JP3649832B2 - アルミニウム平版印刷材料及びその製版方法 - Google Patents

アルミニウム平版印刷材料及びその製版方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウム平版印刷材料に関するものであり、特に現像処理のムラを改良したものである。
【0002】
【従来の技術】
銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】
その中で述べられているように、DTR法を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にしたツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57−158844号公報に詳しく記載されている。又、モノシートタイプについては、特公昭48−30562号、同51−15765号、特開昭51−111103号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載されている。
【0004】
銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版は、現像処理によって物理現像核上に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によって現像液が中和されて核層上に金属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。
【0005】
本発明が対象とするアルミニウム板を支持体とした銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイプの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称す)は、特開昭57−118244号、同57−158844号、同63−260491号、特開平3−116151号、同4−282295号、米国特許第4,567,131号、同第5,427,889号等の公報に詳しく記載されている。
【0006】
前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、露光後、現像処理、水洗処理(ハロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程から成っている。
【0007】
詳細には、現像処理によって物理現像核上に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部として露出する。
【0008】
露出した銀画像部及び非画像部には、その保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にする化合物を含有することも一般的である。
【0009】
アルミニウム平版印刷版の製版方法における重大な課題の1つとして、現像時の自動現像処理に於ける現像ムラがある。これは、現像液中より排出されたアルミニウム平版印刷版上に付着した現像液を絞りロールで除去する工程において、絞りロールで除去された現像液が、乳剤層表面を筋状に伝って現像槽にもどるときに銀画像に筋状のムラを生じさせていた。
【0010】
上記の問題はアルミニウム平版印刷版の現像処理における特有の現象である。即ち、アルミニウム平版印刷版の現像処理において、現像液中に長時間浸漬すると、支持体である陽極酸化されたアルミニウムの溶解が進行する。このためアルミニウム平版印刷版の現像処理装置は一般に、現像液中への浸漬時間が短縮できるように、現像液中から排出された後も、乳剤層中に吸収された現像液及び乳剤層の表面に付着した現像液で、現像反応が維持できるような構成になっている。上記銀画像部に生じたムラは、印刷時特に網点等を含む中間調の画像でムラを生じる原因となっていた。
【0011】
またアルミニウム平版印刷版は、銀画像部及びアルミニウム表面を露出する必要があり、乳剤層は水洗除去されなければならず、そのため乳剤層は非硬膜で膨潤性高く、それが前記現像ムラを更に助長していた。特開平7−209871号にフッ素含有界面活性剤を使用する方法が記載されているが、フッ素含有界面活性剤は上記現像ムラには効果がなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決し、印刷時のインキ受理性のムラを改良し、網点再現性に優れたアルミニウム平版印刷版、及びその製版方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する平版印刷材料であって、該平版印刷版の現像処理後にハロゲン化銀乳剤層が除去されアルミニウム表面自身が非画像部として露出する平版印刷版に於いて、最上層に、分子中にスルホ基を有し、かつフッ素原子を有さないアニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする平版印刷材料によって達成された。
更に、現像液を増粘剤で増粘させアルミニウム平版印刷材料に付着する現像液を増量することによって、より効果が上がる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミニウム平版印刷材料において用いられる分子中にスルホ基を有し、かつフッ素原子を有さないアニオン性界面活性剤としては、下記の化合物が挙げられる。
【0015】
【化1】
Figure 0003649832
【0016】
【化2】
Figure 0003649832
【0017】
【化3】
Figure 0003649832
【0018】
【化4】
Figure 0003649832
【0019】
【化5】
Figure 0003649832
【0020】
【化6】
Figure 0003649832
【0021】
【化7】
Figure 0003649832
【0022】
【化8】
Figure 0003649832
【0023】
【化9】
Figure 0003649832
【0024】
【化10】
Figure 0003649832
【0025】
【化11】
Figure 0003649832
【0026】
【化12】
Figure 0003649832
【0027】
【化13】
Figure 0003649832
【0028】
本発明で使用されるスルホ基を分子中に有するアニオン性界面活性剤は現像液を均一に付着させるため最上層に含有させることが必要であり、ハロゲン化銀乳剤層が最上層となる場合は乳剤層に含有させる。本発明で使用される界面活性剤をハロゲン化銀乳剤層に含有させる場合は、乳剤を塗布するまでのハロゲン化銀写真乳剤調整過程の任意の時期に添加することが出来るが、ハロゲン化銀写真乳剤の化学熟成後、塗布される迄の間が好ましい。
【0029】
本発明に於いてハロゲン化銀乳剤層上に保護層を設けた場合は最上層の保護層に含有させる。保護層を設けることにより、現像進行中に接触するロールとの摩擦を緩和し、またロールの歪みによる現像ムラを生じさせないためにも有効である。
【0030】
これらの界面活性剤の添加量は1m2当たり1×10-6〜1×10-1モルが好ましく、1×10-4〜1×10-2モル/m2がより好ましい。
【0031】
これらの界面活性剤を乳剤層に含有させる方法としては、上記のごとくハロゲン化銀写真乳剤調整過程で添加するのが最も好ましいが、隣接層に添加したり、あるいは該界面活性剤の水溶液を乾燥後の材料に塗布するなどして拡散により乳剤層に含有させる方法を用いてもよい。
【0032】
本発明において、増粘剤を添加した現像液で処理した場合さらにその効果は増大する。これは、現像液中から排出されたアルムニウム平版印刷材料の乳剤層に付着して持ち出される現像液の量が多くなり、絞りロールでスクイズされた液だれを均一にできる効果及び現像促進の効果が考えられる。
【0033】
また、現像液にアニオン性の有機増粘剤を添加することにより、ハロゲン化銀乳剤層のゼラチンの凝集が起こりやすくなる場合もあり、アルミニウム平版印刷材料の場合は後に続く水洗のウォシュオフに有利でありアルミニウム支持体上のゼラチン層の除去にも有利であることがある。
【0034】
本発明に用いられる増粘剤は、例えば、特開平1−279238号、同平2−835号、同平2−43533号、同平3−263031号、同平4−43339号に記載されているものを用いることができる。
【0035】
以下に使用できる増粘剤を例示するが、これに限定されるものではない。
【0036】
第1に、増粘剤として機能する有機重合体、または非重合体スルホン酸あるいは硫酸例えばナフタレンジスルホン酸及び誘導体、長鎖アルキルスルホン酸及び硫酸例えば種々のアニオン系膨潤剤を用いることができる。
【0037】
第2に、フェノールアルデヒド樹脂のスルフォン化物も用いることができる。これらは、処理液のpHにあまり影響を受けることもなく、僅かの添加量で増粘を起こし、かつ乳剤性能に有害作用を示さないので優れている。このような化合物の例としては、フェノール、クレゾール、レゾルシン、ナフトール等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒト等のアルデヒト類との結合により得られた樹脂を、5〜10倍量の濃硫酸もしくは発煙硫酸とともに100℃前後の温度の加熱しスルフォン化して得られるものを挙げることができる。なお、これらのスルフォン化樹脂は、原料のフェノール類を予めスルフォン化物とした後アルデヒトと縮合させても得られる。この樹脂の重合度については、低重合度のものは乳剤層のゼラチンに対し凝集沈澱可能なpH範囲が狭く取り扱いにくく、高重合のものは樹脂の製造に際して着色しやすく、増粘効果が過大となる傾向があるので、一般に平均重合度2.5〜8のものが好ましい。またスルフォン化度はこれらの樹脂を水溶液とするのに必要な程度でよく、重量比で20〜60%の縮合硫酸を含む樹脂が好ましい。
【0038】
第3に、有機増粘剤として、パラビニルベンゼンスルフォン酸のナトリウム、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれた化合物と、下記の一般式(化14)で示されるビニル化合物より選ばれた化合物との共重合体を用いることもできる。
【0039】
【化14】
Figure 0003649832
【0040】
ここで、Zは化15、化16、または化17を示す。
【0041】
【化15】
Figure 0003649832
【0042】
【化16】
Figure 0003649832
【0043】
【化17】
Figure 0003649832
【0044】
第4に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸若しくはその塩(化18)と下記一般式(化19)で示されるビニル化合物との共重合体を用いることもできる。
【0045】
【化18】
Figure 0003649832
【0046】
但しMは水素、Li、Na、K、NH、R1、R2、R3を表し、R1、R2、R3はそれぞれ炭素数5以下のアルキルまたは置換アルキルを表す。但しR1、R2、R3の炭素数は、合計10を越えることはない。
【0047】
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸若しくはその塩の代表例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸カリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸アンモニウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸トリエチルアンモニウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸ビスヒドロキシメチルアンモニウムなどが挙げられる。但し、これに限定されるものではない。
【0048】
また重合させても良いビニル誘導体の代表例には、アクリロイルモルホリン、モルホリノメチルアクリルイミド、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、エトキシメチルアクリルアミド、1−ビニル−ピロリジン−5−オンなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
【0049】
【化19】
Figure 0003649832
【0050】
ここでZは化20、化21、化22または化23を表す。
【0051】
【化20】
Figure 0003649832
【0052】
【化21】
Figure 0003649832
【0053】
【化22】
Figure 0003649832
【0054】
【化23】
Figure 0003649832
【0055】
第5に下記一般式(化24)で示される芳香族フェノール類またはその誘導体を用いることができる。
【0056】
【化24】
Figure 0003649832
【0057】
但し、R31はH、炭素数1〜5のアルキル基、または−OHを表し、R32は、H、−OHまたは−COOHを表す。
【0058】
このような化合物としては、フェノール、カテコール、ブロログリシノール、サリチル酸、3,5−ジオキシ安息香酸、p−t−ブチルフェノール等がある。
【0059】
本発明に於いて現像液中に添加される増粘剤の量は1〜100g/リットルが好ましく10〜100g/リットルが更に好ましい。増粘剤により現像液が増粘された場合の現像液の粘度は、前記添加量の範囲内で3〜30cpsが好ましく、3cpsより低いと現像液の付着が少なく、増粘剤の効果が現れにくい。30cpsを超える場合は、絞りロールで現像液が絞られる場合にロールに現像液がロールに付着することによるムラを生じたり、現像液中でのゼラチンの増粘による現像不良やスラッジの発生が起こり易くなる場合がある。
【0060】
本発明に用いられる現像液には、上記増粘剤の他に、親油化剤、現像主薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常10〜14、好ましくは12〜14である。
【0061】
水洗液には、緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物、ゼラチン凝集剤を含有することができる。また、防腐剤を含有させてもよい。
【0062】
上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、通常、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層を剥離する方法が採用されている。
【0063】
水洗処理によって露出した銀画像部及び非画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。本発明において、仕上げ液には親油化剤の他に、非画像部の陽極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラビヤゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好ましい。
【0064】
本発明が対象とする平版印刷材料は、アルミニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはスペクトル増感することができる。
【0065】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、公知の種々の方法によって調整することができる。
【0066】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、いわゆるシングルジェット方式あるいはダブルジェット方式といわれる混合法のいずれを用いて調整されてもよいが、好ましくは後者を用いて調整された単分散乳剤を用いるのがよい。また、本発明に、用いられるハロゲン化銀結晶の晶癖は、立方体、八面体、十四面体、平板状結晶のいずれでもよく、粒子径も特に制限はないが、好ましくは0.1μm〜2.0μmの平均粒径のものが良い。
【0067】
本発明のハロゲン化銀乳剤は硫黄プラス金増感により化学増感することができる。本発明に用いられる硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物の他、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。本発明に用いられる金増感剤は種々の金塩であり、例えば塩化金酸、三塩化金酸、チオシアナト金酸などである。
【0068】
本発明に用いられる乳剤はハロゲン化銀の物理熟成中あるいは化学熟成中に、ロジウム、イリジウム等の金属塩を用いることができる。本発明に用いられる写真乳剤は、第4級アンモニウム塩、チオエーテル化合物、ポリエチレンオキサイド誘導体、ジケトン類などを用いて増感することもできる。これらの方法は米国特許第2,708,162号、同3,046,132号、同3,046,133号、同3,046,134号、同3,046,135号、英国特許第939,357号等に記載されている。
【0069】
ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとしてはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成する際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。また、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有させることができる。用いられる親水性コロイドとしては、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0070】
本発明のアルミニウム平版印刷材料の乳剤層または他の親水性コロイド層には塗布助剤、滑り性改良など種々の目的で本発明以外の界面活性剤を含んでもよい。
【0071】
例えばサポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類またはポリエチレングリコールアルキルアルールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたはアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリオキシドーリル誘導体(たとえばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルソエノールポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、アルキルリン酸エステル類などのような、カルボキシ基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤:アルキルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウム塩類、および脂肪族または複素環を含むホスホニウムまたはスルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いることができる。また、ラテックスポリマー等を添加してゼラチン膜の物性を改質したり、シリカ、デンプン粉や、コロイダルシリカ、ガラス粉などを添加してマット化したりすることもできる。
【0072】
本発明のアルミニウム平版印刷材料の写真乳剤層または他の親水性コロイド層には、製造工程、保存中あるい写真処理中のカブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させることができる。すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換体):ヘテロ環メルカプト化合物類、たとえばメルカプトチアゾール類、メルカプトベンズチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類:アザインデン類、たとえばテトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1、3、3a、7)テトラアザインデン類):などのようなカブリ防止剤または安定剤として知られた多くの化合物を加えることができる。
【0073】
本発明のアルミニウム平版印刷材料は、前記以外の種々の化合物、例えばハレーション防止染料、可塑剤、現像主薬、現像促進剤等を使用することができる。
【0074】
また、本発明の親水性コロイド層の塗布方法としては、エアードクター、ブレードコート、スクイズコート、エアーナイフコート、リバースロールコート、キャストコート、エクストルージョンコート等の方法が用いられる。そして塗布量は1〜15μm、より好ましくは2〜10μmとすることがこのましい。
【0075】
本発明に用いられるアルミニウム支持体は粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ましくは米国特許第5,427,889号公報に記載されているものが用いられる。
【0076】
本発明で用いられる物理現像核層の物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いることもできる。これらの詳細及び製法については、例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0077】
本発明において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載の水膨潤性中間層を設けてもよい。
【0078】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。
【0079】
実施例1
アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従って、平均直径約5μmのプラトー上に直径0.03〜0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0080】
このアルミニウム支持体にカレー・リー(Carey Lea)法により作成された銀ゾルからなる物理現像核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれる銀量は、3mg/m2であった。
【0081】
ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドとして、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当り0.006mmolドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr20モル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳剤に硫黄金増感を施し、化25の増感色素を銀1g当り1mg用いて分光増感した。
【0082】
【化25】
Figure 0003649832
【0083】
このようにして作成したハロゲン化銀乳剤に表1に示す界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体上に銀量が2g/m2(ゼラチン量2g/m2)になるように塗布、乾燥して平版印刷材料を得た。
【0084】
上記平版印刷材料を633nmの赤色LDレーザーを光源とする出力機で全面に網点画像を出力し、次に製版用プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサーは、現像処理工程(21℃、20秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成されている。
【0085】
下記に示す現像液、水洗液及び仕上げ液で製版処理した。
<現像液A>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
モノメチルエタノールアミン 6g
無水チオ硫酸ナトリウム 6g
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g
ポリエチレングリコール(平均分子量400) 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは13.0に調整した。
【0086】
<現像液B>
上記現像液Aに、増粘剤としてポリスチレンスルホン酸重合体(平均分子量50万)を1000cc当たり20gを加え、現像液Bとした。
【0087】
<水洗液>
タンパク質分解酵素 2g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
トリエタノールアミン 13g
第1燐酸カリウム 40g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.5に調整した。
タンパク質分解酵素は、ビオプラーゼAL−15である。
【0088】
<仕上げ液>
アラビアゴム 10g
タンパク質分解酵素 2g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 1g
トリエタノールアミン 26g
第1燐酸ナトリウム 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0に調整した。
タンパク質分解酵素は、ビオプラーゼAL−15である。
【0089】
上記記載の方法で作成された平版印刷材料について、印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ株製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿液を用いて印刷を行い、印刷物の網点再現性を評価した。網点出力は2〜98%で行い再現性が高い方が高品質な画質が得られる。その結果を表1に示す。
【0090】
また、印刷前のアルミニウム印刷材料についても、全面に50%の網点出力を行ない上記同様の方法で現像処理して現像ムラを評価した。評価は5段階評価で目視で行い。1が最も悪く筋状にムラが大きく銀画像の飛びを生じているものとし、2は明かに画像に濃淡が生じているもの、3は濃淡は生じているが薄いもの。4が殆ど濃淡のないもの、5を全く濃淡がなく均一なものとした。その結果を表1に示す。現像ムラの評価が2以下のものは実用上の印刷には耐えられない。
【0091】
【表1】
Figure 0003649832
【0092】
【化26】
Figure 0003649832
【0093】
【化27】
Figure 0003649832
【0094】
【化28】
Figure 0003649832
【0095】
【化29】
Figure 0003649832
【0096】
上記の結果から明かなように、本発明は比較に比べ、現像時のムラを少なくすることにより印刷時のインキ受理性のムラを改良し、網点再現性に優れていることが分かる。また、現像液に増粘剤を添加することにより、更にその効果が増大する。また、本発明のスルホ基を有するアニオン性界面活性剤と他の界面活性剤を併用しても問題なく、同様の効果を奏する。
【0097】
【発明の効果】
銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウム平版印刷材料の製版に本発明のアルミニウム平版印刷材料を用いることによって、現像時の銀画像のムラが改良され、網点再現性が向上し、更に現像液に増粘剤を添加することによりその効果は増大する。

Claims (2)

  1. アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する平版印刷材料であって、該平版印刷版の現像処理後にハロゲン化銀乳剤層が除去されアルミニウム表面自身が非画像部として露出する平版印刷版に於いて、最上層に、分子中にスルホ基を有し、かつフッ素原子を有さないアニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする平版印刷材料。
  2. 上記アルミニウム平版印刷材料を増粘剤を含有する現像液を用いて処理することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
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