JP3650073B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関し、とくに有機エレクトロルミネッセンス素子の発光不良を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、「有機EL表示装置」または「有機ELパネル」ともいう)が、新たな平面型表示装置として注目されている。とくに、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」ともいう)をスイッチング素子として備えるアクティブマトリクス型有機EL表示装置は、現在広く普及している液晶表示装置を席巻する日も近いと目されており、実用化に向けて熾烈な開発競争の最中にある。
【0003】
図1は、一般的な有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう)の断面構造を概略的に示す。有機EL素子100は、基板10上に、陽極層20、有機発光素子層80、および陰極層60を順に積層形成した構造となっている。有機発光素子層80は、正孔輸送層30、発光層40、および電子輸送層50を含み、この順に陽極層20上に積層形成される。陽極層20と陰極層60との間に電圧が印加されると、陽極層20から注入された正孔が正孔輸送層30により発光層40へ輸送され、陰極層60から注入された電子が電子輸送層50により発光層40へ輸送される。電子と正孔は、発光層40の界面または内部で再結合し、そのエネルギーにより発光層40の有機分子の電子が励起される。そして、励起された電子が緩和するときに蛍光が放射される。陽極層20と陰極層60のうち少なくとも一方は、可視光領域の光を透過する透明または半透明な材料により形成されており、発光層40で放射された光はその電極層を透過して外部へ取り出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、有機EL表示装置は液晶表示装置と異なり、素子自身が発光するため、液晶表示装置では必須の構成であったバックライトが不要となり、装置のさらなる薄型化、軽量化が期待できる。しかしながら、何らかの要因により発光不良が発生すると、画面内に滅点が生じて画面が見辛くなってしまい、場合によっては表示装置としての機能に支障をきたすこともある。滅点の少ないまたは滅点のない有機EL表示装置を歩留まり良く製造するために、発光不良の原因を究明し、効果的に防止することが重要な課題となっている。
【0005】
本発明は、そうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機EL素子において、発光不良の発生を軽減する技術の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
この方法は、一対の電極の間に、少なくとも正孔輸送層および発光層を含む有機層を蒸着により設けたアクティブマトリクス型の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、一方の電極上に付着した粒径3000オングストロームの異物を N,N'- ( ナフタレン - - イル )-N,N'- ジフェニル - ベンジジンを含む膜厚1700オングストロームの正孔輸送層によって覆うことにより、一対の電極層の間にショートが発生することによる画素全体の滅点を抑制したことを特徴とするものである。
このように、異物を有機層で実質的に覆うことにより、陽極と陰極との間のショートを防ぎ、発光不良の発生を抑えることができる。付着した全ての異物を有機層で覆うことが好ましいが、付着した異物の全てが電極間のショートを引き起こすわけではないし、たとえば有機EL素子を複数備えた有機ELパネルにおいて製品が満たすべきパネル内滅点数の上限が定められている場合は、その上限を超えない程度に異物が覆われていればよい。要は、電極間ショートによる発光不良の発生数を、許容される範囲内に抑えるために十分であると期待される膜厚に、有機層を堆積させればよい。
【0007】
補正後の請求項1の本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、一対の電極層の間に、少なくとも正孔輸送層および発光層を含む有機層を蒸着により設けた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記正孔輸送層は、 N,N'- ( ナフタレン - - イル )-N,N'- ジフェニル - ベンジジンを含み、前記正孔輸送層の膜厚が1700オングストローム以上である。
補正後の請求項2の本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、板上に有機層を蒸着法により堆積させて有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、前記有機層は、前記基板上に設けられた陽極層と発光層との間に設けられた正孔輸送層を含み、前記正孔輸送層は、 N,N'- ( ナフタレン - - イル )-N,N'- ジフェニル - ベンジジンを含み、前記陽極層上に付着した粒径3000オングストローム以下の異物を実質的に覆うように前記正孔輸送層を膜厚1700オングストローム以上蒸着し、その上層に前記発光層を堆積させるものである。
なお、有機層を堆積させる装置内に存在する異物の粒径の分布を取得することにより決定された膜厚に有機層を堆積させてもよい。異物の種類や、その粒径の分布は、装置ごとに異なる可能性があるので、たとえば、新たに装置を使用開始する際に、装置内に残留している異物の粒径を測定し、それらの異物を覆うに十分と期待される有機層の膜厚を判断してもよい。装置を使用する度に異物の粒径を測定して、有機層の膜厚を決定してもよい。装置内に異物の数または粒径を測定するためのセンサを設けておき、有機層の膜厚をリアルタイムに制御してもよい。製造した有機ELパネルの滅点数を測定することにより、有機層の膜厚を決定してもよい。有機層を堆積させた後の基板表面を観察して、異物が十分に覆われているか否かを調査し、異物が十分に覆われていないときは有機層の膜厚をさらに厚くするなどして、有機層の膜厚を決定してもよい。
【0008】
有機層は、基板上に設けられた陽極層と発光層との間に設けられた正孔輸送層を含み、陽極層上に付着した異物を実質的に覆うように正孔輸送層を堆積させ、その上層に発光層を堆積させてもよい。発光層よりも下に位置する層により異物を覆っておくことで、電極間のショートを防ぐことができる。正孔輸送層の膜厚は、1300オングストローム以上、より好ましくは1700オングストローム以上であってもよい。
【0009】
本発明の別の態様は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
この素子は、一対の電極の間に、少なくとも正孔輸送層および発光層を含む有機層を蒸着により設けたアクティブマトリクス型の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、一方の電極上に付着した粒径3000オングストロームの異物を N,N'- ( ナフタレン - - イル )-N,N'- ジフェニル - ベンジジンを含む膜厚1700オングストロームの正孔輸送層によって覆うことにより、一対の電極層の間にショートが発生することによる画素全体の滅点を抑制したことを特徴とするものである。
この素子によれば、付着した異物を有機層で実質的に覆い、電極間のショートを防ぐことができる。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態に係る有機EL素子を製造する方法においては、発光層などの有機層を堆積させるときに、基板表面に異物が付着してしまった場合であっても、有機層を厚めに堆積させて異物を実質的に覆い、電極間の電気的接触を防ぐ。
【0012】
図2は、有機EL素子の製造過程で表面に異物が付着したときの断面構造を模式的に示す。なお、同図は、異物が付着した様子を分かりやすく模式的に示したものであって、基板、各電極層、および各有機層の実際の厚みと異物の粒径との関係を示す趣旨ではない。基板10上に陽極層20を積層形成したのち、その基板を、有機層を蒸着するための装置内に導入したとき、装置内に残留していた異物70が陽極層20の表面に付着することがある。異物70が付着したまま陽極層20の上に有機発光素子層80を蒸着すると、異物70の影になる部分とその周辺には有機物が蒸着されにくくなるため、有機発光素子層80により異物70を覆いきれず、異物70の周辺に隙間が空いてしまう可能性がある。有機発光素子層80の上に陰極層60を積層形成するときに、陰極の構成材料がその隙間に入り込むと、その部分で陽極層20と陰極層60が接触し、ショートを引き起こしてしまう。
【0013】
陽極層20と陰極層60がショートした場合、陽極層20と陰極層60の間に電圧を印加しても、ショートした部分に集中的に電流が流れるため、発光層40に電流が流れなくなってしまい、画素全体にわたって発光が起こらず非発光画素となる。このような欠陥を持つ有機EL素子150が有機ELパネル中に多数存在すると、もはや製品として出荷することができなくなるため、歩留まりが低下してしまう。
【0014】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す。本実施の形態では、正孔輸送層30の膜厚を厚くすることで、異物70を正孔輸送層30により実質的に覆う。
【0015】
基板10は、ガラスなどの絶縁性物質により形成される。基板10は、たとえばアクティブマトリクス型の有機ELパネルなどの場合、絶縁性基板上にTFTなどのスイッチング素子を含む駆動用回路が形成され、その上に平坦化膜などが形成された構造となっているが、本明細書中では駆動用回路などの構成も含めて基板10と呼ぶ。
【0016】
基板10の上層に、陽極層20が形成される。陽極層20に用いる材料としては、酸化インジウム・スズ(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO)、または酸化インジウム(In3)等が例示される。一般的には、ホール注入効率や表面抵抗の低さからITOが用いられる。ITOは可視光の透過性が高いので、発光層40で放射された光はITOにより形成された陽極層20を透過して基板外へ取り出される。必要に応じて、陽極層20の上にさらに平坦化膜を堆積させてもよい。
【0017】
陽極層20の上層に、正孔輸送層30、発光層40、および電子輸送層50を含む有機発光素子層80が形成される。一般に、これらの有機層は、複数の形成室を備えるマルチチャンバー型製造装置にて真空蒸着法を用いて形成される。基板を装置内に導入する前に、基板表面の清浄化が行われるが、それでも除去しきれなかった異物が表面に残ることがある。また、装置の形成室内に、たとえば前回製造した有機EL素子から剥離した無機物または有機物や、基板に蒸着されなかった有機物などが残留していて、新たに導入した基板表面に付着することがある。付着した異物に起因する電極間の電気的接触を効果的に防止するには、異物を実質的に覆う程度の厚さの有機層を堆積させればよい。
【0018】
正孔輸送層30の材料としては、 N,N - ( ナフタレン - - イル )-N,N - ジフェニル - ベンジジン (N,N'-Di(naphthalene- -yl)-N,N'-diphenyl-benzidine :NPB ) 発光層40の材料としては、アルミキノリン錯体(Alq3)、またはキナクリドン誘導体を含むビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(bis (10-hydroxybenzo[h]quinolinato) beryllium:Bebq2)等が例示される。電子輸送層50の材料としては、Alq3またはBebq2等が例示される。
【0019】
電子輸送層50の上層に、陰極層60が形成される。陰極層60の材料としては、例えば、リチウムを微量に含むアルミニウム合金、マグネシウムインジウム合金、またはマグネシウム銀合金等が例示される。陰極層60は、電子輸送層50側から順に、フッ化リチウム(LiF)層およびアルミニウム(Al)層を備えた2層構造であってもよい。
【0020】
本実施の形態では、図3に示すように、正孔輸送層30により異物70を覆っている。こうすることで、陽極層20と陰極層60との電気的接触を防ぎ、ショートに起因する画素全体にわたる発光不良を効果的に防止することができる。さらに、陽極層20と発光層40との間に位置する正孔輸送層30により異物70を覆うことで、発光層40の材料となる有機物の蒸着不良を防止し、発光層40を隙間なく均一に蒸着することができるので、異物70周辺の発光不良を効果的に防止することができる。
【0021】
図4は、本実施の形態に係る有機EL素子の製造過程で、正孔輸送層の上面に異物が付着したときの断面構造を模式的に示す。図4に示すように、正孔輸送層30の上に異物70が付着し、発光層40および電子輸送層50が異物70の周辺に蒸着されず、陰極層60がその隙間に入り込んだとき、正孔輸送層30の膜厚が薄いと、陽極層20と陰極層60とがショートして、発光層40に電流が流れなくなり、画素全体が滅点となる。本実施の形態の有機EL素子200では、正孔輸送層30の膜厚を厚くしてあるので、陽極層20と陰極層60との間のショートを防ぐことができる。
【0022】
図5(a)(b)は、有機ELパネル中の滅点の分布を示す図である。滅点の分布は、有機ELパネルを顕微鏡などを用いて目視することにより測定した。図5(a)は、図2に示した、有機層の膜厚の薄い有機EL素子により構成された有機ELパネルの滅点の分布を示す。この有機パネル中には、もはや表示装置としての機能を十分に果たすことができないほどの多数の滅点が発生している。図5(b)は、図3に示した、有機層の膜厚の厚い有機EL素子により構成された有機ELパネルの滅点の分布を示す。この有機パネル中の滅点の数は、図5(a)に示した有機ELパネル中の滅点の数に比べて激減しており、有機層の膜厚を厚くすることで滅点の発生を大幅に抑えられることが分かる。
【0023】
図6は、正孔輸送層30の膜厚の異なる複数の有機ELパネルについて、滅点数を測定した結果を示す。NPBを正孔輸送層とした複数の有機ELパネルを製造し、滅点数を測定した。
【0024】
図7は、図6に示した測定結果について、NPB膜厚と滅点数との間の関係をグラフにしたものである。NPB膜厚が1100オングストロームの有機ELパネルでは、滅点数が18個以上と、製品としてふさわしくないものが含まれているが、NPB膜厚を1300オングストロームにすると、滅点数が減少し、歩留まりが向上することが分かる。NPB膜厚をさらに厚くすると、滅点数もそれに伴って減少し、NPB膜厚が1700オングストロームの有機ELパネルでは、NPB膜厚が2400オングストロームのものとほぼ同じレベルまで滅点数が減少している。滅点の発生要因は、電極間のショート以外にもあると考えられるため、NPB膜厚を1700オングストローム以上にすることで、電極間のショートに起因する滅点の発生は十分に抑えられていると考えられる。以上の結果から、正孔輸送層30の膜厚は、好ましくは1300オングストローム以上、より好ましくは1700オングストローム以上とする。正孔輸送層30の膜厚の上限値は、有機EL素子の特性に大きな影響を与えない程度に設計されればよく、たとえば、5000オングストローム以下、より好ましくは4000オングストローム以下であってもよい。
【0025】
有機層を堆積させるための装置に残留している異物の粒径の分布は、装置ごとに異なる可能性がある。図6および図7に示した例では、装置内の異物の粒径は3000オングストローム程度のものが多いことが分かっているので、正孔輸送層30の膜厚は、少なくとも異物の粒径の半分程度にすればよいといえる。このような指針のもと、有機層を堆積させる装置内に存在する異物の粒径の分布を予め取得しておき、それに基づいて有機層の膜厚を決定してもよい。たとえば、新たに装置を使用開始する際に、装置内に残留している異物の粒径を測定し、それらの異物を覆うに十分と期待される有機層の膜厚を判断してもよいし、装置を使用する度に異物の粒径を測定して、有機層の膜厚を決定してもよい。これにより、装置ごとに適切な膜厚を決定することができるので、より確実に有機層で異物を覆い、電極間ショートを防ぐことができる。装置内に異物の数または粒径を測定するためのセンサを設けておき、有機層の膜厚をリアルタイムに制御してもよい。製造した有機ELパネルの滅点数を測定することにより、有機層の膜厚を決定してもよい。有機層を堆積させた後の基板表面を観察して、異物が十分に覆われているか否かを調査し、異物が十分に覆われていないときは有機層の膜厚をさらに厚くするなどして、有機層の膜厚を決定してもよい。
【0026】
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す。本実施の形態では、電子輸送層50の膜厚を厚くすることで、異物70を電子輸送層50により実質的に覆う。
【0027】
図8に示すように、陽極層20上に付着した異物70を、正孔輸送層30および発光層40により覆えなかったとしても、電子輸送層50を厚く堆積させることで、異物70を実質的に覆い、陽極と陰極との電気的接触を防ぐことができる。このときの電子輸送層50の膜厚は、第1の実施の形態における正孔輸送層30の膜厚と同様、好ましくは1300オングストローム以上、より好ましくは1700オングストローム以上とする。電子輸送層50の膜厚の上限値は、有機EL素子の特性に大きな影響を与えない程度に設計されればよく、たとえば、5000オングストローム以下、より好ましくは4000オングストローム以下であってもよい。
【0028】
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す。本実施の形態の有機EL素子は、第1および第2の実施の形態の有機EL素子とは電極層の位置が逆になっており、基板10上に陰極層60が形成され、その上に、電子輸送層50、発光層40、正孔輸送層30、および陽極層20がこの順に積層形成されている。図9に示すように、陰極層60上に付着した異物70を、陰極層60の直上に位置する電子輸送層50で実質的に覆うことにより、電極間のショートを防ぐとともに、発光層40の蒸着不良を防ぐことができる。
【0029】
このときの電子輸送層50の膜厚は、第1の実施の形態における正孔輸送層30の膜厚と同様、好ましくは1300オングストローム以上、より好ましくは1700オングストローム以上とする。電子輸送層50の膜厚の上限値は、有機EL素子の特性に大きな影響を与えない程度に設計されればよく、たとえば、5000オングストローム以下、より好ましくは4000オングストローム以下であってもよい。
【0030】
(第4の実施の形態)
図10は、第4の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す。本実施の形態の有機EL素子は、第3の実施の形態の有機EL素子と異なり、正孔輸送層30の膜厚を厚くしている。図10に示すように、陰極層60の上に付着した異物70を、電子輸送層50および発光層40により覆えなかったとしても、正孔輸送層30を厚く堆積させることで異物70を実質的に覆い、陽極と陰極との電気的接触を防ぐことができる。
【0031】
このときの正孔輸送層30の膜厚は、第1の実施の形態における正孔輸送層30の膜厚と同様、好ましくは1300オングストローム以上、より好ましくは1700オングストローム以上とする。正孔輸送層30の膜厚の上限値は、有機EL素子の特性に大きな影響を与えない程度に設計されればよく、たとえば、5000オングストローム以下、より好ましくは4000オングストローム以下であってもよい。正孔輸送層30は、他の有機層に比べて、膜厚を厚くしても有機EL素子の特性に影響を与えにくいという利点がある。
【0032】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、そうした例を述べる。
【0033】
実施の形態では、有機発光素子層80が、正孔輸送層30、発光層40、および電子輸送層50を含んでいたが、正孔輸送層30および電子輸送層50は有機EL素子の特性に応じて設けられればよく、また、複数の正孔輸送層30または電子輸送層50が設けられてもよい。有機発光素子層80の構成がどのようになっていたとしても、有機発光素子層80に含まれるいずれかの有機層の膜厚を厚くして異物を実質的に覆えばよい。このとき、異物を実質的に覆うための有機層の膜厚は、好ましくは1300オングストローム以上、より好ましくは1700オングストローム以上とする。
【0034】
実施の形態では、正孔輸送層30または電子輸送層50の膜厚を厚くしたが、発光層40の膜厚を厚くしてもよい。また、有機発光素子層80に含まれるそれぞれの有機層を少しずつ厚くして全体として所望の膜厚を達成してもよい。この場合も、有機発光素子層80全体の膜厚は、好ましくは1300オングストローム以上、より好ましくは1700オングストローム以上とする。これにより、基板表面に付着した異物を実質的に覆って、電極間ショートを防ぐことができる。有機発光素子層80全体の膜厚の上限値は、有機発光素子層80に含まれる有機材料の種類を考慮して、有機EL素子の特性に大きな影響を与えない程度に設計されればよく、たとえば、5000オングストローム以下、より好ましくは4000オングストローム以下であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、有機EL素子の発光不良を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な有機EL素子の断面構造を概略的に示す図である。
【図2】 有機EL素子の製造過程で表面に異物が付着したときの断面構造を模式的に示す図である。
【図3】 第1の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す図である。
【図4】 第1の実施の形態に係る有機EL素子の製造過程で、正孔輸送層の上面に異物が付着したときの断面構造を模式的に示す図である。
【図5】 図5(a)(b)は、有機ELパネル中の滅点の分布を示す図である。
【図6】 正孔輸送層の膜厚の異なる複数の有機ELパネルの滅点数を測定した結果を示す図である。
【図7】 図6に示した測定結果について、正孔輸送層膜厚と滅点数との間の関係を示す図である。
【図8】 第2の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す図である。
【図9】 第3の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す図である。
【図10】 第4の実施の形態に係る有機EL素子の断面構造を概略的に示す図である。
【符号の説明】
10 基板、 20 陽極層、 30 正孔輸送層、 40 発光層、 50電子輸送層、 60 陰極層、 70 異物、 80 有機発光素子層、 100 有機EL素子、 150 有機EL素子、 200 有機EL素子。

Claims (2)

  1. 一対の電極の間に、少なくとも正孔輸送層および発光層を含む有機層を蒸着により設けたアクティブマトリクス型の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、一方の電極上に付着した粒径3000オングストロームの異物を N,N'- ( ナフタレン - - イル )-N,N'- ジフェニル - ベンジジンを含む膜厚1700オングストロームの正孔輸送層によって覆うことにより、一対の電極層の間にショートが発生することによる画素全体の滅点を抑制したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法。
  2. 一対の電極の間に、少なくとも正孔輸送層および発光層を含む有機層を蒸着により設けたアクティブマトリクス型の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、一方の電極上に付着した粒径3000オングストロームの異物を N,N'- ( ナフタレン - - イル )-N,N'- ジフェニル - ベンジジンを含む膜厚1700オングストロームの正孔輸送層によって覆うことにより、一対の電極層の間にショートが発生することによる画素全体の滅点を抑制したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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