JP3648448B2 - 包装材砕片物の乾燥方法及び乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、包装材付き生ゴミから分別された包装材を破砕し、洗浄して得られる包装材砕片物を乾燥するのに好適な包装材砕片物の乾燥方法及び乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、容器包装リサイクル法が制定され、トレイ、ビニール袋、ラップ、発泡スチロール容器等の包装材を回収し、資源材料化して再利用することが義務付けられるようになってきた。
【0003】
ところが、家庭、学校、病院、市場、スーパー、コンビニエンスストア等で発生する、食品の食べ残しや、売れ残りによる生ゴミが入った包装材については、そのままでは資源材料化することができず、生ゴミと包装材とに分別する必要があった。
【0004】
このため、例えば特開平11−114539号には、生ゴミと包装材等の異物との混合物から生ゴミを分別する方法において、周壁に複数の孔を有する筒状容器の一方の端面を開閉可能な蓋体で閉塞し、前記筒状容器内に生ゴミと異物との混合物を投入した後、前記筒状容器の他方の端面から挿入したプランジャーで前記混合物を押圧し、前記混合物中の流動性に富んだ生ゴミを前記筒状容器の周壁の孔から押出すと共に、前記混合物中の異物を前記蓋体と前記プランジャーとの間で圧縮し、次いで前記蓋体を開放すると共に前記プランジャーを更に前進させて、前記異物の圧縮物を前記筒状容器の一方の端面から押出す方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、包装材については、生ゴミのカス等が付着していて、そのままでは資源材料化できないため、これを洗浄し、乾燥する必要がある。ところが、粉砕された包装材破砕物は、乾燥時に飛散しやすく、効率的に乾燥することが困難であった。
【0006】
そして、包装材砕片物に残留する水分が多いと、資源材料化するための溶融固化工程で水分の蒸発などに伴う気泡の混入が発生し、良質なプラスチック材料を得ることが困難になる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、例えば生ゴミから分別された包装材破砕物を効率的に乾燥することができるようにした包装材破砕物の乾燥方法及び乾燥装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は回収された生ゴミから分別され、平均径4〜20mmの大きさに粉砕され、洗浄された包装材粉砕物の乾燥方法であって、内部にスクリューが配置された輸送配管を複数本並列して配列すると共に、これらの輸送配管を連結して連続した通路を構成し、この通路の始端部に包装材砕片物を供給し、前記通路内に120〜150℃の熱風を少なくとも前記通路の始端部から吹き込みながら、前記スクリューを回転させ、前記包装材の砕片物を攪拌させつつ前記通路内を移動速度3〜7m/分で移動させて、前記通路の終端部から取出すことを特徴とする。
【0009】
本発明の方法によれば、通路の始端部から供給された包装材砕片物は、通路内に配置されたスクリューによって攪拌されながら移動し、通路内に吹き込まれた熱風に接して効率よく乾燥される。この場合、包装材砕片物は、薄く小さい片状をなすので飛散しやすいが、輸送配管内の通路を通るので外部に飛散してしまうことはなく、しかも輸送配管内で攪拌されて、その表面に均一に熱風が当たり、乾燥を促進させられる。
【0010】
本発明の乾燥方法においては、前記通路の全長を60〜85mとすることが好ましい。更に、前記包装材砕片物に残存する水分が10質量%以下となるように乾燥を行うことが好ましい。
【0011】
一方、本発明の回収された生ゴミから分別され、平均径4〜20mmの大きさに粉砕され、洗浄された包装材粉砕物の乾燥装置は、内部にスクリューが配置された輸送配管を複数並列して配列すると共に、これらの輸送配管を連結して連続した通路を構成し、この通路の始端部に包装材砕片物の供給口を設け、前記通路の終端部に前記包装材砕片物の取出し口を設け、前記通路内に120〜150℃の熱風を吹き込む熱風供給手段を設け、かつ、前記熱風を前記通路内に供給する熱風供給口を少なくとも前記通路の始端部に設け、前記包装材粉砕物の移動速度が3〜7m/分となるように前記スクリューの回転速度が設定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の乾燥装置によれば、包装材砕片物を供給口から投入すると、輸送配管内に配置されたスクリューが回転して、包装材砕片物は、輸送配管を連結して構成した通路内を移動する。また、熱風供給手段によって通路内に熱風が吹き込まれ、包装材砕片物は、外部に飛散することなく、前記スクリューによって攪拌されながら前記熱風と接触して効率的に乾燥され、取出し口から取出される。
【0013】
本発明の乾燥装置においては、前記通路の全長が60〜85mであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において包装材砕片物としては、廃棄物として回収される各種包装材の砕片物が挙げられるが、特に、包装材付き生ゴミから包装材と生ゴミとを分別して得られる包装材の砕片物が好適である。この包装材は、生ゴミから分別された後、粉砕して適当な大きさの砕片物とされ、更に、表面に付着する生ゴミのカス等を除去するために洗浄処理されている。この包装材砕片物は、平均径4〜20mmの大きさに粉砕されていることが好ましい。平均径が4mm未満では、粉砕処理に時間がかかり効率的でなく、20mmを超えると、体積がかさばって搬送効率及び乾燥効率が低下する。
【0015】
図1〜4には、本発明による包装材砕片物の乾燥装置の一実施形態が示されている。図1は上記乾燥装置の全体を示す正面図、図2は上記乾燥装置の要部を示す正面図、図3は上記乾燥装置の要部を示す側面図、図4は上記乾燥装置の一部である輸送配管の一部を示す断面図である。
【0016】
この乾燥装置62は、パイプ状をなす複数の輸送配管101と、これらの輸送配管101を連結して連続した1つの通路を形成する連結部102とを有している。この実施形態では、輸送配管101が、上下方向に5本並列して配設された列が、水平方向に2列設けられており、一方の列(図3の左側の列)の最下部の輸送配管101から、他方の列(図3の右側の列)の最上部の輸送配管101に向かって斜めに連結用の輸送配管101aが設けられている。その結果、合計11本の輸送配管101が連結されて連続した通路が構成されている。
【0017】
このように、本発明において、輸送配管101は、コンパクトな装置でかつ乾燥効率も高くなるように複数使用されるが、その使用本数は、処理する包装材砕片物の量を想定した装置の処理能力により適宜決められるが、6〜20本程度とするのが好ましい。
【0018】
また、複数本の輸送配管101によって形成される通路の全長は、60〜85mが好ましく、60m未満では、充分な乾燥時間をとれず、85mを超えると、装置が複雑化、大形化すると共に、過熱されて溶融固化する虞れも生じる。
【0019】
各輸送配管101の内部には、スクリュー103が配置されており、これらのスクリュー103は、それぞれの輸送配管101の一端部に設置されたモータ104で回転するようになっている。このスクリュー103の回転速度は、包装材砕片物の移動速度が3〜7m/分となるように調整されることが好ましい。包装材砕片物の移動速度が3m/分未満では、過熱されて溶融固化する虞れが生じ、7m/分を超えると十分な乾燥が困難となる。
【0020】
そして、連続した輸送配管101の始端部には、本発明における包装材砕片物の供給口に相当するホッパー105が取付けられており、前述した洗浄工程から送られてくる包装材砕片物が供給管61を介して投入されるようになっている。連続した輸送配管101の終端部には、輸送配管101内を通る間に乾燥された包装材砕片物の取出し口106が設けられ、ここから次の溶融固化工程に送られるようになっている。
【0021】
また、上記輸送配管101に熱風を吹き込む熱風供給装置107が設置されている。この熱風供給装置107は、ヒータ108と、このヒータ108を通過して熱風となった空気を吸引し、送気管109を介して輸送配管101に吹き込むファン110とを有している。また、輸送配管101のところどころに、蒸気流出口111が設けられている。
【0022】
熱風供給装置107は、輸送配管101の通路内を通過する熱風の温度が120〜150℃となるように、出力が設定されていることが好ましい。上記熱風の温度が120℃未満では、包装材砕片物の乾燥効率が悪く、150℃を超えると、内部で溶融固着化する虞れがある。
【0023】
なお、この実施形態では、熱風供給装置107が1台であって、その送気管109が輸送配管101で構成される連続した通路の始端部に連結されているが、熱風供給装置107を複数台設け、あるいは送気官109を分岐させて複数本とすることにより、輸送配管101で構成される連続した通路の複数箇所において熱風を供給することもできる。それによれば、通路内の温度を均一に保ちやすくなり、乾燥効率を更に高めることができる。
【0024】
次に、上記乾燥装置を用いた、本発明による包装材砕片物の乾燥方法の一実施形態を説明する。
【0025】
まず、洗浄処理された包装材砕片物F(図4参照)をホッパー105に投入すると、包装材砕片物Fは、連続した輸送配管101の始端部に導入され、輸送配管101内に配置されたスクリュー103によって、複数本の輸送配管101内を順次通過する。
【0026】
そして、包装材砕片物Fは、スクリュー103によって攪拌されながら輸送配管101内を通過する間に、熱風供給装置107により輸送配管101に吹き込まれた熱風と接触する。その結果、包装材砕片物Fの表面に付着した水分を蒸発して、効率的に乾燥することができる。
【0027】
こうして包装材砕片物Fを乾燥させた後、取出し口106から取出す。なお、蒸発した水分は、輸送配管101のところどころに設けられた蒸気流出口111から流出させることができる。
【0028】
上記乾燥は、包装材砕片物F中に残存する水分が好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下となるように行うことが好ましい。包装材砕片物に残存する水分が10質量%を超えると、後の溶融固化工程で水分の蒸発等に伴う気泡の混入が発生し、良質なプラスチック材料を得ることができなくなる。
【0029】
こうして乾燥させた包装材砕片物Fは、次に、図示しない溶融固化装置に導入し、そこで加熱・加圧して溶融し、装置から押し出し、冷却、固化して樹脂塊とする。この樹脂塊を、適当な粉砕機により適当な粒状体、例えば再利用に供しやすい粒径2〜8mm程度の樹脂粒状体とする。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、包装材砕片物がビニール袋、発泡スチロール等の破砕物であって、軽く飛散しやすいものであっても、スクリューコンベヤが配置された通路を通過する過程において、飛散することなく効果的に乾燥処理することができる。そして、乾燥処理した包装材砕片物を樹脂成形材料等として再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用される乾燥装置の全体を示す正面図。
【図2】 上記乾燥装置の要部を示す正面図。
【図3】 上記乾燥装置の要部を示す側面図。
【図4】 上記乾燥装置の一部である輸送配管の一部を示す断面図。
【符号の説明】
62 乾燥装置
101 輸送配管
101a 連結用の輸送配管
102 連結部
103 スクリュー
104 モータ
105 ホッパー
106 包装材砕片物の取出し口
107 熱風供給装置
108 ヒータ
109 送気管
110 ファン
111 蒸気流出口
112 熱風吹き込み口
Claims (5)
- 回収された生ゴミから分別され、平均径4〜20mmの大きさに粉砕され、洗浄された包装材粉砕物の乾燥方法であって、内部にスクリューが配置された輸送配管を複数本並列して配列すると共に、これらの輸送配管を連結して連続した通路を構成し、この通路の始端部に包装材砕片物を供給し、前記通路内に120〜150℃の熱風を少なくとも前記通路の始端部から吹き込みながら、前記スクリューを回転させ、前記包装材の砕片物を攪拌させつつ前記通路内を移動速度3〜7m/分で移動させて、前記通路の終端部から取出すことを特徴とする包装材砕片物の乾燥方法。
- 前記通路の全長を60〜85mとする請求項1に記載の包装材砕片物の乾燥方法。
- 前記包装材砕片物に残存する水分が10質量%以下となるように乾燥を行う請求項1又は2に記載の包装材破砕物の乾燥方法。
- 回収された生ゴミから分別され、平均径4〜20mmの大きさに粉砕され、洗浄された包装材粉砕物の乾燥装置であって、内部にスクリューが配置された輸送配管を複数並列して配列すると共に、これらの輸送配管を連結して連続した通路を構成し、この通路の始端部に包装材砕片物の供給口を設け、前記通路の終端部に前記包装材砕片物の取出し口を設け、前記通路内に120〜150℃の熱風を吹き込む熱風供給手段を設け、かつ、前記熱風を前記通路内に供給する熱風供給口を少なくとも前記通路の始端部に設け、前記包装材粉砕物の移動速度が3〜7m/分となるように前記スクリューの回転速度が設定されていることを特徴とする包装材砕片物の乾燥装置。
- 前記通路の全長を60〜85mとする請求項4に記載の包装材砕片物の乾燥装置。
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