる(但し前述の通り、1つのパーティションで複数の参照フレームを設定することはできない)。例えば、パーティションAP1が参照フレームa3を、パーティションAP2が参照フレームa4を、パーティションAP3が参照フレームa5を、パーティションAP4が参照フレームa3をそれぞれ参照していたとする。更に、パーティションAP1に重み1、パーティションAP2に重み2、パーティションAP3に重み1、パーティションAP4に重み2を設定していたとする。そうすると、パーティションAP1乃至AP4はマクロブロックの4分の1ずつの画素を占めているため、参照しているフレームの重みを(占める画素数)×(重み)で求めるとすると、その比は参照フレームa3:参照フレームa4:参照フレームa5=3:2:1となる。よって、イントラマクロブロックXがエラーコンシールメント処理する際の参照フレームは、一番重みのあった参照フレームa3に決定される。
もし、一番重みのあった参照フレームが複数あった場合は、その複数の参照フレームを参照しているパーティションのうち、デコードエラーの検出されたイントラマクロブロックXの左上のピクセルに最も近いパーティションが参照しているフレームを参照フレームとする。例えば、パーティションAP1が参照フレームa5を、パーティションAP2が参照フレームa4を、パーティションAP3が参照フレームa5を、パーティションAP4が参照フレームa3をそれぞれ参照していたとし、更にパーティションAP1に重み1、パーティションAP2に重み2、パーティションAP3に重み1、パーティションAP4に重み2を設定していたとする。そうすると、重みの比は参照フレームa3:参照フレームa4:参照フレームa5=1:1:1となる。そして、デコードエラーの検出されたイントラマクロブロックXの左上に最も近いパーティションはパーティションAP2であるから、イントラマクロブロックXの参照フレームはパーティションAP2が参照している参照フレームa4に決定される。
次に、隣接マクロブロックAがイントラマクロブロック以外であるならば(ステップ51のNo)、デコードエラーが発生したイントラマクロブロックXの上に隣接する隣接マクロブロックBがインターマクロブロックか、それ以外か(隣接マクロブロックBがない場合や隣接マクロブロックBがイントラマクロブロックXと同じスライスでない場合も含む)を判断する(ステップ54)。
隣接マクロブロックBがインターマクロブロックならば(ステップ54のYes)、そのマクロブロックBが7つのパーティションのいずれかに分かれているかを判断する(ステップ55)。そして、マクロブロックBが上記パーティションに分かれていないならば(ステップ55のNo)、マクロブロックBが参照しているフレームb1を参照フレームとする(ステップ56a、図4の(3))。また、マクロブロックBが7つのパーティションのいずれかに分かれているならば(ステップ55のYes)、マクロブロックBのパーティションのうち、左下のパーティション(イントラマクロブロックXの左上のピクセルに上に隣接しているパーティション)が参照しているフレームb2(図7の(3)参照)を参照フレームとする(ステップ56b)。
ここで、ステップ56bにおける参照フレームの決定方法の他の例を図7の(4)を用いて説明する。図7の(4)のBP1乃至BP4はインターマクロブロックBの8画素×8画素のパーティションを示している。同様に参照フレームは、サブマクロブロック単位でそれぞれ別々のフレームを参照することができる。例えば、パーティションBP1が参照フレームb3を、パーティションBP2が参照フレームb4を、パーティションBP3が参照フレームb5を、パーティションBP4が参照フレームb3をそれぞれ参照していたとする。更に、パーティションBP1に重み1、パーティションBP2に重み1、パーティションBP3に重み2、パーティションBP4に重み2を設定していたとする。そうすると、パーティションBP1乃至BP4はマクロブロックの4分の1ずつの画素をしめているため、参照しているフレームの重みを(占める画素数)×(重み)で求めるとすると、その比は参照フレームb3:参照フレームb4:参照フレームb5=3:1:2となる。よって、イントラマクロブロックXがエラーコンシールメント処理する際の参照フレームは一番重みのあった参照フレームb3に決定される。
もし、一番重みのあった参照フレームが複数あった場合は、その複数の参照フレームを参照しているパーティションのうち、デコードエラーの検出されたイントラマクロブロックXの左上のピクセルに最も近いパーティションが参照しているフレームを参照フレームとする。例えば、パーティションBP1が参照フレームb5を、パーティションBP2が参照フレームb4を、パーティションBP3が参照フレームb6を、パーティションBP4が参照フレームb3をそれぞれ参照していたとし、更にパーティションBP1に重み1、パーティションBP2に重み1、パーティションBP3に重み2、パーティションBP4に重み2を設定していたとする。そうすると、重みの比は参照フレームb3:参照フレームb4:参照フレームb5:参照フレームb6=2:1:1:2となるが、デコードエラーの検出されたマクロブロックXの左上のピクセルに最も近いパーティションはパーティションBP3であるから、マクロブロックXの参照フレームはパーティションBP3が参照している参照フレームa6に決定される。
次に、隣接マクロブロックBがイントラマクロブロック以外であるならば(ステップ54のNo)、デコードエラーが発生したイントラマクロブロックXの右上の隣接マクロブロックCがインターマクロブロックかそれ以外か(隣接マクロブロックCがない場合や隣接マクロブロックCがイントラマクロブロックXと同じスライスでない場合も含む)を判断する(ステップ57)。
隣接マクロブロックCがインターマクロブロックならば(ステップ57のYes)、そのマクロブロックCが7つのパーティションのいずれかに分かれているかを判断する(ステップ58)。そして、マクロブロックCが上記パーティションに分かれていないならば(ステップ58のNo)、マクロブロックCが参照しているフレームc1を参照フレームとする(ステップ59a、図4の(4))。また、マクロブロックCが7つのパーティションのいずれかに分かれている(ステップ58のYes)ならば、マクロブロックCのパーティションのうち、左下のパーティションが参照しているフレームc2(図7の(5)参照)を参照フレームとする(ステップ59b)。
次に、隣接マクロブロックCがイントラマクロブロック以外であるならば(ステップ57のNo)、デコードエラーが発生したイントラマクロブロックXの右上の隣接マクロブロックDがインターマクロブロックかそれ以外か(隣接マクロブロックDがない場合や隣接マクロブロックDがイントラマクロブロックXと同じスライスでない場合も含む)を判断する(ステップ60)。
隣接マクロブロックDがインターマクロブロックならば(ステップ60のYes)、そのマクロブロックDが7つのパーティションのいずれかに分かれているかを判断する(ステップ61)。そして、マクロブロックDが上記パーティションに分かれていないならば(ステップ61のNo)、マクロブロックDが参照しているフレームd1を参照フレームとする(ステップ62a、図4の(5))。また、マクロブロックDが7つのパーティションのいずれかに分かれているならば(ステップ61のYes)、マクロブロックDのパーティションのうち、右下のパーティションが参照しているフレームd2(図7の(6)参照)を参照フレームとする(ステップ62b)。
隣接ブロックDがインターマクロブロック以外であるならば(ステップ60のNo)、イントラマクロブロックXを含むフレームの一つ前にデコードされたフレームを参照する(ステップ63)。なお、ステップ63はこれに限定することなく、イントラマクロブロックXを含むフレームの一つ前に表示されるフレームを参照フレームとしてもよい。
なお、ステップ51、ステップ54、ステップ57、ステップ60において、イントラマクロブロックXの隣接ブロックがイントラマクロブロックXと同じスライスでない場合は、それぞれステップ54、ステップ57、ステップ60、ステップ63に進むものとしていたが、イントラマクロブロックXと異なるスライスでも隣接するマクロブロックが存在し、そのマクロブロックがインターマクロブロックならば、それぞれステップ52、ステップ55、ステップ68、ステップ61に進むものとしてもよい。
また、復号器1の処理速度を重要視する場合は、少なくともステップ51〜ステップ54を実行し、ステップ54、及びステップ57でNoと判断された段階でその後の処理を省略してステップ63を実行するようにしても良い。例えば、ステップ54でNoと判断された場合、直ちにステップ63を実行するようにしても良い(図5の点線部分)。
以上のようにして参照フレームが決定すると、エラー処理部13はイントラマクロブロックXと同じアドレスに位置する参照フレーム内のマクロブロックを用いて、エラーコンシールメント処理を行い、(例えば、図4の(2)乃至(5)のX1乃至X4)暫定動きベクトルデータD11は全て0として動き補償部8に送る。なお、この参照フレームが決定した後のエラーコンシールメント処理はこの方法に限定することなく、決定した参照フレームを用いてエラーコンシールメント処理が行われていれば、どのような方法でも良い。
(a−2)インターマクロブロックのデコードエラーが検出された場合インターマクロブロックにおいてデコードエラーが検出された場合、エラー処理部13は以下のような処理によってエラーコンシールメント処理の参照フレームを決定する。
まず、パーティションに分かれていないインターマクロブロック(以下、パーティションY1と称する)でデコードエラーが発生した場合の動作を図8、図9を用いて説明する。
図8は、インターマクロブロックのパーティションY1でデコードエラーが検出され、それをエラーコンシールメント処理する際の、参照フレームの選択方法を示したフローチャートである。また、図9は、デコードエラーが発生したパーティションY1の隣接ブロックについて説明したものである。なお、以下隣接ブロックとは原則として隣接するマクロブロックを意味し、隣接するマクロブロックがパーティションに分かれていれば、隣接するパーティションを意味するものとする。
まず、デコードエラーが発生したパーティションY1の左上のピクセルに左隣接する隣接ブロックEが、
(ア)イントラマクロブロックであるか、
(イ)存在しない場合か、
(ウ)他のスライスである場合か、
のいずれかに該当するかを判断する(ステップ81、図9参照)。前記ステップ81の条件に該当しないときは、隣接ブロックEが参照しているフレームe1を参照フレームとする(ステップ82)。
次に、前記ステップ81における上記(ア)〜(ウ)の条件に該当するならば、デコードエラーが発生したパーティションY1の左上のピクセルに上隣接する隣接ブロックF(パーティションに分かれていてもよい)が、上記(ア)〜(ウ)のいずれかに該当するかを判断する(ステップ83、図9参照)。前記ステップ83の条件に該当しないときは、隣接ブロックFが参照しているフレームf1を参照フレームとする(ステップ84)。
次に、前記ステップ83における上記(ア)〜(ウ)の条件に該当するならば、デコードエラーが発生したパーティションY1の右上のピクセルに右上隣接する隣接ブロックG(パーティションに分かれていてもよい)が、上記(ア)〜(ウ)のいずれかに該当するかを判断する(ステップ85、図9参照)。前記ステップ85の条件に該当しないときは、隣接ブロックGが参照しているフレームg1を参照フレームとする(ステップ86)。
次に、前記ステップ85における上記(ア)〜(ウ)の条件に該当するならば、デコードエラーが発生したパーティションY1の左上のピクセルに左上隣接する隣接ブロックH(パーティションに分かれていてもよい)が、上記(ア)〜(ウ)のいずれかに該当するかを判断する(ステップ87、図9参照)。前記ステップ87の条件に該当しないときは、隣接ブロックHが参照しているフレームh1を参照フレームとする(ステップ88)。
次に、前記ステップ87における上記(ア)〜(ウ)の条件に該当するならば、インターマクロブロックY1を含むフレームの一つ前にデコードされたフレームを参照する(ステップ89)。なお、ステップ89はこれに限定することなく、インターマクロブロックY1を含むフレームの一つ前に表示されるフレームを参照フレームとしてもよい。
なお、ステップ81、ステップ83、ステップ85、ステップ87において、(ア)〜(ウ)の条件に該当しないならば、それぞれステップ82、ステップ84、ステップ86、ステップ88に進むものとしていたが、ステップ81、ステップ83、ステップ85、ステップ87の判断条件は上記(ア)と上記(イ)だけに限定してもよい。
また、復号器1の処理速度を重要視する場合は、少なくともステップ81〜ステップ83を実行し、ステップ83、及びステップ85で該当すると判断された段階でその後の処理を省略してステップ89を実行するようにしても良い。例えば、ステップ83で該当すると判断された場合、直ちにステップ89を実行するようにしても良い(図8の点線部分)。
次に、図6のような、7つのパーティションのうちいずれかのパーティションに分かれているインターマクロブロック(以下、パーティションY2と称する)でデコードエラーが発生した場合の動作を図10、図11を用いて説明する。
図10は、インターマクロブロックのパーティションY2にデコードエラーが検出され、それをエラーコンシールメント処理する際の、参照フレームの選択方法を示したフローチャートである。また、図11は、インターマクロブロックのパーティションY2にデコードエラーが検出され、エラーコンシールメント処理する際の、参照フレームの選択方法を示した図である。
まず、デコードエラーの検出されたパーティションY2が、8画素×8画素未満か、8画素×8画素以上かを判断する(ステップ101)。パーティションY2が8画素×8画素未満であると判断された場合(ステップ101の未満)、参照フレームが正しくデコードされているかを判断する(ステップ102)。パーティションY2を含むサブマクロブロック(マクロブロックの4分の1である8画素×8画素単位のブロック、以下同じ)の参照フレームが正しくデコードされている場合(ステップ102のYes)、パーティションY2を含むサブマクロブロックが参照しているフレームkを参照フレームとする(ステップ103a、図11の(1)参照)。また、パーティションY2が8画素×8画素以上と判断された場合(ステップ101の以上)、及びパーティションY2を含むサブマクロブロックの参照フレームが正しくデコードされていない場合(ステップ102のNo)、パーティションY2のあるインターマクロブロックでパーティションY2を含まないサブマクロブロックの参照しているフレームを全て(1つ乃至3つになる)挙げ、図11の(2)に示すように、該インターマクロブロックで参照しているフレームの割合を求める(ステップ103b)。
例えば、図11の(2)において、パーティションY2は8画素×8画素であったとすると、パーティションY2を含むインターマクロブロックでパーティションY2を含まないサブマクロブロックとして、サブマクロブロックSMB1、SMB2、SMB3がある。そして、サブマクロブロックSMB1はフレームk1を参照していたとし、サブマクロブロックSMB2はフレームk1を参照していたとし、サブマクロブロックSMB3はフレームk2を参照していたとすると、該インターマクロブロックで参照しているフレームの割合は、フレームk1が2分の1となり、フレームk2が4分の1となる。
次に、ステップ103bで求めた該インターマクロブロックで参照しているフレームの割合が一番多いフレームは一つか二つ以上かを判断する(ステップ104)。そして、割合が一番多いフレームが一つの場合は(ステップ104のYes)、そのフレームを参照フレームとする(ステップ105)。例えば、図11の(2)ならば、フレームk1がパーティションY2の参照フレームとなる。
また、割合が一番多いフレームが二つ以上の場合は(ステップ104のNo)、パーティションY2の動きベクトルの値、および同じマクロブロック内のサブマクロブロックSMB1乃至SMB3の動きベクトルの値をビットストリーム解析部12より受け取る(ステップ106)。そして、パーティションY2、サブマクロブロックSMB1、SMB2、SMB3それぞれの動きベクトルの値を動きベクトルUY2(uy1、uy2)、動きベクトルUS1(u11、u12)、動きベクトルUS2(u21、u22)、動きベクトルUS3(u31、u32)とし、動きベクトルUS1乃至US3のなかで、動きベクトルUY2に最も類似している動きベクトルを探す(ステップ107)。例えば、それぞれの差分ベクトルを求め、その大きさが一番小さいものを候補とする(図11の(3)参照)。そして、ステップ107で求めた動きベクトルUY2に最も類似している動きベクトルを持っているサブマクロブロックの参照しているフレームをパーティションY2の参照フレームとする(ステップ108)。
なお、動きベクトルの値を用いて参照フレームを決定する処理はこの方法に限定することなく、動きベクトルを用いて参照フレームを決定する処理であれば、どのような方法でもよい。
以上のようにして参照フレームが決定すると、パーティションY1またはパーティションY2を含むマクロブロックと同じアドレスに位置する参照フレーム内のマクロブロックを用いて、エラーコンシールメント処理が行われ(例えば、図9のフレームe1乃至フレームh1の斜線部分)、暫定動きベクトルデータD11は全て0として動き補償部8に送られる。
(b)スライスヘッダ情報でデコードエラーが検出された場合 スライスヘッダ情報でデコードエラーが検出され、エラー処理部13がエラー検出部14からそのエラー信号を受け取ると、以下に説明する方法のいずれかによって参照フレームを決定する。
例えば、エラー処理部13は「リスト0」で指定されるフレームを参照フレームとする。
これは、「リスト0」で指定されるフレームは、元々符号化側で設定されるものであるが、その設定で「リスト0」となるフレームは、最も参照されるフレームとする場合が多いと考えられるからである。
また例えば、エラー処理部13は参照フレームバッファ部9に蓄積されている再生画像の再現時間情報T(STCなどの情報)をそれぞれ制御部11から得る。そして、更にデコードエラーの検出されたフレームの再現時間情報T1(PTSなどの情報)を復号器1や、DEMUX(図示せず)など、データ受信機全体の時間情報を制御する機能を持つ制御部から得る。そして、エラー処理部13は得られた再現時間情報Tの中のうち、デコードエラーが検出されたフレームの再現時間情報の時刻T1に表示時刻が最も近い再現時間情報T(時刻T1より前でも後でもよい)をもつ再生画像を参照フレームとする。これは、デコードエラーが検出されたフレームの再現時間情報の時刻T1に再現時間が最も近い再現時間情報Tをもつ画像がデコードエラーの検出された画像に近いと考えられるからである。
また例えば、デコードエラーの検出されたフレームの一つ前に復号器1でデコードされたフレームを参照フレームとする方法でも良い。これは、直前にデコードされたフレームはデコードエラーの検出された画像に近いと考えられるからである。
また例えば、参照フレームバッファ部9に蓄積されている全ての再生画像のフレームの種類を検索し、Iピクチャーがあるか否かを検索し、更にそのフレームの表示時刻(STCなどの情報)を検索する。もし、Iピクチャーがあれば、その中でデコードエラーを検出したフレームの表示時刻に最も表示時刻の近いフレームを参照フレームとする方法でも良い。
また例えば、参照フレームバッファ部9に蓄積されている全ての再生画像に対して、ヘッダ内に長期にわたって参照されるフレームに付されるlong-term-pictureが付されているか否かを検索し、もし、long-term-pictureが付されている再生画像があれば、その画像の中で、最もデコード時刻デコードエラーを検出したフレームに最も表示時刻の近いフレームを参照フレームとする方法でも良い。
また、例えば、次のような方法でも良い。なお以下の記載で「左に隣接するスライス」とは、当該スライス(図12(A)のスライスX)の左の辺に接するスライスを指し(図12(A)の例ではスライスAを指す)、「上に隣接するスライス」とは、当該スライスの上の辺に接するスライスを指し(図12(A)の例ではスライスB1、スライスB2、スライスB3を指す)、「右上に隣接するスライス」とは当該スライスの右上の頂点に右上隣接するスライスを指し(図12(A)の例ではスライスB3を指す)、「左上に隣接するスライス」とは当該スライスの左上の頂点に左上隣接するスライスを指す(図12(A)の例ではスライスDを指す)ものとする。
左に隣接するスライスがデコードされている場合、そのスライス内で最も多い割合で参照されているフレームを参照フレームとする。もし、スライス内で最も多い割合で参照されているフレームが複数ある場合は、その複数のフレームのうち、デコードエラーの検出されたスライスに最も近いマクロブロックが参照しているフレームを参照フレームとする。
そして、左に隣接するスライスがデコードされていない場合は、上に隣接するスライスがデコードされているかを判断し、上に隣接するスライスがデコードされている場合には、そのスライス内で最も多い割合で参照されているフレームを参照フレームとする。もし、スライス内で最も多い割合で参照されているフレームが複数ある場合は、その複数のフレームのうち、デコードエラーの検出されたスライスに最も近いマクロブロックが参照しているフレームを参照フレームとする。なおここでは、上に隣接するスライスが複数存在する場合は全てのスライスがデコードされているかを判断してから、上記のように参照フレームを決定するが、このように上に隣接するスライスが複数存在する場合は、左上から順にデコードされているかを判断し、デコードされているスライスが1つ検出された時点で参照フレームを決定しても良い。
そして、上に隣接するスライスがデコードされていない場合は、右上に隣接するスライスがデコードされているかを判断し、右上に隣接するスライスがデコードされている場合、そのスライス内で最も多い割合で参照されているフレームを参照フレームとする。もし、スライス内で最も多い割合で参照されているフレームが複数ある場合は、その複数のフレームのうち、デコードエラーの検出されたスライスに最も近いマクロブロックが参照しているフレームを参照フレームとする。
そして、右上に隣接するスライスがデコードされていない場合は、左上に隣接するスライスがデコードされているかを判断し、左上に隣接するスライスがデコードされている場合、そのスライス内で最も多い割合で参照されているフレームを参照フレームとする。もし、スライス内で最も多い割合で参照されているフレームが複数ある場合は、その複数のフレームのうち、デコードエラーの検出されたスライスに最も近いマクロブロックが参照しているフレームを参照フレームとする方法でも良い。
なお、ここで定義した「隣接するスライス」をそれぞれ、「左に隣接するスライス」は、当該スライス(図12(B)のスライスY)の左の辺に接するスライス(図12(B)の例のスライスa)、「上に隣接するスライス」は、当該スライスに属する先頭のマクロブロックの上の辺に接するスライス(図12(B)の例のスライスb)、「右上に隣接するスライス」は当該スライスに属する先頭のマクロブロックの右上の頂点に右上隣接するスライス(図12(B)の例のスライスc)、「左上に隣接するスライス」は当該スライスに属する先頭のマクロブロックの左上の頂点に左上隣接するスライス(図12(B)の例のスライスb)と定義しても良い。
なお、デコードされているかを判断する場合において、重複して2度判断しないように設定しても良い。
以上のようにして参照フレームが決定すると、エラー処理部13はデコードエラーが検出されたスライスのマクロブロックと同じアドレスに位置する参照フレーム内のマクロブロックを用いてエラーコンシールメント処理を行い、暫定動きベクトルデータD11を全て0として動き補償部8に送る。
本発明の実施例によれば、デコードエラーが検出され、エラーコンシールメントを行う際に、最適な参照フレームを決定することができる。なお、参照フレームが決定された後、エラーコンシールメント処理が行われるが、この処理は、本実施例に記載されたものに限定されることなく、他のエラーコンシールメント処理を行ってもよい。
1 復号器
2 解読部
3 逆量子化部
4 逆DCT変換部
5 復号加算部
6 イントラ予測部
7 フィルタ
8 動き補償部
9 参照フレームバッファ部
10 スイッチ
11 制御部
12 ビットストリーム解析部
13 エラー処理部
14 エラー検出部

Claims (3)

  1. 符号化された符号化情報を解読する解読手段と、
    前記解読手段によって解読されたビットストリームの中から、デコードエラーを検出するエラー検出手段と、
    復号した再生画像を順次蓄積する参照フレームバッファと、
    前記エラー検出手段によって前記ビットストリーム内のスライス情報に存在するマクロブロック情報にデコードエラーが検出され、エラーコンシールメント処理を行う場合に、前記参照フレームバッファに蓄積されている前記復号した再生画像の中からIピクチャーを含むフレームを探索し、前記Iピクチャーを含むフレームの中で、前記デコードエラーが検出されたスライスに最もデコード時刻が近いフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとする参照フレーム決定手段と、
    前記参照フレーム決定手段によって決定された参照フレームを用いてエラーコンシールメント処理を行うエラー処理手段と
    を有することを特徴とする復号器。
  2. 符号化された符号化情報を解読する解読手段と、
    前記解読手段によって解読されたビットストリームの中から、デコードエラーを検出するエラー検出手段と、
    復号した再生画像を順次蓄積する参照フレームバッファと、
    前記エラー検出手段によって前記ビットストリーム内のスライス情報に存在するマクロブロック情報にデコードエラーが検出され、エラーコンシールメント処理を行う場合に、前記参照フレームバッファに蓄積されている前記復号した再生画像の中からそれぞれのヘッダに長期参照情報が存在するフレームを探索し、前記長期参照情報が存在するフレームの中で、前記デコードエラーが検出されたスライスに最も表示時刻が近いフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとする参照フレーム決定手段と、
    前記参照フレーム決定手段によって決定された参照フレームを用いてエラーコンシールメント処理を行うエラー処理手段と
    を有することを特徴とする復号器。
  3. 符号化された符号化情報を解読する解読手段と、
    前記解読手段によって解読されたビットストリームの中から、デコードエラーを検出するエラー検出手段と、
    復号した再生画像を順次蓄積する参照フレームバッファと、
    前記エラー検出手段によって前記ビットストリーム内のスライス情報に存在するマクロブロック情報にデコードエラーが検出され、エラーコンシールメント処理を行う際に、隣接する第1のスライスがデコードされている場合は、前記第1のスライス内にある複数のマクロブロックのうち、最も多い割合で参照されている第1のフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとし、前記隣接する第1のスライスがデコードされていなく、かつ隣接する第2のスライスがデコードされている場合は、前記第2のスライス内にある複数のマクロブロックのうち、最も多い割合で参照されている第2のフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとし、前記第2のスライスがデコードされていなく、かつ隣接する第3のスライスがデコードされている場合は、前記第3のスライス内にある複数のマクロブロックのうち、最も多い割合で参照されている第3のフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとし、前記第3のスライスがデコードされていなく、かつ隣接する第4のスライスがデコードされている場合は、前記第4のスライス内にある複数のマクロブロックのうち、最も多い割合で参照されている第4のフレームをエラーコンシールメントの参照フレームとする参照フレーム決定手段と、
    前記参照フレーム決定手段によって決定された参照フレームを用いてエラーコンシールメント処理を行うエラー処理手段と
    を有することを特徴とする復号器。
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