JP3648963B2 - 窒化ケイ素粉末 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造用セラミックスとして使用される窒化ケイ素セラミックスの中で、特に高温高強度、高信頼性の窒化ケイ素セラミックスの製造用原料として好適な易焼結性の窒化ケイ素粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
窒化ケイ素セラミックスは、高強度、高靱性、高耐蝕性という優れた特性を有し、1000℃以下の温度で使用される構造材料や機械部品として種々の分野への用途展開が進展している。
しかしながら、窒化ケイ素セラミックスの製造においては、通常Y23、Al23等の酸化物を5〜10重量%程度添加して焼結を行う為、焼結条件下で成長するSi34粒子の粒径、アスペクト比等により、得られる焼結体の強度、破壊靭性が変化するという難点があった。
このような焼結条件による機械的性質の変動を防止し、焼結条件によらず安定して高い強度特性を維持し得る窒化ケイ素セラミックスを製造する為に、Y23、MgO、Al23等の焼結助剤の探索やCr2N、NbB、TaSi2、ZrSi2等の硬質粒子による分散強化の検討と併行して、焼結体製造原料として好適な特性を有する原料粉末の開発が行われている。
【0003】
従来、窒化ケイ素粉末の製法としては、(1)金属ケイ素粉末の直接窒化法、(2)シリカ粉末の還元窒化法、(3)ハロゲン化ケイ素とアンモニアとを反応させるイミド分解法等が知られている。これらの方法で製造された窒化ケイ素粉末は、製造履歴が異なるためか、金属不純物量、酸素含有量、粒径等が同じ値であっても、粉末の焼結性や得られる焼結体の特性に大きな相違がある。一般的には、上記(3)の方法で製造された窒化ケイ素粉末が、易焼結性であり、かつ優れた焼結体性能を示すと言われている。
【0004】
粉末特性と焼結性及び焼結体特性とに関する研究の進展につれ、焼結性及び焼結体特性の支配因子が解明されてきた結果、上記の製造履歴の影響は絶対的なものではなく、種々の粉末特性の交互作用であることが徐々に分かってきた。
窒化ケイ素の結晶形態には、α相とβ相の2種類が存在し、β相は酸素を固溶しない純粋な窒化ケイ素であるのに対して、α相は結晶格子内に酸素を固溶することが知られている。窒化ケイ素の焼結においては、昇温過程において焼結助剤と窒化ケイ素粒子表面のシリカとが反応して液相が生成し、この液相への窒化ケイ素の溶解と、β相としての再析出により緻密化が進行する。この為、焼結体製造原料としてはα相分率の高い窒化ケイ素粉末が望ましいと言われている。しかしながら、α相の窒化ケイ素粒子内部に存在する固溶酸素による焼結促進効果については、定量的に解明されているとは言い難い。また、窒化ケイ素粉末は結晶相以外にアモルファス相を含有することが知られており、アモルファス相の含有率が焼結挙動に大きな影響を及ぼすと言われている。
【0005】
ところが従来法では、粉末X線回折法により結晶相の同定と定量を行ってきた為、アモルファスを含む相組成(β相分率、α相分率及びアモルファス分率)と焼結性及び焼結体特性との相関の解析が十分ではなかった。更に、窒化ケイ素粒子内部および表面には、空孔、転位、不純物、吸着分子など、原子配列の長周期構造を乱す種々の欠陥が存在する。このような欠陥が存在することは、定性的には確認できるものの、定量化することは困難であった。したがって、固溶酸素、アモルファス、空孔、転位、不純物、吸着分子などの欠陥の存在割合と焼結性及び焼結体特性との相関については、全く分かっていない。以上のような理由により、従来技術では、高強度、高信頼性等の優れた特性を有する窒化ケイ素セラミックスを再現性良く安定的に製造することは困難であった。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、高強度、高信頼性の窒化ケイ素セラミックスを再現性良く安定して製造できる窒化ケイ素粉末を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、窒化ケイ素粒子には原子配列の長周期構造を乱す様々の欠陥が存在することを見い出し、これらの欠陥を定量的に評価する方法を調べた。その結果、極低温における比熱測定で検出される過剰熱容量が窒化ケイ素中の欠陥濃度と定量的な関係にあることを見い出した。更に、窒化ケイ素粉末の過剰熱容量と焼結性及び焼結体特性との関係について種々検討した結果、焼結性及び焼結体特性を支配する粉体特性因子として、従来から言われている相組成(β相分率、α相分率)、比表面積、酸素含有量、表面酸素含有量、炭素含有量、粒度分布、凝集度、結晶子径以外に、原子配列の長周期構造を乱す様々の欠陥があり、低温比熱測定により検出された過剰熱容量が特定の範囲内にある窒化ケイ素粉末が上記の目的を達成するものであることを知見した。
【0007】
本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、10〜25Kの低温において 0.2〜1.3J/molの過剰熱容量を有し、比表面積が4〜15m2/gであることを特徴とする窒化ケイ素粉末を提供するものである。
【0008】
以下、本発明の窒化ケイ素粉末について詳述する。
本発明の窒化ケイ素粉末は、低温における比熱測定で10〜25Kの温度範囲に検出される過剰熱容量が 0.2〜1.3J/mol、好ましくは0.3〜1.1J/molであり、比表面積が4〜15m2/g、好ましくは5〜12m2/gであることを特徴とする窒化ケイ素粉末である。
【0009】
固溶酸素、アモルファス、空孔、転位、不純物、吸着分子など、原子配列の長周期構造を乱す様々の欠陥は焼結時における構成原子の物質移動を加速して、迅速な緻密化を実現する作用がある。この為、過剰熱容量が0.2J/mol未満になると緻密化速度が低下して、焼結性が悪くなる。過剰熱容量が1.3J/molよりも大きな粉末は成形体内部に焼結収縮のバラツキを生じ、焼結後に残留気孔、ミクロクラックが残存して、焼結体の強度特性が低下してしまう。尚、吸着分子としては、水分、アンモニア、ハロゲン、硝酸痕などを挙げることができる。
焼結の進行自体は、原料粉末の粒径を小さくして、比表面積を上げるほど促進される。この為、比表面積が4m2/g未満の粉末は緻密化速度が遅く、焼結助剤を大量に添加しない限り高密度な焼結体は得られない。比表面積が15m2/gを越えると成形体の嵩密度が低下し、焼結時の収縮が増大するばかりでなく、焼結収縮が不均一となって、焼結体が変形したり、ミクロクラックが発生するので好ましくない。
【0010】
また、本発明の窒化ケイ素粉末は、酸素含有量が0.4〜1.0重量%、好ましくは0.45〜0.9重量%、表面酸素含有量が0.1〜0.4重量%、好ましくは0.15〜0.3重量%、炭素含有量が0.12重量%以下、好ましくは0.10重量%以下である。
酸素含有量が0.4重量%未満になると、昇温過程において生成する焼結助剤−シリケート系液相の量が著しく不足し、また粘度も非常に高くなるので、緻密化が阻害される。酸素含有量が1.0重量%を越えると、得られる焼結体の機械的性質が低下する。特に、破壊靭性の低下と高温強度の低下が顕著である。
窒化ケイ素の緻密化においては表面酸素が重要な役割を果たす。表面酸素含有量が0.1重量未満になると、焼結過程初期における焼結助剤−シリケート系液相の生成が困難となり、高温で粒界気孔が成長して、高密度な焼結体が得られない。表面酸素含有量が0.4重量%を越えると、通常の助剤組成では、得られる焼結体の破壊靭性が低下する。
原料粉末中の炭素は、焼結時に添加される酸化物助剤と反応して一酸化炭素ガスを発生し、これが残留気孔の発生原因となる為に、0.12重量%以下にする必要がある。
【0011】
熱容量は、物質の最も基本的な熱物性量であり、質量mの物質の温度をΔT上げるのに必要な熱量ΔQで表す。単位質量当たりの熱容量が比熱Cであり、次式で定義される。
【0012】
【数1】
Figure 0003648963
【0013】
ここで、Δqは単位質量の物質の温度をΔT上げるのに必要な熱量である。
物質が熱エネルギーを吸収して昇温する過程には、格子振動(フォノン)による熱吸収過程と電子が熱励起されることによる吸収過程とがある。絶縁性物質の場合には、格子振動による影響が大きく寄与する。一般に、格子振動による熱容量は、室温以下の温度になると大きな温度依存性を示し、温度の低下と共に急激に減少してゆく。
窒化ケイ素のような絶縁性で完全な結晶構造を持つ物質の場合には、環境から吸収したすべての熱量が内部エネルギーの増加に寄与する為、その比熱はDebyeモデルに従い、極低温では、温度Tの低下と共にTの三乗に比例して小さくなる。この極低温領域での定積比熱CV は、Debyeの特性温度θD を用いて、次式で表される。
V = (12/5)π4NK(T/θD3 (2)
ここで、Nはアボガドロ定数、Kはボルツマン定数である。
式(2)で表される Debyeのモデル関数に従う比熱を、格子比熱という。
通常、Debye温度θD は、融点の1/5〜1/2程度の値をとる。
一方、電子による熱吸収の寄与や固溶酸素、アモルファス、空孔、転位、不純物、吸着分子など、原子配列の長周期構造が乱れた欠陥周辺の原子団の存在に起因する比熱は、このDebyeのTの三乗則に従わない。特に、原子配列の長周期構造が乱れた欠陥周辺の原子団の存在に起因する比熱は、低温では、格子比熱よりも大きな比熱を示す。このような種々の欠陥に起因する比熱は過剰比熱と呼ばれている。過剰比熱の大きさは関与する電子の数に比例するので、前記の種々の欠陥の定量的な尺度となり得る。
【0014】
本発明の窒化ケイ素粉末における低温比熱は、断熱型熱量計を用い、断熱法により測定した。この方法では、断熱条件下に置いた試料容器に有限の電気エネルギーΔEをパルス的に印加し、それによる試料の温度上昇ΔTを測定して、C=ΔE/ΔTをこの間の平均比熱とする。ΔTを1Kとすれば、Cを0.1%の精度で得るためには1万分の1度の測温精度が必要となる。測定に際しては、予め空の容器の比熱を測定しておき、これを差し引くことにより試料の比熱を求めた。標準白金抵抗温度計を装着した試料容器を図1に示す。試料容器をクライオスタットにセットし、断熱シールドで取り囲み、これを常に試料容器と同じ温度に制御して、2x10-4Pa以上の真空中で断熱条件を保持した。試料容器は外界に対しては常に断熱条件にあるが、容器内部には温度勾配が発生する。この為、通電の後、試料容器全体が熱平衡に達するまでには約10分を要した。
【0015】
また、比表面積はBET一点法により測定した。酸素含有量はLECO法により測定し、表面酸素含有量は日本セラミックス協会誌第101巻、第12号(1993年出版)の1419〜1422頁に記載の化学分析法により測定した。酸素含有量と表面酸素含有量との差が内部酸素含有量となる。
【0016】
次に、本発明の窒化ケイ素粉末を製造する方法について説明する。
本発明の窒化ケイ素粉末は、金属ケイ素粉末の直接窒化法、シリカ粉末の還元窒化法、イミド分解法等、種々の方法で製造することができるが、結晶相の割合、内部酸素量、二次粒子径、一次粒子径、比表面積等の粉末特性を任意に調整できるイミド分解法が最も適している。イミド分解法では、例えば、液体状のハロゲン化ケイ素と液体状または気体状のアンモニアとを室温付近の温度で反応させることにより生成した、比表面積400〜800m2/g、ハロゲン含有量100ppm以下の含窒素シラン化合物を1000℃付近の温度で熱分解して、アモルファス窒化ケイ素を合成する。生成したアモルファス窒化ケイ素を、窒素雰囲気中1400〜1600℃の温度条件下で結晶化させた後、更により高温の1550〜1800℃で一酸化炭素濃度100ppm以下、酸素濃度5ppm以下の窒素ガス雰囲気下に熱処理することにより製造することができる。含窒素シラン化合物としては、シリコンテトラアミド、シリコンジイミド、シリコンニトロゲンイミドなどを挙げることができる。
【0017】
金属ケイ素粉末の直接窒化法では、例えば、α相分率70%以上及び比表面積10m2/g以上の窒化ケイ素粉末を比表面積10m2/g以上及び酸素含有量2.0重量%以下の金属ケイ素粉末に5〜20重量%添加混合し、混合物を、水素ガスと窒素ガスとの混合雰囲気下あるいはアンモニアガスと窒素ガスとの混合雰囲気下、昇温速度5℃/h以下の緩速昇温で1400〜1500℃まで昇温することにより、粒状の窒化ケイ素とする。得られた窒化ケイ素粉末を粉砕、精製して、粒度調整と不純物除去を行い、酸素含有量1.5重量%以下、炭素含有量1.2重量%以下、金属不純物量100ppm以下、ハロゲン含有量100ppm以下に高品位化した後、再度、より高温の1550〜1800℃で一酸化炭素濃度100ppm以下、酸素濃度5ppm以下の窒素ガス雰囲気下に熱処理することにより、本発明の窒化ケイ素粉末を製造することができる。
生成粉末の結晶相を制御する為には、特に、雰囲気中の水素分圧と、原料の金属ケイ素粉末の仕込量および充填密度に注意を払う必要がある。
【0018】
本発明の窒化ケイ素粉末は、従来の窒化ケイ素粉末の場合と同様な方法、例えば、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム等の焼結助剤と混合し、混合粉末を所定の形状に成形した後、焼結する常圧焼結法、成形体を窒素ガス加圧下で焼結する雰囲気加圧焼結法、混合粉末をカーボン製モールドに充填して、ダイスで圧力を印加しつつ昇温するホットプレス法などにより、窒化ケイ素セラミックス(焼結体)を製造することができる。常圧焼結または雰囲気加圧焼結における成形圧力は0.5〜5ton/cm2程度、焼結温度は1600〜2000℃程度、焼結時間は1〜10時間程度、雰囲気圧力は0.5〜100気圧程度とすれば良い。
【0019】
本発明の窒化ケイ素粉末を用いて製造された窒化ケイ素セラミックス(焼結体)は、アスペクト比の高い針状晶より成る微細構造を有している為、高温強度が高く、破壊靭性も高い。したがって、本発明の窒化ケイ素粉末は1100〜1400℃の高温領域で使用されるガスタービン部品などの構造部材や種々の高温機械部品として使用される窒化ケイ素セラミックスの製造用原料として、特に好適なものである。
【0020】
【実施例】
以下に本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
【0021】
実施例1〜6
イミド分解法により製造された宇部興産(株)製の窒化ケイ素粉末(SN−E10グレード)を〔表1〕に示す条件で熱処理することにより、固溶酸素、アモルファス、空孔、転位、不純物、吸着分子などの欠陥含有量の少ない窒化ケイ素粉末を製造した。得られた窒化ケイ素粉末の粉末特性を、下記の〔表2〕に示す。断熱法により、窒化ケイ素粉末の極低温における比熱を測定した。30〜60Kの温度領域における測定値を、DebyeのT3則に準じて、(aT3+bT5)という曲線式へフィティングさせた(a、bは定数である)。10〜25Kの温度範囲における比熱の測定値と格子比熱に相当するフィティング曲線(aT3+bT5)との差異が過剰比熱である。この過剰比熱を積分して、この温度域全体の過剰熱容量を算出した。結果を〔表2〕に示す。
尚、熱処理炉内のCO濃度は、流通させる窒素ガスの純度(酸素濃度、露点)と流量により調整した。
得られた窒化ケイ素粉末の走査型電子顕微鏡による観察では、0.05〜0.8μmの等軸的な粒状粒子のみが認められた。また、窒化ケイ素粉末の塩素含有量は、いづれの場合にも50ppm以下であった。
【0022】
比較例1〜2
イミド分解法により製造された宇部興産(株)製の窒化ケイ素粉末(SN−E10グレード)を〔表1〕に示す条件で熱処理することにより、窒化ケイ素粉末を製造した。得られた窒化ケイ素粉末の粉末特性を、下記の〔表2〕に示す。
また、実施例1〜6と同様にして、窒化ケイ素粉末の極低温における比熱を測定し、過剰熱容量を算出した結果を〔表2〕に示す。
【0023】
比較例3
宇部興産(株)製の窒化ケイ素粉末(SN−E03グレード)を用いた以外は比較例1〜2を繰り返した。得られた窒化ケイ素粉末の粉末特性を、下記の〔表2〕に示す。
比較例4
液体状の四塩化ケイ素と液体状のアンモニアとを−20℃で反応させることにより、比表面積600m2/g、塩素含有量40ppmのシリコンジイミドを製造した。生成シリコンジイミドを粉体嵩密度が0.058g/cm3となるようにルツボに充填し、1気圧の窒素雰囲気中、1260℃から1320℃の温度範囲を20℃/hの昇温速度で緩速昇温した後、1650℃まで昇温して、主としてα相より成る窒化ケイ素粉末を得た。生成粉末の特性を〔表2〕に示す。
この窒化ケイ素粉末についても、実施例1〜6および比較例1〜2と同様に、極低温における比熱を測定し、過剰熱容量を算出した結果を〔表2〕に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003648963
【0025】
【表2】
Figure 0003648963
【0026】
使用試験例
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた窒化ケイ素粉末に酸化イットリウム(Y23)5重量%、窒化アルミニウム(AlN)1重量%及び酸化ハフニウム(HfO2)0.5重量%を添加し、エタノール溶媒にて湿式ボールミル混合した後、乾燥、造粒した。
得られた混合粉末をカーボン製モールドに充填し、1気圧の窒素雰囲気中、面圧300kgf/cm2を印加して、1780℃で4時間保持するという条件でホットプレスを行った。
得られた窒化ケイ素質焼結体の嵩密度はアルキメデス法で測定した。焼結体よりJIS R 1601に準拠した3x4x40mm相当の抗折試験片を切り出し、JIS R 1601に準拠して、外スパン30mm、内スパン10mm、クロスヘッドスピード0.5mm/minの条件で四点曲げ試験を行った。高温での曲げ試験は、窒素雰囲気中で試験片を1300℃に10分間保持した後、8本以上の試験片について強度測定を行い、平均値を算出した。また、JIS R1607に規定のSEPB法により、室温における破壊靭性値を測定した。
到達密度、高温強度及び破壊靭性値の測定結果を下記〔表3〕に示す。
【0027】
【表3】
Figure 0003648963
【0028】
【発明の効果】
本発明の窒化ケイ素粉末は、高温高強度、高靭性、高信頼性の窒化ケイ素セラミックスを再現性良く安定して製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、窒化ケイ素粉末の極低温における比熱測定用試料容器(銅製、金メッキ)の概略図である。
【符号の説明】
A:ヘリウムガス封入用銅パイプ
B:試料投入口ぶた
C:羽根(8枚)
D:断熱制御用熱電対
E:リードワイヤー(直径0.1mm)
F:標準白金抵抗温度計
G:輻射防止シールド
H:ゲルマニウム抵抗温度計
I:ヒーター
J:ウッド合金
K:吊り下げ用フック

Claims (1)

  1. 10〜25Kの低温において0.2〜1.3J/molの過剰熱容量を有し、比表面積が4〜15m2/gであることを特徴とする窒化ケイ素粉末。
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