JP3652218B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速機、特に車両用のVベルト式無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の形式の無段変速機が提案され、一部が実用化されている。無段変速機は、駆動プーリを有する駆動軸と、従動プーリを有する従動軸と、駆動プーリと従動プーリの間に巻き掛けられたベルトとを備えており、駆動プーリと従動プーリにそれぞれ設けられたアクチュエータを作動させて各プーリのベルト巻き掛け径を逆方向に変化させることにより、変速比を無段階に可変としたものである。そのため、変速ショックがなく、円滑な走行を実現できるという利点がある。
【0003】
特開昭64−58848号公報には、駆動プーリと従動プーリのベルト巻き掛け径を変化させるアクチュエータとしてボールネジ機構を設け、1個の変速用モータによって両プーリのボールネジ機構を作動させ、可動シーブを軸方向へ移動させるようにした無段変速機が提案されている。この無段変速機の場合、変速用モータの駆動力は減速ギヤ機構を介して操作軸へ伝達され、この操作軸に設けられた2個のギヤが駆動プーリの変速ギヤおよび従動プーリの変速ギヤに噛み合うことによって、両プーリの変速ギヤを同期回転させ、ボールネジ機構を介して可動シーブを軸方向へ移動させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、駆動プーリの変速ギヤおよび従動プーリの変速ギヤは可動シーブより小径のギヤであり、操作軸の2個のギヤは可動シーブと半径方向にオーバーラップする比較的大径なギヤであるため、可動シーブが軸方向へ移動したとき、可動シーブと干渉しないような位置に操作軸のギヤを配置しなければならない。可動シーブは各プーリの相反位置に設けられ、駆動プーリの変速ギヤおよび従動プーリの変速ギヤは可動シーブの背後に設けられるので、変速ギヤと噛み合う操作軸の大径なギヤが軸方向および半径方向に大きく張り出すことになる。そのため、変速用モータの駆動力を各プーリの変速ギヤに伝達する伝達機構が大きなスペースを占め、無段変速機全体として大型になるという欠点がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、変速用モータの駆動力を各プーリの変速ギヤに伝達する伝達機構の配置スペースを小さくし、全体として小型にできる無段変速機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、変速ギヤおよびネジ機構を有する駆動プーリと、変速ギヤおよびネジ機構を有する従動プーリと、駆動プーリと従動プーリの間に巻き掛けられたベルトとを備え、変速用モータにより駆動プーリの変速ギヤと従動プーリの変速ギヤとを同期回転させることにより、ネジ機構を介して駆動プーリの可動シーブと従動プーリの可動シーブとを軸方向へ移動させ、変速比を無段階に可変とした無段変速機において、上記駆動プーリの変速ギヤと従動プーリの変速ギヤを、それぞれのプーリの可動シーブより大径なギヤとし、上記変速用モータから駆動力が伝達され、駆動プーリまたは従動プーリの一方の変速ギヤに噛み合うギヤを有する第1の変速軸を設け、上記駆動プーリおよび従動プーリの両方の変速ギヤに噛み合うアイドラギヤを有する第2の変速軸設け、上記ネジ機構は、それぞれのプーリの可動シーブに対して軸受を介して相対回転自在に取り付けられた雌ねじ部材と、変速機ケースに固定された雄ねじ部材とを備え、上記駆動プーリの変速ギヤおよび従動プーリの変速ギヤは上記雌ねじ部材に固定され、上記第1の変速軸のギヤおよび第2の変速軸のアイドラギヤは、それぞれのプーリの可動シーブの軸方向変位量に対応した軸方向寸法を持ち、かつ少なくとも可動シーブが最大限開いた状態で可動シーブと軸方向にオーバーラップするギヤであることを特徴とする無段変速機を提供する。
【0007】
駆動側プーリへ入力された動力は、ベルトを介して従動プーリへ伝達される。このとき、変速用モータにより第1の変速軸および第2の変速軸を介して両プーリにそれぞれ設けられた変速ギヤを同期回転させることにより、ネジ機構を介して両プーリの可動シーブを軸方向へ移動させ、変速比を無段階に可変とすることができる。本発明の場合、駆動プーリの変速ギヤと従動プーリの変速ギヤを、それぞれのプーリの可動シーブより大径なギヤとしてあるので、第1の変速軸に設けられたギヤおよび第2の変速軸に設けられたアイドラギヤを、各プーリの可動シーブと半径方向にオーバーラップしない小径なギヤとすることができる。そのため、変速用モータの駆動力を各プーリの変速ギヤに伝達する伝達機構の配置スペースを小さくすることができる。
【0008】
また、従来例(特開昭64−58848号公報)の場合には、変速用モータの駆動力を操作軸を介して両プーリに設けられた変速ギヤに分配しているため、操作軸だけでなく、変速用モータおよびモータの駆動力を操作軸へ伝達する機構も両プーリの中間位置付近に配置しなければならず、他の駆動機構と干渉しやすく、配置の自由度が低い。これに対し、本発明では、変速用モータの駆動力を第1の変速軸〜一方のプーリの変速ギヤ〜第2の変速軸〜他方のプーリの変速ギヤというように、縦列的な伝達経路で伝達しているので、変速用モータを一方のプーリの外側位置に配置でき、配置の自由度が高い。
【0009】
また、本発明では、ネジ機構、それぞれのプーリの可動シーブに対して軸受を介して相対回転自在に取り付けられた雌ねじ部材と、変速機ケースに固定された雄ねじ部材とを備え、駆動プーリの変速ギヤおよび従動プーリの変速ギヤを雌ねじ部材に固定し、第1の変速軸のギヤおよび第2の変速軸のアイドラギヤを、それぞれのプーリの可動シーブの軸方向変位量に対応した軸方向寸法を持つギヤとしている。
すなわち、従来例のようなプーリの変速ギヤが可動シーブより小径のギヤである場合には、操作軸のギヤと噛み合わせるためにプーリの変速ギヤとして軸方向に長いギヤを使用しなければならず、この変速ギヤが可動シーブと共に軸方向に移動するので、軸方向移動空間を大きく確保しなければならない。これに対し、本発明ではプーリの変速ギヤが可動シーブより大径のギヤであるため、変速軸のギヤとして軸方向に長いギヤを用いることで、変速ギヤを厚みの薄いギヤとすることができ、変速ギヤの軸方向移動空間を縮小できる。
【0010】
請求項2のように、変速用モータおよびその駆動力を第1の変速軸に伝えるギヤ機構をモータハウジング内に設け、このモータハウジングを変速機ケースに取り付けることにより、ギヤ機構の出力軸が第1の変速軸に連結されるように構成するのが望ましい。
すなわち、変速用モータとギヤ機構とをモータハウジング内に一体に設けてアッセンブリとし、このモータハウジングを変速機ケースに取り付けると同時にギヤ機構の出力軸が第1の変速軸と連結されるので、組立作業性が向上するとともに、変速用モータから第1の変速軸への減速比を変更したい場合には、ギヤ機構の変速比を変更したモータハウジングに変更するだけで、変速機ケースや第1,第2の変速軸を変更する必要がなく、安価に変更できる。また、モータハウジングと変速機ケースの内部とが隔離されているので、変速機ケースの内部が無潤滑空間である場合でも、モータハウジング内の潤滑油が変速機ケース内に流れ込むのを防止することも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明にかかる無段変速機の一例の具体的構造を示し、図5はその骨格構造を示す。
この無段変速機はFF横置き式の変速機であり、大略、エンジン出力軸1によって駆動される発進機構2、発進機構2の出力軸である入力軸3、動力軸4、駆動プーリ11を有する駆動軸10、従動プーリ21を有する従動軸20、駆動プーリ11と従動プーリ21に巻き掛けられたVベルト15、減速軸30、車輪と連結された出力軸32、変速用モータ40、テンショナ装置50などで構成されている。入力軸3,動力軸4,駆動軸10,従動軸20,減速軸30および出力軸32はいずれも非同軸で、かつ平行に配置されている。
【0012】
この実施例の発進機構2は乾式クラッチで構成され、レリーズフォーク2aを発進制御用モータ(図示せず)によって作動させることにより、断接制御および半クラッチ制御を行なうことが可能である。
入力軸3は軸受を介して変速機ケース6によって回転自在に支持され、入力軸3に一体回転可能に設けられた前進用ギヤ3aと後進用ギヤ3bとが変速機ケース6の第2ギヤ室6c内に挿入されている。
【0013】
動力軸4は変速機ケース6の左右の側壁に架け渡して設けられ、両端部が軸受によって回転自在に支持されている。動力軸4のエンジン側端部には、入力軸3の前進用ギヤ3aと噛み合う前進用ギヤ4aが一体に設けられ、反エンジン側端部には減速ギヤ4bが固定されている。動力軸4の減速ギヤ4bは、駆動軸10の反エンジン側の端部に回転自在に支持された減速ギヤ10aと噛み合い、動力軸4から駆動軸10へ駆動力をベルト駆動に適した減速比で伝達している。減速ギヤ10aは駆動軸10の反エンジン側に設けられたシンクロ式の前進切替手段12によって駆動軸10に対して選択的に連結される。つまり、切替手段12は前進位置Dと中立位置Nの2位置に切替可能である。減速ギヤ4b,減速ギヤ10a,前進切替手段12は前進用直結伝達機構13を構成しており、この前進用直結伝達機構13は変速機ケース6の反エンジン側に形成された第1ギヤ室6a内に収容されている。第1ギヤ室6a内は油で潤滑されている。
【0014】
駆動プーリ11は、駆動軸10上に固定された固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自在に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられたアクチュエータ14とを備え、アクチュエータ14はVベルト15よりエンジン側に配置されている。この実施例のアクチュエータ14は、変速用モータ40によって軸方向に移動されるボールネジ機構であり、可動シーブ11bに軸受14aを介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材14bと、変速機ケース6に支持された雄ねじ部材14cとを備え、雌ねじ部材14bの外周部には変速ギヤ14dが固定されている。変速ギヤ14dは駆動プーリ11を構成する可動シーブ11bより大径で、かつ薄肉なギヤである。
【0015】
従動プーリ21は、従動軸20上に固定された固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自在に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられたアクチュエータ22とを備え、アクチュエータ22はVベルト15より反エンジン側に配置されている。このアクチュエータ22も駆動プーリ11のアクチュエータ14と同様の構成を有するボールネジ機構であり、可動シーブ21bに軸受22aを介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材22bと、変速機ケース6に支持された雄ねじ部材22cとを備え、雌ねじ部材22bの外周部には変速ギヤ22dが固定されている。この変速ギヤ22dも従動プーリ21を構成する可動シーブ21bより大径で、かつ薄肉なギヤである。
【0016】
従動軸20の従動プーリ21よりエンジン側の部位には、後進用ギヤ24が回転自在に支持されており、このギヤ24は入力軸3に固定された後進用ギヤ3bと噛み合っている。ギヤ24はシンクロ式の後進切替手段25によって従動軸20に対して選択的に連結される。つまり、切替手段25は後進位置Rと中立位置Nの2位置に切替可能である。上記後進用ギヤ3bとギヤ24と後進切替手段25とで後進用直結伝達機構26が構成される。
【0017】
従動軸20のエンジン側端部には、減速ギヤ27が一体に形成されており、この減速ギヤ27は減速軸30に固定されたギヤ30aと噛み合い、さらに減速軸30に一体に形成されたギヤ30bを介して差動装置31のリングギヤ31aに噛み合っている。減速軸30のギヤ30a,30bおよびリングギヤ31aによって減速機構29が構成されている。そして、差動装置31に設けられた出力軸32を介して車輪が駆動される。上記後進用直結伝達機構26、減速軸30および差動装置31は変速機ケース6のエンジン側に形成された第2ギヤ室6b内に収容されている。このギヤ室6bは油で潤滑されている。なお、ギヤ室6bには入力軸3の前進用ギヤ3aと動力軸4の前進用ギヤ4aも収容され、同様に潤滑されている。
【0018】
変速機ケース6の第1ギヤ室6aと第2ギヤ室6bとは、上述のように潤滑されており、駆動プーリ11と従動プーリ21は、第1ギヤ室6aと第2ギヤ室6bとの間に挟まれたプーリ室6c内に配置されている。この実施例ではプーリ室6cは無潤滑空間であり、Vベルト15も乾式駆動ベルトが用いられている。
【0019】
軸方向に分離された第1ギヤ室6a内の潤滑油と第2ギヤ室6b内の潤滑油とを循環させるため、動力軸4の軸心穴(第1油路)4cと、後述する第2変速軸46と動力軸4との半径方向隙間(第2油路)5とによって、供給油路とリターン油路とが形成されている。軸心穴4cと半径方向隙間5は、いずれが供給油路またはリターン油路であってもよい。このように動力軸4と第2変速軸46との隙間5に油を流通させることで、両軸の間を潤滑できる。
【0020】
上記構成よりなる無段変速機の前進時および後進時の動力伝達経路について、図6,図7を参照して説明する。
前進時には、シフトレバーを操作して前進切替手段12を前進位置Dへ切り替える。このとき、後進切替手段25は自動的にN位置へ切り替わる。図6に示すように、発進機構2から入力軸3を介して入力された動力は、太線矢印で示すように、前進用ギヤ3a、前進用ギヤ4a、動力軸4、前進用直結伝達機構13 (減速ギヤ4b,減速ギヤ10a,前進切替手段12)、駆動軸10、駆動プーリ11、Vベルト15、従動プーリ21、従動軸20、減速ギヤ27、減速軸30、差動装置31を介して出力軸32に伝達される。
一方、後進時には、シフトレバーを操作して後進切替手段25を後進位置Rへ切り替える。このとき、前進切替手段12は自動的にN位置へ切り替わる。図7に示すように、発進機構2から入力軸3を介して入力された動力は、太線矢印で示すように、後進用直結伝達機構26(後進用ギヤ3b,後進用ギヤ24,後進切替手段25)、従動軸20、減速ギヤ27、減速軸30、差動装置31を介して出力軸32に伝達される。
このように駆動プーリ11、従動プーリ21およびVベルト15からなる無段変速部は前進時のみ駆動され、後進時には駆動されないので、Vベルト15には逆負荷が掛からず、負担を軽減できる。つまり、後述するように、Vベルト15の緩み側を押し付けてベルト推力を与えるテンショナ装置50が設けられているが、Vベルト15が逆回転すると緩み側も逆転するので、テンショナ装置50が緊張側を押しつけることになり、Vベルト15に過大な負荷がかかるからである。
【0021】
次に、この無段変速機における変速機構について説明する。
変速機ケース6の外側部、特に駆動プーリ11より斜め上方の部位に変速用モータ40が取り付けられている(図8参照)。変速用モータ40はブレーキ41を有するサーボモータであり、その出力ギヤ42は減速ギヤ43に噛み合い、これらギヤ42,43は油で潤滑されたモータハウジング44内に収容され、予め組立られている。減速ギヤ43の軸部43aはモータハウジング44から突出しており、モータハウジング44を変速機ケース6に固定したとき、軸部43aは変速機ケース6に回転自在に支持されたスリーブ状の第1変速軸45にインロー嵌合され、一体回転可能に連結される。このようにモータハウジング44と変速機ケース6の内部とが隔離されているので、モータハウジング44内の潤滑油が変速機ケース6内に流れ込むのを防止できる。第1変速軸45に設けられたギヤ45aは可動シーブ11bの移動ストローク分の長さを有する台形ギヤであり、駆動プーリ21に設けられた変速ギヤ14dと噛み合っている。第1変速軸45のギヤ45aを回転させると、変速ギヤ14dが追随回転することでボールネジ機構(アクチュエータ14)の作用により、可動シーブ11bを軸方向へ移動させることができる。つまり、駆動プーリ11のベルト巻き掛け径を連続的に変化させることができる。
【0022】
駆動プーリ11の変速ギヤ14dは、動力軸4の外周に相対回転自在に挿通されたスリーブ状の第2変速軸46の第1アイドラギヤ46aと噛み合い、さらに第2変速軸46の第2アイドラギヤ46bは従動プーリ21の変速ギヤ22dと噛み合っている。これらアイドラギヤ46a,46bも、第1変速軸45のギヤ45aと同様に、可動シーブ11b,21bの移動ストローク分の長さを有する台形ギヤで構成されている。この実施例では、第2変速軸46に2個のアイドラギヤ46a,46bを個別に形成したが、これらアイドギアを軸方向に延びる1個のギヤとしてもよい。変速用モータ40の回転力は、第1変速軸45,駆動プーリ11の変速ギヤ14d,第2変速軸46を介して従動プーリ21の変速ギヤ22dへと伝達される。そのため、駆動プーリ11の可動シーブ11aと従動プーリ21の可動シーブ21aは互いに同期し、かつ互いにベルト巻き掛け径を逆方向に変化させながら軸方向へ移動することができる。
【0023】
なお、変速用モータ40としてブレーキ付きモータを用いた理由は、変速用モータ40の回転力を伝達するギヤ列(42,43,45,14d,46a,46b,22d)がすべて可逆ギヤで構成されている関係で、ベルト張力による可動シーブの反力によってギヤ列が回転して変速比が変化する恐れがあるので、ブレーキ41の制動力によってギヤ列が回転するのを防止するためである。
【0024】
次に、Vベルト15にベルト推力を与える機構について説明する。
上記のようにプーリ11,21のベルト巻き掛け径は変速用モータ40によって可変されるが、それだけでは伝達トルクによってVベルト15とプーリ11,21との間に滑りが発生してしまう。そこで、伝達トルクに応じたベルト推力(ベルト張力)を与えるため、図3,図4に示されるようなテンショナ装置50が設けられている。テンショナ装置50はテンションローラ51を備え、このテンションローラ51はリンク52を介してアーム53によって揺動可能に支持されている。アーム53の揺動軸53aは駆動プーリ11の近傍に設けられ、スプリング54によってVベルト15方向に付勢されている。そのため、テンションローラ51は所定の荷重でVベルト15の緩み側を内側に向かって押し付けている。このように外側から内側に向かってVベルト15を押圧することで、所定のベルト推力を得るとともに、プーリ11,21に対するVベルト15の巻き付け長さを長くし、伝達効率を高めている。アーム53の先端部外周面にはギヤ部53bが形成され、このギヤ部53bに張力調整用アシストモータ55のピニオンギヤ56が噛み合っている。上記スプリング54は初期推力を与えており、アシストモータ55を正逆いずれかの方向に駆動することによって、初期推力に対してモータ推力を加減し、最適なベルト推力が得られるように調整している。
なお、伝達トルクの変動が比較的小さい車両の場合には、アシストモータ55を省略してスプリング54のみで推力を与えてもよい。また、テンションローラ51はVベルト15を外側から内側に向かって押圧するものに限らず、内側から外側に向かって押圧してもよい。
【0025】
上記テンショナ装置50の場合、テンションローラ51がプーリ11,21と干渉しないように、テンションローラ51はリンク52を介してアーム53に取り付けられている。その理由を、図9〜図11を参照して説明する。すなわち、従来のようにアーム53にテンションローラ51を直接取り付けると、テンションローラ51がアーム53の揺動軸53aを中心とする回転軌跡で移動するので、無段変速機がLowからHighまで変速した時、テンションローラ51がいずれかのプーリと干渉する可能性がある。特に、Vベルト15の負担を軽減するため、大径のテンションローラ51を用いた場合に干渉しやすい。これに対し、テンションローラ51をリンク52を介してアーム53に取り付けると、2自由度のリンク構造となり、図9に示すLow(最低速比)状態、図10に示すMid(中間比)状態、図11に示すHigh(最高速比)状態での各変速比において、アーム53とリンク52との間の角度θが自動的に変化し、テンションローラ51が自動的にプーリ11,21と干渉のない位置へ移動できる。したがって、実施例のように大径のテンションローラ51を用いた場合でも、テンションローラ51とプーリ11,21との干渉を確実に防止できる。
なお、2自由度のリンク構造に限らず、2本のリンクを用いることで3自由度のリンク構造としてもよい。
【0026】
また、アーム53の揺動軸53aを駆動プーリ11の近傍に配置してあるのは、次のような理由による。すなわち、図9〜図11に示すように、変速比の変化に伴って、テンションローラ51からVベルト15に加わる垂直方向の押し付け荷重T1が変化し、この押し付け荷重T1に比例したベルト張力が発生する。押し付け荷重T1は、スプリング54のばね荷重T2と、これと直角方向の荷重T3とのベクトル和で与えられる。なお、ここではアシストモータ55による付勢力を無視した。上記のようにアーム53の揺動軸53aを駆動プーリ11の近くに配置することにより、Low〜Highの間でアーム53とリンク52との間の角度θが変化し、押し付け荷重T1がLow時に比べてMid,High時の方が小さくなる。したがって、アシストモータ55を使用しなくても、Mid,High時に小さく、Low時に大きなベルト張力を得ることが可能である。
【0027】
図2,図3に示すように、この実施例の入力軸3および動力軸4は、駆動軸10と従動軸20の上下方向中間位置に配置されている。特に、動力軸4は駆動プーリ11と従動プーリ21の間に巻き掛けられたVベルト15の周回内に挿通配置されている。そのため、駆動軸10と従動軸20の上下方向のスペースの間に入力軸3と動力軸4が配置される形となり、上下方向の寸法を短縮できる。
【0028】
動力軸4に挿通された第2変速軸46もVベルト15の周回内に挿通配置されている。特に、第2変速軸46に設けられたアイドラギヤ46a,46bは、プーリ11,21より大径な変速ギヤ14d,22dと噛み合うため、小径な台形ギヤが使用されている。したがって、プーリ11,21の可動シーブ11b,21bが変速のために軸方向へ移動した時、可動シーブ11b,21bがこれらアイドラギヤ46a,46bと軸方向にオーバーラップすることができ、軸方向寸法を短縮することができる。また、変速ギヤ14d,22dの厚みが可動シーブ11b,21bの移動ストローク分の長さを必要とせず、薄肉なギヤとすることができるので、変速ギヤ14d,22dの軸方向移動スペースを小さくできる。その結果、小形の無段変速機を実現できる。
【0029】
また、駆動軸10は従動軸20より上方に配置されている。換言すれば、従動軸20は駆動軸10より下方に配置されているので、従動軸20、減速軸30および差動装置31が変速機ケース6の下部に配置され、潤滑性が向上する。また、従動軸20は駆動軸10および出力軸32より前方に配置され、かつ従動軸20は出力軸32とほぼ同一高さ位置に配置されている。そのため、駆動軸10、従動軸20,出力軸32が、駆動軸10を頂点とし、従動軸20と出力軸32を結ぶ線が底辺となる三角形配置となっている。そのため、重心位置が下方に位置し、安定した無段変速機を得ることができる。
【0030】
この実施例の無段変速機では、発進制御,変速制御および前後進切換を行うために、油圧サーボ機構、油圧クラッチ、トルクコンバータといった油圧を必要とする機器が一切用いられておらず、発進制御用モータと、変速用モータ40と、張力制御用アシストモータ65のみであらゆる制御を行うことができる。そのため、一般の自動変速機のように複雑で大型の油圧制御装置を必要とせず、極めて簡素でコンパクト、かつ低コストの無段変速機を得ることができる。また、当然ながらオイルポンプロスや、油の粘性による動力損失、変速性能の変化といった不具合もない。
【0031】
本発明は上記実施例にのみ限定されるものではない。
上記実施例では、Vベルトとして乾式ベルトを用いたが、油で潤滑する湿式ベルトを用いてもよい。
また、発進機構として乾式クラッチを用いたが、これに限定されるものではなく、トルクコンバータなどの流体継手、湿式クラッチ、電磁クラッチなどを用いることも可能である。
さらに、前後進切替機構として、前進切替手段12を駆動プーリ11より反エンジン側に、後進切替手段25を従動プーリ21よりエンジン側にそれぞれ分割配置したが、例えば入力軸3や動力軸4などの同一軸上に前進切替手段と後進切替手段とを隣接配置してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、駆動プーリの変速ギヤと従動プーリの変速ギヤを、それぞれのプーリの可動シーブより大径なギヤとしてあるので、第1の変速軸のギヤおよび第2の変速軸のアイドラギヤを、各プーリの可動シーブと半径方向にオーバーラップしない小径なギヤとすることができる。そのため、変速用モータの駆動力を各プーリの変速ギヤに伝達する伝達機構の配置スペースを小さくすることができ、全体として小型の無段変速機を得ることができる。
また、変速用モータの駆動力を第1の変速軸、一方のプーリの変速ギヤ、第2の変速軸、他方のプーリの変速ギヤという縦列的な伝達経路で伝達しているので、変速用モータを含む変速機構をプーリの中間位置に配置する必要がなく、変速用モータを一方のプーリの外側位置に配置でき、配置の自由度が高くなるという利点がある。
さらに、ネジ機構が、それぞれのプーリの可動シーブに対して軸受を介して相対回転自在に取り付けられた雌ねじ部材と、変速機ケースに固定された雄ねじ部材とを備え、駆動プーリの変速ギヤおよび従動プーリの変速ギヤを雌ねじ部材に固定し、第1の変速軸のギヤおよび第2の変速軸のアイドラギヤを、それぞれのプーリの可動シーブの軸方向変位量に対応した軸方向寸法を持つギヤとしているので、変速ギヤを厚みの薄いギヤとすることができ、変速ギヤの軸方向移動空間を縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無段変速機の一例の展開断面図である。
【図2】図1の無段変速機の内部構造の側面図である。
【図3】図1の無段変速機のプーリ部分の断面図である。
【図4】図3のIV−IV線拡大断面図である。
【図5】図1の無段変速機のスケルトン図である。
【図6】前進時における無段変速機の動力伝達経路を示すスケルトン図である。
【図7】後進時における無段変速機の動力伝達経路を示すスケルトン図である。
【図8】図1の無段変速機の左側面図である。
【図9】低速比におけるテンションローラとベルトとの接触位置を示す図である。
【図10】中間比におけるテンションローラとベルトとの接触位置を示す図である。
【図11】高速比におけるテンションローラとベルトとの接触位置を示す図である。
【符号の説明】
6 変速機ケース
10 駆動軸
11 駆動プーリ
14 アクチュエータ(ネジ機構)
14b 雌ねじ部材
14c 雄ねじ部材
14d 変速ギヤ
15 Vベルト
20 従動軸
21 従動プーリ
22 アクチュエータ(ネジ機構)
22b 雌ねじ部材
22c 雄ねじ部材
22d 変速ギヤ
40 変速用モータ
45 第1変速軸
45a ギヤ
46 第2変速軸
46a,46b アイドラギヤ

Claims (2)

  1. 変速ギヤおよびネジ機構を有する駆動プーリと、変速ギヤおよびネジ機構を有する従動プーリと、駆動プーリと従動プーリの間に巻き掛けられたベルトとを備え、変速用モータにより駆動プーリの変速ギヤと従動プーリの変速ギヤとを同期回転させることにより、ネジ機構を介して駆動プーリの可動シーブと従動プーリの可動シーブとを軸方向へ移動させ、変速比を無段階に可変とした無段変速機において、
    上記駆動プーリの変速ギヤと従動プーリの変速ギヤを、それぞれのプーリの可動シーブより大径なギヤとし、
    上記変速用モータから駆動力が伝達され、駆動プーリまたは従動プーリの一方の変速ギヤに噛み合うギヤを有する第1の変速軸を設け、
    上記駆動プーリおよび従動プーリの両方の変速ギヤに噛み合うアイドラギヤを有する第2の変速軸設け、
    上記ネジ機構は、それぞれのプーリの可動シーブに対して軸受を介して相対回転自在に取り付けられた雌ねじ部材と、変速機ケースに固定された雄ねじ部材とを備え、
    上記駆動プーリの変速ギヤおよび従動プーリの変速ギヤは上記雌ねじ部材に固定され、
    上記第1の変速軸のギヤおよび第2の変速軸のアイドラギヤは、それぞれのプーリの可動シーブの軸方向変位量に対応した軸方向寸法を持ち、かつ少なくとも可動シーブが最大限開いた状態で可動シーブと軸方向にオーバーラップするギヤであることを特徴とする無段変速機。
  2. 上記変速用モータおよびその駆動力を第1の変速軸に伝えるギヤ機構がモータハウジング内に設けられ、このモータハウジングを変速機ケースに取り付けることにより、上記ギヤ機構の出力軸が上記第1の変速軸に連結されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
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