JP3654837B2 - パケットバッファ装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、パケットバッファ装置に関する。特に、複数のATM(非同期転送モード)セルをパケット化して、送受信するシステムにおいて、VC(仮想チャネル)多重されたセルをVC単位でセルのままパケットに組み立て出力するパケットバッファ装置に関する。
背景技術
セルをパケット化して送受信するシステムの一例として、図16に示すシステムが想定される。さらに、特開平9−34816号公報に類似システムが開示されている。IPプロトコルでユーザ間が接続されたLANネットワーク100と、大規模IPネットワーク200とがカプセル化装置201で接続されている。
LANネットワーク100は、IPパケットをATM(非同期転送モード)セル化(IPオーバATM)し、LLC(Logical Link Control:論理リンク制御)及び,SNAP(Subnetwork Access Point)を付加して、カプセル化している。
一方、大規模IPネットワーク200は、カプセル化装置201において、このカプセル化されたIPパケットに独自の網内ヘッダを付加してカプセル化して網内転送用としている。また、大規模IPネットワーク200からは、LANネットワーク100のユーザに転送する際は、カプセル化装置201において、網内ヘッダを削除している。
図17は、AAL(ATM Adaptation Layer:高位レイヤから来るユーザのアプリケーションデータを整数倍に調製、分割するレイヤをいう)タイプ5のATMセルフォーマットであり、5バイトのヘッダと、48バイトのペイロードを有する。5バイトのヘッダ部分には、仮想チャネル識別(VCI)及び、パケットを構成するセルの最終セル表示フラグPT0を有している。
ユーザ102から、IPパケットが図17に示すセルフォーマットで出力される。このATMセルのIPパケットは、図18に示すようにカプセル化されている。
すなわち、1フレーム最大65535オクテッドとなるようにAT20.Mセルをパケット化し、図18(A)に示すように、これにパケット長が48バイトの整数倍となるように、1〜47バイトのPADが挿入される。さらに、8バイトのトレイラが付加される。8バイトのトレイラには、ユーザ情報、フレーム長情報、CRCチェック情報が含まれる。
また、IPパケットのフレームには、カプセル化の為に3バイトの上記LLC,5バイトの上記SNAPを有している。図16の集積装置101で、複数の仮想チャネルに対し、カプセル化されたIPパケットのATMセルがVC多重化される。
このVC多重化されたATMセルから、VC毎にパケット分離することは、ATMセルのヘッダのVCIを参照し、更に、最終セルフラグPT0を検知することにより可能である。
カプセル化装置201は、ユーザ102からのパケットセルに対し、AAL5で終端し、送出方路を識別してVCを付け替え、図18(B)に示すように、大規模IPネットワーク200内の独自の網内ヘッダを付加する。そして、コネクションサーバ202に送出する機能を有する。
一方、カプセル化装置201は、大規模IPネットワーク200にあるコネクションサーバ202からのパケットを、AAL5で終端する。さらに、網内で付けられた独自のヘッダを削除し、送出先ユーザ102を識別して、VCを付け替え該当のユーザに向けて送出する機能を有する。ここで大規模IPネットワーク内の複数ルートから同一ユーザへ同時にパケットを受信した場合、異なったパケットが送出先対応の同一VCを付与されて送出され混在消失するのを防ぐため、セルをパケット化してから送出する。
なお、LANネットワーク100内の、ユーザからユーザへのパケットセルに対しては、網内の独自のヘッダの付加/削除は行われない。
したがって、上記のようなカプセル化装置201の機能の実現のために、セル単位でパケット化して蓄積するバッファ機能が必要である。
図19は、かかるバッファ機能を実現するパケットバッファ装置の一構成例のブロック図である。図19に示す構成のパケットバッファ装置では、受信されたパケットをパケットバッファメモリ210に格納退避する。ソフトウェア又はファームウェアにより、パケットのヘッダを読み出し、解析して新たなヘッダを付加してパケットを送出している。
すなわち、図19において、受信されたパケットは、パケットバッファメモリ210に一旦格納される。パケットバッファメモリ210との間で、DMA回路211通して順次転送されるパケットをセル分解・組立部(CLAD:Cell Assembly & Disassembly)212で、所定のヘッダ読取、ヘッダ解析を行う。網内用ヘッダを作成後に、当該ヘッダの付加によりカプセル化してパケットの送出を行う。
このようなセル分解・組立部212における処理は、ヘッダ解析・作成ソフトウェア又は、ファームウェア213に従い、マイクロプロセッサ214により実行制御される。
ここで、マイクロプロセッサ214によるソフトウェア又は、ファームウェア213の制御によってセル分解・組立部212の処理を実行する場合は、処理時間の短縮が難しく高速多重回線を扱う場合、ヘッダの付加処理が回線収容能力のネックとなる。
したがって、近年の回線の高速化、大容量化に対応して、パケットヘッダの解析・作成をハードウェアにより高速化させる必要が生じている。しかし、パケットのヘッダの解析、付加をパケットの流れに同期させて処理する場合、ヘッダの解析、付加処理を一定期間内で行う必要がある。
そこで処理時間が一定でない場合は、最大の処理遅延に対応出来る様にある程度のパケット量をバッファする機能が必要である。
発明の概要
したがって、本発明の目的は、パケットの組立とパケットヘッダの解析、付加を行うことが同時に可能であるパケットバッファ装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、パケット組立で使用するバッファ及び、パケット組立に要する時間をパケットのヘッダ解析・付加処理に効率的に使用するパケットバッファ装置を提供することにある。
上記本発明の課題を達成するパケットバッファ装置は、VC(仮想チャネル)多重されたATM(非同期転送モード)セルを受信し、VC毎にセルのままパケットを組立て、パケット単位で出力するパケットバッファ装置を対象とする。
構成として、受信したパケットをセル単位に格納する複数のセルバッファを有するパケットバッファメモリと、このパケットバッファメモリのセルバッファ対応に、バッファ管理情報を保持するバッファ管理メモリと、VC毎に該パケットバッファメモリへのパケットの先頭セルから最終セルまでの格納の途中のパケット組立中キューを形成する組立中ポインタと、前記先頭セルを解析して、新たなヘッダセルを作成するヘッダ解析・作成手段を有する。そして、前記ヘッダ解析・作成手段は、作成された新たなヘッダセルを該パケット組立中キューの先頭セルとして書き込みを行うことを特徴とする。
また、一の態様として、前記パケットバッファメモリへのパケットの先頭セルから最終セルまでの格納によりパケットが組み立てられ、且つ前記新たなヘッダセルの書込の完了を検知し、前記組立中ポインタで形成されるパケット組立中キューを出力待ちキューに繋ぐ様に制御するシーケンス制御部を有する。
さらに、一の態様として、前記新たなヘッダセルの先頭セルとして書き込みは、該ヘッダセルの付加、ヘッダセルとの置換又は、先頭セルの無変換処理を含む。
さらにまた、一の態様として、前記パケットバッファメモリは、パケットの先頭セルを受信した時、先頭セルに対応して、リンクする2つのセルバッファを確保し、この該確保された2つのセルバッファの2番目のセルバッファから、受信するパケットのセルを格納することを特徴とする。
また、一の態様として、前記ヘッダ解析・作成手段は、作成された新たなヘッダセルを前記パケット組立中キューの先頭セルとして書き込みを完了した情報と、付属情報を出力し、前記シーケンス制御部は、前記付属情報を参照して廃棄指示である場合、前記組立中ポインタで形成されるパケット組立中キューを、出力待ちキューに繋ぐことなく廃棄するように制御する。
さらに、前記新たなヘッダセルの内容をパケットの後続するセルのヘッダにコピーして出力することを特徴とする。
本発明の更なる課題及び、特徴は以下の図面を参照して説明される実施の形態から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に従うパケットバッファ装置の実施例の構成を説明する図である。
図2は、バッファ制御部3の動作を説明する図である。
図3は、バッファ制御部のビット変換回路の実施例ブロック図である。
図4は、図3の実施例回路に対応するタイムチャート図である。
図5は、バッファ管理部の動作を説明する図である。
図6は、バッファ管理メモリの内容を説明する図である。
図7は、バッファ管理のためのバッファ間のリンクを説明する図である。
図8は、ヘッダ書込完了の通知を説明する図である。
図9は、ヘッダ書込完付属情報を説明する図である。
図10は、ヘッダのコピー機能を行う回路の実施例である。
図11は、バッファ管理部のパケット組立処理の実施例フロー図である。
図12は、バッファ管理部のヘッダ書込完監視の実施例フロー図である。
図13は、バッファ管理部のパケット組立処理の他の実施例フロー図である。
図14は、バッファ管理部のヘッダ書込完監視の他の実施例フロー図である。
図15は、バッファ管理部のパケット送出処理の実施例フロー図である。
図16は、セルをパケット化して送受信するシステムの一例を説明する図である。
図17は、AAL5ATMセルフォーマットを示す図である。
図18は、IPオーバATM及び、網内ヘッダによるカプセル化を説明する図である。
図19は、従来のパケットバッファ装置を説明する図である。
発明を実施するための最良の形態
以下本発明の実施の形態を図面に従い説明する。なお、図において、同一又は、類似のものには同一の参照番号又は、参照記号を付して説明する。
図1は、本発明に従うパケットバッファ装置の実施例の構成を説明する図である。かかるパケットバッファ装置の機能として、LANネットワーク100(図16参照)のユーザ側から送られるVC多重化セルを受信し、これをVC(仮想チャネル)毎に組み換えてパケットを組立てる。
さらに、これに大規模IPネットワーク200の網内の独自のヘッダを付加してカプセル化して出力する機能を有する。
反対に、大規模IPネットワーク200から送られるカプセル化されたパケットから独自のヘッダを削除してネットワーク100のユーザ側に送り出す機能を有する。
図1において、セル監視部1は、VC多重化されたIPパケットをネットワーク100から受信し、若しくは、ネットワーク200から網内用ヘッダの付いたパケットを受信する。
受信されたパケットから、セル監視部1において、VC(仮想チャネル)毎に、パケットの先頭セルと最終のセル情報が抽出される。この先頭セルと最終のセルは、先に説明したように、ペイロードタイプ(PT)がPT0が“1”時、パケットの最終セルを表す。従って最終セルの次に現れる該当のVCのセルが先頭セルとなる関係から検知可能である。
セル監視部1を通過したセルは、同期信号とともに、バッファ制御部3に入力される。さらに、抽出された先頭セルと最終のセル及び、VC(仮想チャネル)情報が、同期信号とともに、バッファ管理部4に入力される。パケットバッファメモリ2は、セル単位でパケットを格納するメモリである。
バッファ制御部3は、受信パケットのパケットバッファメモリ2への受信パケットのセル単位での書込及び、送信パケットのパケットバッファメモリ2から送信パケットのセル単位での読出を制御する。
この時、バッファ制御部3は、同期信号を基にタイミング作成部30で作成されるタイミング信号に従い、メモリ制御部31によりセル単位での書込み、読み出しを制御する。
この時のセル単位での書き込み、読み出しを行うアドレスは、バッファ管理部4から送られ、アドレス保持回路32に保持されている。
さらに、バッファ制御部3は、ヘッダ解析・作成部7から送られるヘッダセルのパケットバッファメモリ2への書込、ヘッダ解析・作成部7へのヘッダセルの読出を、同様にメモリ制御部31により制御する。
この時のヘッダセルの書き込み、読み出しを行うアドレスは、ヘッダ解析・作成部7から送られ、別のアドレス保持回路33に保持されている。
ここで、バッファ制御部3では受信セルの書込みと、送信セルの読み出し及び、ヘッダセルの書込みとヘッダセルの読み出しが同時に発生する場合の考慮が必要である。
そのために、バッファ制御部3の動作を説明する図2におけるセルの書込み、読み出しタイムチャートにより示されるように、バッファ制御部3は、上記受信セルの書込みと、送信セルの読み出し及び、ヘツダセルの書込みとヘッダセルの読み出し動作を、1セル時間内に行う。これによりアクセス時間を保証している。
すなわち、図2において、1セル通過時間内に、実施例として、パケットバッファメモリ2に受信したセルの書込み(1)、ヘッダセルの書込み(2)、パケットバッファメモリ2からのセルの読み出し(3)及び、ヘッダセルの読み出し(4)を行う。
さらに、図1の、バッファ制御部3の特徴として、第1〜第4のビット幅変換回路34〜37を有し、それぞれ8ビット並列で転送されるセルデータに対し、8←→64ビット変換を行う。
図3に、8←→64ビット幅変換回路34〜37の構成例を示す。それぞれ8ビット並列データのシフトレジスタを8列分有して構成される。ビット幅変換回路34、35は、セル監視部1から入力される8ビット並列の受信セル及び、ヘッダ解析・作成部7から送られる8ビット並列のヘッダセルを64ビットにそれぞれ変換して、パケットバッファメモリ2に書き込む。
反対に、ビット幅変換回路36、37は、パケットバッファメモリ2から読み出される64ビット並列の送信セル及び、ヘッダセルを8ビット並列に変換し、それぞれトレイラ付加回路6及び、ヘッダ解析・作成部7に送る。
図2のタイムチャートにおいて、8→64ビット幅変換回路34、35は、それぞれ、8ビット並列のデータセル及び、ヘッドセルを64ビット並列に変換するビット幅変換処理と、書込み処理を1セル通過期間内で行う。
同様に、64→8ビット幅変換回路36、37は、それぞれ、64ビット並列のデータセル及び、ヘッドセルの読み出し動作と、8ビット並列に変換するビット幅変換処理を1セル通過期間内で行う。
このように、パケットバッファメモリ2へ書込み、読み出しを64ビット幅で行うことにより、アクセス回数を減らすことが可能である。この様子を図3の実施例回路に対応する図4のタイムチャートを参照して更に説明する。
本実施例では、パケットバッファメモリ2に、シンクロナスDRAMを用いて、受信1セル分の書込み・送信1セル分の読み出し及び、1セル分のヘッダ書込み・1セル分のヘッダ読出を、それぞれ64ビットずつ7回の書込、読出しで行っている。
また各々のセルの同期信号(セルTOP)は、図4に示されるようにずらせばよい。しかし、外部条件で各々のセルTOP▲1▼〜▲4▼の位相が決められている場合では、ビット変換回路34〜37内で必要な位相をずらすことにより実現可能である。
なお、パケットバッファメモリ2にシンクロナスDRAM以外のメモリを使用した場合でも、同様にビット変換とセルTOPの調整により、アクセス回数の削減が可能である。
一方、図1において、バッファ管理部4は、先に説明したように、セル監視部1から、同期信号とともに、VC(仮想チャネル)毎のパケットの先頭セル及び、最終セル及び、VC情報をシーケンス制御部40で受信する。
バッファ管理部4は、パケットの先頭セルを受信する度に、ヘッダ付加用のバッファNo.及び、ヘッダ読取り用のバッファNo.をバッファ5に格納する。なお、バッファ5としてFIFOメモリを用い、先頭セルの格納されるパケットバッファメモリ2のバッファNo.を順次書き込むことによりキューが形成される。
ヘッダ解析・作成部7は、バッファ5にバッファNo.が格納されていることを識別し、バッファNo.を取り出す。このバッファNo.がヘッダ読取り用である場合は、バッファ制御部3のヘッダ読出し書込みアドレス保持回路33に対し、パケットバッファメモリ2の該当のバッファNo.からヘッダセルを読取ることを要求する。これにより、バッファ制御部3のメモリ制御部31の制御によりヘッダセルが読み出される。
一方、ヘッダ解析・作成部7は、バッファ5に格納されるバッファNo.が受信ヘッダセルに対し、新ヘッダを作成し付加するためである時、バッファNo.を付加してバッファ制御部3を通してパケットバッファメモリ2に書き込む。
さらに、ヘッダ解析・作成部7は、ヘッダをパケットバッファメモリ2に書き込むと同時に、ヘッダ書込み完了通知及び付属情報をバッファ管理部4の書込み完了付属情報の受信回路43に通知する。
ここで、バッファ管理部4の詳細を、図5の動作フローを参照して説明する。シーケンス制御部40は、バッファ管理部4の全体動作を制御する。VC(仮想チャネル)毎のパケットの先頭セル、及び最終セル情報から、セル書込読出指示回路41を通して、アドレス保持回路32にセルデータを書き込む先の、パケットバッファメモリ2の空きバッファエリアのアドレスを送る。
したがって、メモリ制御部31の制御の下に、パケットバッファメモリ2にセル単位でセルデータが書き込まれる。
ここで、バッファ管理部4は、バッファ管理メモリ44を有し、バッファ管理メモリ44は、パケットバッファメモリ2にセルバッファ単位に付与されたバッファNo.(=1〜n)と、1対1に対応してバッファ管理情報を格納する複数の管理エリアを有する。
1つのバッファ管理エリアに記憶されるバッファ管理情報440は、1つのセルに対しての、バッファリンク情報440a,(ヘッダ書込完了フラグ+付属情報)440b及び、ヘッダ書込待ち制御情報440cを有する。
その詳細が、図6に示される。バッファリンク情報440aは、パケットバッファメモリ2の次のバッファNo.を記録する。これにより、パケットバッファメモリ2にセル単位に記憶される、受信した1つのパケットの先頭セルから最終セルまでをリンクすることが出来る。
かかるリンクの様子を図7に示す。図7(A)は、パケットバッファメモリ2の記憶内容である。バッファNo.(0),(a),(b),(c)は、1つのIPパケットに含まれるセルに対して確保されたエリアであり、バッファNo.(d),(e),(f)は、別のIPパケットに含まれるセルに対して確保されたエリアである。
図7(B)は、対応するバッファ管理メモリ44の内容であり、パケットバッファメモリ2のセル単位に対応するアドレス位置に、次のセルの記憶されるバッファ管理メモリ44上のリンク位置(ポインタ)が記録されている。
例えば、パケットバッファメモリ2のバッファNo.(0)に記憶されるセルに対応して、バッファ管理メモリ44には、次のリンクされるバッファNo.(a)が記録されている。さらに、パケットバッファメモリ2のバッファNo.(a)に記憶されるセルに対応して、バッファ管理メモリ44には、次のリンクされるバッファNo.(b)が記録されている。
この様にして、図7(C)に示す様に、パケット毎に先頭ポインタ値から最終ポインタ値までのリンク[バッファNo.(0),(a),(b),(c)のリンク及び、バッファNo.(d),(e),(f)のリンク]が可能である。このリンクに従って、パケットバッファメモリ2からパケットに含まれるセルの順次の読み出しが可能である。
図5、図6に戻り説明すると、バッファ管理メモリ44に記憶されるバッファ管理情報の内、ヘッダ書き込み待ち制御情報440cは、VC(仮想チャネル)の入れ換えによりパケット組立が完了し、且つヘッダ書込待ちの時に、一旦退避格納されるパケット組立済情報である。そして、ヘッダ書込完了フラグと、ヘッダ書込付属情報440bを有する。
ここでパケット組立が完了するとは、先に説明した様に、1のパケットの先頭セルから最終セルまで全てのセルデータがパケットバッファメモリ2に格納され、且つ、バッファ管理メモリ44のバッファリンク情報により、先頭セルから最終セルまでリンクされた状態を意味する。
ヘッダ書込完了フラグは、後に図8に従い説明される様に、ヘッダ解析・作成部7の制御により、1つのパケットに付与される新たな先頭セル(ヘッダセル)がパケットバッファメモリ2に書込まれた時点でオンとされる。
さらに、ヘッダ書込付属情報として、ヘッダ書込完了時点における付属情報が格納される。ここで、ヘッダ書込完了の時点における付属情報は、ヘッダ付加種別及び、パケット廃棄指示がある。
また、バッファ管理メモリ44に記憶されるバッファ管理情報440の内、ヘッダ書込待ち制御情報440cは、ヘッダ書込待ちフラグ、パケット内セル数及び、最終セルのバッファNo.等の情報を有する。
ヘッダ書込待ちフラグは、パケットの組立が完了し、且つヘッダ書込が未了の時にオンとされる。パケット内セル数は、組立完了済のパケット内のセル数を示す。最終バッファNo.は、図7(C)で説明したような、組立済パケットのバッファリンクの最終セルのバッファNo.を示す。
図5において、パケットバッファメモリ2のそれぞれのセルバッファは、その使用状態で、空きバッファキューIBQ、組立て中キューUCQ、出力待ちキューOWQを形成する。
各キューの状態は、バッファ管理部4のそれぞれ空きバッファポインタ45、組立て中ポインタ46、出力待ちポインタ47で制御される。各ポインタ間は、先頭及び、最後尾ポインタでリンクを繋いでいる。先頭のバッファNo.及び、最後尾のバッファNo.を格納し、キュー間でセルバッファの移動があるたびにポインタの更新を行う。
ここで、VC毎に組立中キューが必要であるため、VC数が多くなる場合、組立て中ポインタ46はそのVC数に対応する多数個が必要である。したがって、組立て中ポインタ46は、スタティックRAMを用いて構成することが有利である。一方、空きバッファポインタ45及び、出力待ちポインタ47は、それぞれ1つのキューを形成するので、簡単なレジスタを用意すれば足りる。
シーケンス制御部40は、ここで、パケットの組立てが完了した時即ち、パケットの先頭セルから最終セルまでパケットバッファメモリ2に書き込まれた時、バッファ管理メモリ44のバッファ管理情報440中のエリア440bにおいて、ヘッダ解析作成部7より新たなヘッダが書き込まれているときヘッダ書込み完了フラグがオンとされている。したがって、シーケンス制御部40は、ヘッダ書込み完了フラグを参照して、ヘッダの書込みが完了したか否かをチェックする。
そして、ヘッダの書込みが完了していた場合のみ、組立済のパケット(組立て中キューUCQ内のセル)を出力待ちキューOWQに繋ぎ、組立中キューUCQを開放する。これは、出力待ちキューOWQのポインタ47と、組立中ポインタ46を更新することにより可能である。
パケットの組立てが完了した場合であって、ヘッダの書込みが今だ完了していない場合は、組立て済のパケットの先頭セルのバッファNo.に対応するバッファ管理メモリ44のヘッダ書込み待ち制御情報エリア440cのヘッダ書込み待ちフラグがオンとされる。
さらに、最終セルバッファNo.及び、パケット内セル数をヘッダ書込み待ち制御情報エリア440cに格納する。これにより、パケット毎に書込み待ちキューWWQとして待避される。そして、組立て中キューUCQは、次パケット受信用に開放可能となる。
また、ヘッダ解析・作成部7から受信回路43へのヘッダ書込み完了通知時に、付属情報としてヘッダ付加種別及び、パケット廃棄指示が、図6に示すバッファ管理メモリ44のバッファ管理情報エリア440bに書き込まれる。
したがって、シーケンス制御部40がバッファ管理情報エリア440bを参照してパケット組立て完了、且つヘッダの書込み完了を識別した時、付属情報のパケット廃棄指示がオンしていた場合、パケットを出力待ちキューOWQに繋げずに廃棄し、使用バッファを空きバッファIBQに繋げる。
ここで、パケットが廃棄される場合とは、例えば、転送先アドレスが読みとれなかった場合等である。
図8に、上記のヘッダ書込み完了通知の処理概要図を示す。今、ヘッダ解析・作成部7において、バッファ制御部3を通して、パケットバッファメモリ2のセルバッファNo.bからヘッダを読み出し解析する。大規模IPネットワーク200に転送すべきパケットである場合、大規模IPネットワーク200内転送用の新ヘッダをセルバッファNo.aに書き込む。
さらに、この時、ヘッダ解析・作成部7は、バッファ管理部4のヘッダ書込み完了及び付属情報の受信回路43を通して、バッファ管理メモリ44のバッファ管理情報エリア440bの書込み完了フラグをオンにする。同時に付属情報を設定する。
このように設定されたバッファ管理情報エリア440bを参照して、パケットが組立て完了し、且つヘッダ書込み完了後、廃棄指示でない場合、出力待ちキューOWQに繋がれ、順に送信される。
ここで、セル送出処理において、シーケンス制御部40は、パケットの先頭を監視し、パケットの先頭セル送信時に、図6に示す付属情報のヘッダ付加種別を読み取る。図9(A)に改めて示す様に、ヘッダ書込完了時の付属情報は、パケットの廃棄と、ヘッダの付加種別がある。
ヘッダの付加種別として、更にヘッダ解析・作成部7により書かれたヘッダを受信ヘッダの上に被せて送出(種別:付加)するか[図9(B)▲1▼]、受信ヘッダに置き換えて送出(種別:置換)するか[図9(B)▲2▼]、あるいはまたは受信ヘッダをそのまま送出(種別:無変換)するか[図9(B)▲3▼]を判定される。
図9(B)において、RHは受信パケットのヘッダセルであり、SHはヘッダ解析・作成部7により送信パケットに付加されたヘッダセルである。また、Eはパケットの最終セルを示す。
ここで、図9(B)に示される様に、受信パケットに対して、送信パケットが受信パケットのヘッダセルRHと、付加されたヘッダセルSHを有する場合[図9(B)▲1▼]がある。
したがって、かかるケースに対応するべく、シーケンス制御部40が、パケットの先頭セルを受信した時、パケットバッファメモリ2に先頭セル(ヘッダセル)書込用として、リンクする2つのバッファNo.エリアを確保する。パケットを受信した時には、2つ目のめのバッファNo.エリアから格納していく。
一方、ヘッダ解析・作成部7は、図8において先に説明したように、受信ヘッダセルに対し、新ヘッダを作成し、セルバッファNo.を付加してバッファ制御部3を通してパケットバメモリ2に書き込む。さらに、ヘッダ解析・作成部7は、ヘッダを書き込むと同時にヘッダ書込み完了通知及び付属情報をバッファ管理部4の書込み完了付属情報の受信回路43に通知する。
ここで、ヘッダ解析・作成部7より作成された新ヘッダに付加されるセルのATMヘッダ内部のVP1,VC1,PT(Payload Type),CLP(Cell Loss Priority)を、同一パケットの後続のセルに対しても搭載する必要がある。
このために実施例として、パケットバッファ2からのセル出力時に、パケット内の後続セルにこれらの情報をコピーする。これにより新たなパケットヘッダの付加と共に、パケットのVC変換が可能である。
図10は、かかるコピー機能を行う回路の実施例である。図10において、バッファ制御部3から出力されるパケットのATMセル列は、図10のAに示す如くである。このATMセルの先頭セル列には、新らしいヘッダが付加されている。これに後続するセルは、旧のヘッダが付けられたままである。
そこで、セルヘッダコピー回路8が用意される。バッファ80と、先頭セルのヘッダを抽出保持する回路81を有する。回路81により抽出保持された先頭セルのヘッダをタイミング回路83からのタイミング信号に同期して、後続するセルのヘッダに上書きする。
これにより、コピー回路8の出力は、図10のBに示す如くに先頭セルの新しいヘッダを後続するセルに対しても付加することが可能である。なお、ATMヘッダのコピー範囲を予め定めて置くことにより必要な情報のみを残すことが可能である。
回路8の出力は、さらに、回路6において、セル長及び、CRC演算結果が付加され、カピセル化されて送り出される。
次に、図11乃至図15の動作のフローにより更に、本発明の上記のバッファ管理の実施例動作を順に説明する。
図11は、パケット組立処理フローであり、シーケンス制御部40により、セルを受信し、VC毎にパケットの先頭セルから最終セルまでリンクしながらパケットバッファメモリ2に格納することによりパケットの組立を行う(ステップS1)。
したがって、最終セルまで受信し、パケットの組立が完了したかを判断し(ステップS2)、パケットの組立が完了している場合は、更に、新たなヘッダが書込済か否かを判断する(ステップS3)。
ヘッダが書込済である場合は、組立中キューUCQにある組立済パケットを出力待ちキューOWQに繋ぐ(ステップS4)。一方、ヘッダの書込が未了である場合は、バッファ管理メモリ44のエリア440cのヘッダ書込待ちフラグをオンとする。そして、組立済情報(セル数及び、最終セルバッファNo.)を先頭セルバッファNo.対応のバッファ管理メモリ44上に格納する(ステップS5)。
図12は、ヘッダ書込完了監視フローである。シーケンス制御部40は、ヘッダ解析・作成部7から書込完了付属情報の受信回路43へのヘッダ書込完了通知が送られたか否かを判断する(ステップS5)。
ヘッダ書込通知有りの場合は、指定のセルバッファNo.対応のバッファ管理メモリ44上のバッファ管理情報エリア440bにヘッダ書込完了フラグをオンし、付属情報を書き込む(ステップS6)。
ついで、ヘッダの書込待ち中キューWWQか否かを判断する(ステップS7)。書込待ち中キューWWQであれば、書込完通知のあったセルバッファNo.を組立済先頭ポインタに設定し、ヘッダ書込待ち制御情報内の最後尾バッファを組立済最後尾ポインタに設定する。ついで、組立て済パケットを出力待ちキューOWQに繋ぐ(ステップS8)。
図13は、図11に対応するパケット組立フローの他の例である。ステップS3のヘッダ書込済か否かの判断で、ヘッダ書込済である場合、更にヘッダ書込完付属情報が廃棄指示されているか否か(ステップS30)の判断が追加されている。
廃棄指示されている場合は、組立て中キューUCQにある組立済パケットを組立中キューUCQ内のセルを空きバッファIBQにリンクして廃棄する(ステップS31)。
また、図14は、図12に対応するヘッダ書込完監視フローの他の例である。書込待ち中か否かの判断(ステップS6)において、書込待ち中であれば、図13におけると同様に、ヘッダ書込完付属情報が廃棄指示されているか否か(ステップS70)の判断が追加されている。
廃棄指示されている場合は、書込完通知のバッファNo.を組立て済先頭ポインタに設定する。さらに、ヘッダ書込待ちエリア内の最後尾バッファを組立て済最後尾ポインタとして組立済パケットを廃棄する。
これにより、組立中キューUCQを空きバッファIBQにリンクする(ステップS71)。
図15は、パケット送出処理フローである。シーケンス制御部40は、出力待ちキューOWQにセルがあるか否かを判断する(ステップS10)。出力待ちキューOWQにセルがある場合は、パケット送出中か否かを判断する(ステップS11)。
ここでパケット送出中か否かの判断は、シーケンス制御部40内に備えられる、図示しないレジスタにより示されるパケット送出中はオンとされるフラグ情報に基づき行われる。
このフラグ情報からパケット送出中であれば、セル送出をバッファ制御部3に指示する(ステップS12)。次いで、出力待ちキューの先頭ポインタを次のリンクバッファNo.とする。そして、送出セルバッファNo.を空きキューIBQにリンクする(ステップS13)。
該当パケットの最終セルであるかを判断し(ステップS14)、最終セルである場合は、上記のパケット送出中フラグをオフとする(ステップS15)。
一方、ステップS11において、パケット送出中でないと判断されると、先頭セルを受信して、バッファ管理メモリ44からヘッダ付属を読み取る(ステップS16)。ヘッダ付加処理対象か否か(即ち、大規模ネットワーク200に向けたパケットであるか否か)を判断し(ステップS17)、ヘッダ付加処理対象であれば、セル送出をバッファ制御部3に指示する(ステップS18)。
次いで、出力待ちキューの先頭ポインタを次のリンクバッファNo.とする。そして、送出セルバッファNo.を空きキューIBQにリンクする(ステップS19)。さらに、パケット送出中フラグをオンとする(ステップS20)。
ステップS17において、ヘッダ付加処理対象(即ち、大規模ネットワーク200からLANネットワーク100上のユーザに向けたパネルであるか否か)でなければ、ヘッダ置換対象か(即ち、大規模ネットワーク200からLANネットワーク100上のユーザに向けたパケットであるか否か)を判断する(ステップS21)。
ヘッダ置換対象であれば、セル送出をバッファ制御部3に指示する(ステップS22)。次いで、出力待ちキューの先頭ポインタを次の次のリンクバッファNo.とする。そして、送出セルバッファNo.及び、次リンクバッファNo.を空きバッファキューIBQにリンクする(ステップS23)。結果として、旧ヘッダが廃棄される(ステップS24)。そして、パケット送出中フラグをオンとする(ステップS25)。
さらに、ステップ21において、ヘッダ置換対象でなければ、そのまま、出力待ちキューより次のリンクのバッファNo.を取り出し、セル読出をバッファ制御部3に指示する(ステップ26)。
次いで、出力待ちキューの先頭ポインタを次のリンクバッファNo.とする。そして、廃棄セルバッファNo.及び、送出セルバッファNo.を空きバッファキューIBQにリンクする(ステップS27)。そして、パケット送出中フラグをオンとする(ステップS28)。
産業上の利用可能性
以上実施の形態を図面に従い説明したように、本発明は、パケットの組立と並列にパケットのヘッダ解析、送信ヘッダの作成処理を可能とする。また受信ヘッダの読取り及び、送信ヘッダの付加も、パケットの組立て処理に影響を与えることなく行える。
このため、パケット組立用のバッファとヘッダ処理用のバッファが完全に共用でき、ハードの削減に効果がある。
また、ヘッダ解析作成部との情報送受は、ハード処理による高速動作が可能であり、ヘッダ解析付加処理が高速処理を要求する場合では十分な高速動作が保証される。また、ヘッダの解析、作成処理が、一時的に輻輳しても、パケットバッファメモリでパケットを保留することが可能であり、パケット種別によりヘッダ解析・作成処理時間が大きく異なる場合、効果的にヘッダの付加処理が行える。
また、ヘッダア書込み通知の手段によりパケットの廃棄、パケットの通過(無処理指示等)も可能である。またATMヘッダのコピーも可能であり、ヘッダ付加と同時にパケットの処理指示が、簡単なハードウェアで可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、パケットをATMセルでVC多重で受信し、セルのままパケット化して送信するパケットバッファにおいて、同時にパケットのヘッダ付加置換を高速でかつバッファを共有して実現可能となる。高速回線のパケットヘッダ付加を行うシステムに対して処理の高速化、ハード量の削減に大いに効果がある。

Claims (5)

  1. VC(仮想チャネル)多重されたATM(非同期転送モード)セルを受信し、VC毎にセルのままパケットを組立て、パケット単位で出力するパケットバッファ装置において、
    受信したパケットをセル単位に格納する複数のセルバッファを有するパケットバッファメモリと、
    該パケットバッファメモリのセルバッファ対応に、バッファ管理情報を保持するバッファ管理メモリと、
    VC毎に前記パケットバッファメモリへのパケットの先頭セルから最終セルまでの格納の途中のパケット組立中キューを形成する組立中ポインタと、
    前記先頭セルを解析して、新たなヘッダセルを作成するヘッダ解析・作成手段を有し、
    前記受信したパケットの先頭セルに対応して,前記パケットバッファメモリに,リンクする2つのセルバッファを確保し,該確保された2つのセルバッファの2番目のセルバッファから前記受信したパケットを格納し,1番目と2番目のセルバッファ番号を前記ヘッダ解析・作成手段に転送し,
    前記ヘッダ解析・作成手段は、前記2番目のセルバッファより受信ヘッダセルを読み出し,作成された新たなヘッダセルを前記確保された1番目のセルバッファに前記パケット組立中キューの先頭セルとして書き込みを行うことを特徴とするパケットバッファ装置。
  2. 請求項1において、
    さらに、前記パケットバッファメモリへのパケットの先頭セルから最終セルまでの格納によりパケットが組み立てられ、且つ前記新たなヘッダセルの書込の完了を検知したことにより、前記組立中ポインタで形成されるパケット組立中キューを出力待ちキューに繋ぐ様に制御するシーケンス制御部を有することを特徴とするパケットバッファ装置。
  3. 請求項1において、
    前記新たなヘッダセルの先頭セルとして書き込みは、前記ヘッダセルの付加、該ヘッダセルとの置換又は、先頭セルの無変換処理を含むことを特徴とするパケットバッファ装置。
  4. 請求項2において、
    前記ヘッダ解析・作成手段は、作成された新たなヘッダセルを前記パケット組立中キューの先頭セルとして書き込みを完了した情報と、付属情報を出力し、
    前記シーケンス制御部は、前記付属情報を参照して、前記組立中ポインタで形成されるパケット組立中キューを、出力待ちキューに繋ぐことなく廃棄するように制御することを特徴とするパケットバッファ装置。
  5. 請求項1において,
    前記新たなヘッダセルの内容をパケットの後続するセルのヘッダへコピーして出力することを特徴とするパケットバッファ装置。
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