JP3653704B2 - 先行ビットの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行ビットの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド機の最前面に位置するカッタヘッドには、図3に示すように、地山をほぐす先行ビット30やほぐした地山を掘削するティースカッタ50等が備えられており、カッタヘッドを回転しながらシールド機を前進することで地山が掘削される。地山の掘削が進むと、先行ビット30やティースカッタ50は摩耗してくるので、新しいものに交換する必要があるが、ティースカッタ50は、例えば、特開2002−047887号公報に開示されているような方法で交換されているのに対し、先行ビット30は、摩耗したものを切り落とし、新しいものをカッタヘッドに直接溶接して交換するのが一般的である。この先行ビット30の交換作業を省くために、先行ビット30の材質を変えたり、高さの異なる二種類の先行ビット30を取り付けたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、先行ビットを交換する作業は、中間立坑を構築したり、地盤改良を行って交換作業ができるスペースを確保しなければならないため、先行ビットの交換サイクルを長くすることが望まれていた。
【0004】
そこで、本発明の課題は、先行ビットの交換サイクルを長くすることができる先行ビットの取付構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば、図1〜2に示すように、カッタヘッド10に備えられた地山をほぐす先行ビットの取付構造1であって、前記カッタヘッド10には、回転可能な回転部材2が、その回転軸線が前記カッタヘッド10の半径方向に沿うように設けられ、前記回転部材2の周囲に前記先行ビット3が固定され、前記先行ビット3を、それぞれ異なる材質からなるとともに前記回転部材2の周方向に沿って配置された複数のビット片3a〜3cが円周方向に連続する形状に形成したことを特徴としている。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、地山の土質や含水率の変化に応じて先行ビットを回転させることにより、先行ビットの交換サイクルを長くすることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、例えば、図1に示すように、請求項1に記載の先行ビットの取付構造1において、前記回転部材2の長さ方向に沿って複数の先行ビット3が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、回転部材の長さ方向に沿って設けた複数の先行ビットを一つの回転部材で回転させることができるので、作業効率を向上できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例について詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、先行ビットの取付構造を泥土圧式シールド機に適用した例について説明する。最初に、先行ビットの取付構造について説明する。図1〜図2に示すように、先行ビットの取付構造1は、回転可能な回転部材としてのシャフト2、円形かつ環状に形成された先行ビット3等を備えている。
【0010】
シャフト2は、先行ビット3を支持するものであり、その回転軸線が、図1に示すカッタヘッド10の半径方向、すなわち、スポーク4の長さ方向に沿って設置されている。また、シャフト2は、図1及び図2に示すように、スポーク4の幅方向のほぼ中央を通るように設置されるとともに、その表面の一部がスポーク4上に露出した状態でスポーク4内に埋設されている。さらに、シャフト2の一端部は、例えば、シールド機内のモータ(図示しない)に接続されている。なお、シャフト2は、先行ビット3を介してかかる地山からの土圧に十分耐え得るような高剛性の材料から形成されている。また、シャフト2は、必ずしもスポーク4内に埋設する必要はなく、スポーク4の表面に設置してもよい。
【0011】
先行ビット3は、シャフト2に一体に取り付けられており、シャフト2の回転軸線方向に複数並んで取り付けられている。先行ビット3は、正面視真円状に形成されており、その中心部分にはシャフト2を挿通するための孔部が形成され、先行ビット3の孔部にシャフト2を挿通した際に、先行ビット3の中心とシャフト2の回転中心とが一致するものとされている。これにより、シャフト2の円周方向に先行ビット3が連続した状態となり、シャフト2の外周から先行ビット3の先端部のチップまでの距離がどこにおいても等しくなる。また、先行ビット3のチップは、シャフト2に取り付けた際に、地山を掘削するティースカッタ5の先端部より前面に突出するように形成されている。なお、先行ビット3は、地山に最初に接触することから、摩耗が激しいため、耐摩耗性に優れた材料から形成されている。図2に示すように、先行ビット3は、それぞれ異なる材質からなるとともにシャフト2の周方向に沿って配置された複数のビット片3a〜3cが円周方向に連続する形状に形成されている。
【0012】
先行ビット3が、上述の取付構造により取り付けられたシールド機のカッタヘッド10は、カッタヘッド10の回転軸にスポーク4が接合され、このスポーク4には、先行ビット3の他に、公知のティースカッタ5が取り付けられたものである。なお、カッタヘッド10には、公知の外周側面保護ビットやシェルビット等が備えられている。
【0013】
本実施の形態の先行ビットの取付構造1によれば、地山の土質や含水率の変化に応じて先行ビットを回転させることにより、先行ビットの交換サイクルを長くすることができる。
また、シャフト2の長さ方向に沿って設けた複数の先行ビット3を一つのシャフト2で回転させることができるので、作業効率を向上できる。
【0014】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、先行ビット3は円形に限らず、多角形でもよい。さらに、先行ビット3の中心とシャフト2の回転中心を一致させる必要はなく、シャフト2を先行ビット3の中心から偏心した位置を通るようにしたり、先行ビットの取付構造1をカム構造とすることで、先行ビット3の突出量を変化させてもよい。その他、各構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で設計変更が可能である。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、地山の土質や含水率の変化に応じて先行ビットを回転させることにより、先行ビットの交換サイクルを長くすることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、回転部材の長さ方向に沿って設けた複数の先行ビットを一つの回転部材で回転させることができるので、作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における先行ビットの取付構造を説明するためのカッタヘッドの正面図である。
【図2】上記実施の形態における先行ビットの取付構造を説明するための断面図である。
【図3】従来技術における先行ビットを説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 先行ビットの取付構造
2 回転部材
3 先行ビット
10 カッタヘッド
Claims (2)
- カッタヘッドに備えられた地山をほぐす先行ビットの取付構造であって、
前記カッタヘッドには、回転可能な回転部材が、その回転軸線が前記カッタヘッドの半径方向に沿うように設けられ、
前記回転部材の周囲に前記先行ビットが固定され、
前記先行ビットを、それぞれ異なる材質からなるとともに前記回転部材の周方向に沿って配置された複数のビット片が円周方向に連続する形状に形成したことを特徴とする先行ビットの取付構造。 - 請求項1に記載の先行ビットの取付構造において、前記回転部材の長さ方向に沿って複数の先行ビットが設けられていることを特徴とする先行ビットの取付構造。
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- 2002-04-08 JP JP2002105238A patent/JP3653704B2/ja not_active Expired - Fee Related
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