JP3655028B2 - 配管減肉管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラントの配管、とりわけ発電プラントの配管の減肉管理を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
発電プラントの配管は、内部に高温・高圧の蒸気、高流速の水、海水、二相流等が流れており、絶えず過酷な状況に置かれているため、エロージョンやコロージョンを受けて経年的に減肉現象が発生する。この減肉現象が進行することにより配管の内部の流体が漏洩する危険があり、社会に安定した電力を供給する上で非常に重大な問題となる。
【0003】
このような減肉現象の速度は、空間的にも時間的にも一様ではない。例えば、配管内部を流れる流体の条件や配管の形状によってもそれぞれ異なってくるし、また、プラントの起動・停止の回数や、プラントに加わる負荷等のプラントの運転状態によっても異なってくる。このため、従来からプラントの配管の減肉管理手法について様々な試みがなされている。
【0004】
このようなプラントの配管減肉管理を行うシステムとしては特開平3−289596号に開示されたものがあり、ここに開示されたシステムは、図23に示すように、少なくともプラント情報及び系統情報103と、配管仕様情報及び配管減肉情報104と、減肉重要度ランク情報105と、系統画面情報及び配管ライン色別情報106と、実機肉厚測定情報102とが入力情報として格納されるデータベース101と、データベース101から減肉配管の管理項目、減肉率、余寿命評価を出力させる複数のシステムのそれぞれを稼働させる複数のプログラム108〜111が格納される補助記憶手段107と、システムを稼働させる複数のプログラム108〜111のいずれかを選択的に呼込み、データベース101に格納されている減肉配管を管理する他の各種情報を制御・演算して減肉配管の管理項目と減肉率と余寿命評価を出力させる中央処理手段12と、管理項目と減肉率と余寿命を含む出力のいずれかを表示する表示手段13とから構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術においては、各サブシステムにおいて処理を行う際、減肉重要度ランクの判断や、減肉要因パラメータの重要度の判断には、熟練を要する。またこの判断は人間の経験に基づいて行われるため、人為的要因による判断のばらつきがある。このため、オペレータの熟練度次第で精度の低い判断が下される危険性がある。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、膨大な数の配管に対して配管の点検および交換の時期を自動的に決定することを可能とし、人為的要因を廃して高精度の減肉管理業務を行うことができる配管減肉管理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための第1の手段は、配管点検時に測定した配管の肉厚値に基づいて減肉管理を行う配管減肉管理システムにおいて、測定箇所ごとに定められた複数の測定点における肉厚値を記録する記録手段と、各測定点における基準点検時の肉厚値と対応する測定点における基準点検時の前回の点検時の肉厚値との差と、基準点検時の前回の点検時から基準点検時までの運転時間と、に基づいて各測定点における減肉速度を算出する減肉速度算出手段と、各基準点検時に算出された各測定点における減肉速度の最大値と、各測定点における今回点検時の肉厚値のうちの最小値とに基づいて、測定箇所ごとに配管の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また第2の手段は、配管点検時に測定した配管の肉厚値に基づいて減肉管理を行う配管減肉管理システムにおいて、測定箇所ごとに定められた複数の測定点における肉厚値を記録する記録手段と、今回点検時に各測定点において測定された各肉厚値の最小値と前回点検時に各測定点において測定された各肉厚値の最小値との差と、前回点検時から今回点検時までの運転時間とに基づいて、測定箇所ごとに減肉速度を算出する減肉速度算出手段と、前記減肉速度と、今回点検時の肉厚値の最小値とに基づいて、測定箇所ごとに配管の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
第3の手段は、上記第1および第2の手段において、前記減肉速度算出手段により算出された減肉速度と前記余寿命推定手段により推定された余寿命とに基づいて、測定箇所ごとに点検インターバルを設定する点検インターバル設定手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、第1の実施の形態について説明する。図1乃至図12は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0012】
図1に示すように、減肉管理システムは、各点検時における肉厚値と点検インターバルとを記録する記録手段12と、減肉速度を算出する減肉速度算出手段8と、配管の余寿命を推定する余寿命推定手段9とを備えている。
【0013】
このうち記録手段12は、測定肉厚データベース12aおよび測定実績データベース12bとからなる。このうち測定肉厚データベース12aには、プラント設置時から現在に至るまでの各点検時において各測定箇所の各測定点で測定された全ての肉厚値と、各測定箇所の必要最小肉厚値が図2に示すフォーマットで収容されるようになっている。また、測定実績データベース12bには、点検年次回ごとに各測定箇所で肉厚測定が行われたか否か(測定実績)と、点検年次回間の運転時間Tとが図3に示すフォーマットで記録されるようになっている。
【0014】
また、配管減肉管理システムにはデータ管理手段7が設けられている。このデータ管理手段7は、各手段(例えば減肉速度算出手段8、余寿命推定手段9)からのデータ検索要求に対して整合性の取れたデータの受け渡しを行うことを主な機能とするものである。
【0015】
また、データ管理手段7にはデータ変換手段6が接続されている。このデータ変換手段6は、キーボード2等の入力手段から電子計算機3に入力される各測定点の肉厚データや測定時期のデータを所定のフォーマットに変換する機能を有している。
【0016】
また、配管減肉管理システムには測定データ表出力手段10が設けられている。この測定データ表出力手段10は、データ管理手段7から今回点検時の肉厚値を、減肉速度算出手段8から今回点検時に算出された減肉速度を、余寿命推定手段9から今回点検時に推定された余寿命を受取り、図7に示すような測定マップに対応したフォーマットに従った測定データ表をCRT4またはプリンタ5に出力する機能を有している。
【0017】
また、配管減肉管理システムにはグラフ出力手段11が設けられている。このグラフ出力手段11は、データ管理手段7から点検時の肉厚値を受取り、図8に示す断面図や3次元立体図をCRT4またはプリンタ5に出力する機能を有している。ここで断面図とは配管を周方向(図8(a)に対応)または長手方向(図8(b)に対応)に沿って切断した断面図を仮想的に測定肉厚値を用いて表現したグラフである。また、グラフ出力手段11は、図10に示すような減肉推移グラフを出力する機能も有している。
【0018】
次に、本明細書で用いられる「測定箇所」および「測定点」なる語の定義について説明する。まず、「測定箇所」とは、図4に示すように、配管の一系統を所定の長さに分割した所定の範囲を有する1単位を意味する。なお、配管は例えば内部を流れる流体の流動条件が変化する部位ごとに(例えば直線部と屈曲部)分割される。各「測定箇所」には当該「測定箇所」を特定できるようなアルファベット2文字が付されており、「測定箇所AD」と表記されている場合、その「測定箇所」は系統Aの「測定箇所D」であることを示す。また各「測定箇所」では、配管の周方向および長手方向を等間隔または任意間隔に区分けすることにより作成された測定マップの1区画ごとに実際に肉厚測定が行われるようになっており、この測定マップの各区画を「測定点」という。各「測定点」は、図5に示すように、周方向座標を特定するアルファベットと長手方向座標を特定する数字の組み合わせにより、その位置が特定される。なお、以上述べたように、「測定箇所」とは「測定点」の集合体からなる1単位を示すものである。
【0019】
次に、本明細書中で用いられる「点検年次回」および「点検時」なる語の定義について説明する。「点検年次回」とはプラントの運転を停止し少くとも1つの「測定箇所」において測定が行われる年次回を意味する。すなわち、「点検年次回」とは点検が行われた年次を特定するものである。一方、「点検時」とは所定の「測定箇所」において実際に点検が行われる時を意味する。従って、ある「測定箇所」において今回点検時の前回の点検時といった場合、「前回点検時」は、「今回点検時」の点検年次回の直前の点検年次回を必ずしも意味するものではない。その理由は各点検年次回において全「測定箇所」において測定が行われるわけではなく、通常、各「測定箇所」では所定の点検インターバルをおいて測定が行われるからである(図3参照)。
【0020】
次に、このような構成からなる第1の実施の形態の作用について説明する。まず、超音波測定装置1により、各測定箇所において、前記測定マップに従って、各測定点における肉厚が測定され、測定された肉厚データはキーボード2から電子計算機3に入力される。なお、電子計算機3へのデータの入力はキーボード2からだけでなく、肉厚測定装置である超音波測定装置1からデータ送信用ケーブルを介して直接行ってもよい。
【0021】
入力された肉厚データはデータ変換手段6によりデータ管理手段7が管理可能なフォーマットに変換される。そして変換されたデータは、データ管理手段7を介して測定肉厚データベース12aに送られ、図2に示すフォーマットで、測定箇所および測定時期(点検年次回)を特定しうるデータとともに収容される。また、データ管理手段7は、今回の点検年次回と、当該測定箇所における前回の点検時から今回の点検時までの間の運転時間Tと、当該測定箇所における今回点検時における測定の有無とを、図3に示すフォーマットで、測定実績データベース12bに記憶させる。なお、ここで運転時間Tとは、図6に示すように、前回点検終了時から今回点検開始時までの間の運転時間を意味する。なお、今回点検時の直前の点検年次回に当該測定箇所において点検が行われていない場合、すなわち今回点検時の直前の点検年次回が上記前回点検時に該当しない場合は、図6に示す手法で点検年次回ごとに算出された運転時間の前回点検時から今回点検時までの合計をもって運転時間とする。
【0022】
次に、減肉速度算出手段2は、データ管理手段7を介して、測定肉厚データベース12aおよび測定実績データベース12bに収容された当該測定箇所の各測定点における今回の点検時に測定された肉厚値Hi 、前回の点検時に測定された肉厚値Ki 、および前回の点検から今回の点検までの運転時間Tを取得して以下の式に従って各測定点における減肉速度Mi を算出する。
M1 =(K1 −H1 )/T
M2 =(K2 −H2 )/T
: …(式1)
Mi =(Ki −Hi )/T

Mn =(Kn −Hn )/T
次に、余寿命推定手段9は、減肉速度算出手段2から当該測定箇所における全ての測定点の減肉速度Mi を取得し、測定肉厚データベース12aから今回の点検で測定された肉厚値Hi および当該測定箇所における必要最小肉厚値Nを取得して、以下の式に従って各測定点における余寿命Ri を算出する。
R1 =(H1 −N)/M1
R2 =(H2 −N)/M2
: …(式2)
Ri =(Hi −N)/Mi

Rn =(Hn −N)/Mn
次に、余寿命推定手段9は、当該測定箇所における各測定点における余寿命
Ri のうち最小値Rmin を以下の式により選択し、このRmin を当該測定箇所の余寿命と推定する。
Rmin =MIN(R1 ,R2 ,…,Ri ,…,Rn )×f …(式3)
ここでMIN( )は最小値を選択する関数、fは係数である。
【0023】
以下、係数fについて説明する。減肉速度は配管の内部を流れる流体の条件(流体の種類、圧力、温度、pH、溶存酸素量等)により変化する可能性があり、余寿命を推定する場合には、このことを考慮しなければならない。係数fは流体の条件を考慮した係数であり、実験室のデータおよび肉厚測定の実績値からの知見に基づき定められる係数である。ただし、係数fは余寿命を推定するために用いたデータを採取した時の運転条件と、余寿命推定以降の運転条件とが変化しない場合には1とすればよい。
【0024】
次に、測定データ表出力手段10は、測定箇所ごとに、図7に示すフォーマットで、今回の測定で測定された肉厚値と、今回算出された減肉速度と、今回算出された余寿命とをCRT4に表示する。
【0025】
また、グラフ出力手段11は、図8(a)に示すフォーマットの周方向断面図および図8(b)に示すフォーマットの長手方向断面図と、図9に示す3次元立体図と、図12に示す減肉推移グラフとをCRT4に表示する。なお、グラフ出力手段11により測定箇所ごとに図11に示すような測定マップに対応する余寿命マップを出力するようにしてもよい。
【0026】
減肉推移グラフは、図12に示すように、横軸に運転時間、縦軸に肉厚値を設定して、プラント建設時から今回点検時までの間に測定した肉厚値をプロットすることにより作成される。ここでプロットするデータは、余寿命推定手段9により余寿命を推定した際に選択した最小余寿命値を持つ測定点の過去からの全ての肉厚値である。そしてこの減肉推移グラフにおいて、今回の測定肉厚値から運転時間の進む方向に必要肉厚と交差するまで、余寿命推定手段9により推定された余寿命に従って減肉推定線が引かれる。すなわち、この減肉推定線の傾きは減肉推移グラフ上に示された前回点検時の肉厚値と今回点検時の肉厚値とを結ぶ線分の傾きと一致する。
【0027】
なお、以上第1の実施の形態において説明した減肉管理手法は、プラントの運用状態が経年的に一定であり、点検年次回に関わらず減肉速度に大きな変化が無いような場合(例えば減肉推移グラフが図10および図12に示すような形態を示す場合)に適用するのに適している。
【0028】
第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、余寿命の推定方法のみが第1の実施の形態と異なり、減肉管理システムの全体の構成は第1の実施の形態と略同一である。以下に説明する第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、第2の実施の形態において示す減肉管理手法は、第1の実施の形態とは異なり、プラントの運転状態が時期により大きく変化する場合に適した手法である。
【0029】
以下、第2の実施の形態に作用について説明する。まず、第1の実施の形態と同様にして、各測定箇所の各測定点において配管の肉厚値が測定され、測定肉厚データベース12aおよび測定実績データベース12bに所定のデータが記憶される。
【0030】
次に、減肉速度算出手段8は、過去の全ての肉厚測定値が収容されている測定肉厚データベース12aから、当該測定箇所において各測定点で基準点検時(第j回点検時)に測定された肉厚値と、基準点検時の前回の点検時(第j−1回点検時)に測定された肉厚値とを取得する。また減肉速度算出手段8は、測定実績データベース12bから図14に定義される第j−1回点検時から第j回点検時の間の運転時間を取得する。なお、ここで第j−1回点検時は必ずしも第j回点検時の1回前の点検年次回を意味するものではなく、例えば、図3に示す測定実績データベース12bの測定箇所ADにおいて第j回点検時を第5点検年次回とした場合、第j−1回点検時は第2点検年次回を意味する。
【0031】
そして減肉速度算出手段8は、第1の実施の形態で示した(式1)に基づいて、当該測定箇所における各測定点について過去の全ての基準点検時(第j回点検時)と基準点検時の前回の点検時(第j−1回点検時)との間の減肉速度M(j) を算出する。
【0032】
次に、余寿命推定手段9は第1の実施の形態と同様の方法(第1の方法)で余寿命を推定するとともに、この推定とは別の手法(第2の方法)で余寿命を推定する。以下、この第2の方法について説明する。
【0033】
まず、余寿命推定手段9は、減肉速度算出手段8により算出されたある基準点検時おける当該測定箇所の各測定点の減肉速度のうち最大値Mmax を次式に従って選択する。
Mmax =MAX(M1 ,M2 ,…,Mi ,…,Mn ) …(式4)
ここでMAX( )は最大値を選択する関数である。
【0034】
肉厚測定は過去に何回か行われているので、過去に肉厚測定を実施した全ての点検時において、当該測定箇所の各測定点の減肉速度のうち最大減肉速度の抽出を行う。すなわち、第j回における最大減肉速度をMMj とすると、当該測定箇所の減肉速度の最大値MMは次式により算出される。
Figure 0003655028
次に、余寿命推定手段9は、データ管理手段7を介して、測定肉厚データベース12aから今回点検時の当該測定箇所の各測定点における肉厚値のうち最小値Hmin および必要肉厚値Nを取得し、Hmin 、Nおよび上記最大値MMとから次式に従って余寿命Rを算出する。
R=((Hmin −N)/MM)×f …(式7)
また、グラフ出力手段11は、図15に示すように第1の実施の形態と同一の方法(第1の方法)により算出した減肉推移線Aと、第2の方法により算出した減肉推移線Bとが記載されたグラフを作成する。なお、このグラフにおいて減肉推移線Aの傾きは減肉推移線A′の傾きと、減肉推移線Bの傾きは減肉推移線B′の傾きと一致する。図15においてハッチングが付された部分が第2の実施の形態における余寿命推定手段が推定した余寿命帯である。
【0035】
本実施形態によれば、過去の減肉現象を全て網羅して余寿命を推定しているため、余寿命推定の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【0036】
第3の実施の形態
次に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態においては、余寿命の推定方法のみが第1および第2の実施の形態と異なり、減肉管理システムの全体の構成は第1の実施の形態と略同一である。以下に説明する第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、第3の実施の形態において示す減肉管理手法は、第1および第2の実施の形態とは異なり、プラントの運用上、減肉現象があまり起こらない箇所、すなわち減肉速度が遅い配管の場合に適した手法である。
【0037】
以下、第3の実施の形態の作用について説明する。まず、第1の実施の形態と同様にして、各測定点において配管の肉厚値が測定され、測定肉厚データベース12aおよび測定実績データベース12bに所定のデータが記憶される。
【0038】
次に、減肉速度算出手段8は、当該測定箇所において今回の点検時に各測定点で測定された肉厚のうち最小値(今回最小肉厚)および当該測定箇所において前回の点検時に各測定点で測定された肉厚のうち最小値(前回最小肉厚)と(図17参照)、当該測定箇所における必要肉厚値Nとを、測定肉厚データベース12aから取得する。また、これとともに減肉速度算出手段8は、測定実績データベース12bから前回の点検時から今回の点検時までの運転時間Tを取得する。そして減肉速度算出手段8は、次式に基づいて余寿命Rを算出する。
余寿命R=(今回最小肉厚−必要肉厚値N)×(運転時間T)×f/(前回最小肉厚−今回最小肉厚) …(式8)
本実施形態によれば、余寿命推定に必要なステップ数が減り作業効率が大幅に向上する。また、減肉速度が遅い配管の場合には余寿命推定の精度低下もない。
【0039】
第4の実施の形態
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は第1の実施の形態に加えて、点検インターバルを自動的に設定する機能を実現するための手段がさらに設けられている点が第1の実施の形態と異なり、他は、第1の実施の形態と略同一である。第4の実施の形態において第1の実施の形態と同一部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0040】
図18に示すように、第4の実施の形態における配管減肉管理システムは、第1の実施の形態の構成に加えて、減肉速度と余寿命とに基づいて点検インターバルを設定する基準となるマトリックスを収容した点検インターバルデータベース16と、測定箇所ごとに点検インターバルと測定実績により次回点検時以降の肉厚測定年次を自動的に設定する点検インターバル設定手段14と、点検インターバル設定手段14により設定された計画を測定実績とともに出力する年次計画表出力手段15とを更に備えている。
【0041】
次に、このような構成からなる第4の実施の形態の作用について説明する。まず、点検インターバル設定手段14は、減肉速度算出手段8が今回の点検時に算出した減肉速度を取得して、今回点検時における当該測定箇所の各測定点の減肉速度のうち最大値Mmax を次式に従って選択する。
Mmax =MAX(M1 ,M2 ,…,Mi ,…,Mn ) …(式9)
さらに点検インターバル設定手段14は、余寿命推定手段9が第1の実施の形態にて説明した式2により推定した各測定点の余寿命のうち最小値Rmin を式3により選択する。
【0042】
次に、点検インターバル設定手段14は、上述した今回点検時における各測定点の減肉速度のうち最大値Mmax とおよび各測定点の余寿命のうち最小値Rmin とをデータ管理手段7を介して点検インターバルデータベース16に収容されたマトリックスに当てはめることにより当該測定箇所における点検インターバルを設定する。次に、年次計画表出力手段15は、点検インターバル設定手段14により設定された当該測定箇所の点検インターバルと、今回点検時までに測定実績データベース12bに収容されている測定実績のうち最新の点検年次回とを取得して、これら点検インターバルと点検年次回とに基づいて、当該測定箇所の次回点検時以降の肉厚測定年次回を自動的に設定する。
【0043】
すなわち、例えば、測定箇所を示す記号がADである測定箇所の肉厚測定年次を設定する場合、最大減肉速度がVb の範囲内で、余寿命がWc の範囲内であれば、図19に示す点検インターバルデータベース16に収容されたマトリックスに基づいて点検インターバルは3年と定められる。また、図3に示す測定実績データベース12bを参照すると当該測定箇所の最新の測定実績は第5回点検年次回となっているため、次回の点検は第5回点検年次回の3年後に行われる第8回点検年次回に予定すればよく、それ以降は3年おきに第11回、第14回、第17回の各年次回に点検を予定すればよい(図20参照)。
【0044】
以上のようにして肉厚測定年次回が設定されると、次に年次計画表出力手段15は、図21に示すような表記記号を用いて図22に示すような肉厚測定年次計画表を作成して、CRT4またはプリンタ5に出力する。
【0045】
また、図21に示した表記記号の定義には肉厚測定の実績・計画の他に配管取替え実績・計画も定められており、オペレータが入力した配管取替えの実績・計画を測定実績データベース12bに格納することができ、次回の表示から配管取替えの実績・計画も表示されるようになる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、減肉状況に応じて適切な点検インターバルを測定箇所ごとに設定することができるため、減肉現象のほとんどない箇所においては点検間隔延長による諸経費の削減が可能となり、また減肉現象の激しい箇所では流体漏れに対する安全性を高め、安定したプラントの運転に大きく貢献することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、過去の減肉実績に基づいて余寿命の推定を行うため、人間の経験に頼って余寿命の推定を行う場合に比べて大幅に誤差を低減することができる。また、測定箇所に応じて点検インターバルを適切に設定することができるため、流体漏れに対する安全性の向上と、点検にまつわる諸経費の削減とを同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図であって、配管減肉管理システムの構成を示す図。
【図2】測定肉厚データベースの構造を示す図。
【図3】測定実績データベースの構造を示す図。
【図4】測定箇所の定義を示す図。
【図5】各測定箇所における測定点を定める測定マップを示す図。
【図6】運転時間の定義および運転時間の検索条件を示す図。
【図7】測定データ表のフォーマットを示す図。
【図8】グラフ出力手段により出力される断面図を示す図。
【図9】グラフ出力手段により出力される3次元立体図を示す図。
【図10】グラフ出力手段により出力される減肉推移グラフを示す図。
【図11】第1の実施の形態における余寿命推定方法を説明するための図。
【図12】第1の実施の形態における余寿命推定方法を説明するための図。
【図13】第2の実施の形態における余寿命推定方法を説明するための図。
【図14】運転時間の定義および運転時間の検索条件を示す図。
【図15】第2の実施の形態における余寿命推定方法を説明するための図。
【図16】第3の実施の形態における余寿命推定方法を説明するための図。
【図17】第3の実施の形態における余寿命推定方法を説明するための図。
【図18】本発明の第4の実施の形態を示す図であって、配管減肉管理システムの構成を示す図。
【図19】点検インターバルデータベースの構造を示す図。
【図20】肉厚測定年次の設定方法を示す図。
【図21】年次計画表の表記記号を説明する図。
【図22】年次計画表のフォーマットを示す図。
【図23】従来の配管減肉管理システムを示す図。
【符号の説明】
8 減肉速度算出手段
9 余寿命推定手段
10 測定データ表出力手段
11 グラフ出力手段
12 記録手段
12a 測定肉厚データベース
12b 測定実績データベース
14 点検インターバル設定手段
15 年次計画表出力手段
16 点検インターバルデータベース

Claims (3)

  1. 配管点検時に測定した配管の肉厚値に基づいて減肉管理を行う配管減肉管理システムにおいて、
    測定箇所ごとに定められた複数の測定点における肉厚値を記録する記録手段と、
    各測定点における基準点検時の肉厚値と対応する測定点における基準点検時の前回の点検時の肉厚値との差と、基準点検時の前回の点検時から基準点検時までの運転時間と、に基づいて各測定点における減肉速度を算出する減肉速度算出手段と、
    各基準点検時に算出された各測定点における減肉速度の最大値と、各測定点における今回点検時の肉厚値のうちの最小値とに基づいて、測定箇所ごとに配管の余寿命を推定する余寿命推定手段と、
    を備えたことを特徴とする配管減肉管理システム。
  2. 配管点検時に測定した配管の肉厚値に基づいて減肉管理を行う配管減肉管理システムにおいて、
    測定箇所ごとに定められた複数の測定点における肉厚値を記録する記録手段と、
    今回点検時に各測定点において測定された各肉厚値の最小値と前回点検時に各測定点において測定された各肉厚値の最小値との差と、前回点検時から今回点検時までの運転時間とに基づいて、測定箇所ごとに減肉速度を算出する減肉速度算出手段と、
    前記減肉速度と、今回点検時の肉厚値の最小値とに基づいて、測定箇所ごとに配管の余寿命を推定する余寿命推定手段と、
    を備えたことを特徴とする配管減肉管理システム。
  3. 前記減肉速度算出手段により算出された減肉速度と前記余寿命推定手段により推定された余寿命とに基づいて、測定箇所ごとに点検インターバルを設定する点検インターバル設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の配管減肉管理システム。
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