JP3648983B2 - 給湯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にオイル焚き給湯器で使用され、該給湯器の給湯運転中にカランが急激に閉められて流量が急激に絞られたような場合等において、熱交換器内で水が沸騰状態になるのを防止することのできる給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、石油等の液体燃料を用いたオイル焚き給湯器においては、例えば入水管路と、出湯管路と、熱交換器と気化器とバーナとを含む缶体と、気化器内で気化させたオイルに混合させる空気を供給するためのファン機構等を備え、オイルを気化器にて気化させ、この気化オイルに対して適量の空気を混合し、この混合気をバーナで燃焼させるものがある。
【0003】
このような構成にかかるオイル焚き給湯器においては、沸騰防止用温度センサが熱交換器に付設されて、沸騰が現実に生じた場合には燃焼を停止させる機構が設備され、装置の安全等を図っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の沸騰防止用温度センサ等による安全装置は、現に沸騰が生じた場合の対処策として存在するものの、沸騰を未然に防ぐことに対しては不十分であった。
一方、特にオイルを供給して一旦気化させ、これを空気と混合させて燃焼に供するようにしたオイル焚き給湯器の場合には、給湯器に流れる水量の急激な減少等に対応、追従して素早くバーナの燃焼量を低減させることができない問題があり、水量の急激な低下に伴う沸騰が生じやすいという問題があった。即ち、例えばカランが急激に閉められることで流量が急激に絞られたときに、演算されるフィードフォワード号数は、その流量に対応する号数まで低減せられるにもかかわらず、現実の燃焼量は即座には追従できないことから、熱交換器内で沸騰現象が生じ、これによって熱交換器を含む缶体の耐久性に悪影響を与えるという不具合があった。
【0005】
このようにオイル焚き給湯器の給湯運転中に、カランが急激に閉められて流量が急激に低下したときに熱交換器内で沸騰が生じやすい理由の一つとして、気化バーナに空気を供給するためのファン機構にターボファンを使用していることが挙げられる。
一般に、気化器を用いたオイルの気化を伴うオイル給湯器で使用するバーナはいわゆるガンタイプバーナに比べて、ファン機構から供給される空気量が多くなると、炎が吹き飛んで消炎したり、オイル臭が発生するという問題がある。一方、ファン機構としてターボファンを使用した場合、ターボファンの羽根は径が比較的大きく、そして重いため、ターボファンの回転数を下げる制御指令がなされても、その動きは緩慢である。従って燃焼量を下げるときには、ターボファンの動きに合わせて、即ち供給される空気量に合わせて、オイル量を緩慢に下げる制御構成となっている。そのため、流量が急激に絞られて必要な燃焼量が低下しても、実際には直ぐにはファンの回転数及びオイル量が低下せず、結果としていわゆる「後焚き」することになって、熱交換器内温度が上昇する。
本発明は上記不具合に鑑みて発明されたものであって、オイル焚き給湯器の燃焼運転中にカランが急激に閉められ、流量が急激に低下したような場合であっても、熱交換器内での沸騰を未然に防止することができる給湯器を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の給湯器は、ターボファンと、オイルを気化器に供給して気化させ、該気化オイルに対して前記ターボファンにより供給される空気を適当量混合して燃焼させると共に燃焼量を下げるときには前記ターボファンにより供給される空気量に合わせて供給オイル量を下げるように構成したバーナと、熱交換器と、熱交換器で加熱された湯を出湯する給湯回路とを備えた給湯器であって、給湯運転中においてフィードフォワード号数が一定号数以上低下した場合には、少なくとも一定時間だけバーナの燃焼を停止させた後、熱交換器からの出湯温度が一定温度以下になった時点で燃焼を再開させるように燃焼制御するコントローラを有することを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による給湯器について図1ないし図2を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態例にかかるオイル焚き給湯器の全体構成図、図2は本発明の実施の形態例にかかる給湯器の沸騰防止の制御動作を示すフローチャートである。
【0008】
まず、オイル焚き給湯器の全体構成を図1により簡単に説明する。同図で示すオイル焚き給湯器は、風呂追い焚き回路の熱交換器と給湯回路の熱交換器とを1つの熱交換缶体内に導くことにより、1つの熱交換缶体によって上記2回路の熱交換加熱を兼用して行うことができるようにしたオイル焚きタイプの1缶2回路式給湯器付風呂釜装置を例示している。
熱交換缶体10は、その下部に気化器20を備え、該気化器20内に燃焼用空気を供給するためのファン機構30を備えている。そして、上記熱交換缶体10に対しては給湯回路40と風呂追い焚き回路50とが配管されている。
【0009】
上記気化器20には、拡散羽根21、気化ヒータ22、バーナ23、オイルガイド24、混合室ヒータ25及び気化器温度センサ26とを備え、モータ27によって拡散羽根21を回転させるようになっている。なお、該モータ27には回転数センサ28が設けられている。
【0010】
上記給湯回路40は、水道設備と直結する入水管路41と、熱交換器42と、出湯管路43とを備え、上記入水管路41からはバイパス管44が分岐し、該バイパス管44と上記出湯管路43とが合流して給湯管45となっている。更に、該給湯管45は途中で一般給湯管45aと風呂自動給湯管45bとに分かれている。
また給湯回路40には、その入水管路41に入水温度センサ41aや入水流量センサ41bが設けられ、上記熱交換器42にはその途中で熱交換缶体10から出た場所に沸騰防止用温度センサ42aが設けられると共に、出湯管路43には出湯温度センサ43aが設けられ、バイパス管44には流量比例調節弁44aがそれぞれ設けられている。
更に給湯管45には、過流出防止器45cと給湯温度センサ45dとが設けられている。
なお、上記一般給湯管45aは台所や洗面所等に温水を供給するための給湯管であり、風呂自動給湯管45bは上記風呂追い焚き回路50を介して浴槽へ温水を自動給湯して湯張りをしたり、注ぎ湯をするための給湯管である。
【0011】
一方、上記風呂追い焚き回路50は、浴槽から浴槽水を熱交換缶体10に導く戻り管51と、熱交換器52と、熱交換缶体10で熱交換された浴槽水を浴槽へ導く往き管53等とを備えている。なお54は循環ポンプであり、上記戻り管51には風呂温度センサ51a、水流スイッチ51b等が設けられている。
【0012】
燃焼中において、上記気化器20には、オイルサブタンク60に貯溜されているオイルが定流量ポンプ61によって汲み上げられ、オイル供給管61aを介してオイルガイド24から噴射されるが、この際、モータ27の回転によって拡散羽根21は回転しているので、噴射されたオイルは遠心方向に拡散される。拡散されたオイルは気化器20の周囲の壁に衝突するが、該壁は気化ヒータ22によって加熱された状態であるので、直ちに気化せられた後、下方に下がって混合室25aに入る。一方、ファン機構30から空気が気化器20側へ供給されるが、混合室ヒータ25によって保温された混合室25a内にて上記気化オイルと空気とが混合され、バーナ23にて燃焼される。
【0013】
また、上記オイルサブタンク60には水検知電極62とフロートスイッチ63とが設けられており、外部オイルタンク70から汲上ポンプ80の汲み上げ動作によってオイルがオイルサブタンク60内に供給されるようになっている。
なお、81a及び81bはオイル供給管であり、82はストレーナである。
【0014】
しかして、上記1缶2回路式給湯器付風呂釜装置全体の制御はマイコン内蔵のコントローラ90により行われる。
いま、給湯運転のメインスイッチがオンしている状態で、例えば一般給湯管45aのカランが開放され、入水管路41の入水流量センサ41bが最低作動水量以上を検出すると、給湯運転が開始され、バーナ23による燃焼が開始される。コントローラ90は、設定給湯温度と、入水温度と、入水流量等の情報を入力して、必要燃焼熱量である出湯号数をフィードフォワード号数(FF号数)として演算し、該出湯号数でバーナ23の給湯器をFF制御する。そして、実際の給湯温度と設定給湯温度とを比較して、その差がなくなるようにバーナ23の燃焼をフィードバック制御(FB制御)する。なお上記出湯号数の算出にあたっては、1リットルの水を1分間に25℃上昇させるのに必要な熱量を1号と定めている。
また、図示しない風呂リモコンによって風呂追い焚き運転が指令されると、コントローラ90によって、循環ポンプ54が駆動開始され、水流スイッチ51bが水流を検出すると、原則としてバーナ23の燃焼が開始され、浴槽水の温度が風呂設定温度になるまで燃焼が行われる。但し、給湯回路40や風呂追い焚き回路50を通る水の沸騰を防止するために一定の条件下において燃焼が停止されたり、燃焼が再開されたりする。
【0015】
このように、1缶2回路式給湯器付風呂釜装置全体の制御は通常使用の場合には上記のようにして行われるが、給湯運転中にカランが急激に閉められて流量が急激に低下せれたような場合には、次のような燃焼制御を行うようになっている。
即ち、オイル焚き給湯器の給湯運転中に、カランが急激に閉められて流量が急激に低下したことによって演算されるFF号数が一定号数以上低下した場合には、一定時間だけ(例えば3秒間)バーナ23の燃焼を停止し、或いは出湯温度センサ43aが検出する出湯温度が一定温度以下になるまでバーナ23の燃焼を停止し、或いは少なくとも一定時間(例えば3秒間)だけバーナ23の燃焼を停止すると共に出湯温度センサ43aが検出する出湯温度が一定温度以下(例えば85℃以下)になるまでバーナ23の燃焼を停止するようにし、その後燃焼を再開させるように燃焼制御する制御プログラムを内蔵したコントローラ90によってバーナ23の燃焼を制御するようにする。
前記において、演算されるFF号数が一定号数以上低下する場合の一定号数については、例えば10号以上とする等、機種やその他の条件に応じて予め実験により適当な号数を設定しておくことができる。
また前記バーナの燃焼を停止する一定時間についても、例えば5秒以内の時間等、機種やその他の条件に応じて予め実験により比較的短い時間を設定しておくことができる。
また出湯温度が一定温度以下になるまでバーナの燃焼を停止する場合の一定温度についても、例えば90度以下の高温等、機種やその他の条件に応じて予め実験により適当な温度を設定しておくことができる。
【0016】
次に、上記給湯器における沸騰防止のための制御動作の具体例を図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
今、オイル焚き給湯器の給湯運転が行なわれている場合において(ステップS1でイエス)、コントローラ90は演算されている現状のFF号数が一定号数以上(例えば20号以上)であるか否かについて判断する(ステップS2)。20号以上の場合(ステップS2でイエス)、コントローラ90のマイコン内のフラグをオンとし、しかる後、コントローラ90はFF号数がその後、一定号数以下(例えば9号以下)になったか否かを監視する(ステップS3)。このFF号数が大幅に低下する場合としては、使用者がカランを急に絞った場合等に生じる。そして前記ステップS3を監視中に、FF号数が9号以下になった場合(ステップS3でイエス)には、コントローラ90はバーナ23の燃焼を例えば3秒間停止する(ステップS4)。このように、3秒間だけバーナの燃焼停止を行った後、出湯温度センサ43aの示す温度が例えば85℃以下になったか否かについて判断する(ステップS5)。85℃以下になった場合(ステップS5でイエス)、再びバーナ23の燃焼を再開する(ステップS6)。以下、同様にステップS1ないしステップS6が繰り返される。
尚、ステップS4で燃焼を停止する時間は3秒と短いため、その間も熱交換缶体10の予熱によって給湯運転は継続され、流量比例調節弁44aにより出湯管路43の湯に混合される水量を制御することで、設定温度の湯を供給することができる。従って、使用上も何ら問題はない。
【0017】
このように、沸騰防止用温度センサ42aによる沸騰現象発生後の対処ではなく、沸騰が生じる前に沸騰のおそれがあるFF出湯号数の急激な低下があった場合には、一時的にバーナ23の燃焼を停止して熱交換器42内温度をある程度低下させてから、再度バーナ23の燃焼を行うようにし、これによって熱交換器42内での異常沸騰という不具合の発生を回避するようにしたのである。従って、熱交換器42等における沸騰による悪影響が予防され、熱交換器42、52を含む熱交換缶体10の耐久性を大幅に向上させることができる。また従来、カランが急激に閉められて急激な流量低下をきたした場合において、沸騰の要因であったターボファン等のファン機構30自体には特別の改良等を加えることなく、そのまま使用することができ、コントローラ90に内蔵するソフトウエアとしての制御プログラムの追加のみで充分な効果が得られる。
【0018】
尚、上記の実施形態では、FF号数が一定号数以上低下したときに燃焼を停止するようにした場合を説明したが、出湯量が一定流量以上低下したときに燃焼を停止するようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。またそれらを併合することもできる。
また、熱交換器内での沸騰を招くような出湯量の低下やFF号数の低下は、通常、短時間の内に生じるため、別にタイマーをセットし、ある時間内における出湯量の低下やFF号数の低下を監視するといった制御を行うまでもなく、本発明の実施形態で説明した沸騰防止のための制御を行うことで、その目的を達成することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は以上の構成、作用からなり、請求項1に記載の給湯器によれば、ターボファンと、オイルを気化器に供給して気化させ、該気化オイルに対して前記ターボファンにより供給される空気を適当量混合して燃焼させると共に燃焼量を下げるときには前記ターボファンにより供給される空気量に合わせて供給オイル量を下げるように構成したバーナと、熱交換器と、熱交換器で加熱された湯を出湯する給湯回路とを備えた給湯器であって、給湯運転中においてフィードフォワード号数が一定号数以上低下した場合には、少なくとも一定時間だけバーナの燃焼を停止させた後、熱交換器からの出湯温度が一定温度以下になった時点で燃焼を再開させるように燃焼制御するコントローラを有するので、
FF出湯号数が一定号数以上急激に低下した場合において、少なくともバーナの燃焼が一定時間停止され、且つ熱交換器からの出湯温度が一定温度以下になるまでは燃焼が再開されないので、熱交換器内での沸騰を十分に、確実に回避することができる。
特にターボファンを用い、供給される空気量を気化器で気化されたオイルに適当量混合してバーナ燃焼させるようにし、且つバーナの燃焼量を下げるときにはターボファンにより供給される空気量に合わせて供給オイル量を下げるように構成した給湯装置に対して、それらターボファンのファン機構自体のハードウエアに特別な改良等を加えることなく、既存設備のコントローラに内蔵の制御プログラムの追加のみでそのまま使用することができ、且つ十分な効果が得られる。よってコスト面でも低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例にかかるオイル焚き給湯器の全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例にかかる給湯器の沸騰防止の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 熱交換缶体
20 気化器
23 バーナ
25a 混合室
30 ファン機構
40 給湯回路
41 入水管路
41b 入水流量センサ
42 熱交換器
43 出湯管路
43a 出湯温度センサ
50 風呂追い焚き回路
90 コントローラ
Claims (1)
- ターボファンと、オイルを気化器に供給して気化させ、該気化オイルに対して前記ターボファンにより供給される空気を適当量混合して燃焼させると共に燃焼量を下げるときには前記ターボファンにより供給される空気量に合わせて供給オイル量を下げるように構成したバーナと、熱交換器と、熱交換器で加熱された湯を出湯する給湯回路とを備えた給湯器であって、給湯運転中においてフィードフォワード号数が一定号数以上低下した場合には、少なくとも一定時間だけバーナの燃焼を停止させた後、熱交換器からの出湯温度が一定温度以下になった時点で燃焼を再開させるように燃焼制御するコントローラを有することを特徴とする給湯器。
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JP13115898A JP3648983B2 (ja) | 1998-04-24 | 1998-04-24 | 給湯器 |
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JP13115898A JP3648983B2 (ja) | 1998-04-24 | 1998-04-24 | 給湯器 |
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JPH11304249A JPH11304249A (ja) | 1999-11-05 |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019174046A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 株式会社ノーリツ | 温水装置 |
-
1998
- 1998-04-24 JP JP13115898A patent/JP3648983B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019174046A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 株式会社ノーリツ | 温水装置 |
JP7068626B2 (ja) | 2018-03-28 | 2022-05-17 | 株式会社ノーリツ | 温水装置 |
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JPH11304249A (ja) | 1999-11-05 |
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