JP3647527B2 - 複合微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可視光線域での高透明性、かつ紫外線域での高遮蔽性を有する複合微粒子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地球上に届く太陽光(赤外線、可視光線、紫外線)のうち、5〜6%が紫外線である。紫外線は波長が短く、従ってエネルギーの高い電磁波であり、多くの物質に対して分解性をもち、広く生体に障害を及ぼすことが知られている。
従って、紫外線遮蔽剤は、例えば化粧品中に配合して皮膚を紫外線による炎症や皮膚癌から守ったり、塗料に混ぜて顔料が紫外線で分解して退色するのを防いだりする用途等に用いられている。このとき可視光線域での透明性を高めることによって、化粧品の場合では白浮きになるのを防ぎ、また塗料の場合では顔料による色彩を損なうのを防ぐことができるため、可視光線域での透明性を維持しつつ、紫外線防御を行うことが望ましい。
【0003】
有機化合物を有効成分として用いる紫外線遮蔽剤は、組成物の紫外線に対する特性吸収によりその透過を防ぐものであり、例えば置換されたN,N’−ビス−芳香族ホルムアミジン類から成る紫外線吸収性組成物(特公昭61−09993号公報)等がある。しかしながら、有機系の紫外線遮蔽剤は、紫外光を吸収すると同時にその作用を受けて分解するという難点があり、このため経時的に遮蔽能が減衰する欠点をもつ。また化粧品への応用においては、人体への影響の点から配合できる種類、配合量にも規制があり、規制内で高い機能を発現させることが困難である。
【0004】
一方、無機化合物を用いる紫外線遮蔽剤は、無機微粒子を組成物として配合し、組成物の紫外線に対する吸収能及び散乱能によってその透過を防ぐものである。このような無機系の紫外線遮蔽剤は、組成物が経時的に劣化していくことがなく、また人体への影響が少ないという点で有機系遮蔽剤よりも優れている。
しかし、有機系の紫外線遮蔽剤に対して、無機系は粒子形態であるので、従来から無機系は可視光域での高透明性を維持しつつ、紫外線防御を行うのは困難とされてきた。
【0005】
可視光線域での高透明性を維持しながらその紫外線域での遮蔽能を有効に発現させるためには、組成物を超微粒子化して高分散状態にし、紫外線散乱能を高める必要がある。しかし、超微粒子を用いる場合にはその凝集性に起因する超微粒子の分散安定性が問題となる。分散性を高めるために超微粒子表面を他の物質で被覆して改質する方法もあり、例えば疎水性化した酸化チタン粉末を油性化粧料基剤に配合した皮膚化粧料(特公昭59−15885号公報)等があるが、表面の被覆層の性質に応じて分散させる溶媒を選ぶ必要があり、また表面改質を行っても超微粒子という形態は変わらないので凝集力を低下させるのにも限界がある。
【0006】
無機超微粒子が凝集して紫外線散乱能を失わないように、超微粒子を固体物質内に分散・固定化させた複合微粒子が考案されている。現在までに考案された無機複合微粒子としては、例えば、微粒金属化合物を分散含有してなる薄片状物質(特開昭63−126818号公報)、SiO2 等の金属酸化物の板状粒子中にTiO2 等の微粒子粉末を均一に分散した複合化粉末(特開平1−143821号公報)、及び、チタニア−シリカ系ガラスからなるフレーク状ガラス(特開平6−116119号公報)が挙げられるが、板状粒子では、球形粒子に比べて粒子同士の摩擦抵抗が大きく、化粧料基剤に用いた場合、使用感が良いとは言えない。また、これらの薄膜化して粒子を得る方法によっては、粒子の幅と厚みを任意に制御することは困難であった。
【0007】
一方、ナイロン樹脂やシリコーン樹脂、酸化ケイ素等からなる母材粒子の表面に酸化ジルコニウムや酸化アルミニウムの粉末が担持され、母材粒子の内部に酸化チタンや酸化亜鉛の粉末が分散されている複合粒子(特開平2−49717号公報)、及び、1次粒子径0.001〜0.3μmの金属化合物微粒子0.1〜30重量%を粒子内に含有し、かつ粒子内に0.3μm以上の空孔を実質的に含有しない多孔質シリカビーズ(特開平4−65312号公報)のような球状粒子を得る複合化方法もあるが、この方法では無機超微粒子を分散させた状態のまま、油中水型の乳化液を調製し、シリカ等の母材粒子を反応により生成する必要があり、工業的に煩雑なプロセスである。また、平均粒子径0.1〜5.0μm、かつ、1μm以下の粒子の割合が5%以上の粉体を得ることは困難であった。
【0008】
一方、複合無機酸化物からなる真球状微粒子粉末の製造法(特公平3−43201号公報)は、無機酸化物を2種類以上含有し、1種類の含有量が5重量%以上であるコロイド液を温度10〜100℃の乾燥雰囲気内に噴霧して乾燥し、平均粒子径が1〜20μmの球状粉末を製造する方法である。しかし、このような濃度の高いコロイド液を用いて平均粒子径0.1〜5.0μm、1μm以下の粒子の割合が5%以上の粉体を得るためには、噴霧液滴径の平均径を5μmより小さくする必要がある。但し、工業的な生産を想定した場合、それに該当する(2流体)ノズルは無いか、もしくはノズル本数が非常に多くなってしまい装置設計が困難になる、といった問題があった。
【0009】
さらに、紫外線遮蔽性複合微粒子、その製造方法、及び化粧料(国際公開公報WO95/09895)では、超微粒子のコロイド液を100〜1000℃の雰囲気中にて乾燥管または反応管内で乾燥または反応させることを提示しているが、工業的に乾燥管または反応管により量産する場合は、装置コストが高くなる問題がある。またこのような高い乾燥雰囲気で通常の噴霧乾燥機でコロイド液を乾燥させると、中空の粗大粒子が生成し易くなり、平均粒子径0.1〜5.0μm、1μm以下の粒子の割合が5%以上の粉体を得ることは困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の複合微粒子の製造における種々の課題を解決するものであり、高い可視光線透明性を有し、かつ紫外線の高遮蔽性を有する複合微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、紫外線遮蔽能を有する微粒子(子粒子)と子粒子を分散含有させる母体(母粒子)を複合化し、前者による紫外線散乱及び吸収能と後者による子粒子の高分散性とを合わせ持つような複合微粒子について検討を行った結果、複合微粒子の粒子径を微小化し、かつ1μm以下の粒子の割合を5%以上にすることにより、超微粒子の紫外線遮蔽効果をより効果的に発揮させることができることを見出した。
さらに、このような粒子を製造するために、複合微粒子の構成要素となる子粒子及び母粒子のゾル等を一定の条件下で微小液滴化後、乾燥し、微小な複合微粒子を連続生成することができることを見出した。
【0012】
即ち、本発明の要旨は、
(1) 下記の(a)〜(c)の工程を有することを特徴とする、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が体積基準で5%以上である紫外線遮蔽性複合微粒子の製造方法、
(a)1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.3μmの母粒子を構成する粒子を含有する母粒子原料と、1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.1μmの子粒子を含有する子粒子原料とを混合させ、母粒子を構成する粒子及び子粒子の合計が0.0001〜5.0重量%である原料液を調製する工程、
(b)該原料液を噴霧ガス線速度が500m/s以上、噴霧気液流量比が1000以上の条件で、2流体ノズルにより液滴化する工程、および
(c)得られる液滴を熱風入口温度が100〜300℃、排風温度が10〜100℃の条件で、噴霧乾燥機により乾燥させる工程、
(2) 下記の(a)〜(c)の工程を有することを特徴とする、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が体積基準で5%以上である紫外線遮蔽性複合微粒子の製造方法、
(a)1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.3μmの母粒子を構成する粒子を含有する母粒子原料と、1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.1μmの子粒子を含有する子粒子原料とを混合させ、母粒子を構成する粒子及び子粒子の合計が0.0001〜5.0重量%である原料液を調製する工程、
(b)該原料液を噴霧ガス線速度が500m/s以上、噴霧気液流量比が1000以上の条件で、2流体ノズルにより液滴化する工程、および
(c)得られる液滴を排風温度が10〜100℃の条件で、パルス衝撃波乾燥機により乾燥させる工程、
【0013】
(3) 母粒子がSiO2及び/又はAl2O3である前記(1)又は(2)記載の製造方法、
(4) 子粒子が、TiO2、ZnO、CeO2、SiC、SnO2、WO3、SrTiO3、BaTiO3、及びCaTiO3からなる群より選ばれる1種以上である、前記(1)〜(3)いずれか記載の製造方法、
(5) 複合微粒子の屈折率と同程度の屈折率を有する媒質中に、0.1重量%の濃度で複合微粒子を懸濁させ、光路長1mmの光学セルを用いて紫外可視分光分析により光透過率を測定したとき、波長500nmにおいて透過率50%以上、かつ、波長320nmにおいて透過率50%以下である前記(1)〜(4)いずれか記載の製造方法、
(6) (粒子投影像における最大粒子径相当の円の面積)/(実際の粒子投影面積)×100で与えられる球形度が100〜120である前記(1)〜(5)いずれか記載の複合微粒子の製造方法、
(7) 母粒子がSiO2であり、子粒子がTiO2及び/またはZnOである、前記(1)〜(6)いずれか記載の製造方法、に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
紫外線に対して高い遮蔽能をもつ粒子径の比較的小さい微粒子は凝集しやすい性質があるので、媒質中に分散させてその機能をうまく発現させることが難しい。そこでこのような微粒子を比較的大きな粒子と複合化すること、すなわち担体としての母粒子中に子粒子として固定化することにより、その分散状態が維持でき、紫外線遮蔽能を保持することができる。また一般に高い表面活性をもつ小さい微粒子を母粒子中に内包することで、複合化した微粒子を媒質中に懸濁した時に表面活性の悪い影響が媒質に及ぶことを抑制することができる。本明細書において、複合微粒子の母粒子とは子粒子を分散させる母体をいい、母粒子はそれを構成する粒子がその形状を保持したまま凝集した凝集体として形成される。子粒子とは母粒子以外の紫外線遮蔽能を有する粒子をいう。複合微粒子は、かかる母粒子と子粒子よりなるものである。なお、子粒子はその一次粒子が単独で分散・固定化しているものだけではなく、一次粒子が凝集してなる凝集体をも含む。
【0015】
本発明の製造工程には、大別して次のような3つの工程がある。すなわち、
(a)1種又は2種以上の母粒子を構成する粒子を含有する母粒子原料と、1種又は2種以上の子粒子を含有する子粒子原料とを混合させ、母粒子を構成する粒子及び子粒子の合計が0.0001〜5.0重量%である原料液を調製する工程。
(b)該原料液を噴霧ガス線速度が500m/s以上、噴霧気液流量比が1000以上の条件で、2流体ノズルにより液滴化する工程。
(c)得られる液滴を、熱風入口温度が100〜300℃、排風温度が10〜100℃の条件で、噴霧乾燥機により乾燥させる工程、又は排風温度が10〜100℃の条件で、パルス衝撃波乾燥機により乾燥させる工程。
かかる工程により、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が体積基準で5%以下である複合微粒子を製造することができる。
【0016】
1)工程(a)について
工程(a)は、1種又は2種以上の母粒子を構成する粒子を含有する母粒子原料と、1種又は2種以上の子粒子を含有する子粒子原料とを混合させ、母粒子を構成する粒子及び子粒子の合計が0.0001〜5.0重量%である原料液を調製する工程である。なお、本明細書において「母粒子原料」とは、1種又は2種以上の母粒子を構成する粒子を含有する原料をいい、「子粒子原料」とは1種又は2種以上の子粒子を含有する原料をいう。
【0017】
複合微粒子を構成する子粒子は、可視光線域における透明性及び紫外線域における遮蔽性を有するものである。すなわち子粒子は可視光線域において吸収がなく、かつ可視光線を散乱することのない程度の大きさの粒子であることが必要である。
【0018】
子粒子を構成する粒子としては、可視光線域において吸収がなく、かつ紫外線の吸収性を有するという要件から、バンドギャップエネルギーに基づく励起子吸収端が紫外線の波長領域に存在するような物質、即ちバンドギャップエネルギーが3.0〜4.0eVの半導体化合物が好ましい。例えばTiO2 、ZnO、CeO2 、SiC、SnO2 、WO3 、SrTiO3 、BaTiO3 、CaTiO3 等がその性質を強く示すため、子粒子を構成する粒子としては、これらの物質からなる群より選ばれる1種以上のものが好適に用いられる。これらの中でもTiO2 、ZnO及びCeO2 からなる群より選ばれた1種以上のものが特に好ましい。特に紫外線A領域(320〜400nm)まで遮蔽するためにはZnO、CeO2 が有効であり、紫外線B領域(280〜320nm)の遮蔽にはTiO2 が有効である。なお、上記の物質は1種類以上を用いることが可能である。
【0019】
子粒子の形状は球状、板状あるいは針状等、特に限定されない。子粒子の粒子径は、母粒子の一次粒子と比較した場合、ほぼ同程度であることが、子粒子の分散状態を良好にする上で好ましい。一方、紫外線散乱性は、Mie散乱によって強く現れ、これは粒子径が紫外線の波長の約1/2すなわち0.2μm以下で顕著となるので、平均粒子径は、具体的には可視光線域における透明性及び紫外線域における遮蔽性を満足する為に、0.001〜0.1μmが好ましく、特に0.001〜0.05μmがより好ましい。なお、本発明における子粒子の平均粒子径とは、子粒子の一次粒子の粒子径だけでなく、一次粒子が凝集してなる凝集体の粒子径をも意味する。そして、子粒子の平均粒子径は長軸径と短軸径との算術平均であり、電子顕微鏡により求められる。
【0020】
本発明では、複合微粒子内部で子粒子が分散した状態で存在していることが好ましいので、例えば子粒子原料として子粒子を含有するゾルを用いる場合、ゾル中での子粒子の分散性や安定性を高めることが好ましく、そのためには子粒子の表面を他の物質で被覆したり、あるいはゾルの安定化剤を混合してもよい。例えばTiO2 超微粒子を子粒子に用いる場合、超微粒子の表面をSiO2 やAl2 O3 等で被覆して分散性を高めたり、塩基性の安定化剤(例えば、NH3 等)を混合してTiO2 のゾル状態を安定化させたりするのもよい。また超微粒子粉末を表面改質して良好に分散できる場合には、子粒子原料として供することもできる。本発明で用いられるゾルとは、一般に、ふつうの顕微鏡では認められないが、原子あるいは低分子よりは大きい粒子として物質が液体中に分散しているもの(理化学辞典 第3版)を言う。例えばシリカのヒドロゾル、TiO2 超微粒子懸濁液等があげられる。
【0021】
複合微粒子を構成する母粒子は、複合微粒子懸濁系の透明性を発現させるために、子粒子と同様に可視光線域における透明性を満足する必要がある。すなわち可視光線を吸収しない物質で構成され、かつ0.3μmを超えるような1次粒子を持たないことが望ましい。例えば平均粒子径が0.01μmの超微粒子の凝集体等が好ましい。
【0022】
母粒子を構成する粒子としては、例えば金属酸化物等の透明性が高いセラミックス及び/又はフッ素化合物からなる物質であり、より具体的には金属酸化物、金属酸化物とフッ素化合物の混合物、又はフッ素化合物のみからなるもの等が用いられる。前記のように、微粒子の凝集体が通常母粒子を構成することになるので、母粒子の要件を満たす為には母粒子を構成する粒子(即ち、1次粒子)の平均粒子径が0.3μm以下、即ち、0.001〜0.3μmであり、なかでも好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下であり、特に好ましくは0.05μm以下であることが望ましい。なお、本明細書において、母粒子の平均粒子径とは長軸径と短軸径との算術平均であり、電子顕微鏡により求められる。また子粒子の場合と同じ理由で、母粒子を構成する微粒子の表面を他の物質で被覆したり、あるいはゾルの安定化剤を混合してもよい。ここで用いられる被覆用の物質や安定化剤としては、子粒子の場合と同様のものが挙げられる。
【0023】
金属酸化物は化学的に安定な固体が多く、母粒子を構成する粒子として適当である。母粒子に用いられる金属酸化物としては、例えばTiO2 、CuO、ZnO、MgO、CeO2 、SnO2 、SiO2 、Fe2 O3 、Al2 O3 、NiO2 、MnO2 等が挙げられ、SiO2 及びAl2 O3 が、前述の屈折率や透明性等の点から、特に好ましい。なお、これら金属酸化物は、1種のみを用いても良く、2種以上の混合物を用いても良い。
【0024】
母粒子に用いられるフッ素化合物は、化学的に安定な化合物が多い。フッ素化合物としては、常温で固体のものあるいは液体のものが挙げられる。常温で固体の無機フッ素化合物としては例えばMgF2 、CaF2 、AlF3 、LiF、NiF2 、BaF2 等があり、有機フッ素化合物としては例えばポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと略す)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等のフッ素系樹脂等が挙げられる。なかでもフッ素化合物がMgF2 及び/又はポリテトラフルオロエチレンである場合に、透明性等の点から好適である。
【0025】
このような常温で固体のフッ素化合物の平均粒子径は、0.3μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。これは、平均粒子径が0.3μmを超える大きさになると、粒子同士の凝集力が弱くなり、複合微粒子の強度が低下するからである。
常温で液体のフッ素化合物としては、パーフルオロポリエーテル(PFPE)等が挙げられる。
【0026】
本発明では、子粒子原料や母粒子原料中に前記のような金属酸化物及びフッ素化合物に該当しない物質が含まれていても良い。例えばゾルの噴霧乾燥により複合微粒子を製造する場合、原料ゾルの安定化剤、あるいはゾル粒子の被覆剤等が母粒子中に混入することがあるが、複合微粒子の光学特性の発現を妨げなければ、それらが混入していてもかまわない。
【0027】
子粒子原料及び母粒子原料に含まれる溶媒及び原料液の溶媒としては、水あるいは有機溶媒が用いられるが、原料液滴の乾燥を妨げないものが好ましい。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール等のアルコールや、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等の溶媒、又はこれらの混合溶媒が挙げられ、原料液滴の乾燥による複合微粒子の生成に悪影響を及ぼさなければよい。なお、原料等に含まれる溶媒と原料液の溶媒は同じであっても良く、異なっていても良い。
【0028】
以上のような本発明における子粒子、母粒子及び溶媒等の組み合わせとしては、母粒子を構成する粒子がSiO2 であり、子粒子を構成する粒子がTiO2 及び/またはZnOが好ましい。また溶媒等が水の場合が、紫外線遮蔽剤としての安全性、安定性の点から最も好ましい。
【0029】
複合微粒子中の子粒子の割合は特に限定されないが、0.01〜50体積%が好ましく、より好ましくは0.1〜30体積%、更に好ましくは0.5〜20体積%である。複合微粒子全体の紫外線遮蔽の効果を発現させる観点から、子粒子の割合が0.01体積%以上が好ましい。子粒子の割合が多くなると子粒子を母粒子に分散させることが難しくなり、紫外線遮蔽能の保持や表面活性の低減が出来なくなることから、50体積%以下が好ましい。子粒子の割合は、複合微粒子を構成する粒子の密度(粒子の場合は粒子密度)と原料液の組成比から計算できる。
複合微粒子中の子粒子の割合は、母粒子を構成する粒子の量と子粒子の量とを、用いる粒子の粒子密度等を考慮して適宜調整することにより、調整できる。
【0030】
原料液中の粒子の濃度は、母粒子を構成する粒子及び子粒子の合計が0.0001〜5.0重量%が好ましく、0.001〜4.5重量%がより好ましく、0.01〜4.0重量%が特に好ましい。平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が5%以上である乾燥粒子を収率良く生成させる観点から5.0重量%以下が好ましい。5.0重量%以下であると、噴霧液滴を乾燥させる際に、揮散する蒸発成分が多いことにより、粒子径の小さい粒子が形成されることによる。また、生産性の観点から0.0001重量%以上が好ましい。
【0031】
原料液は、子粒子原料、母粒子原料及び溶媒を混合して調製される。混合方法や条件等は特に限定されるものではなく、複合微粒子表面及び/又は内部で子粒子が分散した状態で存在できるように、これらをよく混和できる程度でよい。
【0032】
本発明においては、子粒子原料や母粒子原料にゾル、懸濁液又は粉末等を利用することが出来る。即ち、本発明における原料液の態様としては、種々のものがあるが、特に限定されるものではない。なお、子粒子原料及び/又は母粒子原料に粉末又は懸濁液を用いる場合には、ミル、高圧分散等の処理により解砕又は粉砕させて、原料液中で子粒子や母粒子を構成する粒子の分散状態を保持することが好ましい。
上記のような分散処理は、例えば、撹拌ミル中に子粒子原料及び/又は母粒子原料、溶媒及びメディアを充填し、湿式で解砕又は粉砕させるといった方法を用いれば良い。
【0033】
2)工程(b)について
工程(b)は、工程(a)で得られる原料液を噴霧ガス線速度が500m/s以上、噴霧気液流量比が1000以上の条件で、2流体ノズルにより液滴化する工程である。
【0034】
本発明における原料液の液滴化は、2流体ノズルを使用し、噴霧ガス線速度が500m/s以上、かつ噴霧気液流量比(=噴霧ガスの流量(容量)/原料液の流量(容量))が1000以上で噴霧することが好ましい。噴霧ガス線速度と噴霧気液流量比の条件は、噴霧ガス線速度が700〜5000m/sであって、噴霧気液流量比が3000〜10000であればより好ましく、噴霧ガス線速度が800〜5000m/sであって、噴霧気液流量比が4000〜10000であれば特に好ましい。これらの条件下で原料液が噴霧された場合の平均液滴径は0.1〜10μmとなる。噴霧ガス線速度が500m/s未満、または噴霧気液流量比が1000未満の場合は、平均液滴径は10μmより大きくなり、平均粒子径が0.1〜5μm、かつ、1μm以下の粒子の割合が5%以上である複合微粒子を収率良く生成させることが困難となる。
【0035】
また、他の液滴化装置、例えば、回転円盤方式(ディスク方式)や圧力ノズル方式では、平均液滴径を10μmより小さくすることは困難である。一方、超音波振動方式では、10μm以下の平均液滴径を有する液滴を生成可能であるが、工業的に大量に発生させることは困難である。
なお、工程(b)における液滴の平均液滴径とは、液滴の体積基準の平均粒径であり、例えば光学式粒度分布測定器を用いて測定すれば良い。
【0036】
3)工程(c)について
工程(c)は、工程(b)で得られる液滴を、熱風入口温度が100〜300℃、排風温度が10〜100℃の条件で、噴霧乾燥機(スプレードライヤー)により乾燥させる工程、又は排風温度が10〜100℃の条件で、パルス衝撃波乾燥機により乾燥させる工程である。工程(c)で乾燥させることにより、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が体積基準で5%以上の複合微粒子を収率良く生成させることができる。
【0037】
噴霧乾燥機を用いて液滴を乾燥する場合、熱風入口温度(熱風の乾燥機入口の温度)は、100〜300℃の範囲が好ましく、100〜200℃の範囲がより好ましい。この範囲より低い熱風入口温度では乾燥速度が極端に低くなるために粒子生成が困難となる、大きい乾燥機が必要になる等の問題がある。またこの範囲より高い熱風入口温度では、液滴の表面における溶媒の急激な蒸発により、粒子が中空粒子となって、複合微粒子の密な凝集が行われにくくなるため、所望の複合微粒子を収率良く生成させることが困難となる。
【0038】
また、排風温度(熱風の乾燥機出口の温度)は、10〜100℃の範囲が好ましく、50〜100℃の範囲がより好ましい。この範囲より低い排風温度では乾燥速度が極端に低くなるために粒子の乾燥が不充分となる。またこの範囲より高い排風温度では、乾燥機の熱効率が低くなると同時に、やはり液滴の表面における溶媒の急激な蒸発が起こり、粒子が中空粒子となって、複合微粒子の密な凝集が行われにくくなるため、所望の複合微粒子を収率良く生成させることが困難となる。
【0039】
パルス衝撃波乾燥機を用いて液滴を乾燥する場合、液滴はプロパン、灯油、重油などの燃料がパルスエンジンで燃焼することにより発生する、パルス衝撃波により乾燥される(化学装置、第37巻6号73〜77頁)。排風温度(熱風の乾燥室出口の温度)は、10〜100℃の範囲が好ましく、50〜100℃の範囲がより好ましい。この範囲より低い排風温度では乾燥速度が極端に低くなるために粒子生成が困難となる。またこの範囲より高い排風温度では、乾燥機の熱効率が低くなると同時に、液滴の表面における溶媒の急激な蒸発が起こり、粒子が中空粒子となって、複合微粒子の密な凝集が行われにくくなるため、所望の複合微粒子を収率良く生成させることが困難となる。
【0040】
本発明の製造方法によって得られる複合微粒子は、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が体積基準で5%以上、好ましくは7%以上、さらに好ましくは10%以上である。かかる程度に粒子径が小さい複合微粒子は、所望の紫外線遮蔽効果をより効果的に発揮できるため、利用価値が高い。なお本明細書における複合微粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置により測定される、体積基準で求められる粒度分布から、累積体積が50%となる粒径である。1μm以下の粒子の割合も、この際に求められる粒度分布から算出される。
【0041】
本発明の複合微粒子の光学特性は、例えば、紫外線・可視光分光分析による光透過率の測定により、その定量化が可能である。
本発明の複合微粒子の好ましい紫外線遮蔽能としては、複合微粒子の屈折率と同程度の屈折率を有する媒質中に、0.1重量%の濃度で複合微粒子を懸濁させ、光路長1mmの光学セルを用いて紫外可視分光分析により光透過率を測定したとき、波長500nmにおいて透過率50%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上、かつ、波長320nmにおいて透過率50%以下、より好ましくは45%以下である。この性能により、特に可視光線域での高透明性を満足させるとともに紫外域での高遮蔽性を満足させることができる。なお、複合微粒子の屈折率と同程度とは、複合微粒子と媒質との屈折率の差が±0.1以内、好ましくは±0.05以内を意味する。
【0042】
このような紫外線・可視光分光分析による評価は、具体的には以下のようにして行われる。
複合微粒子の屈折率と同程度の屈折率を有する媒質に複合微粒子を加えて懸濁し、所定の濃度の複合微粒子懸濁液を調製する。懸濁液が均一になるように、攪拌するとともに超音波分散器等を用いて複合微粒子をよく分散させる。光路長1mmの光学セルを用意し、この中に懸濁液を満たす。光学セルは紫外及び可視光線域で吸収や散乱のないもので、例えば石英セル等が用いられる。紫外可視分光光度計を用いてこの光学セルを透過する光の透過率を測定する。このとき同等の光学セルに複合微粒子懸濁前の媒質のみ満たしたものを対照として用い、バックグラウンドの除去を行う。
【0043】
本発明の方法で得られる複合微粒子は、粒子の表面が陥没していたり、微小な粒子が付着していても良く、楕円状のものであっても良い。しかし、(粒子投影像における最大粒子径相当の円の面積)/(実際の粒子投影面積)×100で与えられる球形度が、100〜120である粒子が、化粧品に応用した場合の感触の点で好ましい。
【0044】
【実施例】
以下に本発明の実施例及び比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0045】
実施例1
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)0.75kg、酸化チタン超微粒子(石原産業(株)製TTO−51(A)、ルチル型)0.04kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした。(即ち、当該原料液のSiO2 及びTiO2 の濃度はそれぞれ1.5重量%及び0.4重量%であり、当該原料液は粒子混合物を1.9重量%含有するものである。)
この原料液を粒子径0.21〜0.3mmのガラスビーズ((株)ユニオン製)で容量の80%を充填したKDL−PILOT型ダイノーミル(ウィリー・アー・バッコーフェン製)を用いて、分散処理を行った。
【0046】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度800m/s、噴霧気液流量比6000の条件で噴霧しつつ、TWS−5W型噴霧乾燥機((株)坂本技研製)を用い、熱風入口温度150℃、排風温度84℃の条件下で乾燥し、球状複合微粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
噴霧時の液滴の平均液滴径は、液滴の体積基準の平均粒径であり、具体的にはLDSA-2400A型粒度分布測定装置(アクナ技研(株)製)により測定される。本実施例における平均液滴径は6μmであった。
【0047】
得られた粒子は白色で、なめらかな肌触りを示した。走査型電子顕微鏡により観察した結果、ほぼ真球状粒子であり、透過型電子顕微鏡を用いた超薄切片法によりその断面を観察した結果、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)の凝集体の中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.02μm)が分散・固定化されて存在していることがわかった。すなわちこの粒子は、SiO2 (バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)の凝集体が母粒子であり、TiO2 (バンドギャップエネルギーが約3.3eV、屈折率が約2.71(ルチル型))が子粒子であるTiO2 /SiO2 複合微粒子であった。
【0048】
さらに得られた粒子をポリアクリル酸ナトリウム(商品名:ポイズ530、花王(株)製)0.1重量%水溶液に、散乱光が適正の強度となる濃度で分散させ、LA−700型粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製)により粒度分布を測定した。結果を図1に示す。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径(累積体積が50%となる粒子径)は1.6μm、1μm以下の粒子の割合は14%であった。
【0049】
上記複合微粒子中での子粒子(TiO2 )の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約14体積%であり、BET法による当該複合微粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
母粒子/子粒子の体積比より計算した複合微粒子の屈折率は約1.5であるので、複合微粒子の分散媒としての90%グリセリン(屈折率=1.46)中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製した。これについて紫外可視分光光度計(島津製作所製UV−160A)により光透過率を測定した。光路長1mmの石英セルを用いて波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果は図2のようであった。
【0050】
この図では、波長320nmの紫外線領域において光透過率が約26%になっていると同時に、500nmで69%と波長400〜800nmの可視光全域において光透過率が非常に高い値になっており、生成複合微粒子は可視光線域における高透明性及び紫外線域における高遮蔽性を有していることがわかった。
また、得られた複合微粒子の球形度は、電子顕微鏡写真から100個以上の粒子画像をルーゼックスIII 型画像解析装置(ニレコ製)に取り込み、その装置の形状指数計算プログラムによって平均値を計算して求めた。その結果、本実施例で得られた複合微粒子の球形度は105であった。
【0051】
実施例2
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)0.75kg、酸化チタン超微粒子(日本エアロジル(株)製P−25、ルチル型)0.02kg、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業(株)製FINEX75)0.08kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした(即ち、当該原料液のSiO2 、TiO2 及びZnOの濃度はそれぞれ1.5重量%、0.2重量%及び0.8重量%であり、当該原料液は粒子混合物を2.5重量%含有するものである。)。次いでこの原料液を実施例1と同様の方法により、分散処理を行った。
【0052】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度500m/s、噴霧気液流量比2000の条件で噴霧しつつ、TWS−5W型噴霧乾燥機((株)坂本技研製)を用い、熱風入口温度250℃、排風温度96℃の条件下で乾燥し、球状複合微粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
また、本実施例における平均液滴径は9μmであった。
【0053】
得られた粒子は白色で、なめらかな肌触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状等を観察した結果、ほぼ真球状粒子であり、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)の凝集体の中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.02μm)及びZnO超微粒子(平均粒子径約0.01μm)が分散・固定化されて存在していることがわかった。すなわちこの粒子は、SiO2 (バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)の凝集体が母粒子であり、TiO2 (バンドギャップエネルギーが約3.3eV、屈折率が約2.71(ルチル型))及びZnO(バンドギャップエネルギーが約3.2eV、屈折率が約1.99)が子粒子であるTiO2 ・ZnO/SiO2 複合微粒子であった。
【0054】
さらに得られた粒子の粒子径を実施例1と同様の方法により測定した。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径(累積体積が50%となる粒子径)は3.3μm、1μm以下の粒子の割合は5%であった。
上記複合微粒子中での子粒子の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約22体積%であり、BET法による当該複合微粒子の比表面積値は約200m2 /gであった。
母粒子/子粒子の体積比より計算した複合微粒子の屈折率は約1.5であるので、複合微粒子の分散媒として90%グリセリンを用い、90%グリセリン中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製し、波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果、波長320nmの紫外線領域において光透過率が約41%になっていると同時に、500nmで69%と高い値を示した。
また、得られた複合微粒子の球形度は116であった。
【0055】
実施例3
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)2.0kg、酸化チタン超微粒子(テイカ(株)製MT−150W、ルチル型)0.1kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした(即ち、当該原料液のSiO2 及びTiO2 の濃度はそれぞれ4.0重量%及び1.0重量%であり、当該原料液は粒子混合物を5.0重量%含有するものである。)。次いでこの原料液を実施例1と同様の方法により、分散処理を行った。
【0056】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度1000m/s、噴霧気液流量比4000の条件で噴霧しつつ、パルス衝撃波乾燥機(大阪冨士工業(株)製)を用い、排風温度90℃の条件下で乾燥し、球状複合微粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
また、本実施例における平均液滴径は6μmであった。
【0057】
得られた粒子は白色で、なめらかな肌触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状等を観察した結果、ほぼ真球状粒子であり、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)の凝集体の中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.015μm)が分散・固定化されて存在していることがわかった。すなわちこの粒子は、SiO2 (バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)の凝集体が母粒子であり、TiO2 (バンドギャップエネルギーが約3.3eV、屈折率が約2.71(ルチル型))が子粒子であるTiO2 /SiO2 複合微粒子であった。
【0058】
さらに得られた粒子の粒子径を実施例1と同様の方法により測定した。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径(累積体積が50%となる粒子径)は2.2μm、1μm以下の粒子の割合は8%であった。
上記複合微粒子中での子粒子の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約13体積%であり、BET法による当該複合微粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
母粒子/子粒子の体積比より計算した複合微粒子の屈折率は約1.5であるので、複合微粒子の分散媒として90%グリセリンを用い、90%グリセリン中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製し、波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果、波長320nmの紫外線領域において光透過率が約41%になっていると同時に、500nmで65%と高い値を示した。
また、得られた複合微粒子の球形度は108であった。
【0059】
実施例4
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)2.0kg、酸化チタンゾル(多木化学(株)製、アナタ−ゼ型、濃度4重量%)2.5kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした(即ち、当該原料液のSiO2 及びTiO2 の濃度はそれぞれ4.0重量%及び1.0重量%であり、当該原料液は粒子混合物を5.0重量%含有するものである。)。
【0060】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度700m/s、噴霧気液流量比3000の条件で噴霧しつつ、パルス衝撃波乾燥機(大阪冨士工業(株)製)を用い、排風温度74℃の条件下で乾燥し、球状複合微粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
また、本実施例における平均液滴径は7μmであった。
【0061】
得られた粒子は白色で、なめらかな肌触りを示した。実施例1と同様の方法により粒子の形状等を観察した結果、ほぼ真球状粒子であり、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)の凝集体の中にTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm)が分散・固定化されて存在していることがわかった。すなわちこの粒子は、SiO2 (バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)の凝集体が母粒子であり、TiO2 (バンドギャップエネルギーが約3.4eV、屈折率が約2.52(アナタ−ゼ型))が子粒子であるTiO2 /SiO2 複合微粒子であった。
【0062】
さらに得られた粒子の粒子径を実施例1と同様の方法により測定した。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径(累積体積が50%となる粒子径)は2.6μm、1μm以下の粒子の割合は7%であった。
上記複合微粒子中での子粒子の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約13体積%であり、BET法による当該複合微粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
また、得られた複合微粒子の球形度は107であった。
【0063】
母粒子/子粒子の体積比より計算した複合微粒子の屈折率は約1.5であるので、複合微粒子の分散媒として90%グリセリンを用い、90%グリセリン中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製し、波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果、波長320nmの紫外線領域において光透過率が約45%になっていると同時に、500nmで68%と高い値を示した。
【0064】
比較例1
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)2.0kg、酸化チタンゾル(多木化学(株)製、アナタ−ゼ型、濃度4重量%)2.5kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした(即ち、当該原料液のSiO2 及びTiO2 の濃度はそれぞれ4.0重量%及び1.0重量%であり、当該原料液は粒子混合物を5.0重量%含有するものである。)。
【0065】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度600m/s、噴霧気液流量比4000の条件で噴霧しつつ、TWS−5W型噴霧乾燥機((株)坂本技研製)を用い、熱風入口温度250℃、排風温度130℃の条件下で乾燥し、球状粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
また、本比較例における平均液滴径は17μmであった。
【0066】
得られた粒子を走査型電子顕微鏡により観察した結果、中空の粗大な粒子であった。また得られた粒子の粒子径を実施例1と同様の方法により測定した結果を図3に示す。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径は6.1μm、1μm以下の粒子の割合は3%であった。なお、得られた粒子は、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)及びTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約3.4eV、屈折率が約2.52(アナターゼ型))からなるものであった。
【0067】
得られた粒子中でのSiO2 超微粒子の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約13体積%であり、BET法による当該粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
さらに、実施例1と同様に90%グリセリン中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製し、波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果は図4のようであった。この図では、紫外線領域から可視光領域に至るまで光透過率が約80%になっており、紫外線領域における遮蔽性がほとんど見られないことを示している。
また、得られた粒子の球形度は122であった。
【0068】
比較例2
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)4.0kg、酸化チタンゾル(多木化学(株)製、アナタ−ゼ型、濃度4重量%)5.0kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした(即ち、当該原料液のSiO2 及びTiO2 の濃度はそれぞれ8.0重量%及び2.0重量%であり、当該原料液は粒子混合物を10.0重量%含有するものである。)。
【0069】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度600m/s、噴霧気液流量比4000の条件で噴霧しつつ、TWS−5W型噴霧乾燥機((株)坂本技研製)を用い、熱風入口温度150℃、排風温度82℃の条件下で乾燥し、球状粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
また、本比較例における平均液滴径は11μmであった。
【0070】
得られた粒子の粒子径を実施例1と同様の方法により測定した。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径(累積体積が50%となる粒子径)は3.7μm、1μm以下の粒子の割合は2%であった。なお、得られた粒子は、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)及びTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約3.4eV、屈折率が約2.52(アナターゼ型))からなるものであった。
【0071】
得られた粒子中でのSiO2 超微粒子の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約13体積%であり、BET法による当該粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
さらに、実施例1と同様に90%グリセリン中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製し、波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果は図4と同様の結果であった。この図では、紫外線領域から可視光領域に至るまで光透過率が約80%になっており、紫外線領域における遮蔽性がほとんど見られないことを示している。
また、得られた粒子の球形度は108であった。
【0072】
比較例3
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)2.0kg、酸化チタンゾル(多木化学(株)製、アナタ−ゼ型、濃度4重量%)2.5kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした(即ち、当該原料液のSiO2 及びTiO2 の濃度はそれぞれ4.0重量%及び1.0重量%であり、当該原料液は粒子混合物を5.0重量%含有するものである。)。
【0073】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度400m/s、噴霧気液流量比3000の条件で噴霧しつつ、TWS−5W型噴霧乾燥機((株)坂本技研製)を用い、熱風入口温度150℃、排風温度86℃の条件下で乾燥し、球状粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
また、本比較例における平均液滴径は15μmであった。
【0074】
得られた粒子の粒子径を実施例1と同様の方法により測定した。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径(累積体積が50%となる粒子径)は5.4μm、1μm以下の粒子の割合は0%であった。なお、得られた粒子は、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)及びTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約3.4eV、屈折率が約2.52(アナターゼ型))からなるものであった。
【0075】
得られた粒子中でのSiO2 超微粒子の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約13体積%であり、BET法による当該粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
さらに、実施例1と同様に90%グリセリン中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製し、波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果は図4と同様の結果であった。この図では、紫外線領域から可視光領域に至るまで光透過率が約80%になっており、紫外線領域における遮蔽性がほとんど見られないことを示している。
また、得られた粒子の球形度は134であった。
【0076】
比較例4
シリカゾル(日産化学工業(株)製ST−C、SiO2 濃度20重量%)2.0kg、酸化チタンゾル(多木化学(株)製、アナタ−ゼ型、濃度4重量%)2.5kg及び水を混合して10kgとし、原料液とした(即ち、当該原料液のSiO2 及びTiO2 の濃度はそれぞれ4.0重量%及び1.0重量%であり、当該原料液は粒子混合物を5.0重量%含有するものである。)。
【0077】
続いて当該原料液を2流体ノズルによって噴霧ガス線速度600m/s、噴霧気液流量比4000の条件で噴霧しつつ、パルス衝撃波乾燥機(大阪冨士工業(株)製)を用い、排風温度120℃の条件下で乾燥し、球状粒子を生成させ、サイクロン及びバグフィルターにより捕集した。
また、本比較例における平均液滴径は12μmであった。
【0078】
得られた粒子の粒子径を実施例1と同様の方法により測定した。体積基準で求められた粒度分布から、平均粒子径(累積体積が50%となる粒子径)は4.3μm、1μm以下の粒子の割合は4%であった。なお、得られた粒子は、SiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約6.2eV、屈折率が約1.46)及びTiO2 超微粒子(平均粒子径約0.01μm、バンドギャップエネルギーが約3.4eV、屈折率が約2.52(アナターゼ型))からなるものであった。
【0079】
得られた粒子中でのSiO2 超微粒子の割合は、SiO2 及びTiO2 の粒子密度をそれぞれ2.27g/cm3 、3.84g/cm3 とし、原料液の組成比から計算して、約13体積%であり、BET法による当該粒子の比表面積値は約230m2 /gであった。
さらに、実施例1と同様に90%グリセリン中にこの粒子が0.1重量%懸濁した懸濁液2gを調製し、波長域200〜800nmでの光透過率を測定した結果は図4と同様の結果であった。この図では、紫外線領域から可視光領域に至るまで光透過率が約80%になっており、紫外線領域における遮蔽性がほとんど見られないことを示している。
また、得られた粒子の球形度は118であった。
【0080】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、母粒子と該母粒子内に分散・固定化された子粒子よりなる、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ、1μm以下の粒子の割合が5%以上である球状複合微粒子を収率よく連続的に製造することが可能である。かかる球状複合微粒子は、液体または固体の媒質中に分散すれば、可視光線域においては高い光透過率を示し、紫外線域においては子粒子による散乱及び吸収能が現れて高い遮蔽性を発現する。また触媒活性能の高い子粒子が母粒子内部にそのほとんどが封入されているので、子粒子の有する触媒活性が周りの媒質等に悪い影響を与えることが極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた球状複合微粒子の体積基準で表された粒度分布を示す図である。
【図2】図2は、実施例1で得られた球状複合微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果を示す図である。
【図3】図3は、比較例1で得られた球状複合微粒子の体積基準で表された粒度分布を示す図である。
【図4】図4は、比較例1で得られた球状複合微粒子の紫外可視分光光度計による光透過率の測定結果を示す図である。
Claims (7)
- 下記の(a)〜(c)の工程を有することを特徴とする、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が体積基準で5%以上である紫外線遮蔽性複合微粒子の製造方法。
(a)1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.3μmの母粒子を構成する粒子を含有する母粒子原料と、1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.1μmの子粒子を含有する子粒子原料とを混合させ、母粒子を構成する粒子及び子粒子の合計が0.0001〜5.0重量%である原料液を調製する工程、
(b)該原料液を噴霧ガス線速度が500m/s以上、噴霧気液流量比が1000以上の条件で、2流体ノズルにより液滴化する工程、および
(c)得られる液滴を熱風入口温度が100〜300℃、排風温度が10〜100℃の条件で、噴霧乾燥機により乾燥させる工程 - 下記の(a)〜(c)の工程を有することを特徴とする、平均粒子径が0.1〜5.0μm、かつ1μm以下の粒子の割合が体積基準で5%以上である紫外線遮蔽性複合微粒子の製造方法。
(a)1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.3μmの母粒子を構成する粒子を含有する母粒子原料と、1種又は2種以上の平均粒子径が0.001〜0.1μmの子粒子を含有する子粒子原料とを混合させ、母粒子を構成する粒子及び子粒子の合計が0.0001〜5.0重量%である原料液を調製する工程、
(b)該原料液を噴霧ガス線速度が500m/s以上、噴霧気液流量比が1000以上の条件で、2流体ノズルにより液滴化する工程、および
(c)得られる液滴を排風温度が10〜100℃の条件で、パルス衝撃波乾燥機により乾燥させる工程 - 母粒子がSiO2及び/又はAl2O3である請求項1又は2記載の製造方法。
- 子粒子が、TiO2、ZnO、CeO2、SiC、SnO2、WO3、SrTiO3、BaTiO3、及びCaTiO3からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
- 複合微粒子の屈折率と同程度の屈折率を有する媒質中に、0.1重量%の濃度で複合微粒子を懸濁させ、光路長1mmの光学セルを用いて紫外可視分光分析により光透過率を測定したとき、波長500nmにおいて透過率50%以上、かつ、波長320nmにおいて透過率50%以下である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
- (粒子投影像における最大粒子径相当の円の面積)/(実際の粒子投影面積)×100で与えられる球形度が100〜120である請求項1〜5いずれか記載の複合微粒子の製造方法。
- 母粒子がSiO2であり、子粒子がTiO2及び/またはZnOである、請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
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