JP3650886B2 - 集合線用粗巻装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦添テープ巻ケーブルコア上に複数の粗巻線を順次密に巻き付けて集合線となす集合線用粗巻装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、繰出し粗巻線の張力を装置外から円滑に調整することができ、以って高速粗巻の可能な集合線用粗巻装置を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による集合線用粗巻装置は、回転軸と、回転軸に軸受を介して嵌合せられた前後一対の粗巻線供給ボビンよりなるボビン対の複数組と、回転軸の後端に取付けられかつ中心が供給芯線の延長上にある集合手段とを備えており、回転軸は、軸方向にのびた集合線通過中央孔と、集合線通過中央孔の周囲にあけられたボビン数に対応する複数の粗巻線通過周囲孔と、各ボビンから繰出された粗巻線を周囲孔の1つに導く半径方向の粗巻線導入孔とを有し、集合手段は、回転軸の後端にのぞむ集合線形成中央孔と、集合線形成中央孔の周囲に後方突出状に設けられた粗巻線通過周囲孔の数に対応する複数の粗巻線反転ガイド部とを有し、各ボビンから繰出された粗巻線が粗巻線導入孔より周囲孔を通過して後方に向かい、集合手段の粗巻線反転ガイド部で反転して集合線形成中央孔に導かれ、集合線形成中央孔内で集合手段に供給せられた芯線の周囲に回転軸の回転に伴って順次巻付けられ、集合線となされる集合線用粗巻装置であって、前粗巻線供給ボビンの後側と後粗巻線供給ボビンの前側とにそれぞれボビンと軸心を一致させて、ボビンと一体的に回転するようになされた羽根車が設けられ、羽根車の回転方向に空気を噴出する加速用ノズルと、羽根車の回転方向と逆方向に空気を噴出するブレーキ用ノズルとがそれぞれの羽根車にのぞませられた繰出し粗巻線の張力調整手段を備えているものである。
【0004】
請求項2の発明は、請求項1記載の集合線用粗巻装置において、前羽根車のブレードが前方に突出し、後羽根車のブレードが後方に突出しており、2つの前後羽根車加速用ノズルと2つの前後羽根車ブレーキ用ノズルとが、装置基台上に配置せられかつノズルに至る4つの空気流路を有しかつ各空気流路に送気導管が接続せられているブロックに備えられているものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図1の右側を「前」、同左側を「後」といい、「左」「右」とは、前から後をみた場合の「左」「右」をいうものとする。この実施の形態において、芯線は、複数の絶縁線心を撚り合わせたものに耐火テープを複数縦添え成形したものであり、粗巻線は、具体的にはガラス糸である。
【0006】
集合線用粗巻装置は、図1〜図5に示すように、回転軸(1)と、回転軸(1)に軸受(2)を介して嵌合せられた前後一対の粗巻線供給ボビン(3)(4)よりなるボビン対の4組と、回転軸(1)の後端に取付けられかつ中心が供給芯線(A)の延長上にある集合手段(5)とを備えており、回転軸(1)は、軸方向にのびた集合線通過中央孔(6)と、集合線通過中央孔(6)の周囲にあけられたボビン数に対応する8つの粗巻線通過周囲孔(7)と、各ボビン(3)(4)から繰出された粗巻線(B)を周囲孔(7)の1つに導く半径方向の粗巻線導入孔(8)とを有し、集合手段(5)は、回転軸(1)の後端にのぞむ集合線形成中央孔(9)と、集合線形成中央孔(9)の周囲に後方突出状に設けられた粗巻線通過周囲孔(7)の数に対応する8つの粗巻線反転ガイド部(10)とを有し、各ボビン(3)(4)から繰出された粗巻線(A)が回転軸 (1) の粗巻線導入孔(8)より周囲孔(7)を通過して後方に向かい、集合手段(5)の粗巻線反転ガイド(10)で反転して集合線形成中央孔(9)に導かれ、集合線形成中央孔(9)内で集合手段 (5) に供給された芯線(A)の周囲に回転軸(1)の回転に伴って順次巻付けられ、集合線(C)となされるものであって、回転軸(1)がボビン対毎の単位と前後部とに分割せられて中間分割軸(1A)と前後分割軸(1B)(1C)となされ、隣接する分割軸(1A)(1B)(1C)の一方の端部に軸受(11)が装着せられるとともに、その端面に嵌合凹部(12)が形成せられ、同他方の端部に軸受(11)が装着せられるとともに、その端面に嵌合凸部(13)が形成せられて全分割軸(1A)(1B)(1C)どうしが軸線に対し横方向から嵌合接合せられている。他方、装置基台(14)には、嵌合接続部毎に軸受架台(15)が配置せられている。図6〜図8に示すように、軸受架台(15)は、装置基台(14)に固定せられた固定部材(16)と、固定部材(16)に対して開閉自在な可動部材(17)とよりなり、可動部材(17)を閉じたさいの固定部材(16)と可動部材(17)との両合わせ面に、軸受外輪嵌合凹部(18)を周方向に有する軸孔半分相当の半円溝(19)がそれぞれ形成せられており、中間分割軸(1A) の両側にある軸受架台(15)の可動部材(17)を開いて嵌合接続部の嵌合を横方向に解くことにより、ボビン対付き中間分割軸(1A)が両軸受架台(15)より取出されるようになされている。
【0007】
軸受架台(15)の固定部材(16)は、背面からみてL形でその水平部(16a)が中間分割軸(1A)の取出し方向に突出するとともに、水平部(16a)の上面から側面にかけて切欠部(20)が形成せられ、上端部にナット(21)を有するねじ棒(22)が、その下端に設けられた環状部(23)を切欠部(20)の両側壁にわたし止められた支持ピン(24)に遊嵌することにより起倒自在となされている。固定部材(16)の垂直部(16b)は、分割軸取出し側面がやや上向きに傾斜せしめられて半円溝(19)が露われるようになされ、しかも軸受外輪嵌合凹部(18)の下端が固定部材(16)の垂直部(16b)と水平部(16a)の交叉角部にほぼ一致せしめられている。軸受架台(15)の可動部材(17)は、固定部材(16)の水平部(16a)に載置せられるとともに、固定部材(16)の半円溝(19)と可動部材(17)の半円溝(19))とが合わさって軸孔(25)となるように、分割軸取出し側反対面が固定部材(16)の半円溝露出面に密接するやや下向きに傾斜せしめられ、可動部材(17)が上方に開くように、固定部材(16)の垂直部(16b)の上端に左右方向にのびた溝(26)が形成せられるとともに、可動部材(17)の半円溝露出面の上端に溝(26)にはめ込まれた耳部(27)が設けられ、耳部(27)が溝(26)の両側壁に支持ピン(28)により揺動自在に取り付けられている。可動部材(17)の分割軸取出し側下端には、固定部材(16)のねじ棒(22)に備わったナット(21)の締付け用平坦水平部(29)が突出状に設けられ、平坦水平部(29)には、上面から側面にかけてナット(21)付きねじ棒(22)が起倒しうる切欠部(30)が形成せられている。
【0008】
中間分割軸(1A)には、前ボビン(3)の前側および後ボビン(4)の後側に、中央に貫通孔を有する横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)が、相互に開口側を向かい合わせて配され、それぞれの孔縁部が中間分割軸(1A)に設けられた鍔部(33)に取付けられている。横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)の周壁は、ボビン(3)(4)の一方のフランジ(34)を越えてボビン(3)(4)側にのびかつ同周壁の周縁部(35)はガイド部材(31)(32)内方に弧状に折返されている。軸受架台(15)における固定部材(16)の水平部(16a)の装置基台(14)からの高さ(h)は、椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)の半径(r1)から中間分割軸(1A)の軸受(11)の半径(r2)を差引いた長さにほぼ等しくなされている。装置基台(14)には、椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)の回転に支障がないように、くぼみ(36)が設けられている。他方、装置基台(14)の側方には、図8に示されているように、装置基台(14)と面一の台板(37)が設けられてこれの上方に垂直板状分割軸受止め部材(38)が配置せられている。分割軸受止め部材(38)は、これの下端部を挟んで固着せられるとともに、台板(37)にあけられた長孔(39)を通して下方にのび、台板(37)の下面に設けられた垂直固定板(40)を上からゆるく挟み、垂直固定板(40)に設けられた支持ピン(41)に揺動自在に取付けられた一対の脚(42)を有している。分割軸受止め部材(38)には、中間分割軸(1A)に向かって開口した分割軸受入れ凹部(43)が形成せられ、凹部(43)は、その上縁部が除去せられ、回転軸(1)の外周半分弱と合致する円弧状底部(43a)と、円弧状底部(43a)の下端から中間分割軸(1A)に向かってのびた水平部(43b)と、水平部(43b)の先端から分割軸受止め部材(38)の端までのびた下向き傾斜部(43c)とよりなる。分割軸受止め部材(38)の直立時における円弧状底部(43a)の円弧中心(O1)および支持ピン中心すなわち揺動支点(O2)を結ぶ線(L1)と揺動支点(O2)を通る鉛直線(L2)とのなす角度(θ1)より、分割軸受止め部材(38)の分割軸反対方向への傾斜時における円弧状底部(43a)の円弧中心(O1)および揺動支点(O2)を結ぶ線(L3)と揺動支点(O2)を通る鉛直線(L2)とのなす角度(θ2)の方が小さくなるように、長孔(39)の両端(39a)(39b)の位置が揺動する脚(42)の当接関係により決められている。横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)の周壁先端には、回転軸(1)の粗巻線導入孔(8)に対応して粗巻線ガイド環(44)が固着せられている(図2)。
【0009】
中間分割軸(1A)のボビン(3)(4)が空になった場合は、中間分割軸(1A)の両側にある軸受架台(15)の可動部材(17)を開いて嵌合接続部の嵌合を横方向に解き、ボビン対付き中間分割軸(1A)を固定部材(16)の垂直部(16b)の半円溝(18)より取出してその両端部の軸受(11)を固定部材 (16)の水平部(16a)に移し、この上を転動させてその端から外れると、一対の横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)が装置基台(14)上にのる。そこで、両横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)を装置基台(14)から台板(37)に転動させると、中間分割軸(1A)の中央部が分割軸受止め部材(38)の分割軸受入れ凹部(43)に自動的に入る。その移動力を受けて分割軸受止め部材(38)は中間分割軸(1A)の移動方向に若干傾く。このさい、分割軸受止め部材(38)の直立時における円弧状底部(43a)の円弧中心(O1)および揺動支点(O2)を結ぶ線(L1)と揺動支点(O2)を通る鉛直線(L2)とのなす角度(θ1)より、分割軸受止め部材(38)の分割軸反対方向への傾斜時における円弧状底部(43a)の円弧中心(O1)および揺動支点(O2)を結ぶ線(L3)と揺動支点(O2)を通る鉛直線(L2)とのなす角度(θ2)の方が小さいので、分割軸受止め部材(38)の直立時における円弧状底部(43a)の円弧中心(O1)より、分割軸受止め部材(38)の傾斜時における円弧状底部(43a)の円弧中心(O1)の方が高い位置にくる。したがって、両横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)は台板(37)から浮上がるとともに、分割軸受入れ凹部(43)の開口が斜め上向くので、空ボビン対付き中間分割軸(1A)は、分割軸受止め部材(38)に安定した状態で支持せられる。そこで、これをすでに用意せられた満巻ボビン対付き中間分割軸(1A)と取替えてもよいし、別の場所に移して横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)等を取外したうえ、空ボビンを満巻ボビンと取替えて原状に復せしめ、分割軸受止め部材(38)に戻してもよい。その後、傾斜状分割軸受止め部材(38)を直立状に復せしめると、両横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)は台板(37)上に載るので、両横向き椀状粗巻線ガイド部材(31)(32)を台板(37)から装置基台(14)に転動させ、さらに中間分割軸(1A)の両端部にある軸受(11)を前後の軸受架台(15)における固定部材(16)の水平部(16a)上を転動させ、同垂直部(16b)の半円溝(18)に入れて可動部材(17)を閉じる。つぎに、固定部材(16)のねじ棒(22)を起立させ、その上部にあるナット(21)を可動部材(17)の平坦水平部(29)の上からねじ締めることにより、固定部材(16)と可動部材(17)とを一体化し、軸孔(25)を有する軸受架台(15)とする。
【0010】
集合手段(5)の詳細は、図4および図5に示されている。集合手段(5)は、内周面段部(45)付き後方中央突出筒部(46)および横断面円弧状の粗巻線ガイド周縁部(47)を有しかつ4本の水平ボルト(48)の基端が固着せられた円盤(49)と、円盤(49)の後方中央突出筒部(46)にはめ被せられかつ後端に8つの粗巻線反転ガイド部(10)を有する筒体(50)と、円盤(49)の後方中央突出筒部(46)に、その段部(45)に達するまではめ入れられるとともに、後端部が後方中央突出筒部(46)から突出しかつ集合線形成中央孔(9)を有する円柱体(51)とよりなる。円盤(49)の粗巻線ガイド周縁部(47)には、8本の粗巻線(B)をそれぞれに対応する粗巻線反転ガイド部(10)に案内しうるように16本の角(52)が放射状に設けられ、2本の角(52)を一対としてその間を1本の粗巻線(B)が通るようになされている。粗巻線反転ガイド部(10)は、滑車状であるが回転しないように固定されておりかつ円柱体(51)より後方に突出している。集合線形成中央孔(9)は、前直線部(9a)と後方に広がった後テーパ部(9b)とよりなる。そして、粗巻線反転ガイド部(10)から集合線形成中央孔(9)に導かれた8本の粗巻線(B)は、集合線形成中央孔(9)に導かれた芯線(A)の周囲を巡りつつ、テーパ部(9b)において次第に接近し、直線部(9a)において回転軸(1)の回転に伴い芯線(A)に順次螺旋状に巻付けられていく。後分割軸(1C)の後端には、その周縁が円盤(49)の周縁とほぼ同じ径の鍔部(53)が設けられており、円盤(49)の4本の固定ボルト(48)に対応して4つのボルト挿通孔(54)があけられている。円盤(49)の固定ボルト(48)は、これにスペーサパイプ(55)がはめられて鍔部(53)のボルト挿通孔(54)を貫通せしめられ、その前方突出部にナット(56)がねじはめられて鍔部(53)に締止められ、その結果、集合手段(5)が回転軸(1)の後端と所定間隔をおいて保持せられている。そして、回転軸(1)の後端に開口した8つの粗巻線通過周囲孔(7)から引出された粗巻線(B)は、集合手段(5)に導かれ、上記のようにして芯線(A)に順次巻付けられ、集合線(C)となされて回転軸(1)の集合線通過中央孔(6)の開口に導かれ、粗巻装置の前方にある集合線巻取機により、集合線通過中央孔(6)を通って粗巻装置の前方に引出される。
【0011】
集合線用粗巻装置は、さらに、図2、図9および図10に示すように、前粗巻線供給ボビン(3)の後側と後粗巻線供給ボビン(4)の前側とにそれぞれボビンと軸心を一致させて、ボビンと一体的に回転するようになされた羽根車(57)(58)が設けられ、羽根車(57)(58)の回転方向に空気を噴出する加速用ノズル(59)と、羽根車(57)(58)の回転方向と逆方向に空気を噴出するブレーキ用ノズル(60)とがそれぞれの羽根車(57)(58)にのぞませられた繰出し粗巻線の張力調整手段(61)を備えている。
【0012】
前羽根車(57)のブレード(57a)は前方に突出し、後羽根車(58)のブレード(58a)は後方に突出している。2つの水平な前後羽根車加速用ノズル(59)と2つの垂直な前後羽根車ブレーキ用ノズル(60)とが両側のブレード(57a)(58a)に空気を吹付けうるように位置決めせられている。ノズル(59)(60)は装置基台(14)上に配置せられかつノズル(59)(60)に至る4つの空気流路(62)(63)を有しかつ各空気流路(62)(63)に送気導管(64)(65)が接続せられているブロック(66)に備えられている。加速用ノズル(59)への送気導管(64)とブレーキ用ノズル(60)への送気導管(65)には、1つのコンプレッサ(図示略)より圧搾空気が切換弁により切換えられて供給せられるようになっている。
【0013】
図1に示すように、前分割軸(1B)には、プーリ(66)が取付けられ、これとモータ(67)の出力軸に取付けられたプーリ(68)とにベルト(69)がかけわたされており、回転軸(1)に回転動力が伝達せられるようになっている。
【0014】
図2、図9および図10について、繰出し粗巻線の張力の調整の仕方について説明する。ボビン(3)(4)とともに羽根車(57)(58)は、粗巻線(B) の繰出し方向である図10の時計方向に回転している。粗巻線(B) に巻取機から加わる張力が一定値より大きくなると断線する。このような場合には、加速ノズル(59)より空気を噴出して羽根車(57)(58)のブレード(57a)(58a)に空気圧を加え、羽根車(57)(58)の回転速度すなわちボビン(3)(4)の回転速度を速くして粗巻線(B) を送り出すようにし、断線を防ぐ。逆に、粗巻線(B) に巻取機から加わる張力が一定値より小さくなると、粗巻線(B) はたるみ、どこかに引っ掛かって切れることがある。この場合には、ブレーキノズル(60)から羽根車(57)(58)のブレード(57a)(58a)に空気圧を加え、羽根車(57)(58)に制動力を与え、羽根車(57)(58)の回転速度すなわちボビン(3)(4)の回転速度を遅くして粗巻線(B) に張力を付加し、断線を防ぐ。これらいずれの場合も空気の噴出力はその都度適当に調整する。繰出し粗巻線の張力の過不足は、集合手段(5)付近の粗巻線の状態で目視判別できるが、この箇所に張力過不足検出手段を配置してもよい。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の集合線用粗巻装置によれば、前粗巻線供給ボビンの後側と後粗巻線供給ボビンの前側とにそれぞれボビンと軸心を一致させて、ボビンと一体的に回転するようになされた羽根車が設けられ、羽根車の回転方向に空気を噴出する加速用ノズルと、羽根車の回転方向と逆方向に空気を噴出するブレーキ用ノズルとがそれぞれの羽根車にのぞませられた繰り出し粗巻線の張力調整手段を備えているので、供給ボビンから繰出される粗巻線の張力を装置外から微妙なところまで調整可能であり、断線を防ぎうるばかりか、空気圧を用いるため、張力調整を円滑に行え、粗巻の高速化が可能となる。
【0016】
請求項2の集合線用粗巻装置によれば、前羽根車のブレードが前方に突出し、後羽根車のブレードが後方に突出しており、2つの前後羽根車加速用ノズルと2つの前後羽根車ブレーキ用ノズルとが、装置基台上に配置せられかつノズルに至る4つの空気流路を有しかつ各空気流路に送気導管が接続せられているブロックに備えられているので、コンパクトな構造で繰出し粗巻線の張力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す集合線用粗巻装置全体の左側面概略図である。
【図2】 両側隣接分割軸と嵌合接合せられた状態におけるボビン対付き中間分割軸の拡大縦断面図である。
【図3】 図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】 集合手段、後分割軸および中間分割軸の後一部の拡大縦断面図である。
【図5】 集合手段の拡大背面図である。
【図6】 軸受架台の拡大平面図である。
【図7】 図2のVII−VII線に沿う縮小断面図である。
【図8】 前後一対の軸受架台からボビン対付き中間分割軸を取出し、分割軸受止め部材に受止めさせる状態を示す断面図である。
【図9】 ボビンからの繰出し粗巻線の張力調整手段の右側面図である。
【図10】 図9のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
(14):装置基台
(31):前粗巻線供給ボビン
(32):後粗巻線供給ボビン
(57):前羽根車
(57a):前羽根車のブレード
(58):後羽根車
(58a):後羽根車のブレード
(60):加速用ノズル
(61):繰出し粗巻線の張力調整手段
(62)(63):空気流路
(64)(65):送気導管
(66):ブロック
Claims (2)
- 回転軸と、回転軸に軸受を介して嵌合せられた前後一対の粗巻線供給ボビンよりなるボビン対の複数組と、回転軸の後端に取付けられかつ中心が供給芯線の延長上にある集合手段とを備えており、回転軸は、軸方向にのびた集合線通過中央孔と、集合線通過中央孔の周囲にあけられたボビン数に対応する複数の粗巻線通過周囲孔と、各ボビンから繰出された粗巻線を周囲孔の1つに導く半径方向の粗巻線導入孔とを有し、集合手段は、回転軸の後端にのぞむ集合線形成中央孔と、集合線形成中央孔の周囲に後方突出状に設けられた粗巻線通過周囲孔の数に対応する複数の粗巻線反転ガイド部とを有し、各ボビンから繰出された粗巻線が粗巻線導入孔より周囲孔を通過して後方に向かい、集合手段の粗巻線反転ガイド部で反転して集合線形成中央孔に導かれ、集合線形成中央孔内で集合手段に供給せられた芯線の周囲に回転軸の回転に伴って順次巻付けられ、集合線となされる集合線用粗巻装置であって、前粗巻線供給ボビンの後側と後粗巻線供給ボビンの前側とにそれぞれボビンと軸心を一致させて、ボビンと一体的に回転するようになされた羽根車が設けられ、羽根車の回転方向に空気を噴出する加速用ノズルと、羽根車の回転方向と逆方向に空気を噴出するブレーキ用ノズルとがそれぞれの羽根車に対して配置された繰出し粗巻線の張力調整手段を備えている集合線用粗巻装置。
- 前羽根車のブレードが前方に突出し、後羽根車のブレードが後方に突出しており、2つの前後羽根車加速用ノズルと2つの前後羽根車ブレーキ用ノズルとが、装置基台上に配置せられかつノズルに至る4つの空気流路を有しかつ各空気流路に送気導管が接続せられているブロックに備えられている請求項1記載の集合線用粗巻装置。
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