JP3654961B2 - 積載圧を軽減できる包装袋 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、積載圧を軽減できる包装袋に関し、更に詳しくは、試供品などの固形状、粒状、粉状、或いは、粘体状、液体状などの内容物を充填、密封した包装袋を雑誌等の中に挟んで添付し、これを集積し、輸送する際などに、包装袋が受ける積載圧を軽減でき、破袋などを生じない包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、雑誌などの書籍類は、印刷、製本後、パレットなどに集積され、更にこれが多段積みされている。このような集積方法が行われる雑誌の中に、例えば、宣伝用として、厚みのある試供品などの商品サンプルを挟み込んだ場合、最下段に位置する商品サンプルには、略250kgf程度の力が掛かっている。
従来、このような場合には、商品サンプルの雑誌からの散逸防止と、その保護の目的から、例えば、段ボール紙や、合紙した板紙などを保護紙として、これに該サンプルの外形と略同形状の切り抜き部を設け、それを雑誌等の広告頁に貼り付けるなどして固定し、切り抜いた空間部に該サンプルを挿入し、固定することにより、散逸を防ぎ、且つ、積み上げによる荷重(以下積載圧と呼ぶ)を軽減して該サンプルを保護する方法を採っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では、例えば、保護紙として段ボール紙を用いた場合、その圧縮強度がそれ程強くないため、前記積載圧を軽減するためには段ボール紙の面積を可能な範囲で大きくする必要があり、それによって異物感が強くなると同時に、保護紙の材料費および加工費などのコストが嵩み、比較的安価な小袋入り試供品などの商品サンプルには適さないという問題があった。
また、特に、液体状の商品サンプルを袋詰めして、雑誌中に添付したい場合でも、万一、破袋が発生すると周囲の雑誌まで汚染されるため、袋自体を強化することは勿論、積載圧の軽減対策も十分な安全率をもって設計する必要があり、安易に実施することはできなかった。
【0004】
また、雑誌に広告サンプル(現物見本)を添付する場合、日本雑誌協会が「雑誌作成上の留意事項」について自主基準を昭和61年に定めて規制されてきたが、平成6年にその基準緩和が検討され、改正された「雑誌作成上の留意事項」の内容〔運用解説〕が平成6年11月29日付けで日本雑誌協会より公表されている。これによると、広告のサンプル(現物見本)添付については、例えば、添付できるサンプルの範囲は化粧用品(化粧品、シャンプー類、石鹸、洗剤まで)とし、粉末、液体状のものは完全密封にし、破損しないようにする。また、添付物の面積は25cm2 〜100cm2 とし、その厚さは1.5mm以内とする。などを条件として平成7年1月中旬発売の雑誌から実施可能としている。
【0005】
本発明は、上記のような問題点および規制に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体、粉体、粒状体などの商品サンプル等を充填、密封した包装袋において、前記自主基準に適合すると同時に、雑誌等印刷物への取り付けが容易で、一般的には250kgf以上の荷重、例えば、日本雑誌協会の指定では総重量3ton以上の圧力が掛かっても破袋しないという、積載圧を軽減できる包装袋を安価に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため種々研究した結果、例えば、液体などを充填、密封した包装袋において、袋の大きさを25cm2 〜100cm2 とし、厚さが1.5mm以下になるように充填量を調整し、且つ、その包装袋の外側面に、包装袋の平均厚さ以上で1.5mm迄の厚さの間隔支持部材を付設することにより、その包装袋が雑誌等の所望の頁に粘着剤などで再剥離可能に貼り付けられ、更に、その雑誌が集積され、多数積み上げられた際にも、付設された間隔支持部材によって、積載圧が軽減され、破袋を防止でき、前記日本雑誌協会の自主基準にも適合できる見通しを得て本発明の完成に至ったものである。
【0007】
即ち、本請求項1の発明は、液体、粉体、粒状体などを充填、密封した包装袋において、該包装袋の平均厚さ以上の厚さを有する間隔支持部材を包装袋の外側面に設けたことを特徴とする包装袋からなる。
そして、本請求項2の発明は、前記間隔支持部材が、ホットメルト材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
また、本請求項3の発明は、前記間隔支持部材が、合成樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋からなっている。
【0008】
【作用】
本発明の積載圧を軽減できる包装袋は、液体、粉体、粒状体などを充填、密封した包装袋において、該包装袋の平均厚さ以上の厚さを有する間隔支持部材を包装袋の外側面に設けた構成である。
従って、この包装袋を雑誌等の所望の頁に粘着剤などにより再剥離可能に貼り付け、更に、その雑誌を集積し、高積みした場合でも、包装袋の外側面に設けた間隔支持部材が積み上げによる積載圧を受け止め、包装袋に掛かる圧力を軽減することができる。
【0009】
また、前記間隔支持部材をホットメルト材で形成する場合には、ホットメルト材として固化後も軽度の粘着性を有するものを用い、これを包装袋の下側面、即ち、包装袋を雑誌等に貼り合わせる面に設けることにより、前記積載圧を軽減できると同時に、雑誌等の頁となる台紙への貼り合わせに際して、改めて接着剤を用いなくても脱落しない程度に接着できる。
また、前記間隔支持部材を合成樹脂で形成する場合には、種々の樹脂を使用でき、それぞれに適した成形法が採れるため形状、寸法など精度のよい間隔支持部材を製造でき、確実且つ安定して積載圧を軽減できる。
【0010】
以下に、図面および実施例により、本発明を詳細に説明する。只、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の一実施例の構成を示す模式平面図であり、また、図1の(ロ)は、(イ)に示した包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
図1の(イ)に示した包装袋1は、液体状などの内容物を充填し、密封した四方シール形式の包装袋であって、その四隅のヒートシール部2の中の長辺側の二隅のヒートシール部の外面(下側)に間隔支持部材3a 、3b を粘着剤またはヒートシール剤などで接合した構成である。
また、図1の(ロ)において、包装袋1を台紙4上に貼り付ける方法は、包装袋1に接合した間隔支持部材3a 、3b と台紙4との間で貼り合わせてもよく、また、包装袋1と台紙4との間の部分で貼り合わせてもよい。また、この貼り合わせには、最終的には包装袋1は台紙4から剥がして使用するものであるため、再剥離可能なように、粘着剤、或いはホットメルトなどの中で接着力のそれほど強くないタイプの接着剤を用い、更に、必要に応じて台紙4の表面、およびこれに接して重なる頁面に軽度の剥離性を付与できる樹脂層(オーバープリント層など)を設けることが好ましい。
【0011】
図2の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、図2の(ロ)は、上記(イ)に示した包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
図2の包装袋1は、前記図1の包装袋の場合、間隔支持部材3a 、3b を包装袋1の下側面に取り付けて、台紙4に貼り合わせたのに対して、包装袋1の上側面に間隔支持部材3a 、3b を取り付けて、包装袋1と台紙4との間で包装袋1を台紙4に貼り合わせたものである。このような間隔支持部材3a 、3b の取り付け方をしても図1の場合と同様に、積載圧の軽減効果を得ることができる。只、包装袋1の表面に直接間隔支持部材3a 、3b が見えるため異物感が強く、外観の点では図1のように包装袋1の下側面に取り付けることが好ましい。
【0012】
図3の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の更に別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、図3の(ロ)は、上記図3の(イ)に示した包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
図3の(イ)に示した包装袋1は、間隔支持部材3c を袋の下側表面の対角線となる位置に取り付けたものである。この場合、包装袋1の台紙4への貼り合わせは、図3の(ロ)に示すように、間隔支持部材3c と包装袋1の両方が台紙4に接するため、そのどちらかで台紙4に貼り合わせればよい。貼り合わせの方法は、図1で説明した方法と同様であり再剥離可能に行うことが好ましい。
また、図3の場合も、間隔支持部材3c は包装袋1の上側面に取り付けることもでき、積載圧を軽減する効果も同様に得られるが、外観の点で、図2の例と同様に好ましくないため、包装袋1の下側面に取り付けて台紙4に貼り合わせることが好ましい。
【0013】
以下に本発明の積載圧を軽減できる包装袋の構成材料等について説明する。
(袋の構成材料)
先ず、本発明の包装袋の袋の部分に使用する材料は、充填する内容物の種類に応じて、通常のフレキシブルパッケージで使用される材料をそのまま同様に使用することができる。
一般的には、袋の材料には積層フィルムが用いられ、その構成は、表面層/シーラント層、または、表面層/中間層/シーラント層のように積層したものである。上記の構成において、中間層は単層または二種以上の多層で構成される。また、上記各層の間には必要に応じて接着層を設けることができる。
【0014】
表面層は、印刷適性、ラミネート適性に優れ、引張り強度、引き裂き強度、衝撃強度等の総合的な機械的強度に優れると共に、耐溶剤性、耐薬品性のほか、ヒートシールの際の加熱に対する耐熱性などが必要である。
このような性能、条件を満たすフィルムとしては、例えば、2軸延伸ポリエステルフィルム、2軸延伸ナイロンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどのフィルム、或いは、これらに防湿性やガスバリヤー性を付与するためにポリビニデンクロライド(PVDC)などをコーティングしたフィルムが挙げられる。これらのフィルムの厚さは9μm〜40μm程度の範囲が適当である。
【0015】
中間層は、積層フィルムの機械的強度の向上、或いは、水蒸気や各種のガスバリヤー性などを向上させるために設けるものであり、目的に応じて例えばナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)など各種の樹脂膜やアルミニウム箔、或いは、アルミニウムや酸化珪素、アルミナなどの薄膜を真空蒸着などにより表面に被覆した樹脂フィルムなどが用いられる。中間層の厚さは、通常7〜50μm程度が適当である。
中間層を表面層に積層する方法は、中間層が予めフィルム状で準備されている場合には、従来公知のドライラミネーション法、或いは、ポリエチレンなどの熱接着性樹脂を表面層と中間層の間にTダイから押し出して圧着し、接着させる所謂サンドイッチラミネーション法などで積層することができる。また、ペレット状の樹脂を用いて加工する場合には、表面層のフィルムに直接押し出しコートして積層するか、或いは、一旦インフレーション成形などによりフィルム化し、これをドライラミネーション法で貼り合わせて積層することもできる。
尚、表面層のフィルムに中間層を積層する際、接着性安定化のため表面層の積層面にコロナ放電処理などを施し、更に、有機チタン系、ウレタン系、イミン系、ゴム系等の公知のアンカーコートを施すことができる。
【0016】
シーラント層は、積層フィルムの最内層に設けられており、積層フィルムが製袋される際に、シーラーの熱と圧により十分な強度で熱接着することが必要である。また、袋の最内層にあり、充填される内容物と直接接触することから耐内容物性も必要となる。
このようなシーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂(EEA)、アイオノマーなどのポリオレフィン系樹脂が使用でき、これらの中から内容物の種類に応じて適性のあるものを選択して使用することができる。
シーラント層の積層は、上記のような樹脂を押し出しコートして積層できるほか、予め上記樹脂をフィルム化し、これをドライラミネートして積層することもできる。只、本発明の包装袋では、強いヒートシール強度が要求されるため、ヒートシール強度をより強くできる後者のドライラミネート方式で積層することが好ましい。
このようなシーラント層の厚さは、通常15〜100μm程度が適当である。
【0017】
(製袋について)
本発明の包装袋は、以上のような材料を用いて作成した積層フィルムを製袋機により、袋状に熱接着させて作成する。袋の形態としては、三方シールタイプ、ピロータイプ、ガセットタイプなどが可能であるが、本発明の包装袋の場合、内容物を充填後、250kgf以上の大きな積載圧を掛けても破袋しないことが必要であり、この点ではヒートシール強度が最も強く安定できる三方シールタイプの袋が好ましい。
【0018】
(間隔支持部材)
本発明において、積載圧を軽減するために包装袋の外側面に設ける間隔支持部材の材質は、合成樹脂、ホットメルト材などが、加工性のよい点で好ましいが、これらに限定するものではなく、積載圧を軽減できる程度の硬さを有するものであれば何でも使用できる。例えば、プレスボード、バルカナイズドファイバー、合成樹脂含浸紙などの紙類、アルミニウム、その他の金属、セラミックス等の焼結体、或いは鉱物質など、これらの単体およびこれらを含む積層体なども使用できる。合成樹脂では、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂のほか熱硬化性樹脂も用いることができる。
【0019】
間隔支持部材の形状についても、積載圧を軽減でき、破袋を防止できる効果の得られるものであればどのような形状でもよく、図1、図3に示した形状のほか、例えば、包装袋の外周に沿った長方形の外枠形状、或いは、図1と図3の複合形状、リング(丸形)形状など、袋寸法と内容物の充填量を勘案して自由に決めることができる。そして、これらは一体型の部材で形成されていてもよく、また、複数の分離した部材で形成されていてもよい。
只、どのような形状を採るにしても、できるだけコンパクトな形状であることが、目立たなくできる点で好ましく、例えば、雑誌に添付する場合、厚さが1.5mmで、幅が2〜8mm程度の断面形状を有するスティック状の部材などを適宜組み合わせて形成することもできる。
【0020】
間隔支持部材にホットメルト材を用いる場合には、上記断面形状加工したノズルから加熱、軟化させたホットメルト材を所望の長さに押し出して包装袋の外側面の所定の位置に接着させればよい。
また、間隔支持部材に合成樹脂を用いる場合には、例えば、熱可塑性樹脂の場合、射出成形または異形押出成形法などにより、上記断面形状と所望の長さの成形品を作成し、これを両面粘着テープや粘着剤などにより包装袋の所定の位置に取り付ければよく、また、熱硬化型樹脂を用いる場合も圧縮成形法など成形方法が異なるだけで成形品の袋への取り付けは熱可塑性樹脂の場合と同様に行うことができる。
【0021】
更に、本発明の包装袋を雑誌等に添付する方法についても、間隔支持部材を取り付けた包装袋を雑誌等の所定の頁に直接貼り付けてもよく、また、別に用意した印刷入り台紙(単葉、二つ折り、三つ折りなど形式は自由)などに間隔支持部材および包装袋を予め貼り付けておいて、これを雑誌の所定の頁に、綴じ込み、貼り付け、或いは、輪ゴム止め(二つ折り、三つ折り形式の場合)などにより添付してもよい。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
下記の構成に作成した積層フィルムを袋の材料として、外形寸法が幅8cm、長さ12cmの長方形の三方シールタイプの袋をシール幅各8mmで加熱シールして製袋した。(袋の総面積96cm2 )
この袋にシャンプー8ccを充填、脱気し、シール幅8mmで加熱シールして密封した後、長辺側の両サイドのシール部上に、幅が略2.5mm、厚さ1.5mm、長さが略11cmとなるようにホットメルト材〔P−1000 旭化学合成(株)製〕を塗布し、固化させて実施例1の包装袋を作成した。(包装袋の充填部分の面積66.56cm2 、充填後の包装袋の平均厚さは略1.2mm)
積層フィルムの構成
(表面層)2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/(中間層)アルミニウム箔(厚さ7μm)/2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)/(シーラント層)線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(厚さ50μm)〔総厚84μm〕
尚、上記各層の積層は総てドライラミネーション法により行った。
【0023】
(実施例2)
実施例1の包装袋の構成において、間隔支持部材のみを幅3mm、厚さ1.5mmで、長さが11cmのABS樹脂の成形品に換え、これを両面粘着テープで包装袋の両サイドのヒートシール部に取り付けた以外は総て実施例1と同様に加工して実施例2の包装袋を作成した。
【0024】
(実施例3)
実施例2の包装袋の構成において、間隔支持部材の寸法を長さのみ13cmに変更し、更に、包装袋への取り付け位置を、長方形の包装袋の対角線に相当する部分に変更して(1本のみ)取り付けた以外は総て実施例2と同様に加工して実施例3の包装袋を作成した。(包装袋に平面で荷重を掛けた際の包装袋の平均厚さは略1.27mm)
【0025】
(比較例1)
実施例1の包装袋の構成において、間隔支持部材の取り付けのみを省略し、その他は総て実施例1と同様に加工して比較例1の包装袋とした。
【0026】
(耐圧性試験および結果)
以上のように作成した実施例1〜3および比較例1の包装袋について、これらが雑誌等の中に添付され、それが集積されて高く積み上げられた際に、各包装袋がその積載圧に耐えられるかどうかを調べるため、下記の方法で耐圧性試験を実施した。
耐圧性試験の方法
実施例1〜3および比較例1の包装袋を各10個サンプリングし、それぞれを厚さが略10mmの雑誌の中心部に挿入し、頁に固定してテスト試料とした。
この時、実施例1の包装袋は、ホットメルト材による間隔支持部材の取り付け面を下に向けて挿入し、ホットメルト材の軽い粘着により頁に固定した。
また、実施例2、3の包装袋は、それぞれの間隔支持部材の上に、更に両面粘着テープを貼り付けた後、その面を下に向けて挿入し、頁に貼り付けた。
そして、比較例1の包装袋は、その袋の表面に長辺側に沿って、幅6mmで、長さ3cmの両面粘着テープ2枚を3cmの間隔をあけて平行に貼り付けた後、その面を下に向けて挿入し、頁に貼り付けた。
以上のように準備した各試料を1個ずつ、圧縮試験機により、3000kgfの荷重を掛けた後、各試料の包装袋について破袋(洩れ)の有無を調べた。
【0027】
上記の耐圧テストの結果は、実施例1〜3の包装袋については、いずれも破袋(洩れ)の発生がなく良好であった。これに対して比較例1の試料の包装袋は、ヒートシール部の端部のフィルム切れ、或いは、シール部の部分的な剥がれなどによる破袋(液洩れ)が認められた。
これは、実施例の包装袋に付設した間隔支持部材が、包装袋に掛かる圧力を軽減する点で有効に働いたことを示すものであり、本発明の包装袋は、雑誌等に添付しても破袋などの問題を生じないことを示している。
【0028】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように本発明の包装袋は、液体、粉体、粒状体などの内容物を充填、密封した包装袋において、その包装袋の平均厚さ以上の厚さを有する間隔支持部材を包装袋の外側面に取り付けた構成である。
このような構成を採ることにより、包装袋に液体状などの内容物を商品サンプルとして充填、密封し、これを雑誌やカタログなどの頁となる台紙上に粘着剤などにより再剥離できるように貼り付けた場合、包装袋が雑誌等から脱落することを防止でき、必要な場合には、容易にこれを剥がすことができる。また、包装袋を貼り付けた雑誌等を集積し、高く積み上げた場合にも、その積載圧を間隔支持部材が受け止めるため、包装袋に掛かる積載圧を軽減でき、破袋などの事故を防止することができる。
また、間隔支持部材自体は、細長い板状でもよく、安価に製造でき、包装袋への取り付けも容易で、包装袋として雑誌等の台紙に貼り付けた後も表面から見えないようにでき、外観においても優れている。
【0029】
また、本発明の包装袋において、間隔支持部材をホットメルト材で形成する場合には、例えば、ノズルから吐出させて塗布する方式のアプリケーターを用いて、ホットメルト材を包装袋の所定部分に厚さが略1.5mmになるように、所定の長さで塗布することにより、間隔支持部材とすることができ、この場合には、間隔支持部材を包装袋に取り付ける際の接着剤、及び、雑誌等の台紙面に包装袋を貼り付ける際の接着剤を間隔支持部材自体が兼ねることができる。
また、間隔支持部材を合成樹脂で形成する場合には、使用する樹脂に応じて適した成形法で成形できるため、形状、寸法など、精度がよく、外観にも優れた間隔支持部材を生産性よく製造でき、安定した積載圧の軽減が可能となり、確実に破袋を防止することができる。
そして、包装袋の寸法を25cm2 〜100cm2 とし、間隔支持部材の厚さを1.5mm迄とし、内容物の充填量を袋の平均厚さが1.5mm以内となるように調整することにより、日本雑誌協会が自主基準として規定する「雑誌作成上の留意事項」の「形式・材質」広告のサンプル(現物見本)添付の項目に適合する包装袋とこれを添付した雑誌を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の一実施例の構成を示す模式平面図であり、(ロ)は、上記(イ)の包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
【図2】図2の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、(ロ)は、上記(イ)の包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
【図3】図3の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の更に別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、(ロ)は、上記(イ)の包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 包装袋
2 ヒートシール部
3a 、3b 、3c 間隔支持部材
4 台紙
【産業上の利用分野】
本発明は、積載圧を軽減できる包装袋に関し、更に詳しくは、試供品などの固形状、粒状、粉状、或いは、粘体状、液体状などの内容物を充填、密封した包装袋を雑誌等の中に挟んで添付し、これを集積し、輸送する際などに、包装袋が受ける積載圧を軽減でき、破袋などを生じない包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、雑誌などの書籍類は、印刷、製本後、パレットなどに集積され、更にこれが多段積みされている。このような集積方法が行われる雑誌の中に、例えば、宣伝用として、厚みのある試供品などの商品サンプルを挟み込んだ場合、最下段に位置する商品サンプルには、略250kgf程度の力が掛かっている。
従来、このような場合には、商品サンプルの雑誌からの散逸防止と、その保護の目的から、例えば、段ボール紙や、合紙した板紙などを保護紙として、これに該サンプルの外形と略同形状の切り抜き部を設け、それを雑誌等の広告頁に貼り付けるなどして固定し、切り抜いた空間部に該サンプルを挿入し、固定することにより、散逸を防ぎ、且つ、積み上げによる荷重(以下積載圧と呼ぶ)を軽減して該サンプルを保護する方法を採っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では、例えば、保護紙として段ボール紙を用いた場合、その圧縮強度がそれ程強くないため、前記積載圧を軽減するためには段ボール紙の面積を可能な範囲で大きくする必要があり、それによって異物感が強くなると同時に、保護紙の材料費および加工費などのコストが嵩み、比較的安価な小袋入り試供品などの商品サンプルには適さないという問題があった。
また、特に、液体状の商品サンプルを袋詰めして、雑誌中に添付したい場合でも、万一、破袋が発生すると周囲の雑誌まで汚染されるため、袋自体を強化することは勿論、積載圧の軽減対策も十分な安全率をもって設計する必要があり、安易に実施することはできなかった。
【0004】
また、雑誌に広告サンプル(現物見本)を添付する場合、日本雑誌協会が「雑誌作成上の留意事項」について自主基準を昭和61年に定めて規制されてきたが、平成6年にその基準緩和が検討され、改正された「雑誌作成上の留意事項」の内容〔運用解説〕が平成6年11月29日付けで日本雑誌協会より公表されている。これによると、広告のサンプル(現物見本)添付については、例えば、添付できるサンプルの範囲は化粧用品(化粧品、シャンプー類、石鹸、洗剤まで)とし、粉末、液体状のものは完全密封にし、破損しないようにする。また、添付物の面積は25cm2 〜100cm2 とし、その厚さは1.5mm以内とする。などを条件として平成7年1月中旬発売の雑誌から実施可能としている。
【0005】
本発明は、上記のような問題点および規制に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体、粉体、粒状体などの商品サンプル等を充填、密封した包装袋において、前記自主基準に適合すると同時に、雑誌等印刷物への取り付けが容易で、一般的には250kgf以上の荷重、例えば、日本雑誌協会の指定では総重量3ton以上の圧力が掛かっても破袋しないという、積載圧を軽減できる包装袋を安価に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため種々研究した結果、例えば、液体などを充填、密封した包装袋において、袋の大きさを25cm2 〜100cm2 とし、厚さが1.5mm以下になるように充填量を調整し、且つ、その包装袋の外側面に、包装袋の平均厚さ以上で1.5mm迄の厚さの間隔支持部材を付設することにより、その包装袋が雑誌等の所望の頁に粘着剤などで再剥離可能に貼り付けられ、更に、その雑誌が集積され、多数積み上げられた際にも、付設された間隔支持部材によって、積載圧が軽減され、破袋を防止でき、前記日本雑誌協会の自主基準にも適合できる見通しを得て本発明の完成に至ったものである。
【0007】
即ち、本請求項1の発明は、液体、粉体、粒状体などを充填、密封した包装袋において、該包装袋の平均厚さ以上の厚さを有する間隔支持部材を包装袋の外側面に設けたことを特徴とする包装袋からなる。
そして、本請求項2の発明は、前記間隔支持部材が、ホットメルト材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
また、本請求項3の発明は、前記間隔支持部材が、合成樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋からなっている。
【0008】
【作用】
本発明の積載圧を軽減できる包装袋は、液体、粉体、粒状体などを充填、密封した包装袋において、該包装袋の平均厚さ以上の厚さを有する間隔支持部材を包装袋の外側面に設けた構成である。
従って、この包装袋を雑誌等の所望の頁に粘着剤などにより再剥離可能に貼り付け、更に、その雑誌を集積し、高積みした場合でも、包装袋の外側面に設けた間隔支持部材が積み上げによる積載圧を受け止め、包装袋に掛かる圧力を軽減することができる。
【0009】
また、前記間隔支持部材をホットメルト材で形成する場合には、ホットメルト材として固化後も軽度の粘着性を有するものを用い、これを包装袋の下側面、即ち、包装袋を雑誌等に貼り合わせる面に設けることにより、前記積載圧を軽減できると同時に、雑誌等の頁となる台紙への貼り合わせに際して、改めて接着剤を用いなくても脱落しない程度に接着できる。
また、前記間隔支持部材を合成樹脂で形成する場合には、種々の樹脂を使用でき、それぞれに適した成形法が採れるため形状、寸法など精度のよい間隔支持部材を製造でき、確実且つ安定して積載圧を軽減できる。
【0010】
以下に、図面および実施例により、本発明を詳細に説明する。只、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の一実施例の構成を示す模式平面図であり、また、図1の(ロ)は、(イ)に示した包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
図1の(イ)に示した包装袋1は、液体状などの内容物を充填し、密封した四方シール形式の包装袋であって、その四隅のヒートシール部2の中の長辺側の二隅のヒートシール部の外面(下側)に間隔支持部材3a 、3b を粘着剤またはヒートシール剤などで接合した構成である。
また、図1の(ロ)において、包装袋1を台紙4上に貼り付ける方法は、包装袋1に接合した間隔支持部材3a 、3b と台紙4との間で貼り合わせてもよく、また、包装袋1と台紙4との間の部分で貼り合わせてもよい。また、この貼り合わせには、最終的には包装袋1は台紙4から剥がして使用するものであるため、再剥離可能なように、粘着剤、或いはホットメルトなどの中で接着力のそれほど強くないタイプの接着剤を用い、更に、必要に応じて台紙4の表面、およびこれに接して重なる頁面に軽度の剥離性を付与できる樹脂層(オーバープリント層など)を設けることが好ましい。
【0011】
図2の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、図2の(ロ)は、上記(イ)に示した包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
図2の包装袋1は、前記図1の包装袋の場合、間隔支持部材3a 、3b を包装袋1の下側面に取り付けて、台紙4に貼り合わせたのに対して、包装袋1の上側面に間隔支持部材3a 、3b を取り付けて、包装袋1と台紙4との間で包装袋1を台紙4に貼り合わせたものである。このような間隔支持部材3a 、3b の取り付け方をしても図1の場合と同様に、積載圧の軽減効果を得ることができる。只、包装袋1の表面に直接間隔支持部材3a 、3b が見えるため異物感が強く、外観の点では図1のように包装袋1の下側面に取り付けることが好ましい。
【0012】
図3の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の更に別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、図3の(ロ)は、上記図3の(イ)に示した包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
図3の(イ)に示した包装袋1は、間隔支持部材3c を袋の下側表面の対角線となる位置に取り付けたものである。この場合、包装袋1の台紙4への貼り合わせは、図3の(ロ)に示すように、間隔支持部材3c と包装袋1の両方が台紙4に接するため、そのどちらかで台紙4に貼り合わせればよい。貼り合わせの方法は、図1で説明した方法と同様であり再剥離可能に行うことが好ましい。
また、図3の場合も、間隔支持部材3c は包装袋1の上側面に取り付けることもでき、積載圧を軽減する効果も同様に得られるが、外観の点で、図2の例と同様に好ましくないため、包装袋1の下側面に取り付けて台紙4に貼り合わせることが好ましい。
【0013】
以下に本発明の積載圧を軽減できる包装袋の構成材料等について説明する。
(袋の構成材料)
先ず、本発明の包装袋の袋の部分に使用する材料は、充填する内容物の種類に応じて、通常のフレキシブルパッケージで使用される材料をそのまま同様に使用することができる。
一般的には、袋の材料には積層フィルムが用いられ、その構成は、表面層/シーラント層、または、表面層/中間層/シーラント層のように積層したものである。上記の構成において、中間層は単層または二種以上の多層で構成される。また、上記各層の間には必要に応じて接着層を設けることができる。
【0014】
表面層は、印刷適性、ラミネート適性に優れ、引張り強度、引き裂き強度、衝撃強度等の総合的な機械的強度に優れると共に、耐溶剤性、耐薬品性のほか、ヒートシールの際の加熱に対する耐熱性などが必要である。
このような性能、条件を満たすフィルムとしては、例えば、2軸延伸ポリエステルフィルム、2軸延伸ナイロンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどのフィルム、或いは、これらに防湿性やガスバリヤー性を付与するためにポリビニデンクロライド(PVDC)などをコーティングしたフィルムが挙げられる。これらのフィルムの厚さは9μm〜40μm程度の範囲が適当である。
【0015】
中間層は、積層フィルムの機械的強度の向上、或いは、水蒸気や各種のガスバリヤー性などを向上させるために設けるものであり、目的に応じて例えばナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)など各種の樹脂膜やアルミニウム箔、或いは、アルミニウムや酸化珪素、アルミナなどの薄膜を真空蒸着などにより表面に被覆した樹脂フィルムなどが用いられる。中間層の厚さは、通常7〜50μm程度が適当である。
中間層を表面層に積層する方法は、中間層が予めフィルム状で準備されている場合には、従来公知のドライラミネーション法、或いは、ポリエチレンなどの熱接着性樹脂を表面層と中間層の間にTダイから押し出して圧着し、接着させる所謂サンドイッチラミネーション法などで積層することができる。また、ペレット状の樹脂を用いて加工する場合には、表面層のフィルムに直接押し出しコートして積層するか、或いは、一旦インフレーション成形などによりフィルム化し、これをドライラミネーション法で貼り合わせて積層することもできる。
尚、表面層のフィルムに中間層を積層する際、接着性安定化のため表面層の積層面にコロナ放電処理などを施し、更に、有機チタン系、ウレタン系、イミン系、ゴム系等の公知のアンカーコートを施すことができる。
【0016】
シーラント層は、積層フィルムの最内層に設けられており、積層フィルムが製袋される際に、シーラーの熱と圧により十分な強度で熱接着することが必要である。また、袋の最内層にあり、充填される内容物と直接接触することから耐内容物性も必要となる。
このようなシーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂(EEA)、アイオノマーなどのポリオレフィン系樹脂が使用でき、これらの中から内容物の種類に応じて適性のあるものを選択して使用することができる。
シーラント層の積層は、上記のような樹脂を押し出しコートして積層できるほか、予め上記樹脂をフィルム化し、これをドライラミネートして積層することもできる。只、本発明の包装袋では、強いヒートシール強度が要求されるため、ヒートシール強度をより強くできる後者のドライラミネート方式で積層することが好ましい。
このようなシーラント層の厚さは、通常15〜100μm程度が適当である。
【0017】
(製袋について)
本発明の包装袋は、以上のような材料を用いて作成した積層フィルムを製袋機により、袋状に熱接着させて作成する。袋の形態としては、三方シールタイプ、ピロータイプ、ガセットタイプなどが可能であるが、本発明の包装袋の場合、内容物を充填後、250kgf以上の大きな積載圧を掛けても破袋しないことが必要であり、この点ではヒートシール強度が最も強く安定できる三方シールタイプの袋が好ましい。
【0018】
(間隔支持部材)
本発明において、積載圧を軽減するために包装袋の外側面に設ける間隔支持部材の材質は、合成樹脂、ホットメルト材などが、加工性のよい点で好ましいが、これらに限定するものではなく、積載圧を軽減できる程度の硬さを有するものであれば何でも使用できる。例えば、プレスボード、バルカナイズドファイバー、合成樹脂含浸紙などの紙類、アルミニウム、その他の金属、セラミックス等の焼結体、或いは鉱物質など、これらの単体およびこれらを含む積層体なども使用できる。合成樹脂では、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂のほか熱硬化性樹脂も用いることができる。
【0019】
間隔支持部材の形状についても、積載圧を軽減でき、破袋を防止できる効果の得られるものであればどのような形状でもよく、図1、図3に示した形状のほか、例えば、包装袋の外周に沿った長方形の外枠形状、或いは、図1と図3の複合形状、リング(丸形)形状など、袋寸法と内容物の充填量を勘案して自由に決めることができる。そして、これらは一体型の部材で形成されていてもよく、また、複数の分離した部材で形成されていてもよい。
只、どのような形状を採るにしても、できるだけコンパクトな形状であることが、目立たなくできる点で好ましく、例えば、雑誌に添付する場合、厚さが1.5mmで、幅が2〜8mm程度の断面形状を有するスティック状の部材などを適宜組み合わせて形成することもできる。
【0020】
間隔支持部材にホットメルト材を用いる場合には、上記断面形状加工したノズルから加熱、軟化させたホットメルト材を所望の長さに押し出して包装袋の外側面の所定の位置に接着させればよい。
また、間隔支持部材に合成樹脂を用いる場合には、例えば、熱可塑性樹脂の場合、射出成形または異形押出成形法などにより、上記断面形状と所望の長さの成形品を作成し、これを両面粘着テープや粘着剤などにより包装袋の所定の位置に取り付ければよく、また、熱硬化型樹脂を用いる場合も圧縮成形法など成形方法が異なるだけで成形品の袋への取り付けは熱可塑性樹脂の場合と同様に行うことができる。
【0021】
更に、本発明の包装袋を雑誌等に添付する方法についても、間隔支持部材を取り付けた包装袋を雑誌等の所定の頁に直接貼り付けてもよく、また、別に用意した印刷入り台紙(単葉、二つ折り、三つ折りなど形式は自由)などに間隔支持部材および包装袋を予め貼り付けておいて、これを雑誌の所定の頁に、綴じ込み、貼り付け、或いは、輪ゴム止め(二つ折り、三つ折り形式の場合)などにより添付してもよい。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
下記の構成に作成した積層フィルムを袋の材料として、外形寸法が幅8cm、長さ12cmの長方形の三方シールタイプの袋をシール幅各8mmで加熱シールして製袋した。(袋の総面積96cm2 )
この袋にシャンプー8ccを充填、脱気し、シール幅8mmで加熱シールして密封した後、長辺側の両サイドのシール部上に、幅が略2.5mm、厚さ1.5mm、長さが略11cmとなるようにホットメルト材〔P−1000 旭化学合成(株)製〕を塗布し、固化させて実施例1の包装袋を作成した。(包装袋の充填部分の面積66.56cm2 、充填後の包装袋の平均厚さは略1.2mm)
積層フィルムの構成
(表面層)2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/(中間層)アルミニウム箔(厚さ7μm)/2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)/(シーラント層)線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(厚さ50μm)〔総厚84μm〕
尚、上記各層の積層は総てドライラミネーション法により行った。
【0023】
(実施例2)
実施例1の包装袋の構成において、間隔支持部材のみを幅3mm、厚さ1.5mmで、長さが11cmのABS樹脂の成形品に換え、これを両面粘着テープで包装袋の両サイドのヒートシール部に取り付けた以外は総て実施例1と同様に加工して実施例2の包装袋を作成した。
【0024】
(実施例3)
実施例2の包装袋の構成において、間隔支持部材の寸法を長さのみ13cmに変更し、更に、包装袋への取り付け位置を、長方形の包装袋の対角線に相当する部分に変更して(1本のみ)取り付けた以外は総て実施例2と同様に加工して実施例3の包装袋を作成した。(包装袋に平面で荷重を掛けた際の包装袋の平均厚さは略1.27mm)
【0025】
(比較例1)
実施例1の包装袋の構成において、間隔支持部材の取り付けのみを省略し、その他は総て実施例1と同様に加工して比較例1の包装袋とした。
【0026】
(耐圧性試験および結果)
以上のように作成した実施例1〜3および比較例1の包装袋について、これらが雑誌等の中に添付され、それが集積されて高く積み上げられた際に、各包装袋がその積載圧に耐えられるかどうかを調べるため、下記の方法で耐圧性試験を実施した。
耐圧性試験の方法
実施例1〜3および比較例1の包装袋を各10個サンプリングし、それぞれを厚さが略10mmの雑誌の中心部に挿入し、頁に固定してテスト試料とした。
この時、実施例1の包装袋は、ホットメルト材による間隔支持部材の取り付け面を下に向けて挿入し、ホットメルト材の軽い粘着により頁に固定した。
また、実施例2、3の包装袋は、それぞれの間隔支持部材の上に、更に両面粘着テープを貼り付けた後、その面を下に向けて挿入し、頁に貼り付けた。
そして、比較例1の包装袋は、その袋の表面に長辺側に沿って、幅6mmで、長さ3cmの両面粘着テープ2枚を3cmの間隔をあけて平行に貼り付けた後、その面を下に向けて挿入し、頁に貼り付けた。
以上のように準備した各試料を1個ずつ、圧縮試験機により、3000kgfの荷重を掛けた後、各試料の包装袋について破袋(洩れ)の有無を調べた。
【0027】
上記の耐圧テストの結果は、実施例1〜3の包装袋については、いずれも破袋(洩れ)の発生がなく良好であった。これに対して比較例1の試料の包装袋は、ヒートシール部の端部のフィルム切れ、或いは、シール部の部分的な剥がれなどによる破袋(液洩れ)が認められた。
これは、実施例の包装袋に付設した間隔支持部材が、包装袋に掛かる圧力を軽減する点で有効に働いたことを示すものであり、本発明の包装袋は、雑誌等に添付しても破袋などの問題を生じないことを示している。
【0028】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように本発明の包装袋は、液体、粉体、粒状体などの内容物を充填、密封した包装袋において、その包装袋の平均厚さ以上の厚さを有する間隔支持部材を包装袋の外側面に取り付けた構成である。
このような構成を採ることにより、包装袋に液体状などの内容物を商品サンプルとして充填、密封し、これを雑誌やカタログなどの頁となる台紙上に粘着剤などにより再剥離できるように貼り付けた場合、包装袋が雑誌等から脱落することを防止でき、必要な場合には、容易にこれを剥がすことができる。また、包装袋を貼り付けた雑誌等を集積し、高く積み上げた場合にも、その積載圧を間隔支持部材が受け止めるため、包装袋に掛かる積載圧を軽減でき、破袋などの事故を防止することができる。
また、間隔支持部材自体は、細長い板状でもよく、安価に製造でき、包装袋への取り付けも容易で、包装袋として雑誌等の台紙に貼り付けた後も表面から見えないようにでき、外観においても優れている。
【0029】
また、本発明の包装袋において、間隔支持部材をホットメルト材で形成する場合には、例えば、ノズルから吐出させて塗布する方式のアプリケーターを用いて、ホットメルト材を包装袋の所定部分に厚さが略1.5mmになるように、所定の長さで塗布することにより、間隔支持部材とすることができ、この場合には、間隔支持部材を包装袋に取り付ける際の接着剤、及び、雑誌等の台紙面に包装袋を貼り付ける際の接着剤を間隔支持部材自体が兼ねることができる。
また、間隔支持部材を合成樹脂で形成する場合には、使用する樹脂に応じて適した成形法で成形できるため、形状、寸法など、精度がよく、外観にも優れた間隔支持部材を生産性よく製造でき、安定した積載圧の軽減が可能となり、確実に破袋を防止することができる。
そして、包装袋の寸法を25cm2 〜100cm2 とし、間隔支持部材の厚さを1.5mm迄とし、内容物の充填量を袋の平均厚さが1.5mm以内となるように調整することにより、日本雑誌協会が自主基準として規定する「雑誌作成上の留意事項」の「形式・材質」広告のサンプル(現物見本)添付の項目に適合する包装袋とこれを添付した雑誌を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の一実施例の構成を示す模式平面図であり、(ロ)は、上記(イ)の包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
【図2】図2の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、(ロ)は、上記(イ)の包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
【図3】図3の(イ)は、本発明の積載圧を軽減できる包装袋の更に別の一実施例の構成を示す模式平面図であり、(ロ)は、上記(イ)の包装袋を雑誌等の頁となる台紙上に貼り合わせた状態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 包装袋
2 ヒートシール部
3a 、3b 、3c 間隔支持部材
4 台紙
Claims (3)
- 液体、粉体、粒状体などを充填、密封した包装袋において、該包装袋の平均厚さ以上の厚さを有する間隔支持部材を包装袋の外側面に設けたことを特徴とする包装袋。
- 前記間隔支持部材が、ホットメルト材により形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装袋。
- 前記間隔支持部材が、合成樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装袋。
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