JP2005315581A - 配管熱疲労の評価システム - Google Patents

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Hiroshi Ikeda
浩 池田
Tadashi Murofushi
正 室伏
Masakazu Jinbo
雅一 神保
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Abstract

【課題】プラントの定常状態のみならず、起動・停止を含む非定常状態における配管の熱疲労状態を正確に把握して、配管の健全な管理を可能とする。
【解決手段】実機プラントにおける配管を流れる流体の流量、温度および圧力の計測を行うための計測システム8と、配管の形状データベースと、計測された実機データを用いてリアルタイムに熱流体の乱流シミュレーションを実施する計算手段11とを有し、シミュレーション10による配管の所定点における温度、変動の振幅と頻度データに基づいて配管熱疲労を評価することを特徴とする配管熱疲労の評価システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高サイクル熱変動を受ける配管の寿命を正確に評価するための配管熱疲労の評価システムに関する。
一般に、高サイクル熱疲労現象による配管構造物の損傷が危惧される配管部においては、熱疲労現象を抑制するような配管構造を適用したり、当該部に温度変動計測装置を設置して熱疲労損傷の大きさを検知することで配管の熱疲労に対する健全性を監視している。
以下、図9に示すT字配管における熱疲労を例にとって、その評価方法を説明する。実機配管1の合流部2において高温流体3と低温流体4が合流する場合、第1の計測点6における高温流体3の温度の時間変化と第2の計測点7における低温流体4の温度の時間変化によらず、合流部2においてはグラフ23に示すような顕著な温度の時間変動が生じる。配管の健全性(熱疲労による寿命に対する余裕)を確認するためには温度の時間変動23の振幅と頻度を分析する必要がある。振幅や頻度のカウントの方法としては、Level-Crossing Counting、Peak Counting、Simple Range CountingやRainflow Countingなどが用いられる(非特許文献1参照)。温度の時間変動23にRainflow Countingを用いるとグラフ25に示すような温度変動の頻度分布が得られ、振幅と頻度を乗じた積分値(累積値)によって配管の熱疲労に対する健全性が評価される。
このような配管熱応力の評価精度を向上させるために、配管等の外表面上における計測点に冷却風を流すことによって熱伝達率を増大させて計測したり(例えば、特許文献1)、熱疲労損傷部位の一部に薄肉部を設け当該部に冷却ジャケットを取り付けることによって薄肉部に集中した熱疲労損傷の大きさを検知する(例えば、特許文献2)という提案がなされている。また、流体解析による温度揺らぎ現象の評価方法としては、実機プラントのリアルタイムな評価ではないが、温度揺らぎの低周波成分解析工程、擬似的な高周波成分を重ねる工程と厳密な高周波成分解析工程を用いる方法が提案されている(特許文献3)。さらに、リアルタイムな熱疲労予測システムとしては、熱成層化現象の応力評価解析を対象として、配管外表面の温度変動計測データから分離した長周期温度変動に基づいて定常性が仮定された有限要素法解析により長周期応力を計算するという方法も提案されている(特許文献4)。
特開2003-149053号公報「配管などの温度変動計測方法及び温度変動計測装置」 特開平11-22893号公報「配管等の熱疲労損傷防止方法及び装置」 特開平8-128927号公報「構造物の熱設計方法およびその設計に最適な数値計算装置」 特開2002-32419号公報「配管応力の管理システム」 "Standard Practices for Cycle Counting in Fatigue Analysis", E1049, ANNUAL BOOK of ASTM STANDARDS 2002.
しかしながら、上記特許文献1および2の方法では、設定した計測点と、熱疲労の集中位置とを一致させることが困難であり、局所的な温度挙動データによっては配管全体の熱疲労状態の健全性の評価には不充分となりがちである。従って、このように測定した温度変動の振幅および頻度の分布測定結果に非特許文献1に示されるようなカウント方法を適用しても配管全体の熱疲労度(累積応力)の正確な評価は得難い。また、これら計測方法で問題としているのは、主として定常運転における温度変動の振幅および頻度であって、短期的ではあっても大なる応力変動を与えるプラントの起動および停止時の寄与は考慮されていない。また、特許文献3および4に示される温度変動ないしは熱疲労の評価システムにしても、このような非定常状態の寄与の評価のために必ずしも適しているとは言えない。
従って、本発明は、プラントの起動および停止時のような非定常状態における熱疲労の累積効果を含めて評価し得る配管熱疲労の評価システムを得ることを目的とする。
より詳しくは、本発明は、実機プラントにおける計測データを用いてリアルタイムな熱流体の乱流シミュレーション評価をすることによって、流れ場全体の温度変動を把握しながら非定常的な運転操作に対応した評価ができる配管熱疲労の評価システムを得ることを目的とする。
本発明の配管熱疲労の評価システムは、上述した課題を解決するためになされたものであり、実機プラントにおける配管を流れる流体の流量、温度および圧力の計測を行うための計測システムと、配管の形状データベースと、計測された実機データを用いてリアルタイムに熱流体の乱流シミュレーションを実施する計算手段とを有し、シミュレーションによる配管の所定点における温度、変動の振幅と頻度データに基づいて配管熱疲労を評価することを特徴とする。
また、本発明によれば、上記システムにおいて、実機データの流量、温度および圧力の代りに、プラントの起動および停止の運転計画に基づく流量、温度および圧力のデータ入力システムを含み、該入力データに基づく熱流体の乱流シミュレーション結果により、該運転計画に伴う配管熱疲労への影響を評価するようにした配管熱疲労の評価システムも提供される。
本発明によれば、実機データに基くリアルタイムな熱流体の乱流シミュレーション評価により、定常状態のみならず、起動および停止を含む非定常状態における配管寿命に対する配管の温度変動の振幅および頻度の累積効果が正確に把握でき、また起動および停止を含む運転計画の適正化も可能となる。この効果は、定常運転時間に比べて、起動および停止の時間割合の占める比率が比較的多いプラントの配管の健全性の評価において特に大となる。
以下、本発明に係る配管熱疲労の評価システムの発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施例を説明する図1〜図8において、同一の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施例1)
まず、図1を参照しつつ第1の実施の形態を説明する。本実施形態は、高温流体3と低温流体4が合流する実機配管1体系において、高温流体3側の配管に設けた第1の計測点6と低温流体4側の配管にも受けた第2の計測点7の温度、流量および圧力の計測データを取り込むための計測器8と、実機配管1形状を模擬したシミュレーション配管9形状データが格納されたストレージ12などの記憶装置と中央演算処理装置CPUから成る計算機11と、熱流体シミュレータ10から構成されておりそれらはオンラインでつながっている。熱流体シミュレータ10は流体の運動量方程式、エネルギ方程式を空間および時間方向に離散化して数値モデル化した計算式を内蔵する演算部であり、実際には計算機11の機能の一部であるが、理解の容易化のために別途のユニットとして表示してある。以下に運動量方程式、エネルギ方程式の数値モデル化に関して例を挙げて説明する。例えば非圧縮性流体のx方向の運動量方程式
Figure 2005315581
Figure 2005315581
とエネルギ方程式
Figure 2005315581
に対して、重み残差法による弱形式化(式の展開および変形)を行う。ここで、u、 v、 w、 p、 f、T、Re、kはそれぞれx方向速度成分、y方向速度成分、z方向速度成分、圧力、外力、温度、レイノルズ数、温度拡散率であり、Uは流れの代表速度、Lは流力直径などの代表長さ、νは動粘性係数、ρは密度、Cpは定圧比熱、λは熱伝導率である。次に弱形式化された運動量方程式とエネルギ方程式をGalerkin法によって離散化する(すなわち、以下に示すような離散点の式に変形する)。Galerkin法は、重み関数および物理量ともに同じ補間関数を適用する方法であり、速度成分と温度に関しては双1次要素による線形補間、圧力と外力に関しては要素内一定(0次)とした場合、要素節点α、β、γにおける線形形状関数Nα、Nβ、Nγを用いて式(5)、式(6)のように空間的に離散化された有限要素式が得られる。
Figure 2005315581
式(5)および式(6)を、下記式(7)および式(8)のように書き表した場合、
Figure 2005315581
式(5)および式(6)の時間方向の離散化は、式(9)および式(10)のように時間ステップnの値からn+1の値を求めることができる。以上のように式(1)、式(3)の運動量方程式とエネルギ方程式は空間と時間に対して離散化された数値モデル化が行われる。
Figure 2005315581
このように構成された本実施例の形態において、実機配管1で計測された高温流体3側の配管と低温流体4側の配管の温度、流量はシミュレーション配管9の解析境界条件として用いられる。数値解析の基本であるが、解析境界条件として流量と圧力を同時に与えることはできないため、圧力は温度とともに解析で用いられる流体の物性値(密度、粘性係数、比熱や熱伝導率)を計算するために用いられる。ここで、計測データが断面方向において局所的あるいは平均的な値である場合は、解析境界条件としては一様な分布を適用する。計測器8と熱流体シミュレータ(1)10はオンラインでつなげているため、計測されたデータを用いてリアルタイムでシミュレーション配管9内の流体の挙動を捉えることができる。このとき、シミュレーション配管9形状データは事前にメッシュ分割されている。解析精度は解析格子サイズに依存し、本実施例では、解析格子サイズより小さいスケールの現象による影響はモデル化されていないため、解析格子サイズより大きい渦17スケールの乱流現象のみを予測評価する。
本実施の形態によれば、熱流体シミュレーションが実機配管1内で計測された温度や圧力、流量の流動条件の変化にリアルタイムに対応させるため、実機プラントの非定常運転過程における流れ場全体の熱疲労損傷評価に必要な温度の時間変動を捉えることができ、定格運転時だけでなく非定常運転時においても配管構造物に作用する熱応力を評価することが可能である。具体的には、配管上に定めた任意の所定点において、上記非特許文献1に記載の方法、例えばRainflow Countingに従い温度変動の振幅および頻度の累積値をカウントし、定常運転時のデータと積算することにより、プラント運転の全期間における累積熱疲労度を正確に評価することが可能になる。また計算機11の計算速度が実現象の進行よりも早い場合には現象を事前に予測し、後に計測された実機プラントデータで補正をしながらシミュレーションを継続することができる。
例えば図1の上部に示した配管等において、高温流体流路3が直径500mm、低温流体流路4が直径500mmであり、分流配管1が直径500mmであるときに各流路断面を約2000の解析講師に分割し、流路方向を各200mmに分割して解析格子を設定し、高温・低温流体各流路3および4について、計測点6および7を含めてそれぞれ20m、合流路1について10mの領域を数値計算対象とすれば、流路領域においては、計50万の解析格子が設定される。そして、計測定点6および7における数分間に一度の計測データを境界値として各々の解析格子について、時間間隔約0.01秒において、式(5)〜(10)に基いて、逐次数値計算を行う。このような計算は、数GFLOPSの計算速度と数TeraBの容量を持つ計算機であれば、充分にリアルタイムに実行可能である。
(実施例2)
図2を参照して、第2の実施の形態の評価システムは、図1に示す実施例1のシステムにおける熱流体シミュレータ10を、熱流体シミュレータ14に変換したもので、このシミュレータ14は、流体の速度および温度を解析格子より大きなスケールの渦成分と解析格子で解像できない渦成分に分解し、解析格子より小さいスケールの渦18粘性をモデル化した運動量方程式、エネルギ方程式を空間および時間方向に離散化して数値モデル化した計算機能を有している。実施例1に倣って数値モデル化の例を挙げると、実施例1と同じ運動量方程式およびエネルギ方程式(1)〜(4)について、同様に弱形式化された運動量方程式とエネルギ方程式をGalerkin法によって離散化すると、今度は、格子枠内での渦拡散も考慮した式(11)、式(12)のように空間的に離散化された有限要素式が得られる。
Figure 2005315581
ここで、νSGS、εSGSは解析格子以下のスケールの、それぞれ速度和と温度和の渦拡散係数である。
解析精度は解析格子サイズに依存するが、このように構成された本実施の形態においては、メッシュを細分割することなしに解析格子サイズより小さい渦18スケールの挙動による乱れの影響を渦拡散として考慮して評価することができるため、配管熱応力評価の高精度化が可能となる。但し、式(5),(6)の代りに式(11),(12)を用いる本実施例では、実施例1よりも約1桁短い0.001秒程度の時間間隔での数値計算が必要となる。
(実施例3)
図3を参照して、第3の実施の形態の評価システムにおいては、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、それぞれ用いた第1のシミュレータ10と第2のシミュレータを組み合せて用いる。すなわち、本実施例においては、第2の熱流体シミュレータ14ではT字合流部の流れ領域を解析し、第1の熱流体シミュレータ10ではそれ以外の配管内の流れ領域を解析する。T字合流部の流れは高温流体と低温流体が合流するため時間的な不規則変動が大きく熱流体シミュレータ14が適しているが、T字合流部から離れた領域では不規則変動が小さく計算評価時間の点から熱流体シミュレータ10が適している。それぞれのシミュレータは解析領域の境界において境界データ変換の演算装置19によってデータ変換して双方向にデータを引き渡す。引き渡すデータは流量、温度、圧力であり、データを受け取る領域内の各解析格子16に対応して面積平均したデータをマッピングするため、各解析領域の解析格子は連続である必要はない。
本実施の形態によれば、温度揺らぎが大きい箇所と小さい箇所の領域ごとに適した熱流体シミュレータを用いることにより、配管全体の解析格子数低減による計算速度の高速化がはかれる。
(実施例4)
図4を参照して、第4の実施の形態のシステムにおいては、図1のシステムと比較して熱流体シミュレータに加えて、その演算結果を表示するバーチャルリアリティ装置20を備えている。
すなわち、本実施例においては、実機プラントの起動および停止などの運転過程における配管内流れをバーチャルリアリティ装置によって3次元的に可視化する。実機プラントの起動および停止時には配管内の圧力、温度、流量が過渡的に大きく変化するため、局所的な計測位置のデータから3次元的な流れ挙動を把握することは困難であるとともに、計測点数が多い場合はデータサンプリング数が多いとデータが膨大になってしまう。また、定格運転時には熱疲労損傷が問題にならない箇所に高サイクルな温度揺らぎが生じている可能性があり、配管内流れをバーチャルリアリティ装置によって3次元的に可視化することで配管の健全性を監視することができる。
(実施例5)
図5を参照して、第5の実施の形態のシステムでは、高温流体3側の配管に設けた第1の計測点6と低温流体4側の配管に設けた第2の計測点7に加えてそれ以外の配管内に位置する第3の計測点13を設け、そこにおける温度、流量および圧力の計測データをも計測器8に取り込む構成としている。
このように構成された本実施の形態において、実機配管1で計測された高温流体3側の配管と低温流体4側の配管の温度、流量はシミュレーション配管9の解析境界条件として用いられ、第3の計測点13からのデータは解析境界条件としては用いる必要がない。解析境界条件として流量と圧力を同時に与えることはできないため、境界条件においては圧力は温度とともに解析で用いられる流体の物性値(密度、粘性係数、比熱や熱伝導率)を計算するために用いられるが、第3の計測点13の圧力は解析領域における基準圧力として用いることができる。パラメータ補正装置26は、第3の計測点13における実機プラント計測データと熱流体シミュレータ10のシミュレーション結果を比較して、実機プラント配管内流動で不確定なパラメータを調整して熱流体シミュレータ10にフィードバックする機能を有している。実機配管表面は断熱材で覆われているが、解析における配管壁面での熱抵抗を局所的に実現象と一致させることは配管全体からの放熱量を実現象と合わせるという点では意味がなく断熱材厚さと断熱材質が同じ場所では一様なパラメータとして扱っている。そこで、本実施例では、配管熱抵抗をパラメータとして第3の計測点13の温度時間変動の平均値がシミュレーション結果の同位置の温度変動平均値より高い場合には、解析で設定している熱抵抗を大きくして配管からの放熱量が小さくなるように、それ以降のリアルタイムシミュレーションにフィードバックする。配管流量は流量計で計測されているが、解析境界条件としては流速を固定して設定するため発達した流れは一様分布ではなくエルボや整流器後流などにおいては偏流していることが考えられ、またT字配管合流部で衝突する前の流れがどの程度変動成分をもっていたかは衝突後の変動成分に影響してくる。
更に、本実施例では、流入乱れおよび流入分布をパラメータとして第3の計測点13の変動周波数分布が計測点13とシミュレーション結果で異なる場合には事前にデータベース化してある流入分布に対して、パワースペクトル密度分布の周波数に対する積分値を比較し、シミュレーション結果の積分値の方が計測値より小さければ解析の変動を大きくするために流入乱れを大きくなるように、それ以降のリアルタイムシミュレーションにフィードバックする。流入分布としては発達乱流の分布、立体2段エルボによる旋回分布、平面2段エルボによる双子渦分布などをデータベース化しておく。
(実施例6)
図6を参照して、第6の実施の形態のシステムでは図1のシステムにおいて、更に熱流体構造シミュレータ15を備えている。熱流体シミュレータ10と熱流体構造シミュレータ15は流体と構造の境界で熱的に連成しており、熱流体構造シミュレータ15は構造物の熱計算だけでなく構造物の変形にともなう流体部の解析格子16の変形機能をも有しており、構造物の変形がある場合に解析格子16を再構築する。熱流体構造シミュレータ15は、構造部分のエネルギ方程式を空間および時間方向に離散化して数値モデル化した計算機能を有している。以下にエネルギ方程式の数値モデル化に関して例を挙げて説明する。例えばエネルギ方程式
Figure 2005315581
に対して、重み残差法による弱形式化を行う。ここで、T、kはそれぞれ温度、温度拡散率であり、ρは密度、Cpは定圧比熱、λは熱伝導率である。次に弱形式化されたエネルギ方程式をGalerkin法によって離散化する。重み関数および物理量ともに同じ補間関数を適用し、温度に関して双1次要素による線形補間とした場合、要素節点α、βにおける線形形状関数Nα、Nβを用いて式(14)のように空間的に離散化された有限要素式が得られる。
Figure 2005315581
式(14)を式(8)のように書き表した場合、
Figure 2005315581
式(14)の時間方向の離散化は、式(10)のように時間ステップnの値からn+1の値を求めることができる。以上のように式(13)のエネルギ方程式は空間と時間に対して離散化された数値モデル化が行われる。
Figure 2005315581
このように構成された本実施の形態においては、特に過渡的な配管の撓みなどに対応して構造物の変形を考慮した熱流体構造シミュレーションを実施することができる。また、配管近傍の流体温度の時間変動から構造物への影響を評価するためには温度変動の周波数に応じた構造物の応力応答特性を用いる必要があるが、配管構造物を流体と連成して計算するため、配管構造部温度の時間変動を直接予測でき、配管構造部の温度変動による振幅と頻度をレインフローカウントすることによって配管健全性を高精度に評価することができる。
(実施例7)
図7を参照して、第7の実施の形態のシステムは、図1のシステムの応用的な利用を示すものであり、図1の例と同様なシミュレーションによって得られるシミュレーション配管9の温度データの時間変化から、例えば異なる配管位置での温度の時間変動22、温度の時間変動23と温度の時間変動24が得られた場合、温度の時間変動が大きい温度の時間変動23の位置で温度揺らぎが大きくなっていることを予測検知する。
このように本実施の形態においては、実機計測データを解析境界条件として用いたオンラインシミュレーションによって流れ場全体の温度データの時間変化を把握することができるので、計測センサによって熱疲労損傷部位を監視することなく熱疲労損傷に対する配管の健全性を予測することができる。そのため、計測センサを流体温度揺らぎが大きい箇所に取り付ける必要もなく、また実機プラント起動や停止などの非定常運転時において、定格運転時には熱疲労損傷が問題にならない(計測センサで監視する必要がない)ような箇所での熱疲労損傷が大きい箇所を予測検知することができる。
(実施例8)
図8を参照して、第8の実施の形態のシステムでは、図4のシステムにおける実機データの計測入力システム8に代えて(加えてでもよい)、実機プラントの起動あるいは停止の運転計画に基づく測定点6および7における流量、温度および圧力のデータ入力システム21が設けられている。すなわち、このシステム21から入力された運転計画に従う計測点6および7における温度、流量および圧力時間変化曲線データに基づいて、シミュレータ10により、配管内の温度変動および変動のシミュレーションが行われ、その結果に基きバーチャル装置20に、配管内の過渡的な熱流動を3次元的に可視化して熱疲労損傷に対する健全性を確認することができる。また、熱疲労損傷の問題がある場合には運転計画にフィードバックし熱疲労損傷を抑制する運転計画を決め直し、再度バーチャルシミュレーションでの確認作業を繰り返すことで熱疲労損傷を抑制した運転計画を決めることができる。
本実施の形態によれば、実機プラントの運転計画における圧力、温度、流量の流動条件の時間変化に沿った配管内の熱流体挙動を事前にバーチャルシミュレーションによって可視化によって確認できるため、実機プラントの非定常な運転操作における熱疲労損傷に対する配管の健全性を事前に評価することができる。また、熱疲労損傷抑制を考慮した運転計画を立案することができる。
本発明の第1の実施形態の評価システムを示す構成図。 本発明の第2の実施形態の評価システムを示す構成図。 本発明の第3の実施形態の評価システムを示す構成図。 本発明の第4の実施形態の評価システムを示す構成図。 本発明の第5の実施形態の評価システムを示す構成図。 本発明の第6の実施形態の評価システムを示す構成図。 本発明の第7の実施形態の評価システムを示す構成図。 本発明の第8の実施形態の評価システムを示す構成図。 従来の配管熱応力の評価方法を示す構成図。
符号の説明
1 実機配管
2 合流部
3 高温流体
4 低温流体
5 温度揺らぎ
6 第1の計測点
7 第2の計測点
8 計測器
9 シミュレーション配管
10 第1の熱流体シミュレータ
11 計算機
12 ストレージ
13 第3の計測点
14 第2の熱流体シミュレータ
15 熱流体構造シミュレータ
16 解析格子
17 解析格子サイズより大きい渦
18 解析格子サイズより小さい渦
19 境界データ変換の演算装置
20 バーチャルリアリティ装置
21 運転計画
22 温度の時間変動(1)
23 温度の時間変動(2)
24 温度の時間変動(3)
25 温度変動の頻度分布
26 パラメータ補正装置

Claims (8)

  1. 実機プラントにおける配管を流れる流体の流量、温度および圧力の計測を行うための計測システムと、配管の形状データベースと、計測された実機データを用いてリアルタイムに熱流体の乱流シミュレーションを実施する計算手段とを有し、前記シミュレーションによる配管の所定点における温度、変動の振幅および頻度データに基づいて配管の熱疲労を評価することを特徴とする配管熱疲労の評価システム。
  2. 前記計算手段には、乱流シミュレーション用に配管内に生成した解析格子サイズ以下のスケールの渦拡散を含む計算式を含むことを特徴とする請求項1記載の配管熱疲労の評価システム。
  3. 前記計算手段には、高低温流体の合流部の乱流シミュレーション用に配管内に生成した解析格子サイズ以下のスケールの渦拡散を含む計算式と、それ以外の配管内の流れの乱流シミュレーション用に解析格子サイズより大きいスケールの渦拡散のみの計算式と、上記二つの流れ領域の境界データ変換のための演算手段とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の配管熱疲労の評価システム。
  4. 前記計算手段には、前記シミュレーション結果に基づいて運転過程における配管内流れをリアルタイムに把握するためのバーチャルリアリティ装置を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の配管熱疲労の評価システム。
  5. 前記計算手段には、前記実機プラントにおける配管を流れる流体の流量、温度および圧力の実機計測データが複数点ある場合、シミュレーション配管の解析境界データとして用いていない実機計測データを参照して、実現象より事前に予測した熱流体の乱流シミュレーション結果を配管壁面熱抵抗をパラメータとして補正する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の配管熱疲労の評価システム。
  6. 前記計算手段には、実機プラントにおける配管を流れる流体の流量、温度および圧力の実機計測データが複数点ある場合に、シミュレーション配管の解析境界データとして用いていない実機計測データを参照して、実現象より事前に予測した熱流体の乱流シミュレーション結果を流入乱れおよび流入分布をパラメータとして補正する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の配管熱疲労の評価システム。
  7. 前記計算手段には、前記乱流シミュレーションを実施する計算手段と配管構造物との熱連成計算手段および構造物変形に対応する連成計算手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の配管熱疲労の評価システム。
  8. 実機データの流量、温度および圧力の代りに、プラントの起動および停止の運転計画に基づく流量、温度および圧力のデータ入力システムを含み、該入力データに基づく熱流体の乱流シミュレーション結果により、該運転計画に伴う配管の熱疲労への影響を評価するようにしたことを特徴とする請求項1記載の配管熱疲労の評価システム。
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