JP3651733B2 - 化粧品用薬剤および薬用化粧品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は保湿作用が高く、抗炎症作用、細胞賦活作用を有する肌荒れなどに有効な化粧品用薬剤および薬用化粧品に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧品の原料として、保湿作用が高く、抗炎症作用、細胞賦活作用を有する物質は種々知られているが、合成品は長期間人間の肌に適応した場合の安全性の保証がなく使用が制限されつつある。一方、天然物では各種の作用作用が弱いものが多い。しかし人の肌に対する安全性の面から天然物で、多年、人が食したりして、安全性の面で保証されており、しかも保湿作用が高く、抗炎症作用、細胞賦活作用が強く、さらに皮膚に対する他の効果も合わせてもつ物質が望まれている。
【0003】
アマランサス (学名:Amaranthus cruentus L)はヒユ科に属する植物で、和名はスギモリゲイトウと呼ばれている。全体の高さは 50 〜200cm 、葉は卵状披針状で先が尖り、種子は円形で径は 1mm程度である。原産地は熱帯アジアであるが、ブラジルや日本でもまれに栽培されている。
アマランサスの茎や葉、花の美しい種類は観賞用として、また、葉をサラダ、種を食用としている。薬用としては、全草を咳止め、肝臓病、根を緩下剤等に利用している。
【0004】
このアマランサスの抽出物を、美白化粧料用の原料として配合すること(特開平 7-118138 号公報)、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす等の美白に優れた効果を有する皮膚外用剤の原料として配合すること(特開平 8-12548号公報)は知られている。これらは、アマランサスの抽出物がチロシナーゼ阻害作用によりメラニン生成抑制作用を有しているためと考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、天然品で保湿作用が高く、抗炎症作用、細胞賦活作用を有する物質であって、薬用化粧品に適する化粧品用薬剤は見出だされていないという問題がある。
また、アマランサスの抽出物は、メラニン生成抑制作用以外に知られておらず、したがって、美白化粧料や皮膚外用剤以外への適用は従来考慮されていないという問題がある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、本発明の目的は、皮膚に適用して安全であるとともに、保湿作用が高く、抗炎症作用、細胞賦活作用などが大きく、肌荒れなどに有効な成分を含んだ化粧品用薬剤および薬用化粧品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するため、すでに多年にわたって食用に供され、人体に対する安全性が確認されている植物をスクリーニングして調べ、化粧品として利用価値のあるものをスクリーニングして、その抗炎症作用、細胞賦活作用等を検討した。
その結果、アマランサスの抽出物が薬用化粧品原料として、あるいは医薬部外品としての有効性を有することを見出した。とくに確認された効果として保湿作用が高く、抗炎症作用、細胞賦活作用および抗酸化性が総合的に優れていることが確認され、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明はアマランサスを水および親水性有機溶媒から選ばれた少なくとも一つの溶媒で抽出してなる化粧品用薬剤である。
【0008】
また、抽出物が、アマランサスの葉の部分および種子の部分から選ばれた少なくとも一つの部分よりの抽出物であることを特徴とする。
【0009】
さらに、これらの抽出物を含有する薬用化粧品である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるアマランサスは、その葉、種子、茎または果実等の部分、あるいはこれらを含むアマランサス全体を抽出物原料として用いることができる。
本発明にあっては、葉の部分および種子の部分から選ばれた少なくとも一つの部分を用いると、とくに保湿作用が高く、抗炎症作用、細胞賦活作用および抗酸化性に優れた化粧品用薬剤を抽出することができる。
【0011】
アマランサスからの抽出は、水あるいは親水性有機溶媒、またはこれらの混合物を用いて行うことができる。
本発明に係る親水性有機溶媒は、水との親和性を有する溶媒であり、たとえば、分子内に水酸基、カルボキシル基、カルボニル基などの親水基を有する有機溶媒をいう。たとえば、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、アセトン等を挙げることができる。
これらの中でも、化粧品用薬剤としての安全性を考慮して水、エタノールあるいはこれの混合溶媒、あるいは、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、または多価アルコール類と水との混合溶媒での抽出が好ましく、最も好ましいのは、水、エタノールあるいはこれの混合溶媒である。
【0012】
抽出物は化粧品用薬剤として利用されるが、配合される化粧品に応じて抽出液のままでも、あるいは凍結乾燥して粉体として利用することもできる。
【0013】
たとえば、抽出物を他の化粧品原料、たとえばスクワラン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3-ブチレングリコール等の保湿剤や各種薬剤等とともに配合してさまざまな剤形の化粧品を調整することができる。たとえばローション、クリーム、乳液、パック等で目的に応じた利用形態とすることができる。
【0014】
【実施例】
実施例1
化粧品用薬剤をつぎの方法で調整した。
乾燥させたアマランサスの種子 10 g に水 500mlを加えて時々攪拌しつつ 3時間沸騰水浴上で加熱後、室温に冷却した。これを濾過した後、凍結乾燥して粉体としての化粧品用薬剤を得た。
【0015】
実施例2
乾燥させたアマランサスの種子 10 g に 50 重量%エタノール水溶液 500mlを加えて時々攪拌しつつ 5日間室温に放置した。これを濾過、エバポレートした後、凍結乾燥して粉体としての化粧品用薬剤を得た。
【0016】
実施例3
アマランサスの種子をアマランサスの葉に代える以外は実施例1と同一の条件方法で化粧品用薬剤を得た。
【0017】
実施例4
50 重量%エタノール水溶液をエタノール液に代える以外は実施例2と同一の条件方法で化粧品用薬剤を得た。
【0018】
得られた化粧品用薬剤をつぎの方法で評価した。評価方法と結果について説明する。
【0019】
1.シクロオキシゲナーゼ阻害試験
化粧品用薬剤としての抗炎症作用を評価するために、以下に示すシクロオキシゲナーゼ阻害試験を行った。
まず、試験に用いる試薬をつぎの方法で調製する。
1)ヒツジ性濃腺ミクロソーム溶液(Sheep Seminal Vesicle Microsomes: SVM 溶液)
ヒツジ性濃腺ミクロソーム (ELDAN TECHNOLOGIES CO.LTD-フナコシ) 2.5mg に冷却した 50mM Tris緩衝液(PH8.0) 2.5ml を加え溶解する。この SVM溶液は試験時に調製して、試験直前まで氷冷する。
2)COFACTOR MIX.
Tryptophan(和光純薬(株))2.7 mg、還元Gultathion (和光純薬(株))4.1 mg、Epinephrine tartrate(RESERCH BIOCHEMICALS INC.-フナコシ) 8.8mgに 50mM Tris緩衝液(PH8.0) 1.0ml を加え溶解する。このCOFACTOR MIX. は、試験時調製して、試験直前まで氷冷する。
3)0.4 mg/ml インドメタシン(Indomethacin)溶液
インドメタシン(生化学用、和光純薬(株)) 4.0mgを 50mM Tris緩衝液 (PH8.0) 10ml に溶解する。
4)1mg/ml ADAMクロロホルム溶液
ADAM(9-AnthryldiazOmethane-フナコシ 1mgを1ml のクロロホルムに溶解する。
【0020】
上述の試薬を用いてシクロオキシゲナーゼ阻害試験をつぎの手順で行った。
1)チユーブに SVM溶液 0.1mlを加え検体 10 μl を加えて COFACTOR MIX.溶液 10 μl を加え、 25 ℃の恒温水槽で 3分間浸盪保温する。
2)アラキドン酸溶液 2μl を加え、 3分間浸盪保温する。FeCl2 溶液 10 μl を加え、攪拌後 15 分間室温放置し、その後氷冷する。
3)チューブを遠心分離(回転数; 3,000rpm 、時間; 3分間)する。反応液上澄み 0.1mlを採取し、水 0.9mlの入った 3mlバイアルに加え混合する。バイアルに酢酸エチル 1.0mlを加え、振盪後静置する(時間;約 5分間)。
4)酢酸エチル層 0.5mlを採取し、 3mlリアクチバイアルに移す。窒素気流下 40 ℃以下で溶媒を除去する。ADAM−クロロホルム溶液 0.1mlを加え溶解し、 3時間以上放置する。
5) Sep-pakシリカにクロロホルムを流し、平衡化した後、放置した反応液をパスツールピペットを用いて Sep-pakシリカにのせる。さらにリアクチバイアル内を 0.3mlのクロロホルムで 3回洗い、Sep-pak シリカにのせる。
6)Sep-pak シリカにクロロホルム 5mlを流して非吸着成分を除く。Sep-pak シリカにアセ卜ニトリルとメタノールとの混合液(アセ卜ニトリル:メタノール=8:2)3ml を流し、PGE2-ADAM を溶出させる。窒素気流下、 40 ℃以下で溶媒を除去する。アセトニトリル 0.2mlを加え、超音波処理をして溶解させる。
7)これをつぎの条件で HPLC 分析する。
カラム :Develosil ODS-5、 4.6φ(内径)×150mm
移動相 :0.04 %リン酸-65 %(V/V) アセトニトリル−水
流 速 :1ml/min.
カラム温度: 40℃
試料注入量:10 μl
検出器▲1▼ :UV 254nm
検出器▲2▼ :蛍光 励起波長 365nm、蛍光波長 412nm
8)検体の代わりに、トリス緩衝液を用いて同様な処理を行い、対照とし、検体が対照と比較しどれだけ抑制されているか調べる。測定結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003651733
【0022】
表1に示すように、実施例4の化粧品用薬剤は、優れた抗炎症作用を有していることがわかった。
【0023】
2.紫外線紅斑抑制試験
本発明に係る化粧品用薬剤の紫外線によって誘発された紫外線紅斑抑制効果を 8週齢の雌性白色モルモット 6匹によりつぎの方法により試験した。
1)試験方法
1試験につき、 3試験試料の評価を実施する。
脱毛したモルモット背部に脊中対称に 3部位づつ、計6箇所にソーラーシュミレーター(601 型:SOLAR LIGHT 社)にてUVA および UVBを2.O MED/cm2 照射する。照射直後、パッチ伴(φ= 1.5cm:鳥居薬品)に試験試料および溶媒を 0.1mlづつしみこませ、左右対称に 2時間閉塞貼布する。判定は照射終了後、 2、 4および 6時間目に下記基準に基づき肉眼で行う。薬効の評価は試験試料側と溶媒側の平均スコアを比較することにより行う。
判定基準としては、各モルモットにつき、紅斑なしを0、わずかな紅斑を1、境界不明瞭な紅斑を2、境界明瞭な紅斑を3とし、加重平均値を求める。評価結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0003651733
【0025】
表2に示すように、実施例3または実施例4の化粧品用薬剤は、対照に比較して優れた紫外線紅斑抑制効果を有している。
【0026】
3.保湿性試験
シリカゲルを入れたデシケーター中に試料を 24 時間放置し、125 メッシュの網を通した後、シリカゲルを入れたデシケーター中にさらに 24 時間放置した。この試料約 0.5g をシャーレに広げて重量測定後(なお、シャーレ自体の重量は事前に測定しておく)、相対湿度(RH) 75 %のデシケーター中に 72 時間、その後相対湿度(RH) 33 %のデシケーター中に 24 時間置き、その間 24 時間おきに重量を測定し、つぎの式により重量増加率を求める。測定結果を表3に示す。
【0027】
重量増加率={(Wn−Wo)/Wo}×100
ここで、Wo=デシケーター中に放置前の重量、
Wn=放置後n時間後の重量をそれぞれ表す。
【0028】
【表3】
Figure 0003651733
【0029】
表3に示すように、実施例1または実施例3の化粧品用薬剤は、両相対湿度において、化粧品原料では現在もっとも保湿性の高いと言われているヒアルロン酸ナトリウムと比較してもさらに保湿性が高いことがわかった。
【0030】
4.線維芽細胞賦活試験
線維芽細胞増殖率をつぎの試験方法で測定する。
イ)分植・作用
1) 25 cm2 培養フラスコで培養した線維芽細胞をトリプシン-EDTA 溶液で剥離し、PBS(一)溶液に分散し、細胞濃度 1×105 個/ml の細胞浮遊液を調整する。
2) 24 ウェルマルチプレートに 10 %血清添加 EagleMEM 培地 1mlと細胞浮遊液 100μl を分注し、 37 ℃の炭酸ガス培養器中で 3日間培養する。
3)培養液を除去し、無血清の MEM培地に交換して 2日間培養する。
4) 0.5%血清添加の MEM培地で作成した検体 2mlに交換し、 5日間培養後、 DNA量の測定に供する。
ロ)細胞増殖率測定法( DNA量の測定による)
1) 24 ウェルプレートより培養液を除き、PBS(一)溶液 1mlで 2回洗浄する。
2)0.1 %トリプシン-EDTA 溶液 0.25ml を添加し 2〜3 時間放置し、細胞を剥離する。
3) 0.2mg/ml の RNAアーゼを含むプロテアーゼ試薬 0.25ml を加え、よくピペッティングした後 5ml容の試験管に移す。
4)エチジウムブロマイド試薬 0.5mlを加えシリコン栓をした後 10 〜 20 分間超音波処理を行う。
5)50℃の恒温槽中で一晩放置する。
6)励起波長 360nm、測定波長 590nmの蛍光強度を測定した。ブランクの蛍光強度を同時に測定し、次式により細胞増殖率を測定する。測定結果を表4に示す。
【0031】
細胞増殖率=(A−B)/(C−B)
ここで、Aは検体添加ウェルの蛍光強度を、Bはブランクの蛍光強度を、Cは対照ウェル( 検体無添加)の蛍光強度をそれぞれ表す。
【0032】
【表4】
Figure 0003651733
【0033】
表4に示すように、実施例1および実施例3の化粧品用薬剤は、優れた線維芽細胞賦活作用を示した。
【0034】
5. JTC細胞賦活試験
カバーガラスの入った 6cmのシャーレにEagleMEM(牛胎児血清 20 %含有)倍地を 5ml分注し、JTC-17細胞を 20 万個浮遊液を添加し、 5%炭酸ガス、 36 ℃で 48 時間培養し、緩衝液 PBS(-) (1 リッター中に NaCl-8.0g、KCl-0.2g、Na2 PO4 -1.15g、KH2 PO4 -0.2g を含む緩衝液)で 2度洗浄し、EagleMEM(牛胎児血清含有しない)で各濃度に希釈した試料 5mlと牛胎児血清 0.05ml を加えて 5%炭酸ガス、 36 ℃で 6日間培養し、固定、染色を行い、つぎの判定基準により細胞数の増減と細胞形態とを判定する。測定結果を表5に示す。
判定基準
1)細胞数の判定
−3:対照に比較して細胞数が 1.5倍以上に増殖した。
−2:対照に比較して細胞数が 1.3倍程度に増殖した。
−1:対照に比較して細胞数がやや増加した。
0:対照に比較して細胞数が同程度であった。
1:対照に比較して細胞数がやや減少した。
2:対照に比較して細胞数が 0.7倍程度に減少した。
3:対照に比較して細胞数が 0.5倍程度に減少した。
4:対照に比較して細胞数が 0.3倍程度に減少した。
5:細胞が全くあるいは極くわずかしか認められなかった。
2)細胞形態の判定
0:細胞のすべて或いはほとんど正常細胞である。
1:正常細胞が 80 %以上である。
2:正常細胞が 50 %以上 80 %未満である。
3:正常細胞が 20 %以上 50 %未満である。
4:正常細胞が 5以上〜 20 %未満である。
5:正常細胞が 5%未満である。
【0035】
【表5】
Figure 0003651733
【0036】
表5に示すように実施例1および実施例2は優れた JTC細胞賦活作用を示した。
【0037】
6.抗酸化試験
以下の試験液をネジキャップ付 50ml 試験管に作成する。
検体 5mg
2%リノール酸エタノール溶液 10ml
0.1M、pH7.0 リン酸緩衝液 10ml
精製水 5ml
これを 50 ℃の恒温槽に遮光して放置する。恒温槽に入れる前、 3日後、 6日後、 8日後に以下の測定する。
試験液 0.125ml、 75 %エタノール 12.125ml 、 30 %チオシアン酸アンモニウム 0.125mlを加えて攪拌し 3分間放置後、0.02N 塩化第一鉄 3.5% HCl水溶液0.125ml を加えて攪拌し 3分間放置後波長 500nmで吸光度を測定する。セル長 10nm 、対照セルは試験液を水に置き換えたものである。測定結果を表6に示す。
【0038】
【表6】
Figure 0003651733
【0039】
以上のシクロオキシゲナーゼ阻害試験、紫外線紅斑抑制試験、保湿性試験、線維芽細胞賦活試験、 JTC細胞賦活試験、抗酸化試験より、本発明の化粧品用薬剤は、保湿作用が高く、抗炎症作用および細胞賦活作用を有する物質であることがわかった。
【0040】
実施例5
実施例1で得られた化粧品用薬剤を用いて薬用化粧品としてのローションを得た。配合成分と配合量(重量部)を以下に示す。
オリーブ油 0.5
実施例1の化粧品用薬剤 0.5
ポリオキシエチレン(20E.0) ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.0) 硬化ヒマシ油 2.0
エタノ一ル 10.0
1.0 重量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
精製水 80.0
【0041】
精製水におよびヒアルロン酸ナトリウム水溶液加え 70 ℃に加熱調整する。オリーブ油にポリオキシエチレン( 20 E.0 )ソルビタンモノステアレートおよびポリオキシエチレン( 60 E.0 )硬化ヒマシ油を加え 70 ℃に加熱調整する。この油相を先に調整した水相に加え予備乳化し、さらに実施例1の化粧品用薬剤およびエタノールを加えてホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却して実施例5のローションを得た。
【0042】
実施例6
実施例2で得られた化粧品用薬剤を用いて薬用化粧品としてのクリームを得た。配合成分と配合量(重量部)を以下に示す。
A成分
スクワラン 20.0
オリーブ油 2.0
ミンク油 1.0
ホホバ油 5.0
ミツロウ 5.0
セトステアリルアルコール 2.0
グリセリンモノステアレート 1.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
実施例2の化粧品用薬剤 1.0
B成分
精製水 47.9
ポリオキシエチレン(20E.0) ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.0) 硬化ヒマシ油 1.0
グリセリン 5.0
1.0 重量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
A成分とB成分とをそれぞれ計量し、それぞれ 70 ℃まで加温し、B成分にA成分を攪拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり攪拌しつつ 30 ℃まで冷却して実施例6のクリームを得た。
【0043】
実施例7
実施例1の化粧品用薬剤を実施例3の化粧品用薬剤に代える以外は実施例5と同一の配合処方でローションを得た。
【0044】
実施例8
実施例2の化粧品用薬剤を実施例4の化粧品用薬剤に代える以外は実施例5と同一の配合処方でローションを得た。
【0045】
実施例5から実施例8で得られた薬用化粧品を用いて以下の使用テストを行った。
女性 6名づつの顔面を左右に分け、片側の顔面を実施例、もう片側の顔面を比較例として毎日、実施例のローションおよびクリームを 1回以上使用してもらって 3月後、使用後の肌荒れ防止や肌のつや、肌のはりについてアンケートした。比較例は各実施例より化粧品用薬剤を水に代えたものである(比較例1および2)。なお、 12 名を 2班に分け表7に示す試料を用いて実験した。また、判定基準を以下に示す。アンケートの結果をまとめて表7に示す。
判定基準は以下に示す点数で表し、その結果を集計した。
実施例が比較例より非常によい 3
実施例が比較例よりかなりよい 2
実施例が比較例よりややよい 1
実施例と比較例と差がない 0
比較例が実施例よりややよい −1
比較例が実施例よりかなりよい −2
比較例が実施例より非常によい −3
【0046】
【表7】
Figure 0003651733
【0047】
表7に示すように、本発明の薬用化粧品は、肌荒れ防止や、肌のつや、肌のはりに顕著な効果が認められた。
【0048】
【発明の効果】
本発明の化粧品用薬剤は、アマランサスを水および親水性有機溶媒から選ばれた少なくとも一つの溶媒で抽出してなるので、優れた抗炎症、細胞賦活作用および抗酸化作用を有する。
【0049】
また、アマランサスの葉の部分および種子の部分から選ばれた少なくとも一つの部分よりの抽出物であると、より優れた抗炎症、細胞賦活作用および抗酸化作用を有する化粧品用薬剤が得られる。
【0050】
本発明の薬用化粧品は、上述の化粧品用薬剤を含むので、肌荒れ防止や、肌のつや、肌のはりに非常に良好な効果をもたらす。

Claims (2)

  1. アマランサスの抽出物からなる紫外線紅斑抑制化粧品用薬剤であって、前記抽出物は、前記アマランサスを水および親水性有機溶媒から選ばれた少なくとも一つの溶媒で抽出してなることを特徴とする紫外線紅斑抑制化粧品用薬剤。
  2. 前記抽出物が、前記アマランサスの葉の部分および種子の部分から選ばれた少なくとも一つの部分よりの抽出物であることを特徴とする請求項1記載の化粧品用薬剤。
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