JP3653730B2 - ヒートポンプ式空調システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式空調システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、変風量ダクト方式(VAV)による個別空調において、VAV風量変動による静圧変化を圧力センサにて検出し、その変動に応じて空調機側の風量制御を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、制御が複雑でコスト高となる問題があった。また、たとえば空調機で外気と還気を所定比で混合して給気する場合、風速センサーで検出した外気と還気の風速に基いて風量調整ダンパを制御し、所定の混合比にしているが、風速センサーは、高価で設置場所によって検出値にバラツキが出るために設置や検出が難しく混合比の精度が落ちる問題があった。そこで、これらの問題点を解決するヒートポンプ式空調システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ヒートポンプ式空調機と、このヒートポンプ式空調機から被空調ゾーンへ給気するための複数の給気ダクトと、この給気ダクトの給気風量を調整自在な変風量ユニットと、前記給気ダクト毎の変風量ユニットボリュームポイントと給気ダクト内径比ポイントとの積算値を全給気ダクト分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いて前記ヒートポンプ式空調機の給気用送風機の風量制御のみ又はこの給気用送風機の風量制御及びヒートポンプ用圧縮機の容量制御を行う出力制御手段と、を備えたものである。また、ヒートポンプ式空調機と、このヒートポンプ式空調機から被空調ゾーンへ給気するための複数の給気ダクトと、この給気ダクトの給気風量を調整自在な変風量ユニットと、前記給気ダクト毎の変風量ユニットボリュームポイントと給気ダクト内径比ポイントとの積算値を全給気ダクト分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いて前記ヒートポンプ式空調機の給気用送風機の風量制御のみ又はこの給気用送風機の風量制御及びヒートポンプ用圧縮機の容量制御を行う出力制御手段と、複数種類の空気を風量比率調整自在に混合させるダンパ機構と、この複数種類の各空気温度と混合後の空気温度に基いて所定の風量混合比となるように前記ダンパ機構を制御する風量混合比制御手段と、を備えたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1と図2は、本発明のヒートポンプ式空調システムの一実施例を示しており、この空調システムは、ヒートポンプ式空調機1と、このヒートポンプ式空調機1から被空調ゾーンへ給気するための複数の給気ダクト2…と、この給気ダクト2の給気風量を調整自在な変風量ユニット3と、前記給気ダクト2毎の変風量ユニットボリュームポイントと給気ダクト内径比ポイントとの積算値を全給気ダクト分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いて前記ヒートポンプ式空調機1の給気用送風機4の風量制御及びヒートポンプ用圧縮機5の容量制御を行う出力制御手段6と、複数種類の空気を風量比率調整自在に混合させるダンパ機構9と、この複数種類の各空気温度と混合後の空気温度に基いて所定の風量混合比となるように前記ダンパ機構9を制御する風量混合比制御手段10と、を備えている。なお、実線及び点線の白抜き矢印で風向き(送風方向)を示す。
【0006】
ヒートポンプ式空調機1は、冷媒循環回路Cを構成する蒸発器7、凝縮器8及び圧縮機5と、送風機4と、を少なくとも備え、送風機4は風量制御自在に構成し、圧縮機5は容量制御自在に構成する。変風量ユニット3は、室内などの被空調ゾーンの熱負荷に応じて自動又は手動で駆動され、各給気ダクト2の給気風量を個別に制御する。例えば「切」が0ポイント、「弱」が2ポイント、「中」は3ポイント、「強」は4ポイントのように、給気風量変動に対する変風量ユニットボリュームポイントを設定する。なお、変風量ユニット3は給気ダクト2毎に設けているが、図例と異なる部位に設けるも自由である。各給気ダクト2はヒートポンプ式空調機1と連通連結する。給気ダクト2は、その給気ダクト内径(断面積)によって風量が変わるので、変風量ユニット上流側の給気ダクト内径比ポイントを補正係数として、例えば表1のように設定する。
【0007】
【表1】
Figure 0003653730
【0008】
この変風量ユニットボリュームポイントと給気ダクト内径比ポイントの積算値を給気ダクト2毎に算出し、それらを全給気ダクト分合計する。その合計積算値が全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対して何割あるかによって、ヒートポンプ式空調機1の送風機4の風量とヒートポンプ用圧縮機5の容量を変動させる。例えば表2のように給気ダクト2の内径(mm)が75、100、100、200であったとすると、全変風量ユニット最大ボリューム時の合計積算値が48となる。そして、空調機運転中の変風量ユニットボリュームポイントが、給気ダクトNo1が4(強)、給気ダクトNo2が3(中)、給気ダクトNo3が2(弱)、給気ダクトNo4が3(中)の場合、合計積算値が35となるので、送風機4と圧縮機5を定格出力の73%(35/48×100)で駆動し、全体の給気バランスをとり省エネ化を図る。なお、前記の各ポイント数値は一例であり変更は自由である。また、図示省略するが、給気ダクト2毎の変風量ユニットボリュームポイントと給気ダクト内径比ポイントとの積算値を全給気ダクト分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いてヒートポンプ式空調機1の給気用送風機4の風量制御のみを行う出力制御手段6に、構成するも自由である。
【0009】
【表2】
Figure 0003653730
【0010】
風量混合比制御手段10は、複数種類の各空気温度と混合後の空気温度を検出する温度検出手段13と、複数種類の空気の予定の風量比設定値を設定する設定手段31と、温度検出手段13による各検出温度から複数種類の空気の現状の風量比計算値を演算する演算手段32と、この風量比計算値が予定の風量比設定値になるようにダンパ機構9へ補正分の風量増減信号を出す指令手段33と、混合前の複数種類の空気の各検出温度が同値の場合に予定の風量比設定値になるようにダンパ機構9へ特定の風量増減信号を出す補助手段34と、備えている。図例では、各種類毎の空気温度を検出する混気前温度検出器14、15と混気後温度検出器16にて温度検出手段13を構成している。またダンパ機構9は、ヒートポンプ式空調機1に設けた風量調整ダンパ11、12にて構成しているが、その構成変更は自由で、複数種類の空気を風量比率調整自在に混合できる機構のものであればよい。なお、ダンパ機構9と温度検出手段13は空調機以外にチャンバやダクトなどの機器に設けるも自由である。
【0011】
混合前の複数種類の空気を例えば外気と還気として説明すると、送風状態で、還気温度と外気温度と混合後の還外混気温度を温度検出手段13で検出し、還気温度と外気温度が同値でない場合は、空気線図などに基いて還気温度と外気温度と還外混気温度から還気:外気の風量比計算値を演算手段32で演算し、この現状の風量比計算値と、設定手段31で設定した風量比設定値と、の差がなくなるようにダンパ機構9へ補正分の風量増減信号を出力する。還気温度と外気温度が同値の場合は予定の風量比設定値になるように経験的に定められた特定の風量増減信号をダンパ機構9へ出力して制御する。なお、風量混合比制御手段10は、蒸発器7側での風量混合比制御だけでなく、凝縮器8側での風量混合比制御に用いるも自由である(図示省略)。また、空気種は外気と還気以外であってもよく、空気種の数の増減も自由である。
【0012】
【発明の効果】
請求項1と2の発明では、個別空調制御が簡単容易で、高価なセンサが不要である。変風量ユニットの風量変動に応じて空調機側の送風機風量と圧縮機容量を変動させて空調することができるので、省エネとなり、吹出風量のしぼりすぎによる気流の不均一や温度ムラなどを防止し得る。
請求項2の発明では、高価なセンサを用いずに風量混合比制御を行える。風量比算出の基となる温度は、検出が容易で場所による検出値のバラツキもなく、複数種類の空気の混合比を精度良く制御できる。空調機における外気や還気などのミキシングや、チャンバ類でのミキシングなど幅広く活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す説明図である。
【図2】空調システムの簡略構成図である。
【符号の説明】
1 ヒートポンプ式空調機
2 給気ダクト
3 変風量ユニット
4 送風機
5 圧縮機
6 出力制御手段
9 ダンパ機構
10 風量混合比制御手段

Claims (2)

  1. ヒートポンプ式空調機1と、このヒートポンプ式空調機1から被空調ゾーンへ給気するための複数の給気ダクト2…と、この給気ダクト2の給気風量を調整自在な変風量ユニット3と、前記給気ダクト2毎の変風量ユニットボリュームポイントと給気ダクト内径比ポイントとの積算値を全給気ダクト分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いて前記ヒートポンプ式空調機1の給気用送風機4の風量制御のみ又はこの給気用送風機4の風量制御及びヒートポンプ用圧縮機5の容量制御を行う出力制御手段6と、を備えたことを特徴とするヒートポンプ式空調システム。
  2. ヒートポンプ式空調機1と、このヒートポンプ式空調機1から被空調ゾーンへ給気するための複数の給気ダクト2…と、この給気ダクト2の給気風量を調整自在な変風量ユニット3と、前記給気ダクト2毎の変風量ユニットボリュームポイントと給気ダクト内径比ポイントとの積算値を全給気ダクト分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いて前記ヒートポンプ式空調機1の給気用送風機4の風量制御のみ又はこの給気用送風機4の風量制御及びヒートポンプ用圧縮機5の容量制御を行う出力制御手段6と、複数種類の空気を風量比率調整自在に混合させるダンパ機構9と、この複数種類の各空気温度と混合後の空気温度に基いて所定の風量混合比となるように前記ダンパ機構9を制御する風量混合比制御手段10と、を備えたことを特徴とするヒートポンプ式空調システム。
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