JP3653998B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛生洗浄装置に関し、さらに詳細には、水又は水と薬剤を混合した混合水をノズルから噴射する衛生洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の衛生洗浄装置としては、実開昭62−7475号公報が知られている。上記従来の衛生洗浄装置を図3に示す。図3に示す衛生洗浄装置は、水を供給する主経路1と薬剤を供給する薬剤経路2が接続された混合部3と、前記混合部3から供給される水を噴射するノズル4とを備えたものである。
【0003】
構成の詳細は、逆止弁23,32、電磁弁24、流量調整弁25、ヒータ26を内蔵する温水タンク27、混合器28を順次連結した主経路1と、薬剤パック29、薬剤パック29とポンプ31を中継するコネクタ30、ポンプ31、逆止弁23,32、混合器28を順次連結する薬剤経路2があり、両経路が合流した混合器28は、混合器28と洗浄用ノズル33を連通するノズル連通管34により洗浄用ノズル33に接続されている。主経路1の水の流れは、電磁弁24が開状態になると、水道水が上水道圧力により衛生洗浄装置内に給水され、主経路1を通り、温水タンク27に供給される。温水タンク27には、内蔵するヒータ26により加熱された水が貯水されており、前記水は温水タンク27に供給された水道水により押し出され、混合器28に供給される。一方、薬剤パック29に充填されている薬剤は、ポンプ31稼動の圧力により、薬剤経路2を通り混合器28に供給される。両経路から水及び薬剤は、混合器28内部で合流して、混合器28から洗浄用ノズル33に供給され、洗浄用ノズル33より噴射される。洗浄用ノズル33からの噴射は、上水道の圧力又はポンプ31発生圧力によるものである。上記電磁弁24、温水タンク27での温度調整、ポンプ31等の制御は、電気回路35により行われている。上記の水の流れは、水と薬剤を混合した混合水を洗浄用ノズル33から噴射するものであるが、ポンプ31を未稼動とし、混合器28から水のみを洗浄用ノズル33に供給することもでき、水と混合水の二つの洗浄水を洗浄用ノズル33から噴射させることが選択可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の図3に示す衛生洗浄装置は、薬剤を必要とする使用者(以下、薬剤使用者と記す)を含む複数の使用者が衛生洗浄装置を利用する場合、以下のような問題点を有する。薬剤使用者が、混合水を選択し使用した後、混合器28及びノズル連通管34に混合水が滞留する。次使用者が、薬剤使用者でない(水使用者)場合には、水のみを使用するが、洗浄初期には、前記滞留した混合水が洗浄用ノズル33に供給されてしまう。逆に、水使用者が前で、薬剤使用者が後の場合には、混合水を供給する指示をしたにも関わらず、洗浄初期には水のみが洗浄用ノズル33に供給される。前記は、使用者が要求しない洗浄水が供給されるという欠点を示している。加えて、水使用者によって薬剤を無駄に消費される。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、薬剤使用者を含む複数の使用者が衛生洗浄装置を利用し、前使用者に対して、次使用者の選択する洗浄水が相違する場合においても、即座に要求する洗浄水を供給でき、かつ、薬剤使用者にとって薬剤を有効的に活用できる衛生洗浄装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の衛生洗浄装置は、水を供給する主経路と薬剤を供給する薬剤経路が合流する混合部と、前記混合部から供給される水を噴射するノズルとを備える衛生洗浄装置において、主経路内に水を分岐させる分岐部を設けて、分岐部からノズル又はノズル近傍の経路へ至る分岐経路を付設し、分岐経路と混合部からノズルに至る経路のどちらか一方からノズルに供給する選択手段を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
したがって、主経路及び薬剤経路から混合部に供給される水と薬剤を混合した混合水をノズルに供給する経路と、主経路から混合部を迂回してノズルに水を供給する分岐経路の二つの経路が独立して配置されているため、前後使用者の選択する水が相違する場合において、前使用者の利用後に滞留した前洗浄水を排出した後、要求する洗浄水がノズルに供給されるという不具合も非常に少なく、即座に使用者が要求する水を供給できる。また、薬剤の使用については、薬剤を不要とする使用者により滞留する混合水を消費されないため、薬剤経路から供給される薬剤を有効的に活用できる。
【0008】
また、請求項2記載の衛生洗浄装置は、請求項1の選択手段が、前記分岐部に設けられた切替弁と、前記切替弁が混合部側へ開口する場合、開状態となり薬剤を混合部に供給し、切替弁が分岐経路側に開口する場合には、閉状態となり薬剤の混合部への供給を遮断する薬剤経路内に設けられた止水弁であることを特徴とするものである。
【0009】
したがって、主経路の水の流路切替を切替弁のみで行えるため、簡便さに加え、構成部品が少なく、内部構成が簡略化できる。また、止水弁は、水のみをノズルに供給する場合において、閉状態となってノズルから混合部、混合部から薬剤経路への逆流を防止するため、ノズルへ供給する水量が設定値よりも減少して洗浄感が不足したり、混合部以外で水と薬剤が混合して次洗浄時の混合水の薬剤濃度が低下させて薬剤の効果が得られない等の不具合が発生しない。
【0010】
また、請求項3記載の衛生洗浄装置は、請求項1の混合部が、主経路及び薬剤経路から供給される水と薬剤を貯蔵する貯水タンクであることを特徴とするものである。
【0011】
したがって、貯水タンク内の空間において水と薬剤が互いに混じり合って薬剤濃度が均一となった混合水を連続的に貯水タンクからノズルへ供給できるため、薬剤の目的とする効果を得られる薬剤濃度を下回ることがなく、薬剤の有効性を損することがない。
【0012】
また、請求項4記載の衛生洗浄装置は、請求項1の薬剤経路から薬剤を混合部へ供給手段が、供給量を調整する機能を有することを特徴とするものである。
【0013】
したがって、薬剤濃度が変更された場合において、供給手段の供給量を調整して薬剤濃度を簡単に変更でき、薬剤の種類が変更された場合においても、薬剤の効果を得られる混合水の薬剤濃度に調整することが容易である。
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の請求項1乃至4に対応する実施の形態を示し、図1は、本発明の第一実施の形態の衛生洗浄装置の概略を示す構成図である。図2は本発明の第一実施の形態の衛生洗浄装置を説明する斜視図である。
【0014】
この実施の形態の衛生洗浄装置は、水を供給する主経路1と薬剤を供給する薬剤経路2が合流する混合部3と、前記混合部3から供給される水を噴射するノズル4とを備える衛生洗浄装置において、主経路1内に水を分岐させる分岐部5を設けて、分岐部5からノズル4又はノズル4近傍の経路へ至る分岐経路6を付設し、分岐経路6と混合部3からノズル4に至る経路のどちらか一方からノズル4に供給する選択手段を設けたことを特徴とする。図1の衛生洗浄装置では、分岐部5に切替弁7を配置し、主経路1には、水を供給する手段である第一ポンプ17を、薬剤経路2には、薬剤を供給する手段である第二ポンプ19と止水弁8を配置している。さらに、混合部3は、主経路1及び薬剤経路2から供給された水と薬剤を貯蔵する貯水タンク9となっている。
【0015】
図2の衛生洗浄装置の外観には、着座するための便座10、操作を指示するための操作部11、水道管12から衛生洗浄装置に給水するホース13、洗浄水を噴射するノズル4とを備えている。
【0016】
図1に内部構成を説明する。主経路1は、ホース13、水道水の給水及び止水を制御する機能にタンク16側からの逆流を防止する機能を付加した給水電磁弁14、加熱手段であるヒータ15を内蔵するタンク16、給水量を調整する第一ポンプ17、切替弁7、貯水タンク9の順に連結された構成である。ヒータ15は、使用者の操作部11を通した指示により、タンク16に供給された水道水を加熱するもので、温水にすることも可能である。
【0017】
薬剤経路2は、薬剤を貯える薬剤タンク18、第二ポンプ19、貯水タンク9からの逆流を防止する止水弁8、貯水タンク9の順に連結された構成である。また、薬剤経路2は、衛生洗浄装置外部より薬剤を薬剤タンク18に補充できる機構、又は、薬剤を貯えた別の薬剤タンク18に交換できる機能を備える。
【0018】
前記貯水タンク9は、貯水タンク9とノズル4とを連通する第一ノズル連通管21によりノズル4に接続されている。分岐経路6は、切替弁7、切替弁7とノズル4とを連通する第二ノズル連通管22、ノズル4を連結した構成である。
【0019】
水と薬剤を混合した混合水をノズル4より噴射する場合を以下に記す。操作部11からの指示により給水電磁弁14が開状態となり、搬送装置である第一ポンプ17が稼動する。ホース13から衛生洗浄装置に導入された水道水は、稼動した第一ポンプ17の発生する圧力により、タンク16に給水され、タンク16に貯えられている水は、前記水道水によりタンク16から押し出され、切替弁7を通り、貯水タンク9に供給される。一方、薬剤タンク18に貯えられている薬剤は、前記給水電磁弁14の開状態と同時又は一定時間後に、止水弁8が開状態となり、第二ポンプ19が稼動する。薬剤タンク18に貯えられた薬剤は、稼動した第二ポンプ19の発生する圧力により、止水弁8を通り、貯水タンク9に供給される。貯水タンク9において、水と薬剤が均一に混合された混合水が生成し、前記混合水は、第一ノズル連通管21を通りノズル4より噴射される。なお、薬剤を供給する手段である第二ポンプ19は、貯水タンク9への薬剤供給量を調整する機能を備え、貯水タンク9で生成される混合水の薬剤濃度を設定する。
【0020】
水のみをノズル4より噴射する場合を以下に記す。操作部11からの指示により給水電磁弁14が開状態となり、第一ポンプ17が稼動する。ホース13から衛生洗浄装置に導入された水道水は、稼動した第一ポンプ17の発生する圧力により、タンク16に給水され、タンク16に貯えられている水は、前記水道水によりタンク16から押し出され、分岐経路6を通り、ノズル4から噴射される。この時、第二ポンプ19は未稼動で、止水弁8は閉状態である。
【0021】
上記のように、使用者は二つの洗浄水を操作部11を通して選択できるが、本実施の形態ような切替弁7によるもの以外に、貯水タンク9からノズル4へ至る経路と分岐経路6の両方に開閉により供給、止水を行う電磁弁を配置した形態などでも代用できる。また、上記の動作(ヒータ、ポンプ、電磁弁稼動など)は、不図示の電気回路によって行われる。
【0022】
上記構成の衛生洗浄装置は、混合水をノズル4に供給する経路以外に、水をノズル4に供給する分岐経路6を別経路として備えているため、使用者の選択する洗浄水が変更された場合にも、即座に要求する水を供給でき、滞留する薬剤を含む混合水を無駄無く活用できる。
【0023】
本発明に用いられる薬剤は、次のようなものが挙げられる。人体局部に使用されるものとして、局部の付着物の洗浄を促進する薬剤、局部を衛生的に保つことを目的とした殺菌、消毒薬剤、局部治療用(痔治療用)薬剤などがある。また、ノズル4洗浄として、ノズル4を衛生的にする目的とする殺菌、消毒薬剤などがある。
【0024】
また、本実施の形態は、第一ポンプ17の稼動圧力を搬送手段としたが、従来の衛生洗浄装置のように水道水圧を利用した形態でも構わない。また、水器等からの水を衛生洗浄装置に供給し、ヒータ15及びタンク16を有しない形態も本実施例に含まれるものである。ポンプを用いた搬送手段の場合、本実施形態では、第一ポンプ17をタンク16の上流に配置したが、給水電磁弁14と切替弁7の間の経路に配置するものであれば良い。
【0025】
【発明の効果】
上述の如く、本発明の請求項1記載の衛生洗浄装置は、要求する洗浄水を即座に供給でき、無駄な薬剤使用を防止できるため、利便性の高い衛生洗浄装置を提供することができる。
【0026】
請求項2記載の衛生洗浄装置は、請求項1記載のものの効果に加え、内部構成が簡略化できるため、コンパクトな衛生洗浄装置を提供することができる。
【0027】
請求項3記載の衛生洗浄装置は、請求項1記載のものの効果に加え、混合水の薬剤濃度を均一化させ、薬剤の効果を安定して得られるため、機能の信頼性が高い衛生洗浄装置を提供することができる。
【0028】
請求項4記載の衛生洗浄装置は、請求項1記載のものの効果に加え、混合水の目標薬剤濃度に簡単に設定できるため、使用性の良好な衛生洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態である衛生洗浄装置を示す構成図である。
【図2】本発明の第一実施の形態である衛生洗浄装置の外観を示す斜視図である。
【図3】従来の衛生洗浄装置の構成図である。
【符号の説明】
1 主経路
2 薬剤経路
3 混合部
4 ノズル
5 分岐部
6 分岐経路
7 切替弁
8 止水弁
9 貯水タンク
Claims (4)
- 水を供給する主経路と薬剤を供給する薬剤経路が合流する混合部と、前記混合部から供給される水を噴射するノズルとを備える衛生洗浄装置において、主経路内に水を分岐させる分岐部を設けて、分岐部からノズル又はノズル近傍の経路へ至る分岐経路を付設し、分岐経路と混合部からノズルに至る経路のどちらか一方からノズルに供給する選択手段を設けたことを特徴とする衛生洗浄装置。
- 前記選択手段が、前記分岐部に設けられた切替弁と、前記切替弁が混合部側へ開口する場合、開状態で薬剤を混合部に供給し、切替弁が分岐経路側に開口する場合には、閉状態となり薬剤の供給を遮断する薬剤経路内に設けられた止水弁であることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
- 前記混合部が、主経路及び薬剤経路から供給される水と薬剤を貯蔵する貯水タンクであることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
- 薬剤経路から薬剤を混合部へ供給する手段が、供給量を調整する機能を有することを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
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JP23930098A Expired - Lifetime JP3653998B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 衛生洗浄装置 |
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- 1998-08-25 JP JP23930098A patent/JP3653998B2/ja not_active Expired - Lifetime
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