JP4367408B2 - 配管系の減肉管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、純水管理された発電プラント、および化学プラント等のプラントにおける配管系の肉厚管理を行う配管系の減肉管理システムに関する。
発電プラントの配管は、内部の高温高圧高流速の蒸気,高温高圧高流速の水、および高温高圧高流速の蒸気,水の二相流が流れており、絶えず、過酷な環境に晒されている。このため、エロージョンやコロージョンが配管内面に生じて、経年的な減肉現象が発生する。この減肉現象が進行した場合、配管内部の流体が漏洩する危険があり、重要な問題となる。このような減肉現象の速度は、空間的,時間的に一様でなく、例えば、配管内部の流体の条件や配管の形状等の種々の条件によってもそれぞれ異なると考えられている。このため、従来からプラントの配管の減肉管理法について種々な試みがなされている。このようなプラントの配管減肉管理システムとしては以下の特開に開示されたものがある。
特開平8−178172 号に開示された機器および配管装置類のエロージョン・コロージョンによる減肉計算および評価法は、1種類以上のプラントの減肉測定データベースと、一般的な減肉速度の関係のデータとしての文献データおよび実験データの減肉データベースにより、減肉現象のエロージョン・コロージョンの因子である材料成分,水質、および流速等と減肉データの関係を把握して、減肉計算用の数学モデル式を設定して、エロージョン・コロージョン因子と、減肉量の関係を関数化して、各エロージョン・コロージョン因子の条件毎にエロージョン・コロージョンによる減肉計算式のデータベースを新たに構成して、上記減肉計算式をもとにエロージョン・コロージョンによる減肉計算、および評価ができるようにしたものである。
また、特開平10−141600号に開示された配管減肉管理システムでは、配管の肉厚値に基づいて減肉管理を行うものである。この減肉管理システムは、測定個所毎に定められた複数の測定点における肉厚値を記録する記録手段と各測定点における今回点検時の肉厚値と対応する測定点における前回点検時の肉厚値との差と、前回点検時から今回点検時までの運転時間とに基づいて各測定点における減肉速度を算出する減肉速度計算手段と、今回点検時に算出された各測定点における肉厚値の最小値とに基づいて、測定箇所ごとに配管の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備えたものである。
従来の技術に記載したように、特開平8−178172 号における機器および配管装置類のエロージョン・コロージョンによる減肉計算および評価法では、エロージョン・コロージョンによる減肉速度を、温度効果パラメータ,流速効果パラメータ,溶存酸素濃度効果パラメータ,形状効果パラメータ,pH効果パラメータ,材料成分効果パラメータ,湿り度効果パラメータ等の複数のパラメータで表されているが、必ずしも、これら全てのパラメータが減肉速度に影響を及ぼすこととは考えられず、減肉速度が適切なパラメータで表現されていない。また、減肉速度を計算することが可能であった場合でも、減肉量に基づく配管の点検インターバルを評価することはできない。
また、特開平10−141600号に開示された配管減肉管理システムでは、配管の肉厚値に基づいて減肉管理を行うため、減肉速度の算出に、各測定点、およびその周辺データのみを評価に用いることから、当該配管において、減肉化が発生している要因を把握することが不可能である。また、同一水質条件,同一内部流体条件の他の配管において、急速な減肉速度が測定された場合においても、この急激な減肉速度の値を当該配管の減肉速度管理に反映することができない。
以上より、エロージョン・コロージョンにより起因する減肉は影響因子パラメータが多数存在しており、配管材質,配管内部流体の状況を考慮すると、要因を考慮した上で適切な減肉予測式が設定できず、安全性を考慮した配管の減肉管理が不可能である。
前記従来手法の課題を解決するための配管の肉厚測定方法として、本発明では、次のそれぞれが挙げられる。
前記請求項1に課題を解決するための手段は、純水管理されたプラントにおける炭素鋼、および低合金鋼製配管系において、前記配管点検時に実施した各測定ポイントにおける肉厚測定結果を蓄積する肉厚測定結果データベース部と、肉厚測定結果データベースに蓄積された今回点検測定結果、および前回点検時までに実施した配管の肉厚測定結果を比較することにより測定減肉速度を算出するポイント減肉速度算出部と、配管温度、または配管内部流体温度の測定器、および、配管内流体湿り度測定器、および配管内流体速度測定器から構成される配管状態測定部と、配管状態データを蓄積する配管状態データベース部と、配管温度の測定結果、または配管内部流体温度の測定結果、配管内流体湿り度の測定結果、および配管内流体流速速度の測定結果をパラメータとして、ポイント減肉速度算出部により算出した測定減肉速度の最大値を用いて、減肉速度を表現する数学式を構築する減肉速度モデル式構築部と、前記配管系における各減肉測定ポイントの配管状態を用いて最大減肉速度を算出する最大減肉速度算出部と、前記最大減肉速度と予め設定しておいた点検配管肉厚を用いて、点検配管肉厚に達するまでの期間を算出することにより前記配管における次回までの点検インターバルを決定する次回点検インターバル計算部と、前記次回までの点検インターバルに基づいて肉厚測定年次計画スケジュールを作成する肉厚測定年次計画スケジュール作成部とを備えて配管系の減肉評価システムを構築することである。
前記請求項2の課題を解決するための手段は、前述の請求項1の配管系の減肉評価システムにおける減肉速度モデル式構築部を、設計時における配管温度、または配管内流体温度,配管内流体湿り度,配管内流体速度をパラメータとして、ポイント減肉速度算出部により算出した測定減肉速度の最大値を用いて、減肉速度を表現する数学式を構築する減肉速度モデル式構築部とすることにより、簡易的な減肉速度モデル式を構築することである。
前記請求項3の課題を解決するための手段は、前記請求項1、および請求項2の減肉速度モデル式構築部において、減肉速度モデル式の構築に使用する減肉速度として、請求項1における当該プラント全体の測定データを、内部流体が液単相でかつ配管材質が炭素鋼の場合の測定データ,内部流体が気液二相でかつ配管材が炭素鋼の場合の測定データ,配管材質が低合金鋼の場合の測定データの3種類に分類して、分類されたそれぞれの条件における全測定データを用いて、減肉速度モデル式を構築することである。
前記請求項4の課題を解決するための手段は、請求項1の減肉速度モデル式構築部において、内部流体が液単相でかつ配管材質が炭素鋼の場合、配管温度の測定結果、または配管内部流体温度の測定結果、および配管内流体速度の測定結果を減肉速度を表現するパラメータとすること、内部流体が気液二相でかつ配管材が炭素鋼の場合、配管温度の測定結果、または配管内部流体温度の測定結果、および配管内流体湿り度の測定結果を減肉速度を表現するパラメータとすること、配管材質が低合金鋼の場合、配管温度の測定結果、または配管内部流体温度の測定結果を減肉速度を表現するパラメータとすることにより、それぞれの条件における減肉速度モデル式を構築することである。
前記請求項5の課題を解決するための手段は、請求項2の減肉速度モデル式構築部の、減肉速度モデル式の構築において、内部流体が液単相でかつ配管材質が炭素鋼の場合、設計時に想定した配管温度、および配管内流体速度を減肉速度を表現するパラメータとすること、内部流体が気液二相でかつ配管材が炭素鋼の場合、設計時に想定した配管温度、および配管内流体湿り度を減肉速度を表現するパラメータとすること、配管材質が低合金鋼の場合、設計時の配管温度を減肉速度を表現するパラメータとすることにより、それぞれの条件の減肉速度モデル式を構築することである。
前記請求項6の課題を解決するための手段は、請求項1の配管状態測定部を構成する配管温度、または配管内部流体温度の測定器において、配管外表面に貼付した熱伝対と熱伝導解析結果に基づく逆問題解析プログラムにより配管外表面の温度より配管内表面の温度を評価することである。
前記請求項7の課題を解決するための手段は、請求項1、および請求項2の次回点検インターバル計算部において、次回点検インターバルを、当該配管肉厚から予め設定しておいた点検肉厚寸法を減ずることにより得られる次回点検までに許容される許容減肉量を、請求項1、および請求項2の最大減肉速度算出部により算出した最大減肉速度で除することにより算出された期間に予め設定しておいた安全率で除することにより次回点検インターバルを設定することである。
前記請求項8の課題を解決するための手段は、請求項1、および請求項2の肉厚測定年次計画スケジュール作成部において、請求項1、および請求項2の次回点検インターバル計算部により算出した次回点検インターバル、および請求項1、および請求項2の余寿命評価計算部により計算される余寿命を、プラントの点検が必要とされる全配管部位に対して表示して、さらに、次回以降の点検インターバルも併せて、前記全配管部位に対して表示することにより、肉厚測定年次計画スケジュールを作成することを特徴とすることである。
以上、本発明である配管系の減肉管理システムを用いれば、過去のデータに基づき、かつ適切なパラメータを選定することにより、エロージョン・コロージョンを原因とする配管の減肉速度を適切に評価することが可能である。したがって、配管の肉厚が必要最小肉厚に至るまでの配管の余寿命評価の信頼性を高めて、減肉状況の評価を正確に行うことができる。
また、減肉状況に応じた上で、他の部位の減肉状況を考慮した上で、適切な点検インターバルを測定箇所毎に設定することができることから、計画的な配管の保守の予防保全計画を立案することが可能であり、プラントの維持コストおよび検査コストを低減,適正化することができ、安全性を考慮した上で、配管内部流体の流体漏れに対する安全性を高めて、安定電力供給に対して大きく貢献することができる。
以下に本発明における実施の形態例を示す。
(第1の実施の形態)
減肉管理システム適用例のフローチャートを図1に示す。図1に示したフローチャートにより配管の肉厚減少、すなわち減肉の管理を行う。本発明の適用は、純水管理されたプラントにおける炭素鋼製配管、および低合金鋼配管に限定する。このプラントの定期点検時において対象となる配管に、予め設けた配管部に熱伝対、または配管内部に挿入された熱伝対により温度を測定する。同様に予め配管内部に設けた配管内流体の湿り度測定器、および流速測定器により、配管内部の流体の湿り度、および流速を測定する。この配管の温度,配管内流体の流体の湿り度、および流速を測定する部分が図1における配管状態測定部11に相当する。
これらの配管温度測定結果、配管内流体湿り度、および配管内流体の流速測定結果を測定器画面に表示する。なお、このとき、配管温度は配管内表面温度が評価対象温度となる。そこで、配管外面に熱伝対を測定した場合は、熱伝導解析と逆問題解析プログラムを用いることにより、配管内面の温度を評価することが可能であり、この配管内面の温度を後の評価に用いる温度とする。以上の配管より測定された配管温度,配管内部の流体の流体湿り度、および流速を配管状態データベース12に格納する。
次に超音波厚み計等を用いて、当該配管の肉厚を測定する。通常、配管の肉厚は、配管の周方向、および軸方向に約10mm〜50mm間隔のピッチで測定される。この今回測定した配管肉厚データを肉厚測定データベース13に格納する。なお、この肉厚測定データベース13には、同一プラント内の他の配管測定部位の配管肉厚測定結果、および前回までの定期点検において測定された肉厚測定データも併せて格納されている。但し、これらのデータが格納される際には、配管材の材質、および先に配管状態データベース12に格納された配管温度,配管内流体湿り度、および配管内流体の流速も併せて格納される。
次に、肉厚測定データベース13に格納されている今回実施した配管の肉厚測定結果と同一ポイントにおける前回の配管肉厚測定結果から今回実施した配管の肉厚測定結果を減じた後、前回点検から今回点検までのインターバルを除することにより、配管肉厚測定ポイントにおけるポイント減肉速度を算出する。以上の部分がポイント減肉速度算出部14に相当する。なお、ポイント減肉速度データも今回の肉厚測定結果に対応するデータとして肉厚測定データベース13に格納される。
次に肉厚測定データベース13に格納された配管肉厚測定データ、およびポイント減肉速度データを配管材質の違い,配管温度の違い,配管内流体の湿り度の違い,配管内流体の流速の違いを考慮して分類する。減肉速度データを配管材質の違い,配管内部流体の状態の違いで分類した例を図2に示す。具体的に、配管材質が炭素鋼であるか、または低合金鋼であるかの違い、また、配管内流体が液相の単相であるか、液相と気相の二相であるかの違いで配管速度データの分類をする。また、分類された減肉速度は、配管材質が炭素鋼でかつ、配管内部流体が液相単相の場合、配管温度、および配管内流体の流速をパラメータとして、配管材質が炭素鋼でかつ配管内部流体が液相,気相の二相の場合、配管温度、および配管内流体の湿り度をパラメータとして、配管材質が低合金の場合、内部流体が単相、および二相の違いによらず、温度のみをパラメータとして定式化する。
分類された減肉速度を、ポイント減肉速度データ,配管温度,配管内流体の湿り度、および配管内流体の流速を用いて数学式により定式化する。ここで、減肉速度の定式化は図3に示すような手法に基づき決定する。減肉速度と各種条件の関係は、配管内流体温度,湿り度,流速、さらにここでは減肉速度を表すパラメータとしては考えない配管形状,溶存酸素濃度、およびpHなどが同一の条件の場合でも、減肉速度wと各種パラメータの関係は一意に決定されない場合がある。例えば、図3(a)に示すように、今回、および、現在までの定期点検で測定された肉厚を用いて算出した全ての減肉速度と温度の関係をプロットした場合において、配管材質,配管内部流体の湿り度やその他の条件が同一であったとしても、配管減肉速度wと温度Tの関係は一義的に決定される関数としては表現されない。そこで、図3(a)に示すように現在の点検で測定された減肉速度の最大値を包絡するようにして配管減肉速度を数学モデルにより定式化する。ここで、図3(a)に示すように、減肉速度wと温度Tの関係は、ある境界温度T1により分割されるいくつかの直線で表される関数でモデル化される。
ここで、図3(b)に示すように、減肉速度wと流速vの関係も、減肉速度wと温度Tの関係と同様である。すなわち、減肉速度wと流速vの関係は、ある境界流速v1により分割されるいくつかの直線で表される関数でモデル化される。これら配管材質の違い、内部流体の状況の違いを考慮して決定した減肉速度モデル式の形は、図2に併せて示した。以上の部分が、図1における減肉速度モデル式構築部15に相当する。
次に、先に測定した配管温度,配管内部流体湿り度、および配管内流体速度条件を、先に構築した減肉速度モデル式に代入することにより測定対象配管において発生する減肉速度が算出,決定される。なお、先に構築した減肉速度モデル式が最大減肉速度に対して定式化されたものであることから、ここで算出される減肉速度は、想定される最大減肉速度となる。以上、この部分が図1における最大減肉速度算出部16に相当する。
次に、先に測定した現在の配管肉厚と予め設定する配管肉厚、すなわち、点検配管肉厚を用いて、次回当該部の点検までに想定される配管の減肉量を算出する。なお、点検配管肉厚は、許容される配管肉厚、すなわち配管の最小必要肉厚を参考に設定しなければならない。ここで、先に減肉速度モデル式により決定した当該配管部の減肉速度(最大減肉速度)を用いて、次回点検までのインターバルを次式により決定する。
(数1)
次回点検インターバル=(現在の配管肉厚−点検配管肉厚)
/(α×減肉速度)
上式において、αは安全率を表す。安全率は1以上の値をとる。上式により次回点検インターバルが算出される。以上が次回点検インターバル計算部17である。
次に、先に測定した現在の配管肉厚と必要最小肉厚を用いて、配管の余寿命を算出する。配管の余寿命は次式により決定される。
(数2)
余寿命=(現在の配管肉厚−必要最小肉厚)
/(α×減肉速度)
上式により当該配管の余寿命が算出される。以上が余寿命計算部18である。
次に、先に決定した次回点検インターバル、および余寿命を用いて肉厚測定年次計画スケジュールを作成する。なお、この肉厚測定年次計画スケジュールの作成においては、当該配管、および前記プラント内における全ての点検対象配管の次回点検インターバル、および余寿命を上記までの手法により算出しておく必要がある。これらの前記プラント内における全ての点検対象配管の次回点検インターバル、および余寿命をまとめることにより肉厚測定年次計画スケジュールを作成する。この肉厚測定年次計画スケジュールを図4に示す。図4に示すように、列に肉厚測定対象部位,余寿命,次回以降の定期検査予定を配する。また、行として、肉厚測定対象部位の名称,先に算出した当該肉厚測定対象部位の余寿命、さらに、次回以降の定期検査予定時における配管肉厚実施の有無を記載する。なお、定期検査毎に肉厚測定した箇所の最新データを用いて、減肉速度モデルが再構築されることから、この肉厚測定年次計画スケジュールには、作成年月日が記載されなければならない。以上が、肉厚測定年次計画スケジュールが作成部19である。
このように決定した肉厚測定年次計画スケジュールをCRT、またはプリンタに出力する。以上の、図1に示したフローチャートに従った配管の減肉管理システムを適用することにより、エロージョン・コロージョンに起因する配管減肉速度を評価するとともに、配管の肉厚管理を行うための肉厚測定年次計画スケジュールが作成される。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態と異なる減肉管理システム適用例のフローチャートを図5に示す。図5に示したフローチャートに従い、配管の肉厚減少、すなわち減肉の管理を行う。図5のフローチャートに従う減肉管理システムは、大部分が、第1の実施の形態で記述した図1のフローチャートに従う減肉管理システムと同様である。すなわち、減肉速度モデル式に基づく最大減肉速度算出部16,次回点検インターバル計算部17,余寿命計算部18,肉厚測定年次計画スケジュール部19は図1のフローチャートに従う減肉管理システムと同様である。
図5に示したフローチャートに従う減肉管理システムでは、直接、配管の温度,配管内流体の湿り度,流速等の測定は行わない。減肉速度モデル式の構築において使用する温度,流速、および湿り度には、設計時に想定した温度,流速、および湿り度を用いる。以下に図5に示したフローチャートに従う減肉管理システムにおける減肉速度モデル式の構築方法を示す。
図2に示したように、ポイント減肉速度データを配管材質の違い,設計想定配管温度の違い,設計想定配管内部流体の違いで分類する。ポイント減肉速度データの分類は、配管材質の違い、および配管内流体の状態の違いで分類する。具体的に、配管材質が炭素鋼であるか、または低合金鋼であるかの違い、また、設計想定時の配管内流体が液相の単相であるか、液相と気相の二相であるかの違いで配管速度の分類をする。また、分類された減肉速度は、配管材質が炭素鋼でかつ、設計想定時の配管内部流体が液相単相の場合、設計想定配管温度、および設計想定配管内流体の流速をパラメータとして、配管材質が炭素鋼でかつ設計想定配管内部流体が液相,気相の二相の場合、設計想定配管温度、および配管内流体の設計想定湿り度をパラメータとして、配管材質が低合金の場合、内部流体が単相、および二相の違いによらず、設計想定温度のみをパラメータとして定式化する。すなわち、第1の実施の形態で示した減肉速度モデル式が測定された配管温度,内部流体の湿り度、および内部流体の流速によりモデル化されていたのに対して、ここで示す第2の実施の形態における減肉速度モデル式は設計想定配管温度,内部流体の設計想定湿り度、および設計想定流速によりモデル化されていることが特徴である。
なお、設計想定温度配管温度,内部流体の設計想定湿り度、および設計想定流速による減肉速度モデル化に際して、各種条件(配管内流体温度,湿り度,流速,配管形状,溶存酸素濃度、およびpHなどの条件)が同一条件の場合でも、減肉速度wと各種パラメータの関係は一意に決定されない場合があることから(図3参照)、測定された減肉速度の最大値を包絡するようにして配管減肉速度を数学モデルにより定式化する必要がある。また、図3(a)に示すように、減肉速度wと温度Tの関係は、ある境界温度T1により分割されるいくつかの直線で表される関数でモデル化しなければならない。
以上が、図5に示したフローチャートに基づく第2の実施例における減肉速度モデル式構築部21である。
なお、前述したように最大減肉速度算出部16,次回点検インターバル計算部17,余寿命計算部18、および肉厚測定年次計画スケジュール作成部19は、第1の実施の形態に示した図1のフローチャートに基づく配管減肉管理システムと変化がない。但し、図5のフローチャートに基づく配管減肉管理システムの第2の実施の形態の場合、配管状態測定部11が存在しないことから配管に設置するセンサー類の必要がなく、また配管状態データベース12が存在しないことから、第1の実施の形態に比べて、簡易的なシステム配管減肉管理が可能である。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、配管設計時にエロージョン・コロージョンにより生じる配管減肉を予め考慮した配管肉厚設定法を記述する。
まず、はじめに現在までに稼動している前記純水管理されたプラントにおける配管肉厚測定データの分類を行うことにより設計当該配管の減肉速度モデル式を構築する。減肉速度モデル式の構築に際しては、配管材質が炭素鋼であるか、または低合金鋼であるかの違い、また、設計想定時の配管内流体が液相の単相であるか、液相と気相の二相であるかの違いを考慮した上で、配管速度の分類を行う。前述した第2の実施の形態における減肉速度モデル式の構築と同様に、分類された減肉速度は、配管材質が炭素鋼でかつ、設計想定時の配管内部流体が液相単相の場合、設計想定配管温度、および設計想定配管内流体の流速をパラメータとして、配管材質が炭素鋼でかつ設計想定配管内部流体が液相,気相の二相の場合、設計想定配管温度、および配管内流体の設計想定湿り度をパラメータとして、配管材質が低合金の場合、内部流体が単相、および二相の違いによらず、設計想定温度のみをパラメータとして定式化する。これらより、配管材質,内部流体の状況を考慮した減肉速度モデル式群が決定される。
この定式化された減肉速度モデル式を用いて、設計肉厚を決定する。設計肉厚決定方法を図6に示す。まず、設計対象となる配管が炭素鋼であるか低合金鋼であるかを決定する。併せて、配管の温度,配管内部流体の湿り度、および配管内流体の流速を決定する。決定された配管材質,配管温度,配管内流体の湿り度,配管内流体の流速に適合する減肉速度モデル式を、先に構築した減肉速度モデル式群より決定する。適切な減肉速度モデルを抽出した後、設計仕様である内部流体の圧力、および配管口径等の情報から配管に要求される必要最小肉厚を算出する。さらに、プラント設計寿命を決定した後、図6に示すように縦軸に配管肉厚を、横軸に時間を取った図を完成させる。縦軸の必要最小肉厚に等しい点から横軸に平行に必要最小肉厚ラインを設定する。この必要最小肉厚ラインにおいて、プラント設計寿命相当を表す点より減肉速度を傾きとして左上がりの形態となる直線を作成する。この減肉速度と等しい傾きを持つ直線と縦軸の交点、すなわち時間が0であり、かつ、プラント運転開始時を表す点における配管肉厚が設計肉厚として決定される。
本手法のようにプラント運転開始時期からのエロージョン・コロージョンによる配管の減肉化を考慮した設計を行うことにより、プラント設計寿命中の配管肉厚測定を実施しなくても、プラント設計寿命中の間、エロージョン・コロージョンにより、肉厚が必要最小肉厚以下にならないような配管肉厚を有する配管系を設計することが可能である。
本発明の第1の実施の形態における配管系の減肉管理システムの構成図である。 配管材質,内部流体状況による減肉速度モデル式の分類と減肉速度モデル式の例を示す図である。 ポイント減肉速度を用いた減肉速度モデル式の構築方法の例を説明する図である。 肉厚測定年次計画スケジュールの例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における配管系の減肉管理システムの構成図である。 減肉速度モデル式を用いた設計段階におけるエロージョン・コロージョンによる減肉を想定した配管肉厚決定方法を説明する図である。
符号の説明
11…配管状態測定部、12…配管状態データベース、13…肉厚測定データベース、14…ポイント減肉速度算出部、15…測定データに基づく減肉速度モデル式構築部、
16…最大減肉速度算出部、17…次回点検インターバル計算部、18…余寿命計算部、19…肉厚測定年次計画スケジュール作成部、21…設計条件に基づく減肉速度モデル式構築部。

Claims (7)

  1. 炭素鋼製配管系と低合金鋼製配管系とを備えたプラントにおける配管系の減肉評価方法において、
    前記配管系に複数の測定ポイントを定め、前記測定ポイントにおける配管の肉厚を測定し、肉厚測定結果を蓄積することにより肉厚測定結果データベースを作成し、前記複数の測定ポイントごとに前記肉厚測定結果データベースに蓄積された前記肉厚測定結果と前記肉厚測定結果以前の肉厚測定結果とを比較することにより測定減肉速度を算出すること、 前記測定ポイントにおいて、配管温度及び/又は配管内部流体温度と、配管内流体湿り度と、配管内流体速度とのうちから選ばれるいずれか一つ以上の配管状態データを測定し、前記配管状態データを蓄積し配管状態データベースにすること、
    前記肉厚測定結果及び前記測定減肉速度を、前記測定ポイントにおける配管の内部流体が液単相でかつ配管材質が炭素鋼の場合、前記測定ポイントにおける配管の内部流体が気液二相でかつ配管材が炭素鋼の場合、配管材質が低合金鋼の場合の3種類に分類し、前記複数の測定ポイントごとに前記配管状態データをパラメータとし、前記測定減肉速度を値として、前記配管状態データと前記測定減肉速度とを相関させて配管減肉速度を表現する減肉速度モデル式を構築し、前記減肉速度モデル式から前記配管状態データを用いて各前記測定ポイントにおける最大減肉速度を算出することを特徴とする配管系の減肉評価方法。
  2. 炭素鋼製配管系と低合金鋼製配管系とを備えたプラントにおける配管系の減肉評価方法において、
    前記配管系に複数の測定ポイントを定め、前記測定ポイントにおける配管の肉厚を測定し、肉厚測定結果を蓄積することにより肉厚測定結果データベースを作成し、前記複数の測定ポイントごとに前記肉厚測定結果データベースに蓄積された前記肉厚測定結果と前記肉厚測定結果以前の肉厚測定結果とを比較することにより測定減肉速度を算出すること、 前記測定ポイントにおいて、設計時における配管温度及び/又は配管内部流体温度と、設計時における配管内流体湿り度と、設計時における配管内流体速度とのうちから選ばれるいずれか一つ以上の配管状態データを配管状態データベースにすること、
    前記肉厚測定結果及び前記測定減肉速度を、前記測定ポイントにおける配管の内部流体が液単相でかつ配管材質が炭素鋼の場合、前記測定ポイントにおける配管の内部流体が気液二相でかつ配管材が炭素鋼の場合、配管材質が低合金鋼の場合の3種類に分類し、前記複数の測定ポイントごとに前記配管状態データをパラメータとし、前記測定減肉速度を値として、前記配管状態データと前記測定減肉速度とを相関させて配管減肉速度を表現する減肉速度モデル式を構築し、前記減肉速度モデル式から前記配管状態データを用いて各前記測定ポイントにおける最大減肉速度を算出することを特徴とする配管系の減肉評価方法。
  3. 前記減肉速度モデル式は、全ての前記測定減肉速度を下回らないように構築されることを特徴とする請求項1または2記載の減肉評価方法。
  4. 前記減肉速度モデル式は、前記測定ポイントにおける配管内部の流体が気液二相でかつ配管材が炭素鋼の場合、前記配管温度または前記配管内部流体温度と、前記配管内流体湿り度とを前記配管状態データとすること、
    前記測定ポイントにおける配管内部の流体が液単相でかつ配管材が炭素鋼の場合、前記配管温度又は前記配管内部流体温度と、前記配管内流体速度とを前記配管状態データとすること、配管材質が低合金鋼の場合、前記配管温度または前記配管内部流体温度を、前記配管状態データとすることを特徴とする請求項1または2記載の減肉評価方法。
  5. 前記最大減肉速度と予め設定しておいた点検配管肉厚を用いて、点検配管肉厚に達するまでの期間を算出することにより前記配管における次回までの点検インターバルを決定することを特徴とする請求項1又は2記載の減肉評価方法。
  6. 予め設計された各配管の必要最小肉厚を用いて、前記配管における余寿命を計算することを特徴とする請求項1又は2記載の減肉評価方法。
  7. 前記次回までの点検インターバルに基づいて肉厚測定年次計画スケジュールを作成することを特徴とする請求項1又は2記載の減肉評価方法。
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