JP3652531B2 - スロットアンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットより電波を放射するスロットアンテナに係り、特に、無指向性のスロットアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のスロットアンテナの構造を示したものである。即ち、スロットアンテナは、長方形の地板11に細長いスロット12を設け、このスロット12を挟む長辺に電源13を接続したものである。このようにスロット12の間隔が狭い辺間に給電を行うと、スロット12に電界と磁界とが生じる。スロット12の長さを使用波長の1/2に形成しておくと、共振が起こり、半波長ダイポールアンテナの中央部に給電した場合と等価な電波放射を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスロットアンテナは、図8に示されるように、スロット12の片面側に誘起又は給電された電流がスロット12の反対面にも同じ方向に流れ、電界14a,14bが地板11の両面において同方向に発生する。これらの電界14a,14bは、地板11の端方向の空間では互いに反対方向になって打ち消し合い、これによって電界のヌル点が発生する。従って、従来のスロットアンテナの指向特性は、図9に示されるように、有指向性であり、無指向性のスロットアンテナは実現不可能であった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、無指向性のスロットアンテナを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、中空の直方体の互いに向き合う2つの面にそれぞれスロットを設け、前記直方体の内部に前記2面間を部分的に遮断する少なくとも1枚の仕切り板を設けることにより、前記直方体の内部に折れ曲がった経路を形成して前記2面間の経路の長さを電気長約1/2波長とし、前記2つのスロットのいずれか一方のみに給電するものである。
【0006】
前記仕切り板を前記2面に対して平行に配置してもよい。
【0007】
前記スロットを前記面の辺に接して設けてもよい。
【0008】
前記直方体の面に突起を設けてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
図1(a)に示されるように、本発明に係るスロットアンテナは、導電性を有する板1により6つの面2を形成した直方体3を設け、この直方体3の任意の面2にスロット4を設け、その面の対向面2にもスロット4を設け、直方体3の内部には仕切り板5を設けたものである。スロット4を設けた面をスロット面と呼ぶことにする。図1(b)には、スロット面2a,2b、スロット4a,4b、3枚の仕切り板5a,5b,5cが示されている。
【0013】
各仕切り板5a,5b,5cは、2つのスロット面2a,2b間を完全に遮断することがないように、穴(隙間)6a,6b,6cを有する。この穴6により仕切り板5の片面側から反対面側に電波が伝搬可能である。ここでは、仕切り板5の片端が直方体3に内接し、その仕切り板5の反対端側に穴6が形成されている。各仕切り板5a,5b,5cは、それぞれの穴6a,6b,6cが一直線に連続しないように互い違いに配置されている。また、ここでは、仕切り板5は、スロット面2a,2bに対して平行に配置されている。
【0014】
図2に示されるように、穴6a,6b,6cが一直線に連続しないように仕切り板5a,5b,5cが互い違いに配置されているため、直方体3の内部には折れ曲った経路7が形成される。スロット面2a,2b間の経路7の長さは電気長約1/2波長に形成されている。
【0015】
このスロットアンテナの動作を説明する。
【0016】
図示されない給電線より給電信号がスロット4aに給電されると、このスロット4aより電波が放射される。この電波は、直方体3の外部と内部とに向けてそれぞれ放射される。直方体3の内部に向けて放射された電波は、各仕切り板5a,5b,5cに規制されて各穴6a,6b,6cより迂回する経路7を経由して伝搬する。この経路7により電気長約1/2波長を伝搬した電波がスロット4bに到達し、スロット4bより直方体3の外部に向けて放射される。スロット4aより直方体3の外部に放射される電波と、スロット4bより直方体3の外部に向けて放射される電波とでは位相が180度異なり、電界8a,8bの向きは同じである。電界8a,8bは打ち消し合うことがないので、電界のヌル点が発生しない。これにより、図3に示されるように、良好な無指向性を得ることができる。また、仕切り板5a,5b,5cが平行に配置されているので、不要反射が少なく、より良好な無指向性を得ることができる。
【0017】
本発明の他の実施形態を説明する。
【0018】
図4(a)に示されるように、仕切り板5を1枚だけ設けてもよい。
【0019】
図4(b)に示されるように、仕切り板5a〜5n(nは任意の整数)を互い違いに設けてもよい。電波の経路7は、仕切り板5の枚数が多いほど多く折り返されるので、スロット面2a,2b間の直線距離が同じの場合、仕切り板5の枚数が多いほど経路7の長さが長くなる。スロット面2a,2b間の経路7の長さは電気長約1/2波長であればよいので、仕切り板5の枚数が多いほどスロット面2a,2b間の直線距離或いは他の面間距離を短くすることができる。即ち、直方体3の径を小さくすることができる。
【0020】
次に、図5(a)〜図5(f)のスロットアンテナは、いずれも直方体3の面2に任意形状の突起9(9a〜9n)を設けたものである。図5(a)に示されるように、突起9a,9bは、板状に形成され、直方体3の外側に設けられている。これらの突起9a,9bはスロット面2a,2bの中間に、スロット面2a,2bに対して平行に配置されている。
【0021】
図5(b)に示されるように、突起9c,9d,9e,9fは、板状に形成され、直方体3の外側に稜線より放射状に配置されている。
【0022】
図5(c)に示されるように、突起9g,9hは直方体3の外側に断面台形状の立体として設けられている。
【0023】
図5(d)に示されるように、突起9i,9jは、板状に形成され、直方体3の外側に稜線より直方体3の面2に対して平行に配置されている。
【0024】
図5(e)に示されるように、突起9k,9lは、板状に形成され、直方体3の内側の隅部を区画するように配置されている。また、突起9m,9nは、板状に形成され、スロット4a,4bの辺に接し、スロット面2a,2bに対して傾斜させて直方体3の内側に配置されている。図5(f)は、突起9m,9nを設けずに、突起9k,9lを設けたものである。
【0025】
図5(a)〜図5(f)のスロットアンテナの基本的な動作は、いずれも図2で説明した動作と同じであるが、直方体3の面2の外側又は内側に突起9を設けたことにより、直方体3の表面を流れる電流の流れ方を調整することができ、これによってスロットアンテナの広帯域化を図ることができる。
【0026】
次に、図6のスロットアンテナは、スロット4を直方体3の任意の面2の辺にに接するよう、言い換えるとスロット面の任意の辺に接して配置したものである。即ち、スロット4の一方の長辺が直方体3の稜線に重なっている。
【0027】
図6のスロットアンテナの基本的な動作は、図2で説明した動作と同じであるが、スロット4をスロット面の辺に接して配置したことにより、経路7にならない内部空間が削減され、それだけ直方体3の径を小さくすることができる。
【0028】
なお、図2の動作説明では、スロット4aのみに給電信号を給電するものとしたが、スロット4a,4bのそれぞれに給電信号を給電し、これらの給電信号が互いに180度の位相差を持つように分配器、給電線等を用いて調整してもよい。それぞれの給電信号による直方体3の内部に向かう電波は反対側のスロットから直方体3の外部に放射されるときに位相が180度反転しているので、反対側の給電信号による電波と強調し合うことになる。また、仕切り板5間に挟まれた経路7を伝搬することが不可能な波長の電波を使用する場合に、2つのスロット4a,4bより電界が同方向の電波を放射することができる。従って、より広帯域にわたり無指向性を得ることができる。
【0029】
また、経路7の長さを電気長約1/2波長に形成するものとしたが、各部の寸法を変更して経路7の長さを任意長に形成してもよい。これにより、無指向性以外の任意の指向性を得ることができる。
【0030】
本発明に係るスロットアンテナをスロット4が上下方向に長く延びるよう配置することで、水平面内において無指向性を得ることができる。
【0031】
本発明に係るスロットアンテナは、中空の直方体を用いてなるので軽量、細径に構成することができる。
【0032】
また、本発明に係るスロットアンテナを多段に配置することで、高利得化を図ることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0034】
(1)2つの面のスロットから逆方向に放射される電波が逆位相となるので、打ち消し合いがなくなり、無指向性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すスロットアンテナの図であり、図1(a)は外観斜視図、図1(b)は破断斜視図である。
【図2】図1のスロットアンテナの断面図である。
【図3】図1のスロットアンテナの指向特性図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すスロットアンテナの断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示すスロットアンテナの断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示すスロットアンテナの外観斜視図である。
【図7】従来のスロットアンテナの正面図である。
【図8】図7のスロットアンテナによる電界を示す断面図である。
【図9】図7のスロットアンテナの指向特性図である。
【符号の説明】
2 面
3 直方体
4 スロット
5 仕切り板
7 経路
Claims (4)
- 中空の直方体の互いに向き合う2つの面にそれぞれスロットを設け、前記直方体の内部に前記2面間を部分的に遮断する少なくとも1枚の仕切り板を設けることにより、前記直方体の内部に折れ曲がった経路を形成して前記2面間の経路の長さを電気長約1/2波長とし、前記2つのスロットのいずれか一方のみに給電することを特徴とするスロットアンテナ。
- 前記仕切り板を前記2面に対して平行に配置したことを特徴とする請求項1記載のスロットアンテナ。
- 前記スロットを前記面の辺に接して設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスロットアンテナ。
- 前記直方体の面に突起を設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のスロットアンテナ。
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