JP3648293B2 - 店内用買物かご - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にデパート、スーパー、ショッピングセンター等の店内に備えられている店内用買物かごに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デパート、スーパーマーケット、ショッピングセンター等の店内には、陳列されている任意の商品を選択し、これをレジで精算するまでの間、購買者が店内において利用するための店内専用買物かごが備えられている。
【0003】
この店内用買物かごは一般に、逆台形状をしたかご体の上部開口部側にこれを持つための一対の把手を備えたものであり、不要時には、この把手をかご体の上部開口部の周縁部側に倒した後、かご体同士を上下多段に重ね合わせることでコンパクトに収容されるようになっている。また、このかご体の側面及び底面には網孔が多数穿孔されており、これによってかご体内に収容されている商品の有無や識別を容易にすると同時に、かご体全体の軽量化が達成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなデパート、スーパー、ショッピングセンター等の店内には新商品等の販売促進を視覚的に行うために、ポスターやシール状の広告媒体が多数設けられているが、これら店内には広告媒体を備え付けるスペースが限られているため、同時に多くの広告媒体を設けることができない。このため、店内にこのような広告媒体を据え付ける広告スペースを増やすことも考えられるが、そうすると、いたずらに店内の美観を損ねたり、改築に多くの費用を要するといった問題が生じてくる。そこで、上述したような店内用買物かごを利用し、そのかご体の側面にシール状の広告媒体を貼り付けることで低コストで大きな宣伝効果を得ようとする方法が考えられているが、上述したように、かご体には多数の網孔が穿孔されていることから、これに直接シール状の広告媒体を貼り付けると、そのシール面の一部が網孔からかご部内面側に露出して、かご部内の商品とくっついてしまう上に、接着面積が狭くなって接着力が弱くなり、簡単に剥がれてしまう等の不都合がある。
【0005】
そのため、最近では上述したかご体の側板乃至側壁に平坦な面を形成してこの平坦な面に広告を表示した広告シールを貼着するようにした買物かごが提案されるに至っている。ところで、この広告シールは一定期間、例えば一ケ月毎に新しいものと貼り替えるようになっているが、その貼り替え作業、特に古い広告シールを剥がす作業は容易ではなかった。すなわち、この広告シールは一定期間、その広告効果を持続すべく容易に破れたり剥離しないように比較的丈夫な材質から形成されていると同時に強固に貼り付けられていることから、古い広告シールを剥がすには、カッターやスクレーパ等の剥がし工具を用いる必要がある上に、その工具によって怪我や貼り付け面を傷付けてしまうなどの問題点があった。また、この貼り替え作業はすべての広告シールについて略同時に行われることから、その作業には多くの労力を要していた。そのため、広告シールの貼着力を弱めたり、接着面積を小さくして予め剥がし易くしておくことも考えられるが、そうするとかご体同志を重ね合わせた際の擦れ等によって広告シールが簡単に剥がれてしまい、所定期間、その本来の機能を発揮できないといった新たな問題点が生じてくる。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、広告シールの貼り替え作業が容易にできると共に、通常の使用時にはその広告シールが容易に剥がれない新規な店内用買物かごを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、スーパーマーケット、ショッピングセンター等の店内で専用され、不使用時にかご体同士を上下多段に重ね合わされて収容される店内用買物かごにおいて、上記かご体を区画形成する側板に、広告内容を記載した広告シールを貼り付けるための平坦な広告表示エリアを形成すると共に、該広告表示エリアの周縁部に、これに沿って上記かご体同士を上下多段に重ね合わせたときの広告シールの剥がれを防止するための隆起部を設け、上記広告表示エリアの略中央部に、貼着される上記広告シールを棒体等を差し込んで中央部から破って剥がすための剥がし孔を形成すると共に、該剥がし孔の周囲に多数の空気抜き孔を形成したものである。
【0008】
これによって、広告表示エリアに貼り付けられている広告シールの剥がし作業が容易となり、カッターやスクレーパ等のかご体を傷付ける虞のある、剥がし工具を用いる必要がなくなる。
【0009】
また、かご体同士を上下多段に重ね合わせた際に、側板同士が摺れ合っても広告シールがその周縁部から剥がれることがなくなり、当初の広告効果を所定期間持続することができる。
【0010】
さらに、広告シールを貼り付けた際にその間の空気がこの空気孔から広告表示エリアの反対側に抜き出て、広告シールを広告表示エリアにきれいに貼り付けられる。
【0011】
【発明の実施の態様】
次に、本発明の実施の好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は本発明に係る店内用買物かごの好適一形態を示したものである。図示するように、この買物かごは、複数の網孔1…が形成された4枚の側板2,2,2,2及び底板(図示せず)からなるかご体3の上部開口部に、このかご体3を把持するための一対の把手4が可倒自在に取り付けられて構成されている。また、このかご体3は上部開口部側から底板(図示せず)側になるに従って徐々に狭まった逆台形状に形成されており、図示しない他のかご体同士を上下多段に重ね合わせることでコンパクトに収容されるようなっている。
【0013】
また、このかご体3を区画形成する各側板2,2,2,2の略中央部には、隣り合う所定の網孔1…同士を矩形状に連続して塞ぐようにしてなる平坦な広告表示エリア5が形成されており、この広告表示エリア5の片面あるいは両面に、図2に示すように、その表面に広告内容を記載した略矩形状の広告シール6が着脱自在に貼り付けられるようになっている。なお、図1及び図2では省略しているが、広告表示エリア5には図5に示すように小孔9aが多数形成されている。
【0014】
これによって、従来無駄になっていたかご体3の側板2を広告媒体として有効利用することが可能となる上に、網孔1,…が形成されている側板2に平坦な広告表示エリア5を形成し、これに広告シール6を貼り付けるようにしたため、広告シール6の貼付力が向上して不測の剥離が未然に防止され、一定期間その広告効果を持続することができることになる。
【0015】
また、図2〜図4に示すように、この広告表示エリア5の周縁部には、断面半円形をした隆起部7が広告シール6を矩形状に囲繞するように形成されており、広告表示エリア5に貼り付けられた広告シール5の不測の剥がれを防止するようになっている。すなわち、上述したように、この広告シール6が貼り付けられるかご体3は、不使用時においてはレジ付近等に上下多段に重ね合わされて収容されるようになっているため、不要となったかご体3を積み重ねる際、あるいは積み重なっているかご体3を抜き取る際に、図3に示すように、広告表示エリア5に貼り付けられた広告シール6が下方のかご体3とスライドして直接擦れ合うことにより、その周縁部から剥がれてしまうことが考えられるが、上述したように、広告表示エリア5の周縁部に隆起部7を設けることで、広告シール6が他のかご体に直接接触することが防止され、これによって広告シール6の周縁部からの剥がれが防止されるようになるからである。尚、広告表示エリア5の表面部を凹ますことでこのような隆起部7を省略することもできるが、そうすると広告表示エリア5の板厚が薄くなってかご体3の強度が低下してしまう虞があるため、そのような構成は好ましくはないといえる。
【0016】
さらに、図2及び図4に示すように、この広告表示エリア5の略中央部には、楕円形に穿孔された剥がし孔8が形成されている。この剥がし孔8は広告表示エリア5に貼り付けられた広告シール6を容易に剥がすためであり、図示するように、指やペン等の棒体を差し込んで、この剥がし孔8を塞ぐように貼り付けられている広告シール6をその中央部から破き、周縁部方向に向かって剥がすことができるようになっている。すなわち、この広告シール6は一定期間毎、例えば2週間から1ヶ月単位で取り替えるようになっているが、上述したように、この広告シール6の周縁部には広告シール6が剥がれないように隆起部7が形成されていることから、既に貼り付けられている広告シール6をその周縁部から剥がすのは容易ではない。従って、上述したように広告表示エリア5の略中央部に剥がし孔8を形成することで、古い広告シール6を剥がす際に、その中央部から容易に剥がすことができる。尚、この時、剥がし孔8の形状は図示するように楕円形に限定されるものではないが、指で広告シール6を破く際に怪我を防止できる等の理由から、三角形や長方形に形成するよりも、楕円形もしくは円形に形成することが好ましいといえる。また、この際、広告シール6の裏面全体を接着面とすると、剥がし孔8に位置する面が露出した状態となり、これにゴミや製品が付着する不都合があるため、図2に示すように、剥がし孔8の周囲、例えば、図示斜線部分のみを接着するようにすれば尚良い。
【0017】
このように本発明は、かご体3を区画形成する側板2に平坦な広告表示エリア5と隆起部7を形成し、この隆起部7内に広告シール6を貼り付けるようにしたため、従来使用されていなかった店内用買物かごを広告媒体として有効利用することが可能となり、大きな宣伝効果を得ることができる。また、広告表示エリア5の略中央部に剥がし孔8を形成することで、古い広告シール6を剥がす際に、カッターやスクレーパなどの危険な剥がし工具を用いることなく、素手で容易に剥がすことができ、しかも、かご体同士を上下多段に重ね合わせた際に、側板同士が摺れ合っても広告シールが剥がれ難くなり、一定の期間、当初からの宣伝効果を維持することができる。
【0018】
尚、上述した形態では広告表示エリアを側板の略中央部に設けると共に、矩形状に形成したが、その形成位置や大きさあるいは形状などは、貼り付ける広告シールの大きさ形状等に応じて適宜変化させるようにすることは勿論である。また、広告表示エリアの外面のみならず、その内面側にも広告シール6を貼り付けると共に、その周縁部に剥がれを防止する隆起部7を設けるようにしたり、いずれか一枚あるいは2枚の側板のみに広告表示エリアを設けても良く、その態様は上記態様に限定されるものではない。さらに、図5及び図6に示すように、この広告表示エリア5に多数の小孔9aやスリット9b等の空気抜き孔9を形成すれば、広告シール6を貼り付ける際に、その間に溜まった空気がこれら空気抜き孔9を通過して反対方向に抜け出るようになるため、特に高度な熟練度を要することなく広告シール6を簡単にきれいに貼り付けることができると同時に、その空気抜き孔の分だけかご体3全体の軽量化も期待できる。
【0019】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、広告シールの貼り替え作業が容易にできると共に、貼着した広告シールが剥がれ難くなるため、当初からの宣伝効果を一定期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る買物かごの一形態を示す斜視図である。
【図2】広告表示エリアの一形態を示す斜視図である。
【図3】かご体同士を重ね合わせたときの広告表示エリアとかご体の状態を示す一部破断斜視図である。
【図4】図2中A−A断面図及びその要部を示す拡大断面図である。
【図5】広告表示エリアの他の形態を示す斜視図である。
【図6】広告表示エリアの体の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 網孔
2 側板
3 かご体
4 把手
5 広告表示エリア
6 広告シール
7 隆起部
8 剥がし孔
9 空気抜き孔

Claims (2)

  1. スーパーマーケット、ショッピングセンター等の店内で専用され、不使用時にかご体同士を上下多段に重ね合わされて収容される店内用買物かごにおいて、上記かご体を区画形成する側板に、広告内容を記載した広告シールを貼り付けるための平坦な広告表示エリアを形成すると共に、該広告表示エリアの周縁部に、これに沿って上記かご体同士を上下多段に重ね合わせたときの広告シールの剥がれを防止するための隆起部を設け、上記広告表示エリアの略中央部に、貼着される上記広告シールを棒体等を差し込んで中央部から破って剥がすための剥がし孔を形成すると共に、該剥がし孔の周囲に多数の空気抜き孔を形成したことを特徴とする店内用買物かご。
  2. 上記広告表示エリアの内外面にそれぞれ広告シールを貼り付けたことを特徴とする請求項1記載の店内用買物かご。
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